JP2000204270A - 反射性蓄光剤組成物 - Google Patents

反射性蓄光剤組成物

Info

Publication number
JP2000204270A
JP2000204270A JP708599A JP708599A JP2000204270A JP 2000204270 A JP2000204270 A JP 2000204270A JP 708599 A JP708599 A JP 708599A JP 708599 A JP708599 A JP 708599A JP 2000204270 A JP2000204270 A JP 2000204270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflective
agent
phosphorescent
adhesive
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP708599A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kakita
達男 柿田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP708599A priority Critical patent/JP2000204270A/ja
Publication of JP2000204270A publication Critical patent/JP2000204270A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残光機能と光反射機能を合せ持つ反射性蓄光
剤組成物、及び更に粘着剤、接着剤、塗料、インキ等に
配合した反射性蓄光剤組成物を提供する。 【解決手段】 蓄光剤を2乃至40重量%、直径若しく
は一辺の長さが1μm〜2mmの透明な反射材を5乃至
40重量%、及び透明なマトリックス用プラスチックか
らなる反射性蓄光剤組成物であり、更にこれを粘接着
剤、塗料又はインキに添加してなる反射性蓄光剤組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄光剤とガラスビ
ーズ等の反射材を含有し、残光機能と光反射機能を合せ
持つ反射性蓄光剤組成物、及び更に粘着剤、接着剤、塗
料、インキ等に配合した反射性蓄光剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蓄光塗料と呼ばれるものが知られ
ており、その塗膜を太陽光か電燈光で励起(刺激)する
と、夜間や暗所でも長時間発光する。この性質を利用し
て、電灯のスイッチ、目覚まし時計や腕時計の文字盤等
に応用されている。例えば、硫化亜鉛を母体結晶(host
crystal, matrix)とし、賦活剤(activator;または
発光中心(luminescence center)という。)として銅
を添加し、融剤を混ぜて焼成すると緑色光の残光性の著
しい蓄光体が得られ、上記用途に使用されている。しか
しながら、蓄光剤のみが添加された蓄光塗料を文字盤や
標識に塗布したものでは、夜間、蓄光塗料からの残光が
目に入る光量が十分でなく、特に、時間が経過すると残
光が弱まり、文字や模様等を暗所で識別することは困難
であった。
【0003】また、道路の反射標識、舗装材料等のよう
に、ガラスビーズのみを利用した各種の光反射機能を持
つ製品は、光が当たった時にしか光らず、殆ど残光機能
を有しなかった。また、光らせるためには電球、発光ダ
イオード等を内蔵しているが、当然蓄光性はない。この
ように、十分な蓄光機能と光反射機能を合せ持つ商品は
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蓄光
剤を使用し、蓄光剤からの光を有効に利用できるものを
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、蓄光剤の残
光とガラスビーズ等の光反射機能を合わせた機能を持た
せることにより、それぞれ個別の機能では考えられなか
った効果を確認でき、文字や模様もより明瞭に視認でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明の第1は、蓄光剤を2乃至
40重量%、直径若しくは一辺の長さが1μm〜2mm
の透明な反射材を5乃至40重量%、及び透明なマトリ
ックス用プラスチックからなる反射性蓄光剤組成物であ
る。本発明の第2は、本発明の第1の反射性蓄光剤組成
物を、粘着剤又は接着剤に添加してなる反射性蓄光剤組
成物である。本発明の第3は、本発明の第1に記載の反
射性蓄光剤組成物を、塗料又はインキに添加してなる反
射性蓄光剤組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の反射性蓄光剤組成物は、
少なくとも蓄光剤、反射材及びマトリックス用プラスチ
ックからなる。 (1)蓄光剤 蓄光剤としては、従来の無機及び/又は有機の蓄光剤が
使用できる(「蛍光体ハンドブック」蛍光体同学会編、
(オーム社)(1987年)参照)。蓄光剤は前述のよ
うに、通常、母体結晶とその中に分散させる付活剤から
なり、必要に応じて、焼成する際に有効な融剤(フラッ
クス)、増感剤、展色剤等が添加される。蓄光剤として
は、ZnS(母体結晶):Cu(付活剤)が市販されており、
300〜400nmの紫外〜可視光を数分間照射して、
波長520nmの発光が得られ、残光は数時間視認でき
る。 (Ca,Sr)S:Bi蓄光剤は、化学的に不安定であるが、蓄光
性に優れており、水分による変質を防止するなどして利
用されている。 SrAl2O4:Eu蓄光剤は、励起波長、発光波長ともにZnS系
に近いが、ZnS系よりも残光時間は5〜10倍長い。 (1.1)母体結晶 蓄光剤を構成する母体結晶には、無機の結晶が多く使用
され、硫化物、酸硫化物、酸化物、複酸化物などの白色
微結晶が使用される。母体結晶としては、入射光による
励起エネルギーを受取り、付活剤に伝達する効率が高い
こと、便用中の劣化の少ないこと、化学的に安定であ
り、塗料のような組成物に加工しやすいこと等が好まし
い。具体的には、硫化亜鉛、カルシウム−ストロンチウ
ム系の硫化物、アルミン酸ストロンチウムや前記「蛍光
体ハンドブック」や、蛍光体同学会講演予稿集第224
回(梅本、高橋他)、同第224回(綱谷、本田他)、
同第229回(森田政明他)、同第229回(佐藤、土
岐他)、同第230回(高木他)、同第248回(松
沢、竹内他)、同250回(小池他)等に記載されたも
のが挙げられる。母体材料は、不純物(この場合キラー
と呼ばれる。)としてFe、Co、Niなどの遷移金属を含む
と発光効率が著しく低下するので、硫化亜鉛などではこ
れらを数ppm以下とする必要がある。母体結晶には、有
機物も使用可能であり、具体的にはローダミン、エオシ
ンなどのケイ光染料、およびローダミンタングステート
などのケイ光顔料等が挙げられる。 (1.2)付活剤 蓄光剤を構成する付活剤は、母体結晶中に添加されて、
結晶中で励起エネルギーが最終的に光に変換される局所
的な発光中心を形成するものであり、発光中心は該付活
剤原子や格子欠陥などを中心として、その周辺を含めた
原子集団である。付活剤としては、具体的には、前記硫
化亜鉛に対してはマンガンまたは銅;カルシウム−スト
ロンチウム系の硫化物に対してはビスマス;アルミン酸
ストロンチウムに対してはユーロピウム;その他前記
「蛍光体ハンドブック」、蛍光体同学会講演予稿集等に
記載されたものが挙げられる。
【0008】(1.3)融剤 母体結晶と付活剤を混合し、焼成して一体化させるため
の、融剤としては従来のものが使用できる。
【0009】(1.4)展色剤 展色剤としては従来のものが使用可能であり、具体的に
はダンマル、塩化ゴム、セラック、塩化ビニル樹脂、メ
タクリル酸樹脂、アルキド樹脂ワニスなどが挙げられ
る。
【0010】(1.5)増感剤 必要に応じて使用される増感剤としては、他の付活剤が
挙げられる。上記付活剤に別種の付活剤を加えることに
より、エネルギーの授受の効率が高まる。しかしなが
ら、付活剤が不適当であったり、添加量が不適当である
と、逆に消光を起こすことがある。増感剤は、また、高
価な蓄光剤の添加量を減量させ得る効果を持つ。増感剤
の添加量は蓄光剤100重量%に対して1〜20重量
%、好ましくは2〜15重量%である。
【0011】(1.6)その他 その他の成分として、ラジウムやストロンチウム90な
どα線、β線など重い放射線を出す元素を微量に加え
て、太陽光やランプにより励起させないでも、自ら発光
するようにさせることもできる。
【0012】融剤等を添加された蓄光剤は、500〜
2,000℃、好ましくは900〜1,400℃で焼成
し、冷却、粉砕、分級、洗浄等を繰り返して製品とな
る。蓄光剤結晶粒径は、1〜100μm、好ましくは5
〜20μmである。上記範囲より小さくなり過ぎると輝
度が低下する。蓄光剤からの色光は、添加した付活剤に
より青、緑、黄、オレンジ、赤などが得られ、二色以上
混合して白色とすることもできる。また、可視光線下の
塗料色と励起のための光線下の発光色が一致しないこと
も生じる。
【0013】(2)反射材 本発明で使用される反射材としては、ガラス等の透明な
無機化合物又はプラスチックが挙げられる。反射材は結
晶でも非晶質でもよい。反射材の形状は球状、円柱状、
繊維状、鱗片状、板状、若しくは不定形であり、大きさ
は、相当径若しくは一辺の長さが1μm〜5mm、好ま
しくは、10μm〜2mm、特に好ましくは、50μm
〜1mmである。大きさがあまりに小さ過ぎると光が回
折したりして反射特に乱反射の効果が小さく、大きさが
大きすぎると発光に対して近傍に反射材が存在する割合
が不足して反射効率が低下する。このため、単なる樹脂
用充填剤としての微粉末シリカ等は粒径の小さすぎるも
のの割合が多すぎて適さない。反射材は透明度が高いも
のがよく、濁ったりしていなければ種々の色に着色して
いてもよい。反射材は中が密であっても、中空であって
もよい。反射材の屈折率は高いものがよく、屈折率が
1.3以上、好ましくは1.4以上、特に好ましくは
1.5以上のものである。具体的には、各種無機ガラ
ス、水晶、透明シリカ、透明アルミナ、シリカ・アルミ
ナ、シリカ・チタニア、シリカ・マグネシア、シリカ・
ジルコニア、コランダム、サファイア、ルビー、ジルコ
ニア、ダイヤモンド;有機ガラスとしてはメタクリル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン樹脂、メタクリル酸メチル−スチレ
ン樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、含硫ウレ
タン樹脂、及びこれらの混合物等、光学用、眼鏡用ガラ
スが挙げられる。
【0014】(3)マトリックス用プラスチック 蓄光剤、反射材は透明なマトリックス用プラスチック中
に分散され、蓄光剤からの光が近傍の反射材に反射さ
れ、蓄光剤からの発光が再び蓄光剤に吸収されたりして
減光することなく、効率よく外部に放射される。マトリ
ックス用プラスチックは、透明で濁りがなく、蓄光剤を
励起させるための外部からの光(太陽光やランプからの
光)が透過しやすいものがよく、さらには蓄光剤からの
発光を吸収しにくいものがよい。また、種々の色に着色
されていてもよい。マトリックス用プラスチックは熱可
塑性プラスチックでも、熱硬化性プラスチックでもよ
い。熱可塑性プラスチックとしては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリスチ
レン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレン系アイ
オノマー樹脂、エチレンビニルアルコールコポリマー、
エチレンアクリル酸エチルコポリマー、酢酸セルロース
樹脂、アクリルニトリルアクリルゴムスチレンコポリマ
ー、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル
ブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリ
エチレンスチレンコポリマー、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリアリレート、
ポリアセタール、ポリアミド、ポリウレタン、各種液晶
樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、
ポリフェニレンサルファイド、メタクリル樹脂、ポリメ
チルペンテン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、エチレ
ンプロピレンラバー、スチレン系エラストマー、アミド
系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、エチレンプ
ロピレンターポリマーが挙げられる。熱硬化性プラスチ
ックの種類としては、エポキシ樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂、ユリア樹脂、天然ゴムを含む各種架硫ゴム
が挙げられる。上記マトリックス用プラスチックには該
プラスチックに適する公知の各種樹脂添加剤を蓄光剤の
機能に妨害を与えない範囲内で添加することができる。
樹脂添加剤としては耐光安定剤、耐熱安定剤、難燃剤等
が挙げられる。
【0015】[反射性蓄光剤組成物]蓄光剤、反射材及び
マトリックス用プラスチックの比率は、この三者の組成
物全体を100重量%とした場合、蓄光剤2〜40重量
%、好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜2
0重量%、反射材1〜50重量%、好ましくは5〜40
重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
【0016】反射性蓄光剤組成物は、蓄光剤、反射材及
びマトリックス用プラスチックを混練して、射出成形
(二色成形及びサンドイッチ成形を含む。)、射出プレ
ス成形、シートスタンピング成形、ヒートプレス成形、
異形押出し成形(二層以上の押出し成形を含む。)、T
ダイ若しくは丸ダイ押出し成形(二層以上の押出し成形
を含む。)、ブロー成形(二層以上のブロー成形を含
む。)、カレンダー成形、回転成形、スラッシュ成形、
圧縮成形、注入成形又はディッピング成形など、使用す
るマトリックス用プラスチックに適した成形方法によ
り、各種成形品に加工される。
【0017】なお、高価な蓄光剤を2乃至40重量%添
加した材料から成形品又は製品を得る場合に、無駄な部
分まで高価な材料を使わずに生産コストを下げるため、
発光及び光反射部分の表層と、それらの機能のない裏層
部分に分ける二色成形、サンドイッチ成形、二層以上の
押出し成形、二層以上のブロー成形方法をとるのが一般
的である。
【0018】本発明の反射性蓄光剤組成物は、標準光源
200ルックスで飽和励起した後、暗所に放置した場合
における残光時間(残光輝度が人間の視認レベル0.3
2mcd/m2に減衰するまで要する時間)が3時間以
上、好ましくは5時間以上、特に好ましくは8時間以上
の性能を有する。なお、励起して残光輝度が飽和するま
での時間を飽和励起時間という。
【0019】[反射性蓄光剤含有粘着剤又は同接着剤]反
射性蓄光剤含有塗料又は同接着剤は、上記反射性蓄光剤
組成物および粘着剤又は接着剤を混合してなる。粘着剤
としては、公知のものが使用可能であり、各種のゴム
系、アクリル系のものが挙げられる。接着剤としては、
公知のものが使用可能であり、有機酸変性ポリオレフィ
ン、塩素化ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニルコポリ
マー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー及びエチレ
ン系アイオノマー樹脂の感熱接着剤、エポキシ樹脂系接
着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤等がある。
【0020】[反射性蓄光剤含有塗料又は同インキ]反射
性蓄光剤含有塗料又は同インキは、上記反射性蓄光剤組
成物を塗料又はインキに混合してなる。塗料の種類とし
ては、ウレタン系(1液及び2液タイプ)塗料、エポキ
シ樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、石油樹脂系塗料、
メラミン樹脂系塗料、ユリア樹脂系塗料が挙げられる。
インキとしては、各種インキ色剤のグリコール型、樹脂
型、ワックス型、ポリアミド型、ラバーベース型等があ
る。
【0021】上記反射性蓄光剤含有粘着剤、同接着剤、
同塗料又は同インキは、スプレー、刷毛、ロール、印刷
機等により、他の材料の上に塗布又は印刷することによ
り、各種製品を得ることができる。
【0022】反射性蓄光剤組成物の使用方法としては、
反射性蓄光剤組成物で肉厚の薄い成形品を製作後、粘着
加工、接着加工、架硫接着又は熱ラミネーションにより
他の材料に貼合したり、そのまま製品とする方法があ
る。
【0023】反射性蓄光剤組成物の別の使用方法として
は、反射性蓄光剤含有粘着剤又は同接着剤を各種基材に
塗布し、表面に透明フィルムまたはシートを貼合するこ
とにより、3層体のシートを得ることができる。また、
当該3層シートの裏面を粘着加工及び離型紙貼合するこ
とにより容易に必要な場所に設置可能な5層体のシート
を得ることができる。
【0024】反射性蓄光剤組成物の別の使用方法として
は、反射性蓄光剤含有塗料又は同インキを直接必要な場
所に塗布又は印刷する方法がある。
【0025】本発明の反射性蓄光剤組成物、反射性蓄光
剤含有粘着剤、同接着剤、同塗料又は同インキは、その
まま使用したり、成形したり、二次加工したり、接着し
たり、塗布したり、印刷したりすることにより、道路標
識、鉄道標識、案内板若しくは道路表示ペイント、盲人
用の白杖の外装、車椅子、自転車若しくはバイクのフェ
ンダー、自動車等の車両の外装、又は道路等工事作業者
の作業着やベルト等への貼合により、夜間における視認
性を向上させることに利用することができる。更に球
場、競技場、映画館、劇場公会堂、デパート等の公共又
は大衆が出入りする施設の夜間又は停電時の緊急避難用
表示や非常誘導用標識に応用し、安全性を高めることに
利用することができる。更に家庭における夜間又は停電
時の緊急避難用表示や非常誘導用標識、階段の滑り止め
等、電気のスィッチなど手探りで探す必要があるものに
応用し、安全性を高めることに利用することができる。
このようにすることにより、従来通電して表示していた
ものを、昼間に自然露光されるだけで、夜間に発光させ
ることができるために省エネルギーとなり、環境を守る
上で有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [実施例1]SrAl2O4:Eu蓄光剤粉末{融剤を加えて焼成し
たもの,根本特種化学(株)製のN夜光(ルミノーバ,
LUMINOVA)}15重量%、直径32μmの球状ガラスビ
ーズ15重量%及び酢酸ビニル濃度19%のエチレン酢
酸ビニルコポリマー(「EVA」という。)ペレット7
0重量%の割合でヘンシェルミキサーで混合し、さらに
この混合物100重量部に対して、耐候安定剤を0.3
重量部及び耐熱安定剤を0.1重量部を添加する。この
混合物を耐摩耗仕様の型締力350トンの射出成形機の
ホッパーに投入する。同成形機のシリンダーの温度を概
ね190℃に設定し、自動車の後部コーナーバンパーに
張るモールの金型を用いて厚さ3mm、幅50mm、全
長50cmの反射性蓄光剤入りモールを成形した。得ら
れた反射性蓄光剤入りモールの裏面に両面テープを貼
り、自動車の後部バンパーコーナーに張り付けた。昼
間、屋外に放置して光に当てた後、夜間、反射性蓄光剤
入りモールの残光状態を観察したところ、21時の時点
でも明るい残光を発しており、それに50m後方からハ
ロゲンランプ製自動車ヘッドライトビームをあてたとこ
ろ、道路標識と同等の反射光を確認した。同ヘッドライ
トビームを消したところ、反射性蓄光剤入りモールの残
光が明確であり視認性のあることを確認できた。
【0027】[実施例2]実施例1でEVAペレットに代
えて、低密度ポリエチレンパウダーを使用した他は、実
施例1と同様にして混合物を得た。この混合物を成形機
のホッパーに投入し、耐摩耗仕様の100mmφシート
押出成形機を使用して、シリンダー及びTダイの設定温
度約200℃で、幅600mm、厚さ0.7mmのシー
トを成形し、シートの片面をコロナ処理して長さ約10
mの反射性蓄光剤入りシートを得た。この反射性蓄光剤
入りシートのコロナ処理面に粘着剤層を設け、粘着剤層
の上に離型紙を貼合後、20mm幅にスリットして反射
性蓄光剤入りテープの巻物を得た。この反射性蓄光剤入
りテープの巻物を60cmの長さに切り、離型紙を剥が
し、公園の車両新入禁止柵の垂直面に貼った。反射性蓄
光剤入りテープを晴天時の13時から太陽光に曝露し
て、22時に確認したところ、残光は十分であった。ま
た、10mの距離から懐中電灯をあてたところ十分な反
射光を確認できた。
【0028】[実施例3]市販の二液性エポキシ系接着剤
の主剤液に実施例1と同一の蓄光剤粉末15重量%を混
合(以下「混合物A」という)し、別の容器で硬化剤液
に実施例1と同一のガラスビーズ15重量%を混合(以
下「混合物B」という)する。その後、混合物Aを混合
物Bの入った容器に移し、両者を素早く攪拌混合して反
射性蓄光剤含有塗料を得る。白色に塗装された金属板の
上に、上記反射性蓄光剤含有塗料を0.3乃至0.5m
mの厚さに塗布し、12時間程放置して硬化させ、反射
性蓄光剤塗入り装板を作製した。反射性蓄光剤入り塗装
板を屋外に放置し、12時から直射日光に曝露し続けた
ところ、22時に確認して、十分な残光を発していた。
また、30mの距離から自動車のヘッドライトを当てた
ところ、従来の道路標識よりも明るい反射光を得た。
【0029】[実施例4]市販の二液性エポキシ系接着剤
の主剤液に実施例1と同一の蓄光剤粉末15重量%を混
合(以下「混合物A」という)し、別の容器で硬化剤液
に実施例1と同一のガラスビーズ15重量%を混合(以
下「混合物B」という)する。その後、混合物Aを混合
物Bの入った容器に移し、両者を素早く攪拌混合して反
射性蓄光剤含有接着剤を得る。厚さ300μmのチタン
ホワイト含有白色PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムの上に、上記反射性蓄光剤含有接着剤を厚
さ700μmに塗布し、その上にさらに厚さ50μmの
透明PETフィルムを張り合わせた。このようにして得
られた3層シートに白色PETフィルムの面に厚さ10
0μmの両面テープを貼り、両面テープの反対側に厚さ
100μmの離型紙を貼り、反射性蓄光剤入り5層シー
トを得た。これを、縦20cm、横40cmの大きさに
切り、車庫の壁の4カ所に貼りつけた。昼間の自然光に
より励起され、夜間、残光が視認しやすく、自動車を車
庫に入れるときに、壁にこすったりぶつけたりすること
が防げる。
【0030】[実施例5]市販の二液性エポキシ系接着剤
の主剤液に実施例1と同一の蓄光剤粉末15重量%を混
合(以下「混合物A」という)し、別の容器で硬化剤液
に実施例1と同一のガラスビーズ15重量%を混合(以
下「混合物B」という)する。その後、混合物Aを混合
物Bの入った容器に移し、両者を素早く攪拌混合して反
射性蓄光剤含有塗料を得る。アスファルト道路上に白色
に塗られた道路標識塗装帯厚さ2mmの上に、上記反射
性蓄光剤含有塗料を厚さ3mmに塗布し、12時間程放
置して硬化させ、反射性蓄光剤塗入り装板を作製した。
日中、直射日光に曝露し続けたところ、22時に確認し
て、十分な残光を発していた。また、50mの距離から
自動車のヘッドライトにより、従来の道路標識塗装帯よ
りも明るい反射光を得た。
【0031】
【発明の効果】蓄光剤とガラスビーズを添加した組成物
は、従来にない残光と光反射の機能を合せ持つため、夜
間の視認性を必要とする用途にきわめて効果のある製品
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施例1の射出成形品の斜視図で
ある。図1(b)は図1(a)のa−a’断面図であ
る。
【図2】実施例4の5層シートの概念図である。
【図3】実施例5のアスファルト道路用標識塗装帯の断
面図である。
【符号の説明】 1 反射性蓄光剤入りモール 2 無色透明PETフィルム 3 反射性蓄光剤含有接着剤 4 白色PETシート 5 両面テープ 6 離型紙 8 反射性蓄光剤含有塗料 9 アスファルト道路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/22 C09D 5/22 7/12 7/12 Z Fターム(参考) 4J002 AA001 AB021 AC031 BB031 BB041 BB121 BB171 BB172 BB241 BC031 BC032 BC041 BC042 BC062 BD031 BD101 BG001 BG002 BN151 CB001 CF161 CG002 CH091 CK021 CL001 CN031 DE096 DE146 DE147 DG026 DJ007 DJ017 DL007 EL006 FD202 FD206 FD207 GH01 GJ01 GT00 4J038 EA011 EA012 HA066 HA216 HA246 HA356 HA446 HA486 KA15 KA20 NA19 PB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄光剤を2乃至40重量%、直径若しく
    は一辺の長さが1μm〜2mmの透明な反射材を5乃至
    40重量%、及び透明なマトリックス用プラスチックか
    らなる反射性蓄光剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の反射性蓄光剤組成物
    を、粘着剤又は接着剤に添加してなる反射性蓄光剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の反射性蓄光剤組成物
    を、塗料又はインキに添加してなる反射性蓄光剤組成
    物。
JP708599A 1999-01-13 1999-01-13 反射性蓄光剤組成物 Pending JP2000204270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP708599A JP2000204270A (ja) 1999-01-13 1999-01-13 反射性蓄光剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP708599A JP2000204270A (ja) 1999-01-13 1999-01-13 反射性蓄光剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000204270A true JP2000204270A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11656264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP708599A Pending JP2000204270A (ja) 1999-01-13 1999-01-13 反射性蓄光剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000204270A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011835A (ja) * 2000-06-27 2002-01-15 Nitto Denko Corp 蓄光性基材及び蓄光粘着テープ
JP2002125548A (ja) * 2000-10-31 2002-05-08 Toray Monofilament Co Ltd 釣 糸
JP2004059858A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Toray Ind Inc 蓄光性熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2004196916A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 弾性体及びそれを用いた動力伝達装置
JPWO2003057994A1 (ja) * 2001-12-28 2005-05-19 株式会社アベイラス 蓄光発光性道路標示材と道路構造
JP2006097443A (ja) * 2004-09-06 2006-04-13 Otsuka Ohmi Ceramics Co Ltd 蓄光性蛍光板及びその製造方法
JP2011021190A (ja) * 2010-08-16 2011-02-03 Nok Corp 発光性製品及びその製造方法
JP2014037484A (ja) * 2012-08-16 2014-02-27 Amakentecc:Kk 多色物品及び多色物品の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011835A (ja) * 2000-06-27 2002-01-15 Nitto Denko Corp 蓄光性基材及び蓄光粘着テープ
JP2002125548A (ja) * 2000-10-31 2002-05-08 Toray Monofilament Co Ltd 釣 糸
JPWO2003057994A1 (ja) * 2001-12-28 2005-05-19 株式会社アベイラス 蓄光発光性道路標示材と道路構造
JP2004059858A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Toray Ind Inc 蓄光性熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2004196916A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 弾性体及びそれを用いた動力伝達装置
JP2006097443A (ja) * 2004-09-06 2006-04-13 Otsuka Ohmi Ceramics Co Ltd 蓄光性蛍光板及びその製造方法
JP4587771B2 (ja) * 2004-09-06 2010-11-24 大塚オーミ陶業株式会社 蓄光性蛍光板及びその製造方法
JP2011021190A (ja) * 2010-08-16 2011-02-03 Nok Corp 発光性製品及びその製造方法
JP2014037484A (ja) * 2012-08-16 2014-02-27 Amakentecc:Kk 多色物品及び多色物品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9896020B2 (en) Vehicle lighting assembly
US10532691B2 (en) Lighting assembly including light strip, photoluminescent structure, and reflector and positioned on vehicle panel
US9849830B1 (en) Tailgate illumination
US10465879B2 (en) Vehicular light assemblies with LED-excited photoluminescent lightguide
US9802531B2 (en) Vehicle rear illumination
US9664354B1 (en) Illumination assembly
US10240737B2 (en) Vehicle light assembly
JPS60205501A (ja) 蓄光性を有する明彩色再帰反射シ−ト状物
US9845047B1 (en) Light system
CN107631266A (zh) 车辆照明组件
JP2004169362A (ja) 標識装置
JP2000204270A (ja) 反射性蓄光剤組成物
US9803822B1 (en) Vehicle illumination assembly
US9688189B1 (en) Illuminated license plate
US9593820B1 (en) Vehicle illumination system
KR100297383B1 (ko) 도로표지구용 축광반사지
JP2003151312A (ja) 装飾具及び車両用灯具
CN107042788B (zh) 车辆照明组件
US20180326899A1 (en) Illuminated hinge assembly
JP2725703B2 (ja) エレクトロルミネッセンス光源用フィルタ
JPH0315092A (ja) 蛍光体組成物及びそれを用いた表示装置
JP3578607B2 (ja) 発光式情報表示装置
US9914390B1 (en) Vehicle shade assembly
JP3504438B2 (ja) 夜光性再帰反射シート
JPH11236524A (ja) 蓄光インキ組成物及び蓄光体