JP2000207734A - ディスク基板及びその製造方法 - Google Patents

ディスク基板及びその製造方法

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JP2000207734A
JP2000207734A JP11007003A JP700399A JP2000207734A JP 2000207734 A JP2000207734 A JP 2000207734A JP 11007003 A JP11007003 A JP 11007003A JP 700399 A JP700399 A JP 700399A JP 2000207734 A JP2000207734 A JP 2000207734A
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disk substrate
molding
mold
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Nobuhiro Nagano
信広 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク状記録媒体の基板として用いられた
ときに、クランピング不良による回転時の変位を抑制
し、適切な記録再生を行うことができるようにする。 【解決手段】 クランプ領域2bを信号記録領域2aと
同一平面上に連続して形成し、且つ、クランプ領域2b
の平均表面粗さが信号記録領域2aの平均表面粗さとほ
ぼ等しくなるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状記録媒
体に用いられる樹脂製のディスク基板及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの記憶装置等として、従来
より、ハードディスクシステムが普及している。このハ
ードディスクシステムは、表面が高精度に研磨されたア
ルミニウム等の金属板からなるディスク基板上に信号記
録層が形成されてなる磁気ディスクを記録媒体として用
い、この磁気ディスクの信号記録領域上に、磁気ヘッド
を搭載した浮上スライダを所定の浮上量で浮上させて、
信号の書き込み及び/又は読み出しを行うようにしてい
る。
【0003】ところで、このハードディスクシステムに
おいては、広く普及するに従って低価格化が求められて
きている。そして、この低価格化の要求に応えるため
に、磁気ディスクのディスク基板として、アルミ基板よ
りも低価格で作製可能な樹脂製のディスク基板を適用す
ることが検討されている。
【0004】また、再生専用光ディスク、光磁気ディス
ク、相変化型光ディスク等のように、光を用いて情報信
号の書き込みや読み出しが行われるディスク状記録媒体
(以下、光ディスクという。)においては、一般に、デ
ィスク基板として樹脂製のディスク基板が用いられてい
る。そして、この光ディスクを記録媒体として用いた光
ディスクシステムにおいては、記録容量の増大化を図る
ために、光学ヘッドを搭載した浮上スライダを光ディス
クの信号記録領域上を浮上させて、信号の書き込み及び
/又は読み出しを行う技術が提案されている。
【0005】これらハードディスクシステムや光ディス
クシステムにおいて用いられる樹脂製のディスク基板
は、一般に、樹脂材料が射出成形されることにより製造
される。すなわち、樹脂製のディスク基板は、加熱溶融
された樹脂材料が、射出成形機の金型装置が備える一対
の成形用金型間のキャビティ内に射出され、このキャビ
ティ内に射出された樹脂材料がキャビティ内において加
圧された状態で次第に冷却されることにより、成型用金
型の成形面を反映したかたちに成形されて製造される。
したがって、このような樹脂製のディスク基板を製造す
る場合、成形面が十分に研磨された成型用金型を射出成
形に用いることにより、面精度の良好なディスク基板を
製造することができる。
【0006】ところで、以上のように製造される樹脂製
のディスク基板は、最終的にディスク状記録媒体となっ
たときに信号記録部が形成される領域である信号記録領
域と、この信号記録領域の内周側に形成され、記録及び
/又は再生装置のクランピング機構により把持される領
域であるクランプ領域とを有している。そして、信号記
録領域に対しては、この信号記録領域上を僅かな浮上量
で浮上する浮上スライダとの衝突を避けると共に、スペ
ーシングロスを抑えて適切な信号の記録再生を実現する
ために、高い面精度が要求されていた。具体的には、信
号記録領域に対しては、例えば、平均表面粗さRaで2
nm以下を保証するように要求されていた。一方、クラ
ンプ領域は、記録及び/又は再生装置のクランピング機
構により把持される領域であり、実際に信号の記録再生
が行われる領域ではないので、高い面精度は要求されて
おらず、面精度の具体的な規格は設けられていなかっ
た。
【0007】ここで、従来、射出成形により樹脂製のデ
ィスク基板を製造する場合に用いられていた金型装置に
ついて説明する。従来、樹脂製のディスク基板の製造に
用いられていた金型装置100は、図12に示すよう
に、成型用金型である一対の固定側金型101及び可動
側金型102を備えている。これら固定側金型101と
可動側金型102は、それぞれの成形面101a,10
2aが互いに対向するように配置され、可動側金型10
2が固定側金型101に近接する位置に移動操作された
ときに、それぞれの成形面101a,102a間にキャ
ビティが形成されるようになされている。
【0008】固定側金型101の成形面101aと可動
側金型102の成形面102aは、ディスク基板の記録
再生領域を成形する部分に対しては、十分に研磨加工が
施され、面精度の非常に高い面とされている。一方、デ
ィスク基板のクランプ領域を成形する部分に対しては、
面精度の向上が考慮されていない場合がある。
【0009】一対の固定側金型101及び可動側金型1
02には、ともに中心部に貫通孔101b,102bが
設けられている。そして、固定側金型101の中心部に
設けられた貫通孔101bには、溶融された樹脂材料の
経路を構成するスプルー103が配設されている。ま
た、可動側金型102の中心部に設けられた貫通孔10
2bには、成形されたディスク基板の中心孔を打ち抜く
ためのパンチ104と、成形されたディスク基板を金型
装置100から取り外すためのイジェクタ105が配設
されている。
【0010】また、可動側金型102には、ディスク基
板のクランプ領域を成形する部分に、金型装置100の
外部からのエアーを当該可動側金型102と成形された
ディスク基板との間に供給するためのエアー吹き出し孔
106が設けられている。金型装置100は、このよう
に、可動側金型102にエアー吹き出し孔106が設け
られ、金型装置100の外部からのエアーが可動側金型
102と成形されたディスク基板との間に供給されるこ
とにより、成形されたディスク基板の可動側金型に対す
る離型性を良好なものとして、ディスク基板の取り外し
が容易に行えるようになされていた。
【0011】以上のように構成された金型装置を用いて
ディスク基板を製造する場合、まず、可動側金型102
が固定側金型101側に移動操作されて、可動側金型1
02と固定側金型101との間にキャビティが形成され
る。そして、加熱溶融された樹脂材料が、スプルー10
3を介してキャビティ内に射出される。
【0012】次に、パンチ104が駆動され中心孔が形
成された後に、キャビティ内に射出された溶融樹脂材料
が、キャビティ内において加圧されながら徐々に冷却さ
れる。これにより、キャビティ内の樹脂材料は、固定側
金型101及び可動側金型102の成形面を反映したか
たちに固化され、ディスク基板が成形される。
【0013】ディスク基板が成形されると、可動側金型
102が固定側金型101から離間する方向に移動操作
されて、キャビティが開放される。そして、エアー吹き
出し孔106から可動側金型102と成形されたディス
ク基板との間にエアーが供給さて両者の離型性が良好な
ものとされた後に、イジェクタ105が駆動されて、成
形されたディスク基板が金型装置100から取り外され
る。
【0014】以上のように製造されるディスク基板は、
上述したように、その表面が、一対の成型用金型である
固定側金型101及び可動側金型102の成形面を反映
したかたちに成形される。固定側金型101及び可動側
金型102の成形面は、上述したように、記録再生領域
を成形する部分に対しては、十分に研磨加工が施され、
面精度の非常に高い面とされているのに対し、クランプ
領域を成形する部分に対しては、面精度の向上が考慮さ
れていない場合がある。
【0015】このため、成形されたディスク基板には、
そのクランプ領域に、図13に示すような数μmにもお
よぶ突起が形成されていたり、段差が形成されていたり
する場合があった。なお、図13は、ディスク基板の表
面の状態をAFMにより測定した結果を示す図であり、
横軸はディスク基板の半径方向の距離を示し、縦軸はデ
ィスク基板の表面の高さ位置を示している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ディスク基板は、上述
したように、クランプ領域に突起や段差が形成される
と、以下のような問題を生じさせてしまう。すなわち、
クランプ領域に突起や段差が形成されたディスク基板を
用いてハードディスクや光ディスク等のディスク状記録
媒体を作製した場合、作製されたディスク状記録媒体
は、記録及び/又は再生装置のクランピング機構による
クランピングが適切に行われず、信号の記録再生時にお
ける回転動作に伴って、その姿勢を大きく変位させてし
まう場合がある。
【0017】このようなクランピング不良による変位
は、ディスク状記録媒体の厚みが薄くなるにしたがい顕
著になる。例えば、厚さが1.2mmのディスク状記録
媒体において、ディスク基板のクランピングエリアに高
さ1.2μmの突起が形成されていた場合、ディスク状
記録媒体のラインアウト(面振れ量)は、外周部で60
〜80μmにも及ぶ。
【0018】このように、回転動作に伴って大きく変位
するディスク状記録媒体に浮上スライダを用いて信号の
記録再生を行うと、浮上スライダの浮上量変動の影響に
より、信号の記録特性を悪化させると共に、再生出力変
動を生じさせてビットエラー発生の原因となる。また、
ディスク状記録媒体の変位量が大きく浮上スライダがこ
のディスク状記録媒体の変位に追従できないときは、浮
上スライダとディスク状記録媒体とが衝突してし、両者
に損傷を与えてしまう場合もある。
【0019】そこで、本発明は、クランピング不良によ
る回転時の変位を抑制し、適切な記録再生を行うことが
できるディスク状記録媒体に用いられるディスク基板及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に創案された本発明に係るディスク基板は、樹脂材料が
射出成形によりディスク状に成形されてなるディスク基
板であって、信号記録部が形成される信号記録領域と、
上記信号記録領域と同一平面上に連続して形成され、記
録及び/又は再生装置のクランピング機構により把持さ
れるクランプ領域とを備え、上記クランプ領域の平均表
面粗さが上記信号記録領域の平均表面粗さとほぼ等しく
されていることを特徴としている。
【0021】以上のように構成されるディスク基板に
は、信号記録領域に、記録膜やこの記録膜を補助する機
能膜等が成膜又は塗布されて信号記録部が形成され、デ
ィスク状記録媒体とされる。そして、このディスク状記
録媒体は、ディスク基板のクランプ領域が、記録及び/
又は再生装置のクランピング機構により把持されて、記
録及び/又は再生装置のディスク回転駆動機構により回
転操作される。
【0022】ディスク回転駆動機構により回転操作され
るディスク状記録媒体の信号記録部上には、例えば、ヘ
ッドを搭載した浮上スライダが僅かな浮上量で浮上す
る。そして、この浮上スライダに搭載されたヘッドによ
り、ディスク状記録媒体の信号記録部に対して、信号の
書き込み及び/又は読み出しが行われる。
【0023】このようなディスク状記録媒体の基板とし
て用いられる本発明に係るディスク基板は、クランプ領
域が信号記録領域と同一平面上に連続して形成され、且
つ、クランプ領域の平均表面粗さが信号記録領域の平均
表面粗さとほぼ等しくされているので、このディスク基
板を用いたディスク状記録媒体は、記録及び/又は再生
装置のクランピング機構によるクランピングが適切に行
われる。したがって、本発明に係るディスク基板を用い
たディスク状記録媒体は、クランプ不良に起因する回転
時の変位が抑制され、適切な記録再生が行われることに
なる。
【0024】また、上記目的を達成するために創案され
た本発明に係るディスク基板の製造方法は、樹脂材料を
射出成形によりディスク状に成形し、信号記録部が形成
される信号記録領域と記録及び/又は再生装置のクラン
ピング機構により把持されるクランプ領域とを備えるデ
ィスク基板を製造するに際し、上記射出成形に用いる金
型として、上記信号記録領域を成形する成形面と上記ク
ランプ領域を成形する成形面とが同一平面上に連続し、
且つ、上記信号記録領域を成形する成形面の平均表面粗
さと上記クランプ領域を成形する成形面の平均表面粗さ
とがほぼ等しくされた金型を用いることを特徴としてい
る。
【0025】このディスク基板の製造方法によれば、ク
ランプ領域が信号記録領域と同一平面上に連続して形成
され、且つ、クランプ領域の平均表面粗さが信号記録領
域の平均表面粗さとほぼ等しくされたディスク基板が製
造される。そして、このディスク基板の製造方法により
製造されたディスク基板を用いてディスク状記録媒体を
作製すれば、作製されたディスク状記録媒体は、記録及
び/又は再生装置のクランピング機構によるクランピン
グが適切に行われ、クランプ不良に起因する回転時の変
位が抑制されて、適切な記録再生が行われることにな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0027】本発明は、再生専用光ディスク、光磁気デ
ィスク、相変化型光ディスク等の光ディスクや磁気ディ
スクに用いられる樹脂性のディスク基板及びその製造方
法に関する。以下、本発明をハードディスクシステムに
用いられる磁気ディスクの基板に適用した場合を例に挙
げて説明する。なお、本発明はこの例に限定されるもの
ではなく、あらゆるタイプのディスク状記録媒体の基板
に適用できることは勿論である。
【0028】ハードディスクシステムに用いられる磁気
ディスク1は、図1に示すように、ディスク基板2の信
号記録領域2a上に、信号記録膜3や保護膜4等が順次
積層され、信号記録部が形成されてなる。
【0029】そして、この磁気ディスク1は、記録及び
/又は再生装置に装着され、ディスク基板2のクランプ
領域2bが、記録及び/又は再生装置の備えるクランピ
ング機構により把持されて、記録及び/又は再生装置の
備えるディスク回転駆動機構により回転操作される。磁
気ディスク1は、ディスク回転駆動機構により回転操作
された状態で、記録及び/又は再生装置の備える磁気ヘ
ッド装置により、信号の記録及び/又は再生が行われ
る。磁気ヘッド装置は、ヘッド素子を搭載した浮上スラ
イダを備え、この浮上スライダを回転操作される磁気デ
ィスク1の信号記録部上に僅かな浮上量で浮上させて、
ヘッド素子により磁気ディスク1の信号記録部に対して
信号の書き込みを行い、又は磁気ディスク1の信号記録
部に書き込まれた信号を読み出す。
【0030】以上のような磁気ディスク1に用いられる
ディスク基板2は、例えば、ポリカーボネートやポリメ
チルメタクリレート等の熱可塑性樹脂材料が、射出成形
により、図2に示すように、例えば、中心孔2cを有し
直径Lが2.5インチの円盤状に成形されてなる。そし
て、このディスク基板2は、中心孔2cに隣接した基板
内周側が、記録及び/又は再生装置のクランピング機構
により把持されるクランプ領域2bとされ、このクラン
プ領域2bの外周側に信号記録部が形成される信号記録
領域2aとされる。すなわち、このディスク基板2は、
内周側の所定の領域であるクランピング領域2bの外周
側に、上記信号記録膜3や保護膜4等が順次積層され信
号記録部が形成されて、磁気ディスク1とされる。
【0031】このディスク基板2を射出成形により製造
する際は、例えば図3に示すような金型装置10を用
い、この金型装置10の備える一対の成型用金型間のキ
ャビティ内に溶融された上記樹脂材料を射出して、この
樹脂材料をキャビティ内において加圧しながら冷却固化
することにより製造する。
【0032】ディスク基板2の製造に用いられる金型装
置10は、図3に示すように、一対の成型用金型である
固定側金型11及び可動側金型12を備えている。これ
ら固定側金型11及び可動側金型12は、例えばステン
レス等の金属材料が略円盤状に成形されてなり、それぞ
れ、ディスク基板2の表面を成形するディスク成形面1
3,14を有するように形成されている。
【0033】これら固定側金型11及び可動側金型12
のディスク成形面13,14は、図4に示すように、外
周側の所定の領域が、ディスク基板2の記録再生領域2
aを成形する記録再生領域成形面13a,14aとさ
れ、この記録再生領域成形面13a,14aの内周側
が、ディスク基板2のクランプ領域2bを成形するクラ
ンプ領域成形面13b,14bとされている。すなわ
ち、固定側金型11及び可動側金型12において、クラ
ンプ領域成形面13b,14bは、記録再生領域成形面
13a,14aと同一平面上に連続して設けられてい
る。
【0034】これら固定側金型11及び可動側金型12
のディスク成形面13,14には、記録再生領域成形面
13a,14a及びクランプ領域成形面13b,14b
の平均表面粗さRaが共に例えば2nm以下となるよう
に、記録再生領域成形面13a,14aからクランプ領
域成形面13b,14bにかけて一様に研磨加工が施さ
れている。そして、これら固定側金型11及び可動側金
型12のディスク成形面13,14は、記録再生領域成
形面13a,14aからクランプ領域成形面13b,1
4bにかけて一様に目立った突起や段差が存在しないよ
うに、面精度の向上が図られている。
【0035】固定側金型11と可動側金型12は、それ
ぞれ第1及び第2の金型ホルダ15,16により保持さ
れ、互いの成形面13,14を相対向させるように配設
されている。そして、金型装置10は、可動側金型12
及びこれを保持する第2の金型ホルダ16が、図3中矢
印Aで示す固定側金型11に近接する方向に移動操作さ
れ、第2の金型ホルダ16が第1の金型ホルダ15に当
接した状態とされたときに、固定側金型11のディスク
成形面13と可動側金型12のディスク成形面14との
間にキャビティが形成されるようになされている。
【0036】また、可動側金型12の中央部には貫通孔
が設けられており、この貫通孔内に、製造するディスク
基板2の中心孔2cを打ち抜くためのパンチ17が配設
されている。このパンチ17は、可動側金型12が移動
操作される方向と平行な方向に移動可能に、可動側金型
12の貫通孔内に配設され、キャビティ内に溶融した樹
脂材料が充填され、この樹脂材料が硬化される前に、固
定側金型11側に押圧操作されることにより、ディスク
基板2の中心孔2cを打ち抜くようになされている。
【0037】更に、可動側金型12の貫通孔内には、パ
ンチ17の外周側に位置して、成形されたディスク基板
2を取り出すためのイジェクタ18が配設されている。
このイジェクタ18も、パンチ17と同様に、可動側金
型12が移動操作される方向と平行な方向に移動可能
に、可動側金型12の貫通孔内に配設されており、キャ
ビティ内に充填された樹脂材料が固化され、キャビティ
が開放されたときに、固定側金型11側に押圧操作され
ることにより、ディスク基板2を金型装置10から取り
外すようになされている。
【0038】一方、固定側金型11の中央部にも貫通孔
が設けられており、この貫通孔内に、溶融された樹脂材
料の経路を構成するスプルー19が配設されている。こ
のスプルー19は、一端側が射出成形機の樹脂材料溶融
機構に接続されており、他端側が固定側金型11の貫通
孔内に嵌挿されている。そして、このスプルー19の中
央部には、一端側から他端側にかけて貫通する貫通孔が
設けられており、このスプルー19の貫通孔が、溶融さ
れた樹脂材料を固定側金型11と可動側金型12との間
のキャビティ内に供給するための経路を構成している。
【0039】以上のように構成される金型装置10を用
いて、ディスク基板2を射出成形により形成する際は、
まず、可動側金型12及びこれを保持する第2の金型ホ
ルダ16が、図3中矢印Aで示す固定側金型11に近接
する方向に移動操作され、図5に示すように、第2の金
型ホルダ16が第1の金型ホルダ15に当接した状態と
される。これにより、固定側金型11のディスク成形面
13と可動側金型12のディスク成形面14との間にキ
ャビティ20が形成される。
【0040】次に、図6に示すように、射出成形機の樹
脂材料溶融機構により溶融された樹脂材料が、スプルー
17の貫通孔を介して、固定側金型11と可動側金型1
2との間のキャビティ20内に射出される。
【0041】固定側金型11と可動側金型12の間のキ
ャビティ20内に溶融された樹脂材料が充填されると、
この樹脂材料が冷却される前に、図7に示すように、パ
ンチ17が図7中矢印Bで示す方向、すなわち固定側金
型11に近接する方向に押圧操作される。これにより、
ディスク基板2の中心孔2cが打ち抜き形成される。
【0042】次に、パンチ17を固定側金型11側に押
圧操作した状態で、キャビティ20内の樹脂材料に対し
て所定の圧力を加えながら、この樹脂材料を徐々に冷却
して固化させる。これにより、固定側金型11のディス
ク成形面13と可動側金型12のディスク成形面14を
反映した表面を有するディスク基板2が成形される。
【0043】キャビティ20内の樹脂材料が冷却固化さ
れてディスク基板2が成形されると、図8に示すよう
に、可動側金型12及びこれを保持する第2の金型ホル
ダ16が、図8中矢印Cで示す方向、すなわち固定側金
型11から離間する方向に移動操作される。これによ
り、キャビティ20が開放された状態とされる。
【0044】次に、図9に示すように、イジェクター1
8が図9中矢印Dで示す方向、すなわち固定側金型11
に近接する方向に押圧操作される。これにより、成形さ
れたディスク基板2が金型装置10から取り外される。
【0045】以上のように製造されたディスク基板2
は、固定側金型11のディスク成形面13と可動側金型
12のディスク成形面14を反映した表面を有する。す
なわち、ディスク基板2の表面には、固定側金型11及
び可動側金型12の成形面13,14の記録再生領域成
形面13a,14aを反映した記録再生領域2aと、固
定側金型11及び可動側金型12の成形面13,14の
クランプ領域成形面13b,14bを反映したクランプ
領域2bが形成される。ここで、固定側金型11及び可
動側金型12の成形面13,14の記録再生領域成形面
13a,14a及びクランプ領域成形面13b,14b
は、上述したように、同一平面上に連続して形成され、
且つ、共に研磨加工が施されて面精度の向上が図られて
いるので、ディスク基板2の表面には、図10に示すよ
うに、良好な面精度を有する記録再生領域2a及びクラ
ンプ領域2bが同一平面上に連続して形成されることに
なる。具体的には、ディスク基板2の表面には、例え
ば、共に平均表面粗さRaが2nm以下の平滑な面が同
一平面上に連続して形成される。なお、図10は、ディ
スク基板2の表面の状態をAFMにより測定した結果を
示す図であり、横軸はディスク基板2の半径方向の距離
を示し、縦軸はディスク基板2の表面の高さ位置を示し
ている。
【0046】ところで、以上のように製造されたディス
ク基板2は、上述したように、信号記録領域2aに信号
記録部が形成され、磁気ディスク1とされる。そして、
この磁気ディスク1は、ディスク基板2のクランプ領域
2bが、記録及び/又は再生装置の備えるクランピング
機構により把持されて、記録及び/又は再生装置の備え
るディスク回転駆動機構により回転操作される。
【0047】このようにクランピング機構によりクラン
プ領域が把持され、ディスク回転駆動機構により回転操
作される磁気ディスクにおいては、クランプ領域の面精
度が悪く、このクランプ領域に突起や段差が形成されて
いると、回転操作に伴ってその姿勢が大きく変位し、大
きな面振れ等が生じてしまう場合がある。そして、磁気
ディスクに大きな面振れ等が生じると、浮上スライダが
信号記録部上を適切に浮上することができずに、信号の
記録特性が悪化すると共に、再生出力変動を生じさせて
ビットエラー発生の原因となる。また、磁気ディスク1
の変位量が大きく浮上スライダがこの磁気ディスク1の
変位に追従できないときは、浮上スライダと磁気ディス
ク1とが衝突してし、両者に損傷を与えてしまう場合も
ある。
【0048】しかしながら、本発明に係るディスク基板
2を用いた磁気ディスク1は、ディスク基板2のクラン
プ領域2bの面精度が良好なものとされており、クラン
プ領域2bに目立った突起や段差が形成されていないの
で、回転操作に伴ってその姿勢が大きく変位させ、大き
な面ふれを生じさせることはない。したがって、本発明
に係るディスク基板2を用いた磁気ディスク1は、良好
な記録再生特性を発揮することができると共に、浮上ス
ライダと衝突して破損するといった不都合を未然に回避
できる。
【0049】本発明に係るディスク基板2を用いた磁気
ディスク1を回転駆動機構により回転操作した際の面振
れ量と、従来のディスク基板を用いた磁気ディスクを回
転駆動機構により回転操作した際の面振れ量とをそれぞ
れ測定して比較した様子を図11に示す。なお、この図
11において、縦軸は回転操作に伴う面振れ量を示し、
横軸はクランピング機構によりクランプ領域をクランピ
ングする際の圧力を示している。この図11から、本発
明に係るディスク基板2を用いた磁気ディスク1は、従
来のディスク基板を用いた磁気ディスクに比べて、回転
操作に伴う面振れ量が減少していることが分かる。特
に、従来のディスク基板を用いた磁気ディスクにおいて
は、適切なクランピングを行うためにクランピング時の
圧力を大きくするに従って回転操作に伴う面振れ量が大
きくなっているのに対し、本発明に係るディスク基板2
を用いた磁気ディスク1は、クランピング時の圧力を大
きくしても回転操作に伴う面振れ量は殆ど変わらない
か、或いは、若干減少する傾向にあることが分かる。
【0050】以上のように、本発明に係るディスク基板
2を用いた磁気ディスク1は、回転操作に伴う大きな面
振れが生じないので、良好な記録再生特性を発揮するこ
とができると共に、浮上スライダと衝突して破損すると
いった不都合を未然に回避できる。また、この磁気ディ
スク1は、クランピング時の圧力を大きくしても回転操
作に伴う面振れ量が大きくなることはないので、適切に
クランピング動作を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るディスク基板は、クランプ
領域が信号記録領域と同一平面上に連続して形成され、
且つ、クランプ領域の平均表面粗さが信号記録領域の平
均表面粗さとほぼ等しくされているので、このディスク
基板を用いたディスク状記録媒体は、記録及び/又は再
生装置のクランピング機構によるクランピングが適切に
行われる。したがって、本発明に係るディスク基板を用
いたディスク状記録媒体は、クランプ不良に起因する回
転時の変位が抑制され、適切な記録再生が行われること
になる。
【0052】また、本発明に係るディスク基板の製造方
法によれば、クランプ領域が信号記録領域と同一平面上
に連続して形成され、且つ、クランプ領域の平均表面粗
さが信号記録領域の平均表面粗さとほぼ等しくされたデ
ィスク基板が製造される。そして、このディスク基板の
製造方法により製造されたディスク基板を用いてディス
ク状記録媒体を作製すれば、作製されたディスク状記録
媒体は、記録及び/又は再生装置のクランピング機構に
よるクランピングが適切に行われ、クランプ不良に起因
する回転時の変位が抑制されて、適切な記録再生が行わ
れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスクの要部断面図である。
【図2】本発明に係るディスク基板の平面図である。
【図3】金型装置の断面図である。
【図4】上記金型装置の要部を示す模式図である。
【図5】固定側金型と可動側金型との間にキャビティが
形成された状態を示す上記金型装置の断面図である。
【図6】上記キャビティ内に溶融された樹脂材料が充填
された状態を示す上記金型装置の断面図である。
【図7】上記ディスク基板の中心孔を打ち抜き形成した
状態を示す上記金型装置の断面図である。
【図8】上記キャビティが開放された状態を示す上記金
型装置の断面図である。
【図9】成形されたディスク基板が取り外された状態を
示す上記金型装置の断面図である。
【図10】本発明に係るディスク基板の表面の状態を示
す図である。
【図11】本発明に係るディスク基板を用いた磁気ディ
スクの回転操作に伴う面振れ量と従来のディスク基板を
用いた磁気ディスクの回転操作に伴う面振れ量とを比較
して示す図である。
【図12】従来のディスク基板の製造に用いられた金型
装置の要部を示す模式図である。
【図13】従来のディスク基板の表面の状態を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 磁気ディスク、2 ディスク基板、2a 信号記録
領域、2b クランプ領域、10 金型装置、11 固
定側金型、12 可動側金型、13,14 ディスク成
形面、13a,14a 記録再生領域成形面、13b,
14b クランプ領域成形面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料が射出成形によりディスク状に
    成形されてなるディスク基板であって、 信号記録部が形成される信号記録領域と、 上記信号記録領域と同一平面上に連続して形成され、記
    録及び/又は再生装置のクランピング機構により把持さ
    れるクランプ領域とを備え、 上記クランプ領域の平均表面粗さが上記信号記録領域の
    平均表面粗さとほぼ等しくされていることを特徴とする
    ディスク基板。
  2. 【請求項2】 上記クランプ領域の平均表面粗さが2n
    m以下とされていることを特徴とする請求項1記載のデ
    ィスク基板。
  3. 【請求項3】 樹脂材料を射出成形によりディスク状に
    成形し、信号記録部が形成される信号記録領域と記録及
    び/又は再生装置のクランピング機構により把持される
    クランプ領域とを備えるディスク基板を製造するに際
    し、 上記射出成形に用いる金型として、上記信号記録領域を
    成形する成形面と上記クランプ領域を成形する成形面と
    が同一平面上に連続し、且つ、上記信号記録領域を成形
    する成形面の平均表面粗さと上記クランプ領域を成形す
    る成形面の平均表面粗さとがほぼ等しくされた金型を用
    いることを特徴とするディスク基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記クランプ領域を成形する成形面の平
    均表面粗さが2nm以下とされていることを特徴とする
    請求項3記載のディスク基板の製造方法。
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