JP2000178835A - 気相成長炭素繊維製造装置 - Google Patents

気相成長炭素繊維製造装置

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JP2000178835A
JP2000178835A JP10353629A JP35362998A JP2000178835A JP 2000178835 A JP2000178835 A JP 2000178835A JP 10353629 A JP10353629 A JP 10353629A JP 35362998 A JP35362998 A JP 35362998A JP 2000178835 A JP2000178835 A JP 2000178835A
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tube
vertical core
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉心管における低温部で蜘蛛の巣
状の繊維が付着することにより気相成長炭素繊維製造の
トラブルのない製造装置の提供。 【解決手段】 炉心管の下部に繊維除去手段を設
けてなる気相成長炭素繊維連続製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は気相成長炭素繊維
製造装置に関し、更に詳しくは、反応管内壁に生じる繊
維状物を除去することにより繊維状物による反応管内の
閉塞を防止し、もって連続的、且つ効率的気相成長炭素
繊維を製造することのできる気相成長炭素繊維製造装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、気相成長炭素繊維を製造する装置
として縦型炉心管を有する製造装置が知られている。 【0003】この製造装置は、縦型炉心管の上部に、キ
ャリヤーガス、触媒となる金属を含有する有機金属化合
物および炭素源となる炭化水素をガス状にして縦型炉心
管内に導入する原料供給手段と、前記原料供給手段によ
り供給されるガスが整流となって前記縦型炉心管内を下
降流通させるガス整流手段と、前記縦型炉心管を囲繞す
るように配置され、前記縦型炉心管の内部を加熱する加
熱手段とを有する。 【0004】従来のこのような製造装置にあっては、加
熱手段で加熱されている縦型炉心管内に有機金属化合物
のガスと炭化水素のガスとがキャリヤーガスと共に導入
される。導入されたガスはガス整流手段により整流とな
って縦型炉心管内を流通する。加熱された炉心管内に導
入された有機金属化合物が分解して触媒金属が生成する
と共に炭素源も分解し、炭素繊維が生成する。生成する
炭素繊維が整流に乗って縦型炉心管内を下降する。下降
する炭素繊維は、キャリヤーガスと共に縦型炉心管の下
端開口部を経由して炭素繊維収集手段(例えば炭素繊維
収集槽、収集箱、捕集箱などと称されている。)に落下
する。 【0005】しかしながら、このような構造を有する製
造装置においては以下のような問題があった。 【0006】すなわち、縦型炉心管内は気相成長炭素繊
維が生成し、長さ成長するに充分な高温度領域と、成長
した気相成長炭素繊維が通過するだけの低温度領域とに
大まかにわけることができるのであるが、その低温度領
域における縦型炉心管の内壁に繊維状物が付着するとい
う問題がある。 【0007】大まかな表現をすると、以下のようであ
る。高温度領域においては縦型炉心管の内壁に繊維状物
が形成されることがないのであるが、高温度領域を通過
したガスが低温度領域に到ると、低温度領域の管壁面に
繊維状物が形成される。一旦繊維状物が管壁面に形成さ
れると、上部から落下してくる気相成長炭素繊維がその
上に堆積し、堆積物が反応領域に迄達し、繊維表面に熱
分解炭素が析出して太さ成長を起こして、生成物が不均
一になると共に、反応管が閉塞してしまう。 【0008】そこで、従来、低温度領域で発生する繊維
状物を除去する手段として、例えば、炉内に耐熱セラミ
ックスの球を入れて炉を回転させる機構、或いは、間欠
的に炉壁に付着した繊維状物を除去するための、ヘラや
熊手のような形状をした各種の掻き落とし手段等が提案
されている。 【0009】耐熱セラミックスの球を用いる手段におい
ては、縦型炉心管中を流通するガスの流線が乱されるの
みならず、この耐熱セラミックスの球に付着した繊維が
太さ成長してしまうことにより気相成長炭素繊維の特性
が劣化する。つまり、結晶性が高くて中空形状をした気
相成長炭素繊維を効率よく製造することができなくなる
という問題がある。 【0010】前記掻き落とし手段を用いる場合、掻き落
とし手段を間欠的に動作実行させるので、炉壁に付着し
た繊維が太さ成長してしまい、また気相成長炭素繊維が
生成する部位に掻き落とし手段を常駐させると、ガスの
流線が乱されてしまってかえって壁面への繊維状物の付
着量を増加させてしまうという問題がある。 【0011】したがって、従来の製造装置においては、
縦型炉心管の内部に付着する炭素繊維等を除去する操作
を、定期的に、例えば数分毎に実施する必要があり、し
たがって、その度に製造装置を停止させなければならな
いから、炭素繊維の効率的な連続製造に支障を来してい
た。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、縦
型炉心管の下方が炭素繊維で閉塞されることがなく、し
たがって、効率的に連続生産を実現することができ、し
かも装置全体が大型化することのない気相成長炭素繊維
製造装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明に係る気相成長炭素繊維製造装置は、軸線に
直交する方向における内部断面形状が軸線方向に沿って
同じに形成されてなる縦型炉心管と、この縦型炉心管の
内部を加熱することができるようにこの縦型炉心管を囲
繞する加熱手段と、前記縦型炉心管の頂部に配置され、
この縦型炉心管内に、キャリヤガス、触媒として機能す
る有機金属化合物及び炭素源ガスを供給する原料供給手
段と、前記原料供給手段から供給されるガスの流れを整
流するガス整流手段と、前記縦型炉心管の下部に設けら
れたところの、縦型炉心管の内壁に沿って回転移動しつ
つ、内壁に発生する繊維状物を捕集する繊維除去手段と
を有することを特徴とし、好適な態様である気相成長炭
素繊維製造装置においては、前記縦型炉心管の下部が、
縦型炉心管の軸線に直交する平面における縦型炉心管の
内部断面積が下方に向かうにつれて減少するように形成
されてなる縮径部である。 【0014】 【発明の実施の形態】この発明に係る気相成長炭素繊維
製造装置は、軸線に直交する方向における内部断面形状
が軸線方向に沿って同じに形成されてなる、例えば円筒
状或いは角筒状の縦型炉心管を有する。 【0015】この縦型炉心管は、原料供給手段によりキ
ャリヤーガスと共に縦型炉心管の内部に供給された有機
金属化合物と炭素源ガスとを熱分解させて上部から下部
へと移行する間に気相成長炭素繊維を成長させる反応管
としての機能を有する。 【0016】ここで、有機金属化合物は、熱分解により
触媒となる金属を発生させる触媒源であれば特に制限が
ない。使用可能な有機金属化合物としては、特開昭60
−54998号公報の第3頁左上欄第9行〜同頁右上欄
最下行に記載の有機遷移金属化合物、特開平9−324
325号公報の段落番号[0059]に記載された有機
遷移金属化合物、特開平9−78360号公報の段落番
号[0049]に記載された有機遷移金属化合物等を挙
げることができる。有機金属化合物の中でも、好適例と
してフェロセン、鉄カルボニル等を挙げることができ
る。 【0017】また、助触媒として、前記触媒源から発生
する触媒金属と相互作用して競う成長炭素繊維の生成を
促進することのできるものであれば良く、特開平9−7
8360号公報の段落番号[0051]、並びに特開平
9−324325号公報の段落番号[0061]に記載
された含硫黄複素環式化合物及び硫黄化合物を制限なく
使用することができる。好適な助触媒として、硫黄化合
物特にチオフェン及び硫化水素等を挙げることができ
る。 【0018】炭素源ガスは、熱分解により炭素を発生さ
せて炭素繊維を生成させることができる化合物であれば
特に制限がない。使用可能な炭素源としては、特公昭6
0−54998号公報の第2頁左下欄第4行〜同頁右下
欄第10行に記載された炭素化合物、特開平9−324
325号公報の段落番号[0060]に記載された有機
化合物、特開平9−78360号公報の段落番号[00
50]に記載された有機化合物等を挙げることができ
る。各種の炭素源の中で好適例としてベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂環族炭化水素等
を挙げることができる。 【0019】縦型炉心管内に投入される炭素源ガス及び
有機金属化合物のガスの全混合ガスにしめる割合は、好
ましくは、各々0〜40%及び0.01〜40%、更に
好ましくは各々0.5〜10%及び0.05〜10%で
ある。ここで、炭素源ガスの濃度が0でも良いのは、有
機金属化合物中に十分な炭素を含有している場合には、
必ずしも炭素化合物のガスを必要としないという意味で
ある。したがって、この発明においては、炭素源と有機
金属化合物とが同一化合物であることもある。 【0020】また、気相成長炭素繊維生成時に太さ成長
すると熱分解炭素が多く含有されることから、熱分解炭
素の析出のない、細かくて黒鉛化度の高い気相成長炭素
繊維を得るためには、炭素源の濃度を小さくするのが好
ましい。 【0021】前記キャリヤーガスも、気相成長炭素繊維
の製造に使用される公知のガスを適宜に採用することが
でき、好適例として水素を挙げることができる。 【0022】さらにまた、特開昭60−54998号公
報に記載されたところの、キャリヤーガス、有機金属化
合物及び炭素源ガスを使用して、この発明に係る気相成
長炭素繊維製造装置で、炭素繊維を製造することができ
る。 【0023】縦型炉心管の上部に設けられた前記原料供
給手段は、縦型炉心管内にその上部からキャリヤーガス
と共に有機金属化合物のガスと炭素源ガスとを導入する
ことができる限りその構造につき制限がない。 【0024】この発明に係る気相成長炭素繊維製造装置
においては、縦型炉心管の頂部から原料供給手段により
キャリヤーガスと共に供給された炭素源及び有機金属化
合物のガスを、縦型炉心管内でピストンフロートにし
て、流通乃至流下させるガス整流手段が設けられる。こ
のガス整流手段としては、特開平9−324325号公
報における段落番号[0089]に記載の第1整流手
段、及び[0092]と[0096]とに記載の整流
筒、並びに特開平9−78360号公報における段落番
号[0023]に記載の原料ガス用整流手段、[003
1]に記載の第1整流手段、[0040]に記載の第2
整流手段、[0079]に記載のハニカム板等を挙げる
ことができる。 【0025】この発明に係る気相成長炭素繊維連続製造
装置により製造される流動法気相成長炭素繊維は、いわ
ゆる気相成長炭素繊維であって炭素六角格子面が中空の
繊維軸に1層若しくは複数層が平行に、年輪状に配向し
た繊維である。しかもこの気相成長炭素繊維は、中空形
状を有していて、炭素面が繊維軸に対して傾斜する、い
わゆる鱗状に配列した炭素繊維ではなく、また、炭素格
子面が繊維軸と直角方向に積層してなるいわゆるリボン
状の炭素繊維でもない。中空状という特別の形状をした
気相成長炭素繊維を製造するには、縦型炉心管内におけ
る反応領域における加熱温度が重要になる。 【0026】この発明においては縦型炉心管内で気相成
長炭素繊維が生成する領域の反応温度としては、通常、
900〜1300℃、特に1000〜1200℃が好ま
しい。反応温度が前記温度範囲内になるように縦型炉心
管の内部を加熱すると、金属粒子を起点とする繊維の長
さ成長が起こって気相成長炭素繊維が良好に形成され
る。 【0027】前記縦型炉心管の内部を加熱するための加
熱手段としては、この縦型炉心管の内部を前記反応温度
に加熱する機能を有する限りその構成に制限がなく、各
種の構成の加熱手段を採用することができる。 【0028】縦型炉心管、加熱手段及び原料供給手段を
備えた反応炉として、特開平9−78360号公報、特
開平9−229918号公報及び特開平9−32432
5号公報等における実施例に記載された反応炉を好適に
採用することができる。 【0029】しばしば用いられるであろう縦型炉心管を
組み合わせた気相成長炭素繊維製造装置の一例を概念的
に示す概念図を図1に示す。 【0030】図1において、1は気相成長炭素繊維製造
装置、2は炭素源及び有機金属化合物の混合物を収容す
る原料タンク、3は原料タンク内の混合物を吸引吐出す
るポンプ、4は混合物をガス化する気化器、5は混合物
を加熱するヒートブロック、6は混合物のガス流量を調
整する第1マスフローコントローラ、7は第1キャリヤ
ーガスの流量を調整する第2マスフローコントローラ、
8は第2キャリヤーガスの流量を調整する第3マスフロ
ーコントローラ、9は加熱された混合物のガスを所定温
度に維持するヒートチューブ、10は縦型炉心管の頂部
から内部に混合ガスを導入する円筒管状の原料ガス供給
ノズル、11は縦型炉心管、12は第1キャリヤーガス
を縦型炉心管内に導入するところの、前記原料ガス供給
ノズルを囲繞する内筒管、13は第1キャリヤーガス供
給ノズル、14は第2キャリヤーガス供給ノズル、15
は加熱手段である電気炉、16は気相繊維を捕集する捕
集箱、17は排気管、18は原料ガス供給ノズルにおけ
る原料ガス供給口、19は分岐管、20は配管、21は
ポンプから吐出された混合物を気化器に送り出す原料供
給管、22は配管、23は配管である。 【0031】以上の具体的構成例を一例とする気相成長
炭素繊維製造装置においては、どのような加熱手段を採
用するにしても、縦型炉心管の内部が完全に均一に加熱
されるものではない。 【0032】例えば、縦型炉心管の下から所定の距離に
あるところから縦型炉心管の上部より所定の距離にある
ところまでの、縦型炉心管の外周部に、加熱手段として
電熱ヒータを巻回してあるとする。換言すると、このよ
うな通常の縦型炉心管においては、その両端部における
所定領域に、加熱手段が設けられていない。しかも、縦
型炉心管を加熱する加熱手段である電熱ヒータは、複数
のブロックに分割されていることが、多い。その結果と
して、縦型炉心管の内部においては、縦型炉心管の所定
の領域においては所定の温度にほぼ均一に加熱されてい
る均熱領域が形成され、その均熱領域から下流側に向か
って温度が徐々に低下していく。 【0033】従来の縦型炉心管を有する気相成長炭素繊
維製造装置にあっては、均熱領域よりも温度の低い領域
で、縦型炉心管の内壁に蜘蛛の巣状の繊維状物が発生す
るのであるが、この発明においては、繊維除去手段を設
けることによって前記繊維状物が除去される。 【0034】この繊維除去手段は、縦型炉心管下部の内
壁に発生する繊維状物を巻き取りつつ除去することがで
きる機能を有する限り種々の構成を採用することができ
る。図1にも示すように、一例としての繊維除去手段2
4は、繊維付着手段25と回転駆動手段26と除去手段
27と昇降手段(図示せず。)とを備える。 【0035】この繊維付着手段25は、縦型炉心管11
における下部の内部で、縦型炉心管11の内壁に実質的
に非接触状態で、この内壁に沿って回転移動する機能を
有する。そして、この繊維付着手段25は縦型炉心管1
1における下部の内部で内壁に沿って回転運動をするこ
とにより、内壁に生じる繊維状物を、繊維付着手段25
に付着させ、縦型炉心管11の内部の繊維状物Fによる
閉塞を防止する。 【0036】この繊維付着手段25の一例として、例え
ば縦型炉心管11の下端部に設けられた捕集箱16の底
面に貫通して、縦型炉心管11の軸線に一致する軸線を
有する回転軸体28とその回転軸体28の先端部から斜
行する斜行軸体29とその斜行軸体29の先端部から縦
型炉心管11の内壁に平行に、且つ内壁から一定の間隔
を有して延在する平行軸体30とを回転駆動する駆動手
段と、を有して形成される。この回転軸体28の捕集箱
16の底面から突出する先端部は回転駆動手段例えばモ
ータMの回転軸に結合される。このモータMによって、
回転軸体28が回転すると、平行軸体30が縦型炉心管
11の内壁に沿って、しかも内壁に実質的に非接触状態
で回転運動を行う。そうすると、縦型炉心管11の内壁
に発生する蜘蛛の巣状の繊維状物が平行軸体30に巻き
付き、あるいは絡め取られてしまい、縦型炉心管11の
内部が繊維状物で閉塞することがなくなる。 【0037】なお、繊維付着手段25は、図1に示され
る構造に限定されず、この繊維付着手段が有する機能を
達成する限り様々の設計変更が可能である。例えば、設
計変更例として、例えば縦型炉心管の下端部に設けられ
た捕集箱の底面に貫通して、縦型炉心管の軸線に一致す
る軸線を有する回転軸体とその回転軸の先端部から縦型
炉心管の半径方向に折曲された半径方向軸体とその半径
方向軸体の先端部から縦型炉心管の内壁に平行に、且つ
内壁から一定の間隔を有して延在する平行軸体とを有し
て形成される繊維付着手段を挙げることができる。 【0038】図示されていない前記昇降手段は、例えば
繊維付着手段25が、特に繊維付着手段における平行軸
体30が縦型炉心管11の下部から退避するように、縦
型炉心管11の軸線に沿って繊維付着手段25を昇降移
動させる機能を有する。具体的には、前記回転軸体28
を結合するモータMを昇降させるモータ昇降手段(図示
せず。)を挙げることができる。 【0039】前記除去手段27は繊維除去手段24に付
着した繊維状物を除去する手段であり、例えば、図1に
示されるように、前記繊維付着手段25における平行軸
体30等に付着する繊維状物を掻き取るスクレーパ31
を挙げることができる。図1に示されるスクレーパ31
は、柔軟な部材で形成され、縦型炉心管11の軸線方向
に平行な切れ目を多数備えてなり、前記モータ昇降手段
により繊維付着手段25を下降させることによって斜行
軸体29および平行軸体30を前記切れ目に挿入し、前
記斜行軸体29および平行軸体30に付着する繊維状物
を斜行軸体29および平行軸体30から除去することが
できるように形成される。もっとも、この発明において
は、この除去手段は、図1に示される構造に限定される
ものではなく、前記機能を達成する限り様々の設計変更
を行うことができる。 【0040】縦型炉心管の下部内壁面に発生する繊維状
物の除去を上記繊維除去手段により達成することができ
るのであるが、縮径部を縦型炉心管の下部に形成してお
くと前記繊維除去手段と相俟って内壁における繊維状物
の発生を抑制し、それでも発生する繊維状物を繊維除去
手段で除去することができるようになるので、気相成長
繊維の連続製造が効率的になる。 【0041】この縮径部は、縦型炉心管の下部であっ
て、生成する気相成長炭素繊維を収集する繊維収集部迄
の領域に配置され、縦型炉心管における均熱領域でのガ
スの流速が、縦型炉心管の下流域において温度の低下と
共に低下しないようにする機能を有する。このような機
能を実現するために、この縮径部は、縦型炉心管の下部
から前記繊維収集部迄において、その軸線に直交する断
面積が軸線に沿って繊維収集部に向かって減少するよう
にその形状が設計される。 【0042】通常の場合、縮径部の軸線に直交する断面
形状は円形、矩形、長方形、或いは多角形のいずれかで
ある。また、縮径部を形成する稜線は直線であっても、
曲線であっても良い。したがって、縮径部としては、大
円開口部と小円開口部と円錐状筒部とを有する円錐大形
状、稜線が曲線となっている漏斗形状等の各種形状を挙
げることができる。 【0043】いずれの形状を採用するにしても、縦型炉
心管における均熱領域でのガスの流速が縦型炉心管の下
流域において温度の低下と共に低下しないようにする機
能をこの縮径部において実現するために、この縮径部の
任意の位置におけるガスの流速Vが、縦型炉心管におけ
る均熱領域でのガスの流速V0に対して0.8V0〜20
0になるように、好ましくはV0〜10V0となるよう
に、その形状が設定されるのが好ましい。 【0044】ところで、縦型炉心管中の均熱領域におけ
る温度をT0、均熱領域における気体の流速をV0、縦型
炉心管における軸線に直交する断面積をA0とし、縮径
部における任意の位置での温度をT、縮径部における気
体の流速をV、縮径部における軸線に直交する断面積を
Aとすると、V・A/T=V0 0/T0なる関係が存在
する。縮径部におけるガスの流速を縦型炉心管中の均熱
領域におけるガスの流速と同じにするには、V=V0
あるから、A=A0 T/T0なる関係を満たす必要があ
るが、縦型炉心管及び縮径部にタール、気相成長炭素繊
維およびその他の不純物が付着しないようにするには、
V=0.8V0〜1.5V0の流速に調整するのが良いと
いうのが、この発明者らによる新たな知見なのである。
実際上、縮径部のガス流速Vが0.8V0未満になると
ガスの温度低下に伴うガスの容積の収縮によりガス流に
乱れを生じやすくなって、ガス流に乗って下降してくる
気相成長炭素繊維の配向が乱れる可能性がある。 0045 したがって、縮径部における断面積Aは
A=kA0T/T0(ただし、kは1/20〜1/0.8
である。)を満たすのが好ましい。 【0046】一方、縦型炉心管から繊維収集部例えば捕
集箱に到るまでのガスの流通経路における温度に着目す
ると、目安として、その温度が1050〜200℃、好
ましくは500〜900℃に低下する領域に縮径部を設
けるのが好ましい。この場合、縦型炉心管においては縮
径部における大開口部すなわち上端部が1050℃以下
の領域に、小開口部すなわち下端部が200℃以上の領
域に位置するように、さらには前記大開口部が1050
〜900℃の領域に、小開口部が300℃以上の領域に
位置するように、縮径部を縦型炉心管内に設ける。もっ
とも、縮径部の下端部すなわち小開口部は、繊維収集部
にまで延在していても良いが、その温度が200℃以下
にならないのが好ましい。 【0047】前記繊維除去手段が前記縦型炉心部におけ
る縮径部の中に配置されていると、縦型炉心管の内壁で
の繊維状物の発生が抑制され、たとえ繊維状物が発生し
てもその繊維状物が繊維除去手段により除去されること
になる。 【0048】繊維除去手段が前記縮径部内に配置されて
なる気相成長炭素繊維製造装置の一例を図2に示す。 【0049】図2に示すように、一例としての繊維除去
手段24Aは、繊維付着手段25Aと回転駆動手段26
Aと除去手段27Aと昇降手段(図示せず。)とを備え
る。 【0050】この繊維付着手段25Aは、縦型炉心管1
1における下部の内部で、縦型炉心管11の内壁に非接
触状態で、この内壁に沿って回転移動する機能を有す
る。そして、この繊維付着手段25Aは縦型炉心管11
における縮径部32の内部で内壁に沿って回転運動をす
ることにより、内壁に生じる繊維状物を、繊維付着手段
25Aに付着させ、縦型炉心管11の内部の繊維状物F
による閉塞を防止する。 【0051】この繊維付着手段25Aの一例として、例
えば縦型炉心管11の下端部に設けられた捕集箱16の
底面に貫通して、縦型炉心管11の軸線に一致する軸線
を有する回転軸体28Aとその回転軸体28Aの先端部
から直角に折れ曲がって形成された半径方向軸体29A
とその半径方向軸体29Aの先端部に結合され、縦型炉
心管11の内壁に平行に、且つ内壁から一定の間隔を有
して延在する平行軸体30Aとを回転駆動する駆動手段
Mと、を有して形成される。この繊維除去手段24A
は、図1に示される繊維除去手段24と同等の作用効果
を示す。 【0052】この発明に係る気相成長炭素繊維製造装置
においては、以下のような作用を有する。 【0053】縦型炉心管の外部に設けられた加熱手段に
より縦型炉心管の内部を900〜1300℃における適
宜の温度に加熱する。縦型炉心管の上部に設けられた原
料供給手段により、縦型炉心管に、キャリヤーガスと共
に有機金属化合物と炭素源ガスとを供給する。縦型炉心
管内の均熱領域で有機金属化合物の分解により発生する
触媒金属により、炭素源ガスの分解により生じた炭素
が、チューブ状に成長する。チューブ状に成長しつつ気
相成長炭素繊維が、ピストンフローとなったキャリヤー
ガスに乗って縦型炉心管内を流通降下していく。 【0054】縦型炉心管内では、気相成長炭素繊維は、
キャリヤガスの流れ方向に配向しつつ流通下降してい
く。そして気相成長炭素繊維は、均熱領域を通過し、均
熱領域よりも低温度になっている領域に到達し、この定
温領域を通過していく。 【0055】気相成長炭素繊維が定温流域に到ると、縦
型炉心管の内壁に繊維状物が発生するのであるが、発生
した繊維状物は繊維除去手段、例えば内壁に非接触状態
で内壁に沿って回転運動する平行軸体および斜行軸体に
絡め取られてしまう。 【0056】また、縦型炉心管の下部が縮径部になって
いるときには、定温領域で縮径部が設けられることによ
り定温領域においてもガスの流速が大幅に変化せず、し
たがって、流通する気流に乱れを生じない。 【0057】その結果、縦型炉心管の内壁、及び縮径部
の内壁に、繊維状物の発生が抑制され、たとえ繊維状物
が発生したとしても、前記繊維除去手段により繊維状物
が除去される。 【0058】長時間にわたって気相成長炭素繊維の製造
を継続しても、縦型炉心管での閉塞事故が発生せず、し
たがって、気相成長炭素繊維の連続運転が可能になる。 【0059】 【発明の効果】この発明によると、長期間に亘って気相
成長炭素繊維を安定して効率よく製造することのできる
気相成長炭素繊維製造装置を提供することができる。こ
の気相成長炭素繊維製造装置においては、従来における
製造装置におけるように、縦型炉心管から繊維収集槽に
到るガス流通経路が閉塞されてしまうという現象の発生
がなくなり、その結果、気相成長炭素繊維の製造を一旦
停止し、閉塞されたガス流通経路内を掃除するという手
間暇がなくなる。 【0060】特にこの発明に係る気相成長炭素繊維製造
装置によると、縦型炉心管の下部内部に発生する繊維状
物を除去するので、縦型炉心管における反応ゾーンにお
ける気相成長炭素繊維の滞留時間が揃うので、ムラがな
く、しかも結晶化度の高い気相成長炭素繊維を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係る気相成長炭素繊維製造装
置の一例を示す概念図である。
【図2】図2はこの発明に係る気相成長炭素繊維製造装
置の他の例を示す概念図である。
【符号の説明】
1・・・気相成長炭素繊維製造装置、2・・・原料タン
ク、3・・・ポンプ、4・・・気化器、5・・・ヒート
ブロック、6・・・第1マスフローコントローラ、7・
・・第2マスフローコントローラ、8・・・第3マスフ
ローコントローラ、9・・・ヒートチューブ、10・・
・原料ガス供給ノズル、11・・・縦型炉心管、12・
・・内筒管、13・・・第1キャリヤーガス供給ノズ
ル、14・・・第2キャリヤーガス供給ノズル、15・
・・電気炉、16・・・捕集箱、17・・・排気管、1
8・・・原料ガス供給口、19・・・分岐管、20・・
・配管、21・・・原料供給管、22・・・配管、23
・・・配管、24・・・繊維除去手段、25、25A・
・・繊維付着手段、26、26A・・回転駆動手段、2
7、27A・・・除去手段、28、28A・・・回転軸
体、29、29A・・・斜行軸体、30、30A・・・
平行軸体、31・・・スクレーパ、32・・・縮径部、
33・・・スクレーパ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸線に直交する方向における内部断面形状
    が軸線方向に沿って同じに形成されてなる縦型炉心管
    と、この縦型炉心管の内部を加熱することができるよう
    にこの縦型炉心管を囲繞する加熱手段と、前記縦型炉心
    管の頂部に配置され、この縦型炉心管内に、キャリヤガ
    ス、触媒として機能する有機金属化合物及び炭素源ガス
    を供給する原料供給手段と、前記原料供給手段から供給
    されるガスの流れを整流するガス整流手段と、前記縦型
    炉心管の下部に設けられたところの、縦型炉心管の内壁
    に沿って回転移動しつつ、内壁に発生する繊維状物を捕
    集する繊維除去手段とを有することを特徴とする気相成
    長炭素繊維製造装置。
  2. 【請求項2】前記縦型炉心管の下部が、縦型炉心管の軸
    線に直交する平面における縦型炉心管の内部断面積が下
    方に向かうにつれて減少するように形成されてなる縮径
    部である前記請求項1に記載の気相成長炭素繊維製造装
    置。
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