JP2000285496A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JP2000285496A
JP2000285496A JP11091788A JP9178899A JP2000285496A JP 2000285496 A JP2000285496 A JP 2000285496A JP 11091788 A JP11091788 A JP 11091788A JP 9178899 A JP9178899 A JP 9178899A JP 2000285496 A JP2000285496 A JP 2000285496A
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dynamic pressure
slider
optical disk
objective lens
optical
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Jun Nishida
純 西田
Akihiro Kasahara
章裕 笠原
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ディスク装置において、対物レンズと光ディ
スクとの衝突を抑制可能な光ディスク装置を提供する。 【解決手段】対物レンズ保持体13に対物レンズ10を
保持し、回転駆動される光ディスク2の情報記録面に対
物レンズ10を通してレーザ光を集束して記録再生を行
う光ディスク装置1において、対物レンズ保持体13に
光ディスク2の回転に伴い動圧力を発生して浮上するス
ライダ40を設け、このスライダ40の動圧発生面を動
圧力により変形可能に構成した光ディスク装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク媒体と
この媒体上にレーザビームを集束させる対物レンズとの
衝突を抑制することのできる光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置は、情報記録媒体である
例えば光ディスクを保持して回転させた状態で、この光
ディスク上にレーザビームを照射して情報を記録した
り、あるいは光ディスクからの反射光を検出して適当な
処理を施すことにより、光ディスクに記録されている情
報を再生したりする装置である。
【0003】ここで、光ディスクとはCD−ROMやD
VD−ROMなどに代表される再生専用光ディスク、あ
るいは相変化型ディスク(PD:Phase-change Dis
k)、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical Disk)
やDVD−RAMなどに代表される記録再生兼用光ディ
スクなどの総称である。
【0004】光ディスク装置は、一般に光ディスク保持
部と、この光ディスク保持部に保持される光ディスクに
対して駆動される光学ヘッドと、レーザダイオードなど
に代表される光源と、対物レンズなどの光学素子を含む
光学要素と、光学要素により導かれたレーザビームを検
出する光検出器とを主な構成要素としている。ここで対
物レンズは、情報の記録時や再生時にレーザビームを絞
り込んで光ディスク上にビームスポットを形成するため
に用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような光ディス
ク装置は、現在パーソナルコンピュータやAV機器への
応用を目的として、小型化・薄型化が要求されている。
これらの要求に対し、従来より光学ヘッドの薄型化が図
られている。しかし光学ヘッドの薄型化にも限界がある
ため、対物レンズと光ディスクとの間の距離、いわゆる
作動距離WD(Working Distance)を狭くすることが検
討されつつある。
【0006】光ディスク上に特定の大きさのビームスポ
ットを形成するために必要なレーザビーム径(対物レン
ズから出射されるレーザビームの径)は、作動距離WD
を小さくすることによって小さくすることができる。そ
のため、対物レンズを含む光学系を小型化・薄型化する
ことが可能となり、作動距離WDを減少させることは、
光ディスク装置の薄型化を図る上で極めて効果的であ
る。しかしながら、作動距離WDを小さくすると、以下
のように、対物レンズが光ディスクに衝突してしまう危
険性が増大する。すなわち、レーザビームが光ディスク
表面に正しく焦点を結ぶようにするために、対物レンズ
に対してフォーカス方向への位置決め制御が行われてい
る。しかし、外乱その他の原因によりフォーカス方向制
御が機能を失うことがあり、そのような場合には、作動
距離WDが小さく設定された装置は対物レンズが光ディ
スクに衝突してしまう可能性が高くなってしまう。そし
て、対物レンズが光ディスクに衝突してしまうと光ディ
スクに傷がついたり対物レンズが損傷を受ける等の問題
が生じる。この問題を解決するため、光ディスク上にレ
ーザビームを集束させるための対物レンズについて、光
ディスクに対向する面の少なくとも一部に、回転する光
ディスクに近接したときその回転により光ディスクとの
衝突を防止する動圧(反発力)を発生する動圧発生面を
形成することが例えば、特願平9−352755号で検
討されている。動圧発生面の反発力による衝突までのポ
テンシャルエネルギが、フォーカス制御機能を失って
「暴走」する対物レンズの持つ運動エネルギより大きい
場合、対物レンズの運動エネルギが衝突前に全て変換さ
れて光ディスクとの衝突は回避される。ここで、動圧発
生面の形状を図20のような形状とし、 r=0.2
(m)、d=0.05(mm)、D=3.2(mm)、
D1=3.0(mm)、B=0.9(mm)およびD0
=5.0(mm)とした場合に、光ディスクの周方向速
度を6.56(m/s)(18rps)として設計する
と、スライダと光ディスクとに傾きがない状況では、図
21のように比較的大きな浮上力が発生する。 なお、
図20において、2は光ディスク、31は対物レンズ、
34は対物レンズホルダ、35は動圧スライダを示して
いる。図21から分かるように、動圧力の大きさは、光
ディスクと動圧発生面の間隙が小さいほど大きくなり、
特に間隙が1μm以下になると飛躍的に大きな反発力が
発生する。理論的には、反発力は間隙距離の2乗に反比
例する。この動圧力は、確かに間隙が小さいところでは
非常に大きな力であるが、その作用する範囲が間隙が小
さい場合に限定されること、および光ディスク表面には
0.3μm程度の表面あらさがありそれ以下の間隙での
動圧力は衝突防止としての機能を期待できないこと等の
理由により、対物レンズと一体に形成された動圧スライ
ダに働く力のみで、対物レンズと光ディスクの間の衝突
を防止することは不可能であった。そこで、対物レンズ
や対物レンズを保持するレンズホルダと、スライダを別
体にて構成し、両者をばね・減衰系にて連結することに
より、質量の大きな対物レンズおよびレンズホルダの持
つ運動エネルギのほとんどをばね変形のエネルギに変換
し、質量の非常に小さいスライダの持つ運動エネルギの
みを動圧による力で受け止めるように構成でき、あまり
大きな動圧力が発生しなくても対物レンズと光ディスク
との衝突が可能である光ディスク装置が提案されている
(特願平10―176194号)。ここで一般には、光
ディスクは回転に伴って周方向の傾き(タンジェンシャ
ルチルト)および半径方向の傾き(ラジアルチルト)が
生じる。これらの大きさは、DVD(Digital Video Di
sk)では最大で7(mrad)程度とされている。ま
た、光学ヘッドが光ディスクの半径方向(トラッキング
方向)に移動したり、対物レンズがフォーカシング方向
に移動したとき、対物レンズの光軸には最大で2(mr
ad)程度の傾き(シフトチルト)が生じる。従って、
光ディスクと対物レンズとはトータルとして相対的に9
(mrad)程度の傾きを生じる。したがって、対物レ
ンズが暴走した場合には動圧スライダによって光ディス
クとの衝突を回避させようとした場合、対物レンズがデ
ィスクに対して±9(mrad)の範囲で傾いたまま暴
走する場合も考慮する必要が有る。光ディスクと対物レ
ンズが傾いていない場合に効果的に動圧が働くように設
計された図20のような動圧スライダに関して、対物レ
ンズと光ディスクとに9(mrad)の傾きがある場合
に発生する動圧の大きさについての各種計算結果を図2
2に示す。動圧スライダがディスクに対してどの方向に
傾いても、発生する動圧力は傾きがない場合に比べて極
端に少なくなる。この問題を解決するため、動圧発生面
の形状を円筒の側面形状とし、また動圧スライダを対物
レンズホルダに対して傾き方向に柔にて連結することが
提案されている(特願平10―199534号)。この
ような構成によれば、動圧発生面が円筒側面形状を成し
ていることにより、対物レンズおよびスライダがディス
クに対してディスク半径方向に傾いて近接していても、
動圧発生面と光ディスクとの幾何学的関係が変化せず、
動圧力が低下しない。また動圧スライダは対物レンズホ
ルダに対して傾きに対して柔軟に連結されているため、
動圧力によってスライダと光ディスクとの間の傾きが修
正されるようなモーメントが発生し、両者の間の傾きが
小さくなり、大きな動圧力が発生するようになる。従っ
て衝突回避が可能となっていた。上述のような構成によ
って、通常の使用においては対物レンズと光ディスクと
の衝突は回避できるが、例えばモバイル機器の光ディス
クドライブとして使用される場合など、従来の仕様をは
るかに超える外乱が加わる場合がある。また光ディスク
装置の経年使用により、光ディスク表面に小さな傷が発
生していたり、また小さなごみが付着していたりするこ
とにより、スライダに発生する動圧力が低減することが
ある。このような場合には、上述のように円筒スライダ
をレンズホルダに柔軟な機構で連結するだけでは、対物
レンズと光ディスクとの衝突を完全に回避することは困
難であった。よってディスクや対物レンズに傷がついた
り、時には破損することがあった。スライダ自身にも傷
が付いたり破損したりして、次に衝突回避を行う時には
有効に働かないことがあった。更に、上述のような円筒
形状のスライダを対物レンズホルダに、フォーカス方向
およびチルト方向に柔に連結する構成を実現する方法と
して、従来はワイヤや板ばね等の弾性部剤を用いてレン
ズホルダに連結する方法が提案されていた(特願平10
―176194号あるいは特願平10―199534
号)。このようなスライダをレンズホルダに連結するた
めのワイヤや板ばねは、フォーカス方向およびチルト方
向にそれぞれ所定のばね特性を持つ必要があり、レンズ
アクチュエータの対物レンズ周辺の小さなスペースに取
り付け可能に設計することは、非常に困難であった。さ
らにはスライダ連結用のワイヤや板ばね等を必要とする
ことで部品点数が増え、レンズアクチュエータの組み立
てが煩雑になる上にコスト増にもつながるといった問題
もあった。本発明は、上記のような事情を考慮してなさ
れたもので、予想外の外乱などによる振動が加わった場
合や、また経年使用により光ディスク表面上に微細な傷
やごみがあるような場合においても、光ディスクと対物
レンズの衝突をできるだけ避け、たとえ衝突しても傷や
破損につながらないようにし、さらには部品点数の低減
により簡単な設計・組み立てが行える光ディスク装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の第1の手段によれば、対物レンズ保持体に対
物レンズを保持し、回転駆動される光ディスクの情報記
録面に前記対物レンズを通してレーザ光を集束して記録
再生を行う光ディスク装置において、前記対物レンズ保
持体に前記光ディスクの回転に伴い動圧力を発生して浮
上するスライダを設け、このスライダの動圧発生面を前
記動圧力により変形可能に構成したことを特徴としてい
る。
【0008】また本発明の第2の手段によれば、対物レ
ンズ保持体に対物レンズを保持し、回転駆動される光デ
ィスクの情報記録面に前記対物レンズを通してレーザ光
を集束して記録再生を行う光ディスク装置において、前
記対物レンズ保持体に前記光ディスクの回転に伴い動圧
力を発生して浮上するスライダを設け、このスライダの
動圧発生面を前記動圧力により変形可能に構成すると共
に、前記スライダの前記動圧発生面の形状を、前記光デ
ィスクの半径方向の断面形状が凸状の曲線を形成するよ
うに構成したことを特徴としている。
【0009】また本発明の第3の手段によれば、前記ス
ライダは、剛部分と柔部分とから成り当該柔部分が前記
動圧力により変形可能に構成されていることを特徴とし
ている。
【0010】また本発明の第4の手段によれば、前記ス
ライダは、前記動圧発生面が薄膜で形成されており、前
記スライダの前記動圧発生面以外の少なくとも一部は弾
性体により形成されていることを特徴としている。
【0011】また本発明の第5の手段によれば、前記ス
ライダは、前記動圧発生面を形成する表面部分が形状復
元力のある膜として形成されていることを特徴としてい
る。
【0012】また本発明の第6の手段によれば、前記ス
ライダは、実質的な全体が弾性体で形成されていること
を特徴としている。
【0013】また本発明の第7の手段によれば、前記ス
ライダには前記動圧発生面の変形を担う柔部分が形成さ
れており、該柔部分を前記対物レンズホルダに連結させ
て構成されていることを特徴としている。このような構
成の光ディスク装置によれば光ディスクと対物レンズと
の衝突回避の効果が向上し、また、たとえ軽く衝突した
としても衝突時の衝撃を大幅に緩和できる。まず、光デ
ィスクとスライダが近接した時には、凸状の曲線(円
筒)形状のスライダが動圧により平面形状に近づくよう
に変形され、形状が円筒のまま変化しない時に比べて大
きな動圧力が得られる。また、もしスライダが軽くディ
スクに衝突しても、動圧発生面が変形することでスライ
ダがショックアブソーバの役目を果たし、衝撃緩和が可
能となる。さらにはスライダの構成部分のうち動圧発生
面を変形可能とするための弾性体を、スライダとレンズ
ホルダとの弾性連結部分と兼用して一体的に成形するこ
とにより、設計・組み立てが複雑な連結ばねが不要とな
る。上述のように、スライダの動圧発生面が動圧や衝突
により変形可能なように柔軟であること、またスライダ
と連結ばね機構を一体的として成形すれば、衝突回避の
効果が向上し、たとえ衝突しても衝撃緩和が可能とな
り、さらには設計・組み立てが簡単でコストがかからな
いような、対物レンズと光ディスクとの衝突回避機能を
持つ光ディスク装置の実現が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0015】図1乃至図4は、本発明に係る光ディスク
装置の構成を示す図であり、図1は光ディスク装置の概
略構成を示す断面図、図2は光学ユニットの断面図、図
3は光学ヘッドを含む駆動系の平面図、図4は光学ヘッ
ドの断面図である。
【0016】図1において、本発明に係る光ディスク装
置(情報記録/再生装置)1は、光ディスク保持部2a
と、光ディスク保持部2aに保持される光ディスク2上
にレーザビームを集束させるための対物レンズ10と、
対物レンズ10を保持する対物レンズホルダ13と、対
物レンズホルダ13に設けられた動圧スライダ40とを
備えている。動圧スライダ40の光ディスク2側の端面
は、対物レンズ10および対物レンズホルダ13の光デ
ィスク2側の端面よりも光ディスク2に近く配置されて
いる。
【0017】光ディスク2は、例えば再生専用ディスク
または相変化型ディスクや光磁気ディスクのような記録
再生用兼用ディスクである。この光ディスク2はターン
テーブル2a上に載置され、図示しないベースに固定さ
れたスピンドルモータ2mにマグネットチャック等のチ
ャッキング機構によって保持されており、記録時または
再生時には、スピンドルモータ2mによって回転駆動さ
れるようになっている。
【0018】また、本発明の光ディスク装置1は、一般
の光ディスク装置と同様に、光ディスク2に対して駆動
される光学ヘッド7と、光学ヘッド7に連続して設けら
れた光学ユニット6とを有している。光学ヘッド7は、
対物レンズ10の下方(図中)に設けられている。
【0019】次に、図2を用いて光学ユニット6の構成
について説明する。図2は、図1における光学ユニット
を示す断面図である。
【0020】図2に示すように、光学ユニット6は、光
ディスク2に照射するためのレーザビームを生成するレ
ーザダイオード3と、光ディスク2から反射されるレー
ザビームを検出する光検出器4と、HOE(Holographi
c Optical Element)素子5とを主たる要素として構成
されている。そして、この光学ユニット6は図1に示す
ように光学ヘッド7の下部に固定されている。
【0021】なお、図1および図2に示すように、光学
ユニット6の下面には放熱性を高める目的で複数の凹凸
が形成されており、光学ユニット6の上部にはプリズム
8が設けられている。
【0022】図1および図2に示すように、レーザダイ
オード3より発せられたレーザビームは、HOE素子5
をそのまま通過した後、プリズム8に入射して90°向
きを変え、さらに立ち上げミラー9で再び90°向きを
変えて、光学ヘッド7の上部に配置された対物レンズ1
0に入射するようになっている。この対物レンズ10に
より、光ディスク2の記録面上にレーザビームが微小な
スポットとして集束される。
【0023】一方、光ディスク2からの反射光は、対物
レンズ10、立ち上げミラー9およびプリズム8を経由
してHOE素子5に入射し、HOE素子5で偏向されて
光検出器4に入射するようになっている。光検出器4
は、検出領域を複数に分割した多分割検出器として構成
されており、各検出領域の出力信号から図示しない演算
回路を介して、光ディスク2に記録されている情報に対
応した再生情報信号、フォーカス誤差信号およびトラッ
キング誤差信号が生成されるようになっている。
【0024】次に、図3および図4を用いて光学ヘッド
7について詳細に説明する。図3は、図1における光学
ヘッドを含む駆動系を示す平面図である。図4は、図1
における光学ヘッドを示す断面図である。
【0025】図3および図4に示すように、リニアモー
タコイル12が筒状に形成されており、光学へッド7の
両側面に1個ずつ設けられている。また、光学へッド7
の両側には、リニアモータコイル12を挟んで前後に計
4個の滑り軸受15がそれぞれ形成されている。さら
に、2本のガイドシャフト16が光ディスク1の半径方
向に沿って形成されており、滑り軸受15と2本のガイ
ドシャフト16がそれぞれ係合している。このような構
成により、光学ヘッド7は光ディスク1の半径方向に移
動が可能となっている。
【0026】ガイドシャフト16は磁性体で形成されて
おり、磁気回路のヨークとしての役割も果たすようにな
っている。各ガイドシャフト16の外側には、コ字形の
バックヨーク17が固定されている。また各バックヨー
ク17には、磁気ギャップを挟んでリニアモータ12と
対向するようにラジアル磁石18が固定されている。こ
れらのガイドシャフト16、バックヨーク17およびラ
ジアル磁石18は、ラジアル磁気回路を形成し、このラ
ジアル磁気回路は、リニアモータコイル12に磁界を作
用させ、リニアモータコイル12に流れる電流との電磁
作用により、光学へッド7を光ディスク2の半径方向へ
駆動させることができるようになっている。
【0027】また、対物レンズ10を保持する対物レン
ズホルダ13は、板状の非磁性材料からなる支持ワイヤ
14の一端に固定され、支持ワイヤ14の他端は光学ヘ
ッド7に固定されている。
【0028】さらに、光学ヘッド7には、図1に示すよ
うに、対物レンズ10の下方にフォーカスコイル11が
設けられている。このフォーカスコイル11に電流が流
れると、マグネットで形成された対物レンズホルダ13
の磁界との電磁作用によって、対物レンズ10に対して
光軸方向つまりフォーカス方向の駆動力が発生するよう
になっている。
【0029】ここで、光学ユニット6の光検出器4は、
図示しないフォーカスサーボ回路に接続されており、こ
のフォーカスサーボ回路は、フォーカス誤差信号に基づ
いて対物レンズ10のフォーカス方向の位置ずれを補正
するようにフォーカスコイル11に電流を流し、フォー
カスサーボ制御を行うようになっている。
【0030】同様に、光学ユニット6の光検出器4は、
図示しないトラッキングサーボ回路に接続されており、
このトラッキングサーボ回路は、トラッキング誤差信号
に基づいて対物レンズ10のトラック方向の位置ずれを
補正するように、リニアモータコイル12に電流を流す
と共に、立ち上げミラー9を位置調整のために移動させ
て、トラッキングサーボ制御を行うようになっている。
【0031】[第1の実施の形態]次に、図5乃至図8
を用いて本実施形態に係る動圧スライダ40の構成およ
び対物レンスホルダ13との連結構成、その作用・効果
について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の
スライダ40の概略構成示す斜視図である。このスライ
ダ40については、まずその製造手順の説明を含めて構
成を説明する。まず図6(a)に示すように、数百ミク
ロン(例えば400〜800μm程度)以下の厚さのシ
リコンウエハ50にエッチングにより縦横の溝51を形
成し、エッチングされずに残っている肉厚部分にあたる
ウエハ製剛部分41がマトリックス状に並ぶように加工
する。このように加工されたシリコンウエハ40の溝5
1内に、例えばシリコンゴムやシリコンゲル等の弾性部
材42を溶融させて流し込んだ後に固めると、図6
(b)に示すようにウエハ製剛部分41が弾性部材42
の柔な部分でマトリックス状に連結されたスライダ部品
52が形成できる。上記エッチングにより形成する溝5
1の深さは、ウエハ50の厚さ(例えば400〜800
μm程度)よりも少し浅く設定すれば、このスライダ部
品52の下面全面には一様な厚さのウエハ薄膜43が形
成されたものとなる。このウエハ薄膜43の厚みは、エ
ッチングにより形成する溝51の深さを種々設定するこ
とにより調整可能であるが、スライダ部品52をスライ
ダ40として円筒状に形成する際の加工性を考慮して、
その厚みとしては例えば50〜100μm程度に設定す
る。元々のシリコンウエハ50の表面は非常に平面度が
良いため、完成したスライダ部品52のウエハ薄膜43
も平面精度が極めて良好で、何ら二次加工を行なうこと
無くスライダ40として利用できる。このスライダ部品
52は弾性部材42の柔軟部分を有しているため、光学
ヘッド7に取り付ける時に、図5に示すように僅かな曲
率を有するように湾曲させてスライダ40として組立て
ることにより、スライダ40の円筒表面の形状は簡単に
実現できる。なお、このスライダ40の円筒表面の曲率
は、例えば曲率半径rとしてr=200mm相当程度あ
る。
【0032】このスライダ40は、対物レンズホルダ1
3の対物レンズ10の周囲にスライダ部品として取付け
てもよいし、あるいはスライダ40の中央に貫通孔を形
成し、この貫通孔をレーザビームの通過光路として利用
するように加工してから対物レンズホルダ13に取付け
てもよい。
【0033】上記したようなスライダ40は、動圧発生
面39弾性部材42の弾性作用により変形可能であり、
このスライダ40を対物レンズホルダ13に取付けて光
ディスク装置1に搭載すると、光ディスクドライブがモ
バイル機器等に使用され、予想された以上の非常に大き
な衝撃が加わったり、表面に細かな傷やごみがある光デ
ィスクを装着して微少間隙での動圧力がそれほど発生で
きずに、光ディスク2とスライダ40が衝突してしまっ
た場合でも、光ディスク2に衝突するのは柔軟に変形す
る動圧発生面39であるため、衝突瞬間の衝撃は小さく
なる。よって、情報記録媒体として重要な光ディスク1
の面や、大きな動圧を発生させるため表面形状精度が重
要なスライダ40の動圧発生面を損傷することはない。
なお、このように構成したスライダ40のうちウエハ薄
膜43である動圧発生面39は、動圧力が働かない時に
は円筒側面に代表される凸面であり、光ディスク2が回
転駆動されてスライダ40との間で動圧が働くと図7お
よび図8で示すように円筒形状が少しつぶれたような形
状に変形する。なお、図7は、光ディスク2の回転によ
る空気の流れが紙面に垂直な方向に対するスライダの模
式図で、図7(a)で示すスライダ40は変形前、図7
(b)で示すスライダ40は変形後を示しており、動圧
発生面が39aで示すように平板状に変形している。図
8は、光ディスク2の回転による空気の流れが紙面に平
行な方向に対するスライダの模式図で、図8(a)はス
ライダ40の変形前、図8(b)はスライダ40の変形
後を示しており、動圧発生面が39bで示すように平板
状に変形している。一般に、図9で示すように動圧スラ
イダ40は、光ディスク2とスライダ40との間に傾き
がない場合を想定した場合には、平板状の形状が最も大
きな動圧(浮上力)が働き、次に円筒状部材をレンズの
周囲に配置したドーナッツ状の形状、そして円筒状の形
状の順に動圧は順次小さくなる。よって図5に示すよう
な円筒状のスライダ40を用いた場合には、そのままの
円筒形状では動圧(浮上力)はさほど大きくとれない
が、本実施形態では弾性部材42を設けたために図7お
よび図8に示したようにスライダ40自体が平板状に変
形可能(動圧面変形スライダ)である。つまり、本実施
形態のスライダ40は、光ディスク2が回転駆動されて
スライダ40との間で動圧が働くと図7、図8で示すよ
うに円筒形状の動圧発生面39の形状が変形し、平板状
部分の動圧発生面39a,39bが形成される。このよ
うにスライダ40の動圧発生面39に平板状部分が形成
されることにより、図9に示したような大きな動圧(浮
上力)が発生し、対物レンズ10と光ディスク2との衝
突が回避される。
【0034】なお、動圧が働かない時の動圧発生面39
は略円筒側面形状であるが、この円筒形状であることに
より得られる作用・効果は次の通りである。
【0035】図10に示すように、光ディスク2と動圧
スライダ40との間に傾きがなくても、光ディスク2と
動圧スライダ40の最小間隙を形成する領域は全体の幅
L(ここでは10mm)より狭い。しかし、図11に比
較例として示した動圧発生面39が平面である場合と違
って、傾きがある場合であっても、光ディスク2と動圧
スライダ40との最小間隙部分近傍の領域は略平行2平
面の近接状態とみなすことができる。
【0036】光ディスク2と対物レンズ10とが、±9
(mrad)の範囲で傾いていても常に幾何学的に同様
な近接状態が選られるようにするには、図10に示すよ
うに、動圧発生面39を形成する扇形の中心角度を18
(mrad)以上にすれば良い。中心角度を決めると、
動圧スライダ40の幅によって回転半径が決まる。中心
角度を18(mrad)とした時の扇形の回転半径は、
特願平10−199534号を参照するならば、0.5
6(m)、また光ディスク2と動圧スライダ40の動圧
発生面39との最小間隙を0.3μmとした場合の間隙
1μm以下の部分の長さlを比較すると、まず、図11
に示した動圧スライダが平板状である場合で傾きが存在
しない場合は動圧スライダ40の横幅Lである10(m
m)全体となるが、傾きが9(mrad)である場合に
は77.8(μm)であるのに対して、図10に示した
ように動圧スライダ40の形状が円筒面形状である場合
では、スライダ端部での影響が無視できる範囲では傾き
の大きさによらずに一定で、177(μm)とそれぞれ
求めることができる。
【0037】すなわち、光ディスク2と動圧スライダ4
0の動圧発生面39との最小間隙を0.3μmとした場
合の間隙1μm以下の部分の長さlを比較すると、本実
施形態のような円筒面形状の動圧スライダの場合は17
7(μm)であり、動圧発生面が平面(平板状スライ
ダ)の77.8(μm)に対して2倍以上大きくなる。
【0038】したがって、本実施形態の動圧スライダ4
0が発生する動圧は圧倒的に大きくなり、動圧発生面3
9を円筒面状とすることで、対物レンズ10と光ディス
ク2とに光ディスク2の半径方向に9(mrad)程度
の傾きが発生しても動圧力がほとんど低減しないことが
分かる。参考までに9(mrad)の傾きがある場合の
動圧(浮上力)の比較データを図12に示す。
【0039】なお、上記実施の形態において弾性部材4
2としては、シリコンゴムやシリコンゲルを例示した
が、この弾性部材42は製造性を考慮して溶融状態で溝
41内に充填可能で、使用時に溝41内から流出しない
程度の粘弾性を有するものであれば良く、紫外線硬化型
の接着剤などを溝41内に充填し紫外線によりその表面
だけを硬化させて使用しても良い。上記したような動圧
面が変形可能なスライダ40を搭載すると、先に述べた
ように光ディスク2とスライダ40が衝突してしまった
場合でも、光ディスク2に衝突するのは柔軟に変形する
動圧発生面39であるため、衝突瞬間の衝撃は小さくな
り、情報記録媒体として重要な光ディスク1の面や、大
きな動圧を発生させるため表面形状精度が重要なスライ
ダ40の動圧発生面を損傷することはないといった作用
・効果が得られることに加えて、上述した通り、スライ
ダ40の動圧発生面39が変形して平板状部分が形成さ
れることにより、大きな動圧(浮上力)が発生し、対物
レンズ10と光ディスク2との衝突が回避されると共
に、動圧が働かない時の動圧発生面39を略円筒側面形
状としたことにより、対物レンズ10と光ディスク2と
に光ディスク2の半径方向に比較的大きな傾きが発生し
ても動圧力がほとんど低減しないといった作用・効果が
得られる。
【0040】[第2の実施の形態]次に図13を参照し
て、第2の実施の形態について説明する。
【0041】図13は、第2の実施の形態に係る動圧ス
ライダの断面図であり、先の図5に示した第1の実施の
形態と同一部分には同一符号を付し異なる部分について
のみ説明を行なう。
【0042】この第2の実施の形態は、第1の実施の形
態の動圧スライダ40の弾性部材42の部分を図13に
示したように先の実施の形態よりも厚く構成し、この弾
性部材42を直接的に対物レンズホルダ13に接着剤な
どを介して取り付けるように構成したことが特徴であ
る。
【0043】このように構成された動圧スライダ40に
よれば、肉厚の弾性部材42は動圧スライダ40と対物
レンズホルダ13を連結するフォーカス方向、チルト方
向の連結ばねとしての機能を持つことになる。動圧スラ
イダ40の動圧発生面39には、動圧により対物レンズ
10と光ディスク2との衝突を避けようとする反発力が
働くが、この時、動圧発生面39と対物レンズホルダ1
3を連結する肉厚の弾性部材42の部分には、対物レン
ズホルダ13からの慣性力と動圧発生面39の反発力に
より圧縮方向の力が働き弾性部材42は圧縮される。よ
って動圧発生面39全体と対物レンズホルダ13との相
対距離は一時的に短くなる。このような現象を利用する
と、質量の軽いスライダ40の運動エネルギのみを動圧
により受けとめ、スライダ40の一部として構成された
フォーカス方向の連結ばねの要素を持つ肉厚の弾性部材
42の部分の変形エネルギに質量の大きな対物レンズ1
0や対物レンズホルダ13の運動エネルギを変換できる
ので、小さな動圧力しか働かなくても対物レンズ10と
光ディスク1との衝突を回避できる。
【0044】また動圧発生面39には動圧発生面39全
体と光ディスク2上面との相対傾きを補正するようなモ
ーメントが働く。よって動圧発生面39全体と光ディス
ク1の上面との相対傾きは一時的に減少する。このよう
な現象を利用すると、発生する動圧力を大きくすること
が可能となり、対物レンズ10と光ディスク1との衝突
を回避できる。
【0045】つまり、肉厚の弾性部材42を備えた動圧
スライダ40自身がスライダ40と対物レンズホルダ1
3を連結するフォーカス方向、チルト方向の連結ばねと
しての機能を有しているため、スライダ40以外の連結
用ばね部品が不要となり、設計・組み立てが非常に容易
で安価な衝突防止の機構が実現できる。なお上記第1、
第2の実施形態の説明では、シリコンウエハ50にエッ
チングにより溝51を形成し溶融した弾性部材42を流
し込む(充填する)製造方法を一例として説明したが、
シリコンウエハ50はシリコン以外の他の成分のウエハ
でも良く、またウエハ以外の例えば燐青銅などを主成分
とする平板部材でも良い。またこれらウエハや平板部材
に溝などを形成する方法も、エッチングに限定されるこ
と無く、イオンビーム加工や電子ビーム加工、あるいは
ケミカルミリング、光造形法など他の微細加工手法を用
いても良い。また、弾性部材42としては先に記載し
た、シリコンゴム、シリコンゲルや硬化型接着剤の表面
のみ硬化させて使用する構成の他に、オイルなどの液体
状の粘性体を溝41内に封入してシールする構造なども
採用することができる。
【0046】[第3の実施の形態]次に、図14および
図15を参照して本発明の第3の実施の形態を説明す
る。本実施形態の動圧スライダの製造手法は、図14で
示すようにまず、厚さが数百ミクロン以下(例えば50
〜200μm程度)のウエハ50の周囲を固定して中央
に荷重を加えるとわずかながら変形する。この変形した
形状は両端固定中央荷重のモデルとして材料力学的に簡
単に導き出せる。この変形した形状は完全な円弧ではな
いが、中央が凸の形状であり略円弧とみなせる。ウエハ
50に荷重を加えこの略円弧形状に保持したまま、ウエ
ハ50の凹面側に弾性部材42を溶融させて流し込みこ
の円弧形状のまま保持して弾性部材42を固化させて所
定の弾性性能を有する弾性部材とする。弾性部材42の
固化後に荷重を解除すると弾性部材42の存在によりウ
エハ50は、図15に示すように中央が凸の形状を保持
した状態となり、ウエハ50の凸部を動圧発生面39と
して利用可能な動圧スライダ40となる。
【0047】なお、上記した弾性部材42は、第1の実
施形態で説明したシリコンゴム、シリコンゲル、紫外線
硬化型接着剤、多孔質ゲルなどを用いることができる。
なお、上述したような平面状のウエハに荷重を付加した
状態を保持して弾性部材42を流し込む以外に、ウエハ
50の周囲を密封して圧力を付加して弾性部材42を流
し込んだり、あるいは溶融した弾性部材を圧力を加えて
流し込んで固め込むようにしても、ウエハ50の中央が
凸の形状となる。上記の製法で得られたウエハ50と弾
性部材42とで構成されたスライダ部品は、表面はウエ
ハ50で内部に弾性部材42が設けられているため、ウ
エハ50の表面精度と弾性部材の柔軟性を併せ持つ。こ
のスライダ部品を第1の実施形態と同様にそのまま動圧
スライダ40として利用すれば、動圧発生面39が変形
可能である作用が得られ、対物レンズ10と光ディスク
2の衝突回避の効果が向上し、たとえ衝突しても大幅な
衝撃緩和が可能となる。またウエハ50の凹面側に流し
込む弾性部材42の厚みを少し厚目に設定することで、
動圧スライダ40と対物レンズホルダ13を連結する連
結ばねの役目を兼用した構成にでき、設計・組み立てが
非常に容易で安価な衝突防止の機構が実現できる。
【0048】[第4の実施の形態]次に、図16および
図17を参照して第3の実施形態に係る動圧スライダに
ついて説明する。図16に示すように、厚さが数百ミク
ロン以下のウエハ50を両端の固定部材55に取付け、
両端から荷重を加えると中央が略凸の形状にわずかなが
ら変形する。この変形を保持した状態で図17に示すよ
うにウエハ50に平面薄板56を接着剤などで固定し、
その平面薄板56の上にスライダ40と対物レンズホル
ダ13を連結する連結ばね用の弾性部材(図示省略)を
設ける。変形されたウエハ50で構成された動圧発生面
39は、形状復元力のある薄膜として外力(動圧)が加
わるとはりの変形モデルにしたがってさらに変形が可能
である。図14、図15で示した第3の実施の形態の場
合よりもウエハ50の厚さを少し厚く構成(例えば15
0〜300μm程度)しておくことにより図17に示す
ようにウエハ50と平面薄板56とで囲まれる内部空間
中に弾性部材などの弾性体が設けられていなくてもウエ
ハ50自身の弾性により、一種の復元力のある膜として
機能するため、動圧発生面39が変形する動圧スライダ
40を構成することができる。したがって、先の第1、
第2の実施の形態と同様に、衝突防止効果が向上し、た
とえ衝突しても大幅な衝撃緩和が可能となる。
【0049】[第5の実施の形態]次に、図18および
図19を参照して第5の実施形態に係る動圧スライダに
ついて説明する。図18に示すような凹形状を有した金
型57に弾性体を溶融させて流し込み、固化させて弾性
を有する凸状のスライダ40を弾性部材42にて成形す
る。金型57の凹形状の型を非常に形状精度よく製作
し、また成形性の良い弾性材料を使用すれば、動圧発生
面の形状精度もよく表面あらさも少なくなり、スライダ
として十分に機能する。なお、弾性体としては、第1乃
至第3の実施形態で説明したシリコンゴムやシリコンゲ
ルなどでもよいが、前述の成形性の良い弾性材料として
は、例えばポリカーボネート等を用い、金型57内に数
十μm程度のポリカーボネート膜を例えば2重構造とし
て形成したものなどを用いることができる。また、金型
57の内側に離形剤を塗布しておいてから弾性体を溶融
させて流し込めば作業性が向上し、さらに金型57にま
ず離形剤を塗布して金属薄膜を形成し、この金属薄膜に
固着するように弾性体を流し込むようにしてもよく、金
属薄膜を表面に形成することにより動圧発生面39の表
面の平坦度を向上させることが可能となる。この動圧ス
ライダ40はスライダ自身が弾性体にて構成されている
ため、当然のことながら動圧発生面39は容易に変形可
能である。したがって、第1乃至第4の実施の形態で説
明したのと同様に対物レンズと光ディスクとの衝突防止
効果が向上する。また、たとえ衝突しても、動圧スライ
ダ40自体が弾性部材であるためスライダ全体が弾性変
形して非常に有効な衝撃緩和部品としても作用する。さ
らにスライダ40自身が全体として対物レンズホルダ1
3との連結ばねとしても働くため、スライダ40以外の
余分な部品は全く不要であり、設計・組み立ては非常に
容易であり、コストも低減することができる。
【0050】なお上記の第1乃至第5の実施形態の中で
は、動圧スライダ40の動圧発生面39をシリコンウエ
ハで構成し、動圧発生面を変形可能に構成するための柔
軟な部分、さらには対物レンズホルダ13との連結ばね
部分を弾性部材42として説明したが、これらの材質は
一例であり、これらに限定されるものではなく、シリコ
ンウエハ以外の他の成分のウエハや、またウエハ以外の
例えば燐青銅などを主成分とする平板部材でも良く、ま
た、弾性部材としては先に記載した、シリコンゴム、シ
リコンゲルや硬化型接着剤の表面のみ硬化させて使用す
る構成や、オイルなどの液体状の粘性体を封入してシー
ルする構造なども採用することができる。以上説明した
ように、動圧スライダの動圧発生面が動圧や衝突により
変形可能なように柔軟に構成することで、たとえ衝突し
ても衝撃緩和が可能となり、また動圧スライダと対物レ
ンズホルダとの連結ばね機構を一体として成形すれば、
衝突回避の効果が向上する上に設計・組み立てが簡単で
コストがかからない、対物レンズと光ディスクとの衝突
回避機能を持つレンズアクチュエータの実現が可能にな
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
ディスク装置の薄型化を図るべく対物レンズと光ディス
クとの作動距離を小さくしても、動圧スライダにて発生
する動圧力により対物レンズと光ディスクとの衝突が回
避され、外乱等によりたとえディスクとの衝突が避けら
れなくても大幅な衝撃緩和機能が得られる光ディスク装
置の実現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置に係る概略断面
図。
【図2】図1における光学ユニットを示す断面図。
【図3】図1における光学ヘッドを示す平面図。
【図4】図1における光学ヘッドの詳細な構成を示す断
面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係わる動圧スライ
ダの詳細を示す斜視図。
【図6】図5における動圧スライダの製造方法を模式的
に説明する斜視図。
【図7】本発明に係る動圧スライダにおいて動圧発生面
が変形して動圧力が大きくなる様子を模式的に説明する
図。
【図8】本発明に係る動圧スライダにおいて動圧発生面
が変形して動圧力が大きくなる様子を模式的に説明する
図。
【図9】傾きが無い場合の、動圧スライダの動圧発生面
形状による発生動圧の違いを示す図。
【図10】図1における動圧スライダの光ディスク半径
方向拡大断面図。
【図11】平面状の動圧発生面と光ディスクとの位置関
係を示す図。
【図12】半径方向に傾きがある場合の、動圧スライダ
の動圧発生面形状による発生動圧の違いを示す図。
【図13】本発明の第2の実施形態の動圧スライダの模
式図。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る動圧スライダ
の製造方法を説明する模式図。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る動圧スライダ
を示す模式図。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る動圧スライダ
の製造方法を説明する模式図。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る動圧スライダ
を示す模式図。
【図18】本発明の第5の実施形態に係る動圧スライダ
の製造方法を説明する模式図。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る動圧スライダ
を示す模式図。
【図20】対物レンズと一体に成形された動圧スライダ
を示す断面図。
【図21】動圧スライダに発生する力と、動圧スライダ
のディスク側面と光ディスクとの最小間隙との関係を示
す図。
【図22】動圧スライダが光ディスク周方向に傾いてい
る場合についての、動圧スライダに発生する力と、動圧
スライダのディスク側面と光ディスクとの最小間隙との
関係を示す図。
【符号の説明】
1 光ディスク装置 2 光ディスク 2a 光ディスク保持部 2m スピンドルモータ 3 レーザダイオード 4 光検出器 5 HOE素子 6 光学ユニット 7 光学ヘッド 8 プリズム 9 立ち上げミラー 10 対物レンズ 11 フォーカスコイル 12 リニアモータコイル 13 対物レンズホルダ 14 支持ワイヤ 15 滑り軸受 39 動圧発生面 40 動圧スライダ 41 ウエハ製剛部分 42 弾性部材 43 ウエハ薄膜 50 ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D118 AA02 AA06 AA28 BA01 BB02 BF02 BF03 DC03 EA08 5D119 AA02 AA31 AA32 AA38 BA01 CA06 CA09 DA01 DA05 FA05 JA14 JA43 KA02 LB07 MA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズ保持体に対物レンズを保持し、
    回転駆動される光ディスクの情報記録面に前記対物レン
    ズを通してレーザ光を集束して記録再生を行う光ディス
    ク装置において、 前記対物レンズ保持体に前記光ディスクの回転に伴い動
    圧力を発生して浮上するスライダを設け、このスライダ
    の動圧発生面を前記動圧力により変形可能に構成したこ
    とを特徴とする光ディスク装置。
  2. 【請求項2】対物レンズ保持体に対物レンズを保持し、
    回転駆動される光ディスクの情報記録面に前記対物レン
    ズを通してレーザ光を集束して記録再生を行う光ディス
    ク装置において、 前記対物レンズ保持体に前記光ディスクの回転に伴い動
    圧力を発生して浮上するスライダを設け、このスライダ
    の動圧発生面を前記動圧力により変形可能に構成すると
    共に、前記動圧発生面の形状を、前記光ディスクの半径
    方向の断面形状が凸状の曲線を形成するように構成した
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 【請求項3】前記スライダは、剛部分と柔部分とから成
    り該柔部分が前記動圧力により変形可能に構成されてい
    ることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の光
    ディスク装置。
  4. 【請求項4】前記スライダは、前記動圧発生面が薄膜で
    形成されており、前記スライダの前記動圧発生面以外の
    少なくとも一部は弾性体により形成されていることを特
    徴とする請求項1あるいは請求項2記載の光ディスク装
    置。
  5. 【請求項5】前記スライダは、前記動圧発生面を形成す
    る表面部分が形状復元力のある膜として形成されている
    ことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の光デ
    ィスク装置。
  6. 【請求項6】前記スライダは、実質的な全体が弾性体で
    形成されていることを特徴とする請求項1あるいは請求
    項2記載の光ディスク装置。
  7. 【請求項7】前記スライダには前記動圧発生面の変形を
    担う柔部分が形成されており、該柔部分を前記対物レン
    ズホルダに連結させて構成されていることを特徴とする
    請求項1あるいは請求項2記載の光ディスク装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100417406B1 (ko) * 2001-12-21 2004-02-05 엘지전자 주식회사 광기록재생장치, 그 제조방법
JP2009176341A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Fujitsu Ten Ltd ディスク再生装置

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KR100417406B1 (ko) * 2001-12-21 2004-02-05 엘지전자 주식회사 광기록재생장치, 그 제조방법
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