JP2000193221A - 耐熱耐食性保護管 - Google Patents

耐熱耐食性保護管

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JP2000193221A
JP2000193221A JP10371725A JP37172598A JP2000193221A JP 2000193221 A JP2000193221 A JP 2000193221A JP 10371725 A JP10371725 A JP 10371725A JP 37172598 A JP37172598 A JP 37172598A JP 2000193221 A JP2000193221 A JP 2000193221A
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tube
heater
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resistant
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Shinichi Yamaguchi
新一 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴミ焼却灰溶融炉等の保護管において、保護管
取り替えの作業を容易に行う。 【解決手段】ゴミ焼却灰溶融炉等の保護管に耐熱耐食性
に優れたバ−を保護管開放口に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ焼却灰溶融炉
等の溶融炉において、ヒーターやセンサー等を保護する
ための保護管に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭、会社から捨てられたゴミは地方自
治体の焼却炉で燃やされ、その未燃分の焼却灰及び排煙
に含まれる飛灰(含有元素;Si、Al、Fe、Ca、
Mg、K、Mn、Cl、Na、S)には、重金属成分や
ダイオキシン、フラン等の有毒汚染物質が含まれてい
る。
【0003】これまでは、地方自治体の焼却炉で燃やさ
れた後の未燃分の焼却灰は、最終処分場にそのまま埋め
られていたが、立地条件も厳しくなり、場所の確保が難
しくなっており、加えて、ダイオキシンやフラン等の有
害汚染物質の無害化は法律や条例でかなり厳しく規制さ
れつつあるため、焼却灰、飛灰を回収しこれを再溶融す
ることにより有害汚染物質を無害化する溶融炉の必要性
は年々高まっている。
【0004】焼却炉で燃やされた後の未燃分の焼却灰
は、高温加熱処理でスラグ化すれば、焼却灰の1/2〜
1/10程度にその体積を小さくすることができ,ダイ
オキシン等の有害汚染物質を高熱により分解し無害化で
きる等の理由により、この溶融炉での高温加熱処理法が
有望視されているのである。
【0005】溶融炉での加熱処理の代表例を図2に示
す。まず、溶融炉12内に焼却灰11を入れ、電熱源で
あるヒーター2で1300〜1600℃に加熱すると、
焼却灰11が溶融して含有している金属元素13は蒸発
する。この金属元素13を取り出して冷却装置(不図
示)で急冷し凝縮させて微粒子とし、これをフィルタ等
15で回収して金属濃縮物16を回収する。一方ダイオ
キシンやフランなどの有毒汚染物質は熱破壊され、無害
化されたガス17はガス処理装置を経て大気中に放出さ
れる。また、溶融炉12内の残存物はスラグ(ガラス)
状顆粒18として取り出され、有効利用または最終処分
されるようになっている。
【0006】この溶融炉12には、ヒーター2と温度管
理のための熱電対3が必要であるが、溶融した焼却灰1
1は溶融炉12内で溶融スラグ、溶融塩、あるいはその
蒸気成分として存在するため、これらの物質からヒータ
ー2及び熱電対3を保護する必要がある。
【0007】そこで、耐熱性・耐食性に優れたセラミッ
クス製の保護管1で、加熱用ヒーター2や熱電対3を覆
うことが行われている。上記保護管1の材質としては、
例えば特開昭51−71312号公報に示されるよう
に、MgO−ZrSiO2 −Al2 3 の複合セラミッ
クスが使用されている。また発明者らは、MgO−Al
2 3 の複合セラミックスをこれまでに提案して来てい
る。また、形状としては本公報にも示しているように、
保護管先端を片側封止した形状が一般的に広く用いられ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ゴミ焼却に
より発生する灰を加熱処理する際、灰に含まれるCd、
Pd、Zn等の金属元素類やダイオキシン、フラン等の
有害汚染物質を分解するため、電熱により1300〜1
600℃で加熱溶融処理を行い無害化するが、溶融炉1
2で使用する保護管1は、焼却灰11が溶けてできる溶
融塩、溶融スラグ、あるいは蒸気等にさらされることに
なる。そのためこれら成分中のSi、Al、Fe、C
a、Naは保護管1を成すセラミックス及び炉材中に徐
々に侵入・浸食し、次第にセラミックス及び炉材が変質
し、強度劣化を起こすことからクラックを生じたり、破
損が生じやすくなったり、部分的に溶融するなどして、
長期にわたり使用できるものではなかった。また、保護
管を保持する炉材(例えば図3の4aなど)が腐食や熱
的影響で変形すると保護管保持部に大きな応力がかか
り、保護管保持部が変形したりクラックが生じる場合が
あった。保護管にクラックや破損が生じると、保護管内
部に腐食性ガスが侵入し、ヒーターを腐食する。ヒータ
ーは例えば二珪化モリブデンの様な導電性金属成分より
形成されているが、保護管に使用しているセラミックス
材などに比べると、腐食性ガスに対し容易に侵食され、
ヒーター材は変質し折損を起こす。通常電熱式加熱溶融
炉には複数本のヒーターが設置されているが、全体ヒー
ター数の半数以上のヒーターが折損を起こすと、灰溶融
に必要な熱量を発生できなくなるので、溶融炉は一旦停
止を余儀なくされ、停止後にヒーターと保護管の新規品
と交換し再稼動するしかない。一旦溶融炉を停止させる
と、ヒーター保護管以外の周辺炉材等も全て新規品と交
換しなければならない場合が多く、炉の解体から築炉を
やり直す必要があるため多大な改修費用がかかる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
不具合が発生した保護管およヒーターを即時に取り替
え、溶融炉運転を長期間に渡って実現させるための手段
を提供することを目的としている。
【0010】本発明は、セラミックス保護管の開放口付
近にバーを設けて、運転途中でもフック付きクレーン等
を使い、保護管破損や溶損が起こりヒーター折損してし
まった箇所の保護管を取り替えができる構造とした。バ
ーを保護管に取り付ける方法としては、まず保護管側に
取り付け用貫通穴を明け、そこにバーを挿入し隙間に無
機系接着剤を充填する。
【0011】また、バー両端を保護管外表面から若干突
出させておけば、保護管保持部の半径方向強度が向上す
るので、保護管を保持している炉材変形時の保護管変形
・クラック防止になる。加えて、炉材から保護管を引き
抜く際、バー端面と炉材が接触し、保護管外表面は炉材
に直接接触しない為、引き抜きの際の接触抵抗力を小さ
くし、交換作業を容易にすることができる。
【0012】またバー材質としては保護管材質と熱膨張
係数を概略合致させる必要があり、±10%程度の範囲
内に抑える必要がある。この熱膨張係数を合致させない
と、バーや取り付け部にクラックが発生したり、保護管
取り付け穴とバーの間に隙間を生じ腐食性ガスが保護管
内部へ侵入しヒーター腐食・破損の不具合が起こりう
る。さらにバー材の材料強度は、取り替えの際保護管重
量がかかり、さらに炉材と保護管側面部の接触抵抗力が
かかるため高強度材料であることが必要なため、温度1
300℃での曲げ強度は250MPa以上とすることが
好ましい。
【0013】さらに、バーの表面は焼き肌であることが
好ましい。これは、バーとして用いる材料の表面状態を
色々変化させて、耐食性との関係を検討した結果、研削
加工面やラップ加工面より無加工で焼き肌面をバーの表
面として用いた方が耐食性は優れることを発見し、バー
の表面には焼き肌面を採用した。焼き肌面が加工面に比
べ耐食性良好となる理由は、以下の通りである。
【0014】a.セラミックス焼き肌面のボイドは、内
部より少ない。つまり、ボイドが存在すると、腐食成分
がボイドよりセラミックス磁器中に侵入するが、スラグ
またはスラグ蒸発ガス接触面にセラミックスの焼き肌を
残した方が、ボイドは少なく、腐食成分侵入を最小限に
抑えることができる。加工をして、焼き肌面を除去する
と、セラミツク磁器中のボイドが表面に露出し、耐食性
は悪化する。
【0015】b.セラミックス結晶粒径は、大きい程耐
食性は向上する。酸化物系セラミックスでは、セラミッ
クス磁器表面ほど粒径が大きく、内部は表面に比べ相対
的に粒径は小さくなる。つまり、セラミックス焼き肌面
を保護管外側表面とすれば、結晶粒径最大の面がスラグ
またはスラグ蒸発ガス接触面となり、耐食性に有利とな
る。
【0016】c.研削加工やラップ加工をセラミツクス
に施すと、セラミックス磁器表面はダメージを受け、極
微細なマイクロクラックが発生する。加工面をスラグま
たはスラグ蒸発ガス接触面に用いると、腐食成分はマイ
クロクラックより容易にセラミック磁器中に侵入し易く
なる。
【0017】焼き肌面をバーの表面に採用すると、従来
行われている研削加工、ラップ加工等の機械加工が省略
でき、加工工程を簡略化できるため、より安く製作でき
るメリットが生まれる。なお、焼き肌面となる面には、
より大きな結晶をより大きく発達させ、これを保護管表
面に露出させるため、セラミック材料完全緻密化温度よ
り高めの温度で焼成した方が良く、好適には、セラミツ
ク材料完全緻密化温度より50℃〜100℃ 以上の温
度で2時間以上保持して焼成することが望ましい。この
様にして得られた本発明の耐食耐熱性保護管の外表面に
は、10〜20μm以上の大きな結晶で構成され、ノー
ボイドの表面状態となつている。
【0018】さらに、本発明のバーの材料はアルミナで
形成したことを特徴としている。つまり、Al2 3
結晶相を有するセラミックスにより形成したことを特徴
とする。
【0019】即ち、本発明は、耐熱耐食性保護管を成す
セラミックスとして、種々検討を行った結果、Al2
3 を用いれば良いことを見出した。例えば、SiC、S
34 等を主成分とする非酸化物セラミックスでは、
酸化雰囲気中(大気中)1500℃以上の温度に曝す
と、Si・Ca成分や希土類元素などの焼結助剤成分が
ガラス化して分解をはじめ、変質するため耐熱性が悪
く、保護管材料のみならずバー材料としても不適当であ
る。一方酸化物セラミックスでもZrO2 を主成分とす
るセラミックスでは、高純度原料を使用しても、150
0℃以上の高温に曝されると相変態を起こして強度劣化
を生じることから、前記同様不適当である。またMgO
は、特定の条件下では、耐熱性・耐食性ともに優れてい
るが、雰囲気中や灰分中に微量な水分が存在すると、こ
れと激しく反応を起こし、水酸化マグネシウムを形成
し、耐食性が著しく悪化するため、実質的に水分が存在
する溶融炉ではバー材料として不適当である。MgOス
ピネル は耐熱性・耐食性には問題ないが、強度が低く
バー材料としては適当でない。これに対してAl2 3
は、融点が2000℃以上と極めて高く、1500〜1
600℃の高温中でも安定した耐熱性・耐食性を有して
おり、高温強度も高くバー材料として最適な材料であ
る。
【0020】溶融炉において、灰成分中のSi、Al、
Fe、Ca、Na等の浸食元素はバー材料を成すセラミ
ックス中の結晶粒界中に浸食してセラミックスを腐食し
変質させる。そのためにはAl2 3 純度99.9重量
%以上であることが必要で、SiO2 、CaO、Na2
O、Fe2 3 などの不純物成分を0.1重量%以下に
留めることが好ましい。なお、不純物成分を0.1重量
%以下とするためには、予め高純度のAl2 3 の一次
原料を使用するとともに、製造工程において不純物の混
入を防止すれば良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明す
る。
【0022】図1に示すように、本発明の保護管1は、
先端の閉じた管状体であり、保護管開口部にバー6を設
置した構造をしている。この保護管1は図2に示すよう
に、ゴミ焼却灰溶融炉の溶融炉用12中にヒーター2や
熱電対などのセンサー3を覆うように設置し、腐食成分
を多く含んだ炉内ガスからヒーターや熱電対を保護する
ことができる。また、この保護管1を使用する場合は、
図3に示すように、炉材4a〜4cに設置し、ヒータ2
を配置して、さらに炉材5a〜5cで覆うようにする。
【0023】特に本発明の保護管1は、相対的に腐食度
合いの大きい保護管底部に貫通孔が生じ、ヒーターやセ
ンサーが損傷を受けた際、新規ヒーターやセンサーおよ
び保護管1と取り替えるため、バー6を使って貫通孔が
発生した保護管1を取り外し、新しいものと交換するこ
とを可能とした。
【0024】また、バー6を備える事により保護管取り
付け部の炉材4aが変形して、保護管1側に応力がかか
った際の抵抗となり、保護管1の変形またはクラック発
生防止に寄与する。さらに、バー6の端面を保護管1の
外側表面より若干突出させ凸状態にすれば、バー6端面
と炉材4aが接触することになり、保護管1を取り替え
する時の引き抜き、挿入の際、接触面積を小さくでき、
摩擦抵抗力を小さくできるので、作業が容易となる。
【0025】バー6の形状は図1に示す通りの円柱形状
であるが、これに限らず、三角柱や四角柱などの多角体
断面形状や楕円断面形状をしたバー6でも構わない。さ
らに本発明のバー6は、一本のみで使ったり二本以上を
様々な組み合わせにより使用しても良く、両端支持に限
定せず、場合によっては片持ち支持としても良い。
【0026】又、バ−6のアスペクト比は0.03〜
0.1とし、バー6の端部は、保護管1の外表面より
0.3〜10mm突出させたものが良い。
【0027】但し、作製できるバ−の形状はφ10×2
60L以下が好ましい。これはφ10以上で260Lを
超えるバ−を作製した場合、作製が困難であり量産化が
難しい為である。
【0028】尚、バ−の設置については、保護管1内の
ヒーター等に接触しない様に設置することが前提であ
る。
【0029】具体的な保護管1の取り替え方法は、図3
においてヒーター折損が生じてしまった箇所の加熱用ヒ
ーター2とこれを絶縁・保持している炉材5a、5b、
5cを先に取り外した後、保護管1に設置されたバー6
にクレーン等のフックを掛け、溶損や破損を生じた保護
管を引き抜き、次に新規保護管とヒーター及びその絶縁
・保持炉材をセットすれば良く、必要な電気関連配線は
その後行う。
【0030】又、本発明の保護管1は、上述したゴミ焼
却灰の溶融炉12に限らず、金属溶融炉、高炉等のさま
ざまな溶融炉において、ヒーターや各種センサー等を保
護するための保護管として用いることができる。また、
保護管以外にもセラミックス磁器の平均結晶粒径や気孔
率などを適切に調整して、各種炉壁材や保持具材等耐熱
性・耐食性を要求されるさまざまな部位に用いることが
できる。
【0031】
【実施例】実施例1 ゴミ焼却灰溶融炉内環境を想定し、様々なセラミックス
材料を製作し、ゴミ焼却灰との反応試験を行った。
【0032】まずゴミ焼却灰として、成分がAl、C
a、Mg、Na、K、Zn、Pb、Si、Fe、Cl等
からなる灰を焼却炉より回収し、乾式加圧成形機により
直径12mm×1mmで重さ0.3gのタブレットを作
製した。
【0033】次に、表1に示す各種セラミックスで直径
30mm×10mmのタブレット試験片を乾式加圧成形
の後、1500℃以上の温度で適正雰囲気中にて焼成し
作製した。各試験片には焼却灰タブレットを入れるため
の座繰り穴(直径13mm×深さ1mm)を予め形成し
ておいた。各種セラミックスの特性値は以下の方法によ
り測定した。
【0034】結晶相はX線回折装置を用い、条件は、C
uの管球を用いて電圧50kV、電流200mAとし、
測定範囲は2θ=10゜〜90゜でフルスケール3×1
4〜10×104 cpsとして分析した。不純物はI
CP分析により、SiO2 、CaO、Na2 O、Fe2
3 成分について、定量分析を行った。
【0035】結晶粒径は破断面のSEM写真を500倍
〜1000倍程度で撮影し、この写真からコード法を用
いて測定した。嵩比重、気孔率、曲げ強度はJIS法に
基づいて試験・測定した。
【0036】反応試験は、それぞれのセラミックス試験
片の座繰り穴に灰タブレットを置き、大 気中1550
℃で50時間の熱処理を加えた。
【0037】その後、各試験片について外観を目視で観
察し、溶融あるいはクラックの有無を調べた。また、各
試験片を切断し研磨した断面について、SEM(50倍
〜200倍程度)でクラックの有無を調べ、波長分散型
EPMA分析装置で、加速電圧15kV、プローブ電流
2.0×10-7Aで、Si、Ca、Na、の各元素の検
出を行いマッピング形式で出力した後、これら元素の拡
散深さ(反応層)を調べた。
【0038】これらの結果は、表1に示す通りである。
なお表中において、クラック、溶融、反応層があるもの
は×、無いものは○で示した。また強度が250MPa
に満たないものも×とした。
【0039】
【表1】
【0040】上記表の結果から、SiC、Si3 4
ZrO2 では溶融またはクラックが発生していることか
ら、バー材料としては不適当であることが確認された。
【0041】また、MgOスピネルは溶融クラックおよ
び反応層には問題ないが、強度が低いため不適当であ
る。これに対してAl2 3 では、溶融・クラックの発
生は無く、灰成分との反応層も認めらずさらに強度にも
問題ないことから、バー材料として問題なく使用できる
ことがわかる。
【0042】実施例2 本発明実施例として表1中のNo.2のセラミックスに
ついて、灰タブレットと接触するセラミックス試験片の
表面状態を、焼き肌、研削加工面、ラツプ加工面と各々
3種類ずつ準備し、セラミックス表面状態と耐熱耐食性
の関係を調べるため、それぞれの試験片を実施例1と同
様な方法で熱処理して、クラック、溶融、Ca元素の拡
散深さ(反応層)を調べた。結果を表2に示す。
【0043】表中加工欄の無しとは、焼成後機械加工な
しのそのままの状態のもの、研削とは、番手#140の
ダイヤモンド砥石で焼き肌面より約0.3mm研削加工
したもの、ラップとは、上記研削加工の後、アルミナ定
盤上で平均粒径10μmのGC砥粒を使い粗ラップをし
た後、仕上げラップとして錫製定盤上で平均粒径1μm
のダイヤモンド砥粒を使い、合計約50μmラップピン
グ加工を施したことを示している。形状は実施例1と同
様にした。また、反応層の判定方法としては、セラミッ
ク表面より0.3mm以上のCa元素拡散が認められた
ものは×、0.3mm以下の拡散は○で表示した。
【0044】表2の如く、セラミツクス表面状態は、加
工無し(焼き肌面)が最も耐食性が高いことが分かっ
た。
【0045】
【表2】
【0046】実施例3 アルミナ材料でバーを製作し、これを保護管に取り付
け、試験装置で運転中に保護管取り替え作業を実施し、
バーの使用可否の確認をした。バーの種類としては、純
度、高温強度、クリープ性の異なる数種材料をφ10×
180Lに製作し、これを外径φ180×φ160×8
00L保護管の開口端側に取り付けた。取り付けは保護
管にバー取り付け穴を開け、その穴中にバーを挿入しア
ルミナ系接着剤で固定した。溶融炉はヒーター加熱方式
で、炉内温度は1300℃である。
【0047】表中の高温強度は、3×4×45形状の試
験片を製作し、1300℃で三点曲げを評価した。歪み
量は、1300℃中で同形状の試験片中央に1.5kg
f/mm2 の荷重をかけ、100時間保持した後の歪み
量が100μm以上のものを×、100μm未満のもの
を○として表示した。また、交換作業項目中の○は交換
作業OKを示し、×は、交換作業中バーが折損したり変
形したため、交換作業ができなかったことを意味してい
る。
【0048】純度99.9%以上のアルミナをバー材料
として使用すれば、1300℃で260MPa以上の高
温強度を確保でき、交換作業は問題なくできることを確
認した。
【0049】
【表3】
【0050】実施例4 本発明実施例として、バー表面を焼き肌面とした表2中
No.3−1の仕様で製作し保護管開口部付近にセット
したものを実炉に組み込み、実機で比較試験を実施し
た。保護管本体材質はAl2 3 として、外径100〜
250mm、内径80〜230mm、肉厚tが10m
m、長さ800mmの図1に示すバー付き保護管を製作
した。この時バー長さは、0〜11mm保護管外側表面
から突出するように長さを100〜260mmに調整し
て取り付けた。
【0051】また、評価項目中の○は交換作業OKを示
し、×は、交換作業中バーが折損したり変形したため、
交換作業ができなかったことを意味している。実機試験
は図2に示すゴミ焼却灰溶融炉12で行った。結果を表
4、表5に示す。
【0052】表4の様にNo1、2、4〜9はアスペク
ト比0.03〜0.15であった為、保護管自身の半径
方向応力に対する抵抗力が大きくなり、保護管を保持す
る炉材変形により保護管に応力がかかった際、保護管変
形・クラックの防止することが出来、保護管の交換を容
易にすることが出来た。No3はアスペクト比0.02
である為に引き抜く際に応力がバ−に集中し破損した。
【0053】表5の様にNo2〜5は0.3〜10mm
であった為、炉材(図3 4a)と保護管が密着してい
ない為、保護管外表面と炉材との接触面積が小さくな
り、摩擦抵抗力が小さくでき、容易に交換作業が行え
た。No1は炉材と保護管が密着していた為、保護管外
表面と炉材との接触面積が大きくくなり、摩擦抵抗力が
大きくなり、交換作業が困難であった。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【発明の効果】以上のようにバーを備えた保護管を用い
れば、耐熱耐食性を兼ね備え、保護管自身の半径方向応
力に対する抵抗力が大きくなるので、保護管を保持する
炉材変形により保護管に応力がかかった際、保護管変形
・クラックの防止ができる。
【0057】また運転中の取り替え作業が実施可能であ
ることから、新規保護管に取り替えながら炉の連続運転
が可能であるため、長期間良好に使用することができ
る。また、バーを保護管外表面に若干突出させた場合、
保護管外表面と炉材との接触面積が小さくなり、摩擦力
が軽減される為、交換作業を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱耐食性保護管を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の耐熱耐食性保護管を用いたゴミ焼却灰
溶融炉を示す概略図である。
【図3】本発明の耐熱耐食性保護管の設置状況を示す断
面図である。
【符号の説明】
1・・保護管 2・・ヒーター 3・・熱電対 4・・炉材 5・・炉材 6・・バ− 11・・焼却灰 12・・溶融炉 13・・金属元素 14・・フィルタ− 15・・金属濃縮物 16・・ガス 17・・スラグ状顆粒

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒータやセンサー等を保護するための片側
    を封止したセラミックス製の保護管であって、開放口近
    傍の内側にバーを備えたことを特徴とする耐熱耐食性保
    護管。
  2. 【請求項2】上記バーが、アスペクト比0.03〜0.
    1であり、かつ保護管外表面に0.3〜10mm突出し
    ていることを特徴とする請求項1記載の耐熱耐食性保護
    管。
  3. 【請求項3】上記バーが、保護管の熱膨張係数の±10
    %の範囲内の熱膨脹係数を有し、強度が大気中1300
    ℃で250MPa以上であることを特徴とする請求項1
    記載の耐熱耐食性保護管。
  4. 【請求項4】上記バーの表面が焼き肌面からなることを
    特徴とする請求項1記載の耐熱耐食性保護管。
  5. 【請求項5】上記バーがAl2 3 含有量99.9重量
    %以上のセラミックスから成ることを特徴とする請求項
    1記載の耐熱耐食性保護管。
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