JP2000326406A - インフレーションフィルムおよび該フィルムの製造方法 - Google Patents

インフレーションフィルムおよび該フィルムの製造方法

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JP2000326406A
JP2000326406A JP13703299A JP13703299A JP2000326406A JP 2000326406 A JP2000326406 A JP 2000326406A JP 13703299 A JP13703299 A JP 13703299A JP 13703299 A JP13703299 A JP 13703299A JP 2000326406 A JP2000326406 A JP 2000326406A
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film
ethylene
polymer
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Kazuhiro Hara
一博 原
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い強度と縦・横方向の強度バランスに優
れ、低温ヒートシール特性に優れたフィルムおよび該フ
ィルムの製造方法の提供。 【解決手段】 (イ)密度(d):0. 86 〜0. 9
7g/cm3 、(ロ)MFR:0.01〜100g/1
0分、(ハ)分子量分布:1.5〜5.0、(ニ)組成
分布パラメーターCb:2.00以下、の条件を満足す
るエチレン系重合体からなるフィルムであって、横方向
(TD)に沿って形成された結晶ラメラに起因する長周
期L(ラメラ間距離)が150以上175Å未満、TD
方向に沿って形成された結晶ラメラの厚みが50〜65
Å、フィルム中のTD方向に沿って形成された非晶部の
厚みが100〜113Å、引裂強度が、縦方向(MD)
で15Kgf/cm以上、TD方向で45Kgf/cm
以上、ヒートシールの温度が110℃以下、強度が0.
6Kg/mm幅以上であるインフレーションフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種包装袋や包装
材料として使用するに適するインフレーションフィルム
および該フィルムの製造方法に関し、特に高強度と縦・
横の強度バランスが良く低温ヒートシール性に優れたイ
ンフレーションフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種包装袋や包装材料として使用
し得るインフレーションフィルムとして高圧ラジカル法
低密度ポリエチレン(LDPE)が汎用されている。し
かしLDPEは、透明性等の光学的性質に優れるもの
の、耐衝撃性、引裂強度等の機械的性質に劣るという欠
点を有している。一方、チーグラー系触媒等の重合触媒
を用いるイオン重合で得られる高密度ポリエチレン(H
DPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
超低密度ポリエチレン(VLDPE)は直鎖状の分子構
造を有し、前記LDPEと比較すると耐衝撃性、引裂強
度等の機械的性質に優れるという利点を有している。特
に密度0.94g/cm3 以下のLLDPEは、エチレ
ンとコモノマーである炭素数3〜20のαーオレフイン
との共重合体からなり、前記HDPEと比較して柔軟
性、耐衝撃性、耐クリープ性等に優れ、またLDPEと
比較して耐衝撃性、耐クリープ性等に優れるため、包装
材料、特にフィルム、ラミネーションなどの分野で広く
用いられている。
【0003】しかしながら、フィルム材料としてのLL
DPEは、HDPE、LDPEと比較して溶融時におけ
る流動性が悪く、成形加工性に劣るという問題を有して
いる。すなわち、LLDPEは、流動時のニュートン性
が極めて高く、高せん断速度領域において、せん断応力
が大きく、かつ成形時にメルトフラクチャーを生じ易い
ため高速成形性に劣るとともに、成形加工時に流動のた
めの所要エネルギーが大きいという問題がある。また、
LLDPEは、溶融伸張変形時の抵抗力、すなわち、溶
融張力(メルトテンション)が極めて小さく、このため
インフレーション成形時にバブルを安定的に膨張するこ
とができないという欠点を有している。このような問題
点を解決するために、通常はLLDPEに10〜30重
量%のLDPEを配合してフィルム成形が行なわれてい
る。しかしながら、LLDPEにLDPEを配合すると
流動性あるいはメルトテンションは多少改善されるもの
の、流動方向への結晶配向が著しく進行することおよび
両ポリエチレン分子の混和性、分散性の低下により、L
LDPEが本来有している機械的強度や、縦・横方向の
強度バランスが得られないという新たな問題点が生じ
る。また、自動製袋機等に使用するフィルムにおいて
は、成形性のより高速化が要求され、一層の低温ヒート
シール特性に優れるフィルムが要望されている。
【0004】高速でヒートシールをする場合、短時間で
ヒートシールされるので溶着が不十分となり、強度が不
足しやすい。これを改善する方法の一つとして、ヒート
シールバーの温度を高くする方法があるが、この方法で
は積層した樹脂がカールしてしまうなどの問題が生じ
る。また別の方法として、樹脂の密度を低くし、融点を
下げる方法がある。しかし従来のLLDPEでは密度を
低くすると高分岐度低分子量成分が増加し、それが表面
に溶出し、フィルムがべたべたし、口開き性が悪化した
り、それらが内容物に移行したりする欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたもので、高い強度と縦・横方向
の強度バランスに優れ、低温ヒートシール特性に優れた
フィルムおよび該フィルムの製造方法の開発を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1) 下記(イ)〜(ニ)の要件を満足するエチレン
(共)重合体 (イ)密度(d):0. 86 〜0. 97g/cm3 、 (ロ)メルトフローレート(MFR):0.01〜10
0g/10分、 (ハ)分子量分布(Mw/Mn):1.5〜5.0、 (ニ)組成分布パラメーターCb:2.00以下、 からなるインフレーションフィルムであって、フィルム
中の横方向(TD)に沿って形成された結晶ラメラに起
因する長周期L(ラメラ間距離)が150以上175オ
ングストローム(Å)未満、フィルム中のTD方向に沿
って形成された結晶ラメラの厚みが50〜65オングス
トローム(Å)、フィルム中のTD方向に沿って形成さ
れた非晶部の厚みが100〜113オングストローム
(Å)、フィルムの引裂強度が、縦方向(MD)で15
Kgf/cm以上、TD方向で45Kgf/cm以上、
フィルムのヒートシール温度が110℃以下、ヒートシ
ール強度が0.6Kg/mm幅以上であるインフレーシ
ョンフィルム、
【0007】(2) 下記(イ)〜(ヘ)の要件を満足
するエチレン(共)重合体 (イ)密度(d):0. 86 〜0. 97g/cm3 、 (ロ)メルトフローレート(MFR):0.01〜10
0g/10分、 (ハ)分子量分布(Mw/Mn):1.5〜5.0、 (ニ)組成分布パラメーターCb:1.08〜2.0
0、 (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが実質的に複数個存在すること、 (ヘ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分量X(wt%)と密度(d)及びメルトフロー
レート(MFR)が次の関係を満足すること、 a)d−0. 008logMFR≧0. 93の場合、 X<2. 0、 b)d−0. 008logMFR<0. 93の場合、 X<9. 8×103 ×( 0. 9300−d+0. 008
logMFR)2+2. 0 からなるインフレーションフィルムであって、フィルム
中のTD方向に沿って形成された結晶ラメラに起因する
長周期L(ラメラ間距離)が150以上175オングス
トローム(Å)未満、フィルム中のTD方向に沿って形
成された結晶ラメラの厚みが50〜65オングストロー
ム(Å)、フィルム中のTD方向に沿って形成された非
晶部の厚みが100〜113オングストローム(Å)、
フィルムの引裂強度が、MD方向で15Kgf/cm以
上、TD方向で45Kgf/cm以上、フィルムのヒー
トシール温度が110℃以下、ヒートシール強度が0.
6Kg/15mm幅以上であるインフレーションフィル
ム、 (3) 前記エチレン(共)重合体が、少なくとも共役
二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表第IV族の遷移
金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンまたはエチレ
ンとα−オレフィンを(共)重合させて得られるエチレ
ン(共)重合体である前記(1)または(2)に記載の
インフレーションフィルム、
【0008】(4) 上記(1)または(2)の要件を
満足するエチレン(共)重合体を用いて、引取速度を2
0〜120m/分、ブローアップ比2〜4、フロストラ
イン100〜700mmでインフレーションフィルム成
形を行なうインフレーションフィルムの成形方法、及び (5) 前記エチレン(共)重合体が、少なくとも共役
二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表第IV族の遷移
金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンまたはエチレ
ンと1−ブテンを(共)重合させて得られるエチレン
(共)重合体である前記(4)記載のインフレーション
フィルムの製造方法を開発して上記の目的を達成した。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳述する。本発
明のエチレン(共)重合体とは、エチレン単独重合体ま
たはエチレンと1−ブテンとの共重合体であって、エチ
レンまたはエチレンと1−ブテンとを共重合させること
により得られる下記(イ)〜(ニ)の要件、 (イ)密度が0. 86 〜0. 97g/cm3 (ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0 (ニ)組成分布パラメーターCbが2.00以下 を満足するエチレン(共)重合体である。本発明のエチ
レン(共)重合体の1−ブテンの含有量は、合計で30
モル%以下、好ましくは3〜20モル%の範囲から選択
されるのが好ましい。
【0010】また本発明のエチレン(共)重合体の
(イ)密度は0.86〜0.97g/cm3 、好ましく
は0.89〜0.95g/cm3 、さらに好ましくは
0.9 〜0.94g/cm3 の範囲であり、(ロ)メ
ルトフロレート(以下MFRと称す)は0.01〜10
0g/分、好ましくは0.1〜50g/分、さらに好ま
しくは0.5〜40g/10分の範囲である。密度が
0.86g/cm3未満のものは柔らかすぎて、剛性、
耐熱性が不良となり、抗ブロッキング性が劣るものとな
る。また0.97g/cm3 を超えると硬すぎて、引裂
強度、衝撃強度等が低くなる。MFRが0.01g/1
0分未満では加工性が不良となり、100g/10分を
越えると強度が弱いものとなる。
【0011】本発明のエチレン(共)重合体の(ハ)M
w/Mnは、1.5〜5.0の範囲、好ましくは1.6
〜4.5、さらに好ましくは1.7〜4.0の範囲であ
る。上記Mw/Mnが1.5未満では成形加工性が劣
り、5.0を超えるものは耐衝撃性が劣る。一般にエチ
レン(共)重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル
パーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求
め、それらの比(Mw/Mn)を算出することにより求
めることができる。
【0012】本発明のエチレン(共)重合体の(ニ)組
成分布パラメーター(Cb)は2.00以下であり、組
成分布パラメーター(Cb)が2. 00より大きいとブ
ロッキングしやすく、ヒートシール性も不良となり、ま
た低分子量あるいは高分岐度成分の樹脂表面へのにじみ
出しが多く衛生上の問題が生じる。
【0013】本発明のエチレン(共)重合体の(ニ)組
成分布パラメーター(Cb)の測定法は下記の通りであ
る。すなわち、酸化防止剤を加えたオルソジクロルベン
ゼン(ODCB)に試料を濃度が0.2重量%となるよ
うに135℃で加熱溶解した後、けい藻土(セライト5
45)を充填したカラムに移送した後、0.1℃/min
の冷却速度で25℃まで冷却し、共重合体試料をセライ
ト表面に沈着する。次に、この試料が沈着されているカ
ラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を
5℃きざみに120℃まで段階的に昇温して行く。する
と各温度に対応した溶出成分を含んだ溶液が採取され
る。この溶液にメタノールを加え、試料を沈澱後、ろ
過、乾燥し、各温度における溶出試料を得る。各試料
の、重量分率および分岐度(炭素数1000個あたりの
分岐数)を測定する。分岐度は13C−NMRで測定し求
める。
【0014】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては次のような、分岐度の補
正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度
をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、
検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。
この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度と
する。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクショ
ンについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成
立しないのでこの補正は行わない。
【0015】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
i を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi
−biー1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対
して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この
組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パ
ラメーターCbを算出する。
【0016】
【数1】Cb=[ΣCjj 2/Σcjj ]×[Σcj
/Σcjj
【0017】ここで、cj とbj はそれぞれj番目の区
分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターC
bは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成
分布が広がるに従って値が大きくなる。なお、エチレン
・α−オレフィン共重合体の組成分布を表現する方法は
多くの提案がなされている。例えば特開昭60−880
16号では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐
数に対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分
布)をすると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度
(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。こ
の近似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規
分布からずれると精度が下がり、市販のLLDPEにつ
いて測定を行うと相関係数R2はかなり低く、値の精度
は充分でない。また、このCw/Cnの測定法および数
値処理法は、本発明のCbのそれと異なるが、あえて数
値の比較を行えば、Cw/Cnの値は、Cbよりかなり
大きくなる。
【0018】本発明のエチレン(共)重合体は、前記
(イ)〜(ニ)のパラメータを満足することにより、本
発明の目的とするインフレーションフイルムとして良好
な性能を発揮するが、より好ましくは、下記(イ)〜
(ヘ)の要件 (イ)密度が0. 86 〜0. 96g/cm3 (ロ)メルトフローレート0.01〜100g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0 (ニ)組成分布パラメーターCbが1.08〜2.00 (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが実質的に複数個存在すること (ヘ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分量X(wt%)と密度d及びMFR(メルトフ
ローレート)が次の関係を満足足すること a)d−0. 008logMFR≧0. 93の場合 X<2. 0 b)d−0. 008logMFR<0. 93の場合 X<9. 8×103 ×( 0. 9300−d+0. 008
logMFR)2+20 を満足するエチレン(共)重合体を使用することが望ま
しい。
【0019】本発明の特殊なエチレン(共)重合体は、
前記エチレン(共)重合体の(イ)〜(ハ)の要件にさ
らに(ニ)〜(ヘ)の要件を満足するものである。該特
殊なエチレン(共)重合体の(ニ)組成分布パラメータ
ーCbは、1.08〜2.00の範囲であり、好ましく
は1 .10〜1 .80、より好ましくは 1.15〜1 .
70の範囲であることが望ましい。
【0020】また、(ホ)連続昇温溶出分別法(TRE
F)による溶出温度−溶出量曲線のピークが実質的に複
数個存在し、この複数のピークは望ましくは85℃から
100℃の間に存在することが特に望ましい。このピー
クが存在することにより製品の耐熱性が向上する。
【0021】上記本発明のエチレン(共)重合体は、図
1に示されるような連続昇温溶出分別法(TREF)に
より求めた溶出温度−溶出量曲線において、実質的にピ
ークを複数個有する特殊な新規エチレン(共)重合体で
あり、図2に示されるようなメタロセン系触媒、すなわ
ち、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律
表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒
下の存在下で得られるエチレン(共)重合体を連続昇温
溶出分別法(TREF)により求めた時の溶出温度−溶
出量曲線において、実質的にピークを1個だけのエチレ
ン(共)重合体とは明確に区別される。
【0022】本発明に関わるTREFの測定方法は下記
の通りである。試料を酸化防止剤(例えば、ブチルヒド
ロキシトルエン)を加えたODCBに、試料濃度が0.
05重量%となるように加え135℃で加熱溶解する。
この試料溶液5mlをガラスビーズを充填したカラムに注
入し、0. 1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、試
料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムに
ODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃
/hrの一定速度で昇温しながら、試料を順次溶出させ
る。この際、溶剤中に溶出する試料の濃度は、メチレン
の非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸収を赤
外検出機で測定することにより連続的に検出される。こ
の値から、溶液中のエチレン・1−ブテン共重合体の濃
度を定量分析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。
TREF分析によれば、極少量の試料であっても、温度
変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため
分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可
能である。
【0023】本発明のエチレン(共)重合体の(ヘ)2
5℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶
分量X(wt% )と密度dおよびMFR(メルトフローレ
ート)の関係は、dおよびMFRの値が、d−0. 00
8log MFR≧0. 93を満たす場合は、Xは2重量%
未満、好ましくは1重量%未満、d−0. 008log M
FR<0. 93の場合は、 X<9. 8×103 ×( 0. 9300−d+0. 008
log MFR)2+2. 0 好ましくは、 X<7. 4×103 ×( 0. 9300−d+0. 008
log MFR)2+1. 0 より好ましくは、 X<5. 6×103 ×( 0. 9300−d+0. 008
log MFR)2+0. 5 の関係を満足していることが望ましい。
【0024】上記25℃におけるODCB可溶分の量
は、下記の方法により測定する。試料0. 5gを20m
lのODCBにて135℃で2時間加熱し、試料を完全
に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃
で一晩放置後、テフロン製フィルターでろ過してろ液を
採取する。このろ液のメチレンの非対称伸縮振動の波数
2925cm-1付近の吸収ピーク面積を求め、予め作成し
た検量線により試料濃度を算出する。この値より、25
℃におけるODCB可溶分量が求まる。
【0025】25℃におけるODCB可溶分は、エチレ
ン・1−ブテン共重合体に含まれる高分岐度成分および
低分子量成分であり、衛生性の問題や成形品内面のブロ
ッキングの原因となる為、この含有量は少ないことが望
ましい。ODCB可溶分の量は、コモノマーの含有量お
よび分子量に影響される。従ってこれらの指標である密
度およびMFRとODCB可溶分の量が上記の関係を満
たすことは、共重合体全体に含まれる1−ブテンの偏在
が少ないことを示す。
【0026】上記本発明のエチレン(共)重合体は、前
記特定のパラメーターを満足すれば触媒、製造方法等に
特に限定されるものではないが、好ましくは少なくとも
共役二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表第IV族の
遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンまたはエ
チレンと1−ブテンを(共)重合させて得られるエチレ
ン(共)重合体であることが望ましい。
【0027】本発明のエチレン(共)重合体の製造は、
特に以下のa1 〜a4の化合物を混合して得られる触媒
で重合することが好ましい。 a1 :一般式Me11 p2 q(OR3r1 4-p-q-r
表される化合物(式中Me1 はジルコニウム、チタン、
ハフニウムを示し、R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1
〜24の炭化水素基、R2 は、2,4- ペンタンジオナ
ト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子
またはその誘導体、X1 はハロゲン原子を示し、p、q
およびrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦
4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす数である) a2 :一般式Me24 m(OR5n2 z-m-nで表され
る化合物(式中Me2は周期律表第I〜III 族元素、R4
およびR5 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、
2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水
素原子の場合Me2 は周期律表第III 族元素の場合に限
る)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnはそ
れぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であ
り、かつ、0≦m+n≦zである) a3 :共役二重結合を持つ有機環状化合物 a4 :Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
オキシ化合物および/またはホウ素化合物。
【0028】以下、更に詳説する。上記触媒成分a1 の
一般式Me11 p2 q(OR3r1 4-p-q-rで表され
る化合物の式中、Me1 はジルコニウム、チタンまたは
ハフニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定され
るものではなく、複数を用いることもできるが、共重合
体の耐候性の優れるジルコニウムが含まれることが特に
好ましい。R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜24の
炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ま
しくは1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル
基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル
基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチ
ル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、
フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基な
どが挙げられる。これらは分岐があってもよい。R2
は、2.4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導
体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト
配位子またはその誘導体を示す。X1 はフッ素、ヨウ
素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。pおよ
びqはそれぞれ、0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦
4、0≦p+q+ r≦4の条件を満たす数である。
【0029】上記触媒成分a1 の一般式で示される化合
物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエ
チルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テト
ラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロ
ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブ
トキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げら
れ、特にテトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキ
シジルコニウムなどのZr(OR)4 化合物が好まし
く、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
また、前記2, 4−ペンタンジオナト配位子またはその
誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセト
ナト配位子またはその誘導体の具体例としては、テトラ
(2, 4−ペンタンジオナト)ジルコニウム、トリ
(2, 4−ペンタンジオナト)クロライドジルコニウ
ム、ジ(2, 4−ペンタンジオナト)ジクロライドジル
コニウム、(2, 4−ペンタンジオナト)トリクロライ
ドジルコニウム、ジ(2, 4−ペンタンジオナト)ジエ
トキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナ
ト)ジ- n- プロポキサイドジルコニウム、ジ(2, 4
ーペンタンジオナト)ジ- n- ブトキサイドジルコニウ
ム、ジ(2, 4−ペンタンジオナト)ジベンジルジルコ
ニウム、ジ(2, 4−ペンタンジオナト)ジネオフイル
ジルコニウム、テトラ(ジベンゾイルメタナト)ジルコ
ニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジエトキサイドジ
ルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジ−n−プロ
ポキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)
ジ−n−ブトキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルア
セトナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイ
ルアセトナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、
ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−ブトキサイドジル
コニウム等があげられる。
【0030】上記触媒成分a2の一般式Me24 m(O
5n2 z-m-nで表される化合物の式中Me2 は周期
律表第I〜III 族元素を示し、リチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、
アルミニウムなどである。R 4 およびR5 はそれぞれ炭
素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜1
2、更に好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基
などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニ
ル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル
基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベン
ジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベン
ズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などの
アラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があって
もよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などの
ハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただ
し、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミニ
ウムなどに例示される周期律表第III 族元素の場合に限
るものである。また、zはMe2 の価数を示し、mおよ
びnはそれぞれ、0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満た
す整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0031】上記触媒成分a2の一般式で示される化合
物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなど
の有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチ
ルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチ
ルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合
物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合
物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボ
ロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイド
ライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げ
られる。
【0032】上記触媒成分a3 の共役二重結合を持つ有
機環状化合物は、環状で共役二重結合を2個以上、好ま
しくは2〜4個、更に好ましくは2〜3個有する環を1
個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましく
は4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化水
素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的に
は、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル基)
で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を2個
以上、好ましくは2〜4個、更に好ましくは2〜3個有
する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する
有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に1〜
6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリウム
またはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物が含
まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロペン
タジエン構造をもつものが望ましい。
【0033】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0034】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 AL SiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0035】上記成分a3 の有機環状炭化水素化合物の
具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペン
タジエン、エチルシクロペンタジエン、1, 3−ジメチ
ルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−イ
ンデン、4, 7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリ
エン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテト
ラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのよ
うな炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロ
ポリエンが挙げられ、また環状炭化水素基を有するケイ
素化合物の具体例としては、モノシクロペンタジエニル
シラン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシク
ロペンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビス
インデニルシラン、トリスインデニルシランなどが挙げ
られる。
【0036】触媒成分a4のAl−O−Al結合を含む
変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルアル
ミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常ア
ルミノキサンと称される変性有機アルミニウムオキシ化
合物が得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは
1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。また、変
性有機アルミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもい
ずれでもよい。
【0037】変性有機アルミニウムオキシ化合物製造の
ため、有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化
水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水
素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との反応比
(水/Alモル比)は通常0. 25/1〜1. 2/1、
好ましくは0. 5/1〜1/1であることが望ましい。
【0038】また触媒成分a4 のホウ素化合物として
は、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリエチ
ルアルミニウム(トリエチルアンモニウムテトラ(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、テトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ酸ジメチルアニリニウム(ジメチルア
ニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、ブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、N, Nージメチルアニリニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N, Nージメチ
ルアニリニウムテトラ(3, 5ージフルオロフェニル)
ボレート等が挙げられる。
【0039】上記触媒はa1〜a4を混合接触させて使
用してもよいが、好ましくは無機担体および/または粒
子状ポリマー担体(a5)に担持させて使用することが
望ましい。該無機物担体および/または粒子状ポリマー
担体(a5)とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属
塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体
に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミ
ニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的にはSiO
2 、Al23 、MgO、ZrO2 、TiO2 、B2
3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 等またはこれら
の混合物が挙げられ、SiO 2 −Al23 、SiO2
−TiO2 、SiO2 −V25 、SiO2 −MgO、
SiO2 −Cr23 等が挙げられる。これらの中でも
SiO2 およびAl23 からなる群から選択された少
なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
【0040】また、粒子状ポリマー担体としては、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的に
は粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、
ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およ
びこれらの混合物等が挙げられる。上記無機物担体およ
び/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用するこ
ともできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体
を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む
変性有機アルミニウム化合物などに接触処理させた後に
成分a5 として用いることもできる。
【0041】上記触媒を使用して得られるエチレン
(共)重合体は分子量分布および組成分布が比較的狭い
ため、機械的強度が強く、ヒートシール性、抗ブロッキ
ング性に優れしかも耐熱性の良い重合体であり、重合時
の触媒成分を実質的に塩素等のハロゲンを含まないもの
とすると、得られる重合体にもこれらハロゲンが含まれ
ずしたがって化学的安定性、衛生性が優れ、特に食品包
装材、医療用包装材等に好適なものである。
【0042】本発明に使用するエチレン(共)重合体
は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相
重合法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造すれば得
られ、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等
に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在
下で製造される。
【0043】重合条件は特に限定されないが、重合温度
は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、更
に好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧
法の場合、通常常圧〜70kg/cm2 G、好ましくは
常圧〜20kg/cm2 Gであり、高圧法の場合通常1
500kg/cm2 G以下が望ましい。重合時間は低中
圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時
間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、
好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合は
一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合
圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段
階以上の多段重合法など、特に限定されるものではな
い。
【0044】本発明のフイルムは、上記新規なエチレン
(共)重合体からなるインフレーションフィルムであっ
て、フィルム中のTD方向に沿って形成された結晶ラメ
ラにする起因する長周期L(ラメラ間距離)が150以
上、175未満Å、より好ましくは152〜170Å、
更に好ましくは154〜170Åの範囲である。フイル
ム中のTD方向に沿って形成された結晶ラメラの厚みが
50〜65Å、より好ましくは52〜60Å、更に好ま
しくは54〜58Åの範囲である。フイルム中のTD方
向に沿って形成された非晶部の厚みが100〜113
Å、より好ましくは102〜111Å、更に好ましくは
104〜109Åの範囲である。この範囲であれば強度
が高く、フイルムのMD方向の引裂強度が15Kgf/
cm以上、TD方向の引裂強度が45Kgf/cm以上
の強度バランスのよいフイルムができ、かつ低温ヒート
シール性に優れ、フイルムのヒートシール温度が、11
0℃以下、ヒートシール強度を0.6Kg/15mm幅
以上であるフイルムを得ることが可能である。
【0045】長周期Lが150Å以下のものを生成する
ためには、急冷却が必要となり、既存のインフレーショ
ン成形装置で製造方法することは難しく、とりわけ生産
速度が極端に低下し実用的でない。長周期Lが174Å
以上では結晶ラメラ間に挿入されるタイ分子の数が減少
し強度が弱くなる。結晶ラメラの厚みが50Å以下では
フイルムの弾性率が低下し腰がなくなる。また、耐ブロ
ッキング性が低下し、フイルムチューブの開口性が低下
する。結晶ラメラの厚みが61Å以上では、低温ヒート
シール性が低下する(ヒートシール温度が高くなる)。
非晶部の厚みが100Å以下では耐衝撃強度が低下し、
非晶部の厚みが113Å以上では引張伸び(伸度)が大
きくなり、袋等の包装材料として実用的でない。
【0046】本発明の長周期L(ラメラ間距離)は、一
般に用いられている小角X線回析装置により測定するこ
とができる。長周期Lは小角X線回折装置(リガク社
製)上記装置を用いて、出力40Kv、40mA、測定
時間0.01゜/minの条件で2θが0.15゜〜
1.0゜まで5回測定した(一試料の所要時間は約7時
間である)。長周期Lは以下の式で計算される。 長周期L=λ/2sinθ、(θ=長周期回折ピークに
対応する角度、λ=0.154nmでX線の波長であ
る) 結晶ラメラの厚さは、結晶ラメラの厚さをLc、非晶部
の厚さをLa、断面積Sとすると、結晶、非晶の2相構
造を仮定した場合の結晶化度Xcは次式で表される(図
1参照)。 Xc=dcLcS/(dcLcS+daLaS)・・・・・式(1) 式(1)より Lc=XcdaL/((1ーXc)dc+Xcda)・・・・式(2) で計算される。ここで長周期L=Lc+La、結晶化度
Xcはそれぞれ小角と広角X線回折で測定される。dc
=1.0、da=0.86はそれぞれ結晶と非晶の密度
である。
【0047】上述のように、本発明のインフレーション
フイルムは、従来のLLDPEに比較して結晶ラメラ間
距離が小さく、ラメラ間を結ぶタイ分子(tie mo
ulecules)の密度が高くなり、縦・横の強度バ
ランスもよくなるものと考察している。更に、結晶厚み
(サイズ)が小さくなることにより目的とする低温ヒー
トシール性の良好なフイルムの提供を可能とするもので
ある。また、本発明のインフレーションフイルムには本
発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて帯電防止
剤、酸化防止剤、滑剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、有
機あるいは無機系顔料、紫外線防止剤、分散剤などの公
知の添加剤を添加することができる。本発明のインフレ
ーションフィルムは、一般的にはその扱い易さから厚さ
が10〜200μm、好ましくは30〜100μmの範
囲で選択される。
【0048】本発明におけるインフレーション成形と
は、一般には120〜250℃の温度で、押出機により
サーキュラーダイを通して押し出し、空冷式エアーリン
グより吹き出す空気に接触させて急冷し、固化させてピ
ンチロールで引き取った後、枠に巻き取ることにより行
なわれる。該成形条件としては、フィルムの引取速度2
0〜120m/分とし、ブローアップ比は2.0〜4.
0、好ましくは2.2〜3.0の範囲で選択される。ブ
ローアップ比が2.0未満ではフィルム中のTD方向に
沿って形成された結晶ラメラにする起因する長周期Lが
150〜175Åの範囲に制御することが難しい。特に
フィルム中のTD方向に沿って形成された結晶ラメラに
する起因する長周期Lが175Å以上となり、優れた強
度、縦・横の強度バランスを発現することができない。
一方、ブローアップ比が4.0を超えると成形時にバブ
ルの振動が大きくなり、成形安定性が失われる。
【0049】また、インフレーション成形時のフロスト
ライン高さは100mm〜700mm、好ましくは30
0mm〜600mmの範囲である。フロストライン高さ
が、100mm未満では強い風量の冷却エアーが必要と
なり、成形時のバブルの振動が大きくなり、成形安定性
が失われる。フロストライン高さが700mmを超える
と弱い風量の冷却エアーでバブルを徐冷されるため、フ
イルム中のTD方向に沿って形成された結晶ラメラに起
因する長周期Lが150〜175Åの範囲にすることが
困難となる。特に175Å以上の粒径になり、優れた強
度を発現することができない。
【0050】
【実施例】本発明のエチレン共重合体の製造は以下の方
法で重合した。 (固体触媒の調製)窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調
製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロ
ポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)2 Cl
2 ):28gおよびメチルシクロペンタジエン:48g
を加え、0℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウ
ム:45gを滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保
持して16時間撹拌した。この溶液をA液とする。次に
窒素下で別の撹拌器付き触媒調製器(No.2)に精製
トルエンを加え、前記A溶液を、ついでメチルアルミノ
キサン:6.4molのトルエン溶液を添加し、反応さ
せた。これをB液とする。次に窒素下で撹拌器付き調製
器(No.1)に精製トルエンを加え、ついであらかじ
め400℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソ
ン社製、グレード#952、表面積300m2 /g)1
400gを加えた後、前記B溶液の全量を添加し、室温
で撹拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動
性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Cとする。
【0051】(試料の重合)連続式の流動床気相法重合
装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2
Gでエチレンと1−ブテンの共重合を行った。前記触媒
Cを連続的に供給して重合を行ない、系内のガス組成を
一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を
行った。
【0052】(樹脂成分) (A)エチレン・1−ブテン共重合体 密度=0. 910g/cm3 、MFR=0. 5g/10
分 分子量分布(Mw/Mn)=2.7 組成分布パラメーターCb=1.24 d−0.008log MFR=0.912 ODCB可溶分(%)=3.0<9.8×103 ×(0.9
300ーd+0.008log-MFR)2 +2.0 TREFピーク温度=70.3℃、75.1℃、95.
1℃(3ピーク) (B)市販のエチレンー1ーブテン共重合体(気相法) 密度0.917g/cm3 、MFR=0. 8g/10分 組成分布パラメーターCb=1.60 d−0.008log MFR=0.918 ODCB可溶分(%)=3.0<9.8×103 ×(0.9
300ーd+0.008log-MFR)2 +2.0 TREFピーク温度=94.0℃(1ピーク)
【0053】上記樹脂を使用して空冷式インフレーショ
ン成形法により表1及び以下に示す条件でフィルムを成
形した。 〈成形条件〉 プラコー製押出機:スクリュー径55mmφ、ダイス:
70mmφ、成形温度:180℃、フィルム幅:300
mm 厚み:30μm
【0054】
【表1】
【0055】得られたフィルムの長周期L、結晶ラメラ
の厚み、非晶部の厚み、引裂強度、ヒートシール温度を
測定し、その結果を表2に示した。 (試験法) 長周期L、結晶ラメラの厚み、非晶部の厚み:小角X線
回折装置(リガク社製) 引裂強度:JIS P−8116 (T−ダイフィルム評価法) 低温ヒートシール性:テスター産業(株)製のヒートシ
ーラーを用い、適宜選ばれた数点の温度で、圧力2kg
/cm2 、シール時間1秒間でヒートシールした。この
フィルムの試験片の幅15mmとし、剥離試験速度30
0mm/minで剥離試験を行った。この際の試験片の
剥離強度が500gとなる温度を内挿により求めた値で
表した。この温度の低い方が低温ヒートシール性に優れ
たものである。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明のインフレーションフィルムは、
特定の新規エチレン(共)重合体を使用し、フィルム中
の結晶ラメラに起因する長周期L、結晶ラメラの厚み、
非晶部の厚みを制御することにより、高い強度と縦・横
方向の強度バランスに優れ、低温ヒートシール性に優れ
たフィルムおよび該フィルムの製造方法を提供すること
ができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するエチレン(共)重合体のTR
EF曲線。
【図2】従来のメタロセン触媒を使用したエチレン系重
合体のTREF曲線の一例。
【図3】本発明フィルムの結晶、非晶の2相構造模式
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA21 AA21X AA81 AA82 AA88 AF11Y AF16Y AF59Y AH04 BB09 BC01 4F210 AA04A AA04C AA04E AA12E AE01 AG01 AR07 AR08 AR20 QA01 QK01 QK05 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC06A AC07A AC09A AC25A AC27A BA00A BA01A BA01B BA02B BB00A BB01A BB01B BC01B BC05B BC06B BC09B BC12B BC13B BC15B BC16B BC17B BC19B BC24B BC25B BC27B BC32B BC33B BC34B BC35B BC36B CA25C CA26C CA27C CA28C CA29C CB03C CB04C CB08C CB09C CB13C CB15C EA01 EB02 EB03 EB05 EC02 FA01 FA02 FA04 GA06 GA07 GA08 GA18 GA19 GA21 GA26 4J100 AA00Q AA02P AA04Q CA01 CA04 DA04 DA05 DA12 DA43 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(イ)〜(ニ)の要件を満足するエ
    チレン(共)重合体 (イ)密度(d):0. 86 〜0. 97g/cm3 、 (ロ)メルトフローレート(MFR):0.01〜10
    0g/10分、 (ハ)分子量分布(Mw/Mn):1.5〜5.0、 (ニ)組成分布パラメーターCb:2.00以下、 からなるインフレーションフィルムであって、フィルム
    中の横方向(TD)に沿って形成された結晶ラメラに起
    因する長周期L(ラメラ間距離)が150以上175オ
    ングストローム(Å)未満、フィルム中のTD方向に沿
    って形成された結晶ラメラの厚みが50〜65オングス
    トローム(Å)、フィルム中のTD方向に沿って形成さ
    れた非晶部の厚みが100〜113オングストローム
    (Å)、フィルムの引裂強度が、縦方向(MD)で15
    Kgf/cm以上、TD方向で45Kgf/cm以上、
    フィルムのヒートシール温度が110℃以下、ヒートシ
    ール強度が0.6Kg/mm幅以上であることを特徴と
    するインフレーションフィルム。
  2. 【請求項2】 下記(イ)〜(ヘ)の要件を満足するエ
    チレン(共)重合体 (イ)密度(d):0. 86 〜0. 97g/cm3 、 (ロ)メルトフローレート(MFR):0.01〜10
    0g/10分、 (ハ)分子量分布(Mw/Mn):1.5〜5.0、 (ニ)組成分布パラメーターCb:1.08〜2.0
    0、 (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが実質的に複数個存在すること、 (ヘ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分量X(wt%)と密度(d)及びメルトフロー
    レート(MFR)が次の関係を満足すること、 a)d−0. 008logMFR≧0. 93の場合、 X<2. 0、 b)d−0. 008logMFR<0. 93の場合、 X<9. 8×103 ×( 0. 9300−d+0. 008
    logMFR)2+2. 0、 からなるインフレーションフィルムであって、フィルム
    中のTD方向に沿って形成された結晶ラメラに起因する
    長周期L(ラメラ間距離)が150以上175オングス
    トローム(Å)未満、フィルム中のTD方向に沿って形
    成された結晶ラメラの厚みが50〜65オングストロー
    ム(Å)、フィルム中のTD方向に沿って形成された非
    晶部の厚みが100〜113オングストローム(Å)、
    フィルムの引裂強度が、MD方向で15Kgf/cm以
    上、TD方向で45Kgf/cm以上、フィルムのヒー
    トシール温度が110℃以下、ヒートシール強度が0.
    6Kg/15mm幅以上であることを特徴とするインフ
    レーションフィルム。
  3. 【請求項3】 前記エチレン(共)重合体が、少なくと
    も共役二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表第IV族
    の遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンまたは
    エチレンとα−オレフィンを(共)重合させて得られる
    エチレン(共)重合体である請求項1または2に記載の
    インフレーションフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の要件を満足する
    エチレン(共)重合体を用いて、引取速度を20〜12
    0m/分、ブローアップ比2〜4、フロストライン10
    0〜700mmでインフレーションフィルム成形を行な
    うことを特徴とするインフレーションフィルムの成形方
    法。
  5. 【請求項5】 前記エチレン(共)重合体が、少なくと
    も共役二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表第IV族
    の遷移金属化合物を含む触媒の存在下にエチレンまたは
    エチレンと1−ブテンを(共)重合させて得られるエチ
    レン(共)重合体である請求項4に記載のインフレーシ
    ョンフィルムの製造方法。
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