JP2000321768A - 感光性ペースト - Google Patents

感光性ペースト

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JP2000321768A
JP2000321768A JP2000056640A JP2000056640A JP2000321768A JP 2000321768 A JP2000321768 A JP 2000321768A JP 2000056640 A JP2000056640 A JP 2000056640A JP 2000056640 A JP2000056640 A JP 2000056640A JP 2000321768 A JP2000321768 A JP 2000321768A
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polymer
acrylate
photosensitive
powder
paste
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JP2000056640A
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English (en)
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Nobuo Matsumura
宣夫 松村
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性ペーストにおいて、無機粉末と感光性樹
脂が反応し、粘度の著しい上昇を起こし、酷い場合には
固形化してしまうという問題があった。無機粉末の表面
に予めなんらかの表面処理剤で前処理を施すことでこの
問題をある程度は回避でき、例えば銅の防錆剤であるベ
ンゾトリアゾールを用いた表面処理法が行われている
が、十分な保存安定性が得られていない。 【解決手段】本発明は、無機粉末と感光性樹脂を必須成
分とする感光性ペーストであり、アミン構造を有する重
合体を含有することを特徴とする感光性ペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス基板や
ガラス基板上に微細配線パターンを形成するための感光
性導体ペーストおよび、絶縁層の微細スルーホールを形
成するための感光性絶縁ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンおよびPCカードに搭載
するマルチチップモジュール、チップサイズパッケー
ジ、あるいは携帯電話などの移動体通信機器用途の高周
波用フィルター、チップインダクター、積層コンデンサ
ーなどの電子部品あるいはセラミックス多層基板に対し
て、小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高
まってきている。また、プラズマディスプレイなどの表
示装置の高精細化に伴い、電極の微細化への要求も高ま
ってきている。これらの要求に対して、各種の微細な導
体膜形成方法が提案されている。
【0003】代表的な方法としては、薄膜法、メッキ法
および厚膜印刷法がある。薄膜法は、スパッタ、蒸着な
どで成膜した後に、フォトリソグラフィー技術で解像度
L/S=20/20μm以上のパターニングが可能であ
るが、この方法では導体膜の膜厚はスパッターや蒸着の
プロセス時間に比例し、厚くするためには長時間を有す
るために薄い膜しか得られず、その結果回路としてのイ
ンピーダンスが高くなるという欠点がある。またメッキ
法では、焼成工程において抵抗体などの厚膜受動素子の
形成が困難であるという問題がある。
【0004】一方、スクリーン印刷で成膜される厚膜印
刷法では、導体膜を厚くすることや、抵抗体などの受動
素子を同時形成することが容易であるが、その反面、L
/S=50/50μm以下の解像度で、一定幅のライン
形成が困難であり、また断面形状が蒲鉾上になり電気的
特性面の設計が困難であるという問題があった。
【0005】また、セラミックス基板上に多層配線層を
形成する場合、配線が微細になると共に絶縁層の層間を
結合するスルーホールにも微細なものが求められる。セ
ラミックス基板上に、ガラス、ガラスセラミック、セラ
ミック等の絶縁層を形成する際には、厚膜印刷法、グリ
ーンシート法があるが、いずれの方法でも100μm以
下のスルーホールを形成するのは困難である。
【0006】厚膜印刷法の解像性、断面形状を改善する
ものとして、感光性ペースト法がある。これは、厚膜印
刷用の導体ペーストとして感光性を有するものを使用
し、印刷後にマスク露光、現像の工程を経ることで高解
像度の厚膜導体パターンを形成し得るものである。感光
性ペーストとしては、金属やカーボンなどの導体粉末を
光硬化性樹脂に混合したものが、感光性絶縁ペーストと
しては、ガラス、セラミックス等の粉末を光硬化性樹脂
に混合したものが多く用いられる。
【0007】感光性ペースト法はこのように優れた方法
ではあるが、感光性樹脂として多く用いられるアクリル
系共重合体が、ある種の金属と反応し、粘度上昇や、酷
い場合には固形化してしまうという問題があった。導体
粉末が、金、銀のような化学的に安定な貴金属である場
合は反応は生じないが、卑金属、特に銅を用いた場合は
この問題が顕著であった。しかし銅は安価で電気抵抗の
低い、配線材料としては非常に好適な金属であるので、
これを感光性導電ペーストとして用いることが出来ない
と言うのは大きな問題である。また、ガラスやセラミッ
クスの成分には金属酸化物が多く含まれ、この金属酸化
物の種類に依ってはやはり銅と同様の増粘、固形化の問
題が発生することがあった。この問題にあたっては、一
般的な銅の防錆剤であるベンゾトリアゾールを用いた表
面処理法(特開平10−287821号公報)などがあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベンゾ
トリアゾールを用いた表面処理方法では、十分な保存安
定性が得られておらず、従って、本発明の目的は、銅
や、あるいはガラス、セラミックスなどの粉末を用いて
も、増粘や固形化の生じない感光性ペーストを供給する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機粉末と、
感光性樹脂を必須成分とする感光性ペーストであり、ア
ミン構造を有する重合体を含有することを特徴とする感
光性ペーストである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明は、無機粉末と感光性樹脂の反応性を抑制し
て、保存安定性の高い感光性ペーストを得るものであ
り、無機粉末と感光性樹脂と、アミン構造を含有する重
合体からなる感光性ペーストによって達成される。
【0011】アミン構造を有する重合体は、無機粉末の
表面に吸着層を形成し、その表面と感光性樹脂との反応
性を抑制するものである。一般的に銅の防錆剤として用
いられているベンゾトリアゾールなどの含窒素化合物
も、同様な無機粒子への吸着により、無機粒子表面と感
光性樹脂に含まれる官能基との反応性を抑制するもので
あるが、しかし、これまで検討されてきた表面処理剤
は、感光性ペーストの安定化に十分な性能では無かっ
た。それらは低分子化合物であるため、その吸着層は非
常に薄く、粉末を樹脂と混練しペースト化する際の応力
で破壊され、無機粉末の表面が露出してしまうものと推
測できる。しかし本発明の表面処理剤であるアミン構造
を有する重合体は、含窒素化合物でありかつ高分子化合
物であるために無機粒子表面に強固な吸着層を形成し、
感光性樹脂の反応を効果的に抑制し得る。
【0012】感光性有機成分とは、ポリマーと、1分子
中に2つ以上の炭素−炭素2重結合を有する多官能モノ
マーと、光重合開始剤を必須成分とする、感光性ペース
ト中の感光性を担う有機成分のことである。
【0013】本発明で用いられる無機粉末の形状は、板
状、鱗片状、円錐状、角状、棒状、粒状、針状などがあ
るが、単分散で凝集がなく、球状あるいは粒状であるこ
とが望ましい。この場合、球状とは球形率が80個数%
以上が好ましい。球状率の測定は、粉末を光学顕微鏡で
300倍の倍率にて撮影して計数し球状のものの比率を
表した。球状であると露光時に光線の散乱が非常に少な
くなり、膜の内部まで光線を透過させやすい。
【0014】本発明で用いられる導電粉末としては、カ
ーボン粉末、金属粉末などがあり、金属粉末としては、
金、銀、銅、ニッケル、タングステン、モリブデンなど
があるが、これらに限定されるものではない。本発明
は、銅などの反応性の高い金属またはその酸化物を含む
粉末を用いた場合に特に大きな効果を発揮するものでは
あるが、しかし本発明の範囲はこれら金属の種類に限定
されるものではない。導電粉末の平均粒子径は、2〜5
μmの範囲であることが望ましい。平均粒子径が2μm
以下であると、樹脂に対して同体積の導体粉末を添加し
た場合に、粉末の表面積が大きくなるためにより多くの
光を遮り、ペースト内部への光線透過率を低下させる。
5μmより大きい場合は、塗布した場合の表面粗さが大
きくなり、さらにパターン精度や寸法精度が低下するた
め好ましくない。
【0015】本発明で用いられる絶縁粉末としては、フ
ェライト、コーディエライト、フォルステライト、アル
ミナ、シリカ、ムライト、クリストバライト、コランダ
ム(αアルミナ)、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、酸化クロム、酸化リチウム、酸化鉛、酸
化ホウ素、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ニッケル、およびホ
ウケイ酸ガラス等が上げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0016】本発明は、酸化鉛や酸化カルシウムを含む
絶縁粉末において特にその効果を発揮するものである
が、本発明はそれら粉末の種類に限定されるものではな
い。
【0017】絶縁粉末の平均粒子径は、分散性の観点か
らは0.5〜7μmであることが好ましい。平均粒子径
が0.5μm未満では、ペースト中での分散が低下し、
7μm以上ではパターンの寸法精度や塗布膜面の表面粗
さが低下するため好ましくない。またフォトリソグラフ
ィーの観点からは、散乱が少なく膜中を透過する光が多
い法が好ましく、その場合は1μm以上が好ましい。こ
れらを考え合わせると好ましい絶縁粉末の平均粒子径は
1〜7μmである。
【0018】アミン構造を有する重合体としては、側鎖
にアミン構造を有するもの、主鎖にアミン構造を有する
もののいずれも使用することが出来るが、側鎖にアミン
構造を有する重合体がより好ましい。側鎖にアミン構造
を有する共重合体としては、例えばアミノアルキル(メ
タ)アクリレートを共重合モノマーとして含有するアク
リル系共重合体を好適に用いることが出来る。アクリル
系共重合体とは、共重合成分に少なくともアクリル系モ
ノマーを含む共重合体であり、アクリル系モノマーと
は、具体的な例としては、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブ
チルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert
−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、ア
リルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエ
チルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペ
ンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールア
クリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロ
ロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオク
チルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキ
シエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールア
クリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエ
チルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロ
ロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチル
アクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチ
ルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフ
チルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベン
ジルメルカプタンアクリレートなどのアクリル系モノマ
ー、およびこれらのアクリレートをメタクリレートに代
えたものなどが挙げられる。アクリル系モノマー以外の
共重合成分としては、炭素−炭素2重結合を有する全て
の化合物が使用可能であるが、好ましくはスチレン、p
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、
ヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類、γ−メタ
クリロシキプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−
2−ピロリドン等が挙げられる。アミノアルキル(メ
タ)アクリレートとしては、例えば、アミノエチルアク
リレート、N−メチルアミノエチルアクリレート、N−
エチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルメアクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チルアクリレート、アミノプロピルアクリレート、アミ
ノプロピルアクリレート、N−メチルアミノプロピルア
クリレート、N−エチルアミノプロピルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピルメアクリレート、N,
N−ジエチルアミノアプロピルクリレート、アミノエチ
ルメタクリレート、N−メチルアミノエチルメタクリレ
ート、N−エチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジメチルアミノエチルメメタクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、アミノプロピルメ
タクリレート、アミノプロピルメタクリレート、N−メ
チルアミノプロピルメタクリレート、N−エチルアミノ
プロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルメメタクリレート、N,N−ジエチルアミノアプロ
ピルクリレート等があげられる。
【0019】また、主鎖にアミン構造を有する重合体と
しては、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンポリア
ミン類があげられる。
【0020】アミン構造を有する重合体は、ペーストに
どのような方法で添加しても良いが、無機粒子と感光性
樹脂との反応を抑制するという効果を高めるためには、
無機粒子と感光性樹脂を混合する前に、無機粒子の表面
にアミノ基を有する共重合体を被覆しておくことが望ま
しい。
【0021】本発明のアミン構造を有する重合体によっ
て無機粉末表面を被覆する方法としては、共重合体と溶
媒から溶液を作成し、無機粉末と混合した後、溶媒を蒸
発させる方法、または共重合体溶液と無機粉末を混合
後、濾過、遠心分離、沈澱等の方法により無機粉末を分
離し、表面に吸着させる方法があげられる。
【0022】感光性樹脂中のポリマーは特に限定されな
いが、ポリマーがアルカリ可溶性アクリル系共重合体で
ある場合に本発明は特にその効果を発揮するものであ
る。感光性樹脂中のアクリル系共重合体としては、前述
のものが全て使用可能であるが、望ましくはアクリル酸
アルキルあるいはメタクリル酸アルキル、より好ましく
は少なくともメタクリル酸メチルを含むことで、熱分解
性の良好な重合体を得ることが出来る。ポリマーがアル
カリ可溶性を有することで現像液として環境に問題のあ
る有機溶媒ではなくアルカリ水溶液を用いることが出来
る。アクリル系共重合体にアルカリ可溶性を付与するた
めには、モノマーとして不飽和カルボン酸等の不飽和酸
を加えることにより達成される。不飽和酸の具体的な例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニル、または
これらの酸無水物等が挙げられる。これらを加えること
によるポリマーの酸価は、現像性の観点から80〜14
0の範囲であることが好ましい。
【0023】硬化速度を向上させるためには、ポリマー
の少なくとも一部が、側鎖または分子末端に炭素−炭素
2重結合を有することが好ましい。炭素−炭素2重結合
を有する基としては、ビニル基、アリル基、アクリル
基、メタクリル基などが挙げられる。このような官能基
をポリマーに付加させるには、ポリマー中のメルカプト
基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基に対して、グリ
シジル基やイソシアネート基と炭素炭素2重結合を有す
る化合物や、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロ
ライドまたはアリルクロライドを付加反応させてつくる
方法がある。
【0024】グリシジル基と炭素炭素2重結合を有する
化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジ
ルエチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテ
ル、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネ
ートなどが挙げられる。イソシアナート基と炭素−炭素
2重結合を有する化合物としては、アクリロイルイソシ
アネート、メタクロイルイソシアネート、アクリロイル
エチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシア
ネート等がある。
【0025】多官能モノマーとしては、1分子中に炭素
−炭素2重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、そ
の具体的な例としては、アリル化シクロヘキシルジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリ
レート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジア
クリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイ
ド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピ
レンオキサイド付加物のジアクリレート、または上記化
合物のアクリル基を1部または全てメタクリル基に代え
た化合物等が挙げられる。
【0026】光重合開始剤としては、市販の光ラジカル
開始剤が好適に使用できる。例えば、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタノン−1、あるいはビス(2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2
−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オンに、2,4−ジエチルチ
オキサントンなどが例として挙げられるが、本発明に使
用できる光重合開始剤系はこれらに限定されるものでは
ない。
【0027】本発明のペーストは、上記構成物を、例え
ば3本ロールミル、コボールミルなどの混練装置や分散
装置によって均一に混合することで得られる。一例を上
げて説明する。有機成分をミキサーやスターラーで完全
に均一に混合した後、無機粉末を加え、更に混合して予
備分散を行う。その後、3本ロールミルを通して混練す
る。3本ロールミルは2回から8回連続して通すことが
好ましい。
【0028】次に本発明による感光性ペーストを用いた
パターンの形成例について説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0029】アルミナ基板、ガラス基板等の上にスクリ
ーン印刷でペーストを塗布し、乾燥する。70℃〜10
0℃で数分から1時間加熱して乾燥した後。マスクを介
して露光する。マスクは、所望する電極形状に対してネ
ガ型のものを使用し、露光は高圧水銀灯等により、露光
量は例えばi線(365nm)における測定で10〜3
00mJ/cm2で行う。露光後、アルカリ水溶液を現
像液として現像を行う。アルカリ水溶液は、金属分の残
留を防ぐためにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
やエタノールアミンなどの有機アルカリが好ましい。現
像液で所定時間現像した後、水洗を行う。これら現像と
水洗は、浸漬、スプレー、パドルなどで行うことが出来
るが、より高い解像度が得られるのでスプレー現像が好
ましい。現像液のスプレー時間は20秒から200秒で
あり、水洗は同じくスプレーで10秒から60秒で行
う。スプレーする際に、基板を回転させておくことが現
像の均一性の点から好ましい。回転速度は100〜10
00rpmが好ましい。水洗後、回転を上げて余分な水
を振り切り、乾燥させる。このときの回転数は1000
〜4000回転である。必要であればオーブンなどで完
全に水分を除去した後、電気炉、ベルト炉等で焼成を行
い、有機成分を揮発させると共に無機粉末を焼結させる
ことにより導体膜ないし絶縁層を形成できる。焼成の雰
囲気は、大気中、または窒素雰囲気で行われる。導体粉
末が銅などの酸化しやすい金属である場合は、酸素を1
0〜100ppm含有する窒素雰囲気、水素雰囲気等
で、800〜1000℃の温度で1〜60分保持して焼
成し、パターンを作成する。
【0030】この構成により、保存安定性が良好で且つ
パターン加工性に優れた感光性ペーストが得られるもの
である。
【0031】本発明の感光性ペーストにより形成するパ
ターンは、ノートパソコンや携帯電話に実装されるMC
M(マルチチップモジュール)用基板の電極、CSP
(チップサイズパッケージ)用基板の電極をはじめ、チ
ップインダクター、チップコンデンサーなどのチップ部
品の電極、モジュール基板の電極、またプラズマアドレ
ス液晶、プラズマディスプレイパネル用電極などに好適
に用いられるが、これらの用途に限定されるものではな
い。
【0032】
【実施例】以下の実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により何等の制限を受けるも
のではない。表1に示した各組成(重量比)について、
以下に述べる要領でペーストの調整を行い、パターン加
工性の試験を行った。使用した原料類を以下に示す。
【0033】A.無機粉末 a.銅粉末 単分散粒状 平均粒子径3.6μm 比表
面積1.0(m2/g) タップ密度 4.5(g/cm3)(同和鉱業(株)
製) b.ガラス粉末 単分散球状 平均粒子径2.7μm
比表面積1.91(m2/g) ガラス転移点 670
℃ c.セラミック粉末 単分散球状 平均粒子径 1.7
μm 比表面積2(m2/g) アルミナ系セラミック
ス粉末。
【0034】B.ポリマー(感光性有機成分中) グリシジルメタクリレート変性メタクリル酸−メタクリ
ル酸メチル共重合体 a.酸価84 重量平均分子量 10000 (なお、実施例、比較例における重量平均分子量はゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でポリ
スチレン換算によって得られた。) C.多官能モノマー プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート 3官能モノマー 2重結合当量 157g/mol T
PA−330(日本化薬(株)製) D.光開始剤 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティ
ケミカルズ社製イルガキュア369:以下IC369と
する)。
【0035】E.溶剤 γブチロラクトン F.分散剤 分散剤a:“ノプコスパース092”(サンノプコ
(株)製) G.レベリング剤 LC−951(楠本化成(株)製)(有効濃度は10重
量%、残りは溶剤) H.ガラスフリット ガラスフリットa:ZrO2(42)、B23(2
4)、SiO2(21)、Li2O(7)、Al2
3(4)、その他酸化物(2) 単位:重量% I.安定化剤 a.アミノ基含有共重合体 メチルメタクリレート/N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート共重合比 90/10 GPC測定によるポリスチレン換算重量平均分子量1
0,000 b.低分子量化合物 ベンゾトリアゾール c.アミノ基を含まない共重合体 メチルメタクリレート/メタクリル酸メチル共重合体 共重合比 90/10 GPC測定によるポリスチレン換算重量平均分子量1
0,000 d.ポリエチレンイミン 平均分子量 10,000 J.現像液 テトラエチルアンモニウムヒドロキシド 0.1重量%
水溶液。
【0036】以下の作業は、全て黄色灯下で行った。実
施例1、3、4、5、比較例2、3、4、5、7におい
ては、ペースト混練前に、予め以下の手順で無機粉末表
面処理を行った。
【0037】無機粉末表面処理手順 (1)安定化剤をそれぞれ2−プロパノール100gに
対し、1gずつ溶解した。 (2)上記安定化剤溶液に、無機粉末を表1にある所定
量混合した。 (3)10分間の撹拌の後、2−プロパノールを減圧留
去した。
【0038】比較例1、6、8においては、安定化剤の
使用は行わなかった。実施例2においては、安定化剤に
よる無機粉末の表面処理は行わず、ペースト調整時に同
時に安定化剤aを混合した。
【0039】ペースト調整 (1)ポリマーと溶剤を混合し、60℃で3時間加熱し
て溶解させた。 (2)ポリマー溶液を室温に冷却し、その他の有機組成
と、ガラスフリット、無機粉末を混合し、モーターと撹
拌羽を用いて200rpmで30分室温で完全に均一に
混合した。 (3)得られたスラリーを、3本ロール(EXACT
model 50)で混練し、ペーストを得た。
【0040】パターン加工 (1)ペーストを7.5cm角の96%アルミナ基板上
(ニッコー(株)製)にスクリーン印刷で全面塗布し
た。
【0041】スクリーンはSUS#325メッシュを使
用した。 (2)印刷した基板を熱風オーブンで80℃で40分乾
燥した。乾燥後の膜厚は15μmであった。 (3)高圧水銀灯(15mW/cm2)を用いて、パタ
ーンマスクを介してペーストの露光を行った。パターン
マスクはline/spaceパターンで、線幅/線間
=30μm/30μmのものを用いた。 (4)アルカリ現像液(0.1%TMAH水溶液)を用
いて、露光後の基板を浸漬し、揺動させて現像し、その
後水シャワーでリンスした。 (5)光学顕微鏡でパターンの観察を行った。
【0042】安定性試験 (1)ペースト作成直後に粘度を測定した。 (2)室温で1週間静置後、再び粘度を測定した。 結果は全て表1に示した。
【0043】実施例1は、本発明のなかでも側鎖にアミ
ノ基を有するアクリル系共重合体で表面処理を行った場
合である。比較例1による未処理の銅粉末に比較してペ
ーストの安定性は良好であった。比較例2〜4は、安定
化剤として一般的な銅防錆剤であるベンゾトリアゾール
化合物を用いたペーストである。比較例1の未処理品よ
りも安定性は向上しているが、室温1週間ではかなりの
増粘が見られ、添加量を増量してもその安定化効果は実
施例1に及ばなかった。また、添加量を増やしていくと
パターン加工性が低下した。比較例5は、安定化剤にア
ミン構造を有しない共重合体を用いた場合である。比較
例1に比べても安定性の向上はほとんど見られなかっ
た。
【0044】実施例2は、実施例1と同じく安定化剤a
を用いた場合であるが、銅粉末の表面処理は行わず、ペ
ースト混練時に安定化剤aを同時に混合した。この場合
でも比較例1に対してペーストの安定性は良好であっ
た。実施例3は、ガラス粉末と安定化剤aを用いた場合
の例であり、安定化剤を用いなかった比較例6、および
ベンゾトリアゾールを安定化剤とした比較例7と比べて
ペーストの安定性は向上していた。実施例4は、セラミ
ック粉末と安定化剤aを用いた場合の例であり、安定化
剤を用いなかった比較例8と比べてペーストの安定性は
向上していた。
【0045】表1に示された結果より、本発明による側
鎖にアミノ基を含有する共重合体は、感光性ペーストの
安定性を著しく向上させることが分かった。
【0046】実施例5は、安定化剤として主鎖中にアミ
ン構造を有する重合体であるポリエチレンイミンを使用
した場合である。この場合も比較例1の未処理品に比べ
てペーストの安定性は良好であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明は上述のような構成を有すること
により、感光性ペーストにおける感光性樹脂と無機粉末
の反応性が抑制され、効果的に増粘や固形化が防止さ
れ、安定な感光性ペーストを得ることが出来る。また、
本発明によれば安定性とパターン加工性に優れた感光性
ペーストが得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/12 C08L 101/12 G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 7/032 7/032 H05K 1/09 H05K 1/09 D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機粉末と感光性樹脂を必須成分とする感
    光性ペーストであり、アミン構造を有する重合体を含有
    することを特徴とする感光性ペースト。
  2. 【請求項2】アミン構造を有する重合体が、側鎖にアミ
    ン構造を有するアクリル系共重合体であることを特徴と
    する請求項1記載の感光性ペースト。
  3. 【請求項3】アミン構造を有する重合体が、アミノアル
    キル(メタ)アクリレートを含むアクリル系共重合体で
    あることを特徴とする請求項1記載の感光性ペースト。
  4. 【請求項4】無機粉末として、少なくともその一部が銅
    粉末であることを特徴とする請求項1記載の感光性ペー
    スト。
  5. 【請求項5】無機粉末として、少なくともその一部がガ
    ラス粉末であることを特徴とする請求項1記載の感光性
    ペースト。
  6. 【請求項6】無機粉末として、少なくともその一部がセ
    ラミック粉末であることを特徴とする請求項1記載の感
    光性ペースト。
  7. 【請求項7】感光性樹脂として少なくともアルカリ可溶
    性のアクリル系共重合体を含有することを特徴とする請
    求項1記載の感光性ペースト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100454313B1 (ko) * 2002-01-25 2004-10-26 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 광반응성 수지 조성물과 상기 수지 조성물을 사용한 회로기판 및 세라믹 적층 기판의 제조 방법
JP2007112883A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Fujifilm Corp 金属微粒子分散物およびその製造方法、並びに、これを用いた着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルターおよび液晶表示装置

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