JP2000343964A - 動力出力装置およびその制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法

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JP2000343964A
JP2000343964A JP11157528A JP15752899A JP2000343964A JP 2000343964 A JP2000343964 A JP 2000343964A JP 11157528 A JP11157528 A JP 11157528A JP 15752899 A JP15752899 A JP 15752899A JP 2000343964 A JP2000343964 A JP 2000343964A
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power
motor
engine
hybrid vehicle
torque
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JP11157528A
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Yoshinori Yamada
良則 山田
Shigetaka Nagamatsu
茂隆 永松
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/44Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion
    • F16H3/72Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously
    • F16H3/727Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path
    • F16H3/728Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path with means to change ratio in the mechanical gearing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイブリッド車両の運転可能領域を拡張する
とともに、高効率での運転を実現する。 【解決手段】 クラッチモータ130を介して、エンジ
ン150と車軸116とを結合する。プラネタリギヤ2
00のサンギヤ201にブレーキ220、プラネタリキ
ャリア203にクラッチモータ130、リングギヤ20
4にアシストモータ140を結合する。更に、アシスト
モータとエンジンを結合するクラッチ210を設ける。
高速走行時にはクラッチをオン、ブレーキをオフにし
て、アシストモータをエンジンに直結する。低速・高ト
ルク走行時にはクラッチをオフ、ブレーキをオンにし
て、所定の減速比でクラッチモータに結合する。こうす
ることで、アシストモータから出力可能な動力範囲を車
両の走行状態に応じて高速側または高トルク側に移行す
ることができ、車両の運転可能領域を拡張することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力源としてエン
ジンと電動機とを備えるハイブリッド車両に関し、詳し
くは、前記電動機の結合先を前記エンジンの出力軸と駆
動軸とに切り替え可能な切替機構を有するハイブリッド
車両に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンと電動機とを動力源とす
るハイブリッド車両が提案されている(例えば特開平9
−47094に記載の技術等)。ハイブリッド車両の一
種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パ
ラレルハイブリッド車両は、エンジンから駆動軸に伝達
される動力の大きさを電力のやりとりによって調整可能
な動力調整装置を備える。エンジンから出力された動力
は、その一部が動力調整装置により駆動軸に伝達され、
残余の動力が電力として回生される。この電力はバッテ
リに蓄電されたり、エンジン以外の動力源としての電動
機を駆動するのに用いられる。パラレルハイブリッド車
両は、上述の動力の伝達過程において、動力調整装置お
よび電動機を制御することによって、エンジンから出力
された動力を任意の回転数およびトルクで駆動軸に出力
することができる。駆動軸から出力すべき要求動力に関
わらずエンジンは運転効率の高い運転ポイントを選択し
て運転することができるため、ハイブリッド車両はエン
ジンのみを駆動源とする従来の車両に比べて省資源性お
よび排気浄化性に優れている。
【0003】パラレルハイブリッド車両における電動機
の結合先は、駆動軸とエンジンの出力軸の2通りが可能
である。電動機を駆動軸に結合した場合は、エンジン側
からエンジン、動力調整装置、電動機の順に結合された
構成となる。図21は電動機を駆動軸に結合したハイブ
リッド車両の概略構成を示す説明図である。ここでは、
動力調整装置として、相対的に回転可能なインナロータ
IRとアウタロータORとを備える対ロータ電動機CM
を適用した場合を示した。図示する通り、エンジンEG
の出力軸CSに、動力調整装置としての対ロータ電動機
CMが結合され、駆動軸DSに電動機AMが結合され
る。かかる構成では、エンジンの回転数よりも駆動軸の
回転数が低いアンダードライブ走行時に運転効率が高く
なる特性がある。
【0004】図22はアンダードライブ結合において、
エンジンの回転数が駆動軸の回転数よりも高い状態にお
ける動力の伝達の様子を示す説明図である。エンジンE
Gから出力される動力は、回転を低減するとともにトル
クを増大して駆動軸DSから出力される。エンジンEG
から出力された動力PU1は、対ロータ電動機CMによ
って回転数のみが低減された動力PU2として伝達され
る。この際、対ロータ電動機CMでは、2つのロータ間
に相対的な滑りが生じるから、両ロータ間の回転数差に
基づいて発電が行われる。この結果、エンジンEGから
出力された動力の一部は電力EU1として回生される。
この電力によってアシストモータAMを力行し、不足分
のトルクを補償することによって、要求された回転数お
よびトルクからなる動力PU3が駆動軸DSに出力され
る。
【0005】図23はアンダードライブ結合において、
エンジンの回転数が駆動軸の回転数よりも低い状態にお
ける動力の伝達の様子を示す説明図である。エンジンE
Gから出力された動力PU1は、対ロータ電動機CMを
力行することによって回転数のみが増速された動力PU
4として伝達される。次に、アシストモータAMで負荷
を与えて、余剰のトルクを低減することによって、要求
された回転数およびトルクからなる動力PU3が駆動軸
DSに出力される。アシストモータAMでは動力PU4
の一部を電力EU2として回生することによって負荷を
与える。この電力は対ロータ電動機CMの力行に用いら
れる。
【0006】両者を比較すると、エンジンEGの回転数
が駆動軸の回転数よりも高い場合(図22)では、エン
ジンから出力された動力が駆動軸に伝達される経路にお
いて、上流側に位置する対ロータ電動機CMで回生され
た電力が下流側に位置するアシストモータAMに供給さ
れる。エンジンEGの回転数が駆動軸の回転数よりも低
い場合(図23)では、逆に、下流側に位置するアシス
トモータAMで回生された電力が上流側に位置する対ロ
ータ電動機CMに供給される。対ロータ電動機CMに供
給された電力は、再び機械的な動力として下流側に位置
するアシストモータAMに供給される。この結果、図2
3中に示す動力の循環γ1が生じる。動力の循環γ1が
生じると、エンジンEGから出力された動力のうち、有
効に駆動軸DSに伝達される動力が低減するため、ハイ
ブリッド車両の運転効率が低下する。
【0007】逆に、電動機を出力軸に結合した場合は、
エンジン、電動機、動力調整装置の順に結合した構成と
なる。図24は電動機を出力軸に結合したハイブリッド
車両の概略構成を示す説明図である。図示する通り、エ
ンジンEGの出力軸CSに電動機AMが結合され、駆動
軸DSに動力調整装置としての対ロータ電動機CMが結
合される。かかる構成では、逆に、エンジンの回転数よ
りも駆動軸の回転数が高いオーバードライブ走行時に運
転効率が高くなる特性がある。
【0008】図25はオーバードライブ結合において、
エンジンの回転数が駆動軸の回転数よりも高い状態にお
ける動力の伝達の様子を示す説明図である。図26はオ
ーバードライブ結合において、エンジンの回転数が駆動
軸の回転数よりも低い状態における動力の伝達の様子を
示す説明図である。伝達される動力について、回転数の
調整は対ロータ電動機CMでのみ可能であるため、オー
バードライブ結合では、アンダードライブ結合の場合と
逆の現象が起きる。エンジンEGの回転数が駆動軸の回
転数よりも低い場合(図25)では、下流側に位置する
対ロータ電動機CMで回生された電力EO1が上流側に
位置するアシストモータAMに供給される。逆に、エン
ジンEGの回転数が駆動軸の回転数よりも高い場合(図
26)では、上流側に位置するアシストモータAMによ
り回生されたEO2が下流側に位置する対ロータ電動機
CMに供給される。従って、電動機をエンジンの出力軸
に結合した状態では、前者の場合に図25に示す動力の
循環γ2が生じ、ハイブリッド車両の運転効率が低下す
る。
【0009】このようにハイブリッド車両では、車速お
よび出力トルクで表される車両の運転領域において、電
動機AMの結合先によって効率が高くなる領域が変動す
る。ハイブリッド車両では、目的とする車両の走行領域
を考慮して、可能な限り広範囲で高効率での運転を実現
できるよう、電動機の結合先を決定する必要がある。
【0010】一方、ハイブリッド車両では、以下の理由
から変速ギヤを設けるのが通常である。図21では、電
動機AMが直接車軸に結合された状態で概略構成を図示
した。実際には、電動機AMと車軸との間(図中の領域
TG部)において、変速ギヤが設けられる。変速ギヤの
ギヤ比は電動機AMの定格を考慮して設定される。ハイ
ブリッド車両では、上述の通り、電動機AMも動力源と
して使用する。ここで、電動機AMの大きさは車両に搭
載可能な範囲に抑える必要がある。このため、高トルク
が要求される走行状態においては、電動機AMから直接
出力されるトルクでは不足するのが通常である。従来の
ハイブリッド車両では、高トルクが要求された場合に電
動機AMから十分なトルクを車軸に出力することができ
るよう、TG部に減速ギヤが設けられている。減速ギヤ
の作用により、電動機AMから出力された動力は、回転
数を低減し、トルクを増大した動力に変換されて車軸に
伝達されるため、高トルクを出力することが可能とな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のハイブリッド車
両では、車両の運転可能領域を十分に広げることに対し
2つの制約があった。第1の制約は運転効率である。先
に説明した通り、アンダードライブ結合(図21)では
エンジンEGの回転数が駆動軸DSの回転数よりも高い
運転状態において効率が高く、その逆の運転状態におい
ては効率が低くなる特性がある。オーバードライブ結合
(図21)では、エンジンEGの回転数が駆動軸DSの
回転数よりも低い運転状態において効率が高く、その逆
の運転状態においては効率が低くなる特性がある。いず
れの結合状態で設定しても、エンジンEGの回転数が駆
動軸DSとの回転数よりも高い場合および低い場合の双
方で高効率の運転を維持することはできない。
【0012】第2の制約は減速ギヤの設定およびモータ
の定格に起因する制限である。上述の通り、高トルクの
要求に対して十分なトルクを出力するためには電動機A
Mと車軸との間に減速ギヤを設ける必要があった。しか
しながら、減速ギヤを設けた場合には、高速走行が困難
である。車軸を高い回転数で回転させるためには、電動
機AMを車軸よりも更に高い回転数で回転させる必要が
生じる。電動機AMの回転数および対ロータ電動機CM
の回転数には上限が存在するのが通常であるから、車軸
はこの上限値に減速ギヤのギヤ比を乗じた範囲までしか
回転し得ない。特に対ロータ電動機CMでは、回転中の
アウタロータORに電力を供給する必要があるため、回
転の上限値は比較的低い。かかる要因によって、従来の
ハイブリッド車両では高速側の運転領域にも制限が存在
した。
【0013】もちろん、十分高速運転することができる
ように減速ギヤのギヤ比を設定することも可能ではあ
る。このように設定されたギヤ比は、低速時において出
力可能なトルクの上限値が抑制されることになる。TG
部にギヤ比を変速可能な変速機構を設けることもできる
が、構成が複雑になるという別の課題を生じることにな
る。また、図21および図24の構成は、動力調整装置
CMおよび電動機AMの作用によってエンジンEGの出
力軸CSの回転数およびトルクを任意に変換して駆動軸
DSに出力可能な構成である。このように変速作用を奏
する構成を有しているにも関わらず、更に変速機を備え
ることは、装置としての無駄が大きく、装置の大きさお
よび製造コストを不必要に増大させるものであるため、
好ましくない。上記説明では、動力調整装置として対ロ
ータ電動機CMを搭載した場合を例示したが、これらの
課題はかかる構成に限定されるものではない。
【0014】本発明はこれらの課題を解決するためにな
され、広範な領域で高効率での運転を実現可能なハイブ
リッド車両を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以
下の構成を採用した。本発明のハイブリッド車両は、出
力軸を有するエンジンと、動力を出力するための駆動軸
と、前記出力軸及び駆動軸に結合され電力のやりとりに
よって前記エンジンから出力された動力を増減して前記
駆動軸に伝達可能な動力調整装置とを備えるハイブリッ
ド車両であって、回転軸を有する電動機と、該電動機の
回転軸を前記出力軸と前記駆動軸とに切り替えて結合す
る機構であって、該出力軸および駆動軸に異なる変速比
で結合する切替機構とを備えることを要旨とする。
【0016】先に説明した通り、エンジン、動力調整装
置、および電動機とを備えるハイブリッド車両では、運
転領域によって、換言すればエンジンの出力軸と駆動軸
との回転状態に応じて動力の循環が生じ、運転効率が低
下する。動力の循環の発生は電動機の結合状態に関連す
る。上記ハイブリッド車両によれば、電動機の結合先を
出力軸と駆動軸とで切り換え可能である。電動機の結合
先を適宜切り換えることにより、動力の循環を抑制する
ことができ、広範囲の運転領域で高い効率での運転を実
現することができる。
【0017】また、上記ハイブリッド車両は電動機の運
転可能な範囲による制約を抑制し、広範囲の運転領域で
走行することができる。ハイブリッド車両に高トルクが
要求されている場合、十分なトルクを出力するために
は、減速しつつトルクを増大する減速機を介して電動機
を結合することが好ましい。一方、ハイブリッド車両を
高速で走行する場合、高い回転数で駆動軸を回転するた
めには、トルクを低減しつつ増速する増速機を介して電
動機を結合することが好ましい。上記ハイブリッド車両
では、電動機の結合先を切り換えるとともに、結合時の
変速比をも切り換えることができる。従って、ハイブリ
ッド車両の運転状態に応じて好ましい変速比で電動機を
結合することができる。
【0018】しかも、本発明のハイブリッド車両は、電
動機の結合先の切り換えと、変速比の変更とを上記切替
機構により同時に実現することができる。従って、結合
先の切り換えを行う機構と、変速比を変更する機構とを
個別に備える場合に比較して装置の構成を単純化するこ
とができる。これに伴い、装置のサイズおよび製造コス
トを抑制することも可能となる。
【0019】なお、本発明のハイブリッド車両では、電
動機の変速比を少なくとも2通りに変更可能であればよ
い。即ち、出力軸および駆動軸の両者について、それぞ
れ変速して電動手段を介して結合することは要求され
ず、少なくとも一方に変速手段が介在していればよい。
つまり、出力軸および駆動軸の一方については変速手段
を介することなく電動機を直結状態とし、他方の回転軸
に結合する際に変速手段を介して結合する態様を採るも
のとしてもよい。
【0020】本発明のハイブリッド車両において、切替
機構は、種々の構成を適用可能である。例えば、前記切
替機構は、3つの回転軸のうち、2つの回転軸に前記電
動機および動力調整装置がそれぞれ結合されたプラネタ
リギヤと、該プラネタリギヤの残余の回転軸について、
選択的に回転および制止可能な制止手段と、前記電動機
の回転軸と前記出力軸とを選択的に結合および解放可能
な結合手段とを備える機構であるものとすることができ
る。もちろん、かかる機構に限定されるものではない。
【0021】プラネタリギヤは、中心で回転するサンギ
ヤ、サンギヤの外周を自転しながら公転するプラネタリ
ピニオンギヤを備えるプラネタリキャリアと、更にその
外周で回転するリングギヤとから構成される。上述の3
つの回転軸とは、サンギヤ、プラネタリキャリア、リン
グギヤにそれぞれ結合された回転軸を意味する。周知の
事実であるが、プラネタリギヤは、これらの3つの回転
軸のうち2つの回転軸の回転状態が決まると残余の回転
軸の回転状態が決まるという特性を有している。
【0022】上記構成の切替機構の作用について説明す
る。電動機の回転軸と出力軸とを解放した場合を考え
る。電動機はエンジンの出力軸とは切り離された状態と
なる。このとき、上記制止手段によってプラネタリギヤ
の一つの回転軸の回転を制止する。この結果、電動機お
よび動力調整装置の一方の回転状態が決まれば他方の回
転状態も決まるため、両者はギヤで結合されたのと等価
な状態になる。結合のギヤ比は、プラネタリギヤのギヤ
比によって定まる。
【0023】一方、上記結合手段によって電動機の回転
軸と出力軸とを結合した場合を考える。電動機はエンジ
ンの出力軸に結合された状態となる。エンジンに結合さ
れる変速比は結合手段によって定まる。このとき、上記
制止手段を解放してプラネタリギヤの一つの回転軸を解
放し、自由に回転可能とする。この結果、電動機および
動力調整装置の一方の回転状態が決定しても、他方の回
転状態は決まらなくなる。換言すれば、電動機と動力調
整装置とは共に任意の回転状態で回転可能となり、両者
間の結合が切り離されたのと等価な状態になる。
【0024】このように上記構成の切替機構によれば、
結合手段および制止手段を操作することにより、電動機
の結合先を出力軸と駆動軸とで切り換えることができ
る。また、プラネタリギヤの変速比および結合手段の変
速比に応じて、それぞれ任意の変速比で電動機を結合す
ることが可能となる。上記切替機構によれば、これらの
作用を一つのまとまった機構で実現することができる点
でも好ましい。なお、プラネタリギヤの3つの回転軸へ
の結合状態については、種々の態様が選択可能である。
【0025】本発明のハイブリッド車両において、電動
機を出力軸および駆動軸に結合する際の変速比は目的と
する運転領域を考慮して種々設定することが可能である
が、特に、前記切替機構は、前記回転軸を前記出力軸に
結合する際の変速比よりも大きい変速比で、前記回転軸
を前記駆動軸に結合する機構であるものとすることが望
ましい。
【0026】先に説明した通り、ハイブリッド車両の運
転効率向上のためには、エンジンの出力軸の回転数が駆
動軸の回転数よりも高い状態、即ち比較的低速での走行
状態において電動機を駆動軸側に結合することが好まし
い。低速走行時には高トルクが要求される場合が多い。
従って、比較的大きな変速比、即ち電動機の動力を、回
転数を低減しトルクを増大する態様で出力することがで
きる変速比を実現することが好ましい。
【0027】一方、出力軸の回転数が駆動軸の回転数よ
りも低い状態、即ち比較的高速での走行状態において
は、電動機を出力軸側に結合することが好ましい。高速
走行時には当然、高回転での運転が要求される。従っ
て、比較的小さな変速比、即ち電動機の動力を、トルク
を低減しつつ回転数を増大する態様で出力することがで
きる変速比を実現することが好ましい。
【0028】上記構成の切替機構によれば、電動機を出
力軸に対しては小さい変速比で結合し、駆動軸に対して
は大きい変速比で結合することができる。従って、ハイ
ブリッド車両の運転効率を向上しつつ、運転可能な領域
を低速・高トルク側および高速側の双方に拡張すること
ができる。
【0029】本発明のハイブリッド車両においては、前
記切替機構を手動で操作することで電動機の結合先を切
り換えるものとすることも可能であるが、さらに、該車
両の運転状態を検出する検出手段と、該運転状態に応じ
て前記切替機構を制御して、前記電動機の結合先を切り
替える切替制御手段とを備えるものとすることが望まし
い。さらに、かかる制御の許可・禁止を指定する操作部
を設けることも可能である。
【0030】こうすれば、車両の運転状態に応じて電動
機の結合先を適切に切り換えることができ、広範な運転
領域で高効率の運転を実現することができる。当然、運
転者が結合先の切替操作を行う必要がなくなるため、運
転時の負担を軽減することもできる。
【0031】本発明のハイブリッド車両において、前記
動力調整装置は、種々の構成を適用可能である。例え
ば、前記動力調整装置は、前記出力軸に結合された第1
のロータと、前記駆動軸に結合された第2のロータとを
有する対ロータ電動機であるものとすることができる。
【0032】かかる対ロータ電動機によれば、第1のロ
ータと第2のロータとの電磁的な結合により一方のロー
タから他方のロータに動力を伝達することが可能であ
る。また、両者間の相対的な滑りによって動力の一部を
電力として回生することも可能である。上述の対ロータ
電動機は、これらの2つの作用によって動力調整装置と
して機能することができる。
【0033】また、前記動力調整装置は、ロータ軸を有
する発電機と、3つの回転軸を有し、該回転軸が前記出
力軸、駆動軸、およびロータ軸にそれぞれ結合されたプ
ラネタリギヤとを備える装置であるものとすることもで
きる。
【0034】かかる構成によれば、プラネタリギヤの一
般的な動作に基づいて、出力軸の回転による動力を駆動
軸とロータ軸に分配して伝達することができる。従っ
て、出力軸に入力された動力の一部を駆動軸に伝達する
とともに、ロータ軸に分配された動力を発電機によって
電力として回生することができる。上述の装置は、これ
らの2つの作用によって動力調整装置として機能するこ
とができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成:はじめに、実施例の構成について
図1を用いて説明する。図1は本実施例のハイブリッド
車両の概略構成を示す説明図である。このハイブリッド
車両の動力系統は、次の構成から成っている。動力系統
に備えられたエンジン150は通常のガソリンエンジン
であり、クランクシャフト156を回転させる。エンジ
ン150の運転はEFIECU170により制御されて
いる。EFIECU170は内部にCPU、ROM、R
AM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであ
り、ROMに記録されたプログラムに従いCPUがエン
ジン150の燃料噴射料その他の制御を実行する。これ
らの制御を可能とするために、EFIECU170には
エンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続さ
れている。その一つとしてクランクシャフト156の回
転数を検出する回転数センサ152がある。その他のセ
ンサおよびスイッチなどの図示は省略した。なお、EF
IECU170は、制御ユニット190とも電気的に接
続されており、制御ユニット190との間で種々の情報
を、通信によってやりとりしている。EFIECU17
0は、制御ユニット190からエンジン150の運転状
態に関する種々の指令値を受けてエンジン150を制御
している。
【0036】エンジン150のクランクシャフト156
はクラッチモータ130に結合されている。クラッチモ
ータ130は、インナロータ軸133に結合されたイン
ナロータ132とアウタロータ軸135に結合されたア
ウタロータ134を備え、両者が相対的に回転可能な対
ロータ電動機である。クラッチモータ130のインナロ
ータ軸133はダンパ157を介してクランクシャフト
156に結合されている。アウタロータ軸135はディ
ファレンシャルギヤ114を介して、駆動輪116R,
116Lを備えた車軸116に結合されている。
【0037】本実施例のハイブリッド車両の動力系統に
は、さらにアシストモータ140が設けられている。ア
シストモータ140はステータ144がケースに固定さ
れ、ロータ142は中空のロータ軸143を有してい
る。
【0038】動力系統について、エンジン側を上流、車
軸116側を下流と呼ぶものとすると、本実施例のハイ
ブリッド車両は、アシストモータ140の結合先をクラ
ッチモータ130の上流側と下流側とに切り換えるため
の切替機構を有している。切替機構は、プラネタリギヤ
200、クラッチ210、およびブレーキ220から構
成される。以下、この切替機構の構成について説明す
る。
【0039】プラネタリギヤ200は遊星歯車とも呼ば
れる機構であり、中心で回転するサンギヤ201、サン
ギヤの外周を自転しながら公転するプラネタリピニオン
ギヤ202を備えるプラネタリキャリア203と、更に
その外周で回転するリングギヤ204とから構成され
る。本実施例では、図示する通り、クラッチモータ13
0のアウタロータ軸135がプラネタリキャリア203
に結合され、アシストモータ140のロータ軸143が
リングギヤ204に結合されている。サンギヤ201
は、ブレーキ220により回転を制止可能に構成されて
いる。また、ロータ軸143はクラッチ210によって
インナロータ軸133に結合可能となっている。
【0040】プラネタリギヤ200は、サンギヤ20
1,プラネタリキャリア203およびリングギヤ204
のそれぞれに結合された回転軸の回転数およびトルクに
以下の関係が成立することが機構学上よく知られてい
る。即ち、上記3つの回転軸のうち2つの回転軸の動力
状態が決定されると、以下の関係式に基づいて残余の一
つの回転軸の動力状態が決定される。 Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ; Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ); Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr; Tr=Tc/(1+ρ); ρ=サンギヤ201の歯数/リングギヤ202の歯数 ・・・(1) ;
【0041】ここで、Nsはサンギヤ201の回転数;
Tsはサンギヤ201のトルク;Ncはプラネタリキャ
リア203の回転数;Tcはプラネタリキャリア203
のトルク;Nrはリングギヤ204の回転数;Trはリ
ングギヤ204のトルク;である。
【0042】クラッチモータ130、アシストモータ1
40の構成について説明する。クラッチモータ130
は、既に説明した通り、対ロータの同期電動発電機とし
て構成されており、外周面に複数個の永久磁石を有する
インナロータ132と、回転磁界を形成する三相コイル
が巻回されたアウタロータ134とを備える。アウタロ
ータ134とインナロータ132とは、共に相対的に回
転可能に軸支されている。クラッチモータ130はイン
ナロータ132に備えられた永久磁石による磁界とアウ
タロータ134に備えられた三相コイルによって形成さ
れる磁界との相互作用により両者が相対的に回転駆動す
る電動機として動作し、場合によってはこれらの相互作
用によりアウタロータ134に巻回された三相コイルの
両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。な
お、クラッチモータ130は、インナロータ132とア
ウタロータ134との間の磁束密度が円周方向に正弦分
布する正弦波着磁モータを適用することも可能である
が、本実施例では、比較的大きなトルクを出力可能な非
正弦波着磁モータを採用した。
【0043】クラッチモータ130はインナロータ13
2とアウタロータ134の双方が回転可能であるため、
インナロータ軸133およびアウタロータ軸135の一
方から入力された動力を他方に伝達することができる。
クラッチモータ130を電動機として力行運転すれば他
方の軸にはトルクが付加された動力が伝達されることに
なるし、電動発電機として回生運転すれば動力の一部を
電力の形で取り出しつつ残余の動力を伝達することがで
きる。また、力行運転も回生運転も行わなければ、動力
が伝達されない状態となる。この状態は機械的なクラッ
チを解放にした状態に相当する。
【0044】クラッチモータ130のアウタロータ13
4はスリップリング138および駆動回路191を介し
てバッテリ194に電気的に接続されている。駆動回路
191は内部にスイッチング素子としてのトランジスタ
を複数備えたトランジスタインバータであり、制御ユニ
ット190と電気的に接続されている。制御ユニット1
90が駆動回路191のトランジスタのオン・オフの時
間をPWM制御するとバッテリ194を電源とする三相
交流がスリップリング138を介してクラッチモータ1
30のアウタロータ134に流れる。この三相交流によ
りアウタロータ134には回転磁界が形成されクラッチ
モータ130は回転する。
【0045】アシストモータ140も、クラッチモータ
130と同様に同期電動発電機として構成され、外周面
に複数個の永久磁石を有するロータ142と、回転磁界
を形成する三相コイルが巻回されたステータ144とを
備える。ステータ144がケースに固定されている点
で、クラッチモータ130とは異なっている。アシスト
モータ140は駆動回路192を介してバッテリ194
に接続されている。駆動回路192もトランジスタイン
バータにより構成されており、制御ユニット190に電
気的に接続されている。制御ユニット190の制御信号
により駆動回路192のトランジスタをスイッチングす
ると、ステータ144に三相交流が流れて回転磁界を生
じ、アシストモータ140は回転する。本実施例では、
アシストモータ140として非正弦波着磁モータを適用
した。
【0046】本実施例のハイブリッド車両の運転状態は
制御ユニット190により制御されている。制御ユニッ
ト190もEFIECU170と同様、内部にCPU、
ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピ
ュータであり、ROMに記録されたプログラムに従い、
CPUが後述する種々の制御処理を行うよう構成されて
いる。これらの制御を可能とするために、制御ユニット
190には、各種のセンサおよびスイッチが電気的に接
続されている。制御ユニット190に接続されているセ
ンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルの操作量
を検出するためのアクセルペダルポジションセンサ16
5、車軸116の回転数を検出する回転数センサ11
7、およびアシストモータ140の回転数を検出する回
転数センサ145等が挙げられる。制御ユニット190
は、EFIECU170とも電気的に接続されており、
EFIECU170との間で種々の情報を、通信によっ
てやりとりしている。制御ユニット190からエンジン
150の制御に必要な情報をEFIECU170に出力
することにより、エンジン150を間接的に制御するこ
とができる。逆にエンジン150の回転数などの情報を
EFIECU170から入力することもできる。
【0047】本実施例のハイブリッド車両は、プラネタ
リギヤ200の作用により、上記クラッチ210および
ブレーキ220のオン・オフを変更することにより、ア
シストモータ140の結合状態を種々変更することがで
きる。図2はアシストモータ140の結合状態について
示す説明図である。クラッチ210のオン・オフおよび
ブレーキ220のオン・オフで実現される4通りの組合
せについて示した。なお、クラッチ210およびブレー
キ220のオン・オフは制御ユニット190により制御
される。
【0048】左上には、結合状態Aとして、クラッチ2
10およびブレーキ220を共にオンにした場合の状態
を示した。ブレーキ220がオンとなっているため、サ
ンギヤ201の回転は制止され、回転数は値0となる。
この結果、上式(1)から明らかな通り、プラネタリキ
ャリア203の回転数はリングギヤ204の回転数に応
じて一義的に定まる。一方、クラッチ210が結合され
ているため、アシストモータ140はインナロータ軸、
即ちエンジン150の出力軸側に結合される。アシスト
モータ140はリングギヤ204にも結合されているか
ら、リングギヤ204はエンジン150と同じ回転数で
回転することになる。従って、結合状態Aでは、エンジ
ン150の回転数に対して一義的に定まる回転数で車軸
は回転することになる。結合状態Aでは、エンジン15
0から出力された動力の回転状態を任意に変更して車軸
に出力することはできない。
【0049】右上には、結合状態Bとして、クラッチ2
10をオフにし、ブレーキ220をオンにした場合の結
合状態を示した。ブレーキ220がオンになっているた
め、プラネタリギヤ200についての回転状態は、結合
状態Aと同じである。一方、クラッチ210がオフにな
っているため、アシストモータ140はエンジン150
の回転数とは異なる回転数で回転可能である。車軸の目
標回転数に応じてクラッチモータ130のアウタロータ
軸の回転数Ndが決定されると、上式(1)に従ってリ
ングギヤ204の回転数Nuは、「Nu=(1+ρ)N
d」で与えられる。即ち、アシストモータ140は減速
比が1+ρで与えられる固定のギヤを介してアウタロー
タ軸に結合された状態と等価である。
【0050】図3はクラッチ210をオフにし、ブレー
キ220をオンにした場合と等価な結合状態を模式的に
示す説明図である。等価な構成においては、図示する通
り、アシストモータ140は固定の変速ギヤTG1,T
G2を介してアウタロータ軸135に結合される。変速
ギヤTG1,TG2の変速比は「1+ρ」である。即
ち、アシストモータ140の回転数は、「1/(1+
ρ)」倍に減速されてアウタロータ軸135に伝達され
る。逆にトルクは(1+ρ)倍されてアウタロータ軸1
35に伝達される。図21との比較から明らかな通り、
この結合状態は、アンダードライブ結合に相当する。従
って、以下の説明では、結合状態Bをアンダードライブ
結合と称する。
【0051】図2の左下には、結合状態Cとして、クラ
ッチ210をオンにし、ブレーキ220をオフにした場
合の結合状態を示した。ブレーキ220がオフになって
いるため、サンギヤ201は自由に回転することができ
る。先に示した(1)式から明らかな通り、プラネタリ
キャリア203に結合されたアウタロータまたはリング
ギヤ204に結合されたアシストモータ140の一方の
回転状態を特定しても、他方の回転状態は特定され得な
い。つまり、アシストモータ140とクラッチモータ1
30とは結合が解放された状態と等価になる。一方、結
合状態Cではクラッチ210がオンになっているため、
アシストモータ140がエンジン150の出力軸に直結
される。図4はクラッチ210をオンにし、ブレーキ2
20をオフにした場合と等価な結合状態を模式的に示す
説明図である。この結合状態は、図21に示した結合状
態と同じであり、オーバードライブ結合に相当する。従
って、以下の説明では、結合状態Cをオーバードライブ
結合と称する。
【0052】図2の右下には、結合状態Dとして、クラ
ッチ210およびブレーキ220を共にオフとした場合
の結合状態を示した。ブレーキ220がオフになってい
るため、プラネタリギヤ200の結合状態は結合状態C
の場合と同じである。即ち、クラッチモータ130とア
シストモータ140とは解放された状態となる。一方、
クラッチ210も解放されているため、アシストモータ
140とエンジン150の結合も解放されている。従っ
て、アシストモータ140は動力の伝達経路から完全に
切り離された状態に相当する。
【0053】本実施例のハイブリッド車両は、上述の通
り、クラッチ210およびブレーキ220のオン・オフ
によって4通りの結合状態をとり得る。但し、上述の通
り、ハイブリッド車両の走行に実質的に有効なのは、結
合状態B(アンダードライブ結合)と結合状態C(オー
バードライブ結合)である。従って、本実施例では、図
2中の4通りの結合状態のうち、これら2通りの結合状
態を車両の走行状態に応じて使い分けている。
【0054】(2)一般的動作:次に、本実施例のハイ
ブリッド車両の一般的動作として、エンジン150から
出力された動力を要求された回転数およびトルクに変換
して車軸116に出力する動作について説明する。以下
では、説明の容易のため、ディファレンシャルギヤ11
4のギヤ比は値1であるものとして説明する。つまり、
車軸116の回転数およびトルクとアウタロータ軸13
5の回転数およびトルクは等しいものとする。
【0055】本実施例のハイブリッド車両では、エンジ
ン150の回転数Neと車軸116の回転数Ndとの大
小関係、およびアシストモータ140の結合状態に応じ
て、上記変換の経路が異なる。以下、それぞれの場合に
ついて個別に説明する。
【0056】最初にアンダードライブ結合(図3参照)
について説明する。図5はアンダードライブ結合につい
て、「車軸116の回転数Nd<エンジン150の回転
数Ne」の場合におけるトルク変換の様子を示す説明図
である。横軸に回転数N、縦軸にトルクTを採り、エン
ジン150の運転ポイントPeと車軸116の回転ポイ
ントPdを示した。図6中の曲線Pは動力、つまり回転
数とトルクの積が一定の曲線である。回転数Ne、トル
クTeでエンジン150から出力された動力Peを、N
eよりも低い回転数Nd、Teよりも高いトルクTdの
動力Pdに変換して車軸116から出力する場合を考え
る。
【0057】図5に示した変換を行う場合、車軸116
の回転数Ndはエンジン150の回転数Neよりも小さ
い。クラッチモータ130はアウタロータが回転数Nd
で回転し、インナロータがそれよりも高い回転数Neで
回転するから、クラッチモータ130は、相対的に逆転
することになり、クラッチモータ130の回転数Ncは
負の値となる。クラッチモータ130のトルクTcは作
用・反作用の原理からエンジン150の出力トルクTe
と等しく、正の値である。つまり、クラッチモータ13
0はエンジン150から出力された動力の一部を車軸1
16に伝達しつつ、残りを電力として回生する状態で運
転される。このとき、回生される電力はクラッチモータ
130の回転数NcとトルクTcの積に等しく、図5中
のハッチングを施した領域GU1の面積に等しい。
【0058】一方、車軸116のトルクTdはエンジン
150のトルクTeよりも大きい。従って、アシストモ
ータ140は正のトルク、正の回転数で運転される。つ
まり、アシストモータ140は電力の供給を受け力行さ
れる。このとき供給される電力はアシストモータ140
が出力する動力、即ち回転数とトルクの積に等しい。図
3に示した通り、アンダードライブ結合時には、アシス
トモータ140はギヤ比「1+ρ」の変速ギヤTG1,
TG2を介してアウタロータ軸135に結合されたのと
等価な状態である。変速ギヤTG1,TG2の回転数は
アウタロータ軸135の回転数Ndに等しい。また、変
速ギヤTG1,TG2からアウタロータ軸135に付加
されるトルクは車軸116のトルクTdとエンジンのト
ルクTeとの差分に等しい。変速ギヤTG1,TG2か
ら出力される動力とアシストモータ140から出力され
る動力とは実質的に同一である。従って、アシストモー
タ140に供給される電力は、図5中のハッチングを施
した領域AU1の面積に等しい。
【0059】両モータでの運転効率を100%と仮定す
れば、クラッチモータ130で回生される電力とアシス
トモータ140に供給される電力とは等しくなる。つま
り、クラッチモータ130で領域GU1に相当する分の
エネルギを電力の形で取り出し、領域AU1に相当する
分のエネルギとして供給することによりエンジン150
の運転ポイントPeで表される動力を、ポイントPdの
状態に変換する。実際には運転効率が100%になるこ
とはないため、バッテリ194からの電力の持ち出しを
伴ったり、損失に相当する動力をエンジン150から余
分に出力したりして、上記変換を実現する。説明の容易
のため、以下では、運転効率を100%として本実施例
の動作について説明する。
【0060】図6はアンダードライブ結合について、
「車軸116の回転数Nd>エンジン150の回転数N
e」の場合におけるトルク変換の様子を示す説明図であ
る。図6に示した変換を行う場合、車軸116の回転数
Ndはエンジン150の回転数Neよりも大きい。従っ
て、クラッチモータ130は、正の回転数Nc、正のト
ルクTcで回転する。つまり、クラッチモータ130は
電力の供給を受けて力行される。このとき、供給される
電力はクラッチモータ130の回転数とトルクの積に等
しく、図6中のハッチングを施した領域「GU2+GU
3」の面積に等しい。一方、車軸116のトルクTdは
エンジン150のトルクTeよりも小さい。従って、ア
シストモータ140は負のトルク、正の回転数で運転さ
れる。つまり、アシストモータ140は回生運転され
る。このとき回生される電力は変速ギヤTG1の回転数
とトルクの積に等しく、図6中のハッチングを施した領
域「AU2+GU3」の面積に等しい。両モータでの運
転効率を100%と仮定すれば、クラッチモータ130
で回生される電力とアシストモータ140に供給される
電力とが等しくなる。かかる変換では、先に図23で示
したのと同様、下流側に位置するアシストモータ140
から上流側に位置するクラッチモータ130に電力が供
給されるため、動力の循環が生じる。図6中の領域GU
3が循環する動力に相当する。
【0061】アンダードライブ結合において、上述の変
換を実現するための、アシストモータ140およびクラ
ッチモータ130の運転ポイントは、それぞれ以下の通
りとなる。アシストモータ140の回転数およびトルク
は、変速ギヤTG1の回転数およびトルクに変速比「1
+ρ」を反映させて求めることができる。 クラッチモータ130の回転数Nc=Nd−Ne; トルクTc=Te; 変速ギヤTG1の回転数Ntg=Nd; トルクTtg=Td−Te; アシストモータ140の回転数Na=Ntg/(1+ρ) =Nd/(1+ρ); トルクTa=Ttg×(1+ρ) =(Td−Te)×(1+ρ); ・・・(2)
【0062】図7はオーバードライブ結合について、
「車軸116の回転数Nd<エンジン150の回転数N
e」の場合におけるトルク変換の様子を示す説明図であ
る。図7に示した変換を行う場合、車軸116のトルク
Tdはエンジン150のトルクTeよりも大きい。従っ
て、アシストモータ140は電力の供給を受け力行され
る。供給される電力はアシストモータ140の回転数と
トルクの積に等しく、図7中のハッチングを施した領域
「AO1+AO2」の面積に等しい。
【0063】一方、車軸116の回転数Ndはエンジン
150の回転数Neよりも小さい。このとき、クラッチ
モータ130は図5の場合と同様、相対的に逆転する。
従って、クラッチモータ130は回生運転となる。回生
される電力はクラッチモータ130の回転数Ncとトル
クTcの積に等しく、図7中のハッチングを施した領域
「AO2+GO1」の面積に等しい。クラッチモータ1
30で回生された電力は、アシストモータ140の力行
のために供給される。回生された電力と供給される電力
とは等しくなる。かかる変換では、先に図25で示した
のと同様、下流側に位置するクラッチモータ130から
上流側に位置するアシストモータ140に電力が供給さ
れるため、動力の循環が生じる。図7中の領域AO2が
循環する動力に相当する。
【0064】図8はオーバードライブ結合について、
「車軸116の回転数Nd>エンジン150の回転数N
e」の場合におけるトルク変換の様子を示す説明図であ
る。図8に示した変換を行う場合、車軸116のトルク
Tdはエンジン150のトルクTeよりも小さい。従っ
て、アシストモータ140は負荷を与えてエンジン15
0からの出力トルクを低減するため、回生運転される。
回生される電力はアシストモータ140の回転数とトル
クの積に等しく、図8中のハッチングを施した領域「A
O3」の面積に等しい。
【0065】一方、車軸116の回転数Ndはエンジン
150の回転数Neよりも大きい。このとき、クラッチ
モータ130は相対的に正転し、力行運転となる。供給
される電力はクラッチモータ130の回転数Ncとトル
クTcの積に等しく、図8中のハッチングを施した領域
「GO2」の面積に等しい。クラッチモータ130には
アシストモータ140で回生された電力が供給される。
回生された電力と供給される電力とは等しい。かかる変
換では、先に図26で示したのと同様、上流側に位置す
るアシストモータ140から下流側に位置するクラッチ
モータ130に電力が供給されるため、動力の循環は生
じない。
【0066】オーバードライブ結合において、上述の変
換を実現するための、アシストモータ140およびクラ
ッチモータ130の運転ポイントは、次の通りとなる。 クラッチモータ130の回転数Nc=Nd−Ne; トルクTc=Td; アシストモータ140の回転数Na=Ne; トルクTa=Td−Te; ・・・(3)
【0067】以上で説明した通り、本実施例のハイブリ
ッド車両は、アシストモータ140の結合状態、および
車軸116の回転数Ndとエンジン150の回転数Ne
との大小関係に応じて、エンジン150から出力された
動力を要求された回転数およびトルクからなる動力に変
換して、車軸116から出力することができる(以下、
この運転モードを通常走行と呼ぶ)。この他、エンジン
150を停止してアシストモータ140を動力源として
走行することも可能である(以下、この運転モードをE
V走行とよぶ)。EV走行はアンダードライブ結合で行
われる。また、停車中にエンジン150の動力でアシス
トモータ140を回生運転して発電することも可能であ
る。この発電はオーバードライブ結合で行われる。
【0068】図6に示した通り、車軸116の回転数N
dがエンジン150の回転数Neよりも大きい走行時
(以下、オーバードライブ走行とよぶ)に、アンダード
ライブ結合で走行すれば、動力の循環が生じ、車両の運
転効率が低下する。図7に示した通り、車軸116の回
転数Ndがエンジン150の回転数Neよりも小さい走
行時(以下、アンダードライブ走行と呼ぶ)に、オーバ
ードライブ結合で走行すれば、動力の循環が生じ、車両
の運転効率が低下する。本実施例のハイブリッド車両
は、運転効率を向上するため、基本的にアンダードライ
ブ走行時にはアンダードライブ結合で走行し、オーバー
ドライブ走行時にはオーバードライブ結合で走行するよ
うにアシストモータ140の結合状態を制御する。
【0069】図9は本実施例のハイブリッド車両におけ
る各種走行モードの使い分けの様子を示す説明図であ
る。図中の曲線LIMはハイブリッド車両が走行可能な
領域を示している。図示する通り、車速およびトルクが
比較的低い領域では、EV走行を行う。車速およびトル
クが所定値以上の領域では、通常走行を行う。図中の曲
線Aはエンジン150の回転数Neと車軸116の回転
数Ndが等しくなる境界を示している。かかる曲線Aよ
りもトルクが低い側の領域では原則としてオーバードラ
イブ結合により走行し、高い側の領域ではアンダードラ
イブ結合または中立状態により走行する。例えば、図1
0中の曲線DDに沿って車両の走行状態が変化していく
場合には、当初EV走行を行った後、オーバードライブ
結合による走行に移行することになる。
【0070】(3)運転制御処理:次に、本実施例のハ
イブリッド車両の運転制御処理について説明する。先に
説明した通り、本実施例のハイブリッド車両は、EV走
行、通常走行など種々の運転モードにより走行すること
ができる。制御ユニット190内のCPU(以下、単に
「CPU」という)は車両の走行状態に応じて運転モー
ドを判定し、それぞれのモードについてエンジン15
0、クラッチモータ130、アシストモータ140、ク
ラッチ210、ブレーキ220の制御を実行する。これ
らの制御は種々の制御処理ルーチンを周期的に実行する
ことにより行われる。以下では、これらの運転モードの
うち、通常走行モードについてトルク制御処理の内容を
説明する。
【0071】図10は通常走行時のトルク制御ルーチン
のフローチャートである。この処理が開始されるとCP
Uは駆動軸、つまり車軸116から出力すべきエネルギ
Pdを設定する(ステップS10)。この動力は、アク
セルペダルポジションセンサ165により検出されたア
クセルの踏み込み量および車速に基づいて設定される。
駆動軸から出力すべきエネルギPdは、車軸116の回
転数Nd*と目標トルクTd*の積で表される。目標ト
ルクTd*はアクセル開度および車速に応じたテーブル
として予め設定されている。
【0072】次に、充放電電力Pbおよび補機駆動エネ
ルギPhを算出する(ステップS15,S20)。充放
電電力Pbとは、バッテリ194の充放電に要するエネ
ルギであり、バッテリ194を充電する必要がある場合
には正の値、放電する必要がある場合には負の値を採
る。補機駆動エネルギPhとは、エアコンなどの補機を
駆動するために必要となる電力である。こうして算出さ
れた電力の総和が要求動力Peとなる(ステップS2
5)。
【0073】なお、トルク制御ルーチンでは、単位時間
当たりのエネルギ収支を考慮してエンジン150等の制
御を実行する。従って、本明細書でエネルギという場合
は、全て単位時間当たりのエネルギを意味するものとす
る。この意味で、本明細書においては、機械的なエネル
ギは動力と同義であり、電気的なエネルギは電力と同義
である。
【0074】次に、CPUは、こうして設定された要求
動力Peに基づいてエンジン150の運転ポイントを設
定する(ステップS30)。運転ポイントとは、エンジ
ン150の目標回転数Neと目標トルクTeの組み合わ
せをいう。エンジン150の運転ポイントは、予め定め
たマップに従って、基本的にはエンジン150の運転効
率を優先して設定する。
【0075】図11はエンジンの運転ポイントと運転効
率との関係について示す説明図である。回転数Neを横
軸に、トルクTeを縦軸にとりエンジン150の運転状
態を示している。図中の曲線Bはエンジン150の運転
が可能な限界範囲を示している。曲線α1からα6まで
はエンジン150の運転効率が一定となる運転ポイント
を示している。α1からα6の順に運転効率は低くなっ
ていく。また、曲線C1からC3はそれぞれエンジン1
50から出力される動力(回転数×トルク)が一定とな
るラインを示している。
【0076】エンジン150は図示する通り、回転数お
よびトルクに応じて、運転効率が大きく相違する。エン
ジン150から曲線C1に相当する動力を出力する場合
には、図中のA1点に相当する運転ポイント(回転数お
よびトルク)が最も高効率となる。同様に曲線C2およ
びC3に相当する動力を出力する場合には図中のA2点
およびA3点で運転する場合が最も高効率となる。出力
すべき動力ごとに最も運転効率が高くなる運転ポイント
を選択すると、図中の曲線Aが得られる。これを動作曲
線と呼ぶ。なお、この曲線Aは先に図9に示した曲線A
と同じである。
【0077】図10のステップS30における運転ポイ
ントの設定では、予め実験的に求められた動作曲線Aを
制御ユニット190内のROMにマップとして記憶して
おき、かかるマップから要求動力Peに応じた運転ポイ
ントを読み込むことで、エンジン150の目標回転数N
eおよび目標トルクTeを設定する。こうすることによ
り、エンジン150について効率の高い運転ポイントを
設定することができる。
【0078】こうして設定されたエンジン150の運転
ポイントに応じて、CPUは結合状態切り替え制御処理
を行う(ステップS100)。この処理は、ハイブリッ
ド車両の走行状態に応じてアンダードライブ結合(図2
の結合状態B)とオーバードライブ結合(図2の結合状
態C)とで切り替える処理である。処理内容の詳細は後
述する。この処理を実行することにより、アシストモー
タ140はアンダードライブ結合またはオーバードライ
ブ結合のいずれかの結合状態を採る。
【0079】次にCPUはクラッチモータ130および
アシストモータ140のトルクおよび回転数の指令値を
設定する(ステップS200)。アンダードライブ結合
時には、先に示した式(2)において、車軸の回転数N
d、トルクTdにそれぞれ目標回転数Nd*、Td*を
代入し、エンジンの回転数Ne、トルクTeにステップ
S30で設定した目標回転数Ne*、目標トルクTe*
を代入して設定される。オーバードライブ結合の場合に
は、先に示した式(3)において、それぞれ上記諸量を
代入することにより設定される。
【0080】こうして設定されたトルク指令値および回
転数指令値に基づいて、CPUはクラッチモータ13
0、アシストモータ140、エンジン150の運転を制
御する(ステップS205)。モータの運転制御処理
は、同期モータの制御として周知の処理を適用すること
ができる。本実施例では、いわゆる比例積分制御による
制御を実行している。つまり、各モータの現在のトルク
を検出し、目標トルクとの偏差および目標回転数に基づ
いて、各相に印加する電圧指令値を設定する。印加され
る電圧値は上記偏差の比例項、積分項、累積項によって
設定される。それぞれの項にかかる比例係数は実験など
により適切な値が設定される。こうして設定された電圧
は、駆動回路191,192を構成するトランジスタイ
ンバータのスイッチングのデューティに置換され、いわ
ゆるPWM制御により各モータに印加される。
【0081】CPUは駆動回路191,192のスイッ
チングを制御することによって、上述の通り、クラッチ
モータ130およびアシストモータ140の運転を直接
制御する。これに対し、エンジン150の運転は現実に
はEFIECU170が実施する処理である。従って、
制御ユニット190のCPUはEFIECU170に対
してエンジン150の運転ポイントの情報を出力するこ
とで、間接的にエンジン150の運転を制御する。
【0082】以上の処理を周期的に実行することによ
り、本実施例のハイブリッド車両は、エンジン150か
ら出力された動力を所望の回転数およびトルクに変換し
て駆動軸から出力し、走行することができる。
【0083】次に、結合状態の切り替えについて説明す
る。図12は結合状態切り換え制御ルーチンのフローチ
ャートである。本ルーチンが開始されると、CPUは車
軸116の目標運転ポイント、即ち目標回転数Nd*お
よび目標トルクTd*を読み込む(ステップS10
2)。次に、車軸116の目標運転ポイントに基づい
て、CPUは結合状態の切換が必要であるか否かを判定
する(ステップS104)。切り替えの判断について具
体例で説明する。
【0084】図13はアンダードライブ結合からオーバ
ードライブ結合への切り替えの判断を示す説明図であ
る。図13中の曲線Aは先に示した図9中の曲線Aに対
応しており、アンダードライブ結合に適した走行領域U
Dとオーバードライブ結合に適した走行領域ODとの境
界に相当する。曲線DUはハイブリッド車両の走行中に
おける車速とトルクの変遷を示している。図中の矢印で
示す通り、車両は走行抵抗DDよりも大きなトルクを出
力して加速される。加速とともに出力トルクが低下し、
やがて出力トルクと走行抵抗DDとが釣り合った速度で
定常的に走行する。アンダードライブ結合からオーバー
ドライブ結合への切り替えは、例えばこうした加速の過
程で生じる。車速の変化に伴って車軸116の回転状態
が、図中の矢印で示されるように変化し、曲線Aと交差
するポイントPD1に至ったとき、CPUはオーバード
ライブ結合への切り換えを行うべきと判断する。
【0085】図14はオーバードライブ結合からアンダ
ードライブ結合への切り替えの判断を示す説明図であ
る。曲線DDは勾配のない道路を定常走行している状態
での車速とトルクとの関係である。ある車速で定常走行
している状態が図中の点PO0に相当する。この状態で
走行中に運転者がアクセルを踏み込むと、車両の出力ト
ルクは図中の曲線DOに示すように増加し車両は加速す
る。オーバードライブ結合からアンダードライブ結合へ
の切り替えは、例えばこうした過程で生じる。図中の矢
印に従って車軸116の回転状態が変化し、曲線Aと交
差するポイントPO1に至ったとき、CPUはアンダー
ドライブ結合への切り替えを行うべきと判断する。
【0086】このようにCPUは車速およびトルクが動
作曲線を横切るか否かに基づいて切り替えの必要性を判
断する。なお、本実施例では、結合状態の切り替えが頻
繁に行われるのを回避するため、切り替えの判断処理に
一定のヒステリシスを持たせている。つまり、アンダー
ドライブ結合からオーバードライブ結合への切り替え
は、図13中に示す通り、曲線Aと横切った後、領域O
D内に設定された所定の境界線ULに至った場合に切り
替えが必要と判断する。オーバードライブ結合からアン
ダードライブ結合への切り替えば、図14中に示す通
り、曲線Aと横切った後、領域UD内に設定された所定
の境界線HLに至った場合に切り替えが必要と判断す
る。ヒステリシスの幅、即ち、曲線UL,HLの位置は
車両の運転効率や頻繁な切り替えによって生じる乗り心
地の低下などを考慮して、任意に設定することができ
る。
【0087】ステップS104において、切り替えが必
要と判断された場合には、切り替え処理が実行され(ス
テップS106)、切り替え不要と判断された場合に
は、この処理をスキップして結合状態切り替え制御ルー
チンを終了する。図2に示した通り、アンダードライブ
結合(結合状態B)は、クラッチ210をオフ、ブレー
キ220をオンにした結合状態である。オーバードライ
ブ結合(結合状態C)は、クラッチ210をオン、ブレ
ーキ220をオフにした結合状態である。両者間の切り
替えは、いわゆる半クラッチ状態を経て行われる。アン
ダードライブ結合からオーバードライブ結合への切り替
えは、ブレーキ220の油圧を徐々に低減しつつ、クラ
ッチ210の油圧を徐々に増大させることによって行わ
れる。オーバードライブ結合からアンダードライブ結合
への切り替えは、逆に、ブレーキ220の油圧を徐々に
増大させつつ、クラッチ210の油圧を徐々に低減させ
ることによって行われる。もちろん、クラッチ210、
ブレーキ220の双方を一旦オフにした状態を経てか
ら、いずれか一方をオンにする態様で切り替えを行うも
のとしても構わない。
【0088】以上で説明した本実施例のハイブリッド車
両によれば、車軸116とエンジン150の回転数の大
小関係に応じてアシストモータ140の結合先を切り替
えることによって、動力の循環を抑制した高い効率でハ
イブリッド車両を運転することができる。
【0089】また、本実施例のハイブリッド車両では、
オーバードライブ結合時とアンダードライブ結合時と
で、アシストモータ140を異なる変速比で結合させる
ことができる。図3に示した通り、アンダードライブ結
合時にはアシストモータ140を変速比1+ρの変速ギ
ヤTG1,TG2を介してアウタロータ軸135に結合
したのと等価な状態となる。オーバードライブ結合時に
は図4に示した通り、アシストモータ140をクランク
シャフト156に直結したのと等価な状態となる。アン
ダードライブ結合時の方が大きな変速比でアシストモー
タ140は結合されることになる。このように異なる変
速比でアシストモータ140を結合させることにより、
本実施例のハイブリッド車両は、高効率で運転できる領
域を拡大することができる。以下、かかる効果について
説明する。
【0090】図15はエンジンから出力された動力をト
ルク変換して出力する様子を示す説明図である。図中の
曲線Aはエンジンの動作曲線である。エンジンはこの曲
線上の運転ポイントで運転される。曲線Pは動力が一定
となる状態を示す曲線である。既に説明した通り、クラ
ッチモータ130およびアシストモータ140の作用に
より、本実施例のハイブリッド車両は、エンジンから出
力された動力の回転数およびトルクを種々の値に変換し
て車軸116に出力することができる。例えば、エンジ
ンから出力されている動力が曲線A、Pの交点、即ち、
図中のPeで運転されている場合、バッテリ194の充
放電を伴わないものとすれば、曲線P上の種々の点で表
される動力を車軸116から出力することができる。
【0091】曲線P上の点のうち、図中の点Pu1,P
u2で表される動力を出力する場合を考える。これら
は、エンジン150の回転数を低減し、トルクを増大す
る場合、即ちアンダードライブ走行に相当する。既に説
明した通り、かかる変換は、アンダードライブ結合で実
現される。エンジンから出力される動力Peを点Pu
1,Pu2で表される動力に変換する場合、不足分のト
ルクTa1,Ta2はそれぞれアシストモータ140で
出力する。
【0092】エンジン150から出力される動力をアン
ダードライブ走行側に変換可能な限界は、アシストモー
タ140でトルクを増大可能な限界によって決定され
る。例えば、アシストモータ140を変速ギヤを介する
ことなくアウタロータ軸135に結合している場合、ア
シストモータ140が出力可能なトルクの上限値がTa
1であるものとすれば、それよりも大きなトルクTa2
の出力を要する点Pu2への変換は実現できない。
【0093】これに対し、本実施例のハイブリッド車両
は、アンダードライブ結合時には変速比1+ρの変速ギ
ヤTG1,TG2を介してアシストモータ140を結合
したのと等価な構成となる。従って、アシストモータ1
40が上限値Ta1に相当するトルクを出力することに
よって、実際には、Ta1×(1+ρ)のトルクを付加
することができる。この値はトルクTa2に相当するも
のとすれば、本実施例のハイブリッド車両は、図中の点
Pu2までの変換を実現することができる。即ち、アン
ダードライブ結合において、変速ギヤTG1,TG2を
介した構成を実現することにより、アンダードライブ走
行側の運転領域を、点Pu1から、より高トルクを出力
可能な点Pu2まで拡張することができる。
【0094】曲線P上の点のうち、図中の点Po1,P
o2で表される動力を出力する場合を考える。これら
は、エンジン150の回転数を増大し、トルクを低減す
る場合、即ちオーバードライブ走行に相当する。既に説
明した通り、かかる変換は、オーバードライブ結合で実
現される。エンジンから出力される動力Peを点Po
1,Po2で表される動力に変換する場合、回転数の増
速はクラッチモータ130で行われる。
【0095】エンジン150から出力される動力をオー
バードライブ走行側に変換可能な限界は、クラッチモー
タ130、アシストモータ140の最大回転数によって
決定される。例えば、アンダードライブ結合時に実現さ
れる変速比1+ρの変速ギヤを介したままの状態でアシ
ストモータ140がエンジン側に結合された場合を考え
る。このときは、エンジンを点Peに相当する回転数N
eで回転させると、アシストモータは(1+ρ)×Ne
で回転することになる。アシストモータ140の上限回
転数がこの回転数よりも低い場合、エンジンを点Peで
運転させることができない。アシストモータ140の上
限回転数の範囲では、エンジンを図中の点Pe’など回
転数Neよりも低い状態で運転する必要が生じる。
【0096】一方、先に説明した通り、オーバードライ
ブ走行時に、エンジンの回転数から車軸116の回転数
への増速は、クラッチモータ130によって実現され
る。クラッチモータ130の回転数の上限値が図中のN
climに相当するとする。この場合は、エンジンが点
Peに相当する回転数で運転されていれば、車軸の回転
を点Po2に相当する状態まで増速することが可能であ
る。これに対し、アシストモータ140の上限回転数に
起因してエンジン150を図中の点Pe’で運転せざる
を得ない場合には、クラッチモータ130の増速可能な
範囲を超えるため、車軸の回転を点Po2に相当する状
態まで増速することはできない。つまり、アンダードラ
イブ結合時と同じ変速比でアシストモータ140をエン
ジンに結合した場合には、オーバードライブ走行側への
増速可能な領域が狭くなる。これに対し、本実施例のハ
イブリッド車両は、オーバードライブ結合時には変速ギ
ヤを介することなくアシストモータ140を直結した構
成を実現する。従って、上述の制約を受けることなく、
点Po2に相当する動力を出力することができる。
【0097】アンダードライブ結合時に十分高トルクで
の動力を出力する目的であれば、アシストモータ140
の下流側に変速ギヤを設けて車軸116に動力を出力す
る構成も可能である。つまり、図21の領域TG部に固
定の減速ギヤを設けることも可能である。かかる構成に
おいて実現されるオーバードライブ結合は、図21に示
す通す領域TG部に減速ギヤを設けた構成となる。この
構成によって、エンジンから出力される動力(図15中
の点Pe)をオーバードライブ走行側に変換して出力す
る場合を考える。この構成では、オーバードライブ走行
時も、減速ギヤの作用によってクラッチモータ130の
アウタロータ軸の回転数が減速されて車軸116に伝達
される。逆に言えば、アウタロータの上限回転数よりも
低い回転数で車軸116は回転することになる。従っ
て、アウタロータの上限回転数が図15中の値No2に
相当するものとすれば、これよりも低い回転数No1が
車軸116の上限回転数となる。アンダードライブ結合
時に十分高トルクでの動力を出力可能な減速ギヤを介し
て車軸116に動力を出力する構成を採った場合には、
オーバードライブ走行側の動力はアウタロータの上限回
転数No2よりも低い回転数No1までの範囲に制限さ
れる。これに対し、本実施例のハイブリッド車両は、ア
ンダードライブ結合時に、変速比の大きい減速ギヤを介
して車軸116に動力を出力する必要がない。従って、
オーバードライブ走行時にも、上述の制約を受けること
なく十分高速での運転を実現することができる。
【0098】図16はハイブリッド車両の運転可能領域
の制限を示す説明図である。図中の一点鎖線はアンダー
ドライブ結合時において車軸116から出力可能な回転
数、トルクの範囲を示している。実線はオーバードライ
ブ結合時において車軸116から出力可能な回転数、ト
ルクの範囲を示している。先に説明した通り、本実施例
のハイブリッド車両はアンダードライブ結合時に、変速
比1+ρの変速ギヤを用いたのと等価な構成を実現する
ことにより、点Pu2に相当するトルクを出力すること
ができる。これは、変速ギヤを用いない場合の上限トル
ク(点Pu1に対応するトルク)よりも高い。換言すれ
ば、変速ギヤを用いない構成において、点Pu1に相当
するトルクを出力可能な状態でアシストモータ140を
運転することによって、それよりも高いトルクに対応し
た点Pu2に相当するトルクの出力を実現することがで
きる。
【0099】一方、オーバードライブ結合時には変速ギ
ヤを介することなくエンジンに結合したのと等価な構成
を実現することにより、点Po2に相当する回転数の動
力を出力することができる。アンダードライブ結合時に
相当する変速比でオーバードライブ結合を実現した場合
には、アシストモータ140およびクラッチモータ13
0の上限回転数に起因して、図中の点Po1に相当する
回転数が出力可能な動力の上限値となる。点Po2の回
転数は点Po1の回転数よりも高い。
【0100】このように変速ギヤを介してアシストモー
タ140を結合すれば、図中の一点鎖線で示した範囲の
動力を出力することができる。変速ギヤを介することな
くアシストモータ140を結合すれば、図中の実線で示
した範囲の動力を出力することができる。本実施例のハ
イブリッド車両は、アンダードライブ結合時とオーバー
ドライブ結合時とで異なる変速比でアシストモータ14
0を結合することにより、図中の一点鎖線で示した領域
と実線で示した領域とを適宜使い分けることができる。
従って、より広範な領域でハイブリッド車両を運転する
ことができる。運転可能な領域を拡張できる範囲は、変
速比ρによって定まる。車両に要求される最大トルク、
最大車速およびアシストモータ140,クラッチモータ
130の運転可能な範囲などに応じて適切な変速比を設
定すればよい。
【0101】更に、本実施例のハイブリッド車両によれ
ば、動力系統の構成を簡略化することができる利点もあ
る。アシストモータ140を常に直結する構成のハイブ
リッド車両においては、アンダードライブ結合において
十分な出力トルクを確保するために、ディファレンシャ
ルギヤ114の直前に固定の減速ギヤを設ける必要が生
じるのが通常である。即ち、図21の領域TG部に固定
の減速ギヤを設ける必要が生じる。この結果、動力を出
力する系統について、減速ギヤの分だけ、構成が複雑化
するとともに、装置が大型化することが多い。これに対
し、本実施例のハイブリッド車両では、アンダードライ
ブ結合時に十分な出力トルクを確保することができるか
ら、固定の減速ギヤを設ける必要性が低い。切替機構と
してのプラネタリギヤ200は、比較的小型の装置であ
る。従って、本実施例のハイブリッド車両によれば、装
置の小型化および簡略化を図ることができる。
【0102】上述のハイブリッド車両では、プラネタリ
ギヤ200を用いた切替機構によってアシストモータ1
40の結合先を切り替える場合を例示した。上述の例で
は、プラネタリギヤ200のサンギヤ201にブレーキ
220、プラネタリキャリア203にクラッチモータ1
30、リングギヤ204にアシストモータ140を結合
した場合を例示した。プラネタリギヤ200とブレーキ
220、クラッチモータ130、アシストモータ140
の結合は、これに限らず種々の態様を採りうる。
【0103】図17は第1の変形例としてのハイブリッ
ド車両の概略構成を示す説明図である。実施例(図1)
の構成に対し、プラネタリギヤ200とブレーキ22
0、クラッチモータ130、アシストモータ140との
結合が相違する。第1の変形例では、サンギヤ201に
アシストモータ140、プラネタリキャリア203にク
ラッチモータ130、リングギヤ204にブレーキ22
0を結合する。その他の構成は、実施例と同じである。
【0104】第1の変形例のハイブリッド車両では、ブ
レーキ220によってリングギヤ204の回転を制止す
ることにより、実施例と同様、アシストモータ140を
所定の変速比でクラッチモータ130に結合することが
できる。先に示した式(1)によれば、「Nc=ρ/
(1+ρ)×Ns」なる関係があるから、実現される変
速比は、「(1+ρ)/ρ」となる。プラネタリギヤで
は、ρは0<ρ<1なる範囲である。従って、第1の変
形例のハイブリッド車両では、実施例のハイブリッド車
両の変速比(1+ρ)よりも大きい変速比を実現するこ
とができる。図示を省略するが、プラネタリギヤ200
とブレーキ220、クラッチモータ130、アシストモ
ータ140との結合は、実施例および第1の変形例に示
した例に限らず、種々の組み合わせを採ることができ
る。
【0105】実施例および第1の変形例では、クラッチ
モータ130を動力調整装置として適用した場合を例示
した。動力調整装置とは、エンジン150から出力され
た動力の大きさを電力のやりとりによって変更可能な装
置をいう。クラッチモータ130は電力の供給を受けて
回転数を増速したり、電力を回生することで回転数を低
減したりして、エンジン150から出力された動力の大
きさを変更しつつ、車軸116側に伝達することができ
る。動力調整装置は、かかる作用を奏する構成であれ
ば、クラッチモータ130に限らず種々の装置を適用す
ることができる。異なる構成の動力調整装置を適用した
場合を第2の変形例として例示する。
【0106】図18は第2の変形例のハイブリッド車両
の概略構成を示す説明図である。ここでは、動力をやり
とりする要素についてのみ示した。制御ユニットや駆動
回路等の電気系統は図示を省略した。第2の変形例は、
クラッチモータ130に代えてプラネタリギヤ230と
電動発電機240とが用いられる。その他の構成は、第
1実施例のハイブリッド車両(図1参照)と同じであ
る。
【0107】プラネタリギヤ230のサンギヤ231
は、電動発電機240のロータ242に結合されてい
る。プラネタリキャリア233は、エンジン150のク
ランクシャフト156と結合されている。リングギヤ2
34の回転軸であるリングギヤ軸235はディファレン
シャルギヤ114を介して車軸116に結合されてい
る。
【0108】電動発電機240は、アシストモータ14
0と同様の構成をしている。つまり、電動発電機240
はステータ244にコイルが巻回され、ロータ242に
永久磁石が貼付された三相同期モータとして構成されて
いる。ステータ244はケースに固定されている。ステ
ータ244に巻回されたコイルに三相交流を流すと回転
磁界が生じ、ロータ242に貼付された永久磁石との相
互作用によってロータ242が回転する。電動発電機2
40は、ロータ242が外力によって回転されると、そ
の動力を電力として回生する発電機としての機能も奏す
る。なお、電動発電機240のステータ244に巻回さ
れたコイルは、実施例のクラッチモータ130と同様、
駆動回路191と電気的に接続されている(図1参
照)。制御ユニット190が駆動回路191のトラジス
タをオン・オフすることにより電動発電機240の運転
を制御することができる。
【0109】第2の変形例のハイブリッド車両では、プ
ラネタリギヤ230と電動発電機240の組み合わせに
より、図1に示した実施例におけるクラッチモータ13
0と同等の作用、即ち動力調整装置としての作用を奏す
ることができる。クラッチモータ130のインナロータ
軸133に相当するのがプラネタリキャリア233であ
り、アウタロータ軸135に相当するのがリングギヤ2
34である。
【0110】エンジン150からプラネタリキャリア2
33に動力が入力されると、実施例で示した式(1)に
従い、リングギヤ234およひサンギヤ231が回転す
る。リングギヤ234およびサンギヤ231のいずれか
一方の回転を止めることも可能である。リングギヤ23
4が回転することにより、エンジン150から出力され
た動力の一部を車軸116に機械的な形で伝達すること
ができる。また、サンギヤ231が回転することによ
り、エンジン150から出力された動力の一部で電動発
電機240を駆動することができ、電力を回生すること
ができる。一方、電動発電機240を力行すれば、電動
発電機240から出力されたトルクは、サンギヤ23
1、プラネタリキャリア233およびリングギヤ234
を介して車軸116に機械的に伝達することができる。
従って、電動発電機240を力行することにより、エン
ジン150から出力されたトルクを増大して車軸116
に出力することも可能である。
【0111】このように、第2の変形例では、プラネタ
リギヤ230と電動発電機240の組み合わせにより、
電力のやりとりを通じてプラネタリキャリア233に入
力された動力の大きさを変更して、リングギヤ234側
に出力することができる。また、サンギヤ231とリン
グギヤ234の回転数は式(1)の拘束条件の下で任意
に変更可能であるから、エンジン150から出力された
動力を種々の回転数に変換してリングギヤ234に出力
することも可能である。クラッチモータ130の場合
は、インナロータ132のトルクとアウタロータ134
のトルクは、作用・反作用の原理に従い、必ず等しくな
る。これに対し、プラネタリギヤ230では、プラネタ
リキャリア233のトルク、リングギヤ234のトル
ク、サンギヤ231のトルクは式(1)に従い、所定の
比例関係にある。つまり、クラッチモータ130では、
エンジン150から出力されたトルクの大きさを変更す
ることなく車軸116側に出力するのに対し、プラネタ
リギヤ230ではエンジン150から出力されたトルク
に所定の比率を乗じたトルクが車軸116に出力され
る。この点が、動力調整装置としての作用の相違である
が、常に一定の比率を乗じたトルクが伝達されるため、
トルク変換の制御処理等は実施例の処理が実質的に適用
可能である。
【0112】第2の変形例には、実施例と同様、切替機
構を構成するプラネタリギヤ200も備えられている。
切替用のプラネタリギヤ200の各ギヤには次の要素が
それぞれ結合されている。プラネタリギヤ200のサン
ギヤ201には実施例と同様、ブレーキ220が結合さ
れている。プラネタリキャリア203には、動力調整装
置を構成するプラネタリギヤ230のリングギヤ234
が結合されている。リングギヤ204にはアシストモー
タ140が結合されている。リングギヤ204は、クラ
ッチ210によってエンジン150のクランクシャフト
156と結合可能になっている。上述の通り、プラネタ
リギヤ230のリングギヤ234は実施例におけるクラ
ッチモータ130のアウタロータ軸135に相当する。
また、プラネタリキャリア233は実施例におけるクラ
ッチモータ130のインナロータ軸133に相当する。
従って、上記結合状態は、実施例におけるクラッチモー
タ130をプラネタリギヤ230と電動発電機240か
らなる装置に置換した構成と等価である。
【0113】第2の変形例においても、実施例と同様、
クラッチ210、ブレーキ220のオン・オフを切り替
えることによって、アシストモータ140の結合状態を
種々変更することができる。図19は第2の変形例に関
し、アシストモータ140の結合状態について示す説明
図である。クラッチ210のオン・オフおよびブレーキ
220のオン・オフで実現される4通りの組合せについ
て示した。
【0114】左上には、結合状態A1として、クラッチ
210およびブレーキ220を共にオンにした場合の状
態を示した。ブレーキ220がオンとなっているため、
切替機構を構成するサンギヤ201の回転は制止され
る。また、クラッチ210が結合されているため、アシ
ストモータ140はエンジン150に結合される。これ
は、実施例の結合状態Aに相当し、エンジン150の回
転数に対して一義的に定まる回転数で車軸116は回転
する。結合状態A1では、エンジン150から出力され
た動力の回転状態を任意に変更して車軸116に出力す
ることはできない。
【0115】右上には、結合状態B1として、クラッチ
210をオフにし、ブレーキ220をオンにした場合の
結合状態を示した。ブレーキ220がオンになっている
ため、プラネタリギヤ200についての回転状態は、結
合状態A1と同じである。一方、クラッチ210がオフ
になっているため、アシストモータ140はエンジン1
50の回転数とは異なる回転数で回転可能である。これ
は実施例の結合状態Bに相当する。車軸116の目標回
転数に応じてプラネタリギヤ230のリングギヤ234
の回転数Ndが決定されると、上式(1)に従って切替
機構を構成するリングギヤ204の回転数Nuは、「N
u=(1+ρ)Nd」で与えられる。即ち、アシストモ
ータ140は減速比が1+ρで与えられる固定のギヤを
介してアウタロータ軸に結合された状態となる。実施例
におけるアンダードライブ結合と等価な構成が実現され
る。
【0116】図2の左下には、結合状態C1として、ク
ラッチ210をオンにし、ブレーキ220をオフにした
場合の結合状態を示した。ブレーキ220がオフになっ
ているため、サンギヤ201は自由に回転することがで
きる。また、クラッチ210がオンになっているため、
アシストモータ140がエンジン150の出力軸に直結
される。これは、実施例の結合状態Cに相当する。実施
例におけるオーバードライブ結合と等価な構成が実現さ
れる。
【0117】図2の右下には、結合状態D1として、ク
ラッチ210およびブレーキ220を共にオフとした場
合の結合状態を示した。ブレーキ220がオフになって
いるため、プラネタリギヤ200の結合状態は結合状態
C1の場合と同じである。また、クラッチ210も解放
されているため、アシストモータ140とエンジン15
0の結合も解放されている。これは実施例の結合状態D
に相当し、アシストモータ140は動力の伝達経路から
完全に切り離された状態に相当する。
【0118】第2の変形例のハイブリッド車両は、上述
の通り、クラッチ210およびブレーキ220のオン・
オフによって実施例と同様の4通りの結合状態をとり得
る。実施例と同様、結合状態B1(アンダードライブ結
合)と結合状態C1(オーバードライブ結合)も実現可
能である。従って、実施例と同様の制御処理を第2の変
形例にも適用することができ、ハイブリッド車両の運転
可能領域を拡張することができるとともに、広い範囲で
運転効率を向上することができる。第2の変形例におい
ても、切替機構を構成するプラネタリギヤ200と、ア
シストモータ140、動力調整装置を構成するプラネタ
リギヤ230および電動発電機240、ブレーキ220
との結合は種々の態様を採ることができる。
【0119】切替機構もプラネタリギヤ200に限らず
種々の構成を採ることができる。アシストモータ140
の結合先を動力調整装置の上流側と下流側とに異なる変
速比で結合可能な機構であればよい。かかる機構の変形
例を第3の変形例として説明する。
【0120】図20は第3の変形例のハイブリッド車両
の概略構成を示す説明図である。実施例と同様、動力調
整装置としてクラッチモータ130を適用した場合を例
示した。実施例がプラネタリギヤ200、クラッチ21
0、ブレーキ220を用いた切替機構を採用しているの
に対し、第3の変形例はシンクロナイズドギヤを用いて
いる点で相違する。
【0121】シンクロナイズドギヤは、第1のギヤ11
1、第2のギヤ112aおよびスライドギヤ113とか
ら構成される。スライドギヤ113は図示する通り、摺
動可能に構成されており、第1のギヤ111と結合させ
たり、第2のギヤ112aと結合させたりすることがで
きる。第3の変形例では、このスライドギヤ113にア
シストモータ140のロータ142が結合されている。
第1のギヤ111にクラッチモータ130のアウタロー
タ134が結合されている。第2のギヤ112aは、さ
らに固定のギヤ112bを介してエンジン150のクラ
ンクシャフト156と結合されている。
【0122】スライドギヤ113を第1のギヤ111に
結合させることにより、アシストモータ140をクラッ
チモータ130のアウタロータ134に結合することが
できる。つまり、アンダードライブ結合を実現すること
ができる。このとき、アシストモータ140はアウタロ
ータ134に直結した状態に相当する。
【0123】スライドギヤ113を第2のギヤ112a
に結合させることにより、アシストモータ140をエン
ジン150側に結合することができる。つまり、オーバ
ードライブ結合を実現することができる。このとき、ア
シストモータ140はスライドギヤ113よりもギヤ数
の少ない2つのギヤ112a,112bを介してエンジ
ン150側に結合されることになる。従って、変速比は
値1よりも小さくなり、いわゆる増速状態で結合された
状態に相当する。
【0124】第3の変形例の構成によれば、スライドギ
ヤ113の摺動により、アシストモータ140を異なる
ギヤ比でクラッチモータ130の上流側と下流側とに結
合することができる。従って、実施例と同様の制御によ
り、ハイブリッド車両の運転可能領域を拡張することが
できるとともに、広い範囲で高効率な運転を実現するこ
とができる。切替機構は、これらに限らず種々の構成を
適用することができる。但し、実施例に示したプラネタ
リギヤ200を用いた構成によれば、小型かつ簡略な構
成でアシストモータ140の結合先および結合時の変速
比の変更を実現することができる利点がある。
【0125】以上の実施例および変形例では、アンダー
ドライブ結合においてアシストモータ140を結合する
際の変速比の方が、オーバードライブ結合時における変
速比よりも大きい場合を例示した。本実施例のように運
転領域の拡張に主眼をおいて変速比を設定する場合に
は、かかる大小関係で変速比を設定することが望まし
い。但し、本発明はかかる大小関係で変速比を設定する
場合に限らない。アンダードライブ結合時の変速比とオ
ーバードライブ結合時の変速比は、目的に応じて種々の
設定が可能であり、後者が前者よりも大きくなる設定を
採るものとしてもよい。
【0126】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施例のハイブリッド車両では、エンジンと
してガソリンエンジン150を用いたが、ディーゼルエ
ンジンその他の動力源となる装置を用いることができ
る。また、本実施例では、モータとして全て三相同期モ
ータを適用したが、誘導モータその他の交流モータおよ
び直流モータを用いるものとしてもよい。また、本実施
例では、種々の制御処理をCPUがソフトウェアを実行
することにより実現しているが、かかる制御処理をハー
ド的に実現することもできる。更に、制御ユニット19
0により結合状態の切替制御を行う場合を実施の形態と
して示したが、手動で切り換える態様、または自動での
切り換えと手動での切り換えとを選択可能な態様で構成
することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のハイブリッド車両の概略構成を示す
説明図である。
【図2】アシストモータ140の結合状態について示す
説明図である。
【図3】クラッチ210をオフにし、ブレーキ220を
オンにした場合と等価な結合状態を模式的に示す説明図
である。
【図4】クラッチ210をオンにし、ブレーキ220を
オフにした場合と等価な結合状態を模式的に示す説明図
である。
【図5】アンダードライブ結合について、「車軸116
の回転数Nd<エンジン150の回転数Ne」の場合に
おけるトルク変換の様子を示す説明図である。
【図6】アンダードライブ結合について、「車軸116
の回転数Nd>エンジン150の回転数Ne」の場合に
おけるトルク変換の様子を示す説明図である。
【図7】オーバードライブ結合について、「車軸116
の回転数Nd<エンジン150の回転数Ne」の場合に
おけるトルク変換の様子を示す説明図である。
【図8】オーバードライブ結合について、「車軸116
の回転数Nd>エンジン150の回転数Ne」の場合に
おけるトルク変換の様子を示す説明図である。
【図9】本実施例のハイブリッド車両における各種走行
モードの使い分けの様子を示す説明図である。
【図10】通常走行時のトルク制御ルーチンのフローチ
ャートである。
【図11】エンジンの運転ポイントと運転効率との関係
について示す説明図である。
【図12】結合状態切り換え制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図13】アンダードライブ結合からオーバードライブ
結合への切り替えの判断を示す説明図である。
【図14】オーバードライブ結合からアンダードライブ
結合への切り替えの判断を示す説明図である。
【図15】エンジンから出力された動力をトルク変換し
て出力する様子を示す説明図である。
【図16】ハイブリッド車両の運転可能領域の制限を示
す説明図である。
【図17】第1の変形例としてのハイブリッド車両の概
略構成を示す説明図である。
【図18】第2の変形例のハイブリッド車両の概略構成
を示す説明図である。
【図19】第2の変形例に関し、アシストモータ140
の結合状態について示す説明図である。
【図20】第3の変形例のハイブリッド車両の概略構成
を示す説明図である。
【図21】電動機を駆動軸に結合したハイブリッド車両
の概略構成を示す説明図である。
【図22】アンダードライブ結合において、エンジンの
回転数が駆動軸の回転数よりも高い状態における動力の
伝達の様子を示す説明図である。
【図23】アンダードライブ結合において、エンジンの
回転数が駆動軸の回転数よりも低い状態における動力の
伝達の様子を示す説明図である。
【図24】電動機を出力軸に結合したハイブリッド車両
の概略構成を示す説明図である。
【図25】オーバードライブ結合において、エンジンの
回転数が駆動軸の回転数よりも高い状態における動力の
伝達の様子を示す説明図である。
【図26】オーバードライブ結合において、エンジンの
回転数が駆動軸の回転数よりも低い状態における動力の
伝達の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
111…第1のギヤ 112a,112b…第2のギヤ 113…スライドギヤ 114…ディファレンシャルギヤ 116R,116L…駆動輪 116…車軸 117…回転数センサ 130…クラッチモータ 132…インナロータ 133…インナロータ軸 134…アウタロータ 135…アウタロータ軸 138…スリップリング 140…アシストモータ 142…ロータ 143…ロータ軸 144…ステータ 145…回転数センサ 150…エンジン 152…回転数センサ 156…クランクシャフト 157…ダンパ 165…アクセルペダルポジションセンサ 190…制御ユニット 191,192…駆動回路 194…バッテリ 200…プラネタリギヤ 201…サンギヤ 202…プラネタリピニオンギヤ 203…プラネタリキャリア 204…リングギヤ 210…クラッチ 220…ブレーキ 230…プラネタリギヤ 231…サンギヤ 233…プラネタリキャリア 234…リングギヤ 240…電動発電機 242…ロータ 244…ステータ
フロントページの続き (72)発明者 倉持 耕治郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D039 AA01 AA02 AA03 AB27 AC03 AC21 AD06 AD11 5H115 PA11 PG04 PI13 PI29 PU10 PU22 PU25 PV09 PV23 QN03 QN22 QN23 RB08 RE05 SE05 SE08 SJ12 TB01 TO21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力軸を有するエンジンと、動力を出力
    するための駆動軸と、前記出力軸及び駆動軸に結合され
    電力のやりとりによって前記エンジンから出力された動
    力を増減して前記駆動軸に伝達可能な動力調整装置とを
    備えるハイブリッド車両であって、 回転軸を有する電動機と、 該電動機の回転軸を前記出力軸と前記駆動軸とに切り替
    えて結合する機構であって、該出力軸および駆動軸に異
    なる変速比で結合する切替機構とを備えるハイブリッド
    車両。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記切替機構は、 3つの回転軸のうち、2つの回転軸に前記電動機および
    動力調整装置がそれぞれ結合されたプラネタリギヤと、 該プラネタリギヤの残余の回転軸について、選択的に回
    転および制止可能な制止手段と、 前記電動機の回転軸と前記出力軸とを選択的に結合およ
    び解放可能な結合手段とを備える機構であるハイブリッ
    ド車両。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記切替機構は、前記回転軸を前記出力軸に結合する際
    の変速比よりも大きい変速比で、前記回転軸を前記駆動
    軸に結合する機構であるハイブリッド車両。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 さらに、該車両の運転状態を検出する検出手段と、 該運転状態に応じて前記切替機構を制御して、前記電動
    機の結合先を切り替える切替制御手段とを備えるハイブ
    リッド車両。
  5. 【請求項5】 前記動力調整装置は、前記出力軸に結合
    された第1のロータと、前記駆動軸に結合された第2の
    ロータとを有する対ロータ電動機である請求項1記載の
    ハイブリッド車両。
  6. 【請求項6】 前記動力調整装置は、ロータ軸を有する
    発電機と、3つの回転軸を有し、該回転軸が前記出力
    軸、駆動軸、およびロータ軸にそれぞれ結合されたプラ
    ネタリギヤとを備える装置である請求項1記載のハイブ
    リッド車両。
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