JP2000213575A - 制動装置 - Google Patents

制動装置

Info

Publication number
JP2000213575A
JP2000213575A JP11014137A JP1413799A JP2000213575A JP 2000213575 A JP2000213575 A JP 2000213575A JP 11014137 A JP11014137 A JP 11014137A JP 1413799 A JP1413799 A JP 1413799A JP 2000213575 A JP2000213575 A JP 2000213575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressing force
reference value
pressing
detected
detecting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11014137A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Niwa
悟 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11014137A priority Critical patent/JP2000213575A/ja
Publication of JP2000213575A publication Critical patent/JP2000213575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】押圧部材が電動モータの駆動により前進させら
れることにより、摩擦材がロータに押付られて、ブレー
キが作動させられる電動ブレーキ装置において、制御精
度の向上を図る。 【解決手段】ブレーキ非作動状態であって、かつ、その
状態から加圧ロッド24が設定量以上後退させられた場
合、または、後退端まで後退させられた場合における押
圧力センサ88の検出押圧力を基準値とする。この状態
においては、実押圧力は確実に0の状態であるため、検
出押圧力が0点のオフセット量である。オフセット量が
基準値とされるのであり、基準値と検出押圧力とに基づ
いて電動モータ16を制御すれば、検出押圧力に基づい
て制御する場合より制動力の制御精度を向上させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動装置に関する
ものであり、特に、摩擦材が押圧部材により回転体に押
し付けられ、回転体の回転を抑制する摩擦ブレーキの制
御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】制動装置の一種として、特開昭63─2
42764号公報に記載されているものがある。この公
報に記載の制動装置は、ブレーキ,ブレーキ力センサお
よびブレーキ力制御装置を含んでいる。ブレーキは、車
輪と共に回転する回転体と、その回転体に対して接触・
離間可能に設けられた摩擦材と、その摩擦材を前記回転
体に押し付ける押圧部材と、その押圧部材を前進・後退
させる電動モータとを含み、電動モータの駆動により押
圧部材が前進させられて摩擦材が回転体に押し付けられ
ることによって車輪の回転を抑制するものである。その
ブレーキのブレーキ力がブレーキ力センサにより検出さ
れ、その検出された検出ブレーキ力が、運転者によるブ
レーキペダルの踏力に応じた目標ブレーキ力に近づくよ
うに、ブレーキ力制御装置により電動モータの作動状態
が制御される。この制動装置においては、実際のブレー
キ力がブレーキ力センサによって検出されるのである
が、実際のブレーキ力が0であるのに、ブレーキ力セン
サの検出ブレーキ力は0にならない場合が多い。すなわ
ち、ブレーキ力センサの0点がオフセットしている場合
が多いのである。勿論、0点のオフセットを除去する作
業を特別に行えば、このような不都合を解消すことがで
きるが、制動装置のコストが高くなることを避け得な
い。また、押圧力検出装置が、歪みゲージを備えたロー
ドセルで荷重を検出するものである場合には、歪みゲー
ジの抵抗値の、温度変化に伴う変化や経時変化等に起因
して0点がずれるため、1回の0点オフセット除去作業
では不十分である。他の押圧力検出装置にもこれと似た
事情が存在する。そのため、ある程度の0点オフセット
は容認せざるを得ず、上述の制動装置におけるように、
目標ブレーキ力に検出ブレーキ力が近づくように電動モ
ータの作動状態が制御されるようにされている場合に
は、ブレーキ力を、正確に運転者の意図に応じた大きさ
に制御することができない等の問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、以上の事情を背景として、回転体に摩擦
材を押し付ける押付力を検出する押圧力検出装置の0点
オフセットに起因する制動力制御精度の低下を抑制する
ことを課題としてなされたものである。そして、本発明
によれば、下記各態様の制動装置が得られる。各態様
は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、
必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。
これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであ
り、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合
わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではな
い。 (1)車輪と共に回転する回転体と、その回転体に対し
て接触・離間可能に設けられた摩擦材と、その摩擦材を
前記回転体に押し付ける押圧部材とを含み、押圧部材の
前進により摩擦材が回転体に押し付けられ、車輪の回転
を抑制するブレーキと、前記押圧部材の押圧力を検出す
る押圧力検出装置と、非ブレーキ作動状態において、前
記押圧部材を予め定められた条件が満たされるまで後退
させた状態における前記押圧力検出装置の検出押圧力を
その押圧力検出装置の基準値とする基準値決定装置とを
含むことを特徴とする制動装置(請求項1)。本項に記
載の制動装置においては、押圧力検出装置の0点のオフ
セット量が基準値とされる。ブレーキが非作動状態にあ
る場合には、実際の押圧力(以下、実押圧力と称する)
はほぼ0である。その状態からさらに押圧部材を後退さ
せた状態は、確実に実押圧力が0である状態である。こ
の状態における押圧力検出装置の検出押圧力が0点のオ
フセット量であり、この値が基準値とされるのである。
押圧部材は、予め定められた条件が満たされるまで後退
させられるが、この条件は、実押圧力が確実に0である
とみなし得る状態とするための条件であり、実押圧力0
保証条件と称することもできる。この実押圧力0保証条
件については、(2) 項〜(4) 項に関して説明する。基準
値が決定されれば、(6) 項ないし(8) 項に記載するよう
な効果が得られる。例えば、基準値により押圧力検出装
置の検出押圧力を補正すれば、実押圧力の検出精度を向
上させることができる。また、検出押圧力と基準値とに
基づいて制動力制御を行えば、検出押圧力自体に基づい
て制御を行う場合に比較して、制御精度を向上させるこ
とができる。さらに、押圧部材の移動量を検出するスト
ローク検出装置等に異常が生じたか否かを、基準値を利
用して検出することもできる。押圧力検出装置は、押圧
部材の摩擦材への押圧力を検出する装置であるが、摩擦
材の押圧部材への反力を検出する反力検出装置であると
考えることもできる。押圧力検出装置は、押圧力(反
力)に対応した力を受ける部材に、その力の変化に応じ
て生じる電気的あるいは磁気的変化を検出するものであ
り、ロードセル,圧電センサ,半導体荷重センサ,磁わ
い式力センサ等を採用可能である。 (2)当該制動装置が、前記押圧部材の後退端を検出す
る後退端検出装置を含み、前記基準値決定装置が、前記
後退端検出装置により前記押圧部材が後退端まで後退さ
せられたことが検出された場合に、前記予め定められた
条件が満たされたとして、前記押圧力検出装置の検出押
圧力を基準値とする(1) 項に記載の制動装置(請求項
2)。押圧部材が後退端まで後退させられた状態におい
ては、実押圧力は確実に0である。したがって、この状
態における押圧力検出装置の検出押圧力の値を基準値と
すれば、基準値を確実に真の0点オフセット量に設定す
ることができる。 (3)当該制動装置が、前記押圧部材の移動量を検出す
る移動量検出装置を含み、前記基準値決定装置が、前記
移動量検出装置により検出された前記非ブレーキ作動状
態からの後退量が予め定められた設定量に達した場合
に、前記予め定められた条件が満たされたとして、押圧
力検出装置の検出押圧力を基準値とする(1)項または(2)
項に記載の制動装置(請求項3)。押圧部材がブレー
キが非作動状態にある現位置から設定量だけ後退させら
れれば、その位置においては、実押圧力は必ず0である
はずであり、この状態における検出押圧力を基準値とす
れば、基準値を確実に真の0点オフセット量に設定する
ことができる。移動量検出装置は、押圧部材の、押圧部
材駆動アクチュエータの本体に対する相対移動量を検出
する装置であり、例えば、押圧部材の現位置からの移動
量を検出する装置としたり、押圧部材のアクチュエータ
本体に対する相対位置を検出し、その相対位置の変化に
基づいて移動量を検出する装置としたりすることができ
る。移動量や相対位置は、直接検出されるようにして
も、アクチュエータの作動量に基づいて間接的に検出さ
れるようにしてもよい。いずれにしても、「移動」と
「位置」とは密接な関係があり、移動量検出装置には位
置検出装置も含まれるものとする。 (4)前記基準値決定装置が、前記押圧部材の後退中に
前記押付力検出装置の検出押圧力が減少しなくなってか
ら予め定められた設定時間経過した場合に、前記予め定
められた条件が満たされたとして、前記押圧力検出装置
の検出押圧力を基準値とする(1) 項ないし(3) 項のいず
れか1つに記載の制動装置(請求項4)。押圧部材が摩
擦材に接触している状態から後退させられる場合におい
て、接触状態が保たれている間は、後退するにつれて検
出押圧力は減少するが、離間すれば、それ以上検出押圧
力が減少することはない。したがって、減少しなくなっ
た状態が設定時間以上経過すれば、押圧部材は摩擦材か
ら確実に離間し、実押圧力が確実に0である状態である
とみなし得る。 (5)前記ブレーキが、前記押圧部材を前記摩擦材に対
して前進・後退させる電動モータを含む(1) 項ないし
(4) 項のいずれか1つに記載の制動装置(請求項5)。
押圧部材は、電動モータの駆動により、摩擦材に対して
前進・後退させられる。電動モータは回転モータでもリ
ニアモータでもよく、回転モータである場合には、回転
運動がボールねじ等により直線運動に変換されて押圧部
材に伝達される。本項に記載のブレーキが電動ブレーキ
の典型的なものである。 (6)当該制動装置が、前記基準値決定装置により決定
された基準値に基づいて前記押圧力検出装置の検出押圧
力を補正する押圧力補正装置を含む(1) 項ないし(5) 項
のいずれか1つに記載の制動装置。検出押圧力が基準値
に基づいて補正される。補正された検出押圧力を補正押
圧力と称するが、補正押圧力は、検出押圧力より実押圧
力に近い値となるため、補正により押圧力の検出精度を
向上させることができる。押圧力検出装置がリニア特性
を有するものである場合、すなわち、実押圧力の増加に
伴って検出押圧力が直線的に増加するものである場合に
は、検出押圧力から基準値を引く補正を行えば、実押圧
力を取得することができるのであり、補正を容易を行う
ことができる。 (7)当該制動装置が、前記押圧部材を前進・後退させ
るアクチュエータと、そのアクチュエータを、前記基準
値決定装置により決定された基準値と、前記押圧力検出
装置の検出押圧力とに基づいて制御するアクチュエータ
制御装置とを含む(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに
記載の制動装置。アクチュエータが、基準値と検出押圧
力とに基づいて制御される。検出押圧力のみに基づいて
制御される場合に比較して、ブレーキ力の制御精度を向
上させることができる。(6) 項に記載の補正押圧力に基
づいてアクチュエータを制御する態様は本態様の一例で
ある。アクチュエータを、(5) 項に記載の電動モータを
含むものとすることができる。 (8)当該制動装置が、前記押圧部材の移動に関連する
移動関連量を検出する移動関連量検出装置と、前記基準
値決定装置により決定された基準値と移動関連量検出装
置の検出値とに基づいて移動関連量検出装置と前記押圧
力検出装置との少なくとも一方に異常が生じたことを検
出する異常検出装置とを含む(1) 項ないし(7) 項のいず
れか1つに記載の制動装置(請求項6)。基準値を利用
すれば、移動関連量検出装置と押圧力検出装置との少な
くとも一方に異常が生じたことを検出することができ
る。移動関連量には、押圧部材のアクチュエータ本体に
対する相対移動量のみならず、相対移動量取得の基にな
る相対位置等も含まれる。相対位置には、例えば、押圧
部材が摩擦材に接触する相対位置、後退端に位置する相
対位置等の予め定められた特定の相対位置も含まれる。
それに対応して、移動関連量検出装置には、(3) 項に記
載の移動量検出装置のみならず、(2) 項に記載の後退端
検出装置、押圧部材が摩擦材に接触したことを検出する
摩擦材接触検出装置等が含まれる。いずれにしても、押
圧力は、押圧部材の移動関連量に基づいて制御されるの
であり、押圧力と押圧部材の移動関連量との間には密接
な関係がある。したがって、基準値とその移動関連量検
出装置の検出値とに基づけば、検出値または基準値が妥
当な値であるか否かを判定することができ、移動関連量
検出装置や押圧力検出装置に異常が生じたことを検出す
ることができる。例えば、押圧部材が後退端に位置して
いることが後退端検出装置によって検出されているにか
かわらず、押圧力検出装置の検出押圧力が基準値より大
きい場合には、後退端検出装置と押圧力検出装置とのい
ずれかに異常が生じたことを検出することができる。ま
た、押圧力検出装置と移動関連量検出装置との検出値が
互いに矛盾した値である場合に、両検出装置のいずれか
に異常が生じたと検出することができる。さらに、3個
以上の移動関連量検出装置が設けられている場合には、
それらの検出結果の比較により、どの移動関連量検出装
置が異常であるかも決定することができる。なお、押圧
力検出装置が正常であると仮定すれば、基準値と移動関
連量検出装置の検出値とに基づいて移動関連量検出装置
が異常か否かを検出することも可能である。この場合
に、押圧力検出装置による検出押圧力を考慮して検出す
ることも可能である。 (9)当該制動装置が、前記異常検出装置によって前記
移動関連量検出装置と押圧力検出装置との少なくとも一
方が異常であると検出された場合に、その移動関連量検
出装置により検出された移動関連量と押圧力検出装置に
より検出された押圧力との少なくとも一方の制動制御へ
の使用を禁止する異常移動関連量使用禁止手段を含む
(8) 項に記載の制動装置。移動関連量検出装置と押圧力
検出装置との少なくとも一方が異常であると検出された
場合には、その移動関連量と押圧力との少なくとも一方
の制動制御への使用が禁止される。移動関連量検出装置
と押圧力検出装置とのうちいずれか異常であるかが検出
可能である場合には、正常な装置により検出された検出
値に基づく制動制御が可能である。また、移動関連量検
出装置が複数ある場合において、異常である移動関連量
検出装置を特定できる場合には、正常な移動関連量検出
装置により検出された移動関連量に基づく制動制御が可
能である。それに対して、移動関連量検出装置も押圧力
検出装置も異常である場合には、これらの検出値の使用
が禁止される。また、移動関連量検出装置が1つしかな
く、あるいは複数あってもすべて異常であると検出され
た場合にも同様であり、移動関連量に基づく制動制御全
部が禁止される。この場合には、車両の走行自体も禁止
されることが多いが、例えば、ブレーキスイッチが正常
であれば、ブレーキスイッチの出力信号の変化に応じ
て、予め定められたパターンの制動力が得られるように
制動制御が行われるようにすることが可能であり、ま
た、当該制動装置が、前記ブレーキとは別に、純粋に機
械的に作動する純機械式ブレーキを含む場合には、その
純機械式ブレーキが作動する状態に切り換えられるよう
にすることも可能である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、請求項1ないし6に係る発
明に共通の一実施形態としての制動装置を図面に基づい
て詳細に説明する。本実施形態においては、制動装置
が、車両用電動ブレーキ装置に適用される。車両用電動
ブレーキ装置は、前後、左右輪各々に設けられたディス
クブレーキと、そのディスクブレーキによる制動力を制
御する制動力制御装置とを含むものである。図1にディ
スクブレーキを示し、図2にコンピュータを主体とする
制動力制御装置を示す。
【0005】ディスクブレーキは、電動モータを駆動源
とする電動ブレーキであり、車輪と共に回転する回転体
としてのディスク10と、一対の摩擦パッド12a,b
と、ディスク10を跨いで摩擦パッド12a,bを保持
するキャリパ14と、摩擦パッド12a,bをディスク
10に押し付けることによりブレーキを作動させる電動
モータ16とを含むものである。キャリパ14は、車体
に固定の図示しない固定部材に、ディスク10に対して
それの軸線方向に摺動可能に取り付けられる。このキャ
リパ14には、一方の摩擦パッド12aに背後から係合
するリアクション部18と、他方の摩擦パッド12bに
背後から係合する摩擦材接触部材20、加圧ロッド24
を軸線方向に移動可能に支持する押圧部22とが設けら
れている。前記電動モータ16は押圧部22に取り付け
られているのである。摩擦材接触部材20は、電動モー
タ16の駆動により前進・後退させられる加圧ロッド2
4に摺動可能に支持されており、加圧ロッド24の移動
により、摩擦パッド12bに対して、接触・離間させら
れる。符号26は、シール部材である。本実施形態にお
いては、加圧ロッド24および摩擦材接触部材20が請
求項1にいう押圧部材であるが、加圧ロッド24が押圧
部材と考えることもできる。押圧ロッド24の押付力が
摩擦材接触部材20を介して摩擦部材12bに伝達され
るのである。なお、摩擦材接触部材20と加圧ロッド2
4とを一体的に前進・後退可能とすることもできる。
【0006】電動モータ16は、ステータ30とロータ
32とが同軸的に相対回転可能に配置されて構成されて
いる。ステータ30は、コイル34がコア36に巻き付
けられて構成されている。ロータ32は、周方向にN極
とS極とに交互に着磁された永久磁石38をステータ3
0に対向する位置に備えたものである。電動モータ16
の回転により、ねじ機構40を介して加圧ロッド24が
直線移動させられる。運動変換装置としてのねじ機構4
0は、本実施形態においては、ボールねじ機構であり、
出力シャフトとしてのめねじ部材42が出力ロッドとし
てのおねじ部材(加圧ロッド)24に図示しない複数の
ボールを介して螺合されている。めねじ部材42はキー
44によりロータ32と一体的に回転可能とされてい
る。めねじ部材42は、また、ベアリング46,48を
介して押圧部22に相対回転可能に支持されている。め
ねじ部材42が、押圧部22に対して相対回転可能かつ
軸方向に相対移動不能な状態で支持されているのであ
る。それに対して、おねじ部材24は、回転阻止部50
によって軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能な状態
で設けられている。回転阻止部50は、キー結合方式と
称するものであり、おねじ部材24が、押圧部22に固
定された回転阻止本体52に対してキー54により相対
回転不能とされているのである。
【0007】また、キャリパ14と摩擦材接触部材20
との間には、シール部材60が設けられている。シール
部材60は、摩擦材接触部材20のキャリパ14に対す
る軸方向の移動を許容しつつ、内部への異物等の進入を
阻止するものである。摩擦材接触部材20の先端部に
は、摩擦材接触スイッチ70が設けられている。摩擦材
接触スイッチ70は、摩擦材接触部材20がそれの先端
部において摩擦パッド12bの裏板の背面に接触してい
るか否かを検出するスイッチである。摩擦材接触スイッ
チ70は、一対の接点72を備えており、これらが、導
電性を有する裏板に接触すると、一対の接点72が導電
状態となる。したがって、一対の接点72の間が非導電
状態(OFF)から導電状態(ON)に切り換われば、
加圧ロッド24の前進時において摩擦材接触部材20が
摩擦パッド12bに接触したことがわかる。同様のスイ
ッチ74が、加圧ロッド24の後退端面にも設けられて
いる。一対の接点76が押圧部22のモータ保持部78
に接触することによって、加圧ロッド24が後退端に位
置するか否かを検出することができる。モータ保持部7
8は、前記接点76に対向する部分が導電性を有するも
のとされている。このスイッチ74は、後退端スイッ
チ,インタロックスイッチと考えることができる。ブレ
ーキ力がストロークに基づいて制御される場合等には、
摩擦材接触部材20が摩擦パッド12bに接触する位置
をストロークの原点であると考えることができ、上述の
摩擦材接触スイッチ70をストローク0点スイッチと考
えることができる。しかし、摩擦パッド12bに接触す
るか否かが問題である場合等、電動モータ16に対する
ストロークを検出する場合には、摩擦パッド12bに接
触する位置をストロークの0点とする必要は必ずしもな
い。例えば、後退端位置をストロークの原点とし、摩擦
パッド12bに接触する位置をストロークの最大の位置
とすることもできるのである。本実施形態においては、
後退端に近い側をストロークの絶対値が小さい側とす
る。
【0008】加圧ロッド24の軸方向におけるストロー
クは、ストロークセンサ82によって検出される。スト
ロークセンサ82は、電動モータ16におけるロータ3
2の回転位置を検出するロータリエンコーダを含むもの
である。回転するロータ32側に設けられた被検出部8
4と、固定部材であるモータ保持部78側に設けられた
検出部86とを含み、被検出部84の回転位置が磁気的
に検出される。なお、ロータリエンコーダは、回転位置
を光学的に検出するものとすることもできる。摩擦材接
触部材20の押圧力は、押圧力センサ88によって検出
される。押圧力センサ88は、加圧ロッド24が摩擦材
接触部材20を摩擦パッド12bに押し付ける力を検出
するものである。押圧力センサ88は、摩擦材接触部材
20と加圧ロッド24との間において、それらの軸力を
受けるようにされている。加圧ロッド24の押付力の変
化に起因する電気的な変化を検出するものであり、本実
施形態においてはロードセルとされている。押圧力セン
サ88は、摩擦パッド12bから摩擦材接触部材20を
介して受ける反力を検出する反力センサでもある。
【0009】制動力制御装置90は、図2に示すよう
に、CPU92,ROM94,RAM96等を含むコン
ピュータ98を主体とするものであり、それの入力部に
は、上述の摩擦材接触スイッチ70,後退端スイッチ7
4,ストロークセンサ82,押圧力センサ88が接続さ
れるとともに、図示しないブレーキペダルの操作量を検
出するブレーキ操作量検出装置100,ブレーキペダル
が操作されているか否かを検出するブレーキスイッチ1
01等が接続されている。また、出力部には、モータ制
御装置104,切換装置105等が接続されている。モ
ータ制御装置104は、制動力制御装置90から供給さ
れる目標押圧力F* を表す情報と実押圧力fを表す情報
とに基づいて電動モータ16への供給電流を制御するも
のであり、電動モータ16にバッテリ106からその供
給電流に応じた電流が流れるように制御する。切換装置
105は、機械的ブレーキ装置110の作動を禁止する
作動禁止状態と作動を許可する作動許容状態とに切り換
えるものである。
【0010】ROM94には、図3のフローチャートで
表される制動力制御プログラム,図図5のフローチャー
トで表される基準値決定プログラム,図6のフローチャ
ートで表されるセンサ異常検出プログラム等が格納され
ている。また、モータ制御装置104のROMには、図
4のフローチャートで表されるモータ制御プログラム等
が格納されている。
【0011】以上のように構成された制動装置における
作動について説明する。本実施形態においては、上述の
ように、電動モータ16への供給電流が、目標押圧力と
実押圧力とに基づいて制御され、運転者のブレーキ操作
力に応じたブレーキ力が得られるように制御される。こ
こで、実押圧力が、押圧力センサ88の検出押圧力と基
準値とに基づく値、すなわち、検出押圧力が基準値に基
づいて補正された補正押圧力とされる。押圧力センサ8
8の0点のオフセットにより、実押圧力が0であって
も、検出押圧力が0でない場合がある。そのため、オフ
セット量を基準値とし、検出押圧力を基準値に基づいて
補正すれば、実押圧力の検出精度を向上させることがで
きる。また、その基準値に基づいて、摩擦材接触スイッ
チ70,ストロークセンサ82,押圧力センサ88の異
常が検出される。上記基準値の取得,異常の検出は、イ
グニッションスイッチがONとされた後のイニシャルチ
ェック時に行われる。異常検出の結果、前述の摩擦材接
触スイッチ70,ストロークセンサ82,押圧力センサ
88のすべてが正常であると検出された場合には、制御
禁止フラグはリセット状態に保たれるが、少なくとも1
つが異常であると検出された場合には、セット状態に切
り換えられる。制御禁止フラグがセットされると、電動
モータ16の制御が禁止されて、切換装置105の制御
により、機械的ブレーキ装置110が作動許容状態に切
り換えられる。
【0012】制動力制御装置90においては、図3のフ
ローチャートで表される制動力制御プログラムが実行さ
れる。ステップ1(以下、S1と略称する。他のステッ
プについても同様とする)において、ブレーキ操作中か
否かが検出され、S2において、制御禁止フラグがセッ
ト状態にあるかリセット状態にあるかが検出される。ブ
レーキ操作中であり、かつ、上述のセンサがすべて正常
である場合には、S1における判定がYES,S2にお
ける判定がNOとなり、S3以降において、電動モータ
16の制御によるブレーキ力の制御が行われる。
【0013】S3において運転者によるブレーキ操作量
がブレーキ操作量検出装置100の出力値に基づいて検
出され、S4において、その操作量に応じて目標制動
力、すなわち、目標押圧力F* が演算により求められ
る。S5において、押圧力センサ88の出力信号に基づ
いて検出押圧力f′が検出され、S6において、イニシ
ャルチェック時に求められた基準値f0 に基づいて検出
押圧力f′が補正される。そして、S7において、目標
押圧力F* と実押圧力fとがモータ制御装置104に出
力される。検出押圧力f′が基準値f0 に基づいて補正
された値、すなわち、補正押圧力が実押圧力fとされる
のである。制御禁止フラグがセットされている場合に
は、S2における判定がNOとなり、フィードバック制
御が禁止される。本実施形態においては、S8において
切換装置105の制御により、機械的ブレーキ装置11
0が作動禁止状態から作動許可状態に切り換えられ、機
械的ブレーキ装置110が作動させられる。また、ブレ
ーキが操作されていない場合には、S1における判定が
NOとなる。この場合には、電動モータ16の制御が行
われることはない。
【0014】それに対して、モータ制御装置104にお
いては、S21,22において、目標押圧力F* および
実押圧力fが読み込まれ、S23において、実押圧力f
を目標押圧力F* に近づける制御が行われる。実押圧力
fが目標押圧力F* に近づくように、電動モータ16に
電流が供給されるのである。この場合において、検出押
圧力でなく、補正押圧力(実押圧力)がフィードバック
されるため、制御精度を向上させることができる。
【0015】次に、イニシャルチェック時における制動
力制御装置90における作動について説明する。基準値
は、図5のフローチャートで表される基準値決定プログ
ラムの実行に従って決定される。本実施形態において
は、実押圧力が確実に0である状態における押圧力セン
サ88の出力押圧力を基準値とする。確実に0である状
態は、ブレーキが非作動状態であり、かつ、そのブレー
キ非作動状態から加圧ロッド24が後退端位置まで後退
させられた場合、または、加圧ロッド24が設定量α1
以上後退させられた場合(S0 −S>α1 )とされる。
この2つの条件のうち少なくとも一方が満たされた場合
に後退条件が満たされた(実押圧力0保証条件が満たさ
れた)とされ、その場合における検出押圧力が基準値と
される。
【0016】S31において、現時点におけるストロー
クが検出され初期ストロークS0 とされる。そして、S
32において、電動モータ16を予め定められた設定回
転速度で逆方向に回転させる旨の指令が電動モータ制御
装置104に出力される。電動モータ制御装置104
は、電動モータ16が逆方向に設定回転速度で回転させ
られるように供給電流を制御する。その結果、ディスク
ブレーキ8においては、加圧ロッド24が予め定められ
た設定速度で後退させられる。S33において、押圧力
センサ88の検出押圧力f′を暫定基準値f0 ′とす
る。S34において、現在のストロークSが検出され、
S35において、上述の後退条件が満たされるか否かが
判定される。最初にS35が実行された場合には、判定
はNOとなるため、S32の実行に戻され、電動モータ
16を逆方向に設定速度で回転させる旨の指令が出力さ
れる等同様の実行が繰り返し行われる。後退条件が満た
された場合には、S35における判定がYESとなり、
S36において、その場合の暫定基準値f0 ′が基準値
0 とされる。後退条件が満たされた場合には、実押圧
力が確実に0であるため、その状態における検出押圧力
がオフセット量であり、基準値とされるのである。
【0017】次に、基準値を利用して摩擦材接触センサ
70,ストロークセンサ82,押圧力センサ88の少な
くとも1つに異常が生じたか否かが図6のフローチャー
トで表されるセンサ異常検出プログラムの実行に従って
検出される。押圧力と、加圧ロッド24の電動モータ1
6に対する相対位置との間には密接な関係があるため、
実押圧力(検出押圧力f′および基準値f0 に基づいて
取得される)と、ストロークセンサ82,摩擦材接触セ
ンサ70の検出値とに基づけば、実押圧力、摩擦材接触
スイッチ70やストロークセンサ82の検出値が妥当で
あるか否かを判定することができ、それに基づいて異常
が生じたか否かを検出することができるのである。本実
施形態においては、摩擦材接触センサ70,ストローク
センサ82が移動関連量検出装置に該当する。
【0018】S101において、その時点のストローク
0 が読み込まれ、S102において、電動モータ16
を正方向に予め定められた一定の設定速度で回転させる
旨の指令が発せられる。モータ制御装置104の制御に
より、電動モータ16が正方向に設定速度で回転させら
れ、それにより、加圧ロッド24が一定の速度で前進さ
せられる。基準値が決定された後においては、加圧ロッ
ド24は、後退端、または、摩擦パッド12bから後退
側に離間した位置にある。S103において、条件,
,のいずれか1つが満たされたか否かが判定され
る。条件は、現在のストローク(ストロークセンサ8
2の出力値)Sと初期ストロークS0 との差が設定値α
2 より大きいこと、条件は、摩擦材接触スイッチ70
がOFF状態からON状態に切り換わったこと、条件
は、押圧力センサ88による検出押圧力f′と基準値f
0 との差が設定値βより大きいことである。条件から
は、電動モータ16の正方向回転により(加圧ロッド
24の前進により)、順番に満たされるように設定値α
2 ,βが決められる。最初に、S103が実行される場
合には、いずれの条件も満たされないため、判定はNO
となる。S104において、S103が最初に実行され
てからの経過時間が設定時間以上になったか否かが判定
される。設定時間以上経過した場合には、すべてのセン
サが異常である等の異常事態であるため判定がYESと
なり、S105において、制御禁止フラグがセットさ
れ、センサ異常検出プログラムの実行が終了させられ
る。
【0019】設定時間経過前である場合には、S104
における判定はNOとなり、S102に戻される。電動
モータ16の正方向の回転が継続して行われ、加圧ロッ
ド24の前進が続けて行われる。そのうち、条件〜
の少なくとも1つが満たされた場合には、判定がYES
となり、S106において、満たされた条件がの条件
であるか否かが判定される。の条件である場合には、
判定がYESとなり、電動モータ18の正方向の回転が
継続して行われ、異常検出プログラムの実行が継続して
行われるのである。の条件でない場合には、S105
において、前述のように、制御禁止フラグがセットされ
る。前述のように、の条件から順に成立するように設
定値α2 ,βが設定されているため、,の条件が
の条件より先に成立した場合には、少なくとも1つのセ
ンサ等が異常だからである。満たされた条件がの条件
である場合には、ストロークセンサ82は正常であると
考えることができる。
【0020】次に、S108において、条件,の少
なくとも一方が満たされたか否かが判定される。満たさ
れない場合には、前述の場合と同様に、S109におい
て、設定時間以上経過したか否かが判定され、設定時間
経過していない場合には、電動モータ18の正方向回転
が継続して行われる。条件,の少なくとも一方が満
たされた場合には、判定はYESとなり、S109にお
いて、満たされた条件がの条件であるか否かが判定さ
れ、条件である場合には、摩擦材接触スイッチ70は
正常であるとされ、S110において電動モータ16の
正方向回転が継続して行われる。条件が満たされた場
合には、S105において、制御禁止フラグがセットさ
れる。次に、S111において、の条件および、現
在のストロークSから初期ストロークS0 を引いた値が
設定値α3 より小さいことの両方が満たされるか否かが
判定され、両方が満たされた場合には、判定がYESと
なり、S113において、制御禁止フラグがリセットさ
れる。上述の摩擦材接触スイッチ70,ストロークセン
サ82,押圧力センサ88が正常であるからである。条
件は、確認のための条件であり、不可欠な条件ではな
い。
【0021】以上のように、基準値を利用すれば、スト
ロークセンサ82,摩擦材接触スイッチ70,押圧力セ
ンサ88の少なくとも1つが異常であるか否かを容易に
検出することができる。本実施形態においては、ストロ
ークセンサ82,摩擦材接触スイッチ70が移動量検出
装置に該当する。なお、上記実施形態においては、電動
モータ16への供給電流値がモータ制御装置104にお
いて決定されるようにされていたが、制動力制御装置9
0において決定されるようにすることもできる。また、
押圧センサ90の検出押圧力が低下しなくなってから設
定時間以上経過した場合における検出押圧力を、基準値
とすることもできる。さらに、基準値に基づけば後退端
スイッチ74に異常が生じたことを検出することもでき
る。例えば、補正押圧力fが0より大きい値であるにも
かかわらず、後退端スイッチ74がON状態にある場合
には、後退端スイッチ74と押圧力センサ88との少な
くとも一方が異常であると検出することができる。ま
た、上記実施形態においては、基準値の決定とセンサの
異常検出との両方がイニシャルチェック時に行われるよ
うにされていたが、基準値の決定は、ブレーキの操作解
除時に行われるようにすることもできる。基準値の決定
時には、押圧力ロッド24は後退させられるため、ブレ
ーキペダルの操作が解除された場合に行うことは妥当で
ある。その場合の制動力制御装置90における作動を図
7,8のフローチャートで表す。
【0022】この場合には、S203〜S208におい
て、制動力制御装置90において、目標押圧力F* と補
正押圧力fとに基づいて供給電流値Iが演算により求め
られ、モータ制御装置104(モータドライバでもよ
い)に出力される。電動モータ16には、その供給電流
値Iに応じた電流がバッテリ106から供給される。そ
して、基準値決定中においては、S232において、電
動モータ16を逆方向に予め定められた設定速度で回転
させるための供給電流値Iが出力される。電動モータ1
6は、設定速度で逆方向に回転させられ、加圧ロッド2
4は、一定の速度で後退させられる。以下、上記実施形
態における場合と同様に、基準値が決定される。
【0023】基準値の決定は、ブレーキ操作が解除され
た場合に1回行われれば十分であるため、ブレーキスイ
ッチ101がON状態からOFF状態に切り換わった場
合に1回だけ行われようにする。そのため、ブレーキ非
作動状態継続中にあって、かつ、基準値決定中フラグが
リセット状態にある場合には(S209,S213の判
定がNOの場合には)、基準値の決定は行われない(S
212の実行は行われない)ようにされている。基準値
決定中フラグは、基準値の決定が終了した場合にリセッ
トされる。基準値決定中にブレーキペダルが踏み込まれ
れば、S201の判定がYESとなり、S202以降が
実行される。再度ブレーキペダルの踏込みが解除された
場合には、S209における判定がYESとなり、S2
10以降が実行される。ここでは、基準値決定フラグが
再度セットされることになるが差し支えない。基準値決
定中であって、基準値が確定していない場合に、ブレー
キペダルが踏み込まれたのであって、この場合のブレー
キ制御は、前回確定された基準値が使用される。今回基
準値が確定されれば、その暫定基準値f0 ′が基準値f
0 とされる。
【0024】また、制御禁止フラグがセット状態にある
場合には、S214において、ブレーキ操作量検出装置
100の出力操作量に基づいて電動モータ16への供給
電流値Iが決定される。この場合には、押圧力センサ8
8,ストロークセンサ82等の検出値に基づいて制御を
行うことは妥当ではないからである。なお、S214に
おいては、予め定められた設定電流値I0 が出力される
ようにしたり、電動ブレーキとは別に設けられた機械的
ブレーキが作動させられるようにしたりすることができ
る。設定電流値I0 が出力された場合には、操作量の大
きさにかかわらず、一定のブレーキ力が得られることに
なる。
【0025】また、上記各実施形態においては、押圧力
センサ88,ストロークセンサ82,摩擦材接触スイッ
チ70の少なくとも1つに異常が生じたことが検出され
た場合に、制御禁止フラグがセットされるようにされて
いたが、押圧力センサ88の異常が検出された場合に
は、そのことを表す押圧力センサ異常フラグがセットさ
れ、ストロークセンサ82の異常が検出された場合に
は、そのことを表すストロークセンサ異常フラグがセッ
トされるようにし、正常なセンサの検出値を利用して電
動モータ16の制御が行われるようにすることもでき
る。さらに、ストロークセンサ82,摩擦材接触スイッ
チ70の異常を、押圧力センサ88が正常であると仮定
して検出することもできる。すなわち、押圧力センサ8
8の検出押圧力と基準値とに基づいて決定される実押圧
力と、ストロークセンサ82や摩擦材接触スイッチ70
の検出値とに基づいて、ストロークセンサ82,摩擦材
接触スイッチ70の検出値が妥当な値であるか否かを判
定し、それに基づいて異常か否かを検出するのである。
【0026】また、摩擦材接触センサ70が取り付けら
れた摩擦材接触部材20の先端部を、図9に示す形状と
することもできる。摩擦材接触センサ70の接点72
が、外部の雰囲気に露出されることが望ましくないた
め、摩擦材接触部材20の先端部を導電性材料で形成さ
れたダイヤフラム150で覆い、かつ、先端面に形成さ
れた一対の凹部152に弾性部材154を介して配設す
るのである。摩擦材接触部材20が摩擦パッド12bに
接触して、ダイヤフラム150が撓められると、接点同
士が導電する。ダイヤフラム150により、接点72を
保護することができる。また、弾性部材154により接
点72の損傷を小さくすることができる。
【0027】さらに、上記実施形態においては、電動モ
ータ16の制御が目標押圧力と実押圧力とに基づいて行
われるようにされていたが、ストロークセンサ82の検
出値に基づいて行われるようにすることもできる。ま
た、摩擦材接触スイッチ70,ストロークセンサ82,
後退端スイッチ74等は不可欠ではない。さらに、加圧
ロッド24と摩擦材接触部材20とを一体的に前進・後
退可能に形成することもできる。この場合には、摩擦材
接触部材20の摩擦パッド12bへの押圧力が直接検出
されることになる。また、上記実施形態においては、ア
クチュエータとして直流モータが設けられていたが、直
流モータに限らず、超音波モータ,交流モータ等の他の
形態のモータを設けてもよい。圧電素子を利用したアク
チュエータとすることもできる。直流モータの形態も上
記実施形態に限定されるわけではない。さらに、ディス
クブレーキに限らずドラムブレーキにも適用することが
できる。その他、いちいち例示しないが、前記〔発明が
解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項
に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づい
て種々の変更,改良を施した形態で実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である制動装置としての電
動ブレーキ装置に含まれるディスクブレーキを表す断面
図である。
【図2】上記電動ブレーキ装置に含まれる制動力制御装
置を表すブロック図である。
【図3】上記制動力制御装置のROMに格納された制動
力制御プログラムを表すフローチャートである。
【図4】上記電動ブレーキ装置に含まれるモータ制御装
置のROMに格納されたモータ制御プログラムを表すフ
ローチャートである。
【図5】上記制動力制御装置のROMに格納された基準
値決定プログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記制動力制御装置のROMに格納されたセン
サ異常検出プログラムを表すフローチャートである。
【図7】本発明の別の一実施形態である制動装置として
の電動ブレーキ装置に含まれる制動力制御装置のROM
に格納された制動力制御プログラムを表すフローチャー
トである。
【図8】上記制動力制御装置のROMに格納され基準値
決定プログラムを表すフローチャートである。
【図9】上記電動ブレーキ装置のディスクブレーキの摩
擦材接触部材の先端部を表す断面図である。
【符号の説明】
16 電動モータ 20 摩擦材接触部材 24 加圧ロッド 70 摩擦材接触スイッチ 74 後退端スイッチ 82 ストロークセンサ 88 押圧力センサ 90 制動力制御装置 100 ブレーキ操作量検出装置 101 ブレーキスイッチ 104 モータ制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D048 BB02 CC49 HH18 HH58 HH66 HH70 QQ07 QQ16 RR00 RR25 3D049 BB02 CC07 HH00 HH45 HH47 QQ04 QQ06 RR00 RR10 3J058 AA43 AA48 AA53 AA63 AA69 AA73 AA78 AA87 BA07 BA60 CC15 CC63 CC77 CC83 CD24 DA04 DA32 DB23 DB27 FA01 FA11 FA21 FA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転する回転体と、その回転
    体に対して接触・離間可能に設けられた摩擦材と、その
    摩擦材を前記回転体に押し付ける押圧部材とを含み、押
    圧部材の前進により摩擦材が回転体に押し付けられ、車
    輪の回転を抑制するブレーキと、 前記押圧部材の押圧力を検出する押圧力検出装置と、 非ブレーキ作動状態において、前記押圧部材を予め定め
    られた条件が満たされるまで後退させた状態における前
    記押圧力検出装置の検出押圧力をその押圧力検出装置の
    基準値とする基準値決定装置とを含むことを特徴とする
    制動装置。
  2. 【請求項2】当該制動装置が、前記押圧部材の後退端を
    検出する後退端検出装置を含み、前記基準値決定装置
    が、前記後退端検出装置により前記押圧部材が後退端ま
    で後退させられたことが検出された場合に、前記予め定
    められた条件が満たされたとして、前記押圧力検出装置
    の検出押圧力を基準値とすることを特徴とする請求項1
    に記載の制動装置。
  3. 【請求項3】当該制動装置が、前記押圧部材の移動量を
    検出する移動量検出装置を含み、前記基準値決定装置
    が、前記移動量検出装置により検出された前記非ブレー
    キ作動状態からの後退量が予め定められた設定量に達し
    た場合に、前記予め定められた条件が満たされたとし
    て、前記押圧力検出装置による検出押圧力を基準値とす
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の制動装
    置。
  4. 【請求項4】前記基準値決定装置が、前記押圧部材の後
    退中に前記押付力検出装置の検出押圧力が減少しなくな
    ってから予め定められた設定時間経過した場合に、前記
    予め定められた条件が満たされたとして、前記押圧力検
    出装置の検出押圧力を基準値とすることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1つに記載の制動装置。
  5. 【請求項5】前記ブレーキが、前記押圧部材を前記摩擦
    材に対して前進・後退させる電動モータを含むことを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の制動
    装置。
  6. 【請求項6】当該制動装置が、前記押圧部材の移動に関
    する移動関連量を検出する移動関連量検出装置と、前記
    基準値決定装置により決定された基準値と移動関連量検
    出装置の検出値とに基づいて移動関連量検出装置と前記
    押圧力検出装置との少なくとも一方に異常が生じたこと
    を検出する異常検出装置とを含むことを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか1つに記載の制動装置。
JP11014137A 1999-01-22 1999-01-22 制動装置 Pending JP2000213575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11014137A JP2000213575A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 制動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11014137A JP2000213575A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 制動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000213575A true JP2000213575A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11852769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11014137A Pending JP2000213575A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 制動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000213575A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10142644A1 (de) * 2001-08-31 2003-04-03 Lucas Automotive Gmbh Motorbetätigbare Scheibenbremse
JP2005214365A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Hitachi Ltd ブレーキ装置
JP2007002904A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Hitachi Ltd 電動ブレーキ装置
JP2008057642A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Ltd 電動ブレーキ制御装置及び電動ブレーキ制御方法
WO2013061948A1 (ja) * 2011-10-26 2013-05-02 Ntn株式会社 電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
WO2014142336A1 (ja) * 2013-03-15 2014-09-18 株式会社アドヴィックス 車両の電動制動装置
JP2014177207A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Advics Co Ltd 車両の電動制動装置
JP2014177206A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Advics Co Ltd 車両の電動制動装置
WO2015146775A1 (ja) * 2014-03-27 2015-10-01 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
US9604622B2 (en) 2013-03-15 2017-03-28 Advics Co., Ltd. Electric braking system for vehicle
CN107336699A (zh) * 2016-05-03 2017-11-10 现代自动车株式会社 机电制动装置及其控制方法
JP2018118731A (ja) * 2018-03-14 2018-08-02 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
WO2020195921A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動ブレーキ装置
WO2024029316A1 (ja) * 2022-08-01 2024-02-08 株式会社デンソー 車両用制動装置

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10142644A1 (de) * 2001-08-31 2003-04-03 Lucas Automotive Gmbh Motorbetätigbare Scheibenbremse
JP2005214365A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Hitachi Ltd ブレーキ装置
JP4494029B2 (ja) * 2004-01-30 2010-06-30 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置
JP2007002904A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Hitachi Ltd 電動ブレーキ装置
JP2008057642A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Hitachi Ltd 電動ブレーキ制御装置及び電動ブレーキ制御方法
JP4719649B2 (ja) * 2006-08-31 2011-07-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動ブレーキ制御装置及び電動ブレーキ制御方法
US9228648B2 (en) 2011-10-26 2016-01-05 Ntn Corporation Electric linear motion actuator and electric brake system
JP2013092207A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Ntn Corp 電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
WO2013061948A1 (ja) * 2011-10-26 2013-05-02 Ntn株式会社 電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
CN105050873B (zh) * 2013-03-15 2017-07-25 株式会社爱德克斯 车辆的电动制动装置
WO2014142336A1 (ja) * 2013-03-15 2014-09-18 株式会社アドヴィックス 車両の電動制動装置
JP2014177207A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Advics Co Ltd 車両の電動制動装置
JP2014177206A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Advics Co Ltd 車両の電動制動装置
DE112014001471B4 (de) 2013-03-15 2022-02-17 Advics Co., Ltd. Elektrisches Bremssystem für ein Fahrzeug
CN105050873A (zh) * 2013-03-15 2015-11-11 株式会社爱德克斯 车辆的电动制动装置
US9505385B2 (en) 2013-03-15 2016-11-29 Advics Co., Ltd. Electric braking system for vehicle
US9604622B2 (en) 2013-03-15 2017-03-28 Advics Co., Ltd. Electric braking system for vehicle
JP2015186972A (ja) * 2014-03-27 2015-10-29 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
EP3124345A4 (en) * 2014-03-27 2017-12-13 NTN Corporation Electric brake device
US10100891B2 (en) 2014-03-27 2018-10-16 Ntn Corporation Electric brake device
WO2015146775A1 (ja) * 2014-03-27 2015-10-01 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
CN107336699A (zh) * 2016-05-03 2017-11-10 现代自动车株式会社 机电制动装置及其控制方法
CN107336699B (zh) * 2016-05-03 2021-05-07 现代自动车株式会社 机电制动装置及其控制方法
JP2018118731A (ja) * 2018-03-14 2018-08-02 Ntn株式会社 電動ブレーキ装置
WO2020195921A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動ブレーキ装置
JPWO2020195921A1 (ja) * 2019-03-27 2021-10-14 日立Astemo株式会社 電動ブレーキ装置
JP7178483B2 (ja) 2019-03-27 2022-11-25 日立Astemo株式会社 電動ブレーキ装置
WO2024029316A1 (ja) * 2022-08-01 2024-02-08 株式会社デンソー 車両用制動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000213575A (ja) 制動装置
JP5977016B2 (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置
US6748310B2 (en) Electric brake system
JP2007002904A (ja) 電動ブレーキ装置
EP0894685A2 (en) Electrically operated braking system having a device for operating electric motor of brake to obtain relationship between motor power and braking torque
US10962071B2 (en) Electronic parking brake system and control method thereof
JP2014110689A (ja) 電動式直動アクチュエータ
CN107953878A (zh) 电子驻车制动***及其控制方法
JP2000274464A (ja) 電動式ブレーキ装置
JP4214576B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP4000675B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2000055094A (ja) 電動ブレーキ装置
JP4141579B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP4191871B2 (ja) ブレーキ装置
JPH09137841A (ja) ブレーキ装置
JP2000062591A (ja) 車両用ブレーキのための電気制御装置
JP6205821B2 (ja) 電動駐車ブレーキ制御装置
JP4316213B2 (ja) ブレーキ装置
JP4107016B2 (ja) ディスクブレーキ
KR20220036480A (ko) 전동식 브레이크 장치 및 제어방법
JP4258760B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP4137547B2 (ja) 電動ディスクブレーキ装置
JP4060076B2 (ja) 電動ディスクブレーキおよびその制御プログラム
JP4941830B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP4131042B2 (ja) ブレーキシステム