JP2000212767A - 薄膜の白色プレコ―ト鋼板 - Google Patents

薄膜の白色プレコ―ト鋼板

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JP2000212767A
JP2000212767A JP1845799A JP1845799A JP2000212767A JP 2000212767 A JP2000212767 A JP 2000212767A JP 1845799 A JP1845799 A JP 1845799A JP 1845799 A JP1845799 A JP 1845799A JP 2000212767 A JP2000212767 A JP 2000212767A
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steel sheet
titanium oxide
coating
coating film
layer
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JP1845799A
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Kohei Ueda
浩平 植田
Hiromasa Nomura
広正 野村
Hiroshi Kanai
洋 金井
Hiroyasu Furukawa
博康 古川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性に優れる薄膜型で白色系のノンクロム
プレコート鋼板の提供。 【解決手段】 鋼板もしくはめっき鋼板の少なくとも片
面に、水溶性樹脂と白色顔料としての酸化チタンおよび
タンニンまたはタンニン酸を同時に含む下地処理層を有
し、その上に白色顔料としての酸化チタンを含む塗膜層
を有することを特徴とするプレコート鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜の白色プレコー
ト鋼板に係り、より詳しくは耐食性に優れる薄膜型で白
色系のノンクロムプレコート鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】家電用、建材用、自動車用などに、従来
の加工後塗装されていたポスト塗装製品に代わって、着
色した有機被膜を被覆したプレコート鋼が使用されるよ
うになってきている。この鋼板は、防錆処理を施した鋼
板およびめっき鋼板に有機被膜を被覆したもので、美観
を有しながら、加工性を有し、耐食性が良好であるとい
う特性を有している。
【0003】例えば、特開平8−168723号公報に
は皮膜の構造を規定することによって加工性と耐汚染
性、硬度に優れたプレコート鋼板を得る技術が開示され
ている。これらのプレコート鋼板の下地処理には、クロ
メート処理を施すことが一般的である。しかし、クロム
酸は黄系の色をしており、しかも極薄膜で処理されるた
め、その上に着色顔料を含む塗料を薄膜で塗装すると、
原板(鋼板及びめっき鋼板)及び下地処理の色が透けて
見えてしまい、薄膜で鮮やかな色を担保することが困難
であった。また、その傾向は白色系の塗料において顕著
である。その為、白系塗料を塗装するときには下地処理
の色を隠蔽するため厚膜を厚くして塗装することが一般
的であり、特に白色系塗料の場合、20μm超の厚膜で
塗装することが一般的である。
【0004】一方、特開昭63−171685号公報に
はクロメート処理後の外観を白色化する技術として、3
価と6価のクロム酸比率を特定化し、更に無機コロイド
化合物と無機アニオンを含む、白色クロメートの技術が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プレコート鋼板の多く
は、ロールコーター、ローラーカーテンコーター等を用
いた連続塗装ラインにて製造するのが一般的である。し
かし、これらの製造方法にて塗料を厚く塗装すると、塗
膜厚にむらができたり、塗料焼き付け工程で、塗膜に沸
きが生じるなどして、美麗な外観を担保することが困難
であり、塗装作業性が大きく劣る。また、塗膜を厚くす
ると、製造コストの面で、不経済である。その為、薄膜
で下地処理層の色を隠蔽可能なプレコート鋼板の要望が
高まっている。一方、白色クロメートを用いた場合、下
地処理の色自体が薄い白色になるため、一般のクロメー
ト処理に比べると隠蔽の点で有利である。しかし、本技
術を用いても原板の色までを隠蔽することは困難であ
る。
【0006】また、クロメート処理及び白色クロメート
処理に含まれる6価のクロムは水溶性であり、これが溶
出することによって、被膜に発生した塗膜の傷を補修す
る性質がある。従って、耐食性付与として今日まで使用
されてきているが、クロメート処理から溶出する可能性
のある6価のクロムの毒性問題から、最近ではノンクロ
ム防錆処理、ノンクロム有機皮膜に対する要望が高まっ
ている。
【0007】そこで、本発明においては、このような要
望に答え、耐食性に優れる薄膜型で白色系のノンクロム
プレコート鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】鋼板もしくはめっき鋼板
の少なくとも片面に、有機樹脂と白色顔料としての酸化
チタンおよびタンニンまたはタンニン酸を同時に含有す
る下地処理層と、その上に、着色顔料を含む塗膜層を有
することを特徴とするプレコート鋼板によって達する。
【0009】本発明のプレコート鋼板の下地処理層は、
有機樹脂100重量部に対して酸化チタンを1〜100
重量部、タンニンまたはタンニン酸を0.01〜30重
量部含有すると好適である。また、下地処理層の上に被
覆する塗膜層は、樹脂100重量部に対し、着色顔料を
1〜300重量部含有し、塗膜層厚が1〜30μm であ
ることが好ましく、また、この塗膜層の上に、樹脂10
0重量部に対して着色顔料を300重量部以下含有する
塗膜層を1〜30μm被覆すると、さらに好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプレコート鋼板は、塗膜
の薄膜化を目的として開発されたものであり、冷延鋼
板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼
板、溶融合金化亜鉛めっき鋼板、アルミめっき鋼板、ア
ルミ−亜鉛合金化めっき鋼板、ステンレス鋼板など一般
に公知の鋼板およびめっき鋼板を適用できる。
【0011】この鋼板およびめっき鋼板には、下地処理
前に湯洗、アルカリ脱脂などの通常の処理を行うことが
できる。本発明の防錆処理を目的とする下地処理層は、
水溶性樹脂と白色顔料としての酸化チタンとタンニンま
たはタンニン酸を同時に含むことを特徴としている。発
明者らは、下地処理層に水性樹脂を用い、これに白色顔
料を添加することで下地処理自体が白色化し、更に原板
(鋼板及びめっき鋼板)の色を隠蔽させることを考え
た。しかし、鋼板もしくはめっき鋼板などの原板上に、
単に白色顔料を含む有機樹脂を設け、その上に着色顔料
を含む塗膜層を塗装した場合、鋼板と下地処理層との密
着性が悪く、塗膜が原板から剥離しやすい。そこで、更
なる検討を加えた結果、有機樹脂と白色顔料を含む下地
処理層に、タンニンまたはタンニン酸を添加すること
で、塗膜の密着性が大きく向上することを知見した。タ
ンニンまたはタンニン酸の防錆効果については、これま
で多くの報告がなされているが、密着性への効果につい
ては過去の報告は無く、密着性向上のメカニズムは明ら
かでない。タンニンまたはタンニン酸を含む下地処理層
は、特にプレコート鋼板のように、塗膜を被覆した状態
で曲げ加工や絞り加工を施したとき、加工部での塗膜密
着性に非常に優れる。
【0012】本発明の下地処理層に使用する有機樹脂と
しては、いわゆる水性樹脂が好適であるが、水性樹脂に
は水溶性樹脂のほか、本来水不溶性でありながらエマル
ジョンやサスペンジョンのように不溶性樹脂が水中に微
分散された状態になり得るもの(水分散性樹脂)を含め
ていう。このような水溶性樹脂として使用できる樹脂と
してはポリオレフィン系樹脂、アクリルオレフィン系樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノ
ール樹脂、その他の熱硬化型の樹脂などを例示でき、架
橋可能な樹脂であるとより好適である。
【0013】本発明の下地処理層に使用する白色顔料と
しての酸化チタン(TiO2 )は原板(鋼板及びめっき
鋼板)の隠蔽が目的であり、ルチル型、アナターゼ型の
いずれでも良く、また、CaSO4 、MgSO4 、Ba
SO4 などを配合した複合顔料としての酸化チタン、表
面をAl2 3 、Sb2 3 、ZnOなどで表面を被覆
した酸化チタン等でも良い。
【0014】また、隠蔽効果があれば、その他一般に公
知の白色顔料、例えば亜鉛華(ZnO)、鉛白(2Pb
CO3 ・Pb(OH)2 )、硫化亜鉛(ZnS)なども
用いることができる。ただし、隠蔽性、毒性、添加する
樹脂への影響などを考慮すると、酸化チタン(Ti
2 )が好適である。更には、市販の無公害型白色防錆
顔料、例えば「リン酸亜鉛系:NP−500」、「亜リ
ン酸系:NP−1500」「亜リン酸カルシウム系:N
P−1000」「亜リン酸アルミニウム系:NP−11
00」(いずれも東邦顔料(株)製)などを用いると隠
蔽性に加え、耐食性も向上し好適である。
【0015】本発明の下地処理層に使用するタンニンま
たはタンニン酸については加水分解できるタンニンでも
縮合タンニンでも良く、これらの一部が分解されたもの
でも良い。タンニンおよびタンニン酸は、ハマメタタン
ニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランの
タンニン、ジビジビのタンニン、アルガロビラのタンニ
ン、バロニアのタンニン、カテキンなど特に限定するも
のではなく、市販のもの、例えば「タンニン酸:AL」
(富士化学工業製)などを使用することができる。
【0016】下地処理層に含む酸化チタン及びタンニン
またはタンニン酸の添加量は、有機樹脂100重量部に
対して酸化チタン1〜100重量部、タンニンまたはタ
ンニン酸0.01〜30重量部で有ると好適である。酸
化チタンの添加量が1重量部未満であると隠蔽性に劣
り、100重量部超であると、塗膜の加工性が低下す
る。また、タンニン及びタンニン酸の添加量が0.01
未満であると加工部での塗膜密着性が劣り、30重量部
を超えると下地処理の処理液がゲル化し、塗装できない
ため不適である。
【0017】鋼板に下地処理層を形成するには、水中に
上記の成分を含む下地処理剤(コーティング剤)を作成
し、鋼板に塗布し、塗膜を加熱、乾燥する。樹脂を含
み、その樹脂が架橋性、硬化性の場合、この加熱により
架橋、硬化させる。塗膜の加熱、乾燥は、下地処理剤を
塗布して乾燥させても良い。加熱温度としては、50〜
250℃がよい。50℃未満では、水分の蒸発速度が遅
く乾燥しにくいため、下地処理層の上に上塗り塗膜を塗
装できないため、不適である。一方250℃を越える
と、有機樹脂の熱分解などが生じるので、SST性、耐
水性が低下し、また、外観も黄変する問題がある。70
〜160℃がより好ましい。熱風乾燥では1秒〜5分間
の乾燥が好ましい。
【0018】下地処理層の付着量は、乾燥時の膜厚にし
て膜0.1μm以上が好適である。0.1μm未満で
は、防錆力が不足する。一方膜厚があつすぎると、下地
処理層としては不経済であり、塗装にも不都合である。
下地処理の塗布方法は、特に限定されず、一般に公知の
塗装方法、例えば、ロールコート、エアースプレー、エ
アーレススプレー、浸漬などが採用できる。
【0019】本発明のプレコート鋼板で、前述の下地処
理層上には、樹脂100重量部に対して白色顔料として
の酸化チタン添加量が1〜300重量部である塗膜層を
1〜30μm被覆することが好ましい。酸化チタン添加
量が1重量未満であると意匠的に見て色が薄く、酸化チ
タンを添加した効果が無く、300重量部を超えると塗
膜の加工性が低下する。また、膜厚が1μm未満である
と色が薄く、意匠的に見て着色顔料を添加した効果が無
い上に、耐食性にも劣る。30μm超では加工性が劣
り、不適である。ただし、塗装作業性の面、経済性の面
でより薄い膜厚の方が好適である。
【0020】この塗膜のベース樹脂としては、一般に公
知の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などを使用
することができる。白色顔料としての酸化チタン(Ti
2 )は原板(鋼板及びめっき鋼板)の隠蔽と意匠が目
的であり、ルチル型、アナターゼ型のいずれでも良く、
また、CaSO4 、MgSO4 、BaSO4 などを配合
した複合顔料としての酸化チタン、表面をAl2 3
Sb2 3 、ZnOなどで表面を被覆した酸化チタン等
でも良い。また、隠蔽効果があれば、その他一般に公知
の白色顔料、例えば亜鉛華(ZnO)、鉛白(2PbC
3 ・Pb(OH)2 )、硫化亜鉛(ZnS)なども用
いることができる。ただし、隠蔽性、毒性、添加する樹
脂への影響などを考慮すると、酸化チタン(TiO2
が好適である。更には、市販の無公害型白色防錆顔料、
例えば「リン酸亜鉛系:NP−500」、「亜リン酸
系:NP−1500」「亜リン酸カルシウム系:NP−
1000」「亜リン酸アルミニウム系:NP−110
0」(いずれも東邦顔料(株)製)などを酸化チタンの
変わりに単独で用いる、もしくは酸化チタンと併用して
用いると隠蔽性に加え、耐食性も向上し好適である。
【0021】下地処理層上に被覆する塗膜の塗布方法
は、一般に公知の塗布方法、例えば、ロールコート、カ
ーテンフローコート、ローラーカーテンコート、エアー
スプレー、エアーレススプレー、浸漬、バーコート、刷
毛塗りなどで行うことができる。本発明のプレコート鋼
板では、酸化チタンを含む塗膜層の上に、更に、樹脂1
00重量部に対して白色顔料としての酸化チタンが30
0重量部以下である塗膜層を1〜30μm被覆すると、
意匠としての白色度が増し、耐食性にもすぐれより好適
である。酸化チタンは添加ぜずにクリヤー塗膜として用
いても良い。クリヤー塗膜を用いた場合、白色度は変わ
らないが、塗膜表面の光沢が増し、艶のある外観とな
り、意匠性が向上し好適である。更には耐食性も向上す
るため好適である。酸化チタン添加量が300重量部を
超えると塗膜の加工性が低下するので不適である。ま
た、膜厚が1μm未満であると意匠性、耐食性の面で被
覆した効果が少なく、不適である。30μm超では加工
性が劣り、不適である。ただし、塗装作業性の面、経済
性の面で、前述の膜厚範囲中でより薄い膜厚の方が好適
である。この被膜に用いる主樹脂及び酸化チタンについ
ては前述した下地処理層上に直接被覆する塗膜層と同様
のものを使用することができる。酸化チタンに限らず他
の白色防錆顔料や無公害白色防錆顔料を用いても良い。
この塗膜層の塗布方法についても同様に一般に公知の塗
布方法、例えば、ロールコート、カーテンフローコー
ト、ローラーカーテンコーター、エアースプレー、エア
ーレススプレー、浸漬、バーコート、刷毛塗りなどで行
うことができる。
【0022】本発明のプレコート鋼板は隠蔽性の悪い白
色プレコート鋼板に関するものであるが、白以外の色に
応用しても良い。応用例としては、下地処理層とその上
に被覆する塗膜層に同系色の着色顔料を添加する(例え
ば、塗膜層が赤系なら下地処理層も赤系、塗膜層が青系
なら下地処理層も青系)、白色顔料を添加した下地処理
層の上に白色以外の着色顔料を添加する(例えば、白系
の下地処理層の上に赤系や青系の塗膜層を被覆する)な
どがあり、これらにより、白色以外の色を持つ塗膜層に
ついても、隠蔽性、色彩度が向上し、塗膜層を薄膜化す
ることが可能である。この際の着色顔料としては、酸化
ジリコニウム(ZrO)、炭酸カルシウム(CaC
3 )、硫酸バリウム(BaSO4 )、アルミナ(Al
2 3 )、カオリンクレー、カーボンブラック、酸化鉄
(Fe2 3 、Fe3 4 )等の無機顔料や、有機顔料
などの一般に公知の着色顔料を用いることができる。こ
れらの着色顔料は、一般に着色するときと同様に、求め
る色彩に応じて適量を組み合わせて使用することができ
る。
【0023】
【実施例】亜鉛めっき鋼板付着量が片面当たり20g/
2 で両面がめっきされた厚み0.6mmの電気亜鉛め
っき鋼板と、亜鉛めっき付着量が片面当たり60g/m
2で両面がめっきされた厚み0.6mmの溶融亜鉛めっ
き鋼板とを脱脂剤FC−364S(日本パ−カライジン
グ製)の2重量%濃度、60℃温度の水溶液中に10秒
間浸漬することで脱脂を行い、水洗後、乾燥した。次い
で、表1〜6に示す組成の下地処理剤をロールコーター
にて塗布し、熱風乾燥炉で乾燥した。乾燥時の到達板温
は150℃とした。
【0024】下地処理層の上には一般的にプレコート用
として使用されているクリヤーポリエステル系塗料、ク
リヤーエポキシ系塗料、クリヤーウレタン系塗料を使用
し、これらに酸化チタンを表1〜6に示す量添加したも
のをローラーカーテンコーターにて塗装し、熱風を吹き
込んだ誘導加熱炉で到達板温が220℃となるように硬
化乾燥した。なお、各硬化乾燥過程のあとには、板を水
冷した。
【0025】このようにして作製したプレコート鋼板に
ついて以下の評価を行った。 ・塗膜密着性 塗装後の板を、塗装面に1mm角の碁盤目をカッターナ
イフで入れ、塗装面が凸となるようにエリクセン試験機
で7mm押し出した後に、テープ剥離試験を行った。碁
盤目の入れ方、エリクセンの押し出し方法、テープ剥離
の方法についてはJIS−K5400.8.2、及びJ
IS−K5400.8.5記載の方法に準じて実施し
た。また、テープ剥離後の評価は8.5記載の評価の例
の図によって行い、評点10点のときに○、6点以上1
0点未満のときに△、6点未満の時に×と評価した。 ・塗膜の折り曲げ試験 塗装後の板を、180°折り曲げ加工を実施し、加工部
の塗膜を10倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調
べた。また、加工部に粘着テープを貼り付け、これを勢
い良く剥離したときの塗膜の残存状態を目視にて観察し
た。折り曲げ加工は20℃雰囲気中で、0.6mmのス
ペーサーを間に挟んで実施した。塗膜割れの評価は、塗
膜割れのない時を○、塗膜に若干の割れがある時を△、
塗膜に目視でも明確な割れのある時を×として評価し
た。また、テープで剥離後の塗膜残存状態の評価は、全
く剥離せずにめっき鋼板上に残存している場合を○、塗
膜が一部剥離している場合を△、折り曲げ加工部のほぼ
全面にわたって剥離が認められる場合を×と評価した。 ・耐食性 塗装後の板をJIS−K5400.9.1記載の方法で
塩水噴霧試験を実施した。試験時間は電気亜鉛めっき鋼
板の場合には120h、溶融亜鉛めっき鋼板の場合には
240hとした。クロスカット部の塗膜の評価方法は、
クロスカット片側の最大膨れ幅が1mm未満の場合に
○、1mm以上3mm未満の場合に△、3mm以上の場
合に×と評価した。また、切断時の端面についても、前
述の塩水噴霧試験を実施し、端面からの塗膜の膨れ幅を
観察した。端面部の評価方法は端面からの膨れ幅が3m
m以内の場合には○、3mm以上5mm未満の場合には
△、5mm以上の場合には×と評価した。 ・白色度(外観) 白色度については目視にて観察し、塗膜の白色度が薄く
原板もしくは下地処理層の色が明らかに透けて見えるも
のを×、塗膜は白いが原板もしくは下地処理層の色が僅
かに見えるものを△、塗膜が白く原板もしくは下地処理
層の色が全く見えないものを○、前記○レベルのサンプ
ルに比べて塗膜の白さが濃いものを◎と評価した。 ・毒性 プレコート鋼板の下地処理もしくは塗膜中に、環境上有
毒とされている6価クロムを含むものを×、6価クロム
を含まないものを○、と評価した。
【0026】以下、実施例1〜21の詳細について述べ
る。めっき鋼板上に酸化チタンの添加量やタンニン酸の
添加量、膜厚の異なる水溶性樹脂ベースの下地処理層を
設け、その上に酸化チタンを乾燥樹脂100重量部に対
して100重量部添加した塗膜層を3μm塗装したプレ
コート鋼板の評価結果を表1〜2に示す。本発明のプレ
コート鋼板(実施例1〜21)は薄膜にも関わらず、ク
ロメート処理(比較例3,4)や白色クロメート処理
(比較例5,6)、下地処理無しのもの(比較例7,
8)と比べ、白色度が高く、更には毒性も低く好適であ
る。また、酸化チタンを添加しないもの(比較例1)も
本発明品に比べ白色度が劣り、タンニン酸を添加しない
もの(比較例2)は塗膜密着性に劣り不適である。下地
処理層は水溶性樹脂100重量部に対して酸化チタン添
加量が1〜100重量部、タンニンまたはタンニン酸添
加量は0.01〜30重量部が好適である。下地処理層
の酸化チタンの添加量が少なすぎるもの(実施例8)や
下地処理層の付着量が薄いもの(実施例17)は白色度
が小さい。また、タンニン酸の添加量が少なすぎるもの
(実施例1)は塗膜の密着性が劣る。一方、下地処理層
中の酸化チタン添加量が多すぎるもの(実施例13)は
加工性劣る。
【0027】以下、実施例22〜33の詳細について述
べる。めっき鋼板上に樹脂100重量部に対して酸化チ
タンを100重量部、タンニン酸を5重量部添加したも
のを下地処理層として用い、更にその上に酸化チタン添
加量や膜厚の異なる塗膜層を被覆したプレコート鋼板の
評価結果を表3〜4に示す。この結果より、下地処理層
の上に被覆する塗膜層は、樹脂100重量部に対し、酸
化チタンが1〜300重量部である塗膜層を1〜30μ
m 塗装することが好適である。塗膜層への酸化チタンの
添加量が多いと塗膜の白色度が増して好適であるが、多
すぎると加工性が低下する(実施例25)。一方、酸化
チタンが添加されていないと、白色度が殆ど無く不適で
ある(比較例−9)。また、膜厚も厚いと塗膜の白色度
が増し、耐食性も向上して好適であるが、厚すぎると加
工性が低下する(実施例31)。膜厚が薄すぎると塗膜
の白色度が低い(実施例26)。
【0028】以下、実施例34〜46の詳細について述
べる。表1〜2中の実施例5の塗装鋼板上に、更にその
上に酸化チタン量や膜厚の異なる上層塗膜層を被覆した
プレコート鋼板の評価結果を表5〜6に示す。この結果
より、下地処理層上に塗膜層を被覆し、更に上層塗膜を
被覆すると耐食性、塗膜の白色度が向上し好適である。
特に、上層塗膜層への酸化チタンの添加量が多いと塗膜
の白色度が増して好適であるが、多すぎると加工性が低
下する(実施例38)ため、樹脂100重量部に対し、
酸化チタンが300重量部以下であると好適である。下
層塗膜によって白色度が担保されていれば、上層塗膜中
には酸化チタンが添加されていなくとも良い(実施例3
4)。上層塗膜の膜厚は厚すぎると加工性が低下し(実
施例31)、膜厚が薄すぎると塗膜の白色度、耐食性の
点で上層塗膜を被覆した効果が無い(実施例26)た
め、上層塗膜層は、塗膜層を1〜30μmが好適であ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明により、薄膜で濃白色を担保する
ことが可能となり、安価で且つ作業性に優れた白色プレ
コート鋼板を提供することが可能となった。更には、環
境上有毒であるクロムを使用せずに、塗膜の密着性、塗
膜の加工性、耐食性に優れた薄膜白色プレコート鋼板を
提供することが可能となった。したがって、本発明は工
業的価値の極めて高い発明であるといえる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 洋 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 古川 博康 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4D075 BB26Z CA13 CA33 DA06 DB02 DB04 DB05 DB07 DC01 DC10 DC12 DC18 EA06 EA19 EB13 EB22 EB31 EB33 EB35 EB38 EC02 EC07 EC11 4K044 AA02 AA03 AA06 AB02 BA12 BA21 BB03 BB11 BB16 BC02 BC05 CA02 CA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板もしくはめっき鋼板の少なくとも片
    面に、有機樹脂と白色顔料としての酸化チタンおよびタ
    ンニンまたはタンニン酸を同時に含む下地処理層を有
    し、その上に白色顔料としての酸化チタンを含む塗膜層
    を有することを特徴とするプレコート鋼板。
  2. 【請求項2】 前記下地処理層が、有機樹脂100重量
    部に対して酸化チタンを1〜100重量部、タンニンま
    たはタンニン酸を0.01〜30重量部含有することを
    特徴とする請求項1記載のプレコート鋼板。
  3. 【請求項3】 前記塗膜層が、有機樹脂100重量部に
    対して酸化チタンを1〜300重量部含有し、塗膜層厚
    が1〜30μmであることを特徴とする請求項1または
    2に記載のプレコート鋼板。
  4. 【請求項4】 前記塗膜層の上に、有機樹脂100重量
    部に対して酸化チタンを300重量部以下含有し、塗膜
    層厚が1〜30μmである塗膜層を、さらに有すること
    を特徴とする請求項1〜3に記載のプレコート鋼板。
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