JP2008158404A - 波長変換素子およびその製造方法 - Google Patents

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秀彰 岡山
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】波長変換素子において、製造ばらつきを低減し、且つ、特性を向上させる。
【解決手段】まず、基板101の、少なくとも光伝搬領域を含む領域にチャープ形成領域102を設定し、次に、このチャープ形成領域102を、信号光P1の伝搬方向に沿って並ぶ複数個のブロック104−1,104−2,・・・に概念的に分割し、さらに、ブロック104−1,104−2,・・・毎に、伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域106を複数個、概念的に設定する。そして、実際に分極を反転させる仮想分極反転領域105の個数を、ブロック104−1,104−2,・・・毎に決定することにより、波長変換効率の絶対値をブロック104−1,104−2,・・・毎に調整する。分極反転の位置や幅を1個ずつ設定する必要がないので、作製が容易になり、且つ、波長変換特性も向上する。
【選択図】図1

Description

この発明は、非線形光学効果を利用して、ある光の波長を他の波長に変換する、波長変換素子に関する。より詳細には、この発明は、波長変換素子の、QPM(Quasi Phase Matching)構造の改良に関する。
光学効果を利用して光波長を変換する波長変換素子が知られている。このような波長変換素子に関する技術は、例えば、下記特許文献1、非特許文献1および非特許文献2に開示されている。
図5は、従来の波長変換素子の構造例を示す概念図である。
図5において、波長変換素子500の基板501は、非線形光学効果を有する基板材料で作成される。基板501としては、例えば、LiNbO3のz板を使用することができる。LiNbO3基板501は、強誘電体であり、誘電分極を有している。したがって、LiNbO3基板501には、誘電分極が互いに反転している領域(以下、「第1、第2分極領域」と記す)502,503を交互に作成することができる。分極領域502,503を交互に設けた素子構造は、QPM(Quasi Phase Matching)構造と称されている。QPM構造の基板501を作成するためには、例えば、分極領域502を形成すべき領域または分極領域503を形成すべき領域のみに、基板501の分極方向と逆の電圧を印加して、分極を反転させればよい。基板501には、さらに、光導波路504が形成される。光導波路504を作成するためには、例えば、200℃の安息香酸中で、基板501中のリチウムイオンをプロトンにイオン交換すればよい。光導波路504を設けることにより、狭い断面積内に光を閉じこめることができるので光電場を強くすることができ、これにより非線形光学効果を高めることができる。
波長変換素子500は、例えば、ポンプ光P2を用いて信号光P1の波長変換を行うことができる。信号光P1とポンプ光P2とは、光カプラ505を用いて合波され、導波路504に導入される。導波路504内では、信号光P1の第二高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)により、中間光P3が発生する。さらに、この中間光P3とポンプ光P2との差周波発生(DFG:Difference Frequency Generation)により、変換光P4が発生する。例えば、信号光P1の波長が1550nmでポンプ光P2の波長が1540〜1560nmの場合、中間光P3は775nmとなる。その結果、変換光P4の波長は、ポンプ光P2の波長に応じて、1560〜1540nmとなる。
波長変換素子500では、例えば導波路504の長さ等の条件により、波長変換される周波数帯域が変化する。このため、波長変換素子500の波長変換効率を高めるために素子長を長くしようとすると、波長変換の周波数帯域が狭くなってしまう。周波数帯域が狭くなると、広い波長範囲で使用できなくなることに加えて、光の周波数がカットされるようになってパルス形状が歪んでしまう。例えば、全長5cm程度の波長変換素子が変換できる周波数帯域幅、波長幅に換算して1nm以下である。
かかる欠点を解消するために、分極領域502,503の周期を均一に設定するのではなく、長さ方向で徐々に変化させたQPM構造が、既に知られている。このような構造は、一般に、チャープ構造と称されている。
図6に、従来のチャープ構造を概念的に示す。図6において、縦軸は、非線形光学係数d(z)、すなわち波長変換効率を示している。また、図6の横軸は、光の伝搬距離であり、光導波路504の光伝搬方向の座標に相当する。図6の例では、非線形光学係数d(z)が負の領域は第1分極領域502に相当し、非線形光学係数d(z)が正の領域は第2分極領域503に相当する。図6から解るように、従来のチャープ構造では、分極領域502,503の長さは徐々に長くなり、且つ、非線形光学係数d(z)は一定である。
しかしながら、図6に示したような従来のチャープ構造は、波長変換効率のリップル(波打ち)が大きく、このために波長帯域内で変換光のパワー変動が大きくなってしまうという欠点を有している。波長変換効率のリップルを抑制するためには、分極領域502,503の周期のチャープとともに、非線形光学係数を素子の両端で徐々に端へ向かって低減する構造が必要である。この構造を、従来は、分極領域502,503の幅制御で行っていた(非特許文献1)。
特開2000−171647号公報 2006年秋季応用物理学会学術講演会予稿集30p-ZX-12 Yasuo Shibata等‘Coupling Coefficient Modulation of Waveguide Grating Using Sampled Grating’IEEE Photonics Technology Letters Vol.6, No.10, p.1222, 1994年10月
上述の非特許文献1の技術では、非常に複雑な構造の寸法を高精度で実現しないと、波長変換の周波数帯域内における変換効率の揺らぎおよびパルス波形のリップルを十分に抑えるという目的は達成できない。このため、例えば上述の形成方法を採用する場合には、分極領域502または分極領域503を形成するための電極の位置・寸法、電圧印加条件等を高精度に制御する必要がある。しかし、電子ビーム描画装置の解像度に限界があること、分極領域作製条件などの理由により、分極領域502,503の長さ制御には限界がある。
この発明の課題は、分極領域の位置・寸法等を高精度に制御することなしに、波長変換の周波数帯域内における変換効率の揺らぎやパルス波形のリップルを抑制する技術を提供することにある。
(1)第1の発明は、誘電分極が互いに反転している二種類の分極領域が複数個ずつ交互に形成された非線形光学基板を有し、これらの分極領域を伝搬させることによって信号光の波長を変換する波長変換素子に関する。
そして、ブロック毎に伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域が複数個概念的に設定され、実際に分極を反転させる仮想分極反転領域の個数をブロック毎に決定することにより波長変換効率の絶対値が該ブロック毎に調整されたことを特徴とする。
(2)第2の発明は、誘電分極が互いに反転している2種類の分極領域が複数個ずつ交互に形成された非線形光学基板を有し、これらの分極領域を伝搬させることによって信号光の波長を変換する波長変換素子に関する。
そして、非線形光学基板の少なくとも光伝搬領域を含む領域にチャープ形成領域が概念的に設けられ、チャープ形成領域が信号光の伝搬方向に沿って並ぶ複数個のブロックに概念的に分割され、ブロック毎に伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域が複数個概念的に設定され、実際に分極を反転させる仮想分極反転領域の個数をブロック毎に決定することにより波長変換効率の絶対値をブロック毎に調整されたことを特徴とする。
(3)第3の発明は、誘電分極が互いに反転している2種類の分極領域が複数個ずつ交互に形成された非線形光学基板を有し、これらの分極領域を伝搬させることによって信号光の波長を変換する波長変換素子の製造方法に関する。
そして、非線形光学基板の少なくとも光伝搬領域を含む領域にチャープ形成領域を概念的に設定し、チャープ形成領域を信号光の伝搬方向に沿って並ぶ複数個のブロックに概念的に分割し、ブロック毎に伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域を複数個概念的に設定し、実際に分極を反転させる仮想分極反転領域の個数をブロック毎に決定する設計ステップと、実際に分極を反転させる仮想分極反転領域に電極を形成する電極形成ステップと、電極に電圧を印加することによって分極反転を発生させる分極反転ステップとを含むことを特徴とする。
この発明によれば、各ブロックに形成される分極反転領域の個数によって当該ブロックに対応する領域の波長変換効率を設定するので、分極領域の位置・寸法等を高精度に制御することなしに、変換効率の揺らぎやパルス波形のリップルを抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、図中、各構成成分の大きさ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的条件は単なる例示にすぎない。
図1(A)は、この実施形態に係る波長変換素子を構造を概念的に示す平面図である。
図1(A)に示したように、この実施形態の波長変換素子100は、基板101と、チャープ形成領域102と、光伝搬領域103と、ブロック104−1,104−2,・・・と、仮想分極反転領域105と、第1分極領域106と、第2分極領域107を有する。
基板101は、従来の波長変換素子500(図5参照)と同様、非線形光学効果を有する基板(例えばLiNbO3のz板等の強誘電体基板)である。
チャープ形成領域102は、基板の、少なくとも光伝搬領域103を含む領域に形成される。チャープ形成領域102は、基板101の全面に形成してもよい。
光伝搬領域103は、信号光P1、ポンプ光P2、中間光P3(図1では示さず、図5参照)および変換光P4が伝搬する領域である。光伝搬領域103には、従来の波長変換素子500と同様の光導波路が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。光導波路を設けない場合は、信号光P1やポンプ光P2を、図示しないレンズ系で平行ビーム化して光伝搬領域103に入射させればよい。
ブロック104−1,104−2,・・・は、チャープ形成領域102を信号光P1やポンプ光P2の伝搬方向に沿って複数に分割するための、概念的なブロックである。この実施形態では、すべてのブロック104−1,104−2,・・・の、光伝搬方向に対する長さを同一にしたが、この長さは同一である必要はない(後述)。
仮想分極反転領域105は、ブロック104−1,104−2,・・・に複数個ずつ、仮想的に形成される。この実施形態では、すべてのブロック104−1,104−2,・・・において、光伝搬方向に対する仮想分極反転領域105の長さL1、配置等間隔L2および仮想分極反転領域105の個数を同一にしたが、これらの条件はブロック104−1,104−2,・・・毎に定めてもよい。
第1分極領域106および第2分極領域107は、誘電分極が互いに反転した領域である。第1分極領域106は、仮想分極反転領域105に形成される。実際に第1分極領域106を形成する仮想分極反転領域105の個数は、ブロック104−1,104−2,・・・毎に異なっていてもよい。この実施形態では、第1分極領域106が形成される仮想分極反転領域105の個数により、各ブロック104−1,104−2,・・・の波長変換効率が設定される。波長変換効率の設定値は、各ブロック104−1,104−2,・・・毎に決定される。第1分極領域106を形成しなかった領域(仮想分極反転領域105を含む)は、そのまま第2分極領域107になる。
次に、図1(A)に示した波長変換素子100の原理について、図1(B)を用いて説明する。図1(B)において、縦軸は、波長変換係数(すなわち波長変換効率の大小を示す係数)であり、また、横軸は、波長変換素子100の、光伝搬方向に沿った位置座標に相当する。
波長変換係数は、光信号の、第1、第2分極領域106,107の伝搬距離比に依存する。したがって、各ブロック104−1,104−2,・・・に設けられる第1分極領域106の本数によって、そのブロックの波長変換係数(そのブロック内における平均値)を調整することができる。
図1(A)の例では、ブロック104−1には1本の第1分極領域106が設けられており、ブロック104−2には3本の第1分極領域106が形成されており、ブロック104−3,104−4にはそれぞれ4本の第1分極領域106が形成されており、さらに、ブロック104−5,104−6にはそれぞれ5本の第1分極領域106が形成されている。このため、図1(B)にステップ状曲線C2で示したように、各ブロック104−1,104−2,・・・の波長変換係数の関係は、概ね、1:3:4:4:5:5になる。その結果、波長変換素子100全体としては、概ね、曲線C1で示したような分布関数に沿って、波長変換係数が変化する。
このようにして、各ブロック104−1,104−2,・・・における第1分極領域106の本数を適当に設定することにより、これらのブロックにおける波長変換係数を、任意に設定することができる。
隣接ブロック間における、第1分極領域106の本数の差は、1本である必要はない。例えば、ブロック104−1,104−2のように、2本の差を設けてもよいし、それ以上の本数差を設けてもよい。また、ブロック104−3,104−4のように、同じ本数のブロックが2個或いはそれ以上隣接していてもよい。すなわち、各ブロック104−1,104−2,・・・における第1分極領域106の本数は、波長変換素子100の他の設計条件に応じて、変換効率の揺らぎやパルス波形のリップルが十分に抑制できるように、決定すればよい。
図2(A)、(B)は、第1分極領域106の形成位置の他の例を概念的に示す平面図である。図2(A)、(B)において、図1(A)と同じ符号を付した構成要素は、それぞれ図1と同じものを示している。
図2(A)は、各ブロック104−1,104−2,・・・のほぼ中央部分に配置された仮想分極反転領域105に第1分極領域106を形成した例である。すなわち、図2(A)では、光導入側から見て、4番目、3番目、5番目、2番目、6番目、1番目の順に、第1分極領域106が形成される仮想分極反転領域105を選択していく例である。
また、図2(B)は、各ブロック104−1,104−2,・・・において、第1分極領域106が形成される仮想分極反転領域105を、ランダムに選択する例である。
図2(A)、(B)に示したようにして第1分極領域106の形成位置を決定した場合でも、図1(B)にC2で示したような波長変換係数曲線を得ることができる。
図1、図2の例では、各ブロック104−1,104−2,・・・に属する仮想分極反転領域105の本数を同一(6本)にしたが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、同一ブロック内で、第1分極領域106を形成しない仮想分極反転領域105を1本のみに固定して、各ブロックに属する仮想分極反転領域105の本数の方を適宜変更してもよい。例えば、ブロックに属する仮想分極反転領域105を2本とすれば、第1分極領域106を1本のみ形成することで、波長変換係数を50パーセントに設定することができる。また、ブロックに属する仮想分極反転領域105を1本とすれば、第1分極領域106を0本にすることで、波長変換係数は0パーセントになる。このように、ブロックに属する仮想分極反転領域105の本数が少ないほど、そのブロックの波長変換係数を細かく調整することはできなくなる。したがって、各ブロックに属する仮想分極反転領域105の本数は、波長変換素子100の他の設計条件に応じて、設計作業が簡単になり且つ変換効率の揺らぎやパルス波形のリップルが十分に抑制できるように決定すればよい。
次に、図1(A)に示した波長変換素子100の製造方法について、図3を用いて説明する。
この実施形態では、上述のようにして、基板101に光伝搬領域103を含むチャープ形成領域102を概念的に設定し、このチャープ形成領域102をブロック104−1,104−2,・・・に概念的に分割し、各ブロック104−1,104−2,・・・に仮想分極反転領域105を概念的に配置し、分極を反転させる仮想分極反転領域105の個数(すなわち第1分極領域106を形成する個数)をブロック104−1,104−2,・・・毎に決定する。そして、上述のようにして、各ブロック104−1,104−2,・・・毎に、分極反転させる仮想分極反転領域105を選択した後、当該仮想分極反転領域105の表面に電極を形成する。そして、該電極に、基板101の分極方向と逆の電圧を印加して、被選択仮想分極反転領域105の分極を反転させる。
図3は、この電圧印加のために形成する電極配置を示す概念的平面図である。図3において、図1(A)と同じ符号を付した構成要素は、それぞれ、図1の場合と同じものを示している。
図3に示したように、チャープ形成領域102のうち、分極反転させる仮想分極反転領域105上には電極303が形成されるが、他の仮想分極反転領域105上には電極303が形成されない。
一方、基板101の表面のうち、チャープ形成領域102に含まれない領域301,302については、分極反転をさせるかどうかに拘わらずすべての仮想分極反転領域105に対応させて電極303が形成される。
また、基板101の表面の端部(図3の上端部および下端部)には、これらの電極303を相互に接続する、第1ガード電極304,305が形成される。
さらに、領域301,302のみに形成された電極(分極反転させない仮想分極反転領域105に対応する電極)303を相互に接続する、第2ガード電極306が設けられる。この実施形態では、第2ガード電極306を、チャープ形成領域102に近接する位置に形成する。
この実施形態で、領域301,302に電極304,305,306を設けたのは、以下の理由による。
上述のように、第1分極領域106の形成本数は、各ブロック104−1,104−2,・・・毎に異なる。このため、仮想分極反転領域105の分極を反転させない領域の近傍に電極を全く設けないと、電圧印加時に流れる電流が各ブロック毎に大きく異なることになり、その結果、基板101内での温度ばらつきが非常に大きくなる。すなわち、第1分極領域106の形成本数が多いブロックでは温度上昇が激しくなり、その一方で、第1分極領域106の形成本数が少ないブロックでは温度上昇が小さくなる。このような温度ばらつきは、基板101内で分極反転の度合いがばらつく原因となり、したがって、波長変換素子100の特性悪化の原因となる。
これに対して、この実施形態では、電極304,305,306を形成することとしたので、上述のような温度ばらつきが抑制され、波長変換素子100の特性を向上させることができる。加えて、第2ガード電極306を設けることにより、分極反転させない仮想分極反転領域105に対応する電極303の端部での、電荷集中が抑制される。このように、領域301,302にも電極304,305,306を設けて、分極反転されない領域の電極形成面積を極力大きくすることにより、波長変換素子100の特性向上を図ることができる。但し、上述の温度ばらつきが問題にならないような場合には、ガード電極304,305,306を設けなくてもよい。
この実施形態では、チャープ形成領域102を光伝搬領域103よりも広く形成したが、これらの領域102,103は一致していてもよい。但し、チャープ形成領域102が光伝搬領域103に比べて十分に広い方が、この発明の効果は大きくなる。なぜなら、図3の例では、領域301,302にも、第1分極領域106が形成されるからである。信号光P1やポンプ光P2が伝搬するとき、伝搬方向に直角な方向についての強度分布は、ガウス分布である。このため、チャープ形成領域102が狭いために伝搬光P1,P2(図1(A)参照)の一部が領域301,302の第1分極領域106に達すると、波長変換係数が変化してしまう。この発明の発明者が検討したところ、伝搬光P1,P2のピーク強度の1/e(eは自然対数の底)よりも強い光がチャープ形成領域102内を伝搬できるように、十分に広く該チャープ形成領域102を形成することが望ましい。特に、レンズ系を用いて伝搬光の平行ビームを形成する場合(すなわち、光伝搬領域103として光導波路を用いない場合)には、光P1,P2を集光するときの回折限界によりビーム径を数ミクロンまで小さくすることはできず、このため、光エネルギー密度が小さくなって波長変換効率が低下する。このため、チャープ形成領域102を十分に広くすることが望ましい。なお、光伝搬領域103として光導波路を用いない場合には、狭い光導波路と光ファイバー等の外部導波路との位置合わせが不要になるので、波長変換素子100の実装が容易になるという利点がある。
図4は、この実施形態に係る波長変換素子100(実施例素子)と、従来のチャープ構造波長変換素子(従来例素子、図6参照)との波長変換効率特性を比較したグラフである。図4において、縦軸は波長変換効率であり、横軸はQPM位相整合条件からのずれをQPM周期で規格化した値である。横軸の値は、チャープした周期の平均値がπとなるように定められており、光波数に比例し且つQPM周期に比例する。
従来例素子において、QPMの周期すなわち第1分極領域502の間隔Λは19μmであり、また、周期チャープ量の最大値ΔΛは0.13μmである。QPM周期の数すなわち第1分極領域502の数は2500であり、素子全長は4.75cmである。さらに、波長変換素子の全長(光伝搬方向の長さ)のうち、入射面からの20パーセントは波長変換係数が徐々に上昇するように形成し、中央部分の60パーセントは波長変換係数が一定になるように形成し、さらに、出射面までの20パーセントは波長変換係数が徐々に低下するように形成した。入射部分および出射部分の波長変換係数は、ハニング窓(raised-cosine)関数にしたがって変換するように設定した。
一方、実施例素子においては、素子全長を従来例素子と同一とし、各ブロックに16本ずつの仮想分極反転領域105を設け、図1と同様、各ブロックの入射側から所定数の仮想分極反転領域105に第1分極領域106を形成した。
図4に示されているように、従来例素子では波長変換係数が大きく揺らいでいるのに対し、実施例素子では揺らぎを非常に小さくすることができた。
以上説明したように、この実施形態によれば、仮想分極反転領域105の分極反転/非反転によって波長変換効率を制御するので、従来のように分極領域の位置・幅を1個ずつ設定する場合(図6参照)と比較して、作製条件の厳密性が低減される。このため、量産時の特性ばらつきを低減でき、歩留まりが向上する。
さらに、仮想分極反転領域105の分極反転/非反転によって波長変換効率を制御することにより、かかる波長変換効率の変化の幅を広げ且つ滑らかにすることができ、したがって、変換効率の揺らぎやパルス波形のリップルを抑制することができる。
(A)は実施形態に係る波長変換素子を構造を概念的に示す平面図、(B)は実施形態に係る波長変換素子の波長変換特性を示すグラフである。 (A)、(B)ともに、実施形態に係る波長変換素子を他の構造例を概念的に示す平面図である。 実施形態に係る波長変換素子の製造方法を説明するための概念的平面図である。 実施形態に係る波長変換素子と従来のチャープ構造波長変換素子との変換効率特性を比較したグラフである。 従来の波長変換素子の構造例を示す概念図である。 従来のチャープ構造を概念的に示す特性図である。
符号の説明
100 波長変換素子
101 基板
102 チャープ形成領域
103 光伝搬領域
104−1〜104−6 ブロック
105 仮想分極反転領域
106 第1分極領域
107 第2分極領域

Claims (15)

  1. 誘電分極が互いに反転している2種類の分極領域が複数個ずつ交互に形成された非線形光学基板を有し、これらの分極領域に形成された光伝搬領域を伝搬させることによって信号光の波長を変換する波長変換素子であって、
    ブロック毎に、伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域が複数個、概念的に設定され、
    実際に分極を反転させる前記仮想分極反転領域の個数を前記ブロック毎に決定することにより、波長変換効率の絶対値が該ブロック毎に調整された、
    ことを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記光伝搬領域に、光導波路が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. すべての前記ブロックの、光伝搬方向への長さが、同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換素子。
  4. すべての前記ブロックに属するすべての前記仮想分極反転領域の、前記光伝搬方向への長さおよび間隔が、同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の波長変換素子。
  5. 誘電分極が互いに反転している2種類の分極領域が複数個ずつ交互に形成された非線形光学基板を有し、これらの分極領域を伝搬させることによって信号光の波長を変換する波長変換素子であって、
    前記非線形光学基板の、少なくとも光伝搬領域を含む領域にチャープ形成領域が概念的に設けられ、
    前記チャープ形成領域が、該信号光の伝搬方向に沿って並ぶ複数個のブロックに概念的に分割され、
    前記ブロック毎に、前記伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域が複数個、概念的に設定され、
    実際に分極を反転させる前記仮想分極反転領域の個数を前記ブロック毎に決定することにより、波長変換効率の絶対値が該ブロック毎に調整された、
    ことを特徴とする波長変換素子。
  6. 前記光伝搬領域に、光導波路が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の波長変換素子。
  7. すべての前記ブロックの、光伝搬方向への長さが、同一であることを特徴とする請求項5または6に記載の波長変換素子。
  8. すべての前記ブロックに属するすべての前記仮想分極反転領域の、前記光伝搬方向への長さおよび間隔が、同一であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の波長変換素子。
  9. 誘電分極が互いに反転している2種類の分極領域が複数個ずつ交互に形成された非線形光学基板を有し、これらの分極領域を伝搬させることによって信号光の波長を変換する波長変換素子の製造方法であって、
    前記非線形光学基板の少なくとも光伝搬領域を含む領域にチャープ形成領域を概念的に設定し、前記チャープ形成領域を該信号光の伝搬方向に沿って並ぶ複数個のブロックに概念的に分割し、該ブロック毎に前記伝搬方向への長さが同一で且つ等間隔の仮想分極反転領域を複数個概念的に設定し、実際に分極を反転させる前記仮想分極反転領域の個数を前記ブロック毎に決定する設計ステップと、
    実際に分極を反転させる前記仮想分極反転領域に電極を形成する電極形成ステップと、
    前記電極に電圧を印加することによって分極反転を発生させる分極反転ステップと、
    を含むことを特徴とする波長変換素子の製造方法。
  10. 前記電極形成ステップにおいて、前記チャープ形成領域外の、前記仮想分極反転領域と対応する領域に、前記電極がさらに形成されることを特徴とする請求項9に記載の波長変換素子の製造方法。
  11. 前記電極形成ステップにおいて、前記チャープ形成領域外の領域に形成された前記電極を相互に接続する第1ガード電極がさらに形成されることを特徴とする請求項10に記載の波長変換素子の製造方法。
  12. 前記電極形成ステップにおいて、分極反転させない前記仮想分極反転領域に対応させて形成された前記電極を相互に接続する第2ガード電極が、前記チャープ形成領域に近接してさらに形成されることを特徴とする請求項10または11に記載の波長変換素子の製造方法。
  13. 前記光伝搬領域に、光導波路が形成されたことを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の波長変換素子の製造方法。
  14. すべての前記ブロックの、光伝搬方向への長さが、同一であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の波長変換素子の製造方法。
  15. すべての前記ブロックに属するすべての前記仮想分極反転領域の、前記光伝搬方向への長さおよび間隔が、同一であることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の波長変換素子の製造方法。
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