JP2000231196A - 平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法 - Google Patents

平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法

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JP2000231196A
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Shinji Shimizu
真司 清水
Yasuhiko Kojima
靖彦 児島
Koji Oe
紘司 小江
Tsutomu Minami
努 南
Seiji Tadanaga
清治 忠永
Atsunori Matsuda
厚範 松田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体としてアルミニウム金属を用いない、
新規な基体と親水性層を持つ良好な印刷版原版及びそれ
を用いた印刷刷版作製方法を提供する。 【解決手段】 第一の構成は、基体としてガラス基板、
セラミック基板または金属製基板を用いた支持体上に、
花弁状アルミナ層を親水性層とし、その上にネガ型又は
ポジ型の感光性層を塗設して成ることを特徴とする平版
印刷版原版。第二の構成は、得られた平版印刷版原版に
活性光線光又は高密度エネルギー光照射により画像形成
し、必要に応じ加熱処理した後、アルカリ性現像液によ
る現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を作
製することを特徴とする印刷刷版作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷分
野で使用される平版印刷版に関し、特に新規な基板と親
水性層を持つ平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷
版作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷分野で使用される平版印
刷版は、油性のインキと水が反発して互いに混じり合わ
ないと言う原理を巧みに応用した平版型の印刷版であっ
て、版面上に凸版やグラビアのような凸凹がない。しか
しその表面には親水性の非画線部と親油性の画線部が存
在しており、版の非画線部に水分を与えた後にインキロ
ーラーを転がしてインキ付けを行うと、非画線部におい
ては水とインキとの反発によりインキを受け付けず、画
線部は水分を反発してインキを良く受け付ける。このよ
うにして画線部に乗ったインキを紙などの媒体に転写す
ることによって印刷がなされる。
【0003】上記のような目的で使用される平版印刷版
として、耐水性処理を施した紙、プラスチックフィルム
等からなる支持基体上に、無機顔料、水溶性樹脂及び耐
水化剤等からなる画像受容層を設けた直描型平版印刷版
がある。このような直描型平版印刷用版材においては、
画像受容層上に親油性インキを用いて、タイプライター
又は手書きによって親油性画像を形成するか、又は電子
写真感光体上に形成したトナー画像を画像受容層に転写
し、これを熱定着することによって親油性画像を形成す
るか、あるいは、熱転写プリンターでインクリボンから
画像を熱溶融転写して親油性画像を形成しインキの受容
部とする。親油性画像部が形成された直描型平版印刷版
は、エッチング液処理により非画像部が不感脂化されて
印刷に際しての親水性部となる。このようにして作製さ
れた直描型平版印刷版は、専ら軽印刷分野のみで使用さ
れてきたが、それは親油性画像部の強度が不足で多量部
数の印刷に耐えられないと言う問題の他に、親水性部の
不感脂化が十分でないために印刷汚れが発生し易い、保
水性が不足のため印刷を続けると地汚れが発生する等の
親水部に於ける問題が大きく、親水性が大きく保水性の
良好な非画像部形成方法の開発が望まれていた。
【0004】また別のオフセット印刷で使用される平版
印刷版として、新聞印刷や商業印刷に用いられているP
S版がある。PS版は、アルミニウム板を基板とし、砂
目立て、陽極酸化、化成処理などの種々の親水化表面処
理を単独あるいは適宜組み合わせて施し、次いで感光液
を塗布、乾燥して製造される。作製されたPS版は活性
光線光または高密度エネルギー光照射により画像形成
し、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処
理、乾燥を経て印刷刷版とすることが出来る。得られた
印刷版の画像部は極めて堅固で耐刷性があり、非画像部
の親水性や保水性も申し分なく良好な印刷版である。し
かしながら、電気の塊といわれるアルミニウムを素材と
して使用すること、陽極酸化など一連の親水化基板処理
には膨大な量の電気を使用する等、多エネルギー消費型
の材料であり、もっと廉価で良好な親水性と保水性を持
った基板と親水化システムが求められていた。
【0005】一方、ガラス基板上に花弁状アルミナ層を
設けることは公知であって、例えば、南努ら,J.Ce
ram.Soc.Japan,Vol.103,No.
6,582−585(1995).、南努ら,Pro
c.ofXVII,Inter.Congress o
n Glass,Vol.4,445−449(Bei
jing,China,1995).、南努ら,New
Glass,Vol.12,No.2,42−45
(1996).、南努ら,Sol−Gel Optic
s IV,Proc.of SPIE,Vol.313
6,168−175(San Diego,USA,1
997).、南努ら,J.Am.Ceram.So
c.,Vol.80,No.4,1040−42(19
97).、南努ら,J.Am.Ceram.Soc.,
Vol.80,No.12,3213−16(199
7).、南努ら,表面技術,Vol.48,No.3,
58−63(1997).、特開平9−202,649
号、同9−202,650号、同9−202,651号
等に、花弁状アルミナ層及びその形成方法について開示
されている。ガラス基板上に花弁状アルミナ層を設けた
構造物あるいはさらにその上に超撥水性層を設けた構造
物は、機能性薄膜の下地層膜、あるいは反射低減膜、耐
熱性や耐候性に優れた撥水撥油防汚性膜、高い防曇機能
を有する親水性被膜として車輌用、船舶用、航空用、各
種建築材、建装材等として利用され得ることが示されて
いる。以上のように基体上に設けられた花弁状アルミナ
層は超撥水性を示すが、印刷における平版印刷刷版の親
水性層として有用であることは知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明による第
一の課題は、基体としてガラス基板、セラミック基板ま
たは金属製基板を用いた平版印刷版原版を提供すること
である。本発明による第二の課題は、花弁状アルミナ層
を印刷刷版の親水性層とする平版印刷版原版を提供する
ことである。さらに、本発明による第三の課題は、花弁
状アルミナ層を基体の親水性層とし、活性光線あるいは
高密度エネルギー光を画像書き込みの光源として用いる
ネガ型またはポジ型の感光性層をインキ受容層とする平
版印刷版原版を提供することである。本発明による第四
の課題は、本発明の平版印刷版原版を用いた印刷刷版の
作製方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、花弁状ア
ルミナ層の特異な構造により親水性が高く、平版印刷刷
版の親水性層として有用であるだけではなく、実際の印
刷に当たっても極めて保水性が高いために、優れた平版
印刷刷版の親水性層を形成し得ることを見出し本発明に
至ったものである。
【0008】即ち、本発明の第一の構成は、基体上に形
成した花弁状アルミナ膜と、該花弁状アルミナ膜上に感
光性インキ受容層を設けて成ることを特徴とする平版印
刷版原版である。又、本発明の構成は、前記した花弁状
アルミナ膜が、少なくともアルミニウムアルコキシドと
安定化剤とからなる塗布液を塗布したのちに形成された
皮膜を乾燥し熱処理して成膜したアルミナ膜を、熱水処
理又は加熱水蒸気処理し、乾燥、焼成したことでなる花
弁状のアルミナ膜である平版印刷版原版である。更に、
本発明の構成は、前記した感光性インキ受容層が、活性
光線あるいは高密度エネルギー光を光源として利用でき
るネガ型又はポジ型の平版印刷版用の感光性組成物を溶
液とした塗布液を用い、基体上に設けられた花弁状アル
ミナ層上に塗布・乾燥した平版印刷版原版である。更
に、本発明の構成は、前記した基体がガラス基板、セラ
ミック基板又は金属製基板である平版印刷版原版であ
る。
【0009】又、本発明の第二の構成は、本発明の第一
の構成による平版印刷版原版を用い、活性光線又は高密
度エネルギー光照射により画像形成し、必要に応じて加
熱処理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水
洗、ガム処理、乾燥を経ることにより印刷刷版を得るこ
とを特徴とする印刷刷版作製方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版原版は、ま
ず、基体上に花弁状アルミナ層を設けたことを第一の特
徴とする。本発明に用いることのできる基体としては、
平版印刷版として利用することを考えて、ガラス基板の
みならずセラミック基板または好ましくは厚さ1mm以
下、さらに好ましくは厚さ0.5mm以下のガラス基
板、鉄板、ステンレス鋼板、トタン板、ニッケル鍍金鋼
板又はクロム鍍金鋼板等の金属製基板薄板で300℃以
上での加熱焼成条件下でも相変化等の変質を起こさない
ものを選んで使用される。
【0011】本発明の平版印刷版原版は上記の基体上に
花弁状アルミナ層を設けて作製される。花弁状アルミナ
層を基体上に設ける具体的な方法としては、基体上に少
なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからな
る塗布液を塗布したのち、形成された皮膜を乾燥し熱処
理して成膜したアモルファスアルミナ膜を、熱水処理又
は加熱水蒸気処理し、乾燥、焼成して作製することによ
り達成できる。
【0012】本発明に用いることのできるアルミニウム
アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムエトキシ
ド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n
−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、ア
ルミニウム−tert−ブトキシド、アルミニウムアセ
チルアセトナート等を挙げることができる。
【0013】本発明に用いる安定化剤としては、具体例
として、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタ
ン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロア
セチルアセトン等の1,3−ジケトン(β−ジケトン)
化合物類及び/又はアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢
酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert−ブチ
ル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メ
トキシエチル、2−ケト−n−バレリック酸メチル、3
−メチル−2−ケト−n−バレリック酸メチル、2−ケ
ト−カプロニック酸メチル、2−ケト−エナンチック酸
メチル等のβ−ケトエステル化合物類を挙げることがで
きる。更に別の安定化剤として、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ルカノールアミン類、更に一般的に使用される金属アル
コキシドの安定化剤等も挙げることができる。
【0014】少なくともアルミニウムアルコキシドと安
定化剤とから成る塗布液に使用される希釈溶媒として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、
ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリ
コール−モノ−n−プロピルエーテル、ジメチルアセト
アミド、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン等など、及びこれらの混合溶媒を挙げることができ
る。
【0015】塗布液の作製方法としては、アルミニウム
アルコキサイドが空気中の水分とすばやく反応してゲル
化し白濁化するのを防ぐため、これを防止する効果のあ
るβ−ジケトン化合物類、β−ケトエステル化合物類又
はアルカノールアミン類等の安定化剤を例えばモル比で
1以上を加え、各種アルコール類の希釈溶媒で塗布し易
い濃度まで、例えば10〜20倍に希釈し、更に少量の
水を加えることで塗布液とすることができる。好ましい
混合割合としては、モル比で、アルミニウムアルコキシ
ド:希釈溶媒:安定化剤:水=1:10〜100:0.
5〜2:0〜5である。
【0016】基体上に塗布液を塗布する塗布方法として
は、ディッピング法、スピンコート法、ノズルフローコ
ート法、スプレー法、リバースコート法、フレキソ法、
印刷法、フローコート法、バーコート法等既知の塗布手
段が適宜使用することができる。
【0017】次いで、塗布皮膜を乾燥し熱処理してアモ
ルファスアルミナ層を形成させる条件としては、まず塗
布皮膜が形成された基体を室温〜100℃以下で数分〜
数時間乾燥させた後、約600℃以下、好ましくは55
0℃以下でしかも300℃以上の温度で、1〜60分間
焼成することによりアモルファスアルミナ層を形成する
ことができる。
【0018】次に、基体の上にアモルファスアルミナ層
が形成された材料には熱水処理又は加熱水蒸気処理が施
される。すなわち、50〜150℃の熱水中へ、基体の
上にアモルファスアルミナ層が形成された材料を10秒
間〜24時間浸漬したり、熱水蒸気に1秒以上曝すこと
で、アモルファスアルミナ層の表層表面が解膠作用を受
けて、特異で微小な孔状の空隙を持った花弁状の形状物
がランダムに集合体化した表層表面を有するものとな
り、目的とする平版印刷版の基板として使用可能な特異
な空隙と形状化をした構造皮膜を得ることができる。
【0019】次いで花弁状構造皮膜が形成された基体を
熱水から取り出し、室温〜150℃前後までで10秒以
上乾燥したのち、300〜750℃の温度範囲で1分〜
1時間の時間焼成することにより、目的とする強固で特
異な微細空隙構造を持つ花弁状アルミナ膜を形成するこ
とができる。尚、花弁状アルミナ膜の膜厚としては、1
0nm〜10μmが好ましいものである。さらに花弁状
アルミナ膜は、中心線平均粗さを面拡張した平均面粗さ
Ra’値が17nm以上、且つ比表面積SRが1.5以
上であることが好ましい。
【0020】以上の様にして基体上に作製された花弁状
アルミナ層は、更に必要に応じて、米国特許第2,71
4,066号や同第3,181,461号に記載されて
いる珪酸塩処理、米国特許第2,946,638号に記
載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特
許第3,201,247号に記載されているホスホモリ
ブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載
されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,0
91,433号に記載されているポリアクリル酸処理、
独国特許第1,134,093号や英国特許第1,23
0,447号に記載されているポリビニルホスホン酸処
理、特公昭44−6,409号に記載されているホスホ
ン酸処理、米国特許第3,307,951号に記載され
ているフィチン酸処理、特開昭58−16,893号や
同58−18,291号に記載されている親水性有機高
分子化合物と2価の金属との塩による処理、特開昭59
−101,651号に記載されているスルホン酸基を有
する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理を行った
もの、特開昭60−64,352号に記載されている酸
性染料による着色を行ったもの等の親水化処理を行うこ
とができる。
【0021】更に花弁状アルミナ親水性層上には、感光
性インキ受容層との接着性改良や印刷時の汚れ防止、平
版印刷版の調子再現性改良等を目的として下塗りを施し
ても良い。下塗りに用いられる化合物としては、例え
ば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラ
ビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を
有するホスホン酸類、置換基を有しても良いフェニルホ
スホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、
グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレ
ンジホスホン酸等の有機ホスホン酸類、置換基を有して
も良いフェニル燐酸、ナフチル燐酸、アルキル燐酸及び
グリセロ燐酸等の有機燐酸類、置換基を有しても良いフ
ェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキル
ホスフィン酸、及びグリセロホスフィン酸等の有機ホス
フィン酸類、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、
及びトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基
を有するアミンの塩酸塩類、特開昭59−101,65
1号に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合
体、及び特開昭60−64,352号に記載されている
酸性染料等が用いられる。この下塗り層は、水、メタノ
ール、エタノール、メチルエチルケトン等もしくはそれ
らの混合溶媒に上記の化合物を溶解させ、花弁状アルミ
ナ親水性層上に塗布・乾燥して設けることができる。下
塗り層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適
当である。
【0022】本発明の平版印刷版原版は、基体上に形成
した花弁状アルミナ層の上に感光性インキ受容層が設け
られた構造をしている。感光性インキ受容層としては、
構造的に一層のもの、あるいは多層のもの、製版方法と
して湿式法のもの、破壊法のもの、露光以外に特別な操
作を必要としないもの等各種のものが考えられ、親水性
層を感光性インキ受容層の下層として使用する場合には
本発明の花弁状アルミナ層を良好な親水性層として何れ
の場合にも好適に用いることができるが、好ましくは一
層で湿式法により製版が行われるものである。そのよう
な感光性インキ受容層として、活性光線の作用を受けて
アルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成
するネガ型感光性層のもの、活性光線の作用を受けてア
ルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成す
るポジ型感光性層のもの、高密度エネルギー光の作用を
受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解とな
って印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層のもの、高
密度エネルギー光の作用を受けたのち、該当部分がアル
カリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成する
ポジ型感光性層のもの等がある。
【0023】本発明に用いられる活性光線の作用を受け
てアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形
成するネガ型感光性層に含有される感光性組成物の代表
的なものとして次のものがあげられる。
【0024】(1)感光性ジアゾ樹脂とバインダー樹脂
とからなる感光性組成物:感光性ジアゾ樹脂としては、
ジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物との縮
合物の塩に代表されるジアゾ樹脂があり、水に不溶性で
有機溶媒に可溶性のものが好ましい。特に好適なジアゾ
樹脂は、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3
−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4′−メチル
ジフェニルアミン、4−ジアゾ−3′ーメチルジフェニ
ルアミン、4−ジアゾ−3−メチル−4′−エトキシジ
フェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニル
アミン等と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4′−
ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル等との縮合
物の有機酸塩または無機酸塩である。有機酸塩として
は、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン
スルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフ
トール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン
酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゼンホスフィン酸
等が挙げられ、無機酸としては、ヘキサフルオロ燐酸、
テトラフル硼酸等があげられる。その他の感光性ジアゾ
樹脂として、特開昭54−30,121号に記載の主鎖
にポリエステル基をもつジアゾ樹脂;特開昭61−27
3,538号に記載の無水カルボン酸残基を有する重合
体に水酸基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ
樹脂、ポリイソシアネート化合物に水酸基を有するジア
ゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂等も使用することが
できる。バインダー樹脂としては、例えば(メタ)アク
リル酸[以下、アクリル酸とメタアクリル酸を総称して
(メタ)アクリル酸と称す。]、(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、米国特許第4,123,276号に記
載の酸価10から100を有するヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリロニトリル
含有共重合体、特公昭57−43,890号に記載の芳
香族性水酸基を有する共重合体、特公昭57−51,6
56号に記載の2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレート単位を有する重合体等の共重合
体、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ハロゲン化ビニ
ル、特にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢
酸ビニル、ポリエステル、ホルマール樹脂、ブチラール
樹脂等のアセタール樹脂、エスタンの商品名で米国グッ
ドリッチ社より販売されている可溶性ポリウレタン樹
脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体
またはその半エステル、繊維素誘導体、シェラック、ロ
ジンまたはその変性体などが使用することができる。
【0025】(2)光架橋型樹脂を含む感光性組成物:
光架橋型樹脂としては、水性アルカリ現像液に対して親
和性を持つ光架橋型樹脂が好ましく、例えば、特公昭5
4−15,711号に記載の桂皮酸基とカルボキシル基
を有する共重合体、特開昭60−165,646号に記
載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を有
するポリエステル樹脂、特開昭60−203,630号
に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水
酸基を有するポリエステル樹脂、特公昭57−42,8
58号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウ
ムイミノジスルホニル基を有するポリエステル樹脂、特
開昭59−208,552号に記載の側鎖にアジド基と
カルボキシル基を有する重合体などが使用できる。
【0026】(3)付加重合性不飽和化合物と光重合開
始剤を含む感光性組成物:標記感光性組成物としては、
例えば、米国特許第2,760,863号、同3,06
0,023号、特開昭62−121,448号等に記載
の2個またはそれ以上の末端エチレン基を有する付加重
合性不飽和化合物と光重合開始剤よりなる組成物があ
る。さらにバインダー樹脂として、前記(1)に記載の
バインダー樹脂、特開昭61−285,449号に記載
の側鎖に不飽和基を有する共重合体等が使用できる。
【0027】上記のネガ型感光性組成物は、さらに必要
に応じて染料、顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等を添加
し、適当な溶媒に溶解して花弁状アルミナ層上に塗布乾
燥して通常 0.5〜5g/m2 の感光性層を有する本
発明の活性光線用のネガ型感光性平版印刷版原版とされ
る。
【0028】本発明に用いられる活性光線の作用を受け
てアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形
成するポジ型感光性層に含有される感光性組成物の代表
的なものとしてo−キノンジアジド化合物や酸分解性の
エーテル化合物、エステル化合物などが挙げられる。o
−キノンジアジド化合物の具体例としては、特開昭47
−5,303号、同48−63,802号、同48−6
3,803号、同49−38,701号、同56−1,
044号、同56−1,045号、特公昭41−11,
222号、同43−28,403号、同45−9,61
0号、同49−17,481号、米国特許2,797,
213号、同3,046,120号、同3,188,2
10号、同3,454,400号、同3,544,32
3号、同3,573,917号、同3,674,495
号、同3,785,825号、英国特許1,227,6
02号、同1,251,345号、同1,267,00
5号、同1,329,888号、同1,330,932
号、独国特許854,890号などがあり、酸分解性化
合物の例としては、特開昭60−37,549号、同6
0−10,247号、同60−3,625号などに記載
されているものを挙げることが出来る。これらの化合物
を単独あるいは組み合わせて感光成分とした感光材料に
対して、少なくとも本発明を好ましく適用することがで
きる。これらの感光成分には芳香族ヒドロキシ化合物の
o−キノンジアジドカルボン酸エステルおよび芳香族ア
ミノ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸またはo−
キノンジアジドカルボン酸アミドが包含され、また、こ
れらo−キノンジアジド化合物を単独で使用したもの、
およびアルカリ可溶性樹脂と混合し、この混合物を感光
層として設けたものが包含される。
【0029】アルカリ可溶性樹脂には、ノボラック型フ
ェノール樹脂及び/又はポリビニルフェノール樹脂から
なる樹脂が用いられる。ノボラック樹脂としては、フェ
ノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾ
ール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、
レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェ
ノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノー
ル、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プ
ロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチル
フェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香
族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド、フルフラール等のアルデヒド類及び、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類又はケ
トン類と重縮合させたものが挙げられる。
【0030】好ましいノボラック樹脂の芳香族炭化水素
類としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾ
ール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5
−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1
種のフェノール類をホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド等のアルデヒド類の中から選ばれる少なく
とも1種のアルデヒド類と重縮合したものが、特に好ま
しく用いられる。
【0031】ノボラック樹脂の分子量としては、ゲルパ
ーメーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレ
ン換算重量平均分子量が1,000〜15,000、好
ましくは、1,500〜10,000のものが用いられ
る。
【0032】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−
ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒ
ドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレ
ン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒ
ドロキシスチレン類の単独あるいは2種以上の共重合体
が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は芳香環に塩素、
臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子あるいは炭素数1〜
4の低級アルキル置換基等の置換基を有していても良
く、従ってポリビニルフェノール樹脂としては、芳香環
にハロゲン原子あるいは炭素数1〜4の低級アルキル置
換基等の置換基を有していても良いポリビニルフェノー
ル樹脂が挙げられる。
【0033】ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換
基を有していても良いヒドキシスチレン類を単独である
いは2種以上をラジカル重合開始剤又はカチオン重合開
始剤の存在下で嫌気的に重合させることにより得られ
る。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加
を行ったものでも良い。又、t−ブトキシカルボニル
基、ピラニル基、フラニル基等でポリビニルフェノール
類の一部のOH基を保護した樹脂でも良い。ポリビニル
フェノール樹脂の、重量平均分子量は、1,000〜1
00,000、好ましくは1,500〜50,000の
ものが用いられる。
【0034】o−キノンジアジド化合物を感光成分とす
る感光性層には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、プ
リントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製
剤、塗工助剤等の添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、
花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して通常、0.5〜5g
/m2の感光性層を有する本発明の活性光線用のポジ型
感光性平版印刷版原版とされる。
【0035】本発明に用いられる高密度エネルギー光の
作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶
解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層に含
有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する
物質、酸発生剤、酸硬化性化合物ないしは酸架橋性化合
物及びアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【0036】光を吸収し熱を発生する物質は特定波長の
高密度エネルギー光を効率良く吸収し熱を発生する化合
物で、各種の顔料や染料を選んで用いることが出来る。
本発明に使用される顔料としては、市販の顔料及びカラ
ーインデックス便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術
協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CM
C出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC
出版、1984年刊)等に記載されている顔料が利用で
きる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレ
ンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔
料、緑色顔料、蛍光顔料その他ポリマー結合色素等があ
げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔
料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン
系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン
系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタ
ロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロ
ソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、
カーボンブラック等が使用できる。
【0037】これらの顔料は表面処理をせずに用いても
よく、又、公知の表面処理を施して用いても良く、公知
の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コート
する方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質
(たとえば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、
ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方等が
考えられる。これらの表面処理方法については、「金属
石鹸の性質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技術」
(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」
(CMC出版、1984年刊)に記載されている。
【0038】本発明に用いる染料としては、市販の染料
及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集,
昭和45年刊、「色材工学ハンドブック」色材協会編,
朝倉書店刊,1989年、「工業用色素の技術と市場」
シーエムシー刊,1983年、「化学便覧、応用化学
編」日本化学会編,丸善書店刊,1986年)に記載さ
れている公知のものが使用できる。具体的には、アゾ染
料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラ
キノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、
キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジ
ゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染
料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の
染料が挙げられる。これらの染料の中、赤外光もしくは
近赤外光を吸収するものが特に好ましい。赤外光もしく
は近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭5
8−125,246号、同59−84,356号、同5
9−202,829号、同60−78,787号等に記
載されているシアニン染料、特開昭58−173,69
6号、同58−181,690号、同58−194,5
95号等に記載されているメチン染料、特開昭58−1
12,793号、同58−224,793号、同59−
48,187号、同59−73,996号、同60−5
2,940号、同60−63,744号等に記載されて
いるナフトキノン染料、特開昭58−112,792号
等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第4
34,875号記載のシアニン染料、米国特許第5,1
56,938号記載の近赤外吸収剤等を挙げることがで
きる。さらに、米国特許第3,881,924号記載の
置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開
昭57−142,645号記載のトリメチンチアピリリ
ウム塩、特開昭58−181,051号、同58−22
0,143号、同59−41,363号、同59−8
4,248号、同59−84,249号、同59−14
6,063号、同59−146,061号等に記載され
ているピリリウム系化合物、特開昭59−216,14
6号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,47
5号記載のペンタメチンチオピリリウム塩、特公平5−
13,514号、同5−19,702号公報に開示され
ているピリリウム化合物、米国特許第4,756,99
3号に記載の近赤外吸収染料等も挙げることができる。
【0039】本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感
光性層に含有される酸発生剤としては、各種のジアゾニ
ウム塩類、トリクロロメチル基等を含有するハロゲン化
合物類、チオピリリウム塩、ホスホニウム塩、ヨウドニ
ウム塩、チオニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウ
ム塩類、さらにはホウ酸塩、アルミナート錯体、鉄アー
レン錯体等の錯化合物類を挙げることができる。
【0040】また、本発明の高密度エネルギー光用のネ
ガ型感光性層に含有される酸硬化性化合物としては、ノ
ボラック樹脂、レゾール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂などの各種熱硬化性樹脂や、これら樹
脂を化学変性したりアルカリ水溶性のモノマーと共重合
することによりアルカリ水溶性としたオリゴマーやポリ
マーを挙げることができる。
【0041】本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感
光性層に含有される酸架橋性化合物としては、分子内に
2個以上の酸架橋性の置換基を有する化合物であり、そ
の様な置換基として、オレフィン基、エポキシ基、アセ
タール基、ケタール基、アルデヒド基、エノールエーテ
ル基等を挙げることができる。
【0042】本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感
光性層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性
光線用ネガ型またはポジ型感光性インキ受容層に用いら
れるアルカリ可溶性樹脂をいづれも使用することができ
る。好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック
樹脂、レゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合による
樹脂等を挙げることができる。
【0043】本発明に用いられる高密度エネルギー光の
作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶
解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層とし
て利用できるその他の事例として、例えば、特開平7−
306,528号、同9−179,292号によるジア
ゾニウム基を含有した樹脂とカーボンブラックとから構
成されたもの、特開平9−274,317号によるキノ
ンジアジド化合物を使用したもの、特開平7−020,
629号、同7−271,029号、同8−234,4
26号、同9−185,160号、同9−197,66
8号、同9−197,671号、同9−202,873
号、同9−208,925号、同9−221,652
号、同9−221,654号、同9−176,112
号、同9−183,960号、同9−183,961
号、同9−222,731号、同9−239,945
号、同9−244,226号、同9−244,233号
等による熱による酸発生物質を使用するもの等を挙げる
ことができ、いづれも本発明による高密度エネルギー光
用のネガ型感光性層として使用することができる。
【0044】本発明による高密度エネルギー光用のネガ
型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、
プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調
製剤、塗工助剤等の添加剤を加え適当な溶媒に溶解し
て、花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して、通常、0.5
〜5g/m2のネガ型感光性層を有する本発明の高密度
エネルギー光用のネガ型感光性平版印刷版原版とされ
る。
【0045】本発明に用いられる高密度エネルギー光の
作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に可溶
解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層に含
有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する
物質、酸発生剤、アルカリ可溶性樹脂及び酸分解性樹脂
等が挙げられる。
【0046】高密度エネルギー光用のポジ型感光性層に
含有される光を吸収し熱を発生する物質及び酸発生剤に
ついては、前述の本発明による高密度エネルギー光用の
ネガ型感光性に含有される光を吸収し熱を発生する物質
及び酸発生剤と全く同じ化合物類が使用できる。
【0047】高密度エネルギー光用のポジ型感光性層に
含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性光線用ネ
ガ型又はポジ型感光性インキ受容層に用いられるアルカ
リ可溶性樹脂をいづれも使用することができるが、好ま
しいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、レ
ゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合による樹脂等を
挙げることができ、特に好ましい樹脂としてノボラック
樹脂及びレゾール樹脂を挙げることができる。
【0048】高密度エネルギー光用のポジ型感光性層に
含有される酸分解性樹脂としては、オルトカルボン酸エ
ステル、アセタール、ケタールから導かれるグラフト基
を有するビニルポリマー等を挙げることができる。
【0049】又、本発明の高密度エネルギー光用のポジ
型感光性層として使用できる事例として、例えば、特開
平7−20,629号、同7−271,029号、同8
−220,752号、同9−171,254号、同9−
211,863号、同9−211,864号、同9−2
11,865号、同9−304,931号、同10−
3,165号、同10−10,735号、同10−1
0,737号、同10−39,514号、同10−8
7,733号、同10−123,703号、同10−1
5,365号等に記載されたポジ型感光層を挙げること
が出来、いづれも本発明の高密度エネルギー光用のポジ
型感光性層として使用することができる。
【0050】本発明による高密度エネルギー光用のポジ
型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、
プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調
製剤、塗工助剤等の添加剤を加え適当な溶媒に溶解し
て、花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して、通常0.5〜
5g/m2のポジ型感光性層を有する本発明の高密度エ
ネルギー光用のポジ型感光性平版印刷版原版とされる。
【0051】本発明の平版印刷版原版は、公知の技術に
より基体の上に設けられた花弁状アルミナ層上に、上記
それぞれの感光性組成物塗布液を塗布し乾燥することに
より製造される。塗布方法としては、回転塗布法、ワイ
ヤーバー塗布法、ディップ塗布法、エアーナイフ塗布
法、ロール塗布法、ブレード塗布法、カーテン塗布法、
及びスプレー塗布法等を挙げることができる。このよう
にして塗布されたネガ型感光性組成物層は、40〜15
0℃で、30秒〜10分間、熱風乾燥機、赤外線乾燥機
等を用いて乾燥される。
【0052】活性光線用に使用されるネガ又はポジ型感
光性層上には、相互に独立して設けられた突起物により
構成されるマット層を設けることが望ましい。マット層
の目的は密着露光におけるネガもしくはポジ画像フィル
ムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良することに
より、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良による露
光時の微小網点のつぶれを防止することである。マット
層の塗布方法としてはパウダリングされた固体粉末を熱
融着する方法やポリマー含有水をスプレーし乾燥させる
方法等がありいづれも使用できる。マット層は実質的に
有機溶剤を含まない水性現像液に溶解するか、あるいは
これにより除去可能な物質から構成されることが好まし
い。
【0053】次に本発明の平版印刷版原版を使用して印
刷刷版を作製する方法について説明する。
【0054】本発明の平版印刷版原版には、まず活性光
線又は高密度エネルギー光線により画像書き込みが行わ
れる。本発明の平版印刷版原版に使用することのできる
活性光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドラ
ンプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアー
ク灯等が使用できる。活性光線による画像書き込みを行
うには、例えば、既に画像形成されたフィルムを用い、
本発明の活性光線用の平版印刷版原版に密着させたの
ち、必要量の光量を活性光源により全面照射すればよ
く、通常は市販のプリンター等を使用して容易に行うこ
とができる。
【0055】又、本発明に使用することのできる高密度
エネルギー光光源としては、発振波長が300nm〜1
250nmまでの各種半導体レーザー、炭酸ガスレーザ
ー(発振波長;10.6μm)、YAGレーザー(発振
波長;1064nm、SHG=532nm、THG=3
55nm)、エキシマレーザー(発振波長;193nm
・308nm・351nm)、アルゴンレーザー(発振
波長;488nm)等があり、いづれの場合も、光源の
特定波長を吸収し熱又は化学反応を起こし得る適当な顔
料ないし染料を感光性層に添加することにより使用でき
る。高密度エネルギー光による書き込みを行うには、予
め作成されたコンピュータ等によるデジタル画像情報を
用い、直接高密度エネルギー光光源から回路を経て本発
明のネガ型又はポジ型平版印刷版原版に照射して画像書
き込みを行うことができる。この時用いる機器として
は、市販されている専用のセッターやプリンターが使用
できる。
【0056】又、ネガ型の高密度エネルギー光用の平版
印刷版原版の場合には、高密度エネルギー光による照射
だけでは書き込み部の耐現像性や耐印刷適性が十分でな
い場合があり、そのような場合には現像処理前に適宜加
熱処理を行って画像部を強化することができる。加熱処
理条件としては、熱オーブン、赤外線ヒーター等を用
い、80℃〜170℃で数秒〜5分間加熱することによ
り行われる。
【0057】画像露光され、必要に応じ加熱処理された
本発明の平版印刷版原版は、次にアルカリ性現像液によ
る現像処理が行われる。
【0058】現像処理に使用されるネガ用のアルカリ水
溶液系現像液にはアルカリ剤として、例えば、珪酸ナト
リウム、珪酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化リチウム、第二又は第三燐酸のナトリウム
又はアンモニウム塩、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、アンモニア等の無機アルカリ剤、モノ、ジ、又は
トリメチルアミン、モノ、ジ、又はトリエチルアミン、
モノ又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モ
ノ、ジ、又はトリエタノールアミン、モノ、ジ、又はト
リイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレン
ジイミン等の有機アミン化合物類が使用される。これら
のアルカリ剤の現像液中における含有量は、0.005
〜10重量%で、好ましくは0.05〜5重量%であ
る。0.005重量%より少ないと現像が不良となり、
10重量%より多いとネガ型感光性画像形成層を侵す等
の悪影響を及ぼす。
【0059】ネガ用現像液には有機溶剤が添加され、そ
の具体例としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレン
グリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリ
ン酸ブチル、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアル
コール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアル
コール、メチルアミルアルコール、キシレン、メチレン
ジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベン
ゼン等を挙げることができる。これら有機溶剤のネガ用
現像液中における含有量は、20重量%以下であり、好
ましくは10重量%以下である。
【0060】さらにまた、ネガ用現像液中には必要に応
じて、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩、アルカ
リ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化
合物、メチルレゾルシン等のヒドロキシ芳香族化合物、
ポリ燐酸塩、アミノポリカルボン酸類等の硬水軟化剤、
イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブ
チルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N
−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフ
ェートナトリウム塩等のアニオン界面活性剤や両性界面
活性剤、消泡剤等を用いることができる。
【0061】本発明のポジ用現像処理に用いる現像液と
しては、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性水溶液
が好ましく、アルカリ剤として例えば、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン
酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸ア
ンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、
アンモニア水等のような無機アルカリ剤およびテトラア
ルキルアンモニウムハイドライド等の様な有機アルカリ
剤の水溶液が適当であり、それらの濃度が0.005〜
20重量%、好ましくは0.01〜5重量%になるよう
に添加し使用される。また、ポジ用現像液には必要に応
じて、アニオン性活性剤、ノニオン性活性剤、カチオン
性活性剤、両性活性剤、弗素系活性剤及びシリコーン系
活性剤等の界面活性剤やアルコール等のような水溶性有
機溶剤を加えることもできる。
【0062】本発明に用いるネガ用又はポジ用現像液と
しては、実用上は通常市販されているネガ用又はポジ用
の現像液を1〜200倍に希釈して使用することができ
るし、必要に応じポジ及びネガ両用の現像液を希釈して
用いて現像することも可能である。
【0063】本発明における現像処理条件としては、温
度15℃〜40℃、時間は1秒〜2分間、露光済みの本
発明による平版印刷版原版を現像液に浸漬し、その後、
水洗することにより行われる。必要に応じ、軽く表面を
擦る等しても良い。
【0064】現像処理を終えた本発明の平版印刷版原版
は、水洗及び/又は水系の不感脂化剤による処理が施さ
れる。水系の不感脂化剤としては、例えば、アラビアゴ
ム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等の水
溶性天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性合成高分子等の水
溶液が挙げられ、必要に応じて、これらの水系の不感脂
化剤に酸や界面活性剤等が加えられる。そして、不感脂
化後乾燥し、印刷刷版として印刷に使用される。又、上
記製版処理を行うに当たり、現像処理、水洗、ガム処
理、乾燥の工程を一時に一貫処理できる現像液やガム液
を充填した自動現像機等の使用も効果的である。
【0065】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく具
体的に説明するが、もとより本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【0066】〔実施例1〕トリブトキシアルミニウム2
4.3gを攪拌しつつイソプロピルアルコール100g
中に添加する。さらに攪拌しつつアセト酢酸エチルエス
テル13gを添加し、室温にて1時間攪拌した。次い
で、イソプロピルアルコール20gと水7.2gの混合
液を攪拌しつつ加え、添加後さらに3時間攪拌して塗布
液とした。
【0067】塗布液中に2.5x2.5cmの予め脱脂
処理を施したガラス板を漬け、持ち上げるディッピング
法によりアルミナゾル層をガラス基板上に設けた。風乾
後、400℃にて10分間焼成したのち、90℃の熱水
中に10分間浸漬した。浸漬終了後、再度400℃にて
10分間焼成することにより花弁状アルミナ層を形成で
きた。5,000倍の電子顕微鏡にて表面が花弁状の特
異な形状をしていることが確認できた。
【0068】2−ヒドロキシエチルメタクリル酸エステ
ル:エチルメタクリル酸エステル:メタクリル酸:アク
リロニトリル=35:30:5:30の比率で共重合し
て得た重量平均分子量7万のバインダ−樹脂を10.0
g,4−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒ
ドとの縮合物のヘキサフルオロ燐酸塩であるジアゾ樹脂
を1.3g、「ビクトリアピュアーブルーBOH;保土
ヶ谷化学工業社製」を0.15g、リンゴ酸を0.2g
および「メガファックF−177;大日本インキ化学工
業社製」を0.05g、メチルセルソルブ170gに溶
解し、活性光線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液とし
た。
【0069】先のガラス基板上の花弁状アルミナ層上に
スピナーにて上記活性光線用ネガ型感光性インキ受容層
塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の
活性光線用ネガ型平版印刷版原版を得た。
【0070】本発明の活性光線用ネガ型平版印刷版原版
の表面に、文字画像のあるフィルムを密着させ、これよ
り1m離れた位置に設けた出力1kwのメタルハライド
ランプ(岩崎電気社製)「アイドルフィン1000」を
用いて40秒間露光した。次いで現像液ND−1(ポリ
クロームジャパン社製)の1:3倍希釈液にて25℃、
1分間現像処理を行い、水洗、ガム液(UG1を2倍に
希釈;ポリクロームジャパン社製)処理して乾燥し、印
刷刷版(1)を得た。
【0071】両面テープで印刷刷版(1)を金属板に固
定し印刷を行った。印刷は、湿し水NA108W(1:
50希釈、大日本インキ化学工業社製)の存在下、イン
キローラーにてインキ(GEOS−G紅N、大日本イン
キ化学工業社製)付けを行った後、ゴムローラーに文字
画像を転写し、さらに紙上にゴムローラーから文字画像
を転写することによって行った。以上の手順で1枚の文
字の印刷物を得た。以下、湿し水付け⇒インキ付け⇒ゴ
ムローラー転写⇒紙転写のサイクルで印刷を続けて、5
00枚の印刷物を得た。この間印刷物としての文字品質
は良好であった。
【0072】〔実施例2〕実施例1で得たガラス基板上
の花弁状アルミナ層上に、ナフトキノン−1,2−ジア
ジド−5−スルホニルクロリドとピロガロール・アセト
ン樹脂とのエステル化合物を3.0g、クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂を7.5g、2−(p−メトキシス
チリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジンを0.06gおよび「オイルブルー#603;
オリエント化学工業社製」を0.15g、メチルセルソ
ルブアセテート90gに溶解して得た活性光線用ポジ型
感光性インキ受容層塗布液をスピナーにて塗布し、12
0℃、1分間乾燥して、本発明の活性光線用ポジ型平版
印刷版原版を得た。
【0073】本発明の活性光線用ポジ型平版印刷版原版
の表面に、文字画像のあるフィルムを密着させ、これよ
り1m離れた位置に設けた出力1kwのメタルハライド
ランプ(岩崎電気社製)「アイドルフィン1000」を
用いて40秒間露光した。次いで現像液PD−1(ポリ
クロームジャパン社製)の1:8倍希釈液にて25℃、
1分間現像処理を行い、水洗、ガム液(UG1を2倍に
希釈;ポリクロームジャパン社製)処理して乾燥し、印
刷刷版(2)を得た。
【0074】両面テープで印刷刷版(2)を金属板に固
定し印刷を行った。印刷は、湿し水NA108W(1:
50希釈、大日本インキ化学工業社製)の存在下、イン
キローラーにてインキ(GEOS−G紅N、大日本イン
キ化学工業社製)付けを行った後、ゴムローラーに文字
画像を転写し、さらに紙上にゴムローラーから文字画像
を転写することによって行った。以上の手順で1枚の文
字の印刷物を得た。以下、湿し水付け⇒インキ付け⇒ゴ
ムローラー転写⇒紙転写のサイクルで印刷を続けて、5
00枚の印刷物を得た。この間印刷物としての文字品質
は良好であった。
【0075】〔実施例3〕実施例1で作製したアルミナ
ゾル塗布液を、予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで
0.3mm厚のステンレス鋼板上にロッド番号#12の
ワイヤーバーにて塗布した。風乾後、400℃にて10
分間焼成したのち、90℃の熱水中に10分間浸漬し
た。浸漬終了後、再度400℃にて10分間焼成するこ
とにより花弁状アルミナ層を形成できた。
【0076】次いで、同じく実施例1で作製した活性光
線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液を、ロッド番号#
6のワイヤーバーを用いて花弁状アルミナ層上に塗布
し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性光線用ネ
ガ型平版印刷版原版を得た。本発明の活性光線用ネガ型
平版印刷版原版にネガ画像フィルムを密着させて、プリ
ンター「P−806−G;大日本スクリーン社製」にて
35ユニットで露光し、現像液ND1(ポリクロームジ
ャパン社製)1:3希釈液とフィニッシングガムNF2
(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した
自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)に
て30℃、19秒間の条件で処理して印刷刷版(3)を
得た。
【0077】印刷刷版(3)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;1,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、3,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物3,000枚は、品質等の問題もなく良
好な印刷物であった。
【0078】〔実施例4〕メチルセルソルブ92.3g
に、アルカリ性水溶液に可溶な不飽和ポリエステル樹脂
を4.0g,メチレンビス(−N−マレイミド)を2.
0g、4−ジアゾフェニルアミンとパラホルムアルデヒ
ドとの縮合物のp−トルエンスルホン酸塩を1.0g、
2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−s−トリアジンを0.5g、ビクトリア
ピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製)を0.1
gおよびメガファックF−144D(大日本インキ化学
工業社製)を0.1g溶解させて、活性光線用ネガ型感
光性インキ受容層塗布液を作製した。
【0079】作製した活性光線用ネガ型感光光性インキ
受容層塗布液を、実施例3で得たステンレス鋼板を基体
とする花弁状アルミナ層上にロッド番号#12のワイヤ
ーバーを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥して、本
発明の活性光線用ネガ型平版印刷版原版を得た。
【0080】本発明の活性光線用ネガ型平版印刷版原版
にネガ画像フィルムを密着させて、プリンター「P−8
06−G;大日本スクリーン社製」にて35ユニットで
露光し、現像液ND1(ポリクロームジャパン社製)
1:3希釈液とフィニッシングガムNF2(ポリクロー
ムジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機P
D−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、1
9秒間の条件で処理して印刷刷版(4)を得た。
【0081】印刷刷版(4)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;1,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、5,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物5,000枚は、品質等の問題もなく良
好な印刷物であった。
【0082】〔実施例5〕実施例2で作製した活性光線
用ポジ型感光性インキ受容層塗布液を、実施例3で得た
ステンレス鋼板を基体とする花弁状アルミナ層上にロッ
ド番号#12のワイヤーバーを用いて塗布し、120℃
で1分間乾燥して、本発明の活性光線用ポジ型平版印刷
版原版を得た。
【0083】本発明の活性光線用ポジ型平版印刷版原版
にポジ画像フィルムを密着させて、プリンター「P−8
06−G;大日本スクリーン社製」にて35ユニット間
露光し、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)
1:8希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロー
ムジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機P
D−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、1
2秒間の条件で処理して印刷刷版(5)を得た。
【0084】印刷刷版(5)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;1,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、3,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物3,000枚は、品質等の問題もなく良
好な印刷物であった。
【0085】〔実施例6〕実施例1で作製したアルミナ
ゾル塗布液を、予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで
0.27mm厚のトタン板上にロッド番号#12のワイ
ヤーバーにて塗布した。風乾後、290℃にて10分間
焼成したのち、90℃の熱水中に10分間浸漬した。浸
漬終了後、再度290℃にて10分間焼成することによ
り花弁状アルミナ層を形成できた。
【0086】次いで、メチルエチルケトン25mlと1
−プロパノール20mlの混合溶液中に、UCARフェ
ノール樹脂BKS−5928(ユニオンカーバイド社
製)を3.0g、ノボラック樹脂ZH−8011(大日
本インキ化学工業社製)を3.0g、IRDYE830
(パンチム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチ
ルジフェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェート
を0.2gおよびテレフタルアルデヒド0.2gを溶解
させて、高密度エネルギー光用ネガ型感光性インキ受容
層塗布液を作製した。
【0087】作製した高密度エネルギー光用ネガ型感光
性インキ受容層塗布液を、先のトタン板を基体とする花
弁状アルミナ層上にロッド番号#20のワイヤーバーを
用いて塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の高
密度エネルギー光用ネガ型平版印刷版原版を得た。
【0088】本発明の高密度エネルギー光用ネガ型平版
印刷版原版にトレンドセッター3244F(クレオ社
製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150mJ
/cm 2)による画像書き込みを行い、次いで熱オーブ
ン中135℃で30秒間加熱し、後処理を終えた。つぎ
に、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:
3.5希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロー
ムジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機P
D−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、1
5秒間の条件で処理して印刷刷版(6)を得た。
【0089】印刷刷版(6)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物6,000枚は、品質等の問題もなく良
好な印刷物であった。
【0090】〔実施例7〕メチルエチルケトン25ml
と1−プロパノール20mlの混合溶液中に、ノボラッ
ク樹脂ZH−8011(大日本インキ化学工業社製)を
6.0g、ノボラック樹脂ZH−8020(大日本イン
キ化学工業社製)を0.5g、IRDYE830(パン
チム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフ
ェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.
2gおよびジエタノールアミン0.2gを溶解させて、
高密度エネルギー光用ポジ型感光性インキ受容層塗布液
を作製した。
【0091】作製した高密度エネルギー光用ポジ型感光
性インキ受容層塗布液を、実施例6で得たトタン板を基
体とする花弁状アルミナ層上にロッド番号#16のワイ
ヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、
本発明の高密度エネルギー光用ポジ型平版印刷版原版を
得た。
【0092】本発明の高密度エネルギー光用ポジ型平版
印刷版原版にトレンドセッター3244F(クレオ社
製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150mJ
/cm 2)による画像書き込みを行い、次いで現像液P
D1(ポリクロームジャパン社製)1:8希釈液とフィ
ニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)
1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大
日本スクリーン社製)にて30℃、12秒間の条件で処
理して印刷刷版(7)を得た。
【0093】印刷刷版(7)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物6,000枚は、品質等の問題もなく良
好な印刷物であった。
【0094】
【発明の効果】基体としてガラス基板、セラミック基板
又は金属製基板を用いた支持体上に、花弁状アルミナ層
を親水性層とし、その上層に活性光線あるいは高密度エ
ネルギー光を画像書き込みの光源として用いるネガ型又
はポジ型の感光性層を塗設して成る平版印刷版原版を作
製し、得られた平版印刷版原版に活性光線光又は高密度
エネルギー光照射により画像形成し、必要に応じ加熱処
理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、
ガム処理、乾燥を経て、基体上に花弁状アルミナ層を親
水性層とする新規で良好な印刷刷版が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忠永 清治 大阪府堺市中百舌鳥町6−998−3 (72)発明者 松田 厚範 大阪府河内長野市緑ケ丘中町12−5 Fターム(参考) 2H025 AA12 AA13 AB03 AC01 AC08 AD01 AD03 BA03 BC13 BC31 CC11 DA18 DA19 DA36 DA40 FA12 FA17 FA29 FA39 2H084 AA30 AA32 BB01 BB13 CC05 2H096 AA06 BA05 BA09 CA03 CA20 EA02 EA04 FA01 GA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成した花弁状アルミナ膜と、
    該花弁状アルミナ膜上に感光性インキ受容層を設けて成
    ることを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の花弁状アルミナ膜が、
    少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とから
    なる塗布液を塗布したのちに形成された皮膜を乾燥し熱
    処理して成膜したアルミナ膜を、熱水処理又は加熱水蒸
    気処理し、乾燥、焼成したことでなる花弁状のアルミナ
    膜である請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の感光性インキ受容層
    が、活性光線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解
    となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層である
    請求項1に記載の平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の感光性インキ受容層
    が、活性光線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解
    となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層である
    請求項1に記載の平版印刷版原版。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の感光性インキ受容層
    が、高密度エネルギー光の作用を受けたのち、該当部分
    がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形
    成するネガ型感光性層である請求項1に記載の平版印刷
    版原版。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の感光性インキ受容層
    が、高密度エネルギー光の作用を受けたのち、該当部分
    がアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形
    成するポジ型感光性層である請求項1に記載の平版印刷
    版原版。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の基体が、ガラス基板、
    セラミック基板又は金属製基板である請求項1〜6の何
    れかに記載の平版印刷版原版。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4の何れかに記載の平版印刷
    版原版を用い、活性光線光照射により画像形成し、アル
    カリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を
    経て印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷版作製方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、5及び6の何れかに記載
    の平版印刷版原版を用い、高密度エネルギー光照射によ
    り画像形成し、必要に応じて加熱処理した後、アルカリ
    性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て
    印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷版作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018165797A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 富士フイルム株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物、ポジ型平版印刷版原版、及び、平版印刷版の作製方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018165797A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 富士フイルム株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物、ポジ型平版印刷版原版、及び、平版印刷版の作製方法

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