JP2001001165A - 幅寸法が調整された摩擦撹拌接合品の製造方法 - Google Patents

幅寸法が調整された摩擦撹拌接合品の製造方法

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JP2001001165A JP11167669A JP16766999A JP2001001165A JP 2001001165 A JP2001001165 A JP 2001001165A JP 11167669 A JP11167669 A JP 11167669A JP 16766999 A JP16766999 A JP 16766999A JP 2001001165 A JP2001001165 A JP 2001001165A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を
簡単かつ確実に製造することができる摩擦撹拌接合品の
製造方法の提供を目的とする。 【解決手段】 製造される摩擦撹拌接合品Aが所定の幅
寸法Wとなるように、2枚の板状部材1、2を幅方向に
(x1+x2)の隙間3をあけて平行に配置する。この
状態で、前記隙間部分3において摩擦撹拌接合を実施す
ることによって、2枚の板状部材1、2を幅方向に接合
一体化すれば、所定の幅寸法Wに調整された摩擦撹拌接
合品Aが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属製板状部
材、特にアルミニウム又はアルミニウム合金(以下、ア
ルミニウムという)からなる板状部材を幅方向に接合一
体化して、所定の幅寸法に調整された板状の摩擦撹拌接
合品を製造するための、摩擦撹拌接合品の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
複数の金属製板状部材、例えばアルミニウムからなる板
状部材を摩擦撹拌接合により幅方向に接合一体化して板
状の摩擦撹拌接合品を製造する場合は、まず各板状部材
を幅方向の接合端面が接触するように突き合わせて配置
し、その状態で突合せ部において摩擦撹拌接合を実施す
ることが行われていた。
【0003】しかしながら、前記板状部材は一般に押出
加工等によって製作され、板状部材の幅方向の寸法にば
らつきが生じているため、板状部材から摩擦撹拌接合に
より製造される摩擦撹拌接合品の幅寸法にもばらつきが
生じ、所定の幅寸法の摩擦撹拌接合品を製造することが
難しいという問題があった。例えば、各板状部材の幅寸
法和が所定寸法より小さいものだと、製造される摩擦撹
拌接合品の幅寸法も所定寸法より小さくなる一方、板状
部材の幅寸法和が所定寸法よりも大きいものだと、製造
される摩擦撹拌接合品の幅寸法も所定寸法より大きくな
り、板状部材の幅寸法の大小によって製造される摩擦撹
拌接合品の幅寸法が一定とならなかった。
【0004】この発明は、上述の問題に鑑みてなされた
ものであって、幅寸法にばらつきが生じている板状部材
から、所定の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を簡単
かつ確実に製造することができる摩擦撹拌接合品の製造
方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
複数の金属製板状部材を摩擦撹拌接合により接合一体化
して、所定寸法に調整された板状の摩擦撹拌接合品を製
造する摩擦撹拌接合品の製造方法であって、摩擦撹拌接
合品の幅寸法が所定寸法となるように、各板状部材を幅
方向に隙間をあけて配置し、その状態で該隙間部分にお
いて摩擦撹拌接合を実施することを特徴とする。
【0006】これによれば、各板状部材の幅寸法和が摩
擦撹拌接合品の所定の幅寸法より小さい場合、各板状部
材を幅方向に所定の隙間をあけて配置することによっ
て、その不足している幅寸法が補われるので、所定の幅
寸法に調整された摩擦撹拌接合品を簡単かつ確実に製造
することができる。
【0007】なお、板状部材の接合を確実にするため
に、望ましくは、前記隙間の大きさは板状部材の肉厚の
半分以下で、かつ2.0mm以下であるのがよい。ま
た、場合によっては、前記隙間にアルミニウム等からな
る金属板若しくは金属箔を挿入するものとしてもよい。
【0008】また、請求項2に係る発明は、複数の金属
製板状部材を摩擦撹拌接合により幅方向に接合一体化し
て、所定の幅寸法に調整された板状の摩擦撹拌接合品を
製造する摩擦撹拌接合品の製造方法であって、摩擦撹拌
接合品の幅寸法が所定寸法となるように、各板状部材を
幅方向に端部を重ね合わせて配置し、その状態で該重ね
合わせ部分において摩擦撹拌接合を実施することを特徴
とする。
【0009】これによれば、各板状部材の幅寸法和が摩
擦撹拌接合品の所定の幅寸法より大きい場合、各板状部
材を幅方向に端部を所定幅だけ重ね合わせて配置するこ
とによって、その余分な幅寸法が解消されるので、所定
の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を簡単かつ確実に
製造することができる。
【0010】また、請求項3に係る発明は、複数の金属
製板状部材を摩擦撹拌接合により幅方向に接合一体化し
て、所定の幅寸法に調整された板状の摩擦撹拌接合品を
製造する摩擦撹拌接合品の製造方法であって、各板状部
材を摩擦撹拌接合により幅方向に接合一体化するととも
に、摩擦撹拌接合品の幅寸法が所定寸法となるように、
各板状部材の少なくとも接合部分において圧延加工を実
施することを特徴とする。
【0011】これによれば、各板状部材の幅寸法和が摩
擦撹拌接合品の所定の幅寸法より小さい場合、各板状部
材の接合部分において圧延加工を実施することによっ
て、摩擦撹拌接合品の幅寸法が幅方向に所定量だけ拡幅
するので、所定の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を
簡単かつ確実に製造することができる。
【0012】なお、この発明において、板状部材又は摩
擦撹拌接合品の幅寸法とは、各板状部材の接合方向と直
交する方向の寸法をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1〜図3は、こ
の実施形態によって製造される摩擦撹拌接合品(A)の
一例を示す。
【0014】この摩擦撹拌接合品(A)は、2枚の板状
部材(1)(2)から構成される。前記板状部材(1)
(2)は、押出加工等の公知の加工によって製作された
もので、例えば4mm以下の厚みtを有する平面視長方
形状のアルミニウム製の薄肉平板からなる。また、この
板状部材(1)(2)は、押出加工等の段階において幅
寸法にばらつきが生じており、板状部材(1)の幅寸法
W1は所定の幅寸法W/2よりx1だけ小さい一方、板
状部材(2)の幅寸法W2は所定の幅寸法W/2よりx
2だけ小さい。
【0015】次に摩擦撹拌接合品(A)の製造方法につ
いて説明する。
【0016】まず、図1に示すように、製造される摩擦
撹拌接合品(A)が所定の幅寸法Wとなるように、2枚
の板状部材(1)(2)を幅方向に(x1+x2)の隙
間(3)をあけて平行に配置する。つまり、各板状部材
(1)(2)の幅寸法w1、w2が、上述のように所定
の幅寸法W/2よりもx1、x2だけ小さいことによっ
て、板状部材(1)(2)の幅寸法和(w1+w2)
が、製造される摩擦撹拌接合品(A)の所定の幅寸法W
よりも(x1+x2)だけ小さくなるので、その不足し
ている(x1+x2)を補うために、板状部材(1)
(2)を幅方向に(x1+x2)の隙間(3)をあけて
平行に配置する。
【0017】この状態で、前記隙間部分(3)において
摩擦撹拌接合を実施することによって、2枚の板状部材
(1)(2)を幅方向に接合一体化する。この摩擦撹拌
接合は、被加工物よりも硬い材質のプローブ(棒状物)
を回転させながら被加工物に摺接させた際に、発生する
摩擦熱によって被加工物のプローブとの摺接部分が可塑
化状態となり、この可塑化状態の被加工物素材がプロー
ブによって撹拌混練されると共に、該プローブが被加工
物中を移動可能になることを利用し、被加工物相互の接
合予定部位を接合一体化するものである。
【0018】この実施形態においては、図2に示すよう
に、径大の円柱状回転子(41)の端部軸線上に、板状
部材(1)(2)よりも硬質で、かつ隙間部分(3)の
幅(x1+x2)より径大のピン状プローブ(42)が
突出して一体に設けられた接合装置(40)を用い、前
記回転子(41)及びプローブ(42)を回転させつ
つ、プローブ(42)を隙間部分(3)における板状部
材(1)(2)の接合端部にほぼ直角状に接触させる。
すると、その板状部材(1)(2)の接合端部は、プロ
ーブ(42)との摺接によって接触部において軟化可塑
化し、プローブ(42)は板状部材(1)(2)の厚さ
方向内部に挿入されていく。プローブ(42)の挿入
は、回転子(41)のプローブ側平坦面からなる肩部
(41a)が板状部材(1)(2)の表面に当接するま
で行う。
【0019】そして、プローブ(42)を、挿入状態の
まま進行方向後方にわずかに傾けて、回転子(41)の
肩部を進行方向側の部分をわずかに浮かせた状態で、板
状部材(1)(2)の長さ方向に沿って相対的に移動さ
せる。すると、プローブ(42)の回転により発生する
摩擦熱、さらに回転子(41)の肩部と板状部材(1)
(2)の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱によっ
て、板状部材(1)(2)の接合端部はプローブ(4
2)との接触近傍において軟化可塑化し、かつ撹拌され
ると共に、その軟化部分がプローブ(42)の進行圧力
を受けて板状部材(1)(2)の隙間(3)を埋めるよ
うに、プローブ(42)の進行方向後方へと回り込む態
様で塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化
される。この現象がプローブ(42)の移動に伴って順
次繰り返されていき、プローブ(42)を板状部材
(1)(2)の長さとほぼ同じ範囲だけ移動させること
によって、最終的に2枚の板状部材(1)(2)が幅方
向に接合一体化され、所定の幅寸法Wに調整された摩擦
撹拌接合品(A)を簡単かつ確実に製造することができ
る。
【0020】なお、上述のように摩擦撹拌接合によれ
ば、板状部材(1)(2)に少々の隙間(3)があって
も、軟化した周囲の素材が隙間(3)を埋めるために板
状部材(1)(2)の接合が可能となるが、隙間(3)
があまり大きすぎると軟化した周囲の素材が隙間(3)
を埋めることができず、板状部材(1)(2)の接合が
困難となる。このため、構成部材(1)(2)の隙間
(3)をあけた状態での接合を確実なものとするため
に、隙間(3)の大きさは板状部材(1)(2)の肉厚
の半分以下で、かつ2.0mm以下であるのが望まし
く、また、場合によっては前記隙間(3)にアルミニウ
ム等からなる金属板若しくは金属箔を挿入するものとし
てもよい。
【0021】また、この実施形態では、幅寸法が調整さ
れた摩擦撹拌接合品(A)を製造するのに、2枚の板状
部材(1)(2)を接合一体化したが、複数枚の板状部
材を接合一体化するものとしてもよい。
【0022】また、2枚の板状部材(1)(2)を摩擦
撹拌接合により接合一体化するのに、プローブ(42)
を板状部材(2)の長さとほぼ同じ範囲だけ移動させる
ものとしたが、プローブ(42)を板状部材(2)の長
さより狭い範囲で移動させるものとしてもよいし、ある
いはプローブを移動させずに、一個ないし複数個のスポ
ット状の接合部を形成するものとしてもよい。また、板
状部材(1)(2)として押出形材を用いたが、ダイカ
スト材や鋳物材等を用いてもよい。
【0023】[実施形態2]図4〜図6は、この実施形
態によって製造される摩擦撹拌接合品(B)の一例を示
す。
【0024】この摩擦撹拌接合品(B)は、2枚の板状
部材(4)(5)から構成される。前記板状部材(4)
(5)は、押出加工等の公知の加工によって製作された
もので、厚みtを有する平面視長方形状のアルミニウム
製の薄肉平板からなる。この実施形態では、板状部材
(4)(5)の重ね合わせ部において段差が生じるた
め、板状部材(4)(5)の肉厚tは3mm以下、特に
2mm以下に設定されるのが望ましい。また、この板状
部材(4)(5)は、押出加工等の段階において幅寸法
にばらつきが生じており、板状部材(4)の幅寸法W3
は所定の幅寸法W/2よりx3だけ大きい一方、板状部
材(5)の幅寸法W4は所定の幅寸法W/2よりx4だ
け大きい。
【0025】次に摩擦撹拌接合品(B)の製造方法につ
いて説明する。
【0026】まず、図4に示すように、製造される摩擦
撹拌接合品(B)が所定の幅寸法Wとなるように、2枚
の板状部材(4)(5)を幅方向に接合端部を(w3+
w4)だけ重ね合わせて平行に配置する。つまり、各板
状部材(4)(5)の幅寸法w3、w4が、上述のよう
に所定の幅寸法W/2よりもx3、x4だけ大きいこと
によって、板状部材(4)(5)の幅寸法和(w3+w
4)が、製造される摩擦撹拌接合品(B)の所定の幅寸
法Wよりも幅(x3+x4)だけ大きくなるので、その
余分な大きさ(x3+x4)をなくすために、板状部材
(4)(5)を幅方向に接合端部を(w3+w4)だけ
重ね合わせて平行に配置する。
【0027】この状態で、重ね合わせ部(6)において
摩擦撹拌接合を実施することによって、2枚の板状部材
(4)(5)を幅方向に接合一体化する。この実施形態
においては、図5に示すように、上述の接合装置(4
0)を用い、前記回転子(41)及びプローブ(42)
を回転させつつ、プローブ(42)を前記重ね合わせ部
(6)にほぼ直角状に接触させる。すると、その板状部
材(5)の重ね合わせ部(6)は、プローブ(42)と
の摺接によって接触部において軟化可塑化し、プローブ
(42)は板状部材(5)の厚さ方向内部に挿入されて
いく。プローブ(42)の挿入は、プローブ(42)の
先端が板状部材(5)を貫通し板状部材(4)まで挿入
され、回転子(41)のプローブ側平坦面からなる肩部
(41a)が板状部材(5)の表面に当接するまで行
う。
【0028】そして、プローブ(42)を、挿入状態の
まま進行方向後方にわずかに傾けて、回転子(41)の
肩部を進行方向側の部分をわずかに浮かせた状態で、板
状部材(4)(5)の長さ方向に沿って相対的に移動さ
せる。すると、プローブ(42)の回転により発生する
摩擦熱、さらに回転子(41)の肩部と板状部材(5)
の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱によって、前記重
ね合わせ部(6)はプローブ(42)との接触近傍にお
いて軟化可塑化し、かつ撹拌されると共に、その軟化部
分がプローブ(42)の進行圧力を受けてプローブ(4
2)の通過溝を埋めるように、プローブ(42)の進行
方向後方へと回り込む態様で塑性流動したのち、摩擦熱
を急速に失って冷却固化される。この現象がプローブ
(42)の移動に伴って順次繰り返されていき、プロー
ブ(42)を板状部材(4)(5)の長さとほぼ同じ範
囲だけ移動させることによって、最終的に2枚の板状部
材(4)(5)が幅方向に接合一体化され、所定の幅寸
法Wに調整された摩擦撹拌接合品(B)を簡単かつ確実
に製造することができる。
【0029】[実施形態3]図7〜図10は、この実施
形態によって製造される摩擦撹拌接合品(C)の一例を
示す。
【0030】この摩擦撹拌接合品(C)は、2枚の板状
部材(7)(8)から構成される。前記板状部材(7)
(8)は、押出加工等の公知の加工によって製作された
もので、厚みtを有する平面視長方形状のアルミニウム
製の薄肉平板からなる。また、この板状部材(7)
(8)は、押出加工等の段階において幅寸法にばらつき
が生じており、板状部材(7)の幅寸法w5は所定の幅
寸法W/2よりx5だけ小さい一方、板状部材(8)の
幅寸法w6は所定の幅寸法W/2よりx6だけ小さい。
【0031】次に摩擦撹拌接合品(C)の製造方法につ
いて説明する。
【0032】この実施形態では、図8に示すように、縦
断面矩形状の圧延ローラ(9)(10)が設けられてお
り、突合せ部が摩擦撹拌接合された板状部材(7)
(8)が、図示略の送出装置により圧延ローラ(9)
(10)間に送り出され、該圧延ローラ(9)(10)
により突合せ部が圧延されることによって、幅寸法が調
整された摩擦撹拌接合品が製造される。以下、この摩擦
撹拌接合品の製造方法について具体的に説明する。
【0033】まず、図7に示すように、2枚の板状部材
(7)(8)を、接合端面が接触するように突き合わせ
て配置する。このとき、板状部材(7)(8)の幅寸法
は、それぞれ所定の幅寸法W/2よりx5、x6だけ小
さいw5、w6とばらついているため、板状部材(7)
(8)の幅寸法和(w5+w6)も、所望の摩擦撹拌接
合品(C)の幅寸法Wより(x5+x6)だけ小さいも
のとなっている。
【0034】この状態で、板状部材(7)(8)の突合
せ部において摩擦撹拌接合を実施することによって、2
枚の板状部材(7)(8)を幅方向に接合一体化する。
この実施形態においては、図8に示すように、上述の接
合装置(40)を用い、前記回転子(41)及びプロー
ブ(42)を回転させつつ、プローブ(42)を板状部
材(7)(8)の突合せ部にほぼ直角状に接触させる。
すると、その板状部材(7)(8)の突き合わせ部は、
プローブ(42)との摺接によって接触部において軟化
可塑化し、プローブ(42)は板状部材(7)(8)の
厚さ方向内部に挿入されていく。プローブ(42)の挿
入は、回転子(41)のプローブ側平坦面からなる肩部
(41a)が板状部材(7)(8)の表面に当接するま
で行う。
【0035】そして、プローブ(42)を、挿入状態の
まま板状部材(7)(8)の送り出し方向後側にわずか
に傾けて、回転子(41)の肩部を板状部材(7)
(8)の送り出し方向側の部分をわずかに浮かせた固定
状態で、板状部材(7)(8)を図8の矢印方向に移動
させる。すると、プローブ(42)の回転により発生す
る摩擦熱、さらに回転子(41)の肩部と板状部材
(7)(8)の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱によ
って、板状部材(7)(8)の突合せ部はプローブ(4
2)との接触近傍において軟化可塑化し、かつ撹拌され
ると共に、その軟化部分がプローブ(42)の相対進行
圧力を受けてプローブ(42)の通過溝を埋めるよう
に、板状部材(7)(8)の送り出し側へと回り込む態
様で塑性流動したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化
される。
【0036】また、前記接合装置(40)に対して板状
部材(7)(8)の送り出し方向側には、図8及び図9
に示すように、縦断面矩形状の圧延ローラ(9)(1
0)がその周面を板状部材(7)(8)の突合せ部の上
下面に接触させる態様で設けられている。この圧延ロー
ラ(8)(9)は、板状部材(7)(8)の摩擦撹拌接
合された突合せ部を圧延することによって、板状部材
(7)(8)の幅寸法和(w5+w6)を所定の幅寸法
Wまで拡幅するためのもので、幅寸法和(w5+w6)
や肉厚tの大きさに応じてローラ距離や圧延圧力が設定
される。しかして、突合せ部が摩擦撹拌接合された板状
部材(7)(8)は、図示略の送出装置により前記圧延
ローラ(7)(8)間に送られ、それら圧延ローラ
(7)(8)により突合せ部を圧延されることによっ
て、所定の幅寸法Wに拡幅せしめられる。
【0037】こうして、板状部材(7)(8)の突合せ
部における摩擦撹拌接合と圧延加工が、板状部材(7)
(8)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に
2枚の板状部材(7)(8)を幅方向に接合一体化する
とともに、幅寸法が所定の幅寸法Wに調整された摩擦撹
拌接合品(C)を簡単かつ確実に製造することができ
る。
【0038】しかも、摩擦撹拌接合品(C)の接合部分
を圧延加工することによって、上述の拡幅と同時に摩擦
撹拌接合品(C)のねじれ等を矯正することができ、摩
擦撹拌接合品(C)の平面度を向上することが可能とな
る。また、摩擦撹拌接合の際、摩擦撹拌接合品(C)の
接合部分に内部応力が発生するが、接合部分の圧延加工
によって該内部応力を分散することができる。
【0039】なお、この実施形態では、縦断面矩形状の
圧延ローラ(9)(10)を用いたが、摩擦撹拌接合品
(C)の幅寸法をより拡幅する場合には、図10に示す
ように、縦断面長円状の圧延ローラ(10)(11)や
その他の形状のローラを用いてもよい。
【0040】また、板状部材(7)(8)の摩擦撹拌接
合及び圧延加工を連続して実施するものとしたが、板状
部材(7)(8)の摩擦撹拌接合が完了したあとに圧延
を実施するものとしてもよい。
【0041】さらに、板状部材(7)(8)を突き合わ
せた状態で摩擦撹拌接合及び圧延加工を実施するものと
したが、板状部材(7)(8)を隙間をあけた状態で摩
擦撹拌接合及び圧延加工を実施するものとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、各板状部
材の幅寸法和が摩擦撹拌接合品の所定の幅寸法より小さ
い場合、各板状部材を幅方向に所定の隙間をあけて配置
することによって、その不足している幅寸法が補われる
ので、所定の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を簡単
かつ確実に製造することができる。
【0043】請求項2に係る発明によれば、各板状部材
の幅寸法和が摩擦撹拌接合品の所定の幅寸法より大きい
場合、各板状部材を幅方向に端部を所定幅だけ重ね合わ
せて配置することによって、その余分な幅寸法が解消さ
れるので、所定の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を
簡単かつ確実に製造することができる。
【0044】請求項3に係る発明によれば、摩擦撹拌接
合により製作された摩擦撹拌接合品の幅寸法が所定の幅
寸法より小さい場合、摩擦撹拌接合品の接合部分におい
て一定条件の下で圧延加工を実施することによって、摩
擦撹拌接合品の幅寸法が幅方向に所定量だけ拡幅するの
で、所定の幅寸法に調整された摩擦撹拌接合品を簡単か
つ確実に製造することができる。しかも、摩擦撹拌接合
品の接合部分を圧延加工することによって、上述の拡幅
と同時に摩擦撹拌接合品のねじれ等を矯正することがで
きるので、摩擦撹拌接合品の平面度を向上することが可
能となる。また、接合部分の圧延加工によって、摩擦撹
拌接合の際に接合部に生じた内部応力を分散することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における板状部材を接合
前の状態において示した斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態における摩擦撹拌接合に
より板状部材を接合している状態を示した斜視図であ
る。
【図3】この発明の一実施形態に係る製造方法により製
造された摩擦撹拌接合品の斜視図である。
【図4】この発明の他の実施形態における板状部材を接
合前の状態において示した斜視図である。
【図5】この発明の他の一実施形態における摩擦撹拌接
合により板状部材を接合している状態を示す斜視図であ
る。
【図6】この発明の他の一実施形態に係る製造方法によ
り製造された摩擦撹拌接合品の斜視図である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態における板状部
材を接合前の状態において示した斜視図である。
【図8】この発明のさらに他の一実施形態における摩擦
撹拌接合により板状部材を接合している状態を示す斜視
図である。
【図9】図8のI−I線断面図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態における縦断
面長円状の圧延ローラを示す正面図である。
【図11】この発明のさらに他の一実施形態に係る製造
方法により製造された摩擦撹拌接合品の斜視図である。
【符号の説明】
1、2・・・板状部材 3・・・隙間 40・・・接合装置 41・・・回転子 41a・・・肩部 42・・・プローブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属製板状部材を摩擦撹拌接合に
    より幅方向に接合一体化して、所定の幅寸法に調整され
    た板状の摩擦撹拌接合品を製造する摩擦撹拌接合品の製
    造方法であって、 摩擦撹拌接合品の幅寸法が所定寸法となるように、各板
    状部材を幅方向に隙間をあけて配置し、その状態で該隙
    間部分において摩擦撹拌接合を実施することを特徴とす
    る摩擦撹拌接合品の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の金属製板状部材を摩擦撹拌接合に
    より幅方向に接合一体化して、所定の幅寸法に調整され
    た板状の摩擦撹拌接合品を製造する摩擦撹拌接合品の製
    造方法であって、 摩擦撹拌接合品の幅寸法が所定寸法となるように、各板
    状部材を幅方向に端部を重ね合わせて配置し、その状態
    で該重ね合わせ部分において摩擦撹拌接合を実施するこ
    とを特徴とする摩擦撹拌接合品の製造方法。
  3. 【請求項3】 複数の金属製板状部材を摩擦撹拌接合に
    より幅方向に接合一体化して、所定の幅寸法に調整され
    た板状の摩擦撹拌接合品を製造する摩擦撹拌接合品の製
    造方法であって、 各板状部材を摩擦撹拌接合により幅方向に接合一体化す
    るとともに、摩擦撹拌接合品の幅寸法が所定寸法となる
    ように、各板状部材の少なくとも接合部分において圧延
    加工を実施することを特徴とする摩擦撹拌接合品の製造
    方法。
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