JP2000321610A - 光波長変換素子並びにそれを使用したコヒーレント光発生装置及び光情報処理装置 - Google Patents

光波長変換素子並びにそれを使用したコヒーレント光発生装置及び光情報処理装置

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JP2000321610A JP11134987A JP13498799A JP2000321610A JP 2000321610 A JP2000321610 A JP 2000321610A JP 11134987 A JP11134987 A JP 11134987A JP 13498799 A JP13498799 A JP 13498799A JP 2000321610 A JP2000321610 A JP 2000321610A
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピーク近傍に広い平坦性を有する位相整合特
性(ピークフラットな特性)を維持しながら光波長変換
素子波長許容度の拡大を実現して、安定な波長変換特性
を有する光波長変換素子を提供する。 【解決手段】 光波長変換素子が、非線形光学結晶と、
該非線形光学結晶に形成した周期状の分極反転構造と、
を備え、該分極反転構造が、単一の周期Λ0を有する単
一周期部分と、徐々に周期が変化しているチャープ周期
部分と、を有する。これによって、位相不整合量の分布
を非線形光学結晶の両端に分布させて、位相整合特性を
ピークフラットな特性に変換できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コヒーレント光源
を応用した光情報処理或いは光応用計測分野に使用され
る波長変換素子、並びにそれを使用したコヒーレント光
発生装置、及びそのコヒーレント光発生装置を用いた光
情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果を利用した光波長変換素
子は、波長変換により光の波長を変換することでレーザ
光源の使用波長の拡大が図れるため、多くの分野で利用
されている。例えば、第2高調波を利用した波長変換で
は、レーザ光を、半分の波長の第2高調波に波長変換
し、従来は難しかった短波長の光の実現を可能にする。
更に、パラメトリック発振を利用すると、単一波長の光
源から連続的に波長の異なる光を発生することが可能と
なり、波長可変光源を実現できる。また、和周波数を利
用すれば、波長の異なる2つの光を第3の波長の光に変
換することができる。
【0003】このような非線形光学効果を利用した光の
波長変換には、変換する前の基本波と変換後の高調波と
の間で、位相整合条件が成立する必要がある。このため
の手法としては、例えば、結晶の複屈折を利用して基本
波と高調波との間で結晶中の伝搬速度を揃える複屈折率
法、非線形グレーティングを利用して位相整合をとる擬
似位相整合法などがある。
【0004】ところが、実際には、これらの位相整合条
件を満足する波長の許容度が極端に狭いため、基本波の
波長を非常に高い精度で制御する必要があり、出力を安
定させることが困難である。
【0005】そこで、これらの波長許容度を広げて、光
波長変換の安定性を増す検討が行われた。図19には、
波長許容度の拡大を目的とした従来の光波長変換素子の
構成図を示す(特願平3−16198号参照)。以下に
は、0.84μmの波長の基本波P1に対する波長0.
42μmの2次高調波P2の発生について、図19を参
照して詳しく述べる。
【0006】図19の構成では、LiNbO3基板61
01に光導波路6102が形成され、更に光導波路61
02には、周期的に分極の反転した層6103(分極反
転層)が形成されている。基本波P1と発生する高調波
P2との伝搬定数の不整合を分極反転層6103の周期
構造で補償することにより、高効率に第2高調波P2を
発生することができる。
【0007】このように周期的な分極反転層6103に
より波長変換を行う光波長変換素子は、高い変換効率を
持つ反面で、波長変換が可能となる位相整合波長許容度
が非常に狭い。そこで、図19の構成では、光導波路6
102の伝搬定数を部分的に変えることにより、光波長
変換素子の波長許容度の拡大を図っている。光導波路6
102の伝搬定数を変えると、光導波路6102におけ
る位相整合波長が変化する。位相整合条件とは、波長変
換素子において波長変換が可能となる条件のことで、こ
の条件が成立する入射光の波長のことを位相整合波長と
いう。そこで、光導波路6102の幅を領域A,B,
C,Dと部分的に変化させると、それぞれの領域におけ
る光導波路6102の幅に応じて、位相整合波長が異な
ってくる。そのため、入射光の波長が変わっても、異な
る光導波路幅を有する領域A〜Dの何れかで位相整合条
件が成立するため、素子全体の位相整合波長が増大す
る。その結果、光波長変換素子の波長許容度が増加し、
安定な波長変換素子が作製できる。各領域A〜Dの間の
位相整合条件は、各領域A〜Dのにおける光導波路61
02の深さ、または、各領域A〜Dの間の分極反転層6
103の周期を変えても実現できて、これらの場合でも
同様に、波長許容度の大きな光波長変換素子が得られ
る。
【0008】更に、周期状の分極反転構造と位相制御部
とを組み合わせた構成についても、報告されている(特
願平4−070726号)。図20には、そのような手
法によって許容度拡大を実現した従来の光波長変換素子
の構成を示す。
【0009】図20に示された光波長変換素子は、非線
形光学結晶6101の上に、複数の分極反転領域610
5と、分極反転領域6105の間に形成された位相制御
部6106と、を備える。各分極反転領域6105にお
ける位相整合条件の差を利用し、位相整合波長許容度の
拡大を図るとともに、各分極反転領域6105の間で発
生する位相不整合を位相制御部6106により調整する
ことで、基本波P1の波長変動に対する高調波P2の出
力変動の低減を図っている。
【0010】更に、分極反転領域6105の数を増大さ
せることで、更に広い波長範囲に渡って、位相整合波長
許容度の拡大が可能である。例えば、分極反転領域61
05が3分割構造(n=3)及び4分割構造(n=4)
を有する場合の基本波波長と第2高調波(SHG)出力
との関係を示した位相整合特性(チューニングカーブ)
を、図21(a)及び(b)にそれぞれ示す。これよ
り、分割数を増すことで、波長許容度を大幅に拡大でき
ることがわかる。
【0011】更に、分極反転の周期構造を変調すること
で位相整合波長許容度の拡大を可能にする試みも、報告
されている。
【0012】例えば、栖原らによりIEEE Journal of Qu
antum Electronics、vol.26、pp.1265−
1276、1990に報告されているように、分極反転
の周期構造をチャープ状に変化させることで、位相整合
波長の許容度を拡大する方法が報告されている。具体的
には、ここでは、分極反転の周期を距離に比例して増大
させる線形チャープ構造による位相整合波長許容度の拡
大方法が、提案されている。この場合には、位相ズレが
線形に変化する分極反転構造により、位相整合カーブの
大幅な増大が可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の分極反転構造を
用いた光波長変換素子における位相整合波長許容度の拡
大方法の課題は、位相整合特性、即ち位相整合波長をチ
ューニングしたときのSHG出力特性の形状が、ピーク
近傍で大きく変動する点である。
【0014】上記のように、分極反転層を基本とした光
波長変換素子において、素子を2つ以上の領域に分割
し、各領域間の位相整合条件を変えることにより波長変
換素子変換素子の波長許容度を増大させる方法では、各
領域における位相整合波長が異なるため、広い波長範囲
において第2高調波が発生する。しかし、各領域で発生
する第2高調波が互いに干渉するため、図21(a)及
び(b)に示すように、SHGの出力ピーク近傍で、基
本光の波長変動に対する高調波の出力変動が大きい。
【0015】また、分極反転周期を線形チャープ構造に
することで位相整合波長の大幅な増大が可能であるが、
この方法でも、チューニングカーブのピーク近傍に大き
なリップルは発生する。
【0016】以上のように、従来の方法では、チューニ
ングカーブのピーク近傍で平坦な出力特性が得られな
い。このため、位相整合波長許容度内における基本波波
長のわずかな変動に対して高調波出力が変化して、安定
な出力が得られない。
【0017】更に、分極反転領域間に位相制御部を設け
ることで各分極反転領域間で発生する高調波間の干渉を
低減し、基本波の波長変動に対する高調波の出力変動の
低減を図っている従来の光波長変換素子において、高調
波の出力は、なお10%以上の変動を有しており、この
ために、出力の安定化を実現するために必要なピーク値
近傍での平坦性を実現することが、困難である。
【0018】更に、従来の光波長変換素子は、比較的広
い範囲に波長許容を拡大することは容易であるが、波長
変換素子の変換効率の低下が激しい。例えば、同一の長
さの結晶を用いた場合、1/9以上に変換効率が低下す
る。すなわち、従来技術では、高効率の波長変換特性を
保ったままで波長許容度を拡大することが、困難であ
る。
【0019】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、(1)ピーク近傍に広
い平坦性を有する位相整合特性(ピークフラットな特
性)を維持しながら波長許容度の拡大を実現して、安定
な波長変換特性を有する光波長変換素子を提供するこ
と、(2)上記のような光波長変換素子と半導体レーザ
とを用いてコヒーレント光発生装置を構成することで、
半導体レーザにおける発振波長の変動を安定化し、安定
な出力特性を有するコヒーレント光発生装置を提供する
こと、並びに(3)上記のようなコヒーレント光発生装
置を用いた光情報処理装置を提供すること、を目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の光波長変換素子
は、非線形光学結晶と、該非線形光学結晶に形成した周
期状の分極反転構造と、を備え、該分極反転構造が、単
一の周期Λ0を有する単一周期部分と、徐々に周期が変
化しているチャープ周期部分と、を有していて、そのこ
とによって、上記の目的が達成される。
【0021】例えば、前記単一周期部分が前記分極反転
構造のほぼ中心部近傍に位置し、前記チャープ周期部分
が該分極反転構造の両端近傍に位置している。
【0022】本発明の他の光波長変換素子は、非線形光
学結晶と、該非線形光学結晶に形成した周期状の分極反
転構造と、を備え、該分極反転構造の周期が、Λ-m、Λ
-(m- 1)、・・・、Λ-2、Λ-1、Λ0、Λ1、Λ2、・・、
Λm-1、Λmと表される分極反転周期であり、該分極反転
周期は、位相不整合量の分布f(z)を有しており、該
分布f(z)は、 f(i*Λ0)=(Λ1+Λ2+・・・+Λi)−i*
Λ0、及び f(−i*Λ0)=(Λ-1+Λ-2+・・・+Λ-i)−i
*Λ0、 但し、i=1、2、3、・・・ なる関係を満足し、z=0の近傍で、f(z)=0とな
り、更に、該分布f(z)は、f(i*Λ0)=−f
(−i*Λ0)なる関係を満足し、該分布f(z)の少
なくとも一部において、2次の微分係数が該非線形光学
結晶の端部に向かって増大しており、そのことによっ
て、前述の目的が達成される。
【0023】ある実施形態では、前記分極反転構造の全
長をLとすると、前記分布f(z)が、 f(z)=a・|sin(bz)|m z>0 f(z)=−a・|sin(bz)|m z<0 であり、2<m<6及びb・L/2<0.5・πなる関
係を満足する。
【0024】他の実施形態では、前記分布f(z)が f(z)=a・|z|m z>0 f(z)=−a・|z|m z<0 であり、2<m<4なる関係を満足する。
【0025】本発明の更に他の光波長変換素子は、互い
に等しい分極反転構造を有する複数の非線形光学結晶
と、該非線形光学結晶の間に配置された位相制御部と、
を備え、該位相制御部が、該非線形光学結晶とは異なる
周期の分極反転構造から構成されていて、そのことによ
って、前述の目的が達成される。
【0026】好ましくは、前記分極反転構造の全長をL
とすると、前記光波長変換素子の両端における位相不整
合量を規格化した値の絶対値|f(L/2)/Λ0
が、0.4〜1の値を有する。
【0027】上記の構成において、前記非線形光学結晶
の中で基本波が高調波に変換され、該基本波の伝搬損失
が、該高調波の伝搬損失のほぼ半分であり得る。
【0028】本発明の他の局面によれば、上記のような
本発明の光波長変換素子と、レーザ光源と、を備え、該
レーザ光源の光が、該光波長変換素子により波長変換さ
れているコヒーレント光発生装置が提供される。
【0029】例えば、前記レーザ光源は、波長可変機能
を有する半導体レーザである。
【0030】例えば、前記半導体レーザが高周波重畳さ
れている。
【0031】好ましくは、前記光波長変換素子の波長許
容度が、前記半導体レーザの縦モード間隔より広い。
【0032】本発明の他の局面によれば、上記のような
本発明のコヒーレント光発生装置と、集光光学系と、を
備え、該コヒーレント光発生装置から出射されるコヒー
レント光を該集光光学系により集光している光情報処理
装置が提供される。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明は、非線形光学効果を利用
した光波長変換素子における出力の安定化を目的とした
素子構造、並びにそれを用いたコヒーレント光源及び光
情報処理装置に関する。具体的には、光波長変換素子を
構成する分極反転の周期構造に特別な構造を用いること
で、広い波長許容度を有し、かつ平坦なピークを有する
位相整合特性を実現する方法を新たに提供する。
【0034】より具体的には、以下に示す4つの項目: ・単一周期構造と線形チャープ構造を組み合わせた分極
反転構造を有する非線形光学素子 ・関数f(z)を用いて分極反転周期構造を変調した場
合の非線形光学素子 ・半導体レーザと光波長変換素子とから構成されるコヒ
ーレント光源において、常に安定な出力特性の実現が可
能な構造 ・出力が安定化されたコヒーレント光発生装置と集光光
学系とにより、安定な特性を有する光情報処理装置の構
造について、実施の形態を用いてそれぞれ説明する。
【0035】(擬似位相整合の原理について)まず最初
に、擬似位相整合型SHG素子における光波長変換及び
位相整合について、説明する。
【0036】2次の非線形光学効果を利用した光の波長
変換には、第2高調波発生、パラメトリック発生、和周
波発生、差周波発生などの方式があるが、何れの方法に
おいても、波長λ1、波長λ2、波長λ3の3つの光の
相互作用により、光の波長変換が行われる。このとき、
光の波長は、 1/λ1=1/λ2+1/λ3 (1) の関係を満足しなければならない。
【0037】例えば、第2高調波発生は、λ2=λ3の
場合であり、このときに式(1)は、 1/λ1=2/λ2 (2) となり、基本波の波長λ1に対して、半分の波長λ2を
有する光が発生する。
【0038】パラメトリック発生は、波長λ1の基本波
に対して、波長λ2及びλ3の光がそれぞれ発生する現
象である。また、波長λ2の光と波長λ3の光とに対し
て、波長λ1の光が発生する現象が和周波発生、一方、
波長λ1の光と波長λ2の光とから波長λ3の光が発生
する現象が、差周波発生である。
【0039】これらの波長変換において、高効率の波長
変換の実現に必要になることが、位相整合条件の成立で
ある。位相整合とは、波長変換に関係する3つの光の波
長λ1、λ2、λ3の波長の位相関係が、伝搬する媒質
(例えば、非線形光学結晶、光導波路等)において整合
することであり、 N1・2π/λ1=N2・2π/λ2+N3・2π/λ3 (3) の関係を満足することである。ここで、N1,N2,N
3は、波長λ1、λ2、λ3の光が実際に感じる光の屈
折率(実効屈折率)であり、光導波路の場合及びバルク
結晶の場合では異なり、また、光の偏光方向などによっ
ても異なる。
【0040】2次の非線形光学効果における3つの波長
の位相関係は、伝搬方向の距離zに対し、 A・exp{i(−N1・2π/λ1+N2・2π/λ2 +N3・2π/λ3)z} (4) で表され、距離に対する光の変換効率は、式(4)の距
離zに対する定積分値の2乗に比例する。例えば、式
(3)の条件が満足されない式(4)は、 A・exp{i・β・z} (5) となり、その積分値は振動関数となって、A/βの値以
上にはならない。
【0041】一方、式(3)の条件が満足された場合、
式(4)は、 A (6) となり、その積分値はA・zとなって、距離に比例して
増大する。この状態が位相整合条件を満足した場合で、
変換効率は距離の二乗に比例して増大し、高効率の変換
を可能にする。
【0042】ところが、一般に全ての物質は波長分散を
有しており、その屈折率は光の波長によって変化する。
従って、式(1)と式(2)とを同時に満足することは
難しい。これを解決する方法が、非線形分極の周期状な
反転を利用した擬似位相整合である。擬似位相整合で
は、周期Λの非線形グレーティング構造を設けること
で、式(3)の伝搬定数の関係に、グレーティングによ
る伝搬ベクトルを付加することが可能となる。即ち、周
期Λの分極反転構造を非線形光学結晶内に形成した場
合、式(4)の位相関係は、 A’・exp{i(−N1・2π/λ1+N2・2π/λ2 +N3・2π/λ3−q・2π/Λ)z} (7) 但し、q=1、2、3・・・・ で表され、q=1のときを1次の周期構造、q=2のと
きを2次の周期構造とよぶ。即ち、非線形グレーティン
グ構造によって位相不整合量(−N1・2π/λ1+N
2・2π/λ2+N3・2π/λ3)を相殺すること
で、位相整合条件を成立させることが可能となる。
【0043】擬似位相整合条件を成立させるための分極
反転周期は、1次周期構造の場合、式(1)より、 −N1・2π/λ1+N2・2π/λ2+N3・2π/λ3 =2π/Λ (8) と導き出せる。例えば、第2高調波発生の場合、式
(8)より Λ=λ1/2(N2−N1) (9) が得られる。
【0044】(位相不整合量について)本願発明者ら
は、周期状分極反転構造における位相整合の不整合状態
を制御することで、位相整合波長許容度の制御が効率的
に行えることを見出した。即ち、分極反転構造を、図1
(a)に示すように、Λ-m、Λ-(m-1)、・・・、Λ-2
Λ -1、Λ0、Λ1、Λ2、・・・、Λm-1、Λmと表される
分極反転周期を有する分極反転領域601が配置された
構造とし、グレーティングの全長Lを、 L=Λ-m+Λ-(m-1)+・・・+Λ-2+Λ-1+Λ0+Λ1
Λ2+・・・+Λm-1+Λm とする。また、位相不整合量の分布関数としてf(z)
を仮定し、 f(i*Λ0)=(Λ1+Λ2+・・・+Λi)−i*
Λ0、及び f(−i*Λ0)=(Λ-1+Λ-2+・・・+Λ-i)−i
*Λ0、 但し、i=1、2、3、・・・ とする。位相不整合量f(z)を規格化すると、 f(z)/Λ0 (10) で表される。以下の位相不整合量は、上記の規格化され
た値とする。
【0045】分極反転構造の周期Λ0における位相整合
条件は式(9)で表され、これを満足する基本波波長λ
0に対して、位相整合条件が成立する。
【0046】次に、従来の分極反転構造における位相不
整合量の発生について説明する。
【0047】中心波長λ0の基本波に対して、分極反転
構造の周期をΛ0からずらした場合に、位相不整合量が
どのように発生するかを、図2(a)及び(b)を参照
して説明する。
【0048】例えば、従来技術として示したチャープ状
に変化する周期構造の場合、分極反転周期のz方向の距
離に伴う変化を図示すると、図2(a)となる。周期が
直線的に変化することより、位相不整合量は線形関数の
積分となり、2次関数で表されて、図2(b)に示すよ
うな変化となる。
【0049】また、従来技術で示されている分割周期構
造に関して、3分割構造による位相整合波長許容度を実
現した構造として、異なる周期Λ1、Λ2、Λ3を有す
る分極反転構造と位相制御部δ1及びδ2とからなる分
極反転構造における、分極反転周期のz方向の距離に伴
う変化を図2(c)に、位相不整合量の関係を図2
(d)に示す。中心周期をΛ2とし、中心周期に対する
位相不整合量を図示している。この場合の位相不整合量
は、位相制御部で発生した位相不整合量と、周期の異な
る分極反転構造で発生した位相不整合量と、の和とな
る。また、周期状の分極反転構造内に位相シフト部を形
成した場合も、同様に位相不整合を表すことができる。
【0050】一方、位相シフトだけを与えた構造では、
分極反転周期は一定であるから、図3(a)に示すよう
に、分極反転周期は距離zに関係なく一定である。しか
し、位相不整合量は、図3(b)に示すように、位相制
御部で発生している。
【0051】(擬似位相整合の課題について)ここで
は、擬似位相整合を利用した光波長変換素子における課
題である、位相整合波長の許容度について説明する。
【0052】擬似位相整合による波長変換では、非線形
グレーティングにより位相整合条件を擬似的に成立さ
せ、素子長の2乗に比例して高い変換効率を実現でき
る。しかし、グレーティングの作用長に反比例して、位
相整合条件を満足させる波長許容度の幅が減少する。例
えば、素子長10mmのLiNbO3を用いた擬似位相
整合型のSHG素子において、波長850nmの光を波
長425nmの第2高調波に変換する場合を例にとる
と、分極反転の周期は約3.2μmとなる。このとき、
擬似位相整合条件を成立させるための基本波の波長許容
度は、半値全幅で0.1nm以下となる。この値は、安
定な波長変換を行う場合には非常に厳しい値であり、周
辺温度などの環境変化により、出力が不安定になるとい
う問題がある。
【0053】以下では、本発明の具体的な幾つかの実施
の形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0054】(実施の形態1)ここでは、広い波長許容
度を有する光波長変換素子の構造について述べる。具体
的には、位相不整合量の分布を制御して、光波長変換素
子の波長許容度を拡大している。
【0055】本願発明者は、光波長変換素子の位相整合
波長の許容度を拡大する新たな方法を見出した。本発明
の光波長変換素子は、図1(a)に示すように、周期状
の分極反転領域601の周期を部分的に変化させること
により、位相整合波長許容度を拡大する。より具体的に
は、図1(b)に示すように、単一周期の分極反転構造
を有する単一周期部603とチャープ状の周期構造を有
するチャープ周期部602とを組み合わせることで、位
相整合波長の許容度を拡大する。これによって、広い波
長許容度を有すると同時に、基本波の波長変動に対する
高調波の出力変化を極端に少ないレベルに抑制すること
ができる。すなわち、ピークフラットなチューニングカ
ーブが実現される。更に、波長許容度拡大による波長変
換効率の低下を最小限に抑え、波長許容度の拡大と高効
率特性とを同時に達成することができる。また、位相整
合特性の設計の自由度が増し、波長許容度の拡大率を自
由に設計できる。
【0056】従来より、いくつかの構造で、位相整合波
長許容度の拡大が可能であることが示されている。これ
らは、例えば、1)分割周期構造(周期の異なる分極反
転構造を組み合わせた構造)や、2)チャープ状の周期
構造である。しかし、従来の方法では、波長許容度の大
幅な拡大は可能であるが、位相整合カーブのピーク近傍
に大きなリップルが生じるため、SHGの出力を安定に
保つことは困難であった。
【0057】これに対して本願発明では、この分極反転
構造に特別な工夫を加えることで、波長許容度の拡大
と、ピークフラットな位相整合特性の実現とを可能にし
た。即ち、従来の光波長変換素子との構造上の違いは、
位相不整合量に着目し、この分布の制御により、位相整
合特性の設計を可能にした点である。
【0058】分割周期構造における分極反転周期及び位
相不整合量とz方向の距離との関係を、図4(a)及び
(b)にそれぞれ示す。2分割の分割周期構造は、図4
(a)の分極反転周期の図からわかるように、分極反転
構造の中心に対して、2つの異なる周期構造を組み合わ
せて構成されている。この場合、位相不整合量の発生
は、図4(b)に示すように、1次関数と位相シフトと
の組み合わせで表される。このときの位相整合特性に
は、図4(c)に示すように、大きなリップルを生じて
いる。
【0059】一方、従来のチャープ構造における分極反
転周期及び位相不整合量とz方向の距離との関係を、図
5(a)及び(b)に示す。このとき、位相不整合量
は、2次関数に従って発生する。また、このときの位相
整合特性を、図5(c)に示す。図4(c)に比べて、
図5(c)におけるピーク近傍のリップルが、かなり低
減されている。このことより、本願発明者らは、位相不
整合量の発生が、1次関数から2次関数に従うようにな
ることで、位相整合特性のピーク近傍におけるリップル
の大きさが低減されていると推測した。
【0060】そこで、本願発明者らは、位相不整合量が
幾つかの関数系に従って発生(分布)する構造に関し
て、検討を行った。
【0061】まず最初に、高次のべき関数に従って位相
不整合量を発生させる構造を検討した。分極反転構造と
しては、周期Λ0を中心として中心対称な構造を仮定
し、位相整合特性を計算した。即ち、分極反転の周期Λ
(z)=Λ0+f(z)にて、 f(z)=a・|z|m z>0 f(z)=−a・|z|m z<0 とし、f(z)を、分極反転周期構造の中心対称な奇関
数のべき関数として設計を行って、ピークフラットに最
も近い形状を有する位相整合カーブ(チューニングカー
ブ、すなわち位相整合特性)を、べき関数の次数mの幾
つかの値について求めた。その結果を図6に示す。
【0062】図6にて、(1)はa=Λ0×1.2×1
-4、m=1、(2)はa=Λ0×2.5×10-8、m
=2、(3)はa=Λ0×6.3×10-12、m=3、及
び(4)はa=Λ0×3.2×10-15、m=4の場合の
結果を、それぞれ示している。
【0063】具体的には、図6において、カーブ(1)
は2分割周期構造の場合に相当し、周期の異なる2つの
分極反転構造を結合させた場合である。カーブ(2)
は、線形チャープ構造の場合に相当し、直線的に分極反
転周期が変化している場合を示す。図6から分かるよう
に、カーブ(1)及び(2)はともに位相整合カーブの
ピーク近傍で変動が大きく、フラットピーク特性を得る
ことができない。これに対して、カーブ(3)では、ピ
ークフラットな特性が得られた。更に、m=4である
(4)になると、最大値の値が低下している。
【0064】以上の結果より、べき関数の場合は、次数
mが2<m<4の場合に、ピークフラットな位相整合特
性が得られることが明らかになった。特に、m=3の近
傍で、図6のカーブ(3)に示すように、非常にフラッ
ト位相整合特性が得られた。すなわち、従来の線形チャ
ープ構造(m=2の場合)に比べて、次数mの値を大き
くすることで、ピークフラットな位相整合特性を実現で
きることが明らかになった。
【0065】また、より良好なピークフラット特性を実
現するには、位相不整合量の分布が従う関数f(z)
に、幾つかの規制を設ける必要があることが判明した。
【0066】関数f(z)は、分極反転構造の中心を原
点とする奇関数であることが好ましい。これは、位相整
合特性が対称構造となり、効率が最も高くなる構造であ
る。しかし、光の伝搬損失や変換効率が高まった場合に
は、基本波が高調波に変換されてその強度が低下する現
象(ポンプデプレッション)等の影響で、分極反転構造
から発生する高調波変換効率の対称性が崩れる場合があ
るため、分極反転構造の中心は、僅かにずれる場合もあ
る。
【0067】また、ピークフラットな位相整合特性が得
られた場合の規格化された位相不整合量の分布(式(1
0)で規定)を、図7に示す。図7のカーブ(1)
(2)(3)(4)は、それぞれ図6のカーブ(1)
(2)(3)(4)に対応している。
【0068】分極反転構造の両端の位相不整合量の値
は、図7から分かるように、0.5〜1の近傍に集中し
ている。カーブ(4)の場合にだけ2に近い値をとる
が、図6からわかるように、この場合の位相整合カーブ
は、ピークフラット形状とかなり異なった値を取ってい
る。
【0069】これより、f(z)の関数の次数mに関係
なく、位相不整合量が分極反転構造の両端で0.5〜1
の近傍の値をとる場合に、位相整合特性はピークフラッ
トな形状に近づくことが確認された。それ以外の範囲で
は、リップルが大きすぎるために、良好な特性は得られ
なかった。
【0070】更に、図7に示す位相不整合量の発生を観
測すると、ピークフラットな位相整合特性を実現する関
数f(z)としては、次数の高いべき関数のみならず、
他の関数系も使用し得ると推測された。そこで、f
(z)として三角関数を用いることを試みた。具体的に
は、周期Λ0を中心周期として、 Λ(z)=Λ0+f(z) f(z)=a・|sin(bz)|m z>0 f(z)=−a・|sin(bz)|m z<0 として計算した。
【0071】まず、bの値について検討したところ、b
の値が大きくなると、f(z)はsin関数であるため
振動する。このとき、変換効率は大幅に低下した。f
(z)が増加または減少関数であるときのみ、ピークフ
ラットでかつ効率の高い位相整合特性が得られた。従っ
て、分極反転構造の中心から端までの距離L/2に対し
て、b・(L/2)<0.5πでなけらばならないこと
が明らかになった。
【0072】次に、次数mについて検討するために、多
項式の場合と同様に、mの値と位相整合特性との関係を
計算した。それらの結果を、図8A(a)〜8D(b)
に示す。具体的には、m=2の場合の位相整合カーブ及
びそのときの規格化された位相不整合量の分布を、図8
A(a)及び(b)に、m=3の場合の位相整合カーブ
及びそのときの規格化された位相不整合量の分布を、図
8B(a)及び(b)に、m=4の場合の位相整合カー
ブ及びそのときの規格化された位相不整合量の分布を、
図8C(a)及び(b)に、m=5の場合の位相整合カ
ーブ及びそのときの規格化された位相不整合量の分布
を、図8D(a)及び(b)に、それぞれ示している。
【0073】図8A(a)、図8B(a)、図8C
(a)、及び図8D(a)を参照すると、図8A(a)
に示すm=2の場合は、ピークフラット部にリップルが
生じているが、図8B(a)、図8C(a)、及び図8
D(a)に示すm=3〜5の場合においては、ほぼピー
クフラットな特性が得られた。例えば、図8B(a)に
示すm=3の場合には、カーブ(3)、(4)、(5)
にて、ほぼピークフラットな特性が得られた、このとき
の位相不整合量は、0.6〜0.7程度であった。ま
た、図8C(a)に示すm=4の場合は、カーブ
(3)、(4)、(5)にて、ほぼピークフラットな特
性が得られた。このときの位相不整合量は、0.6〜
0.7程度であった。また、図8D(a)に示すm=5
の場合には、カーブ(2)、(3)、(4)、(5)に
て、ほぼピークフラットな特性が得られた。このときの
位相不整合量は、0.5〜0.8近傍であった。
【0074】また、ピークフラットな特性が得られたm
=3〜5の場合については、計算に用いたa及びbの値
を、該当する各々の図面中に記している。これらの結果
より、bの値が0.00005〜0.0003の範囲に
設定されている場合でのみ、ピークフラットな特性が得
られることが分かる。
【0075】一方、図示していないが、m=6の場合に
は、ピーク値の値が大幅に低下した。
【0076】従って、次数mが2<m<6の範囲で、ピ
ークフラットな特性が得られることが分かった。ただ
し、mの値は実数である。
【0077】また、位相不整合量の分布に関しては、図
8A(b)、図8B(b)、図8C(b)、及び図8D
(b)を参照すると、分極反転構造の両端における規格
化した位相不整合量の値は何れも、0.5〜1の値を取
っていることがわかる。規格化した位相不整合量の値が
1以上になると変換効率の大幅な低下が生じ、0.5以
下になると、位相整合カーブのリップルが増大してい
る。
【0078】これより、ピークフラット位相整合カーブ
を得るには、周期構造の両端における位相不整合量の値
を0.5〜1の範囲に限定しなければならない。
【0079】また、位相不整合量の分布が従うべき関数
f(z)としてtan(z)関数のべき関数を用いた場
合も、同様にピークフラットな位相整合特性が得られ
た。
【0080】以上の結果、位相不整合量の分布が従うべ
き関数f(z)としては、2次より大きなべき関数、ま
たは三角関数(sin関数或いはtan関数)を用いる
ことで、ピークフラットな特性を実現できた。更に、べ
き関数と三角関数との組み合わせ、例えばf(x)=a
n*|sin(bx)|mまたはf(x)=axn*|
tan(bx)|mでも、ピークフラットな位相整合特
性が実現できた。このとき、2<n*m<6の範囲で、
ピークフラットな特性が得られた。
【0081】次に、ピークフラットな位相整合特性が実
現可能な位相不整合量分布を、図7、図8A(b)、図
8B(b)、図8C(b)、及び図8D(b)から分析
した。
【0082】これより、ピークフラットな位相整合特性
を実現する位相不整合量分布を実現するためには、分極
反転構造の中心部に、位相整合波長の中心波長と整合す
るほぼ単一周期Λ0を有する単一周期構造の部分が存在
し、かつ、位相不整合量が、分極反転周期構造の両端に
向かって徐々に増大する構造が必要であることが分か
る。更に、図示されているいずれの位相不整合量分布に
おいても、f(z)は、その傾きが増大する部分を有す
る。更に分析すると、べき関数及びsin関数ともに、
次数mとして2以上の値が必要であって、f(z)の2
次の微分係数が、分極反転構造の両端に向かって増大す
る部分を有している必要がある。更に、分極反転構造の
両端における位相不整合量の規格化した値|f(z)/
Λ0|の値は、いずれの場合においても、0.5〜1の
範囲となっている。これらの条件を満足する位相不整合
量分布を与えれば、位相整合特性をピークフラットな形
状に設計できる。
【0083】次に、図7に示す位相不整合量分布の特性
を、より簡便な構成で実現する方法について検討した。
【0084】ピークフラットな位相整合特性を実現する
には、図7に示した位相不整合量の分布を、分極反転周
期構造に与えればよい。即ち、分極反転周期構造に、上
記で図7及び図8A(a)〜8D(b)を参照して説明
した位相不整合量の分布を近似的に与えることで、同様
の位相整合特性が得られる。ここで、図7及び図8A
(a)〜8D(b)においてピークフラットな位相整合
特性を実現した位相不整合量分布を近似的に表せば、分
極反転構造の中心近傍では中心周期Λ0の単一周期構造
をとり、分極反転構造の両端近傍で位相不整合量が増加
する構造が必要である。
【0085】そこで、図9(a)及び(b)に示すよう
な位相不整合量分布特性を設定した。分極反転構造とし
ては、図9(a)に示すように、中心部は周期Λ0であ
り、端に向かって、分極反転周期がチャープ状に変化し
ている。位相不整合量分布としては、図10(b)に示
すように、中心近傍は単一周期のために位相不整合量は
0であり、両端には、距離に依存して増大する位相不整
合量分布を有している。位相不整合量の増加の傾きも、
両端に向かって増加するように設定されている。このよ
うな、単一周期構造とチャープ周期構造とを組み合わせ
た構造により、図6とほぼ等しい位相整合特性が実現で
きた。
【0086】更に、図7に示した位相不整合量分布を近
似した他の構造についても、検討した。
【0087】即ち、中心周期をΛ0とし、分極反転構造
の一方の端に向かって周期Λ0+α1及びΛ0+α2の分
極反転領域を設け、反対側の端に向かって周期Λ0−α
1及びΛ0−α2の分極反転領域を設ける(ただし、α
2>α1)。これは、べき関数に従って変化する位相不
整合量分布を、2つの領域の間で周期が変化している構
造に簡略化した5分割分極反転構造である。この構造で
は、分極反転周期が、中心から端に向かって2段階に分
かれて変化し、その変化量は端に近いほど大きい。これ
は、べき関数を近似した構造であって、周期構造の端に
向かって位相不整合が増大する構造である。
【0088】実際には、図10(a−2)、(b−
2)、(c−2)、(d−2)にそれぞれ示すようなグ
レーティング長(距離)依存性を有する位相不整合量分
布についてシミュレーションを行って、各場合の位相整
合特性を求めたところ、図10(a−1)、(b−
1)、(c−1)、(d−1)にそれぞれ示す特性が得
られた。これらの図に描かれている特性を比較すれば、
位相不整合量のグレーティング長(距離)依存性を変え
ることで、ピークフラットに近い特性を呈する構造が実
現でき、これによって、位相整合波長許容度も自由に設
計できることがわかる。また、グレーティングの両端で
の位相不整合量の大きさが大きくなるにつれて、許容度
が拡大していることが分かる。グレーティングの両端に
おける位相不整合量の値として、0.5〜1の範囲であ
る場合に、ほぼピークフラットな位相整合特性が実現で
きた。
【0089】上記の構造と位相シフト構造との違いは、
より広い範囲に位相整合特性を拡大できる点である。等
しい周期を有する分極反転構造に位相シフトを挿入する
位相シフト構造の場合、0.85μmの位相整合波長に
対する波長許容度の拡大範囲は、位相整合波長領域を同
程度の大きさに3分割する構造の場合で、0.1〜0.
13nm程度である。これに対して、本発明の構造で
は、0.2nm以上に波長許容度を拡大できる。
【0090】分割数を更に増やすと、よりピークフラッ
トな特性が実現できる。例えば、7分割構造の場合につ
いて、図11(a−2)、(b−2)、(c−2)、
(d−2)にそれぞれ示すようなグレーティング長(距
離)依存性を有する位相不整合量分布についてシミュレ
ーションを行って、各場合の位相整合特性を求めたとこ
ろ、図11(a−1)、(b−1)、(c−1)、(d
−1)にそれぞれ示す特性が得られた。これより、分割
数を増加させてもピークフラットに近い位相整合特性が
実現でき、波長許容幅も自由に設計できることが分か
る。
【0091】以上より分かるように、ピークフラットな
位相整合特性を実現する波長許容度拡大を実現する構造
としては、中央部に位相不整合条件を満足する単一周期
部分を有し、両端に向かって位相不整合量が増加する構
造で、かつ位相不整合量の増加の傾きが両端に向かって
増えていることが必要である。即ち、分極反転構造が、
中央部に単一周期構造を有し、その両側には、分極反転
の一方の端に向かって分極反転周期Λが減少するチャー
プ構造と、分極反転の他方の端に向かって分極反転周期
Λが増大するチャープ構造と、を有しているときに、位
相整合特性の波長許容度をピークフラットな形状で拡大
できることが分かった。
【0092】なお、本実施の形態では、光波長変換素子
の形状については述べなかったが、バルク型または光導
波路型の何れの構造にも、本発明は適用可能である。光
導波路型の構造に本発明を適用する場合には、導波光間
で光波長変換を行うことで光の閉じ込めを強化し、かつ
長い相互作用長を実現できるため、高効率の波長変換が
可能であり有効である。また、バルク型の構造に本発明
を適用する場合には、結晶を共振器構造内に設置するこ
とで、変換効率の大幅な向上が可能となる。
【0093】また、周期状の分極反転構造としては、L
iNbO3、LiTaO3、KTPにおいて短周期の分極
反転構造の形成が可能であり、光波長変換素子として高
効率の変換が達成できる。
【0094】(実施の形態2)ここでは、位相シフト分
極反転構造を他の構造により実現する方法について、説
明する。
【0095】分極反転構造により波長許容度を拡大する
方法として、位相シフト分極反転構造がある。これは、
等しい周期を有する分極反転構造間に位相シフト部(位
相制御部)を挿入し、位相整合波長許容度を拡大する方
法である。この構造では、挿入された位相シフト部で、
位相不整合量を発生する。
【0096】これに対して、本実施形態では、同様の位
相不整合の発生を、異なる分極反転周期を有する周期構
造を挿入することで実現する。具体的には、図12
(a)に示すように、従来の位相シフト部の代わりに、
分極反転周期がΛ0である分極反転領域613の間に、
周期の異なる分極反転領域614及び615、具体的に
は、周期Λ0+αで+δの位相シフトを与える分極反転
領域614と周期Λ0−αで−δの位相シフトを与える
分極反転領域615とを、位相制御部614及び615
として挿入する。この場合の位相不整合量を図示する
と、図12(b)となる。このように、位相シフトが、
位相制御部614及び615で分布をもって形成され
る。ただし、位相整合特性は、従来の位相シフト部で位
相シフトδを与えた場合に、ほぼ等しい。このような構
成に基本波606を入射させれば、高調波607が得ら
れる。
【0097】本実施形態の構成では、従来の位相シフト
構造に比べて、ピークフラットな位相整合波長特性の許
容度拡大率を大きくすることができる。従来の位相シフ
ト構造の場合、0.85μmの位相整合波長に対する波
長許容度の拡大範囲は、位相整合波長領域を同程度の大
きさに3分割する構造の場合で、0.1〜0.13nm
程度である。これに対して、本発明の構造では、0.1
8nm以上に波長許容度を拡大できる。このように波長
許容度の拡大率の設計値が増大することで、より安定な
出力特性を有する光波長変換素子が製造できる。
【0098】(実施の形態3)ここでは、半導体レーザ
と光波長変換素子からなるコヒーレント光発生装置(コ
ヒーレント光源とも称する)において、常に安定な出力
特性の実現が可能な構造について述べる。
【0099】具体的には、本実施形態では、半導体レー
ザと光波長変換素子によりコヒーレント光源を構成する
場合に、光波長変換素子から出射する高調波出力を安定
化させるために、最低不可欠な光波長変換素子の波長許
容度及びチューニングカーブ特性を明らかにしている。
【0100】図13に、本実施形態によるコヒーレント
光源の構造を示す。この構成は、光波長変換素子621
と半導体レーザ622とから構成されて、光波長変換素
子621は、入射部623と出射部624を有する。半
導体レーザ622は、出射波長を可変できる機能を有し
ており、光波長変換素子621の位相整合条件を満足す
る波長に出射波長を合わせることで、出力の安定化を図
っている。
【0101】この様な構成において、光波長変換素子6
21から出射される高調波の出力安定化のために必要な
特性について、検討した。
【0102】半導体レーザの発振波長は、グレーティン
グフィードバックや波長フィルターを利用した光フィー
ドバックにより、可変できる。また、半導体レーザにお
ける光導波路の一部にDBRグレーティングを集積化
し、DBRグレーティングの反射波長を温度やプラズマ
効果を利用して可変することによっても、半導体レーザ
の発振波長を可変することが可能である。しかし、半導
体レーザは、半導体レーザの共振器構造に起因する縦モ
ード間隔でしか発振しないため、その発振波長は、飛び
飛びの発振波長でのみ可変となる。例えば、0.1nm
程度の間隔で、発振波長を制御できる。
【0103】一方、光波長変換素子は、通常、波長許容
度の非常に狭い特性を有する。例えば、素子長10mm
のLiNbO3で作製した導波路型光波長変換素子など
では、0.1nm以下の半値全幅を有する。このときの
光波長変換素子の位相整合特性と、半導体レーザの発振
波長との関係を、図14(a)及び(b)に模式的に示
す。図14(a)及び(b)において、625は半導体
レーザの発振モード(縦モード)であり、626が光波
長変換素子のチューニングカーブである。
【0104】図14(a)においては、チューニングカ
ーブ626のピークと半導体レーザの発振モード625
が重なっている。この場合、半導体レーザの縦モード6
25をチューニングカーブ626のピークの位置に調整
することで、最大の高調波出力が得られる。ところが、
図14(b)に示すように、チューニングカーブ626
のピークが半導体レーザの縦モード625の中央近傍に
位置する場合、半導体レーザの発振波長を調整しても、
高調波の出力を最大にすることができなくなる。従っ
て、このようなコヒーレント光源においては、半導体レ
ーザの波長を調整しても、安定な高調波出力が得られな
い。
【0105】これを解決するには、光波長変換素子のチ
ューニングカーブの平坦部分が、少なくとも半導体レー
ザの縦モード625の間隔より広いことが要求される。
チューニングカーブの平坦部分が半導体レーザの縦モー
ド625の間隔より広い場合、すなわち、図15(a)
及び(b)に示すチューニングカーブ636の場合に
は、チューニングカーブ636のピークと半導体レーザ
の縦モード625との位置関係に関わらず、高調波の最
大出力が得られる。これによって、半導体レーザの波長
を可変することで、出力の安定化を図ることができる。
【0106】次に、半導体レーザからの出力を変調し、
コヒーレント光源から出射する高調波出力を変調するこ
とを試みた。その結果、半導体レーザの発振波長のチャ
ーピングの問題が明らかになった。半導体レーザのチャ
ーピングとは、半導体レーザの出力を変調すると、出力
強度に比例して半導体レーザの活性層の温度が変化し、
これによって、半導体レーザの発振波長が変動する現象
である。
【0107】例えば、図16(a)に示すように、半導
体レーザの出力を一定の状態Aから特定の周波数で変調
する状態Bにすると、状態Aと状態Bでは、平均の光強
度が異なる。これによって、状態A及びBで、半導体レ
ーザ活性層の温度が異なり、発振波長は、状態Aから状
態Bに変わった瞬間に、数10μsオーダで変化する。
このときのコヒーレント光源からの高調波出力をモニタ
ーすると、図16(b)に示すように、出力が徐々に変
化する。
【0108】これに対して、先に図15(b)に示した
ように半導体レーザの縦モード間隔より広い波長許容度
を有する光波長変換素子を用いて半導体レーザの変調特
性を測定したところ、図16(c)に示すように、安定
な変調特性が得られた。この特性を更に分析すると、半
導体レーザの発振波長のチャーピング波長は、最大で、
半導体レーザの縦モード間隔だけ変化することを見出し
た。すなわち、光フィードバックで半導体レーザの発振
波長を安定化させても、半導体レーザの活性層の温度が
変化することで、発振モードの波長が変動する。このた
めに、発振波長が、最大で縦モード間隔だけ変動する。
これを安定化させるためには、光波長変換素子のチュー
ニングカーブがピーク近傍で平坦部を有し、かつ平坦部
が半導体レーザの縦モード間隔より大きいことが重要で
あることが分かった。
【0109】ここで注意しなければならないのは、光波
長変換素子における波長許容度と変換効率とが、トレー
ドオフの関係にあることである。すなわち、波長許容度
を増大させるに従って、光波長変換素子の変換効率は低
下する。従って、光波長変換素子の波長許容度の拡大
は、必要最小限にとどめる必要がある。
【0110】以上の結果、半導体レーザの波長を制御し
てコヒーレント光源を安定化させるには、光波長変換素
子のチューニングカーブがピーク近傍で平坦であり、か
つ平坦な部分が半導体レーザの縦モード間隔より大きい
必要がある。チューニングカーブの平坦性は、コヒーレ
ント光源に要求される出力変動の範囲に依存する。通常
のレーザ光源では5%程度の出力変動が許されるが、こ
のような場合には、半導体レーザの縦モード間隔に相当
する波長範囲におけるチューニングカーブの平坦度は、
5%以下であればよい。一方、更に厳しい特性が要求さ
れる用途においては、より平坦なチューニングカーブが
要求される。
【0111】上記の検討結果に基づいて、実施の形態1
に示した光波長変換素子と半導体レーザによりコヒーレ
ント光源を構成し、出力の安定化実験を行った。しか
し、半導体レーザの波長調整することで光波長変換素子
の位相整合波長に一致させ、高調波出力の安定化を図っ
たところ、出力が大きく変動し、設計通りの安定化が得
られない場合があることが明らかになった。そこで、高
調波出力変動の要因について更に検討を行うため、図1
7に示すように、基本波の波長を連続的に変化させて、
高調波出力の変化を観測した。
【0112】その結果、光波長変換素子の許容度の範囲
で、高調波出力が細かく変動していることが明らかにな
った。この原因を検討したところ、基本波及び高調波が
光波長変換素子の入射部端面及び出射部端面でフレネル
反射し、この光が互いに干渉することで、高調波出力を
不安定にしていることが明らかになった。すなわち、入
射部及び出射部における端面反射光が互いに干渉し、か
つ波長の変化により光波長変換素子の光路長が変化する
ことで、端面反射光の干渉度合いが変化して、出力を不
安定にしている。更に、基本波出力を変調して高調波の
出力を変調する場合にも、同様の出力変動が観測され
た。
【0113】このように、半導体レーザを変調すると、
半導体レーザの波長が変化するため、波長許容度を拡大
した光波長変換素子を用いても出力の安定化が難しく、
高調波の雑音レベルを大幅に増大させる。この問題を解
決するためには、端面反射による干渉を防止する方法と
して、入射部または出射部の少なくとも何れか一方に、
高調波及び基本波に対する反射防止膜を形成する。端面
に反射防止膜を堆積することでフレネル反射を防止し、
端面反射による干渉効果を低減できる。その結果、非常
に安定な出力特性を有するコヒーレント光源を実現でき
る。
【0114】更に、基本波に対する反射防止膜は、入射
部及び出射部ともに形成するのが望ましい。半導体レー
ザでは、外部に出射した光が再び活性層内に戻ること
で、雑音の増大や出力の変動などの問題が発生する。こ
れを防止するために、基本波に対する反射防止膜は、出
射部及び入射部の両方に形成することが望ましい。一
方、高調波に対する反射防止膜は、入射部または出射部
のどちらか一方でよいが、出射部に形成するのが望まし
い。これは、出射部に高調波の反射防止膜を形成するこ
とで、端面のフレネル反射による損失を防止し、より高
出力の高調波を得ることができるためである。
【0115】従って、望ましい構成としては、出射部に
は、基本波及び高調波ともに反射防止効果を有する反射
防止膜を形成し、入射部には、基本波に対する反射防止
膜を形成する。
【0116】入射部及び出射部における端面反射の干渉
効果により高調波出力が不安定になる問題を解決する他
の方法として、半導体レーザの駆動電流に高周波を重畳
する方法がある。
【0117】端面反射光が干渉を起こす原因として、光
のコヒーレンスが高いために、互いに光が干渉しあうこ
とがある。そこで、この点を克服するために、コヒーレ
ンスを低下させて、干渉度を低減させることが考えられ
る。これは、半導体レーザの駆動電流を高い周波数で変
調することでコヒーレンスを低下させる方法であって、
数100MHz以上の高い周波数で変調を加える。この
とき、半導体レーザの発振波長がシングルモードからマ
ルチモードになって広がるが、このようなマルチモード
化は、DBRグレーティング等を用いて強い光フィード
バックを活性層内に帰還することで、防止できる。
【0118】このように、半導体レーザに高周波を重畳
することで、端面干渉を低減して、高調波出力の安定性
を確保することができる。
【0119】更に、高周波重畳には、光波長変換素子の
効率を大幅に増大させるという特徴がある。光波長変換
素子の効率は、基本波のパワーに比例して増大する。半
導体レーザを高周波重畳で駆動すると、尖塔値の高いパ
ルス列発振となり、各ピークの値が数倍から10倍以上
に増加する。このため、高強度のパルス光の波長変換と
なり、変換効率が大幅に増大する。実験では、2〜3倍
以上の変換効率向上が観測された。この点からも、高周
波重畳した半導体レーザを用いることは、有効である。
【0120】更に、高周波重畳によって半導体レーザの
発振波長の幅がわずかに広がる場合にも、波長許容度を
拡大した光波長変換素子においては、半導体レーザの発
振波長より広い波長許容度を実現することができるた
め、全ての光を効率よく波長変換することが可能とな
り、高効率で光波長変換が行える。
【0121】(実施の形態4)ここでは、光波長変換素
子を用いたコヒーレント光発生装置について述べる。
【0122】前述した実施形態による光波長変換素子の
構成により、高効率で安定な光波長変換素子の実現が可
能となる。そこで、本光波長変換素子を用いたコヒーレ
ント光発生装置として、短波長光源の作製を試みた。こ
の短波長光源は、波長850nm帯の半導体レーザと、
集光光学系と、光波長変換素子より構成され、半導体レ
ーザから出射された光を、集光光学系により光波長変換
素子の導波路短面に集光し、導波モードを励起する。光
波長変換素子の他の導波路端面より、波長変換されたS
HG光が出射する。
【0123】本発明によって変換効率が高い光波長変換
素子が実現したため、上記のような構成を有する本実施
形態の短波長光源(コヒーレント光発生装置)では、出
力100mW程度の半導体レーザを用いて、10mWの
青色SHG光が得られた。また、用いた波長変換素子は
波長許容度が拡大されており、かつフラットなチューニ
ング特性を有するため、波長変動に対して安定な出力特
性が得られる。この結果、出力変動を5%以下に抑える
ことができる。
【0124】400nm帯の波長は、印刷製版、バイオ
エンジニアリング、蛍光分光特性などの特殊計測分野
や、光ディスク分野など、広い応用分野において望まれ
ている。本発明の光波長変換素子を用いた短波長光源
は、出力特性及び動作安定性の両面から、これらの応用
分野での実用化が可能である。
【0125】なお、本実施の形態では、半導体レーザの
光を集光光学系を用いて光導波路に結合させたが、半導
体レーザと光導波路を直接結合させることも可能であ
る。具体的には、TEモード伝搬の光導波路を用いる
と、光導波路内の電界分布を、半導体レーザの導波モー
ドと等しくすることが可能となるため、集光レンズなし
でも高効率で結合できる。実験では、結合効率80%で
直接結合が可能であり、レンズ結合とほぼ同等の結合特
性が得られることを確認した。直接結合を用いると、小
型で低価格の光源が実現でき、有望である。
【0126】更に、パラメトリック発振を利用しても、
波長可変レーザの可変波長領域の拡大が可能である。
【0127】周期状の分極反転構造を有する光波長変換
素子とレーザ光源を用いれば、パラメトリック発振が可
能である。パラメトリック発振によれば、波長λ3の基
本波を入力すると、1/λ3=1/λ1+1/λ2の関
係を満足する波長λ2のシグナル光及び波長λ1のアイ
ドラー光を発生することが可能である。これより、波長
λ3の基本波を用いて、上記の条件を満足する波長を有
する光を、波長可変しながら出力することができて、波
長可変なレーザ光源が実現できる。
【0128】このようなパラメトリック発振を可能にす
る構成において、本発明の光波長変換素子を用いれば、
広い波長許容度を有する光波長変換素子が実現できるた
め、安定な出力を得ることができる。
【0129】更に、従来のパラメトリック発振で問題と
なっていた波長可変範囲の拡大を、実現できる。
【0130】周期Λの分極反転構造を用いてパラメトリ
ック発振を行った場合、Λ=2mπ/(β3−β1−β
2)の関係を満足する波長λ1の光と波長λ2の光が発
生可能である。しかし、従来技術では、Λの条件を満足
する波長許容度が狭いため、同一の周期構造内で発生条
件を満足する波長の条件が狭く、波長可変の範囲が極端
に狭いという問題があった。これに対して、本発明の光
波長変換素子を用いると、位相整合波長許容度の拡大
が、ピークフラットなチューニングカーブで実現する。
これによって基本波の波長変動に対する許容度が拡大さ
れるが、パラメトリック発振の場合は、シグナル光及び
アイドラー光に対する波長許容をも、拡大することが可
能となる。従って、従来の光波長変換素子では難しかっ
た出力波長の可変波長範囲を、大幅に拡大できる。
【0131】更に、ピークフラットなチューニングカー
ブを有しているため、出力強度をほぼ一定に保ったまま
で、発振波長を可変できる。
【0132】(実施の形態5)ここでは、本発明によっ
て構成される光情報処理装置について、説明を行う。
【0133】図18に、本発明の光情報処理装置の構成
を示す。図18において、実施の形態6に示した特徴を
有するコヒーレント光発生装置640から出た出力10
mWのビームは、ビームスプリッタ641を透過し、レ
ンズ642により、情報再生媒体である光ディスク64
3に照射される。光ディスク643からの反射光は、逆
にレンズ642によりコリメートされ、ビームスプリッ
タ641で反射されて、光検出器644で信号が読みと
られる。更に、コヒーレント光発生装置640の出力を
強度変調することで、光ディスク643に情報を書き込
むことができる。
【0134】本発明によれば、コヒーレント光発生装置
640を構成する光波長変換素子の許容度が拡大されて
いるので、出力の安定化が図れて、外部の温度変化に対
しても5%以下の出力変動に抑えることができる。
【0135】更に、高出力の青色光の発生が可能となる
ため、読み取りだけでなく、上記のように、光ディスク
643へ情報を書き込むことも可能となる。また、半導
体レーザを基本波光源として用いることで、非常に小型
になるため、民生用の小型の光ディスク読み取り/記録
装置にも利用できる。
【0136】光ディスク643への書き込みには出力を
変調する必要があるが、本発明の光情報処理装置では、
半導体レーザの出力強度を変調することで、コヒーレン
ト光発生装置640からの出力変調を行っている。半導
体レーザの波長を変調すると発振波長が変動するが、前
述のように、光波長変換素子がフラットピークな位相整
合特性を有するために、半導体レーザの変調による高調
波出力の不安定性は発生しない。その結果、安定な変調
出力特性が得られて、低ノイズの特性が実現される。
【0137】更に、光波長変換素子の光導波路幅を最適
化することで、出力ビームのアスペクト比の最適化が行
える。例えば、光導波路上に光導波路幅より狭い高屈折
率層を有する導波路構造を設けることで、出射ビームの
アスペクト比を1:1に近づけることが可能となる。こ
れによって、ビーム成形プリズムなどを用いずに光ピッ
クアップの集光特性を向上させることが可能になって、
高い伝達効率、優れた集光特性、低価格化が実現でき
る。更に、ビーム成形時に発生する散乱光のノイズが低
減できて、ピックアップの簡素化が実現される。
【0138】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、光波長変換素子において、単一周期構造とチャープ
周期構造とからなる分極反転構造を用いることで、ピー
クフラットな位相整合特性を実現できる。更に、位相不
整合量の分布を利用して、光波長変換素子の位相整合特
性を設計する新たな手法が提供される。この結果、光波
長変換素子における位相整合波長許容度の設計自由度が
大幅に増し、従来の1.5倍以上の波長許容度の拡大が
実現した。この構成により、安定な出力特性を有する光
波長変換素子の実現が可能となった。
【0139】更に、光波長変換素子と半導体レーザによ
り構成するコヒーレント光発生装置(コヒーレント光
源)において、出力安定化が実現される。具体的には、
コヒーレント光発生装置に含まれる光波長変換素子が、
半導体レーザの縦モード間隔より広い波長許容度を有
し、かつ波長許容度内でチューニングカーブがフラット
な特性を有することで、半導体レーザの波長を常に波長
許容度内に安定化することが可能になる。その結果、コ
ヒーレント光の出力変動を押さえて、安定な出力特性を
有するコヒーレント光源を実現することが可能になり、
その実用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の光波長変換素子における分
極反転構造の構成図であり、(b)は、(a)の構造に
おける分極反転周期の分布を表す図である。
【図2】(a)は、線形チャープ分極反転構造における
分極反転周期の分布を表す図であり、(b)は、線形チ
ャープ分極反転構造における位相不整合量の分布を表す
図であり、(c)は、分割周期分極反転構造における分
極反転周期の分布を表す図であり、(d)は、分割周期
分極反転構造における位相不整合量の分布を表す図であ
る。
【図3】(a)は、位相シフトが存在する分極反転構造
の分極反転周期の分布を表す図であり、(b)は、位相
シフトが存在する分極反転構造の位相不整合量の分布を
表す図である。
【図4】(a)は、2分割された周期分極反転構造の分
極反転周期の分布を表す図であり、(b)は、2分割さ
れた周期分極反転構造の位相不整合量の分布を表す図で
あり、(c)は、得られる位相整合特性(チューニング
カーブ)を表す図である。
【図5】(a)は、線形チャープ周期の分割周期分極反
転構造の分極反転周期の分布を表す図であり、(b)
は、線形チャープ周期の分極反転構造の位相不整合量の
分布を表す図であり、(c)は、得られる位相整合特性
(チューニングカーブ)を表す図である。
【図6】本発明の分極反転構造において、位相不整合量
分布が従う関数f(z)がべき関数の場合の位相整合特
性を表す図であり、(1)次数m=1の場合、(2)次
数m=2の場合、(3)次数m=3の場合、(4)次数
m=4の場合である。
【図7】本発明の分極反転構造において、位相不整合量
分布が従う関数f(z)がべき関数の場合の位相不整合
量分布を表す図であり、(1)次数m=1の場合、
(2)次数m=2の場合、(3)次数m=3の場合、
(4)次数m=4の場合である。
【図8A】(a)は、本発明の分極反転構造において、
位相不整合量分布が従う関数f(z)が三角関数(次数
m=2)の場合の位相整合特性を表す図であり、(b)
は、その場合の位相不整合量分布を表す図である。
【図8B】(a)は、本発明の分極反転構造において、
位相不整合量分布が従う関数f(z)が三角関数(次数
m=3)の場合の位相整合特性を表す図であり、(b)
は、その場合の位相不整合量分布を表す図である。
【図8C】(a)は、本発明の分極反転構造において、
位相不整合量分布が従う関数f(z)が三角関数(次数
m=4)の場合の位相整合特性を表す図であり、(b)
は、その場合の位相不整合量分布を表す図である。
【図8D】(a)は、本発明の分極反転構造において、
位相不整合量分布が従う関数f(z)が三角関数(次数
m=5)の場合の位相整合特性を表す図であり、(b)
は、その場合の位相不整合量分布を表す図である。
【図9】(a)は、本発明の光波長変換素子における位
相整合特性を表す図であり、(b)は、その場合の位相
不整合量分布を表す図である。
【図10】(a−1)、(b−1)、(c−1)、(d
−1)は、位相不整合分布がそれぞれ(a−2)、(b
−2)、(c−2)、(d−2)である場合(5分割構
造)に得られる位相整合特性を示す図である。
【図11】(a−1)、(b−1)、(c−1)、(d
−1)は、位相不整合分布がそれぞれ(a−2)、(b
−2)、(c−2)、(d−2)である場合(7分割構
造)に得られる位相整合特性を示す図である。
【図12】(a)は、本発明の位相制御部を有する分極
反転構造において得られる位相整合特性を表す図であ
り、(b)は、その場合の位相不整合量分布を表す図で
ある。
【図13】本発明のコヒーレント光発生装置の構造図で
ある。
【図14】(a)は、光波長変換素子のチューニングカ
ーブの最大値と半導体レーザの発振波長とが一致してい
る場合の、半導体レーザの発振波長と位相整合特性の関
係を表す図であり、(b)は、発振波長がチューニング
カーブの最大値近傍からずれた場合における、半導体レ
ーザの発振波長と位相整合特性の関係を表す図である。
【図15】(a)は、本発明のコヒーレント光発生装置
において、光波長変換素子のチューニングカーブの最大
値と半導体レーザの発振波長とが一致している場合の、
半導体レーザの発振波長と位相整合特性の関係を表す図
であり、(b)は、本発明のコヒーレント光発生装置に
おいて、発振波長がチューニングカーブの最大値近傍か
らずれた場合における、半導体レーザの発振波長と位相
整合特性の関係を表す図である。
【図16】(a)は、コヒーレント光発生装置における
基本波の変調出力を示す図であり、(b)は、従来の光
波長変換素子を用いたコヒーレント光発生装置の出力変
動を示す図であり、(c)は、本発明の光波長変換素子
を用いたコヒーレント光発生装置の出力変動を示す図で
ある。
【図17】コヒーレント光発生装置の基本波波長を変化
させた場合の出力特性を表す図である。
【図18】本発明の光情報処理装置の構成図である。
【図19】従来の光波長変換素子の構成図である。
【図20】従来の光波長変換素子の構成図である。
【図21】(a)は、従来の2分割構造光波長変換素子
における位相整合特性を表す図であり、(b)は、従来
の3分割構造光波長変換素子における位相整合特性を表
す図である。
【符号の説明】
601 分極反転領域 602 チャープ周期部 603 単一周期部 606 基本波 607 高調波 613 分極反転領域 614 位相制御部 615 位相制御部 621 光波長変換素子 622 半導体レーザ 623 入射部 624 出射部 625 半導体レーザの発振モード(縦モード) 626 光波長変換素子のチューニングカーブ 636 本発明による光波長変換素子のチューニングカ
ーブ 640 コヒーレント光発生装置 641 ビームスプリッタ 642 レンズ 643 光ディスク 644 光検出器 6101 LiNbO3基板(非線形光学結晶) 6102 光導波路 6103 分極反転層 6105 分極反転領域 6106 位相制御部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学結晶と、 該非線形光学結晶に形成した周期状の分極反転構造と、
    を備え、 該分極反転構造が、単一の周期Λ0を有する単一周期部
    分と、徐々に周期が変化しているチャープ周期部分と、
    を有している、光波長変換素子。
  2. 【請求項2】 前記単一周期部分が前記分極反転構造の
    ほぼ中心部近傍に位置し、前記チャープ周期部分が該分
    極反転構造の両端近傍に位置している、請求項1に記載
    の光波長変換素子。
  3. 【請求項3】 非線形光学結晶と、 該非線形光学結晶に形成した周期状の分極反転構造と、
    を備え、 該分極反転構造の周期が、Λ-m、Λ-(m-1)、・・・、Λ
    -2、Λ-1、Λ0、Λ1、Λ2、・・、Λm-1、Λmと表され
    る分極反転周期であり、 該分極反転周期は、位相不整合量の分布f(z)を有し
    ており、該分布f(z)は、 f(i*Λ0)=(Λ1+Λ2+・・・+Λi)−i*
    Λ0、及び f(−i*Λ0)=(Λ-1+Λ-2+・・・+Λ-i)−i
    *Λ0、 但し、i=1、2、3、・・・ なる関係を満足し、z=0の近傍で、f(z)=0とな
    り、更に、該分布f(z)は、f(i*Λ0)=−f
    (−i*Λ0)なる関係を満足し、該分布f(z)の少
    なくとも一部において、2次の微分係数が該非線形光学
    結晶の端部に向かって増大する、光波長変換素子。
  4. 【請求項4】 前記分極反転構造の全長をLとすると、 前記分布f(z)が、 f(z)=a・|sin(bz)|m z>0 f(z)=−a・|sin(bz)|m z<0 であり、 2<m<6、及び b・L/2<0.5・π なる関係を満足する、請求項3に記載の光波長変換素
    子。
  5. 【請求項5】 前記分布f(z)が f(z)=a・|z|m z>0 f(z)=−a・|z|m z<0 であり、 2<m<4 なる関係を満足する、請求項3に記載の光波長変換素
    子。
  6. 【請求項6】 互いに等しい分極反転構造を有する複数
    の非線形光学結晶と、 該非線形光学結晶の間に配置された位相制御部と、を備
    え、 該位相制御部が、該非線形光学結晶とは異なる周期の分
    極反転構造から構成されている、光波長変換素子。
  7. 【請求項7】 前記分極反転構造の全長をLとすると、
    前記光波長変換素子の両端における位相不整合量を規格
    化した値の絶対値|f(L/2)/Λ0|が、0.4〜
    1の値を有する、請求項1から6の何れかに記載の光波
    長変換素子。
  8. 【請求項8】 前記非線形光学結晶の中で基本波が高調
    波に変換され、 該基本波の伝搬損失が、該高調波の伝搬損失のほぼ半分
    である、請求項1から7の何れかに記載の光波長変換素
    子。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れかに記載の光波長
    変換素子と、 レーザ光源と、を備え、 該レーザ光源の光が、該光波長変換素子により波長変換
    されている、コヒーレント光発生装置。
  10. 【請求項10】 前記レーザ光源は、波長可変機能を有
    する半導体レーザである、請求項9に記載のコヒーレン
    ト光発生装置。
  11. 【請求項11】 前記半導体レーザが高周波重畳されて
    いる、請求項10に記載のコヒーレント光発生装置。
  12. 【請求項12】 前記光波長変換素子の波長許容度が、
    前記半導体レーザの縦モード間隔より広い、請求項9か
    ら11の何れかに記載のコヒーレント光発生装置。
  13. 【請求項13】 請求項9から12の何れかに記載のコ
    ヒーレント光発生装置と、 集光光学系と、を備え、 該コヒーレント光発生装置から出射されるコヒーレント
    光を、該集光光学系により集光している、光情報処理装
    置。
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