JP2000271132A - 医療器具 - Google Patents
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Abstract
面と、シースの内面との間の摩擦抵抗を軽減し、処置部
を駆動する操作ワイヤーの操作を軽量に行える医療器具
を提供することにある。 【解決手段】本発明の医療器具は、長尺なシース2と、
このシースの先端に配置された処置部13と、上記シー
ス2の手元側に配置された操作部4と、上記シース2内
に挿通され上記操作部4から上記処置部13に駆動力を
伝える操作棒8とを有した医療器具において、上記操作
棒8の外表面の少なくとも一部に樹脂製の外層16が被
覆され、かつ上記外層16の外表面の少なくとも一部に
上記シース2との滑動性を高める形態で微小な凹凸を形
成したものである。
Description
の医療器具に係り、特に操作部から長尺なシース内に挿
通した伝達部材を介して駆動力を処置部に伝えるように
した医療器具に関する。
ンネルに挿通して体腔内に導入される長尺なシースを備
える。このシースの先端には処置部が設けられ、この処
置部はシース内に挿通した操作ワイヤーを手元操作部か
ら押し引き操作することで駆動される。このようにシー
スの先端にある処置部、例えば生検カップを開閉するた
め、シース内に挿通した操作ワイヤーを押し引きして先
端にある処置部を操作する。使用時、処置部を操作する
とき、シース内の操作ワイヤーが移動するが、このと
き、操作ワイヤーとシースの内面との間に摩擦抵抗が発
生する。特に、シースが蛇行、湾曲していると、シース
の内面と操作ワイヤーとの摩擦抵抗が増加し、操作ワイ
ヤーを牽引、前進させるのに大きな力量が必要となる。
極端な場合には操作ワイヤーが動かなくなることがあ
る。こういった場合、操作部に与えた力量は鉗子部に伝
わらず、カップを自由に操作できず、また、正確な生検
行為が行えなくなる。
129号には、操作ワイヤーの外周面に樹脂製の被覆を
施す方法が提案されている。
染を防止するために、その操作ワイヤーの外周面に樹脂
を被覆し、ワイヤーを単に密封するものであり、操作ワ
イヤーの外径が増加し、操作ワイヤーとシースの内面と
のクリアランスが減少してしまう。その結果、樹脂製の
被覆を施す前のものよりも操作ワイヤーの動きが阻害さ
れ、操作ワイヤーが動き難い。
の外周面に樹脂を被覆するようにした技術としては、ド
イツ実用新案G8230264号公報にて知られる絶縁
目的としたもの、実開昭58−160010号公報にて
知られる操作ワイヤーの座屈防止を目的としたもの、実
開昭54−18992号公報にて知られる操作ワイヤー
の周囲を密閉して吸引性を向上することを目的としたも
のなどがある。しかし、いずれのものも操作ワイヤーの
動き易さに関しては考慮されておらず、いずれも操作ワ
イヤーの操作性に関して満足できるものではなかった。
であり、その目的とするところは操作ワイヤーの外面
と、シースの内面との間の摩擦抵抗を軽減し、処置部を
駆動する操作ワイヤーの操作が軽い力量で行える医療器
具を提供することにある。
発明は長尺なシースと、このシースの先端に配置された
処置部と、上記シースの手元側に配置された操作部と、
上記シース内に挿通され上記操作部から上記処置部に駆
動力を伝える伝達部材とを有した医療器具において、上
記伝達部材の外表面の少なくとも一部に樹脂製の外層が
被覆され、かつ上記外層の外表面の少なくとも一部に上
記シースとの滑動性を高める形態で微小な凹凸を形成し
たことを特徴とする医療器具である。
可撓性を有する金属製のワイヤーであり、上記シースが
コイルであることを特徴とする医療器具である。
落差が、平均1ミクロンから15ミクロンの間であるこ
とを特徴とする医療器具である。
された微小な凹凸により、シース内面と伝達部材外表面
との接触面積が減少し、両者の摩擦抵抗が減少すること
で、上記医療器具の操作が軽くなる。
3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る外
科手術用切開鉗子について説明する。
を示し、この切開鉗子1は真っ直ぐな硬性の管材によっ
て形成されたシース2を有し、このシース2の部分を体
腔内に導入する挿入部とする。
3を備えた操作部4が設けられている。操作部4には操
作レバー(ひきがね)5が設けられている。操作レバー
5はその中間部を上記グリップ3の上部に接続ピン6に
よって枢着して回動自在に取り付けられている。操作レ
バー5はグリップ3側に隣接位置する端部を指掛け部7
としており、その指掛け部7にグリップ3を把持する手
の指を掛け、操作レバー5を回動する操作を行う。操作
レバー5の他端部分にはシース2内に挿通された伝達部
材としての操作棒8の手元端を連結する接合部9が設け
られている。そして、操作レバー5を回動操作すること
により上記シース2に対して操作棒8を進退する操作を
行うことができる。
プ11が固定的に取り付けられている。この先端チップ
11には組織を切開する一対のハサミ(片)12a,1
2bを備えた処置部13が設けられている。各ハサミ1
2a,12bは上記先端チップ11に対して枢着されて
いる。一対のハサミ12a,12bの基端アームには図
示しない開閉リンク機構を介して上記操作棒8の先端が
連結されている。そして、一対のハサミ12a,12b
は上記操作棒8を牽引することで閉じ、逆に操作棒8を
押し込むことで開く。
内に挿通されており、この操作棒8は次の如く構成され
ている。すなわち、操作棒8は金属製の硬質の芯(軸)
15を内層としており、この芯15の外周面には少なく
ともシース2内に位置する全領域にわたり樹脂製の外層
16が被覆されている。外層16はその材料を溶融して
押し出し成形することによって形成される。
内に位置する全領域にわたり全体的に図3及び図4で示
す如く、上記シース2との滑動性を高める形態で、複数
の微小な凸部18と凹部19が形成されている。ここで
の凸部18は図4で示す如く三角錐状の山状に形成さ
れ、その各凸部18の頂点は図3で示す如く斜交する複
数の仮想線の交点にそれぞれが配置される、所謂、斜列
の配置状態に均等に分散して配置されている。また、微
小な凸部18と凹部19を形成する形態の部分は外層1
6の全体にわたって形成する場合に限らず、シース2と
の滑動性を高める必要の程度に応じてその一部の領域に
のみに形成するようにしてもよい。
均(粗さ)は5ミクロンであり、凸部18の密度は1m
m平方当たりに平均で、約1,000個の凸部18が形
成されている。また、凸部18は規則的な位置関係で配
置されている場合に限らず、ある程度、不規則的な位置
関係で配置されるものであってもよい。
が、1ミクロンから15ミクロンの間の値であれば、良
好な滑りを発揮し、更に好ましくは3ミクロンから5ミ
クロンの間の値が安定した高い滑り性を得られる。
い値の場合にはシース2の内面と接触した場合に樹脂製
の凹凸であるため、その凹凸が潰れてしまい、滑り効果
が落ちる。また、これよりも大きな場合には操作棒8に
対してその中心軸と垂直な方向に大きな力が加わった場
合には凹部19の部分を起点にして操作棒8が折れ易く
なることや、シース2の内表面が粗い表面を形成してい
る場合には凸部18がシース2の内表面に引っ掛かるよ
うになるために滑りにくくなる。
部の頂部から寸法で、50ミクロンで形成されている。
しかし、膜厚は特に一様な厚さに形成される必要はな
い。
の主成分が、ある程度可撓性を有する樹脂、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、若しくはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチルテレフタレート等のポリエス
テルや、ポリアミド、ポリアセタール、塩化ビニルや、
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
/へキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン/バーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体等のフ
ッ素樹脂や、これらの混合材料等が考えられる。
どのような樹脂でも構わないが、特に上記のような樹脂
であれば入手が容易で生産性が高い。さらに好ましく
は、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリアミドが安価
で高い滑り性を発揮する。また耐熱性を求める場合には
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
/へキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン/バーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体等のフ
ッ素樹脂が好ましい。
し成形によって被覆され、凸部18及び凹部19はその
成形時の温度を調節することで、成形時において所定の
形態に形成されるが、その形成方法としては、平滑な被
覆を施した後に、ブラスト処理等によって凹凸を形成す
る等、その形成方法に限定はない。しかし、生産性を考
慮すると、本実施形態の形成方法が好ましい。
な凹凸を形成した樹脂製の外層16を被覆しているた
め、硬質で管状のシース2の内面との接触において、凸
部18での点接触となり、操作棒8とシース2との摩擦
抵抗が低下し、軽い力量で操作棒8を移動し、進退させ
ることができる。
進退することができることで、シース2の先端にある処
置部13のハサミ12a,12bを軽く開閉することが
できる。また操作部3で操作レバー5により操作棒8に
与えた力が減衰することなく、先端の処置部13に効率
よく、直ちに伝わるため、ハサミ12a,12bによる
切開が手元操作に対応して良好に行える。
8を参照して本発明の第2実施形態に係る生検鉗子につ
いて説明する。
1を示し、この外科手術用切開鉗子21は密巻き形成さ
れたコイルシース22を有し、このコイルシース22の
部分を体腔内に導入する挿入部としてある。コイルシー
ス22の基端には操作部23を設け、コイルシース22
の先端には生検用処置部24を設ける。操作部23は操
作部本体25と操作用スライダ26を有し、操作用スラ
イダ26を上記コイルシース22の内腔に挿通された操
作ワイヤー27に連結してある。生検用処置部24は開
閉自在な一対の生検カップ24a,24bを有してな
り、この一対の生検カップ24a,24bは上記操作ワ
イヤー27の押し引き操作に連動して開閉する。
ス製の単線ワイヤーによって形成されている。図6で示
す如く、操作ワイヤー27の外周面には樹脂製の外層1
7が被覆されている。操作ワイヤー27は上記コイルシ
ース22の内腔に移動自在に挿通されている。
外表面にはその略全体にわたり図7及び図8で示す如
く、微小な凸部28と凹部29が多数形成されている。
各凸部28は等間隔で平行に筋状に形成され、その凸部
28の筋が全体として操作ワイヤー27の外周面に対し
て螺旋状に形成されている。また、凸部28の横断面形
状は図8で示す如く、半円形であり、凹部29の底面は
平坦に形成されている。
第1実施形態とは異なり平均約10ミクロンであり、外
層17の膜厚は5ミクロンで均一に形成されている。こ
のように外層17の表面には上記コイルシース22との
滑動性を高める形態で微小な凹凸が形成されている。
態と同様に操作ワイヤー27を電気的に絶縁する状態に
する必要がないので、その凹凸の一部にピンホール3
0、つまり操作ワイヤー27の部材が一部表面に露出す
る部位を形成している。
は第1実施形態と同様の樹脂を使用している。
状に凹凸が形成されていることで、細かい凹部29に汚
れが付着し難い面を持っている。また、凹凸部の筋が螺
旋状に形成されていることで、軸方向への滑り性が高い
機能を奏するものとなっている。
第3実施形態について説明する。本実施形態は上述した
第2実施形態の変形例である。
ー27に外層17が形成されていない。その代わりに、
コイルシース22の内面に内層31を形成する。この内
層31は前述した実施形態と同じ樹脂材料によるもので
あり、内層31の内側表面には第2実施形態と同様の微
小な凹凸が形成されている。その他の構成は第2実施形
態と同様である。
31が密巻きされたコイルシース22の素線間の隙間を
埋めるため、その隙間に汚れが残存する虞が軽減し、コ
イルシース22内の洗浄が容易になる。
の第4実施形態について説明する。本実施形態は上述し
た第2実施形態の他の変形例である。
ー27に外層17が形成されていない。その代わりに、
コイルシース22の内腔に挿通した操作ワイヤー27に
可撓性を有した樹脂製のチューブ35を被せたものであ
る。操作ワイヤー27はチューブ35の内面との間に隙
間を形成してそのチューブ35内に収納されている。
実施形態と同様な微小な凹凸がそれぞれ形成されてい
る。その他の構成は第2実施形態と同様である。
ワイヤー27が、チューブ35内に収納されていること
で、操作ワイヤー27が座屈し難い。
して本発明の第5実施形態に係る内視鏡用双極型高周波
切開鉗子について説明する。
波切開鉗子41を示し、この高周波切開鉗子41は可撓
性を有する樹脂チューブ製のシース42を備え、このシ
ース42の部分を体腔内に導入する挿入部としてある。
シース42の材料は例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリエチレン等の可撓性を有する樹脂によって形成
されている。
れたステンレスワイヤー43が2本挿通されている。こ
れらのステンレスワイヤー43はその基端側が操作部4
4に至り、スライダ45に連結される操作ワイヤーとな
っている。これらのステンレスワイヤー43は上記スラ
イダ45に設けられた高周波端子47に接続されてい
る。スライダ45は操作部本体46に沿って前後にスラ
イド自在なものである。
第1実施形態と同様の樹脂材料製の外層48が形成され
ている。外層48は第1実施形態と同様にその表面に微
小な凹凸が形成されている。
ス42の先端から突没自在に配置され、2本のステンレ
スワイヤー43の先端はチップ49で結合されている。
そして、図11で示す如く、チップ49で連結された先
端部分で輪状のループ部50を形成する。このループ部
50はシース42の先端から突き出したとき、輪状にひ
ろがるように予め癖付けされている。また、ステンレス
ワイヤー43のうちループ部50を形成する部分を除
く、少なくとも上記シース42内に挿通される領域の外
周に対して上記外層48を形成するようにしている。
ステンレスワイヤー43の外表面に外層48を備えてお
り、ステンレスワイヤー43がほつれ難い構造を保つ。
さらに、ステンレスワイヤー43に高周波が通電された
ときに外層48によって電気的絶縁性が向上する。
ース42内での電気的絶縁性が向上し、医療従事者が本
処置具を使用中に漏電事故を受ける心配がなくなる。
れるものではない。上記実施形態の説明によれば、少な
くとも以下に列記する事項及びそれらを任意に組み合わ
せた事項のものが得られる。
置部と、上記シースの手元側に配置された操作部と、上
記シース内に挿通され上記操作部からの処置部に処置駆
動力を伝える伝達部材とを有した医療器具において、上
記伝達部材の外表面の少なくとも一部に樹脂製の外層が
被覆され、かつ上記外層の外表面の少なくとも一部に上
記シースとの滑動性を高める形態で微小な凹凸を形成し
たことを特徴とする医療器具。
部材が可撓性を有する金属製のワイヤーであり、上記シ
ースがコイルであることを特徴とする医療器具。
微小な凹凸の落差が、平均1ミクロンから15ミクロン
の間、好ましくは3ミクロンから5ミクロンの間の値で
あることを特徴とする医療器具。
上記微小な凹凸が、多数の溝によって形成されているこ
とを特徴とする医療器具。
て、上記樹脂被膜が、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、塩化ビニ
ル、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン/へキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン/バーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の
中の少なくとも1種類を含有した材料で形成されている
ことを特徴とする医療器具。
おいて、上記樹脂製の被覆及び凹凸の形成方法が押し出
し成形であることを特徴とする医療器具。
具において、上記金属製ワイヤーに通電を行うことで電
気的な処置を行う医療器具であって、上記樹脂被覆によ
って上記金属製ワイヤーの少なくとも被覆部分が電気的
に絶縁状態であることを特徴とする医療器具。
ース内に挿通され、処置部に処置駆動力を伝える伝達部
材が、そのシース内で軽い力量で進退するので、操作部
から与えた力量が先端の鉗子駆動部に十分伝わり、有効
な処置が軽く行える。
体を概略的に示す側面図。
縦断面図。
た外層の表面部分を拡大して示す表面図。
た外層の部分の断面図。
概略的に示す側面図。
の縦断面図。
外周を被覆した外層の表面部分を拡大して示す表面図。
これを被覆した外層の部分の断面図。
のコイルシースの部分の縦断面図。
変形例のコイルシースの部分の縦断面図。
開鉗子の全体を概略的に示す側面図。
で示すC部を拡大した断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】長尺なシースと、このシースの先端に配置
された処置部と、上記シースの手元側に配置された操作
部と、上記シース内に挿通され上記操作部からの処置部
に処置駆動力を伝える伝達部材とを有した医療器具にお
いて、 上記伝達部材の外表面の少なくとも一部に樹脂製の外層
が被覆され、かつ上記外層の外表面の少なくとも一部に
上記シースとの滑動性を高める形態で微小な凹凸を形成
したことを特徴とする医療器具。 - 【請求項2】請求項1の医療器具において、上記伝達部
材が可撓性を有する金属製のワイヤーであり、上記シー
スがコイルであることを特徴とする医療器具。 - 【請求項3】請求項1または請求項2の医療器具におい
て、上記微小な凹凸の落差が、平均1ミクロンから15
ミクロンの間であることを特徴とする医療器具。
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