JP2000332005A - プラズマ窒化処理装置、絶縁膜の形成方法及びp形半導体素子の製造方法 - Google Patents

プラズマ窒化処理装置、絶縁膜の形成方法及びp形半導体素子の製造方法

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JP2000332005A
JP2000332005A JP11144705A JP14470599A JP2000332005A JP 2000332005 A JP2000332005 A JP 2000332005A JP 11144705 A JP11144705 A JP 11144705A JP 14470599 A JP14470599 A JP 14470599A JP 2000332005 A JP2000332005 A JP 2000332005A
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electrode
nitrogen
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oxide film
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Toyotaka Kataoka
豊隆 片岡
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマ密度の制御と半導体基板への反応種の
進入エネルギーの制御を独立して行うことを可能とし、
絶縁膜の表面にのみ出来るだけ高濃度の窒素を導入する
ことを可能とするプラズマ窒化処置装置を提供する。 【解決手段】酸化膜の表面を窒化するためのプラズマ窒
化処置装置は、(A)窒素系ガスに電磁波を照射するこ
とによって、励起状態の窒素分子若しくは窒素分子イオ
ンを生成させるプラズマ生成領域10A、及び、(B)
プラズマ窒化処理領域10Bを有する処理室10を備
え、プラズマ窒化処理領域10Bには、プラズマ生成領
域10A側から、プラズマ生成領域10Aと等電位若し
くはプラズマ生成領域10Aよりも負の電位が印加され
る第1電極20、及び、第1電極20よりも正の電位が
印加される第2電極21が配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ窒化処理
装置、かかるプラズマ窒化処理装置を用いた絶縁膜の形
成方法及びp形半導体素子の製造方法、更に詳しくは、
表面が窒化された絶縁膜の形成方法及びかかる絶縁膜の
形成方法をゲート絶縁膜の形成に適用したp形半導体素
子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、シリコン半導体基板を基にした
MOS型半導体装置の製造においては、シリコン酸化膜
から成るゲート酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形
成する必要がある。また、薄膜トランジスタ(TFT)
の製造においても、絶縁性基板の上に設けられたシリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜から成るゲート酸化膜を形
成する必要がある。このようなシリコン酸化膜は、半導
体装置の信頼性を担っているといっても過言ではない。
従って、シリコン酸化膜には、常に、高い絶縁破壊耐圧
及び長期信頼性が要求される。
【0003】半導体装置の高集積化に伴い、MOS型半
導体装置のゲート酸化膜も薄膜化されつつあり、ゲート
長0.1μm世代の半導体装置におけるゲート酸化膜の
厚さは2nm程度になると予想されている。シリコン酸
化膜の形成方法は、大きくは、乾燥酸素を酸化種として
用いる乾燥酸化法と、水蒸気を酸化種として用いる加湿
酸化法の2つに分類される。乾燥酸化法は、加熱された
シリコン半導体基板に十分乾燥した酸素を供給すること
によってシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を
形成する方法である。また、加湿酸化法は、水蒸気を含
む高温のキャリアガスをシリコン半導体基板に供給する
ことによってシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化
膜を形成する方法である。一般には、加湿酸化法によっ
て形成されたシリコン酸化膜の方が、乾燥酸化法によっ
て形成されたシリコン酸化膜よりも、信頼性に優れてい
る。
【0004】加湿酸化法の一種にパイロジェニック酸化
法がある。この方法は、加湿酸化法の再現性を高め且つ
水量の管理を不要とするために、純粋な水素ガスを燃焼
させて水蒸気を生成する方法である。このパイロジェニ
ック法は、最も安定して水蒸気を生成することができる
ので、均一なシリコン酸化膜を形成することができる。
また、水蒸気を生成させるための原料として気体を用い
るので、不純物の制御も行い易いといった利点がある。
【0005】近年、CMOSトランジスタにおいては、
低消費電力化のために低電圧化が図られており、そのた
めに、PMOS半導体素子とNMOS半導体素子に対し
て、十分に低く、しかも対称な閾値電圧が要求される。
このような要求に対処するために、PMOS半導体素子
においては、これまでのn形不純物を含むポリシリコン
層から構成されたゲート電極に替わり、p形不純物を含
むポリシリコン層から構成されたゲート電極が用いられ
るようになっている。尚、このような構造のCMOSF
ETは、デュアルゲート構造を有するCMOSFETと
呼ばれている。ところが、通常用いられるp形不純物で
あるボロン原子(B)は、ゲート電極形成後の半導体装
置製造工程における各種の熱処理によってゲート電極か
らゲート酸化膜を通過し、シリコン半導体基板にまで容
易に到達し、PMOS半導体素子の閾値電圧を変動させ
る。このような現象は、低電圧化のためにゲート酸化膜
を一層薄くした場合、一層顕著に現れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のボロン原子のシ
リコン半導体基板への拡散に起因したPMOS半導体素
子の閾値電圧の変動を抑制するために、窒素原子をゲー
ト酸化膜中に導入する方法が試みられており、ボロン原
子拡散抑制の効果も確認されている。窒素原子をゲート
酸化膜中に導入する方法として、例えば、窒素ガス雰囲
気で放電を行うことによって窒素プラズマを発生させ
る、所謂プラズマ窒化法が、文献 "Ultrathin nitrogen
-profile engineered gate dielectric filmes", S.V.
Hattangady,et al., 1996, IEDM から知られている。こ
の文献に記載されたプラズマ窒化法においては、ゲート
酸化膜の表面のみが窒化されるため、熱窒化法によるゲ
ート酸化膜中への窒素原子の導入のように、シリコン半
導体基板に窒素が侵入することによる電流駆動能力の低
下等の半導体素子特性への悪影響がない。
【0007】しかしながら、この文献に記載されたプラ
ズマ窒化法においては、プラズマ密度の制御と半導体基
板への反応種の進入エネルギーの制御を独立して行うこ
とができない。それ故、絶縁膜中の窒素濃度の制御と窒
素濃度プロファイルの制御を同時に行うことができず、
絶縁膜の表面にのみ出来るだけ高濃度の窒素を導入する
ことは困難である。
【0008】従って、本発明の目的は、プラズマ密度の
制御と基板表面の半導体層への反応種の進入エネルギー
の制御を独立して行うことを可能とし、半導体層の表面
に出来るだけ高濃度の窒素を導入することを可能とする
プラズマ窒化処理装置、かかるプラズマ窒化処理装置を
用いた絶縁膜の形成方法及びp形半導体素子の製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のプラズマ窒化処理装置は、(A)窒素系ガ
スに電磁波を照射することによって、励起状態の窒素分
子、窒素分子イオン、窒素原子若しくは窒素原子イオン
を生成させるプラズマ生成領域、及び、(B)プラズマ
窒化処理領域、を有する処理室を備え、酸化膜の表面を
窒化するためのプラズマ窒化処理装置であって、プラズ
マ窒化処理領域には、プラズマ生成領域側から、プラズ
マ生成領域と等電位若しくはプラズマ生成領域よりも負
の電位が印加される第1電極、及び、第1電極よりも正
の電位が印加される第2電極、が配設されていることを
特徴とする。
【0010】上記の目的を達成するための本発明の絶縁
膜の形成方法は、(A)窒素系ガスに電磁波を照射する
ことによって、励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、
窒素原子若しくは窒素原子イオンを生成させるプラズマ
生成領域、及び、(B)プラズマ窒化処理領域、を有す
る処理室を備え、プラズマ窒化処理領域には、プラズマ
生成領域側から、プラズマ生成領域と等電位若しくはプ
ラズマ生成領域よりも負の電位が印加される第1電極、
及び、第1電極よりも正の電位が印加される第2電極、
が配設されているプラズマ窒化処理装置を用い、(イ)
基板表面の半導体層を酸化することによって酸化膜を形
成する工程と、(ロ)プラズマ窒化処理装置のプラズマ
窒化処理領域に基板を配置し、プラズマ生成領域にて生
成した励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子
若しくは窒素原子イオンを用いて、該酸化膜の表面に窒
化処理を施す工程、から成ることを特徴とする。
【0011】上記の目的を達成するための本発明のp形
半導体素子の製造方法は、(a)半導体層の表面にゲー
ト絶縁膜を形成する工程と、(b)該ゲート絶縁膜上に
p形不純物を含むシリコン層から成るゲート電極を形成
する工程、を含むp形半導体素子の製造方法であって、
工程(a)は、(イ)基板表面の半導体層を酸化するこ
とによって酸化膜を形成する工程と、(ロ)(A)窒素
系ガスに電磁波を照射することによって、励起状態の窒
素分子、窒素分子イオン、窒素原子若しくは窒素原子イ
オンを生成させるプラズマ生成領域、及び、(B)プラ
ズマ窒化処理領域、を有する処理室を備え、プラズマ窒
化処理領域には、プラズマ生成領域側から、プラズマ生
成領域と等電位若しくはプラズマ生成領域よりも負の電
位が印加される第1電極、及び、第1電極よりも正の電
位が印加される第2電極、が配設されているプラズマ窒
化処理装置を用い、プラズマ窒化処理装置のプラズマ窒
化処理領域に基板を配置し、プラズマ生成領域にて生成
した励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子若
しくは窒素原子イオンを用いて、該酸化膜の表面に窒化
処理を施す工程、から成ることを特徴とする。
【0012】本発明のプラズマ窒化処理装置、絶縁膜の
形成方法、若しくはp形半導体素子の製造方法(以下、
これらを総称して本発明と呼ぶ場合がある)において
は、第1電極に、プラズマ生成領域よりも負の電位を印
加することによって、プラズマ生成領域からプラズマ
(具体的には、窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子若
しくは窒素原子イオン)をプラズマ窒化処理領域に引き
出し、第2電極に、第1電極よりも正の電位を印加する
ことによって、プラズマ生成領域から引き出されたプラ
ズマ(具体的には、窒素分子、窒素分子イオン、窒素原
子若しくは窒素原子イオン)を減速させることが好まし
い。第1電極及び第2電極をどの程度の電位とするか
は、プラズマ窒化処理装置、プラズマ生成条件等に依存
するので、各種の条件にて絶縁膜の形成を行い、得られ
た絶縁膜中の窒素濃度や窒素濃度プロファイルに基づ
き、第1電極及び第2電極に印加すべき電位を決定すれ
ばよい。電磁波としては、1GHz乃至100GHzの
マイクロ波、例えば、周波数2.45GHzのマイクロ
波を用いることができる。
【0013】本発明の絶縁膜の形成方法、若しくはp形
半導体素子の製造方法においては、前記工程(イ)にお
ける基板表面の半導体層を酸化するための酸化種とし
て、乾燥酸素ガス、水蒸気を挙げることができる。水蒸
気を生成させる方法として、酸素ガスと水素ガスとを燃
焼させる方法(パイロジェニック法)、純水を加熱する
方法、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバブ
リングする方法、触媒(例えば、NiO等のNi系触
媒、PtやPtO2等のPt系触媒、PdやPdO等の
Pd系触媒、Ir系触媒、RuやRuO2等のRu系触
媒、AgやAg2O等のAg系触媒、Au系触媒、Cu
O等のCu系触媒、MnO2等のMn系触媒、Co34
等のCo系触媒)を用いた触媒作用に基づき水素ガスと
酸化性ガスとを反応させる方法とすることもできるが、
水素ガス及び酸素ガスに1GHz乃至100GHzの電
磁波(例えば周波数2.45GHzのマイクロ波)を照
射する方法(以下、便宜上、プラズマ酸化法と呼ぶ)、
即ち、基板をプラズマ窒化処理装置のプラズマ窒化処理
領域に搬入した後、水素ガス及び酸素ガスに電磁波を照
射することによって水蒸気をプラズマ生成領域にて生成
させ、該水蒸気を用いて基板表面の半導体層を酸化する
方法とすることが望ましい。このようなプラズマ酸化法
を採用すれば、1つの装置にて、基板表面の半導体層に
酸化膜を形成し、且つ、酸化膜の表面を窒化することが
可能となり、装置構成の簡素化を図ることができ、しか
も、絶縁膜やゲート絶縁膜の形成時間の短縮化の面から
好ましい。プラズマ酸化法を採用する場合、水素ガス及
び酸素ガスに基づき生成した水蒸気を、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンといった
不活性ガスにて希釈した状態で、あるいは又、これらの
不活性ガスをキャリアガスとして用いて、半導体層の表
面に酸化膜を形成してもよい。尚、これらの水蒸気の生
成方法を併用した方法によって酸化膜を形成することも
できる。これらの水蒸気の生成方法に基づき半導体層表
面に酸化膜を形成する方法を、総称して加湿酸化法と呼
ぶ場合がある。
【0014】本発明のp形半導体素子の製造方法におけ
る工程(b)においては、p形不純物を含むシリコン層
(例えばポリシリコン層やアモルファスシリコン層)か
ら成るゲート電極の形成方法として、例えば、p形不純
物(例えば、ボロン)を含むシリコン層をCVD法に基
づき製膜した後にかかるシリコン層をパターニングする
方法、不純物を含まないシリコン層をCVD法にて形成
した後にp形不純物(例えばボロンやBF2)をイオン
注入法にてシリコン層に注入し、次いでシリコン層をパ
ターニングする方法、不純物を含まないシリコン層をC
VD法にて形成した後にパターニングを行い、次いで、
p形不純物(例えばボロンやBF2)をイオン注入法に
てシリコン層に注入する方法を挙げることができる。
尚、工程(b)において、p形不純物を含むシリコン層
を形成した後、このシリコン層上にシリサイド層を形成
し、次いで、シリサイド層及びシリコン層をパターニン
グすることによって、ポリサイド構造を有するゲート電
極を形成してもよいし、p形不純物を含むシリコン層を
形成した後、このシリコン層上にタングステン等の高融
点金属層を形成し、次いで、高融点金属層及びシリコン
層をパターニングすることによって、ポリメタル構造を
有するゲート電極を形成してもよい。
【0015】本発明において、電磁波を照射すべき窒素
系ガスとして、窒素ガス(N2ガス)の他、NO、N
2O、NO2等、窒素原子と酸素原子の化合物であるガス
を例示することができる。即ち、窒素系ガスを、N2
NO、N2O及びNO2から成る群から選択された少なく
とも一種類のガスとすることができる。窒素系ガスは、
これらのガスを少なくとも2種類、混合したガスであっ
てもよい。
【0016】本発明の方法においては、工程(ロ)にお
いて酸化膜の表面に窒化処理を施した後、得られた絶縁
膜に熱処理を施すことが、絶縁膜に生じたダメージの緩
和を図る上で好ましい。熱処理は、窒素ガス等の不活性
ガス雰囲気で行うことが望ましく、熱処理温度として8
00゜C乃至1200゜C、熱処理時間として10秒乃
至1時間を例示することができる。
【0017】シリコン半導体基板を基にしてMOS型半
導体装置を製造する場合、従来、ゲート絶縁膜を形成す
る前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHCl
/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシリ
コン半導体基板の表面を洗浄し、その表面から微粒子や
金属不純物を除去する。ところで、RCA洗浄を行う
と、シリコン半導体基板の表面は洗浄液と反応し、厚さ
0.5〜1nm程度のシリコン酸化膜が形成される。か
かるシリコン酸化膜の膜厚は不均一であり、しかも、こ
のシリコン酸化膜中には洗浄液成分が残留する。そこ
で、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板を浸漬し
て、かかるシリコン酸化膜を除去し、更に純水で薬液成
分を除去する。これによって、大部分が水素で終端さ
れ、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の
表面を得ることができる。尚、このような工程によっ
て、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端さ
れたシリコン半導体基板の表面を得ることを、本明細書
では、シリコン半導体基板の表面を露出させると表現す
る。その後、かかるシリコン半導体基板の表面に絶縁膜
を形成する。
【0018】ところで、加湿酸化法に基づきシリコン酸
化膜を形成する前の雰囲気を高温の窒素ガス雰囲気とす
ると、シリコン半導体基板の表面に荒れ(凹凸)が生じ
る場合がある。このような現象は、フッ化水素酸水溶液
及び純水での洗浄によってシリコン半導体基板の表面に
形成されたSi−H結合の一部あるいは又Si−F結合
の一部が、水素やフッ素の昇温脱離によって失われ、シ
リコン半導体基板の表面にエッチング現象が生じること
に起因すると考えられている。例えば、アルゴンガス中
でシリコン半導体基板を600゜C以上に昇温するとシ
リコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生じることが、
培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULSI技
術」、第21頁に記載されている。
【0019】工程(イ)において、半導体層の表面から
半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度に半導体
層を保持した状態にて、半導体層の表面に酸化膜の形成
を開始することで、このような半導体層の表面に荒れ
(凹凸)が発生するといった現象の発生を回避すること
が可能である。尚、半導体層の表面から半導体層を主に
構成する原子が脱離しない温度は、半導体層表面を終端
している原子と半導体層を主に構成する原子との結合が
切断されない温度であることが望ましい。半導体層を主
に構成する原子がSiである場合、即ち、半導体層がシ
リコン半導体基板、単結晶シリコン層、ポリシリコン層
あるいはアモルファスシリコン層から構成されている場
合、半導体層の表面から半導体層を主に構成する原子が
脱離しない温度を、半導体層表面のSi−H結合が切断
されない温度、あるいは又、半導体層表面のSi−F結
合が切断されない温度とすることが望ましい。面方位が
(100)のシリコン半導体基板を半導体層として用い
る場合、シリコン半導体基板の表面における水素原子の
大半がシリコン原子の2本の結合手のそれぞれに1つず
つ結合しており、H−Si−Hの終端構造を有する。然
るに、シリコン半導体基板の表面状態が崩れた部分(例
えばステップ形成箇所)には、シリコン原子の1本の結
合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、あるい
は、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水素原子
が結合した状態の終端構造が存在する。尚、通常、シリ
コン原子の残りの結合手は結晶内部のシリコン原子と結
合している。本明細書における「Si−H結合」という
表現には、シリコン原子の2本の結合手のそれぞれに水
素原子が結合した状態の終端構造、シリコン原子の1本
の結合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、あ
るいは、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水素
原子が結合した状態の終端構造の全てが包含される。半
導体層の表面に酸化膜の形成を開始するときの温度は、
より具体的には、水蒸気が半導体層上で結露しない温度
以上、好ましくは200゜C以上、より好ましくは30
0゜C以上とすることが、スループットの面から望まし
い。
【0020】尚、工程(イ)において、酸化膜の形成が
完了したときの半導体層の温度を、酸化膜の形成を開始
する際の半導体層の温度よりも高くしてもよい。この場
合、酸化膜の形成が完了したときの半導体層の温度は、
600乃至1200゜C、好ましくは700乃至100
0゜C、更に好ましくは750乃至900゜Cであるこ
とが望ましいが、このような値に限定するものではな
い。尚、階段状(ステップ状)に昇温してもよく、ある
いは又、連続的に昇温してもよい。
【0021】昇温を階段状にて行う場合、半導体層の表
面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度に
て半導体層の表面に酸化膜の形成を開始した後、所定の
期間、半導体層の表面から半導体層を主に構成する原子
が脱離しない温度範囲に半導体層を保持して酸化膜を形
成する第1の酸化膜形成工程と、半導体層の表面から半
導体層を主に構成する原子が脱離しない温度範囲よりも
高い温度にて、所望の厚さになるまで酸化膜を更に形成
する第2の酸化膜形成工程を含むことが好ましい。第2
の酸化膜形成工程における酸化膜の形成温度は、600
乃至1200゜C、好ましくは700乃至1000゜
C、更に好ましくは750乃至900゜Cであることが
望ましい。尚、第1の酸化膜形成工程における半導体層
の保持温度範囲の上限としては、500゜C、好ましく
は450゜C、より好ましくは400゜Cを挙げること
ができる。第2の酸化膜形成工程を経た後の最終的な酸
化膜の膜厚は、半導体素子に要求される所定の厚さとす
ればよい。一方、第1の酸化膜形成工程を経た後の酸化
膜の膜厚は、出来る限り薄いことが好ましい。但し、現
在、半導体装置の製造に用いられているシリコン半導体
基板の面方位は殆どの場合(100)であり、如何にシ
リコン半導体基板の表面を平滑化しても(100)シリ
コンの表面には必ずステップと呼ばれる段差が形成され
る。このステップは通常シリコン原子1層分であるが、
場合によっては2〜3層分の段差が形成されることがあ
る。従って、第1の酸化膜形成工程を経た後の酸化膜の
膜厚は、半導体層として(100)シリコン半導体基板
を用いる場合、1nm以上とすることが好ましいが、こ
れに限定するものではない。
【0022】第1の酸化膜形成工程と第2の酸化膜形成
工程との間に昇温工程を含んでもよい。この場合、昇温
工程における雰囲気を、不活性ガス雰囲気若しくは減圧
雰囲気とするか、あるいは又、水蒸気を含む酸化雰囲気
とすることが望ましい。ここで、不活性ガスとして、窒
素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示することが
できる。尚、昇温工程における雰囲気中の不活性ガス若
しくは水蒸気を含むガスには、ハロゲン元素が含有され
ていてもよい。これによって、第1の酸化膜形成工程に
て形成された酸化膜の特性の一層の向上を図ることがで
きる。即ち、半導体層を主に構成する原子がSiの場
合、第1の酸化膜形成工程において生じ得る欠陥である
シリコンダングリングボンド(Si・)やSiOHが昇
温工程においてハロゲン元素と反応し、シリコンダング
リングボンドが終端しあるいは脱水反応を生じる結果、
信頼性劣化因子であるこれらの欠陥が排除される。特
に、これらの欠陥の排除は、第1の酸化膜形成工程にお
いて形成された初期の酸化膜に対して効果的である。ハ
ロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることが
できるが、なかでも塩素であることが望ましい。不活性
ガス若しくは水蒸気を含むガス中に含有されるハロゲン
元素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、C
Cl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げるこ
とができる。不活性ガス若しくは水蒸気を含むガス中の
ハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準
として、0.001〜10容量%、好ましくは0.00
5〜10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%
である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス
若しくは水蒸気を含むガス中の塩化水素ガス含有率は
0.02〜10容量%であることが望ましい。尚、昇温
工程における雰囲気を、不活性ガスで希釈された水蒸気
を含む雰囲気とすることもできる。
【0023】本発明の方法においては、酸化膜の形成中
の水蒸気を含む酸化性雰囲気にハロゲン元素を含有させ
てもよい。これによって、タイムゼロ絶縁破壊(TZD
B)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に優れた酸
化膜を得ることができる。尚、ハロゲン元素として、塩
素、臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩
素であることが望ましい。水蒸気を含むガス中に含有さ
れるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素
(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、N
3を挙げることができる。水蒸気を含むガス中のハロ
ゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準とし
て、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜
10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%であ
る。例えば塩化水素ガスを用いる場合、水蒸気を含むガ
ス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であ
ることが望ましい。
【0024】形成された酸化膜の特性を一層向上させる
ために、本発明の方法においては、工程(イ)と工程
(ロ)の間で、形成された酸化膜に加熱処理を施しても
よい。
【0025】この場合、加熱処理の雰囲気を、ハロゲン
元素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望まし
い。ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中で酸化
膜を加熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に
優れた酸化膜を得ることができる。加熱処理における不
活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウム
ガスを例示することができる。また、ハロゲン元素とし
て、塩素、臭素、フッ素を挙げることができるが、なか
でも塩素であることが望ましい。不活性ガス中に含有さ
れるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素
(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、N
3を挙げることができる。不活性ガス中のハロゲン元
素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、
0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜10
容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。
例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の塩化
水素ガス含有率は0.02〜10容量%であることが望
ましい。
【0026】尚、同一処理室内で加熱処理を行うことが
好ましい。加熱処理の温度は、700〜1200゜C、
好ましくは700〜1000゜C、更に好ましくは70
0〜950゜Cである。また、加熱処理の時間は、枚葉
処理にて行う場合、1〜10分とすることが好ましく、
バッチ式にて行う場合、5〜60分、好ましくは10〜
40分、更に好ましくは20〜30分とすることが望ま
しい。
【0027】加熱処理を行う場合、形成された酸化膜に
加熱処理を施す際の雰囲気温度を、酸化膜の形成が完了
したときの温度よりも高くすることが望ましい。この場
合、酸化膜の形成が完了した後、処理室内の雰囲気を不
活性ガス雰囲気に切り替えた後、加熱処理を施すための
雰囲気温度まで昇温してもよいし、雰囲気をハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気に切り替えた後、加熱処
理を施すための雰囲気温度まで昇温してもよい。ここ
で、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘ
リウムガスを例示することができる。ハロゲン元素とし
て、塩素、臭素、フッ素を挙げることができるが、なか
でも塩素であることが望ましい。また、不活性ガス中に
含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化
水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HB
r、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロ
ゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準とし
て、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜
10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%であ
る。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の
塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であること
が望ましい。
【0028】通常、シリコン半導体基板の表面にシリコ
ン酸化膜を形成する前に、NH4OH/H22水溶液で
洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄するというRC
A洗浄によりシリコン半導体基板の表面を洗浄し、その
表面から微粒子や金属不純物を除去した後、フッ化水素
酸水溶液及び純水によるシリコン半導体基板の洗浄を行
う。ところが、その後、シリコン半導体基板が大気に曝
されると、シリコン半導体基板の表面が汚染され、水分
や有機物がシリコン半導体基板の表面に付着し、あるい
は又、シリコン半導体基板表面のSi原子が水酸基(O
H)と結合する虞がある(例えば、文献 "Highly-relia
ble Gate Oxide Formation for Giga-Scale LSIs by us
ing Closed Wet Cleaning System and Wet Oxidation w
ith Ultra-Dry Unloading", J. Yugami, et al., Inter
national Electron Device Meeting Technical Digest
95, pp 855-858 参照)。このような場合、そのままの
状態で酸化膜の形成を開始すると、形成されたシリコン
酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、例えばSi−O
Hが取り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下
あるいは欠陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部
分とは、シリコンダングリングボンド(Si・)やSi
−H結合といった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部
分、あるいは又、Si−O−Si結合が応力によって圧
縮され若しくはSi−O−Si結合の角度が厚い若しく
はバルクのシリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角
度と異なるといったSi−O−Si結合が含まれたシリ
コン酸化膜の部分を意味する。それ故、このような問題
の発生を回避するために、本発明の方法においては、酸
化膜の形成の前に半導体層表面を洗浄する工程を含み、
表面洗浄後の半導体層を大気に曝すことなく(即ち、例
えば、半導体層表面の洗浄から酸化膜形成工程の開始ま
での雰囲気を不活性ガス雰囲気若しくは真空雰囲気と
し)、酸化膜の形成を実行することが好ましい。これに
よって、例えば半導体層としてシリコン半導体基板を用
いる場合、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で
終端された表面を有するシリコン半導体基板の表面に酸
化膜を形成することができ、形成された酸化膜の特性低
下あるいは欠陥部分の発生を防止することができる。
【0029】酸化膜の形成においてプラズマ酸化法を採
用する場合、例えば、処理室内に水素ガス及び酸素ガス
を導入するが、この際、水素ガスが処理室内に流入し、
系外に流出することによって爆鳴気反応が生じることを
防止するために、処理室内に水素ガスを導入する前に酸
素ガスを導入することが望ましい。然るに、酸素ガスの
処理室内への導入によって半導体層に酸化膜が形成され
る虞がある。このような酸化膜はドライ酸化膜であり、
加湿酸化法によって形成される酸化膜よりも特性が劣っ
ている。このようなドライ酸化膜の形成を確実に防止す
るためには、例えば、酸化膜の形成開始前に、処理室内
に窒素ガス等の不活性ガスで希釈した水素ガスを先ず導
入し、次いで、処理室内に酸素ガスを導入すればよい。
但し、この場合には、爆鳴気反応の発生を確実に防止す
るために、水素ガスの濃度を、水素ガスが酸素ガスと反
応して燃焼しないような濃度、具体的には、空気中での
爆轟範囲以下(空気との容量%で表した場合、18.3
容量%以下)、好ましくは空気中での燃焼範囲以下(空
気との容量%で表した場合、4.0容量%以下)、ある
いは又、酸素中での爆轟範囲以下(酸素との容量%で表
した場合、15.0容量%以下)、好ましくは酸素中で
の燃焼範囲以下(酸素との容量%で表した場合、4.5
容量%以下)となるような濃度とすることが望ましい。
【0030】半導体層としては、シリコン単結晶ウエハ
といったシリコン半導体基板だけでなく、半導体基板上
にエピタキシャルシリコン層、ポリシリコン層、あるい
はアモルファスシリコン層、更には、シリコン半導体基
板やこれらの層に半導体素子が形成されたもの等、絶縁
膜を形成すべき下地を意味する。半導体層としてシリコ
ン半導体基板を用いる場合、基板はシリコン半導体基板
それ自体である。半導体層に絶縁膜を形成するとは、半
導体基板等の上若しくは上方に形成された半導体層に絶
縁膜を形成する場合だけでなく、半導体基板の表面に絶
縁膜を形成する場合を含む。尚、シリコン単結晶ウエハ
は、CZ法、MCZ法、DLCZ法、FZ法等、如何な
る方法で作製されたウエハであってもよく、また、予め
水素アニールが加えられたものでもよい。また、半導体
層はSi−Geから構成されていてもよい。
【0031】本発明の絶縁膜の形成方法は、例えばMO
S型トランジスタのゲート絶縁膜、層間絶縁膜や素子分
離領域の形成、トップゲート型若しくはボトムゲート型
薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の形成、フラッシュメ
モリのトンネル絶縁膜の形成等、各種半導体装置におけ
る絶縁膜の形成に適用することができる。
【0032】窒素系ガスとして窒素(N2)ガスを用い
る場合、窒素(N2)は、マイクロ波によるプラズマ中
で、例えば、以下の式のように励起される。即ち、プラ
ズマ中に存在する電子が励起され、これと窒素分子との
非弾性衝突により励起された窒素分子及び窒素分子イオ
ンが生成される。これらの励起された窒素分子及び窒素
分子イオンが酸化膜の表面の半導体層を主に構成する原
子と酸素原子との結合(例えば、半導体層を主に構成す
る原子がSiの場合、Si−O結合)を切断して、窒化
酸化物(例えば、Si−O−N結合)が形成され、酸化
膜の表面が窒化される。酸化膜の表面の組成は、半導体
層を主に構成する原子がSiの場合、SiOXYで表さ
れる。
【0033】 N2(X1Σg)+ e → N2(A3Σu+)+ e 式(1−1) N2(N1Σg)+ e → N2(C3Πu) + e 式(1−2) N2(C3Πu)+ e → N2(B3Πg) + hν 式(1−3) N2(B3Πg)+ e → N2(A3Σu+)+ hν 式(1−4)
【0034】また、プラズマ酸化法を採用する場合、マ
イクロ波放電によって生成した酸素プラズマにおいて
は、基底状態O2(X3Σg-)は電子の衝突によって励
起状態O2(A3Σu+)又はO2(B3Σu-)に励起さ
れ、それぞれ、以下の式のように酸素原子に解離する。
【0035】 O2(X3Σg-)+ e → O2(A3Σu+)+ e 式(2−1) O2(A3Σu+)+ e → O(3P)+O(3P)+ e 式(2−2) O2(X3Σg-)+ e → O2(B3Σu-)+ e 式(2−3) O2(B3Σu-)+ e → O(3P)+O(1D)+ e 式(2−4)
【0036】従って、酸素プラズマ中には励起酸素分子
と酸素原子が存在し、これらが反応種となる。ここに水
素H2を導入すると、以下のようなプラズマが生成す
る。
【0037】H2 + e → 2H 式(3)
【0038】そして、酸素プラズマの内、例えば式(2
−2)で生成した酸素プラズマと式(3)で生成した水
素プラズマが反応して、水蒸気が生成する。そして、加
熱された半導体層の表面は、かかる水蒸気によって酸化
され、半導体層の表面に酸化膜が形成される。
【0039】 2H + O(3P) → H2O 式(4)
【0040】本発明のプラズマ窒化処理装置において
は、第1電極が備えられているので、プラズマ生成領域
からプラズマを効率良くプラズマ窒化処理領域に引き出
すことができ、しかも、第2電極が備えられているの
で、プラズマ生成領域から引き出されたプラズマを減速
させた状態で酸化膜の表面に衝突させることができる。
従って、プラズマ密度の制御と酸化膜への反応種の進入
エネルギーの制御を独立して行うことが可能となる。
【0041】しかも、熱窒化法のように高い温度で窒化
処理を行う必要が無く、例えば常温で酸化膜の表面を窒
化する窒化処理を行うことができるので、熱窒化法によ
る窒素原子のゲート酸化膜中への導入の場合に生じる問
題、即ち、シリコン半導体基板に窒素が侵入することに
よる電流駆動能力の低下等の半導体素子特性への悪影響
がない。更には、酸化膜を窒化するので、例えばゲート
電極形成後の半導体装置製造工程における各種の熱処理
によってゲート電極に含まれるボロン原子がゲート絶縁
膜を通過してシリコン半導体基板にまで到達し、p形半
導体素子の閾値電圧が変動するといった現象を確実に回
避することができる。
【0042】また、プラズマ酸化法を採用すれば、水素
ガス及び酸素ガス、並びに窒素系ガスに電磁波を照射す
ることに基づき絶縁膜若しくはゲート絶縁膜の形成を行
うので、本質的に1つのプラズマ窒化処理装置内で絶縁
膜若しくはゲート絶縁膜の形成を行うことが可能とな
り、絶縁膜若しくはゲート絶縁膜を形成するための装置
構成を簡素化することができる。加えて、水素ガス及び
酸素ガスに電磁波を照射することによって水蒸気を生成
させれば、酸化速度が抑制・制御された状態で、即ち、
例えば減圧下にあっても、水蒸気を容易に且つ確実に生
成させることが可能となり、酸化速度が制御された状態
で加湿酸化法によって薄い酸化膜を形成することができ
る。しかも、水蒸気を用いた酸化法によって酸化膜を形
成するので、優れた経時絶縁破壊(TDDB)特性を有
する酸化膜を得ることができる。
【0043】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0044】(実施例1)本発明の枚葉方式のプラズマ
窒化処理装置の概念図を図1に示す。このプラズマ窒化
処理装置は、処理室10と、半導体層(実施例1におい
てはシリコン半導体基板30)を載置するステージ11
と、処理室10の外部に配設された磁石13と、処理室
10の頂部に取り付けられたマイクロ波導波管14と、
処理室10の頂部に配設されたガス導入部16A,16
B,16Cから構成されている。処理室10は、プラズ
マ生成領域10Aと、プラズマ窒化処理領域10Bから
構成されており、ステージ11はプラズマ窒化処理領域
10Bに配されている。また、シリコン半導体基板30
を加熱するための加熱手段12であるランプがステージ
11内に納められている。マイクロ波導波管14にはマ
グネトロン15が取り付けられ、マグネトロン15によ
って1GHz乃至100GHzのマイクロ波(例えば、
2.45GHzのマイクロ波)が生成させられ、マイク
ロ波導波管14を介してかかるマイクロ波は処理室10
のプラズマ生成領域10Aに導入される。更には、ガス
導入部16A,16B,16Cのそれぞれから処理室1
0内に水素ガス、酸素ガス、窒素ガスが導入される。ま
た、処理室10の側面に配設されたガス導入部17から
処理室10内に不活性ガス(例えば窒素ガス)が導入さ
れる。処理室10内に導入された各種のガスは、処理室
10の下部に設けられたガス排気部18から系外に排気
される。
【0045】プラズマ生成領域10Aにおいては、窒素
系ガスに1GHz乃至100GHzの電磁波(例えば、
2.45GHzのマイクロ波)を照射することによっ
て、励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子若
しくは窒素原子イオンが生成させられる。また、プラズ
マ窒化処理領域10Bにおいて、基板表面の半導体層に
形成された酸化膜の表面が窒化される。
【0046】プラズマ窒化処理領域10Bには、プラズ
マ生成領域10A側から、プラズマ生成領域10Aと等
電位若しくはプラズマ生成領域10Aよりも負の電位が
印加される第1電極20、及び、第1電極20よりも正
の電位が印加される第2電極21が配設されている。第
1電極20及び第2電極21は、例えば、リング状の電
極、あるいは、複数の電極板を並置した構造とすること
ができる。尚、第1電極20は引き出し電極として機能
し、第2電極21は減速電極として機能する。
【0047】実施例1においては、半導体層としてシリ
コン半導体基板を用いた。また、実施例1においては、
プラズマ酸化法を採用した。図1に示したプラズマ窒化
処理装置を用いた本発明の絶縁膜の形成方法及びp形半
導体素子の製造方法(より具体的には、デュアルゲート
構造を有するCMOSFETにおけるpチャネル型MO
SFET)を、以下、シリコン半導体基板30等の模式
的な一部断面図である図2を参照して説明する。
【0048】[工程−100]先ず、リンをドープした
直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)
であるシリコン半導体基板30に、公知の方法でLOC
OS構造を有する素子分離領域31を形成し、次いでウ
エルイオン注入、チャネルストップイオン注入、閾値調
整イオン注入を行う。尚、素子分離領域はトレンチ構造
を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造
の組み合わせであってもよい。その後、RCA洗浄によ
りシリコン半導体基板30の表面の微粒子や金属不純物
を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純
水によるシリコン半導体基板30の表面洗浄を行い、シ
リコン半導体基板30の表面を露出させる(図2の
(A)参照)。尚、シリコン半導体基板30の表面は大
半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終端されて
いる。
【0049】[工程−110]次に、シリコン半導体基
板30を、図1に示したプラズマ窒化処理装置に図示し
ない扉から搬入し、ステージ11に載置した後、ガス導
入部17から不活性ガス(例えば窒素ガス)を処理室1
0内に導入する。そして、加熱手段12によってシリコ
ン半導体基板30を800゜Cに加熱する。
【0050】[工程−120]その後、希釈用ガスとし
ての不活性ガス(例えば窒素ガス)の処理室10内への
導入を中断し、ガス導入部16A及びガス導入部16B
から処理室10内に水素ガス及び酸素ガスを導入する。
併せて、マグネトロン15にマイクロ波電力を供給し、
マグネトロン15にて生成した1GHz乃至100GH
zのマイクロ波(例えば、2.45GHzのマイクロ
波)をマイクロ波導波管14を介して処理室10のプラ
ズマ生成領域10Aに導入する。これによって、即ち、
水素ガス及び酸素ガスに電磁波を照射することによっ
て、上述の式(2−1)〜(2−4)の反応、及び式
(3)、式(4)の反応が生じ、水蒸気が生成する。発
生した水蒸気は処理室10の下方に位置するプラズマ窒
化処理領域10Bに到達し、加熱手段12によって加熱
された半導体層(具体的にはシリコン半導体基板30)
の表面が酸化される。こうして、半導体層の表面に厚さ
2nmの酸化膜(実施例1においてはシリコン酸化膜)
を形成することができる。酸化膜の形成条件を、以下の
表1に例示する。尚、この工程においては、第1電極2
0及び第2電極21は作動させていない。
【0051】[表1] マイクロ波電力 :10kW マイクロ波周波数:2.45GHz 酸素ガス流量 :10SLM 水素ガス流量 :0.2SLM 基板温度 :800゜C
【0052】[工程−130]酸化膜の形成完了後、マ
グネトロン15へのマイクロ波電力の供給、処理室10
への水素ガス及び酸素ガスの導入を中止し、ガス導入部
17から不活性ガスを処理室10内へ導入しながら、シ
リコン半導体基板30を室温まで冷却する。次いで、ガ
ス導入部17からの不活性ガスの処理室10内への導入
を中断する。その後、ガス導入部16Cから処理室10
に、窒素系ガスである窒素ガスを導入する。併せて、マ
グネトロン15にマイクロ波電力を供給し、マグネトロ
ン15にて生成した1GHz乃至100GHzのマイク
ロ波(例えば、2.45GHzのマイクロ波)をマイク
ロ波導波管14を介して処理室10のプラズマ生成領域
10Aに導入し、且つ、第1電極20及び第2電極21
を作動させる。これによって、即ち、窒素ガスに電磁波
を照射することによって上述の式(1−1)〜(1−
4)の反応に基づきプラズマ生成領域10Aにて生成し
た励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子若し
くは窒素原子イオンが、処理室10の下方に位置するプ
ラズマ窒化処理領域10Bに第1電極20の作動によっ
て引き出される。そして、第2電極21の作動によっ
て、プラズマ生成領域10Aから引き出されたプラズマ
が減速された状態で酸化膜表面に衝突し、酸化膜(具体
的にはシリコン酸化膜)の表面が窒化される。尚、第1
電極20や第2電極21の影響を受けないイオン化され
ていない窒素分子や窒素原子も同様にプラズマ窒化処理
領域10Bに到達し、酸化膜の表面が窒化される。こう
して、表面が窒化された絶縁膜32(実施例1において
はシリコン酸化窒化膜であり、ゲート絶縁膜に相当す
る)を半導体層の表面に形成することができる。この状
態を図2の(B)に模式的に示す。尚、図においては酸
化膜の窒化された部分の図示を省略した。窒化の条件
を、以下の表2に例示する。尚、シリコン半導体基板3
0の温度を室温にする理由は、窒化処理において窒素原
子がシリコン半導体基板30内に拡散することを抑制す
るためである。
【0053】[表2] マイクロ波電力 :1kW マイクロ波周波数:2.45GHz 窒素ガス流量 :0.4SLM 圧力 :0.16Pa 基板温度 :室温(25゜C) 第1電極の電位 :プラズマ生成領域10Aに対して−
200ボルト 第2電極の電位 :第1電極に対して+200ボルト
【0054】[工程−140]その後、ガス導入部16
Cからの処理室10への窒素ガスの導入を中止し、ガス
導入部17から不活性ガスを処理室10内へ導入しなが
ら、加熱手段12によってシリコン半導体基板30を8
50゜Cまで昇温する。そして、シリコン半導体基板3
0の温度が850゜Cに達し、その温度が安定したなら
ば、窒素ガス流量4SLMで5分間、熱処理を行う。こ
の熱処理によって、絶縁膜に生じたダメージの緩和を図
ることができる。
【0055】[工程−150]その後、シリコン半導体
基板30を室温まで冷却し、プラズマ窒化処理装置から
シリコン半導体基板30を搬出し、次いで、公知のCV
D装置にシリコン半導体基板30を搬入する。そして、
不純物を含んでいないシリコン層(実施例2においては
ポリシリコン層)をCVD法にて全面に製膜する。次い
で、公知のリソグラフィ技術及びイオン注入技術に基づ
き、pチャネル型MOSFETのためのゲート電極33
へボロンを、nチャネル型MOSFETのためのゲート
電極へリンを、それぞれ導入した後、シリコン層をパタ
ーニングする。これによって、ゲート絶縁膜上に、pチ
ャネル型MOSFETのためのp形不純物を含むシリコ
ン層(具体的にはポリシリコン層)から成るゲート電極
33を形成することができる。併せて、ゲート絶縁膜上
に、nチャネル型MOSFETのためのn形不純物を含
むシリコン層(具体的にはポリシリコン層)から成るゲ
ート電極を形成することができる。その後、公知の技術
を用いてLDD領域を形成する(図2の(C)参照)。
【0056】[工程−160]次に、全面に絶縁材料層
を形成し、異方性ドライエッチング技術に基づき絶縁材
料層をエッチングして、ゲート電極の側壁にサイドウオ
ール34を形成する。次いで、ソース/ドレイン領域3
5を形成するために、公知のリソグラフィ技術及びイオ
ン注入技術に基づき、pチャネル型MOSFETを形成
すべきシリコン半導体基板の領域にボロンを、nチャネ
ル型MOSFETを形成すべきシリコン半導体基板の領
域にリンを、それぞれ導入した後、イオン注入された不
純物の活性化熱処理を行う。その後、全面に層間絶縁層
36をCVD法にて形成し、ソース/ドレイン領域の上
方の層間絶縁層36に開口部を設け、かかる開口部内を
含む層間絶縁層36の上に配線材料層をスパッタ法にて
形成し、配線材料層をパターニングすることによって配
線37を形成し、図2の(D)に模式的な一部断面図を
示すp形半導体素子(より具体的には、デュアルゲート
構造を有するCMOSFETにおけるpチャネル型MO
SFET)を得ることができる。
【0057】(実施例2)実施例2は実施例1の変形で
ある。実施例1においてはシリコン半導体基板30を8
00゜Cに加熱した状態でプラズマ酸化法にて酸化膜を
形成したが、実施例2においては、プラズマ酸化法に基
づき、2段階の酸化を行う。即ち、酸化膜の形成を、半
導体層の表面から半導体層を主に構成する原子が脱離し
ない温度にて半導体層の表面に酸化膜の形成を開始した
後、所定の期間、半導体層の表面から半導体層を主に構
成する原子が脱離しない温度範囲に半導体層を保持して
酸化膜を形成する第1の酸化膜形成工程と、半導体層の
表面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度
範囲よりも高い温度にて、所望の厚さになるまで酸化膜
を更に形成する第2の酸化膜形成工程から構成した。
尚、実施例2においても図1に示したプラズマ窒化処理
装置を用いる。
【0058】[工程−200]先ず、実施例1の[工程
−100]と同様の工程を実行する。
【0059】[工程−210]次に、シリコン半導体基
板30を、図1に示したプラズマ窒化処理装置に図示し
ない扉から搬入し、ステージ11に載置した後、ガス導
入部17から不活性ガス(例えば窒素ガス)を処理室1
0内に導入する。そして、加熱手段12によってシリコ
ン半導体基板30を300゜Cに加熱する。尚、この温
度においては、半導体層表面のSi−H結合は切断され
ない。従って、半導体層(実施例2においてはシリコン
半導体基板)の表面に凹凸(荒れ)が生じることがな
い。
【0060】[工程−220]その後、希釈用ガスとし
ての不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部17か
ら処理室10内に導入しながら、ガス導入部16A及び
ガス導入部16Bから処理室10内に水素ガス及び酸素
ガスを導入する。併せて、マグネトロン15にマイクロ
波電力を供給し、マグネトロン15にて生成した1GH
z乃至100GHzのマイクロ波(例えば、2.45G
Hzのマイクロ波)をマイクロ波導波管14を介して処
理室10のプラズマ生成領域10Aに導入する。これに
よって、水蒸気が生成する。発生した水蒸気は処理室1
0の下方に位置するプラズマ窒化処理領域10Bに到達
し、加熱手段12によって加熱された半導体層(具体的
にはシリコン半導体基板30)の表面が酸化される。こ
うして、半導体層の表面に酸化膜(実施例2においては
シリコン酸化膜)を形成することができる。酸化膜の形
成条件を、以下の表3に例示する。この第1の酸化膜形
成工程において、厚さ1nmの酸化膜を形成する。尚、
この工程においては、第1電極20及び第2電極21は
作動させていない。
【0061】[表3] マイクロ波電力 :10kW マイクロ波周波数:2.45GHz 酸素ガス流量 :10SLM 水素ガス流量 :0.2SLM 不活性ガス流量 :10SLM 基板温度 :300゜C
【0062】[工程−230]その後、マグネトロン1
5へのマイクロ波電力の供給、処理室10への水素ガス
及び酸素ガスの導入を中断し、ガス導入部17からの不
活性ガスの処理室10内への導入を継続しながら、加熱
手段12によってシリコン半導体基板30を800゜C
まで昇温する。尚、半導体層の表面に既に酸化膜が形成
されているので、この昇温工程において半導体層(実施
例2においてはシリコン半導体基板30)の表面に凹凸
(荒れ)が生じることがない。次いで、再び、ガス導入
部16A及びガス導入部16Bから処理室10内に水素
ガス及び酸素ガスを導入する。併せて、再び、マグネト
ロン15にマイクロ波電力を供給し、マグネトロン15
にて生成した1GHz乃至100GHzのマイクロ波
(例えば、2.45GHzのマイクロ波)をマイクロ波
導波管14を介して処理室10のプラズマ生成領域10
Aに導入する。これによって、水蒸気が生成する。発生
した水蒸気は処理室10の下方に位置するプラズマ窒化
処理領域10Bに到達し、加熱手段12によって加熱さ
れた半導体層(具体的にはシリコン半導体基板30)の
表面を更に酸化する。こうして、半導体層の表面に総厚
4nmの酸化膜(実施例2においてはシリコン酸化膜)
を形成する。この第2の酸化膜形成工程における酸化膜
の形成条件を、以下の表4に例示する。尚、この工程に
おいても、第1電極20及び第2電極21は作動させて
いない。
【0063】[表4] マイクロ波電力 :10kW マイクロ波周波数:2.45GHz 酸素ガス流量 :10SLM 水素ガス流量 :0.2SLM 不活性ガス流量 :10SLM 基板温度 :800゜C
【0064】[工程−240]以降、実施例1の[工程
−130]〜[工程−160]を実行することによっ
て、p形半導体素子を得ることができる。
【0065】(実施例3)実施例3は、実施例1の絶縁
膜の形成方法及びp形半導体素子の製造方法の変形であ
る。実施例3が実施例1と相違する点は、半導体層の表
面に酸化膜を形成する工程と、酸化膜の表面を窒化する
工程との間で、形成された酸化膜に加熱処理を施す点に
ある。以下、実施例3の絶縁膜の形成方法及びp形半導
体素子の製造方法を説明する。尚、実施例3においても
図1に示したプラズマ窒化処理装置を用いる。
【0066】[工程−300]実施例1の[工程−10
0]〜[工程−120]と同様の工程を実行することに
よって、半導体層(実施例3においてはシリコン半導体
基板30)の表面に厚さ2nmの酸化膜(実施例3にお
いてはシリコン酸化膜)を形成する。
【0067】[工程−310]その後、マグネトロン1
5へのマイクロ波電力の供給、処理室10への水素ガス
及び酸素ガスの導入を中止し、ガス導入部17からの不
活性ガスの処理室10内へ導入しながら、加熱手段12
によってシリコン半導体基板30を850゜Cまで昇温
する。次いで、塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒
素ガスをガス導入部17から処理室10内に導入し、5
分間、加熱処理を行う。これによって、タイムゼロ絶縁
破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特
性に優れた酸化膜を得ることができる。
【0068】[工程−320]その後、ガス導入部17
からの塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガスの
処理室10への導入を中止し、ガス導入部17から不活
性ガス(例えば窒素ガス)を処理室10へ導入する。そ
して、シリコン半導体基板30を室温まで冷却した後、
実施例1の[工程−130]〜[工程−160]と同様
の工程を実行することによって、p形半導体素子を得る
ことができる。尚、実施例3の加熱処理を実施例2の2
段階の酸化膜形成工程に加えてもよい。
【0069】(実施例4)実施例4も実施例1の変形で
ある。実施例4が実施例1と相違する点は、酸化膜の形
成にパイロジェニック酸化法を採用した点にある。
【0070】パイロジェニック酸化法に基づきシリコン
酸化膜を形成するための縦型方式の酸化膜形成装置の概
念図を図3に示す。この縦型方式の酸化膜形成装置は、
垂直方向に保持された石英製の二重管構造の酸化炉40
(処理室に相当する)と、酸化炉40へ湿式ガス及び/
ガスを導入するためのガス導入部42と、酸化炉40か
ら湿式ガス及び/ガスを排気するガス排気部43と、S
iCから成る円筒状の均熱管46を介して酸化炉40内
を所定の雰囲気温度に保持するためのヒータ44と、基
板搬出入部50と、基板搬出入部50へ窒素ガス等の不
活性ガスを導入するためのガス導入部51と、基板搬出
入部50からガスを排気するガス排気部52と、酸化炉
40と基板搬出入部50とを仕切るシャッター45と、
シリコン半導体基板30を酸化炉40内に搬入出するた
めのエレベータ機構53から構成されている。エレベー
タ機構53には、シリコン半導体基板30を載置するた
めの石英ボート54が取り付けられている。また、燃焼
室60に供給された水素ガスを酸素ガスと、燃焼室60
内で高温にて混合し、燃焼させることによって、湿式ガ
スを生成させる。かかる湿式ガスは、配管61、ガス流
路41及びガス導入部42を介して酸化炉40内に導入
される。尚、ガス流路41は、二重管構造の酸化炉40
の内壁及び外壁の間の空間に相当する。
【0071】図3に示した縦型方式の酸化膜形成装置を
使用した、パイロジェニック酸化法に基づく酸化膜の形
成方法の概要を、以下、説明する。
【0072】[工程−400]先ず、実施例1の[工程
−100]と同様の工程を実行する。
【0073】[工程−410]配管62、燃焼室60、
配管61、ガス流路41及びガス導入部42を介して酸
化炉40へ窒素ガスを導入し、酸化炉40内を窒素ガス
雰囲気とし、且つ、均熱管46を介してヒータ44によ
って酸化炉40の雰囲気温度を700゜C前後に保持す
る。この状態においては、シャッター45は閉じてお
く。基板搬出入部50は大気に解放された状態である。
そして、基板搬出入部50にシリコン半導体基板30を
搬入し、石英ボート54にシリコン半導体基板30を載
置する。基板搬出入部50へのシリコン半導体基板30
の搬入が完了した後、図示しない扉を閉め、基板搬出入
部50にガス導入部51から窒素ガスを導入し、ガス排
気部52から排出し、基板搬出入部50内を窒素ガス雰
囲気とする。
【0074】[工程−420]基板搬出入部50内が十
分に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター45を
開き、エレベータ機構53を作動させて石英ボート54
を上昇させ、シリコン半導体基板30を酸化炉40内に
搬入する。エレベータ機構53が最上昇位置に辿り着く
と、石英ボート54の基部によって酸化炉40と基板搬
出入部50との間は連通しなくなる。
【0075】[工程−430]その後、窒素ガス雰囲気
の酸化炉40の雰囲気温度を昇温し、800〜900゜
Cとする。そして、配管62,63を介して燃焼室60
内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、水素ガスを酸素ガ
スと燃焼室60内で高温にて混合し、燃焼させることに
よって生成した湿式ガスを、配管61、ガス流路41及
びガス導入部42を介して酸化炉40へ導入し、ガス排
気部43から排気する。これによって、シリコン半導体
基板30の表面に酸化膜が形成される。尚、燃焼室60
内の温度を、例えばヒータ(図示せず)によって700
〜900゜Cに保持する。
【0076】[工程−440]所望の厚さの酸化膜を形
成した後、燃焼室60内への酸素ガス及び水素ガスの供
給を中止し、次いで、酸化炉40内に窒素ガス等の不活
性ガスを導入しながら、酸化炉40の雰囲気温度を70
0゜C前後まで降温し、次いで、エレベータ機構53を
動作させて石英ボート54を下降させ、次いで、基板搬
出入部50からシリコン半導体基板30を搬出する。
【0077】[工程−450]以降、実施例1の[工程
−130]〜[工程−160]を実行することによっ
て、p形半導体素子を得ることができる。尚、実施例4
のパイロジェニック酸化法に基づき、実施例2にて説明
した2段階の酸化膜形成工程を実行してもよいし、更に
は、実施例3にて説明した加熱処理を加えてもよい。
【0078】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した各種の条件やプラズマ窒化
処理装置、酸化膜形成装置の構造は例示であり、適宜変
更することができる。プラズマ窒化処理装置及び/又は
プラズマ窒化条件に依存して、プラズマ生成領域からプ
ラズマを確実にプラズマ窒化処理領域に引き出すことが
できるならば、場合によっては第1電極を省略すること
も可能である。
【0079】例えば、実施例2の[工程−230]にお
いて、マグネトロン15へのマイクロ波電力の供給、処
理室10への水素ガス及び酸素ガスの導入を中止するこ
となく加熱手段12によってシリコン半導体基板30を
800゜Cまで昇温してもよい。また、実施例3の[工
程−310]において、不活性ガス(例えば窒素ガス)
をガス導入部17から処理室10内に導入しつつシリコ
ン半導体基板30の温度を加熱手段によって850゜C
まで昇温したが、その代わりに、例えば塩化水素ガスを
0.1容量%含有する不活性ガス(例えば窒素ガス)を
ガス導入部17から処理室10内に導入しつつ、シリコ
ン半導体基板30の温度を加熱手段によって850゜C
まで昇温してもよい。更には、第1の酸化膜形成工程、
昇温工程、第2の酸化膜形成工程のそれぞれにおける雰
囲気に、例えば塩化水素ガスを含ませてもよい。
【0080】実施例においては、専らシリコン半導体基
板の表面に絶縁膜を形成したが、本発明の絶縁膜の形成
方法に基づき、基板の上に製膜されたエピタキシャルシ
リコン層に絶縁膜を形成することもできるし、基板の上
に形成された絶縁層の上に製膜されたポリシリコン層あ
るいはアモルファスシリコン層等の表面に絶縁膜を形成
することもできる。あるいは又、SOI構造におけるシ
リコン層の表面に絶縁膜を形成してもよいし、半導体素
子や半導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの
上に製膜されたシリコン層の表面に絶縁膜を形成しても
よい。更には、半導体素子や半導体素子の構成要素が形
成された基板やこれらの上に製膜された下地絶縁層の上
に形成されたシリコン層の表面に絶縁膜を形成してもよ
い。酸化膜の形成及び/又は酸化膜の表面の窒化処理
は、枚葉方式だけでなく、複数の半導体層を同時に処理
するバッチ方式にて行うこともできる。
【0081】あるいは又、実施例において0.1%フッ
化水素酸水溶液及び純水により半導体層の表面洗浄を行
った後、半導体層をプラズマ窒化処理装置や酸化膜形成
装置(以下、これらの装置を総称してプラズマ処理装置
等と呼ぶ)に搬入したが、半導体層の表面洗浄からプラ
ズマ窒化処理装置等への搬入までの雰囲気を、不活性ガ
ス(例えば窒素ガス)雰囲気としてもよい。尚、このよ
うな雰囲気は、例えば、半導体層の表面洗浄装置の雰囲
気を不活性ガス雰囲気とし、且つ、不活性ガスが充填さ
れた搬送用ボックス内に半導体層(例えばシリコン半導
体基板)を納めてプラズマ窒化処理装置等に搬入する方
法や、図4に模式図を示すように、表面洗浄装置、プラ
ズマ窒化処理装置等、搬送路、ローダー及びアンローダ
ーから構成されたクラスターツール装置を用い、表面洗
浄装置からプラズマ窒化処理装置等までを搬送路で結
び、かかる表面洗浄装置、搬送路及びプラズマ窒化処理
装置等の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする方法によって
達成することができる。
【0082】あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液
及び純水により半導体層の表面洗浄を行う代わりに、表
5に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用いた気
相洗浄法によって半導体層の表面洗浄を行ってもよい。
尚、パーティクルの発生防止のためにメタノールを添加
する。あるいは又、表6に例示する条件にて、塩化水素
ガスを用いた気相洗浄法によって半導体層の表面洗浄を
行ってもよい。尚、半導体層の表面洗浄開始前あるいは
表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲気や搬送
路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としてもよいし、
例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度の真空雰
囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を真空雰囲
気とする場合には、半導体層を搬入する際のプラズマ窒
化処理装置等の雰囲気を例えば1.3×10-1Pa(1
-3Torr)程度の真空雰囲気としておき、半導体層の搬
入完了後、プラズマ窒化処理装置等の雰囲気を不活性ガ
ス(例えば窒素ガス)雰囲気とすればよい。
【0083】[表5] 無水フッ化水素ガス:300SCCM メタノール蒸気 :80SCCM 窒素ガス :1000SCCM 圧力 :0.3Pa 温度 :60゜C
【0084】[表6] 塩化水素ガス/窒素ガス:1容量% 温度 :800゜C
【0085】これらの方法を採用することによって、酸
化膜の形成前に半導体層の表面を汚染等の無い状態に保
つことができる結果、形成された酸化膜中に水分や有機
物、あるいは又、例えばSi−OHが取り込まれ、形成
された酸化膜の特性が低下しあるいは欠陥部分が発生す
ることを、効果的に防ぐことができる。
【0086】先に説明したように、プラズマ酸化法を採
用する場合、酸化膜の形成において、処理室10内に水
素ガス及び酸素ガスを導入するが、この際、水素ガスが
処理室10内に流入し、系外に流出することによって爆
鳴気反応が生じることを防止するため、且つ、半導体層
にドライ酸化膜が形成されることを防止するために、例
えば、実施例1の[工程−120]において、ガス導入
部17から処理室10内に例えば流量10SLMの希釈
用ガスとしての不活性ガス(例えば窒素ガス)を導入し
ながら、ガス導入部16Aから処理室10内に流量0.
2SLMの水素ガスを導入し、その後、例えばガス導入
部16Bから処理室10内に例えば流量10SLMの酸
素ガスの導入を開始し、希釈用の不活性ガスの処理室1
0内への導入を中止すればよい。次いで、マグネトロン
15にマイクロ波電力を供給し、マグネトロン15にて
生成した2.45GHzのマイクロ波をマイクロ波導波
管14を介して処理室10のプラズマ生成領域10Aに
導入する。このような操作によって、水蒸気生成前の処
理室10内における水素ガス濃度は十分に低い値とな
り、爆鳴気反応が生じることを確実に防止することがで
き、しかも、ドライ酸化膜の形成を確実に防止すること
ができる。
【0087】
【発明の効果】本発明においては、第1電極及び第2電
極を作動させることによって、プラズマ密度の制御と酸
化膜への反応種の進入エネルギーの制御を独立して行う
ことが可能となり、酸化膜の表面が窒化されるように窒
素分子、窒素分子イオン、窒素原子若しくは窒素原子イ
オンを酸化膜に浅く導入することができる。そして、酸
化膜の表面を窒化するので、電流駆動能力の低下等の半
導体素子特性への悪影響がない。更には、酸化膜を窒化
するので、例えばゲート電極形成後の半導体装置製造工
程における各種の熱処理によってゲート電極に含まれる
p形不純物がゲート絶縁膜を通過して半導体層まで到達
する結果、PMOS半導体素子の閾値電圧が変動すると
いった現象を確実に回避することができる。
【0088】尚、水素ガス及び酸素ガスに電磁波を照射
する方法によって生成した水蒸気に基づき酸化膜を形成
すれば、本質的に1つのプラズマ窒化処理装置内で絶縁
膜若しくはゲート絶縁膜の形成を行うことが可能とな
り、絶縁膜若しくはゲート絶縁膜の形成のための装置が
1つで済み、装置構成を簡素化することができる。ま
た、酸化速度が抑制・制御された状態で水蒸気を容易に
且つ確実に生成させることが可能となり、加湿酸化法に
よって薄い酸化膜を形成することができる。しかも、水
蒸気を用いた酸化法によって酸化膜を形成するので、優
れた経時絶縁破壊(TDDB)特性を有する酸化膜を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施に適したプラズマ窒化処理
装置の概念図である。
【図2】実施例1の絶縁膜の形成方法を説明するための
シリコン半導体基板等の模式的な一部断面図である。
【図3】パイロジェニック酸化法に基づき酸化膜を形成
するための縦型方式の酸化膜形成装置の概念図である。
【図4】クラスターツール装置の模式図である。
【符号の説明】
10・・・処理室、10A・・・プラズマ生成領域、1
0B・・・プラズマ窒化処理領域、11・・・ステー
ジ、12・・・加熱手段、13・・・磁石、14・・・
マイクロ波導波管、15・・・マグネトロン、16A,
16B,16C,17・・・ガス導入部、18・・・ガ
ス排気部、20・・・第1電極、21・・・第2電極、
30・・・シリコン半導体基板、31・・・素子分離領
域、32・・・絶縁膜(ゲート絶縁膜)、33・・・ゲ
ート電極、34・・・サイドウオール、35・・・ソー
ス/ドレイン領域、36・・・層間絶縁層、37・・・
配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA20 AB32 AB33 AB34 AC01 AC02 AC05 AC11 AC15 AC16 AC17 AD11 AD12 AD13 AD14 AD15 AD16 BB16 CA05 CA15 DC51 DP01 DP02 DP03 DP19 DQ10 EH03 EH16 EH17 EK07 HA04 HA16 5F058 BA01 BB04 BC02 BC08 BC11 BD01 BD03 BD04 BD09 BD10 BD15 BE03 BF51 BF52 BF53 BF55 BF56 BF63 BF72 BF73 BF74 BH01 BJ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)窒素系ガスに電磁波を照射すること
    によって、励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素
    原子若しくは窒素原子イオンを生成させるプラズマ生成
    領域、及び、 (B)プラズマ窒化処理領域、を有する処理室を備え、
    酸化膜の表面を窒化するためのプラズマ窒化処理装置で
    あって、 プラズマ窒化処理領域には、プラズマ生成領域側から、 プラズマ生成領域と等電位若しくはプラズマ生成領域よ
    りも負の電位が印加される第1電極、及び、 第1電極よりも正の電位が印加される第2電極、が配設
    されていることを特徴とするプラズマ窒化処理装置。
  2. 【請求項2】第1電極に、プラズマ生成領域よりも負の
    電位を印加することによって、プラズマ生成領域からプ
    ラズマをプラズマ窒化処理領域に引き出し、 第2電極に、第1電極よりも正の電位を印加することに
    よって、プラズマ生成領域から引き出されたプラズマを
    減速させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    窒化処理装置。
  3. 【請求項3】電磁波はマイクロ波であることを特徴とす
    る請求項1に記載のプラズマ窒化処理装置。
  4. 【請求項4】(A)窒素系ガスに電磁波を照射すること
    によって、励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素
    原子若しくは窒素原子イオンを生成させるプラズマ生成
    領域、及び、 (B)プラズマ窒化処理領域、を有する処理室を備え、 プラズマ窒化処理領域には、プラズマ生成領域側から、 プラズマ生成領域と等電位若しくはプラズマ生成領域よ
    りも負の電位が印加される第1電極、及び、 第1電極よりも正の電位が印加される第2電極、が配設
    されているプラズマ窒化処理装置を用いた絶縁膜の形成
    方法であって、 (イ)基板表面の半導体層を酸化することによって酸化
    膜を形成する工程と、 (ロ)プラズマ窒化処理装置のプラズマ窒化処理領域に
    基板を配置し、プラズマ生成領域にて生成した励起状態
    の窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子若しくは窒素原
    子イオンを用いて、該酸化膜の表面に窒化処理を施す工
    程、から成ることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  5. 【請求項5】第1電極に、プラズマ生成領域よりも負の
    電位を印加することによって、プラズマ生成領域からプ
    ラズマをプラズマ窒化処理領域に引き出し、 第2電極に、第1電極よりも正の電位を印加することに
    よって、プラズマ生成領域から引き出されたプラズマを
    減速させた状態で酸化膜に衝突させることを特徴とする
    請求項4に記載の絶縁膜の形成方法。
  6. 【請求項6】前記工程(イ)は、基板をプラズマ窒化処
    理装置のプラズマ窒化処理領域に搬入した後、水素ガス
    及び酸素ガスに電磁波を照射することによって水蒸気を
    プラズマ生成領域にて生成させ、該水蒸気を用いて基板
    表面の半導体層を酸化する工程から成ることを特徴とす
    る請求項4に記載の絶縁膜の形成方法。
  7. 【請求項7】電磁波はマイクロ波であることを特徴とす
    る請求項4に記載の絶縁膜の形成方法。
  8. 【請求項8】(a)半導体層の表面にゲート絶縁膜を形
    成する工程と、 (b)該ゲート絶縁膜上にp形不純物を含むシリコン層
    から成るゲート電極を形成する工程、を含むp形半導体
    素子の製造方法であって、 工程(a)は、 (イ)基板表面の半導体層を酸化することによって酸化
    膜を形成する工程と、 (ロ)(A)窒素系ガスに電磁波を照射することによっ
    て、励起状態の窒素分子、窒素分子イオン、窒素原子若
    しくは窒素原子イオンを生成させるプラズマ生成領域、
    及び、 (B)プラズマ窒化処理領域、を有する処理室を備え、 プラズマ窒化処理領域には、プラズマ生成領域側から、 プラズマ生成領域と等電位若しくはプラズマ生成領域よ
    りも負の電位が印加される第1電極、及び、 第1電極よりも正の電位が印加される第2電極、が配設
    されているプラズマ窒化処理装置を用い、 プラズマ窒化処理装置のプラズマ窒化処理領域に基板を
    配置し、プラズマ生成領域にて生成した励起状態の窒素
    分子、窒素分子イオン、窒素原子若しくは窒素原子イオ
    ンを用いて、該酸化膜の表面に窒化処理を施す工程、か
    ら成ることを特徴とするp形半導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】第1電極に、プラズマ生成領域よりも負の
    電位を印加することによって、プラズマ生成領域からプ
    ラズマをプラズマ窒化処理領域に引き出し、 第2電極に、第1電極よりも正の電位を印加することに
    よって、プラズマ生成領域から引き出されたプラズマを
    減速させた状態で酸化膜に衝突させることを特徴とする
    請求項8に記載のp形半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記工程(イ)は、基板をプラズマ窒化
    処理装置のプラズマ窒化処理領域に搬入した後、水素ガ
    ス及び酸素ガスに電磁波を照射することによって水蒸気
    をプラズマ生成領域にて生成させ、該水蒸気を用いて基
    板表面の半導体層を酸化する工程から成ることを特徴と
    する請求項8に記載のp形半導体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】電磁波はマイクロ波であることを特徴と
    する請求項8に記載のp形半導体素子の製造方法。
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