JP2000354893A - 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水の処理方法及び処理装置

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JP2000354893A
JP2000354893A JP11171364A JP17136499A JP2000354893A JP 2000354893 A JP2000354893 A JP 2000354893A JP 11171364 A JP11171364 A JP 11171364A JP 17136499 A JP17136499 A JP 17136499A JP 2000354893 A JP2000354893 A JP 2000354893A
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Souta Nakagawa
創太 中川
Yousei Katsura
甬生 葛
Toshihiro Tanaka
俊博 田中
Noboru Katsukura
昇 勝倉
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有す
る汚水を物理化学的に処理する技術において、高額な処
理コストを伴わず、かつCOD除去率も高く分解除去を
行うことが可能である処理方法及び処理装置を提供す
る。 【解決手段】 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含
有する汚水を処理する方法及び装置において、内分泌撹
乱物質または発ガン性物質を含有する汚水を、(A)オ
ゾン処理工程と、(B)酸性条件下で過酸化水素および
水溶液中で金属イオンを解離する物質を添加して紫外線
を照射しつつ反応せしめる酸化処理工程と、(C)アル
カリ剤を添加して中和処理する中和処理工程とを有する
処理工程に導入することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内分泌撹乱物質また
は発ガン性物質を含有する汚水の処理に関するものであ
る。特に最終処分場の浸出水、産業廃水等の汚水を処理
する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内分泌撹乱化学物質は動物の体内に取り
込まれた場合に、本来その生体内で営まれている正常な
ホルモン作用に影響を与える化学物質をいい、それらの
曝露は人や野生動物の内分泌作用を撹乱し、生殖機能障
害、悪性腫瘍などを引き起こす可能性があると指摘され
ている。これら内分泌撹乱物質は極めて低濃度で作用
し、特に胎児期など発生段階で深刻な影響を与え、成長
後にその影響が発現するなどの可能性が指摘されている
ことから、生物存続に関わる重大な影響をもたらす可能
性も懸念されている。これまでに魚類、は虫類、鳥類な
どの野生生物において、生殖機能異常、生殖行動異常、
雄の雌性化、ふ化能力の低下などと内分泌撹乱物質との
関連が指摘されている。さらに人においても***数の減
少、前立腺癌の増加、および子宮内膜症の増加の傾向性
と内分泌撹乱物質との関連も指摘されている。動物実験
の結果では、いくつかの化学物質によって精巣停留や精
子数の減少などの生殖機能障害や子宮内膜症などが引き
起こされることが確認されている。発ガン性物質は細胞
の癌化を促進することが知られている。
【0003】これまでの調査により内分泌撹乱物質およ
び発ガン性物質として疑われているものとしては、PC
B類、ダイオキシン類、ポリ臭化ビフェニル、ヘキサク
ロロベンゼン、ペンタクロロフェノール、2,4,5−
トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキ
シ酢酸、アミトロール、アトラジン、シマジン、ヘキサ
クロロシクロヘキサン、エチルパラチオン、カルバリ
ル、クロルデン類、1,2−ジブロモ−3−クロロプロ
パン、DDTおよびその代謝物(DDE、DDD)、ケ
ルセン、アルドリン、エンドリン、ディルドリン、エン
ドサルファン、ヘプタクロルおよびヘプタクロルエポキ
シド、マラチオン、メソミル、メトキシクロル、マイレ
ックス、ニトロフェン、トキサフェン、カンフェクロ
ル、有機スズ(トリブチルスズなど)、トリフルラリ
ン、アルキルフェノール類、ビスフエノールA、フタル
酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ブチルベンジ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フ
タル酸ジエチル、ベンゾ(a)ピレン、カドミウム、
鉛、水銀、2,4−ジクロロフェノール、アジピン酸
(2−エチルヘキシル)、ベンゾフェノン、4−ニトロ
トルエン、ジオキサン等が挙げられている。
【0004】これらは、それぞれ、難燃剤、殺菌剤、殺
虫剤、防汚材、腐食防止剤、熱媒体、防腐剤、除草剤、
樹脂の硬化剤、樹脂原料、プラスチック可塑剤、溶媒な
どとして、または燃焼過程で生成され、物質によって異
なるが概ねμg/リットル〜pg/リットルオーダーの濃度で環
境水中で検出されている。このような濃度レベルはCO
D、TOC等から推測される水中有機物濃度のmg/リッ
トルオーダーに比べて非常に低いものであるが、これらの
内分泌撹乱化学物質が、非常に微量な量で上記のような
作用を引き起こすことが知られていることから、環境水
中あるいは環境に放出される以前の水に含まれる微量の
内分泌撹乱化学物質を除去する技術の開発が望まれてい
る。特に埋立地浸出水は、様々な種類の内分泌撹乱物質
および発ガン性物質が含まれており、濃度も高い(ダイ
オキシン類が100〜5000pg/リットル、ビスフェノ
ールAが100〜10000ng/リットル、1,4−ジオ
キサンが1000〜100000ng/リットル)ことから
埋立地浸出水中の内分泌撹乱物質および発ガン性物質の
処理は急務である。
【0005】生物難分解性有機物を処理する従来技術と
しては、紫外線、オゾン、過酸化水素、二酸化チタンな
どを組み合わせた光化学的反応あるいは化学反応によっ
て、ヒドロキシラジカルのような活性酸素を発生させる
方法が知られている。しかし、内分泌撹乱物質または発
ガン性物質を含有する汚水には紫外線透過率が低い、ま
たはオゾンと容易に反応する有機物の濃度が高い場合が
あり、ヒドロキシラジカルの生成に必要な紫外線、オゾ
ンが上記の原因により減少し、ヒドロキシラジカルの生
成効率が低くなり、内分泌撹乱物質または発ガン性物質
の分解効率が低いという欠点があった。よってこの方法
で確実な処理を行う場合に必要な紫外線照射量、紫外線
ランプ本数及び酸化剤投入量が膨大なものとなってしま
うという欠点があった。また、目標とするCOD除去率
を満足させる為に必要なこれらの量も膨大となってしま
う欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記の問題点を解決し、ダイオキシン、ビスフェノ
ールA、ジオキサン、フタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)などの水中に存在する、内分泌撹乱物質または発ガ
ン性物質を含有する汚水を物理化学的に処理する技術に
おいて、高額な処理コストを伴わず、かつCOD除去率
も高く分解除去を行うことが可能である処理方法及び処
理装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、従来の
技術において確実な処理を行う場合に必要な紫外線照射
量、紫外線ランプ本数及び酸化剤投入量が膨大なものと
なった原因として、(1)原水の紫外線透過率が低いた
め、ヒドロキシラジカル等の活性酸素の生成に必要な紫
外線の線量が低下して、ヒドロキシラジカル等の活性酸
素の生成効率が低下すること、(2)原水にはオゾンと
容易に反応する不飽和結合部分を持つ物質が多量に含ま
れている場合があり、不飽和結合部分はヒドロキシラジ
カルとも反応すること、(3)不飽和結合部分の酸化に
はヒドロキシラジカルよりもオゾンの方が効率的である
こと、(4)COD目標水質を満足させるために必要な
COD除去量を酸化分解のみにより得るためには酸化剤
投入量が膨大となってしまうことに着目し、本発明に到
達した。即ち、本発明は、下記の手段により前記の目的
を達成することができる。
【0008】(1)内分泌撹乱物質または発ガン性物質
を含有する汚水を処理する方法において、内分泌撹乱物
質または発ガン性物質を含有する汚水を、(A)オゾン
処理工程と、(B)酸性条件下で過酸化水素および水溶
液中で金属イオンを解離する物質を添加して紫外線を照
射しつつ反応せしめる酸化処理工程と、(C)アルカリ
剤を添加して中和処理する中和処理工程とを有する処理
工程に導入することを特徴とする内分泌撹乱物質または
発ガン性物質を含有する汚水の処理方法。 (2)内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚
水を、前記(A)、(B)、(C)処理工程に順次導入
し、処理することを特徴とする前記(1)に記載の内分
泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水の処理方
法。 (3)前記(C)中和処理工程で生じる沈殿物を前記
(A)オゾン処理工程に導入することを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の内分泌撹乱物質または発ガ
ン性物質を含有する汚水の処理方法。
【0009】(4)内分泌撹乱物質または発ガン性物質
を含有する汚水を処理する装置において、内分泌撹乱物
質または発ガン性物質を含有する汚水を導入する手段
と、(A)オゾン処理工程を行う手段と、(B)酸性条
件下で過酸化水素および水溶液中で金属イオンを解離す
る物質を添加して紫外線を照射しつつ反応せしめる酸化
処理工程を行う手段と、(C)アルカリ剤を添加して中
和処理する中和処理工程を行う手段とを有することを特
徴とする内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する
汚水の処理装置。 (5)前記(A)、(B)、(C)処理工程を行う手段
が、内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水
を前記(A)、(B)、(C)処理工程手段に順次導入
できるように配置されていることを特徴とする前記
(4)に記載の内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含
有する汚水の処理装置。 (6)前記(C)中和処理工程を行う手段で生じる沈殿
物をオゾン処理工程に導入する手段を有することを特徴
とする前記(4)または(5)に記載の内分泌撹乱物質
または発ガン性物質を含有する汚水の処理装置。
【0010】本発明では以上の工程を行うことにより、
以下に示す作用により内分泌撹乱物質または発ガン性物
質の分解が効率よく行われる。まず、オゾン処理工程で
は、原水中の有機物のうち、オゾン易分解性有機物、紫
外線透過率が低い有機物が除去された水が得られる。次
に酸化処理工程では、酸性条件下で過酸化水素および水
溶液中で金属イオンを解離する物質を添加して紫外線を
照射しつつ反応せしめることにより生じたヒドロキシラ
ジカル等の活性酸素による内分泌撹乱物質または発ガン
性物質の酸化分解反応が行われる。ここで、酸化処理工
程で行われる反応は、ヒドロキシラジカルが極めて重要
な役割を果たしているが、オゾン処理工程で原水中の有
機物のうちオゾン易分解性有機物および紫外線透過率が
低い有機物が除去されているために、紫外線と過酸化水
素との反応によるヒドロキシラジカル等の活性酸素の生
成効率が向上する。また、生成したヒドロキシラジカル
はオゾン易分解性有機物の酸化に使用される割合が少な
くなり、ヒドロキシラジカルをオゾン難分解性有機物お
よび分解目的物質の分解に有効に利用することができ
る。また、酸性領域で金属イオンを解離する物質を併用
することにより過酸化水素と金属イオンとの反応でヒド
ロキシラジカルが生じるので、過酸化水素からヒドロキ
シラジカルを発生させるために必要な紫外線照射量を低
減させることができ、結果的に脱塩素化反応を促進させ
ることができる。中和処理では金属水酸化物スラッジが
生じるが、スラッジの生成に伴いCOD成分がスラッジ
中に取り込まれることによりCOD成分も除去可能とな
る。以上のような効果により、本発明による内分泌撹乱
物質または発ガン性物質を含有する汚水の処理方法及び
処理方法を用いることにより汚水中の内分泌撹乱物質、
発ガン性物質、COD成分が低コストかつ高度に処理さ
れ、安全な処理水を得ることができる。
【0011】オゾン処理工程での処理方法の実施形態に
ついて以下に示す。オゾンガスの注入方法としては、デ
ィフューザー方式、イジェクター方式、Uチューブ方
式、オゾンガスを0.5〜10kg/cm2 の加圧状態
で溶解させる方式、水中撹拌式散気装置等を挙げること
ができるがこれに限るものではない。また、反応槽内に
注入した酸素含有気体に対して電気的なエネルギーを加
えてオゾンガスを発生させる方法も可能である。
【0012】次に、酸化処理工程での処理方法の実施形
態について以下に示す。紫外線を供給する光源として
は、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ラン
プ、エキシマレーザー等、170〜380nmの範囲の
比較的低波長の紫外線を照射可能なもの、或いは自然
光、蛍光灯等を挙げることができるがこれに限るもので
はない。紫外線の強度、処理コストを考慮した場合、低
圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等の水
銀ランプが望ましい。紫外線ランプの破損防止のために
保護管を使用する場合、材質は170〜380nmの紫
外線透過率が高い石英、又は合成石英が望ましい。紫外
線の設置方法としては、水またはオゾンガスの流れに対
して紫外線ランプのなかで方向を垂直または水平として
並べる方法があるが、水及びオゾンガスと紫外線との接
触効率を考慮した場合、水及びオゾンガスの流れに対し
て垂直方向に並べる方法が接触効率のむらが少なくなり
好適である。
【0013】過酸化水素の注入方法としては、酸化処理
工程流入水の流入配管に注入する方法、酸化処理工程の
反応槽に直接注入する方法等を挙げることができる。ま
た、これらの場合は複数の箇所から過酸化水素を注入す
ることも可能である。金属イオンを解離する物質として
は、金属塩である、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、などの鉄イオンを解離する物質の他、
他の金属イオン例えば銅イオン、アルミニウムイオンを
問わず効果的なものを使用することができる。
【0014】酸化処理工程の反応槽内の撹拌方法として
は、ガス気泡、或いは撹拌翼による撹拌の他、反応槽の
上下端または左右端または前後端を配管で結びポンプで
循環させる方法も可能である。特に反応槽に紫外線ラン
プを複数設置し、ランプ同士の間隔が広くなる場合に
は、処理の安定のために強い撹拌を行うことが有効であ
る。酸化処理工程それぞれの反応槽が複数の反応槽より
構成されていても良い。この場合は複数の反応槽を直列
に連結する構成が水の流れがプラグフローとなり、処理
がより確実に行われる。また、酸化処理工程それぞれの
反応槽が異なる活性種発生条件であっても良い。本発明
による生成スラッジの少なくとも一部をオゾン処理工程
に循環することも可能である。この場合は金属を含むス
ラッジがオゾンの分解を促進し、オゾンの利用効率を高
めることが出来る。また、分解の過程で生成する活性酸
素種が溶存有機物の分解を促進する。
【0015】本発明による処理方法の原水は、汚水より
生物学的に分解可能な有機物を生物学的に除去する前或
いは除去した後の水、汚水より物理化学的に分離可能な
有機物を物理化学的に除去する前或いは除去した後の
水、汚水より物理化学的、生物学的に分離可能な有機物
を物理化学的、生物学的に除去する前或いは除去した後
の水を用いることができる。
【0016】生物学的に除去する方法としては、活性汚
泥処理、接触酸化処理、生物膜ろ過処理、嫌気処理等が
挙げられ、物理化学的に除去する方法としては、沈殿分
離処理、浮上分離処理、膜分離処理、ろ過処理、凝集沈
殿処理、活性炭処理、電気透析等が挙げられる。汚水よ
り生物学的、また物理化学的に分離可能な有機物が除去
された水を原水とする場合には、これらの有機物による
ヒドロキシラジカルと内分泌撹乱物質または発ガン性物
質の反応の阻害が少なくなり、生成したヒドロキシラジ
カルが内分泌撹乱物質または発ガン性物質の分解に有効
に利用される。
【0017】汚水より生物学的、また物理化学的に分離
可能な有機物が除去される前の水を原水とする場合に
は、本発明による処理水を生物学的または物理化学的に
分離する方法の原水として用いてもこれらの処理で生じ
る汚泥中に有害な内分泌撹乱物質または発ガン性物質が
含まれることがなく、汚泥も安全なものとなる。また、
本発明による処理では、有機物の生物分解性、凝集分離
性が良くなるので、生物処理、凝集沈殿処理の処理性能
が向上する。
【0018】本発明における処理条件は、処理対象原水
の性状、例えば内分泌撹乱物質または発ガン性物質濃
度、COD濃度等によって種々選定することができる。
例えば、金属イオンを解離する物質として硫酸第一鉄を
使用し、原水のCODMnが約50[mg/リットル]、総内
分泌撹乱物質または発ガン性物質量が100〜1000
0[pg/リットル]の場合を以下に記載する。オゾン処理
工程におけるオゾン注入率は通常10〜300[mg/
リットル]、好ましくは20〜200[mg/リットル]の範囲
から選定される。酸化処理工程における過酸化水素注入
率は1〜90、好ましくは2〜60[mg/リットル]、硫
酸第一鉄注入率と過酸化水素注入率の比はモル比として
1:5〜1:50の範囲から選定される。紫外線を併用
する場合の紫外線照射量は中圧水銀ランプを用いる場合
は通常0.1〜5.0〔Whr/リットル]、好ましくは
0.1〜3.0[Whr/リットル]の範囲から選定され
る。紫外線が透過する水層厚は通常1〜5[cm]、好
ましくは2〜4[cm]の範囲から選定される。pHは
通常2〜4[−]、好ましくは3〜4[−]の範囲から
選定される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の処理装置の具体的構成の
一例を図1に基づいて説明する。図1は、内分泌撹乱物
質または発ガン性物質を含有する汚水(原水1)をオゾ
ン6により処理するオゾン処理工程3、およびオゾン処
理工程3の処理水を、紫外線8、過酸化水素7及び金属
イオンを解離する物質9により処理する酸化処理工程4
からなり、中和処理5で生じたスラッジ12の一部をオ
ゾン処理工程3に導入する場合のものである。過酸化水
素7の流入管は酸化処理工程流入水の流入管に接続され
ているが、この様にすることで原水中の内分泌撹乱物質
または発ガン性物質と過酸化水素7を予め混合した状態
で酸化処理工程4に導入することができ、酸化処理工程
4で紫外線8と過酸化水素7が反応して生成したヒドロ
キシラジカルと内分泌撹乱物質または発ガン性物質の反
応効率が向上する。紫外線ランプ8は水の流れに対して
紫外線ランプ8のながて方向が垂直になるように設置さ
れているが、この様にすることで水との接触確率が高ま
る。また、有機塩素化合物が紫外線ランプ8近傍を通過
する確率をより高くすることができ、脱塩素反応をより
確実に行うことができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定
されるものではない。 〔実施例1〕総ダイオキシン類量が5000[pg/リッ
トル]のゴミ埋立て地浸出水を原水とし、下記条件で図1
に示すフローに従って処理した。
【0021】(オゾン処理工程) ・オゾン注入率:20[ mg/リットル] (酸化処理工程) ・過酸化水素注入率:200[ mg/リットル] ・紫外線照射量:1.0[Whr/リットル] ・紫外線ランプ:中圧水銀ランプ ・硫酸第一鉄七水和物注入率:300[mg/リットル] ・PH:3[−] (その他) ・中和処理で生じたスラッジのオゾン処理工程への返送
率:0[−] 以上のような条件で処理した結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】〔比較例1〕 (オゾン処理を行わない場合)実施例1と同じ処理条件
で操作を行った。但し、オゾン処理工程でオゾン注入を
行わずオゾン処理を削除した下記条件で処理した。
【0024】(オゾン処理工程) ・オゾン注入率:0[ mg/リットル] (酸化処理工程) ・過酸化水素注入率:200[ mg/リットル] ・紫外線照射量:1.0[Whr/リットル] ・紫外線ランプ:中圧水銀ランプ ・硫酸第一鉄七水和物注入率:300[mg/リットル] ・PH:3[−] (その他) ・中和処理で生じたスラッジのオゾン処理工程への返送
率:0[−] 以上のような処理条件で通水した場合の処理結果を表2
に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表1と表2の比較より明らかなように、比
較例1の処理水の総ダイオキシン類量は2000[pg
/リットル]であり、本発明(実施例1)の処理水の場合の
300[pg/リットル]に比較して高い値を示した。ま
た、酸化処理工程における除去量は、比較例が3000
[pg/リットルl]に対して本発明(実施例1)は420
0[pg/リットルl]であった。これらの結果より、本発
明の方がダイオキシン類処理性能が高いことが認められ
た。
【0027】〔比較例2〕 (酸化処理工程で金属イオンを解離する物質を添加しな
い場合)実施例1と同じ処理条件で操作を行った。但
し、酸化処理工程で金属イオンを解離する物質(硫酸第
一鉄七水和物)注入を行わない下記条件で処理した。
【0028】(オゾン処理工程) ・オゾン注入率:20[mg/リットル] (酸化処理工程) ・過酸化水素注入率:200[mg/リットル] ・紫外線照射量:1.0[Whr/リットル] ・紫外線ランプ:中圧水銀ランプ ・硫酸第一鉄七水和物注入率:0[mg/リットル] ・PH:3[−] (その他) ・中和処理で生じたスラッジのオゾン処理工程への返送
率:0[−] 以上のような処理条件で通水した場合の処理結果を表3
に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3より明らかなように、比較例2の処理
水の総ダイオキシン類量は3000[pg/リットル]であ
り、本発明(実施例1)の処理水の場合の300[pg
/リットル]に比較して高かった。また、CODも本発明の
場合よりも高い値を示した。これより、金属イオンを解
離する物質を添加することによりCODおよび総ダイオ
キシン類量処理性能が高まることが認められた。
【0031】〔実施例2〕実施例1と同じ処理条件で操
作を行った。但し、中和処理で生じたスラッジのオゾン
処理工程への返送率0[−]を0.5[−]に変更し、
下記の様な処理条件で処理を行った。
【0032】(オゾン処理工程) ・オゾン注入率:20[mg/リットル] (酸化処理工程) ・過酸化水素注入率:200[mg/リットル] ・紫外線照射量:1.0[W hr/リットル] ・紫外線ランプ:中圧水銀ランプ ・硫酸第一鉄七水和物注入率:300[mg/リットル] ・PH:3[−] (その他) ・中和処理で生じたスラッジのオゾン処理工程への返送
率:0.5[−] 以上のような条件で処理した結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4と表1の比較より明らかなように、本
実施例の処理水の総ダイオキシン類量は100[pg/
リットル]であり、実施例1よりも低かった。これより、中
和処理で生じたスラッジをオゾン処理工程へ返送するこ
とにより、ダイオキシン類の処理性能が高まることが認
められた。
【0035】
【発明の効果】本発明による内分泌撹乱物質または発ガ
ン性物質を含有する汚水の処理方法及び処理装置を用い
ることにより、汚水中の内分泌撹乱物質または発ガン性
物質が低コストかつ高度に処理される。つまり、オゾン
処理工程では、原水中の有機物のうち、オゾン易分解性
有機物、紫外線透過率が低い有機物が除去された水が得
られる。次に酸化処理工程では、酸性条件下で過酸化水
素および水溶液中で金属イオンを解離する物質を添加し
て紫外線を照射しつつ反応せしめることにより生じたヒ
ドロキシラジカル等の活性酸素による内分泌撹乱物質ま
たは発ガン性物質の酸化分解反応が行われる。ここで、
酸化処理工程で行われる反応は、ヒドロキシラジカルが
極めて重要な役割を果たしているが、オゾン処理工程で
原水中の有機物のうちオゾン易分解性有機物および紫外
線透過率が低い有機物が除去されているために、紫外線
と過酸化水素との反応によるヒドロキシラジカル等の活
性酸素の生成効率が向上する。また、生成したヒドロキ
シラジカルはオゾン易分解性有機物の酸化に使用される
割合が少なくなり、ヒドロキシラジカルをオゾン難分解
性有機物および分解目的物質の分解に有効に利用するこ
とができる。また、酸性領域で金属イオンを解離する物
質を併用することにより過酸化水素と金属イオンとの反
応でヒドロキシラジカルが生じるので、過酸化水素から
ヒドロキシラジカルを発生させるために必要な紫外線照
射量を低減させることができ、結果的に脱塩素化反応を
促進させることができる。中和処理では金属水酸化物ス
ラッジが生じるが、スラッジの生成に伴いCOD成分が
スラッジ中に取り込まれることによりCOD成分も除去
可能となる。以上のような効果により、本発明による内
分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水の処理
方法及び処理装置を用いることにより汚水中の内分泌撹
乱物質または発ガン性物質が低コストかつ高度に処理さ
れ、安全な処理水を得ることができ、世の中に貢献する
こと極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内分泌撹乱物質または発ガン性物質を
含有する汚水の処理方法及び処理装置の実施形態を示す
フロー図
【符号の説明】
1 原水 2 処理水 3 オゾン処理工程 4 酸化処理工程 5 中和処理工程 6 オゾン 7 過酸化水素 8 紫外線ランプ 9 硫酸第一鉄七水和物 10 硫酸 11 水酸化ナトリウム 12 スラッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 9/00 504 C02F 9/00 504B 504E 1/32 1/32 1/58 1/58 A 1/72 101 1/72 101 1/78 1/78 (72)発明者 田中 俊博 神奈川県藤沢市藤沢4丁目2番1号 株式 会社荏原総合研究所内 (72)発明者 勝倉 昇 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB01 AB08 AB11 AB14 AB18 BA18 BB09 CA06 CA08 CA11 CA12 CA14 4D038 AA08 AB07 AB09 AB14 AB63 BA04 BB07 BB13 BB16 BB18 4D050 AA12 AB07 AB11 AB13 AB19 AB52 BB02 BB09 BB20 BC09 BC10 BD06 CA13 CA16 CA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含
    有する汚水を処理する方法において、内分泌撹乱物質ま
    たは発ガン性物質を含有する汚水を、(A)オゾン処理
    工程と、(B)酸性条件下で過酸化水素および水溶液中
    で金属イオンを解離する物質を添加して紫外線を照射し
    つつ反応せしめる酸化処理工程と、(C)アルカリ剤を
    添加して中和処理する中和処理工程とを有する処理工程
    に導入することを特徴とする内分泌撹乱物質または発ガ
    ン性物質を含有する汚水の処理方法。
  2. 【請求項2】 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含
    有する汚水を、前記(A)、(B)、(C)処理工程に
    順次導入し、処理することを特徴とする請求項1に記載
    の内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 前記(C)中和処理工程で生じる沈殿物
    を前記(A)オゾン処理工程に導入することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の内分泌撹乱物質または発ガ
    ン性物質を含有する汚水の処理方法。
  4. 【請求項4】 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含
    有する汚水を処理する装置において、内分泌撹乱物質ま
    たは発ガン性物質を含有する汚水を導入する手段と、
    (A)オゾン処理工程を行う手段と、(B)酸性条件下
    で過酸化水素および水溶液中で金属イオンを解離する物
    質を添加して紫外線を照射しつつ反応せしめる酸化処理
    工程を行う手段と、(C)アルカリ剤を添加して中和処
    理する中和処理工程を行う手段とを有することを特徴と
    する内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する汚水
    の処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001047090A (ja) * 1999-08-17 2001-02-20 Ataka Construction & Engineering Co Ltd 有機塩素化合物含有汚水の処理方法およびその装置
JP2002153891A (ja) * 2000-09-11 2002-05-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 難分解性物質含有排水の処理方法及びその装置
JP2014097472A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Swing Corp 有機性廃水の処理方法及び処理装置

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