JP4075275B2 - 感光性組成物、印刷版原版及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、近赤外から赤外領域の光を用いる感光性組成物に関する。さらに詳しくは、近赤外から赤外領域の高出力型レーザー光の照射によって潜像が得られ、これを湿式現像することによって画像が形成される感光性組成物に関する。本発明の感光性組成物は、カラーフィルター用レジスト、プリンタ基板用レジスト、カラープルーフなどの用途に幅広く用いられる。また、本発明の印刷版原版は、オフセット印刷分野で使用される平版印刷版原版として、特にコンピュータ等によるデジタル信号から直接製版できるいわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル信号に対応した光照射により直接感光層に画像を書き込む方法が開発されている。本システムを平版印刷版に利用し、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、直接版材に画像を形成するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)システムが注目されている。
【0003】
光照射の光源として、近赤外又は赤外領域に最大強度を有する高出力型レーザー光を用いるCTPシステムは、コンパクトな高出力のレーザーの入手が容易であること、短時間の露光で高解像度の画像が得られること、その方法に用いる版材が明室での取り扱いが可能であること、などから注目されている。
【0004】
そのような光源を用いるCTPシステムに使用される印刷版原版として、特開平10−228109号公報などには、熱による酸を発生する物質(酸発生物質)、赤外線吸収剤、酸により架橋する架橋剤、該架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂を含有する感光層を有する印刷版原版が開示されている。しかしながら、この印刷版原版には、酸発生物質の保存安定性に問題があり、また、酸発生に伴うカチオン重合反応を完遂するために、レーザー照射後、現像前に加熱処理を必要とし、そのため、網点の再現性に問題が生じる、等の実用上の問題があった。
【0005】
一方、レーザー照射後、現像前に加熱処理を必要としない印刷版原版として、特開平9−171249号公報には、親水性樹脂中に分散された疎水性熱可塑性重合体粒子を親水性基板上に形成した印刷版原版が開示されている。この印刷版原版は、熱により融着した樹脂微粒子と非融着の樹脂微粒子の現像液に対する溶解性の差を利用して画像を形成するが、現像液に不溶な疎水性微粒子を親水性樹脂とともに現像せざるを得ないことから感度、保存安定性、耐刷性が低く、実際に印刷版として利用するには現像後に加熱処理を必須とするといった問題があった。また、特開平9−171250号公報には、耐刷性を向上させるために、親水性樹脂が熱によって架橋する印刷版原版が開示されているが、樹脂微粒子が架橋に関与しないことから充分な耐刷性が発現せず、また、保存安定性にも問題があった。
【0006】
また、特開平9−127683号公報には、親水性基体表面に熱により親油化可能な自己水分散性熱可塑性樹脂粒子層を形成した印刷版原版が開示されている。この印刷版原版は、赤外線吸収剤を含まないことから感度が低く、保存安定性を高めるためにPET等の剥離可能な乾燥防止用フィルムを該樹脂微粒子層上に形成することが必要な場合があった。また、耐刷性向上のために多価金属イオンを架橋剤として用いると、経時的に現像性が低下するという傾向があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする第一の課題は、近赤外から赤外領域のレーザー光で画像書き込みが可能であり、かつ、潜像を現像する前の加熱処理を必要としない、保存安定性が良好な感光性組成物を提供することにある。
【0008】
また、本発明が解決しようとする第二の課題は、上記第一の課題を満たし、しかも、コンピュータ等のデジタル信号から直接製版可能であり、さらに、従来の現像処理装置が利用でき、かつ、印刷においても従来の印刷装置をそのまま利用でき、耐刷性に優れたコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、感光性組成物層への高密度エネルギー光による書き込み画像形成の機構として、光重合開始剤や光酸発生剤を用いる、いわゆるPS版等の光エネルギーとモノマーによる重合反応(ネガ型PS版)、あるいは光エネルギーによるポリマーの部分分解反応に伴う改質(ポジ型PS版)の如き化学反応のみを利用した従来の機構に代えて、光エネルギーの吸収により発生した熱により画像部の樹脂微粒子が相互に溶融及び/又は融着するとともに、熱により架橋剤と重合・縮合反応することにより潜像を形成し、この潜像を、処理液に浸漬することにより非画像部を溶解除去して現像する新しい方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、(I)架橋剤、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成物を提供する。
【0011】
また、本発明は上記課題を解決するために、(II)架橋剤、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成物から成る感光層を有する印刷版原版を提供する。
【0012】
更に、本発明は上記課題を解決するために、 (III)架橋剤、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成物から成る感光層を有する印刷版原版の感光層に、レーザー光を用いて画像を形成した後、湿式現像する画像形成方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子とは、後述する架橋剤と架橋反応可能な官能基、例えば、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アミノ基等を有する平均粒径0.005〜1マイクロメートル(μm)の樹脂からなる微粒子をいう。
【0014】
樹脂微粒子を調製する方法としては、例えば、樹脂を合成する過程で微粒子を作成する方法、合成したあるいは既存の樹脂を微粒子化する方法が挙げられる。前者による方法としては、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法などが挙げられ、後者の方法としては、塊状の高分子を粉砕して微粒子を得る粉砕法、乳化剤を用いて樹脂を乳化させる乳化法などが挙げられる。粉砕法では均一な1μm以下の粒子を得るのは困難であることなどから、本発明の感光性組成物に用いるのは不適当である。一方、乳化重合法、乳化法では、乳化剤が残存するが、乳化剤の種類及び使用量によっては、感度やインキ付着性等に影響を与えることから、乳化剤の選択には充分な配慮が必要である。
【0015】
この他に、樹脂に自己水分散性能を付与する官能基をもたせ、転相乳化法により水中に分散することによっても樹脂微粒子を得ることができる。この方法は、乳化剤を使用しないこと、水分散前の樹脂に様々な官能基を導入できること、樹脂微粒子の粒径を容易に変えられることなどから、本発明で使用する樹脂微粒子の製造法として優れている。本発明で使用する樹脂微粒子は、架橋剤と反応可能な官能基を有することが必要とされるので、様々な官能基を導入することが可能できる本法は、極めて有利である。一般に、乳化法、転相乳化法で得られる樹脂微粒子は、樹脂微粒子単独で造膜性を有するものがあり、本発明では、このような樹脂微粒子が好ましく用いられる。
【0016】
以下、転相乳化法により架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子を得る方法について詳しく説明する。転相乳化法に用いる自己水分散性樹脂とは、乳化剤を用いずに水に分散させることができる樹脂を総称しており、樹脂単独で水に分散させると、かすかに濁った透明感のある状態になるものから白く懸濁するものまでを含み、概ね、分散粒子の平均粒径が0.005から1マイクロメートル(μm)となるように分散できるようなものをいう。樹脂に水分散性を持たせるためには、樹脂が水に分散できる必要量の親水性基を樹脂に導入すればよい。親水性基としては、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基が挙げられる。この親水性基の種類は、現像液の選択によって決定され、例えば、アルカリ性現像液を用いる場合は、アニオン性樹脂を用いればよく、酸性現像液を用いる場合は、カチオン性樹脂を用いればよい。水を現像液とする場合は、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、ノニオン性樹脂のいずれも用いることができる。現像液としては、一般にアルカリ性現像液を用いられることが多いことから、その場合、アニオン性樹脂を用いればよい。
【0017】
転相乳化法に用いられる自己水分散性樹脂は、自己水分散性を有する樹脂であれば特に限定されることはなく、例えば、アクリル樹脂等の重合系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の縮合系樹脂等を用いることができる。
【0018】
自己水分散性樹脂として、アニオン性のアクリル樹脂を用いる場合、原料となる重合性組成物の少なくとも1種に、酸基を有する重合性モノマーを用い、必要に応じてその他の重合性ビニル基を有する重合性モノマーとともに公知慣用の方法で共重合させた後、塩基で必要量を中和すればよい。重合時に架橋剤と架橋反応可能な官能基を樹脂中に導入する場合は、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する重合性モノマー、酸基を有する重合性モノマー、及び、必要に応じて、その他の重合性ビニル基を有する重合性モノマーを含有する組成物を同様に共重合させた後、塩基で必要量中和すればよい。勿論、架橋剤と架橋反応可能な官能基が酸基を有する重合性モノマー中の官能基と同一の際は、酸基を有する重合性モノマー、及び、必要に応じて、その他の重合性ビニル基を有する重合性モノマーを含有する組成物を用いて前述の方法と同様にして製造することができる。
【0019】
酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチルの如きカルボキシル基を有するビニルモノマー類;アシッドホスホオキシエチルメタクリレートの如きリン酸基を有するビニルモノマー類;2−クロロ−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の如きスルホン酸基を有するビニルモノマー類;2−スルホエチル(メタ)アクリレートの如き硫酸基を有するビニルモノマー類、などが挙げられる。
【0020】
架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する重合性モノマーは、使用する架橋剤により架橋反応可能な官能基が異なる。架橋剤として、フェノール誘導体、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体の如きアミノ化合物を用いる場合、架橋反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、グリシジル基、などが挙げられる。酸基を有する重合性モノマーとともに重合することを考慮すると、酸基と反応するグリシジル基、あるいは、酸基と塩を形成するアミノ基を含むモノマーの使用は、ゲル化の恐れがあることから、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する重合性モノマーとして、水酸基、アミド基、カルボキシル基を有する重合性モノマーを用いることが好ましい。
【0021】
水酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。アミド基を有する重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。カルボキシル基を有する重合性モノマーとしては、前述の酸基を有する重合性モノマー中で述べた、カルボキシル基を有するビニルモノマー類などが挙げられる。
【0022】
架橋剤としてはアミノ化合物に限られるものではなく、その場合も、重合時にゲル化等の問題を引き起こさない架橋剤と反応する官能基を有する重合性モノマーを任意に使用することができる。
【0023】
自己水分散性樹脂を構成するモノマーとして必要に応じて用いることができるその他の重合性ビニル基を有する重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ブトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルの如き(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシスチレンの如きスチレン系モノマー類;イタコン酸ベンジルの如きイタコン酸エステル類;マレイン酸ジメチルの如きマレイン酸エステル類;フマール酸ジメチルの如きフマール酸エステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニルの如き、ビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリルの如き重合性ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、などが挙げられる。
【0024】
上記重合性モノマー組成物の重合方法は、塊状重合、溶液重合等各種方法が利用できるが、簡便な溶液重合が好ましく、使用する溶媒は有機溶媒を用いるのが好ましい。有機溶媒としては、重合性モノマーや得られる重合体を溶解できるものであれば特に限定されることはないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの如きアルコール類、などが挙げられる。これらの有機溶媒は、2種類以上を混合して用いることもできる。これらの有機溶媒の中でも、転相乳化が容易で、比較的、水と親和性のある溶剤の使用が好ましく、また、転相乳化後に有機溶媒を除去することが容易な低沸点の溶媒の使用が好ましい。そのような溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが挙げられる。
【0025】
溶液重合の際に用いられる重合開始剤は、公知のラジカル重合開始剤を用いればよく、例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシ2−エチルへキサノエートの如き過酸化物系重合開始剤、などが挙げられる。
【0026】
アニオン性のアクリル樹脂の合成法として、前述したように重合時に酸基を導入する方法以外にも、例えば、水酸基を有する重合体に、無水酸を付加させ、次いで塩基で必要量中和するなど、重合後のアクリル樹脂にアニオン性基を導入することもできる。同様に、架橋剤と反応可能な官能基も重合後の樹脂に導入することもできる。すなわち、架橋剤と反応可能な官能基を有するアニオン性のアクリル樹脂であれば、自己水分散性樹脂として任意に用いることができる。
【0027】
自己水分散性樹脂としてアニオン性ポリエステル樹脂を用いる場合、二塩基酸とジオール化合物とを、化学量論的に酸基が多くなるようにして脱水縮合を行うことにより、酸基を有するポリエステルを得た後、これを、塩基で必要量中和することによって自己水分散性樹脂を得ることができる。あるいは、二塩基酸とジオール化合物とを、化学量論的に水酸基が多くなるようにして脱水縮合を行い、次に酸無水物を付加することによって酸基を有するポリエステルを得た後、これを、塩基で必要量中和することによって自己水分散性樹脂を得ることができる。
【0028】
ポリエステル樹脂の原料となる二塩基酸としては、例えば、こはく酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0029】
また、ポリエステル樹脂の原料となるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオールなどが挙げられる。
【0030】
また、ポリエステル樹脂の原料となる酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸の如き三塩基酸あるいは四塩基酸の無水物、などが挙げられる。
【0031】
二塩基酸とジオール化合物を脱水縮合してポリエステルを得る際、ゲル化しない程度の範囲でトリメリット酸、ピロメリット酸の如き3価以上の多塩基酸、あるいはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如き3価以上の多価アルコール化合物を併用することもできる。
【0032】
また、脱水縮合時に、ジブチルすずオキサイド等の公知慣用のエステル化触媒を使用すると、目的の反応をより円滑に遂行することができる。
【0033】
架橋剤と架橋反応可能な官能基がカルボキシル基、あるいは、水酸基であれば、前述の方法によって、カルボキシル基を有する、あるいは、カルボキシル基と水酸基とを併有する塩基で必要量中和することにより架橋剤と反応可能な官能基を有するアニオン性のポリエステルが得られるが、脱水縮合して得られるポリエステルに架橋剤と反応可能な官能基を導入することもできる。すなわち、架橋剤と反応可能な官能基を有するアニオン性のポリエステル樹脂であれば、本発明で用いられる自己水分散性樹脂として任意に用いることができる。
【0034】
次に、自己水分散性樹脂としてアニオン性のウレタン樹脂を用いる場合、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物と、酸基を有するジオール化合物とを縮合することによって、酸基を有するウレタン樹脂が得た後、これを塩基で必要量中和することによって自己水分散性樹脂を得ることができる。架橋剤と架橋可能な官能基がカルボキシル基の場合には、酸基を有するジオール化合物としてカルボキシル基を有するジオール化合物を用いればよく、架橋剤と架橋可能な官能基が水酸基の場合、ジオール化合物、酸基を有するジオール化合物の水酸基の量(モル)が、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基の量(モル)より過剰の条件で縮合した後、塩基で必要量中和することにより、水酸基を有するアニオン性ウレタン樹脂が得られる。
【0035】
ウレタン樹脂の原料となるジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ビフェニレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、3,3−ジクロロ−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートの如芳香族ジイソシアネート類;
【0036】
5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(水添キシリレンジイソシアネート)、3,3−ジメチル−4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類あるいは脂環式ジイソシアネート類、などが挙げられる。
【0037】
後述するような樹脂微粒子を内部架橋させる目的でイソシアネート基を樹脂末端に残存させる場合には、イソシアネート基と水との反応が比較的遅い、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類などの使用が好ましい。
【0038】
また、ウレタン樹脂の原料となるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(1,2−プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール(1,3−プロピレングリコール)、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール(1,4−ブチレングリコール)、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、などが挙げられる。
【0039】
さらにまた、ウレタン樹脂の原料となるジオール化合物として、各種ジオール類と、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水グルタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロイソフタル酸の如き二塩基酸や二塩基酸無水物、との縮合物であるポリエステルジオール類;各種ジオール類を開始剤として、γ−ブチロラクトンもしくはε−カプロラクトンなどを開環重合して得られるポリエステルジオール類;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオールの如きポリ炭酸エステルジオール類;各種ジオール類の1種又は2種以上を開始剤とする、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド又はテトラヒドロフランの如き単独又は2種以上の開環重合物であるポリエーテルジオール類、などを用いることもできる。
【0040】
ウレタン樹脂の原料となるジオール化合物として、これらジオールの共重合物も使用することができる。これらのジオール化合物は単独で用いてもよいし、各種併用して用いてもよい。
【0041】
また、ウレタン樹脂の原料となる、酸基を有するジオール化合物としては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、酒石酸、などが挙げられる。
【0042】
ウレタンプレポリマーがゲル化しないような範囲において、平均官能度が2を超える、若干量のポリオール化合物を使用することもでき、また、平均官能度が2を超える、若干量のポリイソシアネート化合物を併用することもできる。
【0043】
ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物と、酸基を有するジオール化合物との縮合反応は、粘度が高くなることから溶液反応が好ましい。使用する溶剤はイソシアネート基と反応しない溶剤であれば特に限定されることはないが、得られるウレタン樹脂を良好に溶解することのできる比較的極性の高い溶剤が好ましく、また、後工程で溶剤を除去することを考慮すると、水よりも蒸気圧が高い溶剤が好ましい。そのような溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、などが挙げられる。
【0044】
ウレタン縮合反応は、無触媒下で行うこともできるが、反応をより促進させ、短時間で目的とするウレタン樹脂を得るためには、公知慣用の有機金属触媒を添加することが好ましい。
【0045】
有機金属触媒としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、テトラ−n−ブチル錫、トリ−n−ブチル錫アセテート、n−ブチル錫トリクロライド、トリメチル錫ハイドロオキサイド、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート又はオクテン酸錫、などが挙げられる。
【0046】
架橋剤と架橋反応可能な官能基を、アニオン性自己水分散性アクリル樹脂、アニオン性自己水分散性ポリエステル樹脂と同様に、樹脂合成と同時ではなく、合成後に導入することもでき、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有するアニオン性自己水分散性樹脂であれば任意のものが使用できる。
【0047】
これらの酸基を導入した樹脂は、酸価が5〜300(mg−KOH/樹脂1g)であることが好ましい。酸価が5未満では、完全に中和しても自己水分散性を有さず、酸価が300以上では実質的に合成が困難になる。
【0048】
本発明の感光性組成物は、支持体上に塗布された後、乾燥工程において乾燥されるが、この乾燥工程において、樹脂微粒子同士が融着等の熱変性を起こさないために、本発明の樹脂微粒子のガラス転移温度が40℃以上であることが好ましい。また、高温での長期保存が必要な場合、樹脂微粒子同士の融着等の熱変性を伴わないために、本発明の樹脂微粒子のガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。
【0049】
酸基を有する樹脂は、塩基で中和することによって自己水分散性を有する樹脂となる。概ね、酸価として5〜150の範囲で中和することによって自己水分散性を有する樹脂となる。塩基で中和する酸価が5未満では水への分散安定性が乏しく、また、酸価が概ね150を越えると樹脂が水へ分散せずに、溶解する。
【0050】
中和に用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの如きアルカリ金属の水酸化物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンの如きアミン類;アンモニア水、などが挙げられる。
【0051】
このようにして得られた、架橋剤と架橋可能な官能基を有する自己水分散性樹脂は、水に分散させることによって樹脂微粒子分散体となる。転相乳化時には、一般的に系の粘度が増加すること、また、作業性の向上から、自己水分散性樹脂は有機溶媒で固形分が5〜60%となるように希釈して用いることが好ましい。有機溶媒は、自己水分散性樹脂を溶解するものであれば特に限定されることはないが、安定に分散できることから水と比較的親和性の高い有機溶媒の使用が好ましく、後工程で有機溶剤を除去する場合には、水より蒸気圧の高い有機溶剤の使用が好ましい。
【0052】
そのような有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンの如きケトン系溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランの如きエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの如きアルコール系溶剤;酢酸エチルの如きエステル系溶剤;ジクロロメタンの如きハロゲン系溶剤、などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いても、複数を混合して用いても良い。
【0053】
自己水分散性樹脂を水へ分散する際、自己水分散性樹脂に水をゆっくりと加え、転相乳化を経て樹脂微粒子分散体を得る方法が一般的ではあるが、場合によっては、水に自己水分散樹脂溶液を加えていってもよい。さらには、自己水分散性樹脂の前駆体である酸基を有する樹脂に、中和剤を含む水を加えてもよいし、中和剤を含む水に自己水分散性樹脂の前駆体である酸基を有する樹脂溶液を加えていってもよい。
【0054】
分散時に使用する撹拌装置は、公知慣用のものが使用可能であって、通常の撹拌装置で撹拌しても、あるいは、乳化分散機等の剪断力を与えるような分散機を用いてもよい。一般に、サブミクロンオーダーの小粒径の微粒子を調製する際には、高剪断力の乳化分散機等の使用が好ましく、また、ミクロンオーダーの比較的大粒子径のカプセル化剤を調製する際には、緩やかに撹拌できる撹拌装置の使用が好ましい。
【0055】
本方法により得られる樹脂微粒子は、初期には有機溶剤を含む水分散体として得られるものであるが、そのまま用いても、また、有機溶剤を減圧留去して水分散体として用いても、あるいは、有機溶剤や水を除去して粉体として用いても良い。
【0056】
自己水分散性樹脂に予め粒子内架橋のための官能基を導入すること、及び/又は第三成分の架橋性化合物を加えることによって、架橋樹脂微粒子を得ることができ、印刷耐用性・保存安定性の向上、感度の調整等に利用できる。
【0057】
架橋樹脂微粒子を得る方法としては、例えば、自己水分散性樹脂として予めイソシアネート基を末端に有するウレタン樹脂を用い、水中に分散化し、次いでエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物を加えて粒子内を三次元架橋することによって、架橋樹脂微粒子を得ることができる。あるいは、第三成分としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール系エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレート共重合体、カルボン酸のグリシジルエステル樹脂、脂環式エポキシの如きエポキシ化合物等の多官能グリシジル化合物を用い、自己水分散性樹脂とともに水中に分散化し、次いで熱を加えて樹脂微粒子内を三次元架橋させることによって架橋樹脂微粒子を得ることができる。この場合、熱を加える前に有機溶剤を除去した方が、樹脂微粒子同士の融着を防ぐことができるので、より好ましい。あるいは、自己水分散性樹脂として予めイソシアネート基が導入されたウレタン樹脂を用い、更に第三成分の疎水性ポリイソシアネート化合物とともに水中に分散化し、次いでポリアミン化合物を加えて粒子内を三次元架橋させることによって粒子内架橋密度を高めた架橋微粒子が得られる。ここに例示した粒子内架橋法は、ごく一部に過ぎず、水中で架橋する公知の手法を使用することができる。
【0058】
粒子内を架橋する架橋性官能基の量は、樹脂100g当たり1.5〜300ミリモルが適当である。1.5ミリモル少ないと、架橋の効果が得られず、300ミリモルを越えると実質的に合成が困難である。
【0059】
次に本発明に使用される架橋剤について説明する。本発明でいう架橋剤とは、熱によって前述の微粒子相互を架橋する架橋剤を指し、例えば、官能基としてカルボジイミド基を有するもの、オキサゾリン基を有するもの、アミノ基、あるいは、メチロール基、アルコキシメチル基を有するもの等、架橋剤・硬化剤として広く一般的に用いられているものを使用することができる。
【0060】
保存安定性が要求される場合、保存時に架橋反応せず、かつ、架橋反応が必要なとき、例えば、レーザー照射時、あるいは、バーニング時に架橋反応する架橋剤を選択することが必要である。このような架橋剤の代表例として、フェノール誘導体、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体の如きアミノ化合物あるいはアミノ樹脂が挙げられる。これらのアミノ化合物、アミノ樹脂は、フェノール、メラミン、ベンゾグアナミン等に、ホルムアルデヒド、また必要に応じて、アルコールを公知の方法にて反応させて得られるが、アミノ基あるいはメチロール基が少なく、高度にアセタール化(アルキルエーテル化)されたものの使用が好ましい。
【0061】
また、本感光性組成物を平版印刷版として利用する場合にも、インキ着肉性に優れることが要求されることから、アミノ基あるいはメチロール基が少なく、高度にアセタール化(アルキルエーテル化)されているアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体、メラミン誘導体、あるいはベンゾグアナミン誘導体の使用が好ましい。また、アルコキシメチル基を構成するアルコキシル基は、炭素原子数が1〜4のものが好ましい。
【0062】
本発明における感光性材料全固形分中におけるこれら架橋剤の使用割合は、0.1〜60重量%の範囲が好ましく、1〜40重量%の範囲が特に好ましい。架橋剤の使用割合が1重量%未満では架橋の効果が得られず、40重量%を越えるとを本発明の感光性組成物層が脆くなる傾向にあるので好ましくない。
【0063】
本発明で用いる赤外線吸収剤は、感光性組成物層中に光を吸収して熱を発生する物質を指し、そのような物質としては、例えば、種々の顔料又は染料が挙げられる。
【0064】
本発明で使用される顔料としては、市販の顔料、及び、カラーインデックス便覧「最新顔料便覧日本顔料技術協会編、1977年刊」、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料その他ポリマー結合色素等が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの中でも特に、近赤外から赤外線領域の光を吸収して効率よく熱を発生し、しかも経済的に優れた物質としてカーボンブラックが好ましく用いられる。また、種々の官能基を有する分散性の良いグラフト化カーボンブラックが市販されており、例えば、「カーボンブラック便覧第3版」(カーボンブラック協会編、1995年)の167ページ、「カーボンブラックの特性と最適配合及び利用技術」(技術情報協会、1997年)の111ページ等に記載されているものが挙げられ、いずれも本発明に好適に使用される。
【0065】
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、また公知の表面処理を施して用いてもよく、公知の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等の反応性物質を顔料表面に結合させる方法などが挙げられる。これらの表面処理方法については、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている。
【0066】
本発明で用いられる顔料の粒径は、0.01〜15マイクロメートルの範囲にあることが好ましく、0.01〜5マイクロメートルの範囲にあることがさらに好ましい。
【0067】
本発明に用いることができる染料は、公知慣用のものが使用でき、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編、昭和45年刊)、「色材工学ハンドブック」(色材協会編、朝倉書店、1989年刊)、「工業用色素の技術と市場」(シーエムシー、1983年刊)、「化学便覧応用化学編」(日本化学会編、丸善書店、1986年刊)に記載されているものが挙げられる。より具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の染料が挙げられる。これらの染料の中でも、近赤外から赤外領域の光を吸収するものが特に好ましい。近赤外光もしくは赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭58−125246号公報、同59−84356号公報、同59−202829号公報、同60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、同58−181690号公報、同58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58―112793号公報、同58−224793号公報、同59―48187号公報、同59−73996号公報、同60−52940号公報、同60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号公報に記載されているシアニン染料、米国特許第5,156,938号明細書に記載されている赤外線吸収剤等が挙げられる。さらに、米国特許第3,881,924号明細書に記載されている置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリジニウム塩、特開昭57−142645号公報に記載されているトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号公報、同58−220143号公報、同59−146063号公報、同59−146061号公報等に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載されているシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載されているペンタメチンチオピリリウム塩、特公平5−13514号公報、同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物、米国特許第4,756,993号明細書に記載されている赤外吸収染料等が挙げられる。
【0068】
上記の顔料又は染料の中から、後述する高出力の光源の特定波長を吸収し、熱に変換できうる適当な顔料又は染料を少なくとも1種を選び、感光性組成物層に添加することにより使用できる。
【0069】
赤外線吸収剤として顔料を使用する場合、顔料の使用量は、感光性組成物層の全固形分に対して、1〜70重量%の範囲が好ましく、3〜50重量%の範囲が特に好ましい。添加量が1重量%より少ない場合には、光を吸収して熱を発生しても共存する微粒子を溶融・架橋するのに充分な熱量とはならず、添加量が70重量%より多い場合には、発生する熱量が多すぎて燃焼や破壊等の現象が起き、画像を形成するのに適当な溶融潜像を形成することが困難となる傾向にあるので好ましくない。
【0070】
赤外線吸収剤として、染料を使用する場合、染料の使用量は、感光性組成物層の全固形分に対して、0.1〜30重量%の範囲が好ましく、0.5〜20重量%の範囲が特に好ましい。染料の使用量が0.1重量%より少ない場合には、光を吸収して熱を発生しても共存する樹脂を溶融するのに充分な熱量とはならず、添加量が30重量%より多い場合には、発生する熱量が実質的に飽和に達して添加の効果が上がらない傾向にあるので好ましくない。
【0071】
本発明の印刷版原版は、支持体上に感光性組成物層塗布液を塗布した後、乾燥させることによって製造することができる。感光性組成物層塗布液は、顔料又は染料を微粒子分散液に分散させた後、架橋剤と混合することによって作成することができる。また、感光性組成物層塗布液は、顔料又は染料を水又は水と有機溶剤の混合溶媒に分散させてから、微粒子分散液、架橋剤と配合することによって作成することもできる。さらに、感光性組成物層塗布液は、顔料又は染料を自己水分散性樹脂に分散させた後、転相乳化して、内部に顔料又は染料を含有する微粒子(染料あるいは顔料をカプセル化した微粒子)とし、架橋剤と混合することによっても作成することもできる。
【0072】
顔料又は染料を分散する際に用いられる分散機としては、公知慣用のものが使用でき、例えば、超音波分散機、サンドミル、アトライター、バールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、ディスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー、ペイントコンディショナー、などが挙げられる。また、このとき有機溶剤を併用してもよく、その際には、水と均一に溶解しうる低融点の有機溶剤の使用が好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールの如きアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類;トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0073】
さらに、本発明の感光性組成物層には、必要に応じて、フェノール性ノボラック、(メタ)アクリル酸系樹脂などのアルカリ性水溶液に可溶な樹脂、酸発生剤、溶解調整剤などを添加することもできる。
【0074】
このようにして調製された感光性組成物層塗布液は、塗布性向上のための各種助剤、例えば、粘度調整のための各種天然水溶性高分子や合成水溶性高分子、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等の水溶性の有機溶剤、各種界面活性剤等を添加することができる。
【0075】
感光性組成物塗布液は、好ましくは塗布溶液中の固形分比が1〜50重量%に調整された後、公知慣用の方法で支持体上に塗布される。塗布方法としては、具体的には、スピンコーター等による回転塗布法、ディップ塗布法、ロール塗布法、カーテン塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、スプレー塗布法、バーコーター塗布法等が挙げられる。
【0076】
上記のようにして支持体上に塗布された感光性組成物層塗布液は、常温で乾燥させることによって感光性組成物層が形成される。より短時間で乾燥させるために、30〜150℃で10秒〜10分間、温風乾燥機、赤外線乾燥機等を使用して乾燥させることが好ましい。
【0077】
本発明の感光性組成物層は、近赤外から赤外領域の高出力型レーザーにより画像を書き込まれた後、現像処理によって非画像部が湿式法により除去される。現像処理に使用される現像液は、酸性水溶液、もしくは、アルカリ性水溶液である。基材等の腐食を考慮すると、一般的には、アルカリ剤を用いたアルカリ性水溶液の使用が好ましい。近赤外から赤外領域の高出力型レーザーとしては、760nm〜3,000nmの近赤外から赤外領域に最大強度を有する各種レーザー、例えば、半導体レーザー、YAGレーザー等が挙げられる。
【0078】
以下、本発明の感光性組成物を平版印刷版原版に応用する場合について説明する。
【0079】
本発明の感光性組成物を平版印刷版原版に応用する場合は、本発明の感光性組成物を、親水性表面を有する支持体上に設ければよい。すなわち、親水性表面を有する支持体上に前述したように感光性組成物層塗布液を塗布して乾燥させることにより平版印刷版原版を作成することができる。
【0080】
このような支持体としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ステンレス、鉄の如き金属板類;ポリエチレングリコールテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエチレンの如きプラスチックフィルム類;合成樹脂を溶融塗布あるいは合成樹脂液を塗布した紙やプラスチックフィルムに金属層を真空蒸着もしくはラミネートなどの技術により設けた複合材料等が挙げられる。これらのうち、特にアルミニウム及びアルミニウムが被覆された複合支持体の使用が好ましい。
【0081】
アルミニウム支持体の表面は、保水性を高め、感光層との密着性を向上させる目的で表面処理されていることが望ましい。そのような表面処理法としては、例えば、粗面化方法としてブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学的エッチング、液体ホーニング、サンドブラスト等の方法、及びこれらの組み合わせが挙げられ、特に電解エッチングの使用を含む粗面化方法が好ましい。
【0082】
電解エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、アルカリ又はそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を含む水性溶液が用いられ、これらのうちで特に、塩酸、硝酸、又はそれらの塩を含む電解液が好ましい。さらに、粗面化処理の施されたアルミニウム板は、必要に応じて酸又はアルカリの水溶液にてデスマット処理される。このようにして得られたアルミニウム板は、陽極酸価処理されることが望ましく、特に、硫酸又は燐酸を含む浴で処理する方法が望ましい。
【0083】
また、必要に応じて、米国特許第2,714,066号明細書、同3,181,461号明細書に記載されているケイ酸塩処理(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、米国特許第2,946,638号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号公報に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号公報に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号公報や英国特許第1,230,447号公報に記載されているポリビニルスルホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16839号公報や特開昭58−18291号公報に記載されている親水性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理を行ったもの、特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料による着色を行ったもの、米国特許3,658,662号明細書に記載されているシリケート電着等の処理を行うことができる。
【0084】
また、砂目立て処理及び陽極酸化後、封孔処理を施したものも好ましい。封孔処理は、熱水、及び無機塩又は有機塩を含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴等によって行われる。
【0085】
次に、本発明の印刷版原版を利用して、印刷刷版を作成する方法について説明する。
【0086】
本発明の印刷版原版は、コンピュータ等からのデジタル画像情報を基に、高出力型レーザーを使用して直接版上に画像書き込みができる、いわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版である。本発明の印刷版原版に画像を形成することができる高出力型レーザーとしては、各種半導体レーザー、YAGレーザー等があり、使用する光源の特定波長を吸収し、熱に変換できうる適当な顔料又は染料を前述した顔料又は染料の中から選び、感光性組成物層に添加することにより使用できる。
【0087】
本発明の印刷版原版の感光性組成物層は、高出力型レーザーにより画像を書き込まれた後、現像処理によって非画像部が湿式法により除去される。この際使用される現像液は、感光性組成物層に含まれる架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子を構成する樹脂がアニオン性基を有する場合には、アルカリ剤を含有するアルカリ性水溶液である。
【0088】
本発明の印刷版原版の現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第二又は第三リン酸のナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアの如き無機のアルカリ化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミンの如き有機のアルカリ化合物が挙げられる。
【0089】
現像液中のアルカリ剤の含有量は、0.005〜10重量%の範囲が好ましく、0.05〜5重量%の範囲が特に好ましい。現像液中のアルカリ剤の含有量が0.005重量%より少ない場合、現像が不良となる傾向にあり、また、10重量%より多い場合、現像時に画像形成層を浸食する等の悪影響を及ぼす傾向にあるので好ましくない。
【0090】
本発明の印刷版原版の現像液には有機溶剤を添加することもできる。現像液に添加することができる有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチル、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビト−ル、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロロベンゼン、などが挙げられる。
【0091】
現像液に有機溶媒を添加する場合の有機溶媒の添加量は、20重量%以下が好ましく、10重量%以下が特に好ましい。
【0092】
さらにまた、上記現像液中には必要に応じて、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウムの如き水溶性亜硫酸塩;アルカリ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化合物、メチルレゾルシンの如きヒドロキシ芳香族化合物;ポリリン酸塩、アミノポリカルボン酸類の如き硬水軟化剤;イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウム塩の如きアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種界面活性剤や各種消泡剤を用いることができる。
【0093】
本発明の画像形成方法に用いられる現像液には、上記の組成のものが使用されるが、実用上は、市販されているネガ型PS版用又はポジ型PS版用の現像液を用いることができる。市販されている濃縮型のネガ用、あるいはポジ用の現像液を1〜1,000倍に希釈したものが、本発明による印刷版原版の現像液として使用することができる。
【0094】
本発明の印刷版原版は、レーザー光を用いて画像形成した後、現像液に浸漬し、その後、水洗する。現像液の温度は、15〜40℃の範囲が好ましく、浸漬時間は1秒〜2分の範囲が好ましい。必要に応じて、現像中に軽く表面を擦ることもできる。
【0095】
現像を終えた本発明の印刷版原版は、水洗及び/又は水系の不感脂化剤による処理が施される。水系の不感脂化剤としては、例えば、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロースの如き水溶性天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の如き水溶性合成高分子、などの水溶液が挙げられ、必要に応じて、これらの水系の不感脂化剤に、酸や界面活性剤等が加えられる。不感脂化剤による処理が施された後、印刷版原版は乾燥され、印刷刷版として印刷に使用される。
【0096】
得られた印刷刷版の耐刷性を増すことを目的として、上記の印刷刷版をバーニング処理して印刷刷版とすることもできる。バーニング処理としては、▲1▼まず、前述の処理方法によって得られた印刷刷版を水洗し、リンス液やガム液を除去した後、スキージする。▲2▼次いで、整面液を版全体にムラなく引き伸ばし、乾燥させる。▲3▼180〜300℃のオーブン中で1〜30分間バーニングを行う。▲4▼版を冷却させた後、整面液を水洗により除去し、ガム引きして乾燥した後、印刷版とする、という工程により実施される。
【0097】
整面液は、バーニング処理後に地汚れが発生しないように、バーニング処理を施す前に処理する水溶液として専ら用いられるものであり、その主たる成分として、界面活性剤、特に好ましくはアニオン性界面活性剤及び/又はフッ素系界面活性剤を0.005〜30重量%、及び、pHを2〜11、好ましくは3〜10の範囲に保つために、各種の酸、アルカリあるいは塩類が添加される。
【0098】
整面液に用いられるアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸のアルデヒド縮合物、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルホネートの如きスルホン酸基を有する界面活性剤、ラウリル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩の如き硫酸エステル系界面活性剤、などが挙げられる。
【0099】
整面液に用いられるフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキル基を有するカルボン酸塩、パーフルオロアルキル基を有するスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基を有する硫酸エステル塩、パーフルオロアルキル基を有するリン酸塩の如きアニオン性フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキル基を有するアミン塩、パーフルオロアルキル基を有する4級アンモニウム塩の如きカチオン性フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボキシベタイン、パーフルオロアルキル基を有するアミノカルボン酸塩の如き両性フッ素界面活性剤;パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基を有するポリマー、パーフルオロアルキル基を有するスルホンアミドポリエチレングリコール付加物の如きノニオン性フッ素系界面活性剤、などが挙げられる。
【0100】
整面液に用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸の如き鉱酸、クエン酸、こはく酸、シュウ酸、酒石酸、酢酸、リンゴ酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、などが挙げられる。また、これら酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、あるいはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等も整面液に用いることができる。
【0101】
さらに、整面液には、天然物又は天然物の変性又は合成高分子重合体であって、皮膜形成能を有する高分子化合物を全重量に対して0.0001〜3重量%添加することもできる。さらにまた、整面液には、防腐剤、消泡剤、着色剤、などを添加することもできる。
【0102】
本発明の印刷原版を使用し、良好な印刷刷版を作成する好ましい方法としては、まず、YAGレーザーや赤外線半導体レーザー等の高出力型レーザーを光源とした画像露光機に本発明の印刷原版を装着し、コンピュータからのデジタル情報を直接本発明の印刷原版上に画像書き込みを行い、次いで、現像液で現像処理を行い非画像部を除去する。その後、水洗及び/又は水系の不感脂化剤により処理を施した後、乾燥させて印刷刷版を得ることができる。なお、この一連の現像処理工程は、一工程づつ実施しても勿論良いが、実用的にはこれらの工程を連続して行うことができる自動現像機を使用するのが容易であり、好ましい。この際、本発明の印刷版原版は、露光の前後において、特別の安全光を必要とせず、通常室内光の下で作業を進めることができるという特長を有している。また、従来の印刷版原版では画像書き込み後、現像前に加熱処理を行い、潜像を形成していたが、本発明の印刷版原版では画像書き込み後に加熱処理を必要としないという特長も有している。本発明の感光性組成物は、印刷版以外にも様々な用途に使用することができる。
【0103】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0104】
なお、以下の実施例において、乾燥固形分比は、試料約1gの130℃で1時間乾燥前後の試料重量比を測定して記載した。数平均分子量は、ゲル・浸透・クロマトグラフィー(以下、GPCと省略する。)により測定し、ポリスチレン換算の分子量でもって記載した。酸価は所定量の試料溶液を秤量し、濃度既知の水酸化カリウムのメタノール溶液で滴定して求めた。NCO(イソシアネート基)含有率は、所定量の試料溶液を秤量し、測定するイソシアネート基よりジ−n−ブチルアミンが過剰となるように、濃度既知のジ−n−ブチルアミンの酢酸エチル溶液を一定量加えてイソシアネートと反応させ、過剰のジ−n−ブチルアミンを濃度既知の塩酸水溶液で逆滴定することによって求めた。また、樹脂微粒子の粒径は、レーザードップラー式粒度分布計マイクロトラックUPA−150で測定した。
【0105】
<合成例1>(アクリル樹脂の合成例(1))
撹拌装置、還流装置、温度計付き乾燥窒素導入管及び滴下装置を備えた容量1Lの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン400gを仕込み、80℃に昇温した。これに、スチレン80g、メチルメタクリレート253.44g、アクリル酸51.32g、ブチルメタクリレート15.24g及び「パーブチルO」(日本油脂(株)製の重合開始剤)8gをよく混合した溶液を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに15時間撹拌を続けることによって、乾燥固形分比が49.5%、酸価50.1、数平均分子量が18,000のアクリル樹脂を得た。以下、これをアクリル樹脂(1)とする。
【0106】
<合成例2>(アクリル樹脂の合成例(2))
撹拌装置、還流装置、温度計付き乾燥窒素導入管及び滴下装置を備えた容量1Lの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン400gを仕込み、80℃に昇温した。これに、スチレン80g、メチルメタクリレート205.92g、アクリル酸41.04g、ブチルアクリレート45.04g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート28g及び「パーブチルO」(日本油脂(株)製の重合開始剤)8gをよく混合した溶液を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに15時間撹拌を続けることによって、乾燥固形分比が49.8%、酸価40.2、数平均分子量が21,000のアクリル樹脂を得た。以下、これをアクリル樹脂(2)とする。
【0107】
<合成例3>(アクリル樹脂微粒子の合成例(1))
上記アクリル樹脂(1)の溶液100gを1.0M水酸化ナトリウム水溶液26.7gで中和した後、水を滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに150gの水を加えた後、得られた分散液を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去して、平均粒径0.2マイクロメートルのアクリル樹脂微粒子の水分散体を得た。この水分散体に、水を加えて乾燥固形分比を30%に調整した。以下、これを樹脂微粒子(A)とする。
【0108】
<合成例4>(アクリル樹脂微粒子の合成例(2))
上記アクリル樹脂(2)の溶液100gを1.0M水酸化ナトリウム水溶液26.7gで中和した後、水を滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに150gの水を加えた後、得られた分散液を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去して、平均粒径0.07マイクロメートルのアクリル樹脂微粒子の水分散体を得た。この水分散体に、水を加えて乾燥固形分比を30%に調整した。以下、これを樹脂微粒子(B)とする。
【0109】
<合成例5>(アクリル架橋樹脂微粒子の合成例)
上記アクリル樹脂(1)の溶液100gに、「TETRAD−X」(三菱ガス化学(株)製のポリグリシジル化合物)0.89g及び1.0M水酸化ナトリウム水溶液26.7gを加えてよく混合した溶液に、水をゆっくり滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに150gの水を加えた分散液を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去した後、80℃に加熱して4時間撹拌を続けた。これに水を加えて乾燥固形分比を30%に調整して、平均粒径0.25マイクロメートルのアクリル架橋樹脂微粒子の水分散体を得た。以下、これを樹脂微粒子(C)とする。
【0110】
<合成例6>(ポリエステル樹脂微粒子の合成例)
撹拌装置、精留管、乾燥窒素導入管及び温度計を備えた容量2Lの四つ口フラスコに、テレフタル酸397.6g、イソフタル酸397.6g、エチレングリコール144.9g及びネオペンチルグリコール243.6gを仕込み、160℃まで昇温した。ジブチル錫オキサイド0.5gを加えて6時間かけて260℃まで昇温しながら脱水反応を行った後、精留管をデカンターに代えるとともにキシレン30gを加えて260℃で水を共沸除去しながら、さらに4時間撹拌を続けた。内容物を放冷した後、メチルエチルケトン500gで希釈して、酸価19.3、乾燥固形分比65.5%のポリエステルを得た。
【0111】
上記ポリエステルの溶液100gに、メチルエチルケトン30gを加え、トリエチルアミン2.36gで中和した後、撹拌しながら水を滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに150gの水を加えた後、得られた分散液を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去することによって、乾燥固形分比30.0%、平均粒径0.30マイクロメートルのポリエステル微粒子の水分散体を得た。以下、これを、樹脂微粒子(D)とする。
【0112】
<合成例7>(ウレタン架橋樹脂微粒子の合成例)
撹拌装置、還流装置、乾燥窒素導入管及び温度計を備えた容量1Lの四つ口フラスコに、「バーノックDN−980」(大日本インキ化学工業(株)製のポリイソシアネート)533g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸33.5g、ジブチル錫ジラウレート0.05g及び酢酸エチル300gを加え、80℃で3時間撹拌することによって、乾燥固形分比が50.0%、NCO含有率6.80%のポリウレタンプレポリマーの溶液を得た。
【0113】
上記ポリウレタンプレポリマーの溶液100gにメチルエチルケトン30gを加え、トリエチルアミン3.50gで中和し、撹拌しながら水を滴下した。プレポリマー溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに150gの水を加えた後、ジエチレントリアミン2.51gを50gの水に溶解した水溶液を撹拌しながらゆっくりと加えた。次いで、得られた分散液を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去することによって、乾燥固形分比33.5%、平均粒径0.078マイクロメートルのウレタン微粒子の水分散体を得た。これを水で希釈して乾燥固形分比30%とした。以下、これを樹脂微粒子(E)とする。
【0114】
<合成例8>(ポリメチルメタクリレート微粒子の合成例)
撹拌装置、温度計、還流管及び窒素導入管を備えた容量500mLの四つ口フラスコに、水200gと、Newcol−560SF(日本乳化剤(株)製の乳化剤)0.2g、メチルメタクリレート0.2gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。次に、メチルメタクリレート100gとNewcol−560SFの0.8gの混合物を、2時間かけて滴下し、その後、80℃で6時間撹拌した。これを水で希釈し、平均粒子径0.1μm、乾燥固形分比20%のポリメチルメタクリレート微粒子(F)の水分散体を得た。
【0115】
<実施例1>
合成例3で得たアクリル樹脂微粒子の水分散体40g、「カーボンブラックMA−100」(三菱化学(株)製のカーボンブラック)3g、水37g及びイソプロピルアルコール20gをよく混合し、これに、1mmガラスビーズ180gを加え、ペイントコンディショナーで1時間分散させた。ガラスビーズを濾過除去することによって、カーボンブラックを分散したアクリル微粒子溶液を得た。この溶液20gと「ニカラックMW−30」(三和ケミカル(株)製のメチル化メラミン)0.75g、水43g、イソプロピルアルコール11gとをよく混合して、塗布液とした。
【0116】
B4ワイドサイズで厚さ0.3mm厚のアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いて、その表面を砂目立てし、次いで20%硫酸電解液中、電流密度2A/dm2で陽極酸価処理して、2.7g/m2の酸化被膜を形成した後、水洗し、乾燥させて支持体を得た。
【0117】
この支持体に、先の塗布液を14番のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で4分間乾燥させて、本発明の印刷版原版を得た。
【0118】
この印刷版原版を用い、近赤外線半導体レーザーを搭載したテスト露光機(波長808nm、出力1W 、ライン電子(株)製)にて照射量を変えながら画像露光を行った。レーザー口径はピークにおける強度の1/e2で20μmであった。画像露光後、ポジ用PS版現像液「PD−1」(ポリクロームジャパン(株)製)1:99希釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を行い、さらに、水洗した後、乾燥させた。このものの感度は、180mJ/cm2であり、非画像部はきれいに剥離した。印刷版原版を60℃で15時間加熱した後の促進保存安定性試験後の感度には変化がなく、非画像部の汚れも見られなかった。
【0119】
<実施例2〜7>
実施例1において、樹脂微粒子及び架橋剤を表1に示した材料に代えた以外は、実施例1と同様にして、印刷版原版を作成し、同様にして評価を行ない、その結果を表2にまとめて示した。なお、表中、MW−30は「ニカラックMW−30」(三和ケミカル(株)製のメチル化メラミン)を、MX−45は「ニカラックMX−45」(三和ケミカル(株)製のメチルブチル混合エーテル化メラミン)をそれぞれ表わす。
【0120】
<実施例8>
上記アクリル樹脂(1)の溶液100gに、「YKR−3070」(山本化成(株)製の赤外吸収色素)2.5gを加えてよく混合した。この混合液を1.0M水酸化ナトリウム水溶液26.7gで中和した後、水を滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに150gの水を加えた後、得られた分散液を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去して、平均粒径0.2マイクロメートルの赤外吸収色素含有アクリル樹脂微粒子の水分散体を得た。さらに、これに水を加えて、乾燥固形分比を30%に調整した。
【0121】
この水分散体10gに、「ニカラックMW−30」(三和ケミカル(株)製のメチル化メラミン)0.75g、水49g及びイソプロピルアルコール15gをよく混合して塗布液とした。実施例1と同様の工程で得た支持体に、18番のバーコーターを用いてこの塗布液を塗布した後、60℃で4分間乾燥させて、本発明の印刷版原版を得た。
【0122】
この印刷版原版を用い、近赤外線半導体レーザーを搭載したテスト露光機(波長808nm、出力1W 、ライン電子(株)製)にて照射量を変えながら画像露光を行った。画像露光後、ポジ用PS版現像液「PD−1」(ポリクロームジャパン(株)製)1:99希釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を行い、さらに、水洗した後、乾燥させた。このものの感度は190mJ/cm2であり、非画像部はきれいに剥離した。印刷版原版を60℃で15時間加熱後の促進保存安定性試験後の感度には変化がなく、非画像部の汚れも見られなかった。
【0123】
<比較例1>
合成例1で得たアクリル樹脂(1)24g、「MA−100」(三菱化学(株)製のカーボンブラック)3g及びメチルエチルケトン23gをよく混合し、これに、1mmガラスビーズ90gを加え、ペイントコンディショナーで1時間分散させた。ガラスビーズを濾過除去することによって、カーボンブラックを分散させたアクリル樹脂溶液を得た。この溶液10gと「ニカラックMW−30」(三和ケミカル(株)製のメチル化メラミン)0.75gをよく混合してメチルエチルケトン49gで希釈して塗布液を得た。実施例1と同様の工程で得た支持体にこの塗布液を20番のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で4分間乾燥させて、印刷版原版を得た。乾燥塗布量は、2.0g/m2であった。この印刷版原版をポジ用PS版現像液「PD−1」(ポリクロームジャパン(株)製)の1:9希釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬したが、剥離しなかった。
【0124】
<比較例2>
合成例2で得たアクリル樹脂(2)24g、「MA−100」(三菱化学(株)製のカーボンブラック)3g及びメチルエチルケトン23gをよく混合し、これに、1mmガラスビーズ90gを加え、ペイントコンディショナーで1時間分散させた。ガラスビーズを濾過除去することによって、カーボンブラックを分散したアクリル樹脂溶液を得た。この溶液10gと「ニカラックMW−30」(三和ケミカル(株)製のメチル化メラミン)0.75gをよく混合した後、メチルエチルケトン50gで希釈して塗布液を得た。実施例1と同様の工程で得られた支持体にこの塗布液を18番のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で4分間乾燥させて、印刷版原版を得た。乾燥塗布量は、2.0g/m2であった。
【0125】
この印刷版原版を用い、近赤外線半導体レーザーを搭載したテスト露光機(波長808nm、出力1W 、ライン電子(株)製)にて照射量を変えながら画像露光を行った。画像露光後、ポジ用PS版現像液「PD−1」(ポリクロームジャパン(株)製)の1:99希釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を行い、さらに、水洗した後、乾燥させた。このものは、画像部、非画像部ともに剥離せず、画像形成できなかった。さらに、ポジ用PS版現像液「PD−1」の1:9希釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を行ったが、同様に画像形成できなかった。
【0126】
<比較例3>
合成例8で得られたポリメチルメタクリレート微粒子(F)の水分散液10.8gに、「CW−1」(オリエント化学(株)製のカーボンブラック水分散液、乾燥固形分比20%)3.4g、水60.9g、および、クラレポバールPVA−120(クラレ(株)製のポリビニルアルコール)の2%水溶液25g、「ニカラックMW−30」(三和ケミカル(株)製のメチル化メラミン)の1%水溶液2.5gをよく混合した。実施例9と同様の工程で得られた支持体に32番のバーコーターを用いてこの塗布液を塗布した後、35℃で一昼夜乾燥させて、印刷版原版を得た。乾燥塗布量は、2.0g/m2であった。
【0127】
この印刷版原版を用い、近赤外線半導体レーザーを搭載したテスト露光機(波長808nm、出力1W 、ライン電子(株)製)にて照射量を変えながら画像露光を行った。画像露光後、水とIPAの混合物(重量比1/9)を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を行い、さらに、水洗した後、乾燥させた。このものの感度は1,000mJ/cm2であった。この印刷版原版を60℃で15時間加熱後の促進保存安定性試験後は、前述の水とIPAの混合物からなる現像液では現像できず、明らかに感度の変化が認められた。
【0128】
(印刷テスト)
実施例1〜8で得た印刷版原版を、テスト露光機(波長808nm、出力1W、ライン電子(株)製)を用い、それぞれの印刷版原版が必要とする感度のエネルギー量にて画像を書き込み、その後、実施例と同様の条件で現像処理し、水洗し、乾燥させて印刷刷版を得た。
【0129】
このようにして得た印刷刷版を、それぞれ印刷機(TOKO 820L:東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度:3,000枚/時間、印刷用紙:十条ダイヤコートB4、インキ:GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業(株)製)、湿し水:NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業(株)製)の下、6,000枚の印刷テストを実施した結果を表2にまとめて示した。それぞれ得られた印刷物6,000枚は、品質などの問題もなく、良好な印刷物であった。さらに、印刷刷版を230℃で20分バーニングし、同上の条件で印刷試験を行ったところ、2万枚の印刷でも良好な品質の印刷物が得られ、版面にも異常が見られなかった。
【0130】
一方、比較例3で得られた印刷版を前述と同様の条件下で印刷テストを行うと、得られた印刷物6,000枚は、品質などの問題もなく、良好な印刷物であった。しかし、印刷刷版を230℃で20分バーニングし、同上の条件で印刷試験を行ったところ、1万5千枚を過ぎた辺りから印刷物に汚れが認められた。
【0131】
【表1】
【0132】
【表2】
【0133】
【発明の効果】
本発明の感光性組成物は、保存安定性が良好な感光層を提供することができる。本発明の感光性組成物からなる感光層を有する印刷版原版は、レーザー書き込み後、予備加熱なしで製版が可能であり、感度も良好で、バーニングにより樹脂微粒子が架橋し、耐刷性に優れた印刷版を提供する。
Claims (7)
- 架橋剤、架橋剤と架橋反応可能な官能基を有する樹脂微粒子(但し多価金属イオンを架橋剤として用いる樹脂微粒子を除く)及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成物。
- 樹脂微粒子が架橋樹脂微粒子である請求項1記載の感光性組成物。
- 架橋剤がアミノ樹脂である請求項1又は2記載の感光性組成物。
- 樹脂微粒子がさらにアニオン性基を有する樹脂微粒子である請求項1、2又は3記載の感光性組成物。
- 支持体上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物から成る感光層を有することを特徴とする印刷版原版。
- 請求項5記載の印刷版原版の感光層に、レーザー光を用いて画像を形成した後、湿式現像することを特徴とする画像形成方法。
- 760〜3,000nmの範囲に最大強度を有するレーザー光を用いる請求項6記載の画像形成方法。
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