JP2000301910A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- JP2000301910A JP2000301910A JP11115026A JP11502699A JP2000301910A JP 2000301910 A JP2000301910 A JP 2000301910A JP 11115026 A JP11115026 A JP 11115026A JP 11502699 A JP11502699 A JP 11502699A JP 2000301910 A JP2000301910 A JP 2000301910A
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- Tires In General (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 カーカス層の枚数を減じた場合でもカーカス
層のスプライス部に起因してサイドウオール部に発生す
る凹凸を抑えることができ、これによってタイヤの軽量
化・生産性の向上を可能にした空気入りラジアルタイヤ
の提供。 【解決手段】 左右一対のビードコア10,10間にカ
ーカス層11が装架され、カーカス層11のタイヤ周方
向EE’の一端部と他端部が重ね合わさってスプライス
部15を形成した空気入りラジアルタイヤにおいて、カ
ーカス層11のコードとして総デニール数が3000D
〜8000Dの超低収縮ポリエステルコードを使用した
こと。
層のスプライス部に起因してサイドウオール部に発生す
る凹凸を抑えることができ、これによってタイヤの軽量
化・生産性の向上を可能にした空気入りラジアルタイヤ
の提供。 【解決手段】 左右一対のビードコア10,10間にカ
ーカス層11が装架され、カーカス層11のタイヤ周方
向EE’の一端部と他端部が重ね合わさってスプライス
部15を形成した空気入りラジアルタイヤにおいて、カ
ーカス層11のコードとして総デニール数が3000D
〜8000Dの超低収縮ポリエステルコードを使用した
こと。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーカス層の枚数
を減じた場合でもカーカス層のスプライス部に起因して
サイドウオール部に発生する凹凸を抑えることができ、
これによってタイヤの軽量化・生産性の向上を可能にし
た空気入りラジアルタイヤに関する。
を減じた場合でもカーカス層のスプライス部に起因して
サイドウオール部に発生する凹凸を抑えることができ、
これによってタイヤの軽量化・生産性の向上を可能にし
た空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ナイロンコードからなるカーカス
層を有する空気入りバイアスタイヤでは、タイヤの軽量
化・生産性の向上をはかるべく、コードを太デニール化
(太径コード化)してカーカス層の枚数を減らす手法を
とっていた。
層を有する空気入りバイアスタイヤでは、タイヤの軽量
化・生産性の向上をはかるべく、コードを太デニール化
(太径コード化)してカーカス層の枚数を減らす手法を
とっていた。
【0003】一方、空気入りラジアルタイヤでは、下記
、等によりカーカス層の枚数(プライ数)の低減は
困難であった。 バイアスタイヤに比してもともとプライ数が少ない
ので、プライ数低減によって加硫後にタイヤのサイドウ
オール部の凹凸が大きくなってしまう。
、等によりカーカス層の枚数(プライ数)の低減は
困難であった。 バイアスタイヤに比してもともとプライ数が少ない
ので、プライ数低減によって加硫後にタイヤのサイドウ
オール部の凹凸が大きくなってしまう。
【0004】空気入りラジアルタイヤを製造する場合、
カーカスコードとコートゴムからなる帯状のカーカス材
を、タイヤ成形ドラムの外周面に巻き付けて、巻き始め
端部と巻き終わり端部とを重ね合わせることによりスプ
ライス部を形成している。したがって、カーカス層に
は、タイヤ幅方向に延びるスプライス部が設けられてい
る。
カーカスコードとコートゴムからなる帯状のカーカス材
を、タイヤ成形ドラムの外周面に巻き付けて、巻き始め
端部と巻き終わり端部とを重ね合わせることによりスプ
ライス部を形成している。したがって、カーカス層に
は、タイヤ幅方向に延びるスプライス部が設けられてい
る。
【0005】しかしながら、このようにスプライス部が
設けられると、スプライス部ではカーカス層の他の部分
(本体部)に比較してエンド数(コード直角方向50m
m当たりのコード打ち込み本数)が大きいため剛性が大
となり、タイヤ成形時の膨径に際してスプライス部はほ
とんど伸びず、エンド数がほとんど変わらない。逆にカ
ーカススプライス部近傍には応力が集中し、大きく伸び
るので、カーカススプライス部近傍以外のエンド数より
更に少なくなる。
設けられると、スプライス部ではカーカス層の他の部分
(本体部)に比較してエンド数(コード直角方向50m
m当たりのコード打ち込み本数)が大きいため剛性が大
となり、タイヤ成形時の膨径に際してスプライス部はほ
とんど伸びず、エンド数がほとんど変わらない。逆にカ
ーカススプライス部近傍には応力が集中し、大きく伸び
るので、カーカススプライス部近傍以外のエンド数より
更に少なくなる。
【0006】このタイヤに空気を充填すると、カーカス
スプライス部はエンド数が他の部分より多く、カーカス
コードが伸びにくいので、タイヤサイド部表面が凹むの
に対して、カーカススプライス部近傍は逆にエンド数が
少なく、カーカスコードが伸びるので、タイヤサイド部
表面が凸となり、しかもこの凹凸が隣接しているので、
ゴム厚の薄いサイドウォール部の表面の凹凸が目立って
しまう。一般的にこの凹凸はプライ数が少ないほど大き
くなる。
スプライス部はエンド数が他の部分より多く、カーカス
コードが伸びにくいので、タイヤサイド部表面が凹むの
に対して、カーカススプライス部近傍は逆にエンド数が
少なく、カーカスコードが伸びるので、タイヤサイド部
表面が凸となり、しかもこの凹凸が隣接しているので、
ゴム厚の薄いサイドウォール部の表面の凹凸が目立って
しまう。一般的にこの凹凸はプライ数が少ないほど大き
くなる。
【0007】 空気入りラジアルタイヤでは、高速走
行時の操縦安定性および乗り心地性をよくするために、
カーカス層のコードとしてポリエステルコードを用いて
いる。しかしながら、通常、ポリエステルコードはナイ
ロンコードに比して耐疲労性が悪いため、ポリエステル
コードを太デニール化した場合、ナイロンコードでは問
題とならないコードの耐疲労性低下が発生し、タイヤの
荷重耐久性が悪化してしまう。
行時の操縦安定性および乗り心地性をよくするために、
カーカス層のコードとしてポリエステルコードを用いて
いる。しかしながら、通常、ポリエステルコードはナイ
ロンコードに比して耐疲労性が悪いため、ポリエステル
コードを太デニール化した場合、ナイロンコードでは問
題とならないコードの耐疲労性低下が発生し、タイヤの
荷重耐久性が悪化してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステルコードからなるカーカス層を有する空気入りラ
ジアルタイヤであって、カーカス層の枚数を減じた場合
でもカーカス層のスプライス部に起因してサイドウオー
ル部に発生する凹凸を抑えることができ、これによって
タイヤの軽量化・生産性の向上を可能にした空気入りラ
ジアルタイヤを提供することである。
エステルコードからなるカーカス層を有する空気入りラ
ジアルタイヤであって、カーカス層の枚数を減じた場合
でもカーカス層のスプライス部に起因してサイドウオー
ル部に発生する凹凸を抑えることができ、これによって
タイヤの軽量化・生産性の向上を可能にした空気入りラ
ジアルタイヤを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、左右一対のビ
ードコア間にカーカス層が装架され、該カーカス層のタ
イヤ周方向の一端部と他端部が重ね合わさってスプライ
ス部を形成した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記
カーカス層のコードとして総デニール数が3000D〜
8000Dの超低収縮ポリエステルコードを使用したこ
とを特徴とする。
ードコア間にカーカス層が装架され、該カーカス層のタ
イヤ周方向の一端部と他端部が重ね合わさってスプライ
ス部を形成した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記
カーカス層のコードとして総デニール数が3000D〜
8000Dの超低収縮ポリエステルコードを使用したこ
とを特徴とする。
【0010】超低収縮ポリエステルコードは、伸びにく
くかつ耐疲労性に優れている。このように伸びにくい超
低収縮ポリエステルコードをカーカス層のコードとして
使用したため、サイドウオール部におけるカーカススプ
ライス部とカーカス層本体部との伸度差を小さくできる
ので、サイドウオール部に発生する凹凸を抑えることが
できる。
くかつ耐疲労性に優れている。このように伸びにくい超
低収縮ポリエステルコードをカーカス層のコードとして
使用したため、サイドウオール部におけるカーカススプ
ライス部とカーカス層本体部との伸度差を小さくできる
ので、サイドウオール部に発生する凹凸を抑えることが
できる。
【0011】また、上記のように超低収縮ポリエステル
コードをカーカス層のコードとして用いることによりサ
イドウオール部に発生する凹凸を抑えることができると
共に、超低収縮ポリエステルコードは耐疲労性に優れて
いるから、用いる超低収縮ポリエステルコードを太デニ
ール化することにより(3000D〜8000D)、カ
ーカス層の枚数を減じることができるので、タイヤの軽
量化・生産性の向上が可能となる(従来におけるカーカ
ス層のポリエステルコードの総デニール数は1000D
〜3000D程度)。
コードをカーカス層のコードとして用いることによりサ
イドウオール部に発生する凹凸を抑えることができると
共に、超低収縮ポリエステルコードは耐疲労性に優れて
いるから、用いる超低収縮ポリエステルコードを太デニ
ール化することにより(3000D〜8000D)、カ
ーカス層の枚数を減じることができるので、タイヤの軽
量化・生産性の向上が可能となる(従来におけるカーカ
ス層のポリエステルコードの総デニール数は1000D
〜3000D程度)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りラジアルタイヤ
は、図1に示されるように、左右一対のビードコア1
0,10間に単一層のカーカス層11が装架され、トレ
ッド12においては2層のベルト層13,13がタイヤ
周方向にタイヤ1周に亘ってそれぞれ配置されている。
は、図1に示されるように、左右一対のビードコア1
0,10間に単一層のカーカス層11が装架され、トレ
ッド12においては2層のベルト層13,13がタイヤ
周方向にタイヤ1周に亘ってそれぞれ配置されている。
【0013】カーカス層11では、図2(A)に示され
るように、タイヤ周方向EE’の一端部と他端部とが重
なり合ってタイヤ幅方向に延びるスプライス部15を形
成している。一般に、図2(A)に示されるようにカー
カス層11が単一層の場合には、伸度比(カーカス層本
体部/スプライス部15)=1/1/2 、図2(B)に示
されるようにカーカス層11が2層の場合には、伸度比
(カーカス層本体部/スプライス部15)=1/2/3 、
図2(C)に示されるようにカーカス層11が3層の場
合には、伸度比(カーカス層本体部/スプライス部1
5)=1/3/4 となるので、カーカス層の枚数が少ない
ほどサイドウォール部の表面の凹凸が大となる。
るように、タイヤ周方向EE’の一端部と他端部とが重
なり合ってタイヤ幅方向に延びるスプライス部15を形
成している。一般に、図2(A)に示されるようにカー
カス層11が単一層の場合には、伸度比(カーカス層本
体部/スプライス部15)=1/1/2 、図2(B)に示
されるようにカーカス層11が2層の場合には、伸度比
(カーカス層本体部/スプライス部15)=1/2/3 、
図2(C)に示されるようにカーカス層11が3層の場
合には、伸度比(カーカス層本体部/スプライス部1
5)=1/3/4 となるので、カーカス層の枚数が少ない
ほどサイドウォール部の表面の凹凸が大となる。
【0014】これに対し、本願発明では、カーカス層1
1のコードとして伸びにくい超低収縮ポリエステルコー
ドを用いているため、カーカス層11が単一層の場合で
も伸度比(カーカス層本体部/スプライス部15)≒1
/1となるので、サイド凹凸を従来よりも小さくするこ
とができる。本願発明では、カーカス層11の枚数は特
に定められるものではないが、1枚(単一層)であるの
が好ましい。
1のコードとして伸びにくい超低収縮ポリエステルコー
ドを用いているため、カーカス層11が単一層の場合で
も伸度比(カーカス層本体部/スプライス部15)≒1
/1となるので、サイド凹凸を従来よりも小さくするこ
とができる。本願発明では、カーカス層11の枚数は特
に定められるものではないが、1枚(単一層)であるの
が好ましい。
【0015】この超低収縮ポリエステルコードの総デニ
ール数は、3000D〜8000Dである。3000D
未満ではコードが細すぎてカーカス層の強度を十分に大
きくできないからカーカス層の枚数を減らすのが困難と
なる。一方、8000Dを超えるとカーカス層の厚さが
大きくなりすぎてタイヤ成形加工性が悪くなってしま
う。
ール数は、3000D〜8000Dである。3000D
未満ではコードが細すぎてカーカス層の強度を十分に大
きくできないからカーカス層の枚数を減らすのが困難と
なる。一方、8000Dを超えるとカーカス層の厚さが
大きくなりすぎてタイヤ成形加工性が悪くなってしま
う。
【0016】ここで用いる超低収縮ポリエステルコード
は、従来のポリエステルコードよりも繊維中の結晶化度
を向上させると共に非晶部の分子鎖長と配向度をランダ
ム化させることで、寸法安定性指数を低減させたポリエ
ステル繊維のコードである。一般に繊維の疲労は、繊維
軸方向にかかる圧縮応力がリジッドな結晶部に堆積・発
熱することで劣化が促進される現象をさす。通常、非晶
部の拘束力(ランダム度を上げる)を低減することで応
力の集中を避け、繊維の寿命を延ばすことができる。よ
って、非晶部がルーズな超低収縮ポリエステルコード
は、従来のポリエステルコードよりも耐疲労性が良好で
ある。ここで、寸法安定性指数とは、中間伸度+熱収縮
率のことで、繊維を表わす指標のひとつである。この値
が小さいほど、熱に対して安定な挙動を示す。
は、従来のポリエステルコードよりも繊維中の結晶化度
を向上させると共に非晶部の分子鎖長と配向度をランダ
ム化させることで、寸法安定性指数を低減させたポリエ
ステル繊維のコードである。一般に繊維の疲労は、繊維
軸方向にかかる圧縮応力がリジッドな結晶部に堆積・発
熱することで劣化が促進される現象をさす。通常、非晶
部の拘束力(ランダム度を上げる)を低減することで応
力の集中を避け、繊維の寿命を延ばすことができる。よ
って、非晶部がルーズな超低収縮ポリエステルコード
は、従来のポリエステルコードよりも耐疲労性が良好で
ある。ここで、寸法安定性指数とは、中間伸度+熱収縮
率のことで、繊維を表わす指標のひとつである。この値
が小さいほど、熱に対して安定な挙動を示す。
【0017】この超低収縮ポリエステルコードは、撚り
係数Kが1500〜2500(K=T√D、Tはコード
10cm当たりの撚数、Dはコードのデニール数)、中
間伸度が2〜5%、150℃での熱収縮率が1.0%〜
4.5%、および寸法安定性指数が2.5%〜6.5%
である。
係数Kが1500〜2500(K=T√D、Tはコード
10cm当たりの撚数、Dはコードのデニール数)、中
間伸度が2〜5%、150℃での熱収縮率が1.0%〜
4.5%、および寸法安定性指数が2.5%〜6.5%
である。
【0018】撚り係数Kが1500未満では、コードの
撚り係数はコードの疲労性に関係が大きいので超低収縮
ポリエステルコードといえども耐疲労性が実用に適さな
い程度にまで悪化する。一方、撚り係数Kが2500を
超えると、撚り係数が大きくなるとコードの伸びが大き
くなるので、中間伸度が大きくなり、もともと伸びにく
い超低収縮ポリエステルコードを使用してもサイド凹凸
を充分に抑制することができなくなる。
撚り係数はコードの疲労性に関係が大きいので超低収縮
ポリエステルコードといえども耐疲労性が実用に適さな
い程度にまで悪化する。一方、撚り係数Kが2500を
超えると、撚り係数が大きくなるとコードの伸びが大き
くなるので、中間伸度が大きくなり、もともと伸びにく
い超低収縮ポリエステルコードを使用してもサイド凹凸
を充分に抑制することができなくなる。
【0019】中間伸度は1デニール当たり2.25gの
荷重をかけたときのコード伸び率である(2.25g/
D)。この中間伸度が2%未満では、中間伸度すなわち
コードの伸びが大きいと耐疲労性が悪くなるので、もと
もと耐疲労性の良好な超低収縮ポリエステルコードを使
用しても実用に適さない程度にまで耐疲労性が悪化す
る。5%を超えるとコードの伸びが大きすぎて、サイド
凹凸を充分に抑制することができなくなる。
荷重をかけたときのコード伸び率である(2.25g/
D)。この中間伸度が2%未満では、中間伸度すなわち
コードの伸びが大きいと耐疲労性が悪くなるので、もと
もと耐疲労性の良好な超低収縮ポリエステルコードを使
用しても実用に適さない程度にまで耐疲労性が悪化す
る。5%を超えるとコードの伸びが大きすぎて、サイド
凹凸を充分に抑制することができなくなる。
【0020】150℃での熱収縮率が1.0%未満で
は、タイヤ走行時にカーカス層にかかる遠心力に抗らう
力が充分に発生せずタイヤの外径成長が大きくなる傾向
があり、4.5%を超えるとタイヤ製造時の加硫工程に
おいてポリエステルコードの熱収縮により仕上りタイヤ
の形状が変化し、充分なタイヤ性能を発揮することがで
きなくなる。
は、タイヤ走行時にカーカス層にかかる遠心力に抗らう
力が充分に発生せずタイヤの外径成長が大きくなる傾向
があり、4.5%を超えるとタイヤ製造時の加硫工程に
おいてポリエステルコードの熱収縮により仕上りタイヤ
の形状が変化し、充分なタイヤ性能を発揮することがで
きなくなる。
【0021】寸法安定性指数が2.5%未満では、ポリ
エステル繊維の製造制約上、強度が低下するため、実用
に適した繊維強度が得にくくなり、6.5%を超えると
中間伸度を低く設定しても熱収縮率を充分に低くするこ
とができないため、加硫時に熱履歴を受け、コードが収
縮し、仕上りタイヤの形状が変化し、充分なタイヤ性能
を発揮することができなくなる。
エステル繊維の製造制約上、強度が低下するため、実用
に適した繊維強度が得にくくなり、6.5%を超えると
中間伸度を低く設定しても熱収縮率を充分に低くするこ
とができないため、加硫時に熱履歴を受け、コードが収
縮し、仕上りタイヤの形状が変化し、充分なタイヤ性能
を発揮することができなくなる。
【0022】本発明で用いる上述した超低収縮ポリエス
テルコードは、具体的には例えば、超低収縮ポリエチレ
ンテレフタレートコード(超低収縮PETコード)であ
る。
テルコードは、具体的には例えば、超低収縮ポリエチレ
ンテレフタレートコード(超低収縮PETコード)であ
る。
【0023】
【実施例】タイヤサイズ265/70R16を有すると
共に表1に示す諸元のカーカス層を有する空気入りラジ
アルタイヤを作製した(従来例1、比較例1〜5、実施
例1)。ここで、カーカス層のエンド数は50本/5c
mとした。
共に表1に示す諸元のカーカス層を有する空気入りラジ
アルタイヤを作製した(従来例1、比較例1〜5、実施
例1)。ここで、カーカス層のエンド数は50本/5c
mとした。
【0024】これらのタイヤにつき下記によりカーカス
層重量、サイド凹凸外観(バンピーサイド)、および荷
重耐久性を評価した。この結果を表1に示す。
層重量、サイド凹凸外観(バンピーサイド)、および荷
重耐久性を評価した。この結果を表1に示す。
【0025】カーカス層重量:2プライよりも1プライ
の方が当然軽いので、2プライ品を重い「×」、1プラ
イ品を軽い「○」とした。
の方が当然軽いので、2プライ品を重い「×」、1プラ
イ品を軽い「○」とした。
【0026】サイド凹凸外観:タイヤ製品をリム組み
し、空気圧をかけた場合に、サイド部においてカーカス
層スプライス部とそのスプライス部近傍との高低差を測
定し、目視によって評価した。凹凸大を「否」、凹凸小
を「良」、凹凸が殆どないのを「可」とした。
し、空気圧をかけた場合に、サイド部においてカーカス
層スプライス部とそのスプライス部近傍との高低差を測
定し、目視によって評価した。凹凸大を「否」、凹凸小
を「良」、凹凸が殆どないのを「可」とした。
【0027】荷重耐久性:JIS D4230の方法で
タイヤを標準リム16×8Jに組みつけ、室内の金属ド
ラム上を一定の速度で走行させながらタイヤへの負荷荷
重をステップ的に上昇させる。タイヤが破壊するまで走
行させて、その総走行距離を計測した。従来例1を10
0とする指数で示す。指数値の大きい方が荷重耐久性に
優れる。
タイヤを標準リム16×8Jに組みつけ、室内の金属ド
ラム上を一定の速度で走行させながらタイヤへの負荷荷
重をステップ的に上昇させる。タイヤが破壊するまで走
行させて、その総走行距離を計測した。従来例1を10
0とする指数で示す。指数値の大きい方が荷重耐久性に
優れる。
【0028】
【表1】
【0029】表1において、従来例1は、現行の低収縮
PETコードを用いると共にコード総デニール数が20
00Dの場合であり(1000D/2)、サイド凹凸外
観はよいがカーカス層重量は大である(2プライ)。比
較例1は、超低収縮PETコードを用いてはいるがコー
ド総デニール数が2000Dの場合であり(1000D
/2)、荷重耐久性には優れるがカーカス層重量は大で
あり(2プライ)、サイド凹凸外観もそれほどでもな
い。比較例2〜3は、コード総デニール数が本発明範囲
内の4000Dであるが(2000D/2)、現行の低
収縮PETコードを用いた場合であり、カーカス層重量
は小であるが(1プライ)、サイド凹凸外観が悪い。比
較例4は、超低収縮PETコードを用いると共にコード
総デニール数が4000Dではあるが(2000D/
2)、コードの中間伸度が5.4%と高くかつ熱収縮率
が0.7%と低い場合であり、荷重耐久性に優れかつカ
ーカス層重量は小であるが(1プライ)、サイド凹凸外
観が悪い。これに対し、本発明の場合(実施例1)で
は、カーカス層重量、サイド凹凸外観、および荷重耐久
性の全てに優れていることが判る。
PETコードを用いると共にコード総デニール数が20
00Dの場合であり(1000D/2)、サイド凹凸外
観はよいがカーカス層重量は大である(2プライ)。比
較例1は、超低収縮PETコードを用いてはいるがコー
ド総デニール数が2000Dの場合であり(1000D
/2)、荷重耐久性には優れるがカーカス層重量は大で
あり(2プライ)、サイド凹凸外観もそれほどでもな
い。比較例2〜3は、コード総デニール数が本発明範囲
内の4000Dであるが(2000D/2)、現行の低
収縮PETコードを用いた場合であり、カーカス層重量
は小であるが(1プライ)、サイド凹凸外観が悪い。比
較例4は、超低収縮PETコードを用いると共にコード
総デニール数が4000Dではあるが(2000D/
2)、コードの中間伸度が5.4%と高くかつ熱収縮率
が0.7%と低い場合であり、荷重耐久性に優れかつカ
ーカス層重量は小であるが(1プライ)、サイド凹凸外
観が悪い。これに対し、本発明の場合(実施例1)で
は、カーカス層重量、サイド凹凸外観、および荷重耐久
性の全てに優れていることが判る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空気入りラ
ジアルタイヤは、カーカス層のコードとして総デニール
数が3000D〜8000Dの超低収縮ポリエステルコ
ードを使用したため、カーカス層の枚数を減じた場合で
もカーカス層のスプライス部に起因してサイドウオール
部に発生する凹凸を抑えることができ、したがってカー
カス層の枚数を低減することによりカーカス層重量に最
も寄与の大きいコートゴム重量を低減できるのでタイヤ
の軽量化が可能となり、さらにカーカス層の枚数を低減
することによりタイヤ生産性の向上が可能となる。
ジアルタイヤは、カーカス層のコードとして総デニール
数が3000D〜8000Dの超低収縮ポリエステルコ
ードを使用したため、カーカス層の枚数を減じた場合で
もカーカス層のスプライス部に起因してサイドウオール
部に発生する凹凸を抑えることができ、したがってカー
カス層の枚数を低減することによりカーカス層重量に最
も寄与の大きいコートゴム重量を低減できるのでタイヤ
の軽量化が可能となり、さらにカーカス層の枚数を低減
することによりタイヤ生産性の向上が可能となる。
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の子午
線方向半断面図である。
線方向半断面図である。
【図2】カーカス層のスプライス部の一例を示す断面図
であって、(A)はカーカス層が1枚の場合を、(B)
はカーカス層が2枚の場合を、(C)はカーカス層が3
枚の場合をそれぞれ示す。
であって、(A)はカーカス層が1枚の場合を、(B)
はカーカス層が2枚の場合を、(C)はカーカス層が3
枚の場合をそれぞれ示す。
10 ビードコア 11 カーカス層 12 トレッド 13 ベルト層 15 スプライス部
Claims (4)
- 【請求項1】 左右一対のビードコア間にカーカス層が
装架され、該カーカス層のタイヤ周方向の一端部と他端
部が重ね合わさってスプライス部を形成した空気入りラ
ジアルタイヤにおいて、前記カーカス層のコードとして
総デニール数が3000D〜8000Dの超低収縮ポリ
エステルコードを使用した空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項2】 前記超低収縮ポリエステルコードは、撚
り係数Kが1500〜2500(K=T√D、Tはコー
ド10cm当たりの撚数、Dはコードのデニール数)、
中間伸度が2〜5%、150℃での熱収縮率が1.0%
〜4.5%、および寸法安定性指数が2.5%〜6.5
%である請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項3】 前記カーカス層は単一層である請求項1
又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項4】 前記超低収縮ポリエステルコードが超低
収縮ポリエチレンテレフタレートコードである請求項
1、2、又は3記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
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