JP3810677B2 - 塗装原板および塗装原板の表面調整方法ならびに加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板あるいは溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を塗装原板として、これに塗布型クロメート処理液を塗布するクロメート処理を施した後、樹脂塗装を施して塗装鋼板を製造する際の塗装原板の表面調整技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板あるいは溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板に樹脂塗装する前の塗装前処理として、通常、塗布型クロメート処理が行われている。この処理は、めっき鋼板に直接あるいは脱脂処理しただけで塗布したのでは、めっき鋼板表面の濡れ性が悪く、クロメート液を塗布しても、均一なクロメート皮膜の形成が困難で、クロメート処理皮膜の密着性も劣り、塗装後の塗膜剥離が生じる原因となる。このため、クロメート液を塗布する前に塗装原板を表面調整することが必要不可欠になっている。この表面調整方法として、従来から、Niイオンを含む酸性水溶液で塗装原板を処理して、金属Niをめっき層の表面に置換析出させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この表面調整液はpH:2.5〜3.5の酸性であり、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板や溶融Zn−Al系めっき鋼板の場合、表面調整処理でめっき極表層部に濃化した耐食性に優れたAl系酸化物がエッチングされ、また、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板では、表面調整処理でめっき極表層部に濃化した耐食性に優れたMg系酸化物およびAl系酸化物がエッチングされることになる。その結果、塗装原板のめっき層表面部と下塗り塗膜との界面腐食を低下させるものであった。特に、塗装鋼板を折り曲げ加工して、めっき層と塗膜に割れが無数に生じた部位では、他の平坦部や塗膜傷付き部等の耐食性に比べて満足できるものではなかった。
【0004】
近年、大気汚染の進行に伴ってイオウ酸化物,窒素酸化物等による大気や雨水の酸性化が著しく、塗装鋼板の折り曲げ加工部,切断端面部,塗膜傷付き部等の塗膜下でめっき層の腐食が促進されることから、外装建材等として用いられる塗装鋼板の耐久性が懸念される状況になっている。塗装鋼板は成形加工されて使用されるため、平坦部を除けば折り曲げ加工部が製品に占める割合が最も高い。そこで、特に折り曲げ加工部の耐食性向上が望まれている。
【0005】
溶融Zn−Al系めっき鋼板では、めっき層のAl含有量を増加させると、折り曲げ加工部,平坦部および塗膜傷付き部の耐蝕性が増加する。しかし、Al含有量を増加しても、切断端面部の耐食性は必ずしも満足されない。例えば、塗装溶融Zn−55%Alめっき鋼板の切断端面では、めっき層のZnリッチ相が選択的に腐食される。腐食生成物によって塗膜が持ち上げられると、エッジクリープと称される塗膜膨れや塗膜の剥離が生じ、塗膜との組み合わせによっては、耐食性が低下する場合がある。このように、塗装原板のめっき層のAl含有量を増加しても、必ずしも、平坦部,折り曲げ加工部,塗膜傷付き部および切断端面部の全ての耐食性が向上するものではなく、バランスがとれた塗装鋼板を得ることはできなかった。
【0006】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板からなる塗装原板を、Niイオンの他にMgイオンを含む表面調整液で処理して、塗布型クロメート処理液を塗布する直前のめっき層表面にMgを置換析出させることによって、塗装後、塗膜密着性は勿論、折り曲げ加工部において優れた耐食性を有するクロム系塗装鋼板を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その目的を達成するため、溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板からなる塗装原板を、Niイオンの他に10〜10000ppmのMgイオンを含有する酸性水溶液(ただし、りん酸塩処理液を除く)で処理して表面調整し、めっき層表面にMg換算付着量で0.1〜100mg/m2のMg化合物を置換析出させることを特徴とする。
その後、塗布型クロメート処理液を塗布するクロメート処理を施した後、樹脂塗装する。
【0008】
【作用】
表面調整液は酸性であるために、表面調整で溶融亜鉛めっき鋼板や溶融Zn−Al系めっき鋼板のめっき極表層部に濃化した耐食性に優れたAl系酸化物がエッチングされ、また、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板ではめっき極表層部に濃化した耐食性に優れるMg系酸化物およびAl系酸化物がエッチングされる。しかし、表面調整液中にあらかじめMgイオンを含有させておくと、表面調整した後のめっき層表面に水溶液中のMgが、金属Mgの他に、例えばMg(OH)2,MgAl2O4,MgF2等として置換析出する。本発明では、これらの析出物をMg化合物と総称する。この化合物中のMgの作用により、めっき層と塗膜に微細割れが生じた塗装鋼板の折り曲げ加工部のめっき層の腐食が抑制される。また、めっき層と下塗り塗膜の界面近傍の腐食も抑制され、めっき層と下塗り塗膜近傍での塗膜膨れや、それに続くめっき層自体の塗膜下腐食が抑制される。
【0009】
塗装原板のめっき層表面にMg化合物が置換析出した上に塗布型クロメート処理液を塗布すると、表面調整処理でめっき層の表層部に置換析出した化合物中のMgが塗布型クロメート処理液の酸成分によってイオン化して溶出する。その結果、めっき層表面から溶出してきたMgイオンとクロメート処理液中の有機樹脂(アクリル樹脂)が複合されたクロメート皮膜がめっき層表面に形成される。
【0010】
めっき層の表層部に置換析出した化合物中のMgによる塗装鋼板の折り曲げ加工部の耐食性向上の理由は明らかではないが、めっき層の表層に置換析出したMgがクロメート皮膜に取り込まれるため、クロメート皮膜は、優れた付着性でめっき層に付着し、耐湿性も向上する。また、めっき層の表層からクロメート皮膜中に取り込まれたMgは腐食環境下において溶出し、めっき層と下塗り塗膜との界面腐食が抑制され、さらに、微細なめっき層と塗膜割れ部に緻密で難溶性のZnの腐食生成物を形成・蓄積させる。生成したMgを含有する腐食生成物は、外部から侵入してくる腐食性イオンに対するバリアとしても作用する。その結果、塗膜下におけるめっき層の腐食が抑制されると推察される。
【0011】
【発明の実施の態様】
本発明に使用される塗装原板としては、通常、連続溶融めっきラインでZnめっき層,Zn−Al系めっき層あるいはZn−Al−Mg系めっき層が形成された、溶融亜鉛メッキ鋼板,溶融Zn−5%Al系めっき鋼板,溶融Zn−4〜22%Al−1〜4Mg(−Ti−B−Si)系めっき鋼板が挙げられる。連続塗装ラインでは、前記塗装原板表面に塗装前処理としてのクロメート処理に先立ち、塗装原板の溶融めっき層の濡れ性を良くして、均一なクロメート皮膜を形成させるための表面調整処理が施される。
【0012】
酸性表面調整処理液は、従来から一般に使用されているNiイオンを含有する市販の水溶液にMgイオンを10〜10000ppm添加して調整される。酸性表面調整処理液中にMgイオンを含有させる手法は特に限定されないが、Niイオンを含む水溶液として主に硫酸塩系のものが用いられる場合が多いため、硫酸マグネシウム(七水和物)を添加することが好ましい。この表面調整処理液に漬すかスプレーして、数秒間処理した後、水洗・乾燥すると、処理後の塗装原板のめっき層表面には、Mg化合物がMg換算付着量で0.1〜100mg/m2で置換析出している。その後クロメート処理と塗装を施した塗装鋼板の加工部の耐食性は、酸性表面調整処理液中のMgイオン濃度が10ppm未満、めっき層表面に置換析出したMg量が0.1mg/m2未満では、塗装鋼板の折り曲げ加工部の耐食性向上が十分発現されない。逆に、酸性表面調整処理液中のMgイオン濃度が10000ppmを超え、めっき層表面のMg析出量が100mg/m2を超えても、塗装鋼板の折り曲げ加工部の耐食性がさらに向上することはない。過多のMg含有は、表面調整液をコスト高にすることからもメリットはない。
【0013】
表面調整された塗装原板には、従来と同様なクロメート皮膜を塗装原板の表面に形成することにより、塗膜密着性を向上させる。クロメート皮膜は、耐食性および塗膜密着性を確保するためにCr換算付着量5〜100mg/m2の割合で形成することが好ましい。このクロム付着量は、クロメート皮膜が水溶性もしくは水分散性の樹脂やシリカを含有する場合でも、クロメート皮膜がリン酸−クロム酸系処理液により形成されたものであっても同様とする。
【0014】
クロメート皮膜が形成された塗装原板の表面には、従来と同様の樹脂塗膜を従来と同様の方法で形成する。
この際の下塗り塗膜樹脂には、エポキシ系,エポキシ・ウレタン系,ポリエステル系,アクリル系,エポキシ変性ポリエステル系,フェノキシ系等の樹脂が使用される。下塗り塗膜の膜厚は、従来と同様の3〜10μmの範囲とする。また、下塗り塗膜樹脂には、クロム酸ストロンチウム,クロム酸カルシウム,クロム酸バリウム,クロム酸亜鉛等のクロム酸系防錆顔料を、単独であるいは2種以上組み合わせて添加して下塗り塗膜を形成することもできる。さらに、下塗り塗膜樹脂には、防錆顔料の他に酸化チタン等の着色顔料、炭酸カルシウム,硫酸バリウム等の体質顔料や各種の有機樹脂ビーズ,有機樹脂粉末,無機骨材等の添加剤を含有してもよい。下塗り塗膜樹脂の分子量,ガラス転移温度あるいは顔料,骨材等の添加量は、塗装鋼板の用途に応じて適宜調整される。
【0015】
下塗り塗膜の上にはさらに上塗り塗膜が形成される。
この際の上塗り塗膜樹脂には、ポリエステル系,ウレタン系,アクリル系,シリコーン変性ポリエステル系,シリコーンアクリル系,ポリ塩化ビニル系,ポリフッ化ビニリデン−アクリル系等、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が使用される。また、必要に応じ有機系骨材,無機系骨材,メタリック粉末,潤滑剤,汚れ防止剤,防かび剤,紫外線吸収剤,光安定剤(酸化防止剤),光触媒粒子,つや消し剤や各種の粉末等が添加される。
【0016】
このように、溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板あるいは溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板からなる塗装原板を、Mgイオンを10〜10000ppm添加した酸性の表面調整液で処理すると、塗装原板のめっき層表面にMgが0.1〜100mg/m2の範囲で置換析出する。その上に塗布型クロメート液を塗布すると、めっき層の表層部に置換析出したMgが塗布型クロメート処理液中に溶出する。この処理液皮膜を乾燥すると、めっき層表面から溶出したMgイオンとクロメート処理液中の有機樹脂が複合された、優れた付着性,耐湿性,耐食性を有するクロメート皮膜がめっき層表面に形成される。めっき層の表層からクロメート皮膜中に取り込まれたMgは腐食環境下において溶出し、めっき層と下塗り塗膜との界面近傍が選択的に腐食される界面腐食が抑制される。さらに、Mgは、微細なめっき層と塗膜割れ部に緻密で難溶性のZnの腐食生成物を形成・蓄積させる。生成した均一かつ緻密で安定なMgを含有する腐食生成物は、外部から侵入してくる腐食性イオンに対するバリアとしても作用する。その結果、加工部の耐食性に優れた塗装鋼板が得られる。
【0017】
【実施例】
表1に示す、溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:0.6mm,片面メッキ付着量:140g/m2)、溶融Zn−4%Al−0.1%Mgめっき鋼板(板厚:0.6mm,片面メッキ付着量:135g/m2)、および溶融Zn−6%Al−3%Mg(−Ti−B)めっき鋼板(板厚:0.6mm,片面メッキ付着量:120g/m2)をゼンジミア方式の連続溶融めっきラインで製造した。
【0018】
【0019】
これらのめっき鋼板を、Niイオンを含有する酸性表面調整液(日本ペイント株式会社製、商品名:NPコンディショナー710)に硫酸マグネシウム七水和物を添加してMgイオン濃度を2000ppmに調整した。さらに、液温65℃でpH2.5〜3.5に調整した後に水溶液をスプレーし、その後、水洗により洗浄して乾燥した。
乾燥後のめっき層の表面には、Mg換算付着量で20mg/m2の割合でMg化合物が析出していた。比較のため、同様にMgイオンを添加しない酸性表面調整液をスプレーした後、水洗により洗浄して乾燥した。表面調整処理後のめっき層表面のMg析出量を表2に示す。
【0020】
【0021】
その後、塗布型クロメート処理液(日本ペイント株式会社製、商品名:サーフコートNRC300NS)をロールコーターで塗布して、水洗することなく、100℃で乾燥させ、全Cr換算付着量が40mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
次いで、クロメート皮膜の上に、クロム酸ストロンチウムを不揮発分に対して25質量%を配合し、その他に着色顔料として酸化チタン,体質顔料として硫酸バリウムおよびシリカ粉末を配合したエポキシ樹脂の下塗り塗料を乾燥膜厚で5μmになるように塗装し、215℃で乾燥して下塗り塗膜を形成した。このようにして形成された下塗り塗膜の上に、ポリエステル系樹脂の上塗り塗料を乾燥膜厚で15μmになるように塗装し、同様に215℃で乾燥して上塗り塗膜を形成した。
【0022】
このようにして作製された各塗装鋼板から試験片を切り出し、次の塗膜密着性試験、促進耐食性試験に供した。
塗膜密着性試験では、20℃に調整された室内で評価する塗膜面が外側になるように2tの180度の折り曲げ加工を施し、その折り曲げ部に粘着テープを貼り付け引き剥がし、塗膜の剥離状況を観察した。観察結果から、塗膜剥離が発生しなかったものを◎,剥離が発生したものを×として塗膜密着性を評価した。
【0023】
促進耐食性試験では、塗装鋼板の上部の塗膜面が外側になるように4t折り曲げ加工を施した後に、左部,右部,下部の切断端面および裏面を塗料で補修した試験片を用意した。600サイクルの酸性雨複合腐食試験[1サイクル:0.1%NaCl腐食液噴霧(35℃×1時間,硫酸でpH4に調整)→乾燥(50℃×4時間)→湿潤(50℃×3時間,相対湿度98%)後に、4t折り曲げ加工部から発生した白錆び発生率を測定した。
【0024】
白錆び発生率は、酸性雨複合腐食試験で4t折り曲げ加工部に発生した白錆びを観察し、試験対象部の面積100に対する白錆びの発生率(%)を求めた。
4t折り曲げ加工部に白錆びが検出されなかったものを◎,5%以下を○,5〜20%を△,20%以上を×として耐白錆び性を評価した。
各評価試験結果を表3に示す。
【0025】
【0026】
表3の結果からわかるように、Mgイオンを2000ppm添加した表面調整液で処理しためっき鋼板を塗装原板とした試験番号1〜3では、屋外での腐食挙動を再現する酸性雨促進耐食性試験において、折り曲げ加工部の白錆びの発生率が低く、優れた加工部耐食性を示していた。
これに対して、従来のMgイオン無添加の表面調整液で処理しためっき鋼板を塗装原板とする試験番号4〜6では、折り曲げ加工部の白錆び発生率は高く、加工部耐食性は十分ではなかった。
【0027】
【発明の効果】
以上に説明したように、溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板からなる塗装原板に、クロメート処理を施した後塗装して塗装鋼板を製造する際、クロメート処理に先立って、Niイオンの他に10〜10000ppmのMgイオンを含有する酸性水溶液で表面調整処理して、めっき層表面にMg換算付着量で0.1〜100mg/m2のMg化合物を置換析出させておくことにより、めっき層表面に析出したMgを取り込んだクロメート皮膜の優れた防食作用で、めっき層と塗膜に微細な割れが生じた塗装鋼板の折り曲げ加工部の塗膜下腐食が抑制されるため、加工部耐食性に優れた塗装鋼板が得られる。
このようにして得られた塗装鋼板は、外装建材,内装建材,家電製品,自動販売機,事務機器,自動車用鋼板,エアコン室外機等、広範な分野で使用される。
Claims (3)
- 溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板をNiイオンの他にMgイオンを含有する酸性水溶液(ただし、りん酸塩処理液を除く)で表面調整処理した塗装原板であって、めっき層表面にMg換算付着量で0.1〜100mg/m2のMg化合物が置換析出していることを特徴とする塗装原板。
- 溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板からなる塗装原板を、Niイオンの他に10〜10000ppmのMgイオンを含有する酸性水溶液(ただし、りん酸塩処理液を除く)で表面調整処理することを特徴とする塗装原板の表面調整方法。
- 溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn−Al系めっき鋼板または溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板からなる塗装原板を、Niイオンの他に10〜10000ppmのMgイオンを含有する酸性水溶液(ただし、りん酸塩処理液を除く)で表面調整処理した後、塗布型クロメート処理液を塗布するクロメート処理し、その後、樹脂塗装することを特徴とする加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
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