JP2955697B2 - 化粧板用防水コート紙 - Google Patents

化粧板用防水コート紙

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JP2955697B2 JP14530494A JP14530494A JP2955697B2 JP 2955697 B2 JP2955697 B2 JP 2955697B2 JP 14530494 A JP14530494 A JP 14530494A JP 14530494 A JP14530494 A JP 14530494A JP 2955697 B2 JP2955697 B2 JP 2955697B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化粧板用防水コート
紙に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
浴室、脱衣所、洗面所といったサニタリールーム、キッ
チンなどに用いられる建材、キッチンキャビネット等に
用いられるラミネート合板等の化粧板に用いられる防水
性を有するコート紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サニタリールーム、キッチンに用いられ
る壁面板、桟、収納庫用パネル、また、キッチンキャビ
ネット等は結露、水濡れし易く、防湿・防水性のあるも
のが必要であることから、種々のものが用いられてい
る。近年、生活様式の変化、ニーズの多様化等に伴っ
て、リビング用の壁面板、家具等の一般の化粧板には高
級感があり、生活に潤いを与えるような感触を有する高
品質のものが求められてきている。また、住居のトータ
ル的調和等の観点から、サニタリールーム、キッチンに
用いられる壁面板、桟、収納庫用パネル、また、キッチ
ンキャビネット等においてもリビング用の壁面板、家具
等と同様な高級感があり、生活に潤いを与えるような感
触を有する高品質のものが求められてきている。そのた
めには防湿・防水性のある化粧板が適している。しか
し、化粧板の基材であるパーチクルボード、中質繊維板
(MDF)は、いずれも防湿・防水性に乏しく、水を吸
収すると膨潤し、カールしたりカビが発生したりしてそ
のままでは使用できない。従って、サニタリールーム、
キッチンに用いられる壁面板、桟、収納庫用パネル、ま
た、キッチンキャビネット等に用いられるもののうち、
防湿・防水性のある化粧板としては、現在、リビング用
の壁面板、家具等に使用されているものと同様な、合
板、パーチクルボード、MDF等からなる基材に、印刷
を施した塩化ビニル等からなる化粧板用フィルムを貼合
した化粧板またはVカット合板、またはラッピングマシ
ンによりラッピングされた化粧板が利用されている。印
刷を施した塩化ビニル等からなる化粧板用フィルムは防
湿・防水性が高いこと、曲面状基材への貼合加工におい
てラッピングマシンの圧ロールによく追従すること等か
ら平面形状用化粧板に限らず曲面形状用化粧板にも多用
されている。しかしながら、塩化ビニルは素材経費が割
高であり、印刷に使用できるインク等には制約があって
高級感を出すのには限界がある。また、塩化ビニルの印
刷はグラビア印刷方式によって行われるが、印刷後の乾
燥工程での加熱による塩化ビニルフィルムの寸法安定性
悪化に伴うトラブルの発生を防止するためには、印刷・
乾燥速度を抑えなければならず、高速化できないため生
産性が低い。その上、燃焼時に有害ガスを発生する等と
いった難点があった。
【0003】ところで、化粧板用紙としては、(a)原
紙に樹脂を内添したもの、(b)抄造時、または抄造後
に樹脂を含浸させたもの(特開昭63−190092号
公報、特開昭63−190094号公報等参照)が知ら
れている。紙は安価であり、多種印刷方式が採用できる
こと、使用し得る印刷インクが広範囲に及ぶことから高
級感のある印刷が可能であり、合板、パーチクルボー
ド、MDF等からなる基材表面との接着性が塩化ビニル
と比べ格段に良好なものである。しかしながら、防湿・
防水性に欠けるとともに、紙に印刷−トップコートした
ものを用いても、トップコート層から水が浸入し、パー
チクルボード、MDFが膨潤し、カールしたりカビが発
生したりする。また、曲面状基材への貼合加工において
ラッピングマシンの圧ロールにより曲面形状基材の凹部
に押圧されると耐曲強度、紙間強度が充分でないことか
ら、クラック、亀裂、割れ目等が発生し易く、化粧板と
して使用中に摩擦等により毛羽立ったり、損傷を生じた
りし易い。そのため従来のこの種の化粧板用紙は、合板
等と貼合し天井等用の平面形状用化粧板等に用いられる
に過ぎなかった。
【0004】この出願の発明者は、鋭意研究の結果、す
でに、印刷適性の良好な化粧板用コート紙を発明するに
至っている(特開平4−314538号公報参照)。し
かしながら、該化粧板用コート紙も防湿・防水性、およ
び耐曲強度、紙間強度において充分とはいえなかった。
従って、紙の安価なこと、高級感のある印刷が可能なこ
とに加え、防湿・防水性、および耐曲強度、紙間強度に
優れ、Vカット合板、ラッピングマシンによる加工が可
能な化粧板に適したものの開発が希求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな事情に鑑み創案されたものであり、素材として安価
な紙を用い、防湿・防水性に優れ、曲面形状基材へのラ
ッピングおよびVカットにおける加工特性が良好で、高
級感のある化粧板を得ることができる化粧板用防水コー
ト紙を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、JIS P
8129で規定された表面強度が15〜32Aで、J
IS P 8119で規定された平滑度が200秒以上
である原紙の少なくとも片面に、填料を含有しないクリ
アー防水性樹脂としてのソープフリー乳化重合SBRラ
テックス、ソープフリー乳化重合NBRラテックス、ソ
ープフリー乳化重合MBRラテックスのうちのいずれか
乾燥重量で5〜25g/m塗工させることで達成さ
れた。
【0007】この発明で使用される原紙の条件を満たす
ものとしては、パルプ配合割合;L−BKPが80〜1
00%、N−BKPが0〜20%、フリーネス;180
〜350ccのものを用いることが好ましい。フリーネ
スは特に200〜310ccのものが望ましい。N−B
KPが20%を超えると、地合が悪くなり、塗工時に塗
工ムラが生じ、その結果印刷ムラを招くことになる。ま
た、フリーネスが180cc未満のものは、抄紙時に、
水切れ、乾燥性が悪くなり、ドライヤー接着ムラが発生
し光沢ムラ等を生ずることになる。逆に、フリーネスが
350ccを超えると、充分な紙間強度が得られない。
そして、後述のクリアー防水性樹脂成分の原紙表面への
塗着性、紙間強度のバランス等から、フリーネスは上述
の範囲であることが好ましい。
【0008】そして、パルプ液中に内添する薬品類のう
ち、紙力増強剤としては、カチオン化デンプン、ポリア
クリルアマイド樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂等を用いることができる。特に、カチオン化デンプン
は、ワイヤー剥離促進剤としても機能する。添加量は、
DRY30〜65kg/Tが好ましく、特に紙間強度を
上げるためには添加量DRY50〜60kg/Tが望ま
しい。その他、パルプ液中には、硫酸バンド等のサイズ
定着剤、ピッチ除去剤、ロジンサイズ剤(ケン化型、エ
マルジョン型)、消泡剤、酸化チタン等の填料を添加す
ることができる。
【0009】パルプ液は通常の長網抄紙機、ツインワイ
ヤー抄紙機、または丸網抄紙機によって抄造することが
できる。その後、約4.0%の水分率にまでヤンキード
ライヤー、または多筒式ドライヤーによって乾燥させ
る。
【0010】原紙としては、表面強度15〜32Aであ
って、平滑度200秒以上のものが好ましい。表面強度
が15〜32Aの範囲であれば、原紙に塗工されたクリ
ー防水性樹脂と相俟ってラッピングマシンのロールの
押圧によってもクラック、亀裂、割れ目等が発生せす、
Vカット合板のための曲げ加工に対し充分な耐曲強度を
有する。また、キッチンキャビネット等に用いられる化
粧板のうち高級なものはクロスカット後のテープ剥離強
度(紙間強度)に対しても充分な強度を有することが求
められる。こういったテープ剥離強度を満足するために
原紙としては、表面強度が特に20〜32Aのものであ
ることが望ましい。また、平滑度が200秒以上であれ
ばクリアー防水性樹脂液の塗工を均一に行うことができ
る。平滑度が200秒未満であると、クリアー防水性樹
脂液の塗工ムラが発生し、後の印刷ムラを招くことから
好ましくない。なお、原紙の平滑度は、原紙にクリアー
防水性樹脂液が均一に塗工可能な平滑度であればよく、
上限については、特に限定されるものではない。ただ、
抄紙・乾燥した原紙を使用する場合は、その技術的限度
である、500秒程度までの原紙が使用でき、スーパー
カレンダーを施した原紙の場合は800秒までのものが
使用できる。これを超える平滑度の原紙では、塗工時に
おけるクリアー防水性樹脂液の原紙への転移性が悪く、
その結果、塗工ムラを招き易いことから好ましくない。
【0011】そして、この発明で使用されるクリアー防
水性樹脂としては、ソープフリー乳化重合SBRラテッ
クス、ソープフリー乳化重合NBRラテックス、ソープ
フリー乳化重合MBRラテックスのうちのいずれかを用
いることができる。ソープフリー乳化重合とは、反応性
のある乳化剤を使用し、乳化重合終了時に乳化剤が生成
されたポリマーと反応しポリマー分子中に取り込まれる
ような重合をいう。ラテックスのソープフリー乳化重合
には、反応性のあるアリルアルコール誘導体の乳化剤を
用いることが好適である。ソープフリー乳化重合SBR
ラテックス、ソープフリー乳化重合NBRラテックス、
ソープフリー乳化重合MBRラテックスを用いることに
より、防湿・防水機能を付与することができる。これに
対し、ソープフリー乳化重合していないSBRラテック
ス、NBRラテックス、MBRラテックスでは、乳化剤
が存在しており、これが水を吸収するため防湿・防水機
能が充分でなく好ましくない。また、クリアー防水性樹
脂として、少なくとも内部架橋したSBRラテックス、
内部架橋したNBRラテックス、内部架橋したMBRラ
テックス、自己架橋したSBRラテックス、自己架橋し
たNBRラテックス、自己架橋したMBRラテックスの
うちのいずれかを用いることができる。内部架橋したS
BRラテックス、内部架橋したNBRラテックス、内部
架橋したMBRラテックスは、SBRラテックス、NB
Rラテックス、MBRラテックスを内部架橋剤によって
内部架橋させることで得ることができる。内部架橋によ
り、ポリマーの内部密度を高く(高分子量化すること)
することによって水に対する膨潤を抑制し、防湿・防水
機能を向上させることができる。内部架橋剤としては、
ジビニルベンゼン(DVB)が好適に用いられる。ま
た、自己架橋したSBRラテックス、自己架橋したNB
Rラテックス、自己架橋したMBRラテックスは、SB
Rラテックス、NBRラテックス、MBRラテックスを
自己架橋剤によって自己架橋させることで得られる。自
己架橋剤により、成膜時に架橋反応させてフィルム形成
を促進させ、これによって防湿・防水機能を向上させる
ことができる。自己架橋剤とてしては、nメチロールア
クリルアミド(n−MAM)、グリシジルメタクリレー
ト(GMA)が好適である。これらのクリアー防水性樹
脂は、単独または組み合わせて用いることができ、これ
は、対象とされる製品、すなわち、サニタリールーム、
キッチンに用いられる壁面板、桟、収納庫用パネル、ま
た、キッチンキャビネット等の要求品質(紙間強度、曲
げ強度等)に応じ適宜決定されるものである。
【0012】以上のようなものからなるクリアー防水性
樹脂は、ロールコーター法、エアーナイフコーター法、
ブレードコーター法、バーコーター法等公知の塗工法に
より、原紙の少なくとも片面に供給され塗工される。こ
のうち塗工面の平滑性の観点からブレードコーター法、
特にチップブレード法、ベントブレード法によるものが
好ましい。かかる方法により、クリアー防水性樹脂が乾
燥重量で5〜25g/m2 となるように原紙に塗工し、
化粧板用防水コート紙を得る。クリアー防水性樹脂の乾
燥重量が5g/m2 未満では原紙表面を均一にカバーリ
ングすることができず塗工ムラができ、その結果、防湿
・防水性が不十分なものとなってしまう。逆に、25g
/m2 を超えると塗工後の乾燥性が悪くなって塗工速度
が遅くなり、コスト高に繋がってしまう。なお、原紙の
裏面には、必要に応じ、公知のカール防止用の酸化デン
プン、防腐剤、耐水化剤を塗工することができる。そし
て、当然のことながら、クリアー防水性樹脂液の塗工は
両面であっても良い。
【0013】さらに、クリアー防水性樹脂液を塗工し乾
燥させた後、インキ受容性等の印刷特性を向上させるた
め化粧板用防水コート紙の少なくとも片面にチタン、ク
レー、および炭酸カルシウムからなるピグメント塗工を
施すこともできる。ピグメント塗工剤としては、チタ
ン、クレー、および炭酸カルシウム単体、またはこれら
を配合したものを用いる。これらのピグメント塗工液
は、ロールコーター法、エアーナイフコーター法、ブレ
ードコーター法、バーコーター法等公知の塗工法により
化粧板用防水コート紙表面に供給され塗工層を形成す
る。
【0014】そして、印刷光沢が必要な場合には、スー
パーカレンダー処理を施すことが好ましい。スーパーカ
レンダーのニップ圧、またはニップ段数は、必要とする
光沢度により適宜変更するが、通常、ニップ圧として
は、145〜250kg/cmが好ましく、ニップ段数
としては、5段以上が好ましい。その後、印刷を施し、
さらに必要により、表面保護材を公知の方法で塗工し、
極めて防湿・防水性の高い印刷済み化粧板用防水コート
紙製品を得ることができる。そして、これを合板等の基
材に貼合したり、ラッピングマシンによりラッピングし
て防湿・防水性のある化粧板を製造し、防湿・防水性の
必要な建材等に利用する。
【0015】
【作用】JIS P 8129で規定された表面強度が
15〜32Aで、JIS P8119で規定された平滑
度が200秒以上である原紙の少なくとも片面に、填料
を含有しないクリアー防水性樹脂としてのソープフリー
乳化重合SBRラテックス、ソープフリー乳化重合NB
Rラテックス、ソープフリー乳化重合MBRラテックス
のうちのいずれかが乾燥重量で5〜25g/m塗工さ
れてなる化粧板用防水コート紙は、防湿・防水性、耐曲
強度、紙間強度、平滑性、印刷光沢、インキ受容性に優
れ、Vカット合板、ラッピングマシンによる防湿・防水
用化粧板の製造に好適である。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
について説明する。もちろんこの発明は以下の例によっ
て限定されるものではない。 (実施例1) L−BKP100%、フリーネス200
cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増強剤DRY46
Kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速200m/分の
条件で抄造し、表面強度23A、平滑度410秒、米坪
30g/m2 の原紙を得た。ソープフリー乳化重合SB
Rラテックス(商品名パテラコールSB−302、大日
本インキ化学工業(株)製)を、該原紙片面にオフマシ
ン上でベントブレードコーターによって10g/m2
塗工量(乾燥重量)で塗工し、その後、塗工面をスーパ
ーカレンダーによって、速度500m/分、ニップ圧1
45kg/cm、ロール温度40℃の条件で処理して化
粧板用防水コート紙を得た。得られた化粧板用防水コー
ト紙を、酢酸ビニル系の接着剤を用いて、ラッピングマ
シンによりMDFにラッピングし化粧板を製造した。な
お、化粧板用防水コート紙の印刷適性を評価するため
に、硝化綿系インキによってグラビア印刷を施した。
【0017】試験方法および評価方法は以下の通りであ
り、結果は表1に示す通りである。 (a)フリーネスは、JIS P 8121に基づき、
カナダ標準型のフリーネステスターにより測定した。 (b)表面強度は、JIS P 8129に基づき、ワ
ックス法により測定した。 (c)平滑度は、JIS P 8119に基づき、ベッ
ク平滑度試験器を使用して測定した。 (d)透湿度は、JIS Z 0208に基づき、条件
B、すなわち、温度40℃、相対湿度90%において測
定した。 (e)防水性は、MDFと貼合した後、水に浸漬し、含
水による重量増加で評価した。 ◎:優 ○:良 ×:不適 (f)光沢度は、JIS P 8142に基づき、光沢
度計により測定した。 (g)印刷適性は、建材グラビア印刷を施し、網点の形
状を拡大し評価した。なお、印刷後、通常のウレタン系
のトップコートを施した。 ◎:優 ○:良 △:やや難 ×:不適 (h)テープ剥離強度は、塗工面にセロファンテープ
(登録商標)を強く張り付けた後、剥して表面繊維剥離
および紙間剥離状態を観察した。 ◎:優 ○:良 △:やや難 ×:不適 (i)クロスカット適性は、塗工面をカッターでクロス
カットし、セロファンテープ(登録商標)を強く張り付
けた後、剥して紙間剥離状態を観察した。 ◎:優 ○:良 △:やや難 ×:不適 (j)ラッピングマシン適性は、凹凸状部分の、クラッ
ク、亀裂、割れ目の発生状態を観察した。 ◎:全くなし ○:ほとんどなし △:ややあり ×:
不適 (k)Vカット適性は、所定の大きさに切り出たもの
を、十字状に折り拡開し、次に、裏返して再度十字状に
折り拡開し、塗工面側の折れ目に沿ってマジックインキ
(登録商標)を塗り、インキの染み込みの程度を裏面か
ら観察した。 ◎:全くなし ○:ほとんどなし △:ややあり ×:
不適 (l)耐汚染性は洗剤による塗工面の艶変化、および、
アルカリ(NaOH)、酸(HCl)による塗工面の艶
変化で評価した。 ◎:優 ○:良 △:やや難 ×:不適
【0018】(実施例2)L−BKP100%、フリー
ネス300cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増強剤
DRY46Kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速20
0m/分の条件で抄造し、表面強度18A、平滑度38
0秒、米坪30g/m2 の原紙を得た。ソープフリー乳
化重合SBRラテックス(商品名パテラコールSB−3
02、大日本インキ化学工業(株)製)を、該原紙片面
にオフマシン上でベントブレードコーターによって10
g/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗工し、その後、塗工
面をスーパーカレンダーによって、速度500m/分、
ニップ圧145kg/cm、ロール温度40℃の条件で
処理して化粧板用防水コート紙を得た。得られた化粧板
用防水コート紙を、酢酸ビニル系の接着剤を用いて、ラ
ッピングマシンによりMDFにラッピングし化粧板を製
造した。なお、化粧板用防水コート紙の印刷適性を評価
するために、硝化綿系インキによってグラビア印刷を施
した。実施例1と同じ試験・評価を行い、表1に示す通
りの結果を得た。
【0019】(実施例3)L−BKP100%、フリー
ネス350cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増強剤
DRY46Kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速20
0m/分の条件で抄造し、表面強度16A、平滑度37
0秒、米坪30g/m2 の原紙を得た。ソープフリー乳
化重合SBRラテックス(商品名パテラコールSB−3
02、大日本インキ化学工業(株)製)を、該原紙片面
にオフマシン上でベントブレードコーターによって10
g/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗工し、その後、塗工
面をスーパーカレンダーによって、速度500m/分、
ニップ圧145kg/cm、ロール温度40℃の条件で
処理して化粧板用防水コート紙を得た。得られた化粧板
用防水コート紙を、酢酸ビニル系の接着剤を用いて、ラ
ッピングマシンによりMDFにラッピングし化粧板を製
造した。なお、化粧板用防水コート紙の印刷適性を評価
するために、硝化綿系インキによってグラビア印刷を施
した。実施例1と同じ試験・評価を行い、表1に示す通
りの結果を得た。
【0020】(実施例4)L−BKP80%、N−BK
P20%、フリーネス200cc、ポリアクリルアマイ
ド系の紙力増強剤DRY46Kg/Tのパルプ液を長網
抄紙機で抄速200m/分の条件で抄造し、表面強度2
3A、平滑度350秒、米坪30g/m2の原紙を得
た。ソープフリー乳化重合SBRラテックス(商品名パ
テラコールSB−302、大日本インキ化学工業(株)
製)を、該原紙片面にオフマシン上でベントブレードコ
ーターによって10g/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗
工し、その後、塗工面をスーパーカレンダーによって、
速度500m/分、ニップ圧145kg/cm、ロール
温度40℃の条件で処理して化粧板用防水コート紙を得
た。得られた化粧板用防水コート紙を、酢酸ビニル系の
接着剤を用いて、ラッピングマシンによりMDFにラッ
ピングし化粧板を製造した。なお、化粧板用防水コート
紙の印刷適性を評価するために、硝化綿系インキによっ
てグラビア印刷を施した。実施例1と同じ試験・評価を
行い、表1に示す通りの結果を得た。
【0021】
【表1】
【0022】(実施例5)L−BKP100%、フリー
ネス200cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増強剤
DRY46Kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速20
0m/分の条件で抄造し、表面強度23A、平滑度41
0秒、米坪30g/m2 の原紙を得た。ソープフリー乳
化重合NBRラテックス(商品名パテラコールLP26
2−4、大日本インキ化学工業(株)製)を、該原紙片
面にオフマシン上でベントブレードコーターによって1
0g/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗工し、その後、塗
工面をスーパーカレンダーによって、速度500m/
分、ニップ圧145kg/cm、ロール温度40℃の条
件で処理して化粧板用防水コート紙を得た。得られた化
粧板用防水コート紙を、酢酸ビニル系の接着剤を用い
て、ラッピングマシンによりMDFにラッピングし化粧
板を製造した。なお、化粧板用防水コート紙の印刷適性
を評価するために、硝化綿系インキによってグラビア印
刷を施した。実施例1と同じ試験・評価を行い、表2に
示す通りの結果を得た。
【0023】(実施例6)L−BKP100%、フリー
ネス200cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増強剤
DRY46Kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速20
0m/分の条件で抄造し、表面強度23A、平滑度41
0秒、米坪30g/m2 の原紙を得た。ソープフリー乳
化重合MBRラテックス(商品名パテラコールLP26
2−5、大日本インキ化学工業(株)製)を、該原紙片
面にオフマシン上でベントブレードコーターによって1
0g/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗工し、その後、塗
工面をスーパーカレンダーによって、速度500m/
分、ニップ圧145kg/cm、ロール温度40℃の条
件で処理して化粧板用防水コート紙を得た。得られた化
粧板用防水コート紙を、酢酸ビニル系の接着剤を用い
て、ラッピングマシンによりMDFにラッピングし化粧
板を製造した。なお、化粧板用防水コート紙の印刷適性
を評価するために、硝化綿系インキによってグラビア印
刷を施した。実施例1と同じ試験・評価を行い、表2に
示す通りの結果を得た。
【0024】(比較例1)L−BKP100%、フリー
ネス200cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増強剤
DRY46Kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速20
0m/分の条件で抄造し、表面強度23A、平滑度41
0秒、米坪30g/m2 の原紙を得た。ソープフリー乳
化重合SBRラテックス(商品名パテラコールSB−3
02、大日本インキ化学工業(株)製)を、該原紙片面
にオフマシン上でベントブレードコーターによって3g
/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗工し、その後、塗工面
をスーパーカレンダーによって、速度500m/分、ニ
ップ圧145kg/cm、ロール温度40℃の条件で処
理して化粧板用防水コート紙を得た。得られた化粧板用
防水コート紙を、酢酸ビニル系の接着剤を用いて、ラッ
ピングマシンによりMDFにラッピングし化粧板を製造
した。なお、化粧板用防水コート紙の印刷適性を評価す
るために、硝化綿系インキによってグラビア印刷を施し
た。実施例1と同じ試験・評価を行い、表2に示す通り
の結果を得た。
【0025】(比較例2)米坪30g/m2 、表面強度
20A、平滑度200秒の市販の紙間強化紙を、酢酸ビ
ニル系の接着剤を用いて、ラッピングマシンによりMD
Fにラッピング加工を施し化粧板を製造した。なお、該
紙間強化紙の印刷適性を評価するために、硝化綿系イン
キによってグラビア印刷を施した。実施例1と同じ試験
・評価を行い、表2に示す通りの結果を得た。
【0026】(比較例3)市販の化粧板用塩化ビニルフ
ィルムを、酢酸ビニル系の接着剤を用いて、ラッピング
マシンによりMDFにラッピング加工を施し化粧板を製
造した。なお、該塩化ビニルフィルムの印刷適性を評価
するために、酢酸ビニル系インキによってグラビア印刷
を施した。実施例1と同じ試験・評価を行い、表2に示
す通りの結果を得た。
【0027】
【表2】
【0028】図1および表3に透湿度とクリアー防水性
樹脂塗工量との関係の一例を示す。これは、実施例1と
同一原紙、同一塗工液を用い塗工量を変えたものであっ
て、スーパーカレンダーをかける前のものとかけた後の
ものの透湿度を示す。スーパーカレンダーは実施例1と
同一条件で行ったものである。なお、比較のために、パ
ラフィンワックス配合系SBRラテックスを同一条件で
塗工した結果も示す。ソープフリー乳化重合SBRラテ
ックス(商品名パテラコールSB−302、大日本イン
キ化学工業(株)製)の塗工量が5g/m2 未満では原
紙表面を均一にカバーできず塗工ムラができ好ましくな
い。また、塗工量が25g/m2 を越えると乾燥性が悪
くなり、塗工速度を低下させる必要が生じ、生産効率上
好ましくない。また、ソープフリー乳化重合SBRラテ
ックス(商品名パテラコールSB−302、大日本イン
キ化学工業(株)製)を塗工し、スーパーカレンダーを
かけたものは、かけない前のものに比べ若干透湿度は落
ちるものの、グラビア印刷適性等を向上させるためには
スーパーカレンダーをかけることが好ましい。パラフィ
ンワックス配合系SBRラテックスを塗工しただけのも
のは、透湿度は低いものの、グラビア印刷適性を与える
ためにはスーパーカレンダーをかける必要があるが、ス
ーパーカレンダーをかけると透湿度が高くなり好ましく
ない。これは、パラフィンワックスがスーパーカレンダ
ーのドラムに移ってしまい、パラフィンワックスの塗工
膜ムラが生じるためと考えられる。
【0029】
【表3】
【0030】その他のクリアー防水樹脂による塗工量と
透湿度の関係もほぼ同様である。
【0031】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。JIS P 8129で規定された表面強度が1
5〜32Aで、JIS P8119で規定された平滑度
が200秒以上である原紙の少なくとも片面に、填料を
含有しないクリアー防水性樹脂としてのソープフリー乳
化重合SBRラテックス、ソープフリー乳化重合NBR
ラテックス、ソープフリー乳化重合MBRラテックスの
うちのいずれかが乾燥重量で5〜25g/m塗工され
てなる化粧板用防水コート紙は、防湿・防水性、耐曲強
度、紙間強度、平滑性、印刷光沢、インキ受容性に優
れ、Vカット合板、ラッピングマシンによる化粧板の製
造に好適であり、結露、水濡れ等に対しても、基材を膨
潤させたり、カールさせたりせず、また、カビを発生さ
せることがなく、高級感があり高品質のものを安価に提
供できることになり、従来の塩化ビニルを用いた化粧板
用フィルムに代替し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】透湿度とクリアー防水性樹脂塗工量との関係を
示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 27/20 D21H 27/20 A E04B 1/66 E04B 1/66 A

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS P 8129で規定された表面
    強度が15〜32Aで、JIS P 8119で規定さ
    れた平滑度が200秒以上である原紙の少なくとも片面
    に、填料を含有しないクリアー防水性樹脂としてのソー
    プフリー乳化重合SBRラテックスが乾燥重量で5〜2
    5g/m塗工されてなることを特徴とする化粧板用防
    水コート紙。
  2. 【請求項2】 JIS P 8129で規定された表面
    強度が15〜32Aで、JIS P 8119で規定さ
    れた平滑度が200秒以上である原紙の少なくとも片面
    に、填料を含有しないクリアー防水性樹脂としてのソー
    プフリー乳化重合NBRラテックスが乾燥重量で5〜2
    5g/m塗工されてなることを特徴とする化粧板用防
    水コート紙。
  3. 【請求項3】 JIS P 8129で規定された表面
    強度が15〜32Aで、JIS P 8119で規定さ
    れた平滑度が200秒以上である原紙の少なくとも片面
    に、填料を含有しないクリアー防水性樹脂としてのソー
    プフリー乳化重合MBRラテックスが乾燥重量で5〜2
    5g/m塗工されてなることを特徴とする化粧板用防
    水コート紙。
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