JP2000328499A - 低密度紙壁紙 - Google Patents

低密度紙壁紙

Info

Publication number
JP2000328499A
JP2000328499A JP12942499A JP12942499A JP2000328499A JP 2000328499 A JP2000328499 A JP 2000328499A JP 12942499 A JP12942499 A JP 12942499A JP 12942499 A JP12942499 A JP 12942499A JP 2000328499 A JP2000328499 A JP 2000328499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
low
paper
density
wallpaper
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12942499A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Mitsushiba
晶子 三柴
Nobuo Kanda
伸夫 神田
Masayuki Ishii
正之 石井
Mitsuhiro Sano
充洋 佐野
Satoshi Takahashi
悟志 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP12942499A priority Critical patent/JP2000328499A/ja
Publication of JP2000328499A publication Critical patent/JP2000328499A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡性エンボス・塩化ビニル壁紙と同等のエン
ボス性、施工性を有したパルプ繊維を主体とした壁装材
を提供する。 【解決手段】カールドファイバーおよび/またはTMP
を混抄した低密度紙が密度0.1〜0.5g/cm3
厚さ300μm以上、ガーレー剛度40mN以下に調整
されており、該低密度紙の表面に表面保護フィムル、裏
面に裏打ち紙を貼り合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低密度紙に裏打紙
を貼合した壁装材に関するものであり、さらに詳しく
は、優れたエンボス加工性、および施工性を備えた壁装
材に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでは、住空間の高級化・多様化に
伴い室内装飾用内装材として発泡性エンボス・塩化ビニ
ル壁紙が多く使用されていた。発泡性エンボス・塩化ビ
ニル壁紙は価格が安く、印刷加工性、発泡加工性、エン
ボス加工性等の加工が容易に可能であり、デザイン性の
豊富さで優れており、一般市販の壁紙の多くはこの発泡
エンボス・塩化ビニル壁紙で占められている。
【0003】しかしながら、発泡性エンボス・塩化ビニ
ル壁紙では、塩化ビニル樹脂に含有される可塑剤が表面
にブリードし、壁紙表面が汚れたり、火災時や廃棄焼却
時に多量の塩化水素ガス等の有害ガス、黒煙や高熱を発
生し、環境を汚染する等の問題を有している。このた
め、塩化ビニル樹脂をエチレン・酢酸ビニル共重合体に
置き換えたり(特開昭58−4879号公報)、非結晶
性ポリエステル樹脂を用いる(特開平5−116255
号公報)等があるが、前者では樹脂の臭気の発生が指摘
され、また発泡エンボス・塩化ビニル壁紙の有するボリ
ューム感が得られないという欠点がある。後者では紙も
しくは不織布で構成されるため柔軟性は得られるが、埃
や汚れが付着しやすく、維持管理が困難になる欠点があ
る。
【0004】一方、古くから使用されているパルプ繊維
を素材とする紙壁紙としては、施工性に改善技術につい
て実公昭61−23040号公報、実公昭61−200
76号公報に開示されており、そこでは、エクストルー
ダーから押し出される熱溶融性樹脂を介して裏打紙の上
に表面化粧紙を貼り合わせ、その表面化粧紙と裏打紙の
間に介する樹脂層によって施工時に裏側に塗布される施
工糊の乾燥を抑制し、施工糊の塗布後のオープンタイム
を長くとれるようにしており、特に実公昭61−200
76号公報では、表面化粧紙の上に発泡性インキを印刷
し、それを発泡させて凹凸のある表面保護層を形成して
いる。
【0005】しかしながら、これら紙壁紙では、施工性
は改善できるものの、発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と
同等のボリューム感のあるものは得られない。そこで、
本発明者らは、パルプ素材を使用した壁紙の一貫とし
て、特願平8−327609号公報にパルプ繊維からな
る低密度の不織布を用い、熱溶融性樹脂を介して裏打紙
と貼り合わせ、不織布表層にも印刷加工した表面保護フ
ィルムを貼り合わせるという方法を提案した。
【0006】しかしながら、この不織布壁紙は、施工性
は良好であり、また従来の紙壁紙に比べてもエンボス加
工性が良好であるものの、やはり発泡エンボス・塩化ビ
ニル壁紙と比べると、エンボスのボリューム感が劣って
しまうとともに、不織布が裏打ち紙との貼合の際に潰れ
て、薄くなってしまった場合には、施工下地の隠蔽性が
低い。
【0007】また、パルプ繊維に熱膨張性マイクロカプ
セルを添加して、湿式抄紙機にて抄造・発泡させた発泡
紙を裏打ち紙と貼り合わせ方法も提案しているが、熱膨
張性マイクロカプセルを混合した発泡紙はエンボス加工
性は良好であるものの、発泡紙の坪量が高くなったり、
厚みが大幅に増加すると、その壁紙は硬く、施工時の折
れシワが戻りにくいという問題をかかえている。また熱
膨張性マイクロカプセルは高価であるため、出来た壁紙
は高価なものとなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、施工性が良
好で、発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と同等以上のエン
ボス加工性(ボリューム感)を持ち、かつ安価で環境安
全性の高い壁装材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、室内装飾
用の壁装材の開発にあたって、施工性が良好で、発泡エ
ンボス・塩化ビニル壁紙と同等以上のエンボス加工性
(ボリューム感)を持ちかつ、環境安全性の高い壁装材
を得るため鋭意研究を重ねた結果、カールドファイバー
および/またはTMPを主成分として湿式抄紙機にて抄
紙し、シート密度を0.1〜0.5g/cm3以下、厚
さが300μm以上に調整した低密度紙を、熱溶融樹脂
フィルムを介して裏打ち紙に貼り合わせ、また低密度紙
の上に熱可塑性樹脂からなる表面保護フィルムを貼り合
わせることにより、エンボス加工性、エンボスのボリュ
ーム感を兼ね備え、施工性が良好で、かつ環境安全性の
高い壁装材が得られることを見出し、本発明を完成させ
たものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る低密度壁紙では、表
側の低密度紙が裏打ち紙と同じパルプ繊維を素材とする
もので、嵩高で凹凸がつけられており、その表面が薄い
熱可塑性樹脂性の表面保護フィルムで被覆されているの
で、発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と同様に汚染し難
く、柔軟可撓でボリューム感があり、またその低密度紙
と裏打ち紙の間に介在して両者を接着している熱溶融性
樹脂フィルム層が不透湿防水層を形成するので、発泡エ
ンボス・塩化ビニル壁紙と同様に施工糊が低密度紙層に
滲み出さず、その水分が表面から蒸発しにくく、施工糊
の塗布後のオープンタイム(糊を塗布してから施工可能
な時間)をとることが出来て施工しやすくなる。
【0011】裏打ち紙には、壁紙に慣用されているもの
が使用されるが、壁紙施工下地に対する隠蔽性と施工糊
の塗布接着性を考慮すれば、50〜150g/m2のも
の、特に壁紙の難燃化の点では、難燃剤を有する難燃裏
打ち紙、または無機質紙を使用すると良い。
【0012】裏打ち紙と低密度紙とは、それらの間に接
着剤を塗布した熱溶融性樹脂フィルムを挟んで押圧し、
その熱溶融するフィルムを介して貼り合わせ、あるいは
エクストルーダー(Tダイ押し出し機)から熱溶融して
押し出される熱溶融性樹脂フィルムを裏打ち紙と低密度
紙の間に挟み込んで貼り合わせる。
【0013】熱溶融性樹脂にはポリエステル樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチ
レン樹脂、アタックチックポリプロピレン樹脂、等の各
種の熱溶融性樹脂が使用されるが、低密度紙壁紙の難燃
化の点では、燃焼時の発煙量の少ないポリオレフィン樹
脂を使用するのが良く、このことは表面保護フィルムの
場合も同様である。なお、貼り合わせに使用するポリオ
レフィン樹脂に予め難燃剤を練り込んでも良い。熱溶融
性樹脂フィルムの厚さは10μm〜50μmとすること
が好ましく、10μm未満ではピンホールが出来、施工
時塗布する施工糊中の水分が表面へ移行することを抑制
する不透湿防水層としての効果が薄れる。50μmを超
えると低密度紙壁紙が硬くなり、壁面施工下地の入隅、
出隅、あるいは起伏に合わせて施工しにくくなり、さら
には低密度紙壁紙の難燃化が阻害される。
【0014】表面保護フィルムと低密度紙との貼り合わ
せも、裏打ち紙と低密度紙の場合と同様にして行う。熱
溶融した表面保護フィルムを低密度紙に貼り合わせる場
合、その熱溶融した表面保護フィルムを低密度紙に押圧
する押圧ロールには、彫刻ロール(エンボスロール)を
使用して、貼り合わせと同時に押圧エンボス加工を行う
と良い。また接着剤を使用して貼り合わせる場合には、
接着剤をドクターによって表面保護フィルムに全面塗布
しても良いが、その後の押圧エンボスをしやすくする上
ではグラビアロール等でドット状に部分的に塗着すると
良い。また、表面保護フィルムをエクストルーダーから
熱溶融して押し出される熱溶融性樹脂を介して貼り合わ
せても良い。表面保護フィルムと貼り合わせた低密度紙
に熱溶融性樹脂フィルムを介して裏打ち紙を貼り合わせ
る場合は、その貼り合わせと同時に押圧エンボス加工を
行うと良い。
【0015】表面保護フィルムの厚みは5〜20μmと
する。5μm未満になると押圧エンボス加工時に破れや
すくなる一方、20μmを超えると、押圧エンボス加工
においてシャープ(鮮鋭)な凹凸が付けにくくなり、ま
た凹凸が硬くなって嵩高な低密度紙を使用する効果がな
くなってしまう。さらに燃焼時の発熱量が増えて、低密
度紙壁紙の難燃化が阻害されてしまう。
【0016】低密度紙壁紙に表面化粧のために必要とさ
れる模様を印刷する場合、表面保護フィルムには、低密
度紙に向き合う表面保護フィルムの裏面に印刷するのが
良い。なお、にフィルム裏面に図柄印刷後白ベタ印刷を
行うことにより、より隠蔽性を上げ、印刷を鮮明するこ
とができる。
【0017】本発明で用いられる低密度紙に使用される
カールドファイバーは、分子内架橋反応による化学結合
によってカールやネジレのような変形を固定化した、元
の繊維の長さと比べて見かけの長さが小さくなったパル
プ繊維のことをいう。カールドファイバーとしては公知
のものが使用できる。例えば、乾式架橋法、水性溶液架
橋法、実質上非水性溶液架橋法があり、それぞれ米国特
許第3,224,926号明細書、第3,241,55
3号明細書、第4,035,147号明細書に開示され
ている。架橋剤としてはホルムアルデヒドおよびホルム
アルデヒド付加物が最も公知であるが、それ以外にもC
2〜C8のジアルデヒド並びに酸官能基を有するC2〜
C8のモノアルデヒドを使用してセルロース系繊維の内
部を架橋させる(特公平5−71702号公報)方法等
が挙げられる。パルプ繊維に架橋剤を添加した後、機械
的撹拌を施し、次いでフラッフ化と加熱処理を行い、繊
維に変形を付与したまま固定するとカールの大きなカー
ルドファイバーが得られる。
【0018】本発明では湿潤カールファクターが0.4
〜1.0の範囲のカールドファイバーが用いられ、好ま
しくは0.5〜1.0の範囲のものが用いられる。湿潤
カールファクターが0.4未満であると嵩高性は小さく
なり、密度が高いものになる。一方、湿潤カールファク
ターが1.0を越えて大きくなると嵩高性に対する効果
よりもパルプ繊維に変形を付与する際の機械的処理の強
化によって生じるパルプ繊維の損傷による繊維強度低下
のため、紙粉の発生が顕著になるため好ましくない。
【0019】因みに、湿潤カールファクターは湿潤状態
で繊維の変形の程度を表す指標で、カールドファイバー
を室温下、24時間純水に浸漬後の実際の繊維長さ(L
A)と繊維の最大投影長さ(繊維を囲む長方形の最長辺
の長さ LB)を顕微鏡を用いて測定し、[(LA/L
B)−1]算出される値である。湿潤カールファクター
が0.4〜1.0の範囲のものはパルプ繊維に相当量変
形が付与されて屈曲しており、しかも架橋処理が施され
ているので繊維は剛直でありそのためこれらを単独で抄
紙したものは低密度になる。
【0020】さらに、 カールドファイバーとしては水
を保持する能力を示す保水度の値が10〜80%、好ま
しくは25〜60%が好ましい。保水度が10%未満の
ものはセルロース分子の(−OH)が少なすぎて繊維結
合が弱くなる、また80%を越えるものは湿潤状態で短
時間にカールが戻ってしまうために好ましくない。因み
に、保水度は、湿潤状態にある繊維を15分間3000G
の遠心力で脱水した後のその繊維が保持している水の量
を絶乾繊維1g当たりの量として表示した値(%)で定
義されるものでJAPAN TAPPI No.26−7
8に規定される。この値はセルロース繊維の水酸基(−
OH)の量、即ち繊維間の水素結合能力を相対的に表し
ている。
【0021】しかしながら、これら架橋結合を有するパ
ルプ繊維は、架橋処理によりセルロース分子の水酸基
(−OH)が減少し、そのためこのような繊維の親水性
は架橋処理を行わないパルプに比べ小さくなっており、
繊維間結合を形成する能力が低く、抄紙が困難である。
またカールドファイバー単独でシート化した場合、乾燥
後のシート強度は著しく低い。特開平9−41300号
公報では、カールドファイバーとともに微細繊維を配合
することが必須となっている。
【0022】本発明でのTMPは、サーモメカニカルパ
ルプの略記であり、蒸気加熱処理とリファイニング処理
によるパルプ化法で、加熱、加圧、スチーミング条件に
より繊維の開繊状態を制御することができる。製紙用に
用いられるTMPでは、チップはリグニンのガラス転移
点を超えない温度、すなわち、リグニンは軟化するが、
なおガラス状態として存在する温度に加熱される。この
場合、繊維はリファイニングによる主として一次膜と二
次膜外層との間で開裂し、繊維表面は粗くなり、親水性
のある長繊維の多いパルプとなる。この結果嵩高なシー
トができる。また、チップを化学処理してその後に加圧
下でリファイニングするCTMP法もある。漂白を施し
たBCTMPもある。原料となる樹種については針葉樹
でも広葉樹でも良い。ただし、TMP単独で嵩高なシー
トを得るためには繊維長の長い針葉樹を原料としたもの
が好ましい。嵩高なシートを得るためには、パルプ製造
工程でのリファイニングは1次リファイニングのみ方式
のものがより好ましい。
【0023】所望するシート物性によってはTMP単独
でも良く、その他のパルプを混抄しても良い。その他の
パルプとしては、NBKP、LBKP、その他の木材パ
ルプやリンターパルプ、麻パルプのような非木材パル
プ、またミクロフィブリルのような微細繊維でも良い。
なお、カールドファイバー、TMPは叩解せずに未叩解
で使用することが好ましいが、その他パルプは叩解して
も、未叩解でも適宜選択できる。パルプの配合量として
は、密度が0.1〜0.5g/cm3で厚み300μm
以上であれば、特に限定はないが、カールドファイバー
の配合量が90重量%を超えると抄紙が困難となるだけ
でなく、シート強度が発現しにくいため、カールドファ
イバーは90重量%以下で抄紙するのが良い。
【0024】カールドファイバーを配合せずTMPを主
成分として使用する場合、密度0.1〜0.5g/cm
3を確保するためには、未叩解で使用することが好まし
いが、叩解を施したとしても、TMPの繊維長が重さ加
重平均で2.3mm以上であることが好ましい。一般に
TMPを使用する場合、シート強度を発現させるため充
分な叩解を施すことが定法であるが、本発明ではカール
ドファイバーを配合しないな場合、TMPの繊維長が
2.3mm未満では、0.5g/cm3以下の密度が発
現しにくくなり、低密度紙として適さない。なお、より
好ましくは、カールドファイバーを配合しない場合は、
重さ加重平均で2.3mm以上のTMPが70重量%以
上配合されている方が、密度0.5g/cm3以下を発
現しやすい。
【0025】低密度紙の密度が0.1g/cm3未満で
は、概してシート強度・層間強度が低く、貼合時につぶ
れやすいとともに、エンボス加工時に低密度紙の層間か
ら剥離しやすい。また厚さが300μm未満では、ボリ
ューム感のあるエンボス柄が得られない。また流れ方向
(縦方向)のガーレー剛度(TAPPI T543om
−94)は40mN以下が好ましく、40mNを超えた
場合には、出来上がった低密度紙壁紙が硬く、保管用の
2インチ紙管に巻く際にしわになりやすい。また施工で
の壁面の出隅、入隅がきれいに決まらないといった問題
を招く。したがって、低密度紙の坪量としては、上記紙
質を満足する範囲であれば、特に制限はなく適宜選択で
きる。ただし、トータル壁紙重量が重すぎても施工性・
難燃性に悪影響を及ぼすこともあるため、好ましくは5
0〜150g/m2の範囲で抄造すると良い。
【0026】製紙用薬品としては、通常の抄紙で用いら
れるサイズ剤、その定着剤、紙力剤、湿潤紙力剤等が挙
げられる。サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、ス
チレンアクリル樹脂、ロジン等の内添サイズ剤がある。
その定着剤としてはカチオン化デンプンや硫酸バンド等
の薬品が選ばれる。紙力剤、湿潤紙力剤としてはポリア
クリルアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂等がある。もちろん本発明は前記薬品に限定されるも
のではない。また、カールドファイバーは親水性が低い
ため、均一分散しにくく、離解・分散助剤として界面活
性剤のような薬品を添加しても良い。
【0027】上記材料からなる原料・薬品のスラリーを
常法により抄紙する。抄紙は通常の長網抄紙機、円網抄
紙機、短網抄紙機、傾斜抄紙機、各種コンビネーション
抄紙機等のいずれでも良く、特に限定されるものではな
い。乾燥は通常の多筒ドライヤー、ヤンキードライヤ
ー、スルードライヤー等のいずれでも良く、特に限定さ
れない。なお、より低密度化するためには、極力プレス
圧は低下させることが好ましい。
【0028】かくして得られた低密度紙に各種高分子水
溶液をオフまたはオンマシンで含浸(サイズプレス)、
塗工、スプレーしても良い。含浸薬品としては、要求特
性によって適宜選択することができる。例えば表面強度
向上やエンボス性強化のためには、ポリビニルアルコー
ルやデンプンメチロール化メラミン、SBRラテック
ス、NBRラテックス等の天然・合成樹脂を含浸する。
また難燃性付与にはリン酸グアニジン、スルファミン酸
グアニジン等の水溶性難燃剤を含浸・塗工する。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下において%とあるのは、重量%を
示す。
【0030】実施例1 湿潤カ−ルファクター0.65、保水度50%のカール
ドファイバー(商標HBA−FF、米国ウエアハウザー
社製)90%(未叩解)とNBKP(ハウサンド社製、
450mlcsfまで叩解)10%を混合し、製紙薬品
を次の絶乾重量%で添加した。紙力剤としてポリアクリ
ルアミド系樹脂(商標:ポリストロン117、荒川化学
工業社製)0.3%、サイズ剤としてアルキルケテンダ
イマー(商標:サイズパインK287、荒川化学工業社
製)0.1%、その定着剤としてカチオン化デンプン
(商標:ソルダインCP−10A、大和化学工業社製)
0.8%、湿潤紙力剤としてポリアミド樹脂(商標:ア
ラフィックス125、荒川化学工業社製)0.3%であ
る。このように調製した紙料から実機の短網抄紙機にて
100g/m 2の低密度紙を抄紙した。乾燥は多筒式ド
ライヤーを使用し110℃で行った。得られた低密度紙
の厚さ、密度、ガーレー剛度を測定した。
【0031】次いで、この低密度紙の片面にグラビア印
刷したエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂フィルム
(商標エバールHF−M、厚み12μm、クラレ社製)
をエクストルージョンラミネーターにより押し出される
低密度ポリエチレン樹脂(ミラゾン16P、三井石油化
学工業社製、)の溶融樹脂フィルム(厚さ20μm)を
介して貼り合わせ、同時にその低密度紙の他の片面にの
難燃裏打ち紙(坪量60g/m2)をエクストルージョ
ンラミネートにより押し出される低密度ポリエチレン樹
脂(ミラゾン16P、三井石油化学工業社製、)の溶融
樹脂フィルム(厚さ30μm)を介して貼り合わせ、低
密度紙壁紙原反を作る。
【0032】この壁紙原反を100℃の加熱エンボスロ
ールを通し、低密度紙壁紙を得た。このようにして得ら
れた低密度紙壁紙に澱粉系施工糊を使用して壁面に施工
し、施工性を評価した。
【0033】測定方法 厚さ:JIS L 1906に準じ、2KPa荷重にて
厚さを測定した。 密度:JIS P 8118に準じ、密度を算出した。 ガーレー剛度:シートの柔軟性の目安として、TAPP
I T543om−94に準じ、ガーレー剛度を測定し
た。 エンボス性:出来上がった低密度紙壁紙のエンボスの入
り方、ボリューム感が良好なものを○とした。エンボス
がうまく入らないもの、またボリューム感が不足してい
るものを×とした。 施工性:低密度紙壁紙を施工してみて、しわの入り方、
出隅入隅の決まり方、オープンタイプ等を観察し、総合
的に施工性が良好なものを○、そうでないものを×とし
た。
【0034】実施例2 実施例1のカールドファイバーとTMP(パンパック社
製、ラジアタパイン100%、未叩解)を用い、カール
ドファイバー50%、TMP50%を混合した以外は実
施例1と同様に低密度紙を抄紙、貼合して、低密度紙壁
紙を得た。
【0035】実施例3 実施例1のTMP100%とした以外は実施例1と同様
に低密度紙を抄紙・貼合して、低密度紙壁紙を得た。な
お、TMPの重さ加重平均繊維長は2.7mmであっ
た。(カヤーニ繊維長測定装置により測定)
【0036】比較例1 実施例1のカールドファイバーを100%とした以外は
実施例1と同様に低密度紙を抄紙・貼合して低密度紙壁
紙を得た。
【0037】比較例2 実施例3のTMPをDDRにて叩解し、重さ加重平均繊
維長を2.2mmとし、該TMP100%とした以外は
実施例1と同様に抄紙、貼合して低密度紙壁紙を得た。
【0038】比較例3 実施例2のカールドファイバー50%とTMP50%の
配合で低密度紙の坪量を250g/m2とした以外は、
実施例1と同様に抄紙、貼合して低密度紙壁紙を得た。
【0039】比較例4 実施例3のTMPを100%とし、発泡性粒子として熱
膨張性マイクロカプセル(日本フィライト社製、エクス
パンセル007)を10%添加し、抄紙した以外は、実
施例1と同様に抄紙、貼合して低密度紙壁紙を得た。
【0040】比較例5 NBKP(ハウサンド社製、未叩解)を乾式パルプマッ
トフォーマーより散布して坪量50g/m2の層状マッ
トを形成し、非架橋型エチレン酢酸ビニル・エマルジョ
ン樹脂(住友化学工業(株)社製、EVA)水溶液をス
プレーして、坪量75g/m2のパルプ不織布を作製し
た。この不織布を用いて、実施例1と同様に貼合し、不
織布製壁紙を得た。各実施例および比較例の評価結果を
表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1からも明らかなように、所定内のカー
ルドファイバー、TMPを配合して、密度および剛度を
調整した低密度紙を用いて作製した低密度紙壁紙は、エ
ンボスにボリューム感があり、施工性も良好であった。
特に、実施例1、2は発泡エンボス・塩化ビニル壁紙と
比較してもエンボスのボリューム感は遜色ないレベルで
あった。
【0043】これに対し、カールドファイバー100%
では、密度は低いものの、抄紙性が悪く、また強度が低
いため、エンボス加工時に低密度紙の層間で剥がれてし
まう(比較例1)。密度が0.5g/cm3を超えたシ
ートでは、エンボスのボリューム感が不足する(比較例
2)。また低密度紙の剛度が40mNを超えた場合は、
出来上がった低密度紙壁紙の柔軟性が不足し、保管の際
のロールに巻き取る時に折れ皺が入ってしまうととも
に、施工時の壁の角がきれいに決まらない(比較例
3)。一方、熱膨張性マイクロカプセルを配合した低密
度紙は、エンボス性は良好であるものの、施工時に折れ
てしまったところのしわが戻りにくい(比較例4)。パ
ルプ不織布を用いた壁紙は貼合時に不織布がつぶてやす
く、エンボスにもボリューム感が不足してしまう(比較
例5)。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カールドファイバーおよび/またはTMPを主成分とす
る、密度が0.1〜0.5g/cm3で、厚さが300
μm以上、かつ流れ方向のガーレー剛度が40mN以下
の低密度紙を用いて、表面保護フィルム、および裏打ち
紙を貼り合わせた低密度紙壁紙は、エンボスのボリュー
ム感に優れ、施工性の良好な壁装材を提供することがで
きる。また、発泡エンボス・塩化ビニル壁紙とは異な
り、燃焼時に塩化水素ガスが発生しないという環境面で
の安全性も兼ね備えている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 充洋 静岡県富士市平垣300 王子紙器製造株式 会社内 (72)発明者 高橋 悟志 東京都中央区銀座5丁目12番8号 王子製 紙株式会社1号館内 Fターム(参考) 4L055 AC03 AF09 AF46 AG59 AG64 AG89 AJ02 AJ07 BE13 BE14 BE15 EA04 EA08 EA16 FA11 FA16 FA22 GA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏打ち紙に熱溶融性樹脂フィルムを介して
    パルプ繊維を素材として湿式抄紙機によって抄造された
    密度が0.1〜0.5g/cm3で厚みが300μm以
    上である低密度紙が貼り合わされており、その低密度紙
    の上に熱可塑性樹脂からなる表面保護フィルムが貼り合
    わされていることを特徴とする低密度紙壁紙。
  2. 【請求項2】上記低密度紙が下記の構成からなることを
    特徴とする請求項1記載の低密度紙壁紙。全パルプ繊維
    重量に対し (1)TMP 10〜100重量% (2)カールドファイバー 0 〜 90重量% (3)その他のパルプ 0 〜 40重量%
  3. 【請求項3】前記低密度紙にカールドファイバーを配合
    しない場合、該TMPの重さ平均繊維長が2.3mm以
    上であることを特徴とする低密度紙壁紙。
JP12942499A 1999-05-11 1999-05-11 低密度紙壁紙 Pending JP2000328499A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12942499A JP2000328499A (ja) 1999-05-11 1999-05-11 低密度紙壁紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12942499A JP2000328499A (ja) 1999-05-11 1999-05-11 低密度紙壁紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000328499A true JP2000328499A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15009167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12942499A Pending JP2000328499A (ja) 1999-05-11 1999-05-11 低密度紙壁紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000328499A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003010384A1 (en) * 2001-07-24 2003-02-06 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Bulky pulp, method for production thereof and converted paper or multi-ply paper using the bulky pulp

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003010384A1 (en) * 2001-07-24 2003-02-06 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Bulky pulp, method for production thereof and converted paper or multi-ply paper using the bulky pulp

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950004727B1 (ko) 열접착지 시트
US5895557A (en) Latex-saturated paper
JP5302544B2 (ja) 壁紙裏打ち用抄合わせ不織布及びその製造方法
JPWO2003010384A1 (ja) 嵩高パルプ、その製造方法、該嵩高パルプを用いた加工紙又は多層紙
JP2003154589A (ja) 熱膨張性積層体およびその積層体を用いた発泡紙容器
EP1857517A2 (en) Self-Releasing Lint Tape
SK131299A3 (en) Two-layer printable material
JP3351916B2 (ja) 低密度複合材料
JP2003003397A (ja) 2層発泡紙およびその製造方法
JPH07216781A (ja) 拭い用紙
JP2011208323A (ja) 壁紙用裏打ち紙及びそれを用いた壁紙
JP2000328499A (ja) 低密度紙壁紙
JP3818129B2 (ja) 壁装材およびその製造方法
JP2002054099A (ja) 低密度紙壁紙
JP4707043B2 (ja) クッション紙及びその製造方法
JP4262444B2 (ja) 加工紙及びそれを用いた紙壁紙
KR20040072039A (ko) 벽지 상층지
JP2005139571A (ja) 壁装材およびその製造方法
JP2002173899A (ja) 抄造された壁紙用不織布とその製造方法及び不織布壁紙
JP2955697B2 (ja) 化粧板用防水コート紙
JP2002249999A (ja) 加工紙及びそれを用いた紙壁紙
JP4698442B2 (ja) Icチップカード用紙及びそれを用いたicチップカード
JPH091974A (ja) 選挙用投票用紙
JP2017179645A (ja) 湿式不織布およびその製造方法
JP2003127317A (ja) 壁装材およびその製造方法