JP2000343821A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2000343821A
JP2000343821A JP11157789A JP15778999A JP2000343821A JP 2000343821 A JP2000343821 A JP 2000343821A JP 11157789 A JP11157789 A JP 11157789A JP 15778999 A JP15778999 A JP 15778999A JP 2000343821 A JP2000343821 A JP 2000343821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
optical recording
recording medium
metal complex
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11157789A
Other languages
English (en)
Inventor
Emiko Kanbe
江美子 神戸
Atsushi Kadota
敦志 門田
Masahiro Shinkai
正博 新海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP11157789A priority Critical patent/JP2000343821A/ja
Publication of JP2000343821A publication Critical patent/JP2000343821A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境・コスト面で有利で、安定であり、かつ
成膜性がよく、基板を侵すことがない塗布溶媒を用いて
記録層の設層が可能な光記録媒体を提供する。 【解決手段】 異なる2種の多座配位子が配位した金属
錯体色素を含有し、かつ融点−10℃以下で、沸点80
〜180℃の非ハロゲン系アルコールを溶媒に用いた塗
布液で記録層を形成した光記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザーを照射す
ることによりピットを形成する光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に光ディスクとしてレーザー吸収色
素を記録材料として用いる場合には、その取り扱いの容
易さあるいはコスト面から言っても有機溶剤を溶媒とし
て用いたスピンコート法による記録層の薄膜形成が行わ
れている。従って、レーザー吸収色素には、光記録媒体
に用いるために基本的に必要な光吸収分解特性あるいは
光退色しないための高耐光性などの他に、塗布溶媒に溶
解することが必要となる。
【0003】一般的にレーザー吸収色素にはシアニン色
素、アゾ金属錯体色素などが用いられており、シアニン
色素は有機溶媒に溶解しやすいが、非常に光に弱く退色
し易い。従って、単独で使用することはできず、通常何
らかの退色防止剤と一緒に用いられることとなるが、そ
の際有機溶媒に対する溶解性が低下する。
【0004】一方、アゾ金属錯体は、耐光性に優れてお
り光記録媒体に適した材料であるが、溶媒に対する溶解
性が低いため実際に使えるものが少なかった。
【0005】また、塗布溶媒に関しては、ポリカーボネ
ートを材料に用いている光ディスク基板の記録面には、
あらかじめグルーブが刻まれており、グルーブを侵さな
いことが必要となる。
【0006】しかし、色素に高溶解性を持ちながら基板
を侵さない溶媒は少ない。これまでは、極性溶媒ではそ
の高溶解性から、フッ素化アルコール系溶媒(特公平7
−96333号)が溶媒に用いられてきた。しかし、価
格が非常に高く、しかも、2,2,3,3−テトラフル
オロプロパノール等のような水溶性アルコールは弱酸性
溶媒であるため、一部記録用色素に対しては塗布溶媒中
で色素の分解が進むこともあった。また、ハロゲン系溶
媒ということで、オゾン層の破壊など環境に対する負荷
も大きい。
【0007】また、特開平2−3373号には、アルコ
ール系溶媒を塗布溶媒に用いて記録薄膜を形成した光学
情報記録媒体が開示されているが、その実施例および比
較例に示される色素はシアニン色素のみであり、シアニ
ン色素に比べ溶解性が低いアゾ金属錯体色素を対象とす
るものではない。
【0008】さらに、特開平10−181201号に
は、アゾ金属錯体の塗布溶剤としてエチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
系溶剤が示されているが、実施例で実際使用されている
のは2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノー
ルのみである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色素
の溶解性を高めたことで、従来は溶解能が低く使用でき
なかったが、中性で安定性がよく、しかも安価で環境に
対する影響の低いという優れた特徴のある、アルコール
系溶媒を塗布溶媒に用いた光記録媒体を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)によって達成される。 (1) 基板上に色素を含有する記録層を有し、光を照
射することによってピットを形成して記録を行う光記録
媒体において、前記記録層を、異なる2種の多座配位子
が配位した金属錯体色素を含有し、かつ融点−10℃以
下で、沸点80〜180℃の非ハロゲン系アルコールを
溶媒に用いた塗布液で塗布形成したことを特徴とする光
記録媒体。 (2) 非ハロゲン系アルコールが、総炭素数3〜6の
脂肪族飽和アルコールである上記(1)に記載の光記録
媒体。 (3) 前記記録層が、下記式(1)で表される金属錯
体色素を含有する上記(1)または(2)の光記録媒
体。
【0011】
【化3】
【0012】[式(1)中、Mは金属原子を表し、
1、A2、B1およびB2は、それぞれ独立に金属に配位
可能な置換基を有する芳香環基、または金属に配位可能
な窒素原子を環中に有する含窒素複素芳香環基を表し、
1、A2、B1およびB2は、それぞれ置換基または窒素
原子でMに配位する。ただし、A1とA2とが異なるこ
と、およびB1とB2とが異なることのうちの少なくとも
一方の条件を満足する。Yは対イオンを表し、xは電荷
の均衡を保つための数である。] (4) 式(1)中のYが、+1価のシアニン色素の対
カチオンである上記(3)の光記録媒体。 (5) 前記記録層が、下記式(2)で表される金属錯
体色素を含有する上記(1)〜(3)のいずれかの光記
録媒体。
【0013】
【化4】
【0014】[式(2)中、Mは金属原子を表し、
11、A21、B11およびB21は、それぞれ独立に金属に
配位可能な0を置換基中に有する芳香環基を表し、
11、A21、B 11およびB21はOでMに配位する。ただ
し、A11とA21とが異なること、およびB11とB21とが
異なることのうちの少なくとも一方の条件を満足する。
1 m+は+m価の対カチオンを表し、mおよびnはそれ
ぞれ1または2である。] (6) 式(2)中のY1 m+が、+1価のシアニン色素
の対カチオンである上記(5)の光記録媒体。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光記録媒体は、金属錯体色素を含有する
記録層を有し、この記録層は、融点−10℃以下で、沸
点80〜180℃の非ハロゲン系アルコールを溶媒に用
いた塗布液により塗設されたものである。このような溶
媒は、具体的には、総炭素数3〜6の脂肪族飽和アルコ
ールであることが好ましく、本発明は記録層がコスト、
環境面で有利で、かつ安定性に優れた脂肪族飽和アルコ
ールによって溶液塗布が可能であることを特徴とする。
【0016】このような溶媒に十分な溶解性をもつ金属
錯体色素としては、2種の異なる多座配位子(例えば3
座配位子)が配位した金属錯体色素、特にアゾ金属錯体
色素が挙げられる。アゾ金属錯体色素として好ましくは
下記式(1)で表される化合物である。
【0017】
【化5】
【0018】式(1)中、Mは金属原子を表し、A1
2、B1およびB2は、それぞれ独立に金属に配位可能
な置換基をもつ芳香環基、または金属に配位可能な窒素
原子を環中に有する含窒素複素芳香環基を表し、A1
2、B1およびB2は、それぞれ置換基または窒素原子
でMに配位する。ただし、A1≠A2、および/またはB
1≠B2である。Yは対イオンを表し、xは電荷の均衡を
保つための数である。
【0019】式(1)について、さらに詳細に説明する
と、A1、A2、B1、B2で表される中心金属に配位可能
な置換基を有する芳香環基における芳香環としては、炭
素環であっても複素環であってもよく、単環であって
も、縮合多環や環集合の多環であってもよい。このよう
な芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジ
ン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾー
ル環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、イミダゾー
ル環、ピラジン環、ピロール環などが挙げられ、なかで
もベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環が好ましく、
特にはベンゼン環が好ましい。
【0020】上記芳香環基中の中心金属に配位可能な置
換基としては、金属に配位する前の形で、活性水素を有
する基が挙げられ、A1、A2、B1、B2における活性水
素を有する基の芳香環における結合位置は、ジアゾ基の
隣接位であり、活性水素を有する基としては、−OH、
−SH、−NH2、−NHSO2R(ここでRは炭素数1
〜6のアルキル基)、−COOH、−CONH2、−S
2NH2、−SO3H等が挙げられ、特に−OHが好ま
しい。
【0021】また、金属に配位可能なNを環中に有する
含窒素複素芳香環基における含窒素複素芳香環として
は、単環であっても縮合多環であってもよい。このよう
な含窒素複素芳香環の具体例としてはピリジン環、チア
ゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベン
ゾオキサゾール環、キノリン環、イミダゾール環、ピラ
ジン環、ピロール環などが挙げられ、なかでもピリジン
環、キノリン環、チアゾール環が好ましい。また、環中
におけるNの存在位置はアゾ基が結合する炭素原子の隣
接位である。
【0022】A1とB1またはA2とB2の組合せとして
は、ベンゼン環同士、ベンゼン環とナフタレン環、ベン
ゼン環とピリジン環等の組合せが好ましく、なかでもベ
ンゼン環同士の組合せが好ましい。
【0023】また、A1、A2、B1、B2で表される金属
に配位可能な置換基を有する芳香環基は、アゾ基、金属
に配位可能な置換基のほかに、また、A1、A2、B1
2で表される金属に配位可能なNを環中に有する含窒
素複素芳香環基は、アゾ基の他に、さらに置換基を有し
ていてもよく、置換基として具体的にはニトロ基、シア
ノ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、
カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基(好まし
くは炭素数0〜4で、例えばスルファモイル、メチルス
ルファモイル等)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜
4で、例えばメチル等)、アミノ基(好ましくは炭素数
0〜10で、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジブチルアミノ、フェニルアミノ)、ヘテロ環基(例え
ばピペリジノ、モルホリノ等)等が挙げられる。また、
置換基同士が連結して環(例えばキノリジジン環(一部
不飽和化したものも含む。)等)を形成してもよい。
【0024】A1、A2、B1、B2がベンゼン環同士の組
合せであるとき、一方のベンゼン環は、ニトロ基、ハロ
ゲン原子(好ましくは塩素原子、臭素原子)を置換基と
して有することが好ましく、特にはニトロ基が好まし
い。このようなニトロ基、ハロゲン原子はジアゾ基のメ
タ位あるいはパラ位に存在することが好ましい。置換基
は2個以上で存在していてもよく、このような場合の置
換基は同一でも異なるものであってもよい。また、他方
のベンゼン環は、アミノ基を置換基として有することが
好ましく、アミノ基としては、無置換のアミノ基や、フ
ェニルアミノ等のアリールアミノ基であってもよいが、
特にジアルキルアミノ基が好ましく、このようなジアル
キルアミノ基の総炭素数は2〜8であることが好まし
く、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエ
チルアミノ、メチルプロピルアミノ、ジブチルアミノ、
ヒドロキシエチルメチルアミノ等が挙げられ、また、ア
ルキル基同士が連結して環(例えばピペリジン環、モル
ホリン環等)を形成してもよい。
【0025】このようなアミノ基の置換位置はジアゾ基
のパラ位であることが好ましい。
【0026】Mは金属錯体の中心金属であり、中心金属
は配位子:金属=2:1(mol)の錯体を形成するも
のであればよい。中心金属はCo、Ni、Cu等であ
る。
【0027】A1とA2、あるいはB1とB2、あるいはA
1とA2およびB1とB2は、この組合せで同一のものとな
ることはなく、よってA1とB1とを有する配位子と、A
2とB2とを有する配位子とは異なり、配位子として同じ
ものが金属に配位することはない。ここで異なる配位子
とは置換基等を含めて異なるものをいい、芳香環の環骨
格は同一であってもよい。
【0028】なお、式(1)中の活性水素を有する基は
酸アニオン(活性水素を有する基が−OHのときは−
O)の形で中心金属に配位する。
【0029】Yは対イオンを表し、xは電荷の均衡を保
つための数である。
【0030】対カチオンとしては、Na+、Li+
+、Ca2+等の無機系陽イオン、R1 234+、R
123+(CH2m+456(ここで、R1
2、R3、R4、R5、R6は、それぞれ水素原子、アル
キル基、アルコキシ基、アリール基等を表す。mは2〜
10の整数を表す。)で表されるアンモニウムイオン、
ローダミン色素の陽イオン等が挙げられる。このほか、
対カチオンの好ましいものとして+1価のシアニン色素
カチオンが挙げられる。陽イオンとしては、特に、シア
ニン色素カチオンが好ましい。
【0031】対アニオンとしては、ハロゲン化物イオン
(Cl-、Br-、I-等)、ClO4 -、BF4 -、P
6 -、VO3 -、VO4 3-、WO4 2-、CH3SO3 -、CF3
COO-、CH3COO-、HSO4 -等が挙げられる。
【0032】本発明のアゾ金属錯体色素としては、特
に、式(2)で表される化合物が好ましい。
【0033】
【化6】
【0034】式(2)中、Mは式(1)のものと同義の
ものである。A11、A21、B11、B 21は−O-を置換基
中に有する芳香環基を表し、−O-でMに配位する。た
だし、A11≠A21、および/またはB11≠B21であり、
式(1)と同様に、同一の配位子が配位することはな
い。nは1または2であり、Y1 m+は+m価のカチオン
を表し、mは1または2である。
【0035】Mの具体例は式(1)と同じであり、
11、A21、B11、B21で表される芳香環基中の芳香環
の具体例は式(1)と同じであり、好ましいものも同じ
である。Ym+は特に+1価のシアニン色素カチオンが好
ましい。
【0036】以下に+1価のシアニン色素カチオンの具
体例を示す。
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】以下に式(1)で表される色素構造を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで
は式(1)のA1、B1等の表示の組合せによって示し、
錯イオンの価数も併記する。また、具体例中のMe、E
t、Buは各々メチル、エチル、ブチルを示す。
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】式(1)のアゾ金属錯体は、また公知の方
法にそれぞれ配位子を合成し、混合させて錯化すること
ができる。
【0053】また、シアニン色素の陽イオンをもつアゾ
色素を得るには、Na+塩やK+塩をもつアゾ錯体を合成
したのち、目的とするシアニン色素の陽イオンに応じ、
シアニン色素のI-塩やClO4 -塩の色素を用いて、公
知の方法に従って陽イオンを交換すればよい。
【0054】本発明の色素は、記録層用の色素として、
1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
【0055】これらの色素は、耐光性に優れ、2種の異
なる配位子をもつという構造的特徴からか、2つの同じ
配位子が配位したアゾ金属錯体に比べて、格段と、本発
明の塗布溶媒に対する溶解度が大きくなる。この場合の
溶解度は6.0〜20wt% 程度であり、色素含有塗布液
を調製するのに十分な溶解性をもつ。
【0056】本発明の記録層設層用の塗布溶媒は、光記
録媒体の基板材料として汎用されているポリカーボネー
ト樹脂(PC)を侵すことがない。
【0057】特に、好ましくは炭素数3〜6の脂肪族飽
和アルコール(特に無置換の一価アルコール)を溶媒に
用いる。その具体例を表1に示す。併せて、融点、沸点
を記す。融点が示されていないものは、融点−10℃以
下の液状物質である。
【0058】
【表1】
【0059】これらの溶媒は2種以上混合して用いても
よい。また、これらの溶媒のみを用いることが好ましい
が、全溶媒量の20wt% 以下であれば他の溶媒を併用し
てもよい。
【0060】記録層設層用の塗布液における色素の濃度
は、0.5〜4.0wt% である。
【0061】また、塗布液には塗布バインダー、分散
剤、安定剤などを含有させてもよい。
【0062】本発明の光記録媒体の記録層には本発明の
色素のほか、他の種類の光吸収色素を含有させてもよ
い。このような色素としては、シアニン系色素、上記と
は別種の金属錯体色素、スチリル系色素、ポリフィリン
系色素、上記とは別種のアゾ色素、ホルマザン金属錯体
などが挙げられる。このような場合には、塗布液中にこ
のような色素を含有させて記録層を設層すればよい。
【0063】なお、本発明の色素(他の色素イオンと塩
を形成する場合も本発明の色素に含める)と併用する他
の色素は、色素全体の40wt% 以下であることが好まし
い。
【0064】記録層の塗設はスピンコート法による成膜
が好ましい。
【0065】上記のようなスピンコートの後、必要に応
じて塗膜を乾燥させる。このようにして形成される記録
層の厚さは、目的とする反射率などに応じて適宜設定さ
れるものであるが、通常、500〜3000A(50〜
300nm)である。
【0066】本発明の光記録媒体は追記型デジタルビデ
オディスク(DVD−R)や追記型コンパクトディスク
(CD−R)などであることが好ましく、その使用波長
に応じて色素を選択して用いることができる。
【0067】本発明の光記録媒体の好ましい態様の1例
である600〜680nm程度の短波長で記録・再生を行
う追記型デジタルビデオディスク(DVD−R)の構成
例を図1に示す。図1は部分断面図である。
【0068】図1で示されるように光記録ディスク10
は、DVD規格に対応した光記録ディスクであり、同様
な構造のディスク2枚の保護膜15および保護膜25同
士を貼り合わせて形成する。接着剤層50の厚さは、1
0〜200μm 程度である。この場合の基板(通常、ポ
リカーボネート樹脂)一枚当たりの厚さは0.6mmであ
り、グルーブ123を有する基板12上に記録層13、
反射層14、保護膜15を順次形成し、一方グルーブ2
23を有する基板22上に同様に記録層23、反射層2
4、保護膜25を形成し、上述のように貼り合わされて
得られるものである。貼り合わせの方法としては、ホッ
トメルト接着剤、遅効性UV接着剤、粘着シート等を利
用できる。
【0069】基板12または22は、ディスク状のもの
であり、基板2の裏面側からの記録および再生を可能と
するために、記録光および再生光(波長600〜680
nm程度に対し、実質的に透明(好ましくは透過率88%
以上)な樹脂あるいはガラスを用いて形成するのがよ
い。また、大きさは、直径64〜200mm程度、厚さ
0.6mm程度のものとする。
【0070】基板12または22の記録層13または2
3形成面には、図1に示すように、トラッキング用のグ
ルーブ123または223が形成される。グルーブ12
3または223は、スパイラル状の連続型グルーブであ
ることが好ましく、深さは0.05〜0.23μm (5
00〜2300A)、幅は0.20〜0.40μm 、グ
ルーブピッチは0.65〜0.85μm であることが好
ましい。グルーブをこのような構成とすることにより、
グルーブの反射レベルを下げることなく、良好なトラッ
キング信号を得ることができる。特にグルーブ幅を0.
20〜0.40μm に規制することは重要であり、グル
ーブ幅を0.20μm 未満とすると、十分な大きさのト
ラッキング信号が得られにくく、記録時のトラッキング
のわずかなオフセットによって,ジッターが大きくなり
やすい。またグルーブ幅が大きくなると波形ひずみが生
じやすくなる。
【0071】基板12または22は、材質的には、樹脂
を用いることが好ましく、ポリカーボネート樹脂、アク
リル樹脂、アモルファスポリオレフィン、TPX、ポリ
スチレン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂が好適である。そ
して、このような樹脂を用いて射出成形等の公知の方法
に従って製造することができる。グルーブ123または
223は、基板12または22の成形時に形成すること
が好ましい。なお、基板12または22製造後に2P法
等によりグルーブ123または223を有する樹脂層を
形成してもよい。また、場合によってはガラス基板を用
いてもよい。
【0072】図1に示されるように、基板12または2
2に設層される記録層13または23は、前記の色素含
有塗布液を用い、前記のように、好ましくはスピンコー
ト法により形成されたものである。スピンコートは通常
の条件に従い、内周から外周にかけて、回転数を500
〜5000rpmの間で調整するなどして行えばよい。
【0073】このようにして形成される記録層13また
は23の厚さは、50〜300nm(500〜3000
A)であり、記録光および再生光波長における複素屈折
率は実部n=2.0〜2.8、虚部k=0.4以下であ
る。
【0074】上記の範囲外の厚さでは反射率が低下し
て、良好な再生を行うことが難しくなる。
【0075】また、上記のようにn、kを規制すること
によって、良好な記録、再生が行える。kが0.4を超
えると、十分な反射率が得られない。nが2.0未満で
は信号の変調度が小さすぎる。nの上限には特に制限は
ないが、色素化合物の合成上の都合等から通常2.8程
度である。
【0076】なお、記録層のnおよびkは、所定の透明
基板上に記録層を例えば40〜100nm程度の厚さに実
際の条件にて設層して、測定用サンプルを作製し、次い
で、この測定用サンプルの基板を通しての反射率あるい
は記録層側からの反射率を測定することによって求め
る。この場合、反射率は、記録再生光波長(635nmま
たは650nm)を用いて鏡面反射(5°程度)にて測定
する。また、サンプルの透過率を測定する。そして、こ
れらの測定値から、例えば、共立全書「光学」石黒浩三
P168〜178に準じ、n、kを算出すればよい。
【0077】図1に示されるように、記録層13または
23上には、直接密着して反射層14または24が設層
される。反射層14または24としては、Au、Cu、
Al、Ag、AgCu、AgPdCu、AgSb等の高
反射率金属ないし合金を用いるのがよい。反射層14ま
たは24の厚さは50nm(500A)以上であることが
好ましく、蒸着、スパッタ等により設層すればよい。ま
た、厚さの上限に特に制限はないが、コスト、生産作業
時間等を考慮すると、120nm(1200A)程度以下
であることが好ましい。これにより、反射層14または
24単独での反射率は、90%以上となり、媒体の未記
録部の基板を通しての反射率は十分である。
【0078】図1に示されるように、反射層14または
24上には、保護膜15または25が設層される。保護
膜15または25は、例えば紫外線硬化樹脂等の各種樹
脂材質から、通常は、0.5〜100μm 程度の厚さに
設層すればよい。保護膜15または25は、層状であっ
てもシート状であってもよい。保護膜15または25
は、スピンコート、グラビア塗布、スプレーコート、デ
ィッピング等の通常の方法により形成すればよい。
【0079】このような構成の光記録ディスク1に記録
ないし追記を行うには、例えば635nmあるいは650
nmの記録光を、基板12または22を通してパルス状に
照射し、照射部の光反射率を変化させる。なお、記録光
を照射すると、記録層13または23が光を吸収して発
熱し、同時に基板12または22も加熱される。この結
果、基板12または22と記録層13または23との界
面近傍において、色素等の記録層材質の融解や分解が生
じ、記録層13と基板12、あるいは記録層23と基板
22との界面に圧力が加わり、グルーブの底面や側壁を
変形させることがある。
【0080】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を比較例ととも
に示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以
下の実施例により制限されるものではない。
【0081】実施例1 光記録層用色素として、色素I−1を用い、プリグルー
ブ(深さ0.12μm、幅0.30μm 、グルーブピッ
チ0.74μm )を有する直径120mm、厚さ0.6mm
のポリカーボネート樹脂基板上に、スピンコート法によ
り色素を含有する記録層を1000A(100nm)の厚
さに形成した。この場合の塗布液として、1.5wt% の
イソブタノール溶液を用いた。次に、この記録層にAu
反射層を850Aの厚さにスパッタ法により形成し、さ
らに紫外線硬化型のアクリル樹脂の透明な保護膜(膜厚
5μm )を形成した。同様にして形成したディスク2枚
の保護膜を内側にして接着剤で貼り付けてディスクを作
製した(図1参照)。これをサンプルNo.1とする。
【0082】また、サンプルNo.1において、記録層用
の色素として、色素I−1のかわりに、表2に示すよう
な色素、また各溶媒をそれぞれの濃度でそれぞれ用いる
ほかは同様にしてサンプルを作製した(表2)。
【0083】このようにして作製したサンプルに対し、
成膜状態、塗布後の基板状態を確認後レーザー光635
nmを使用して線速3.5m/sで信号を記録し、次にこの
ディスクを線速3.5m/sの650nmレーザー光で再生
し、特性を評価した。なお、レンズ孔径NA=0.60
であった。特性は、ジッター(Jitter)、80℃80%R
H100時間の信頼性試験について評価した。結果を表
2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】表2の結果より、本発明の溶媒は基板を侵
すことなく、また、色素をよく溶解させることから成膜
状態も良好であり、ジッターも良好であることからディ
スクとしても優れていることがわかる。また、信頼性試
験に関しても優れた結果を示し、加速試験に対しても耐
えうるディスクを形成できたことが分かる。
【0086】また、上記の塗布溶媒を1ヶ月保存した
後、上記と同様に塗布したところ全く同じ結果が得られ
た。この結果より、塗布液としての安定性が高いことが
分かる。
【0087】比較例1 実施例1と同様に色素および塗布溶媒を表3のように変
えたディスクを形成した。このようにして作製したサン
プルに対し、実施例1と同様に、成膜状態、塗布後の基
板状態を確認したが、満足するものはなかった。
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度にレーザー吸収
色素を溶解することができ、またその塗布溶媒の寿命も
長く、基板を侵すことなく、かつ成膜性がよく、しかも
安価で環境に悪影響を及ぼすことない塗布溶媒を用い
て、特性の優れた保存性のよいディスク形成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録ディスクの一例を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
10 光記録ディスク 12、22 基板 123、223 グルーブ 13、23 記録層 14、24 反射層 15、25 保護膜 50 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新海 正博 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 2H111 FA37 FB42 FB43 GA05 GA07 5D029 JA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に色素を含有する記録層を有し、
    光を照射することによってピットを形成して記録を行う
    光記録媒体において、 前記記録層を、異なる2種の多座配位子が配位した金属
    錯体色素を含有し、かつ融点−10℃以下で、沸点80
    〜180℃の非ハロゲン系アルコールを溶媒に用いた塗
    布液で塗布形成したことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 非ハロゲン系アルコールが、総炭素数3
    〜6の脂肪族飽和アルコールである請求項1に記載の光
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録層が、下記式(1)で表される
    金属錯体色素を含有する請求項1または2の光記録媒
    体。 【化1】 [式(1)中、Mは金属原子を表し、A1、A2、B1
    よびB2は、それぞれ独立に金属に配位可能な置換基を
    有する芳香環基、または金属に配位可能な窒素原子を環
    中に有する含窒素複素芳香環基を表し、A1、A2、B1
    およびB2は、それぞれ置換基または窒素原子でMに配
    位する。ただし、A1とA2とが異なること、およびB1
    とB2とが異なることのうちの少なくとも一方の条件を
    満足する。Yは対イオンを表し、xは電荷の均衡を保つ
    ための数である。]
  4. 【請求項4】 式(1)中のYが、+1価のシアニン色
    素の対カチオンである請求項3の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記記録層が、下記式(2)で表される
    金属錯体色素を含有する請求項1〜3のいずれかの光記
    録媒体。 【化2】 [式(2)中、Mは金属原子を表し、A11、A21、B11
    およびB21は、それぞれ独立に金属に配位可能な0を置
    換基中に有する芳香環基を表し、A11、A21、B 11およ
    びB21はOでMに配位する。ただし、A11とA21とが異
    なること、およびB11とB21とが異なることのうちの少
    なくとも一方の条件を満足する。Y1 m+は+m価の対カ
    チオンを表し、mおよびnはそれぞれ1または2であ
    る。]
  6. 【請求項6】 式(2)中のY1 m+が、+1価のシアニ
    ン色素の対カチオンである請求項5の光記録媒体。
JP11157789A 1999-06-04 1999-06-04 光記録媒体 Pending JP2000343821A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11157789A JP2000343821A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11157789A JP2000343821A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000343821A true JP2000343821A (ja) 2000-12-12

Family

ID=15657337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11157789A Pending JP2000343821A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000343821A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002050210A1 (fr) * 2000-12-19 2002-06-27 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Agent absorbeur de lumiere
JP2002212454A (ja) * 2000-02-10 2002-07-31 Hayashibara Biochem Lab Inc シアニン色素
US7223521B2 (en) * 2003-02-12 2007-05-29 Ricoh Company, Ltd. Squarylium-metal chelate compounds and optical recording media
JP4666869B2 (ja) * 2000-02-23 2011-04-06 株式会社林原生物化学研究所 シアニン色素
WO2012073899A1 (ja) * 2010-12-02 2012-06-07 富士フイルム株式会社 硬化物製造用キット及び硬化物製造用組成物、並びにその使用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212454A (ja) * 2000-02-10 2002-07-31 Hayashibara Biochem Lab Inc シアニン色素
JP4666869B2 (ja) * 2000-02-23 2011-04-06 株式会社林原生物化学研究所 シアニン色素
WO2002050210A1 (fr) * 2000-12-19 2002-06-27 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Agent absorbeur de lumiere
US7223521B2 (en) * 2003-02-12 2007-05-29 Ricoh Company, Ltd. Squarylium-metal chelate compounds and optical recording media
WO2012073899A1 (ja) * 2010-12-02 2012-06-07 富士フイルム株式会社 硬化物製造用キット及び硬化物製造用組成物、並びにその使用
JP2012131985A (ja) * 2010-12-02 2012-07-12 Fujifilm Corp 硬化物製造用キット及び硬化物製造用組成物、並びにその使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1991018950A1 (fr) Composition colorante et support d'enregistrement optique
JP2000108513A (ja) 光記録媒体
JP3441410B2 (ja) 光記録媒体
TWI302703B (en) Optical recording media and information recording method
JP2000343821A (ja) 光記録媒体
JP2002036726A (ja) 光記録媒体および該媒体の記録再生方法
JP2000118145A (ja) 光記録媒体
JP2000222771A (ja) 光記録媒体
JP2004524199A (ja) 情報層中に吸光性化合物としてヘミシアニン色素を含有する光学データ記録媒体
WO2006120205A2 (en) Anionic phthalocyanine based dyes for use as bca dye in an optical recording layer for blue laser recording
JP2000222772A (ja) 光記録媒体
JP2005205874A (ja) 光記録材料及び光記録媒体
JP2006297923A (ja) 光情報記録媒体
JP3724530B2 (ja) 光記録媒体
JPH1158977A (ja) 光記録媒体
JP2007090576A (ja) 光記録材料及び光記録媒体
JP3187408B2 (ja) 情報記録媒体
JP5222836B2 (ja) 光記録媒体
JP3984770B2 (ja) 光記録媒体
JP2000318313A (ja) 光記録媒体
JP3578719B2 (ja) 情報記録媒体
JP5037155B2 (ja) 光情報記録媒体およびその製造方法
JP2000263938A (ja) 光記録媒体
JP2006150856A (ja) 光記録材料及び光記録媒体
JP2000263939A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060711

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061121