JP2000178648A - 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Abstract
板を安定して製造する。 【解決手段】 重量%で、C:0.025〜0.07
5、Si:2.5〜4.5、Mn:0.050〜0.4
5、S≦0.015%、酸可溶性Al:0.015〜
0.040を含有するスラブを1280℃以下で加熱熱
延し、最終冷延前の2段サイクル焼鈍において、高温側
温度を1060℃〜1170℃とし、低温側の温度に移
行する過程の980℃〜920℃の滞留時間が、熱延板
の成分から求めたAlR (酸可溶性Al−27/14×
N)(ppm) との関係を満足するように冷却後,920℃
〜700℃から室温まで10℃/sec以上の速度で急
冷却し、次いで圧延率80%以上の最終冷延、脱炭焼
鈍、窒化処理、仕上焼鈍を施す。
Description
て用いられる一方向性電磁鋼板の製造方法に関するもの
で、特に、スラブ加熱温度を1280℃以下とする製造
プロセス即ち、インヒビターを脱炭焼鈍以降に造り込む
製造プロセスにおける磁気特性の優れた一方向性電磁鋼
板の製造方法に関するものである。
発電機その他の電気機器の鉄心材料として用いられ、そ
れが有する磁気特性として励磁特性と鉄損特性が良好で
あることの他、良好な被膜を有するものでなければなら
ない。一方向性電磁鋼板は、二次再結晶現象を利用して
圧延面に{110}面、圧延方向に<001>軸をもつ
いわゆるゴス方位を有する結晶粒を発達させることによ
って得られる。
ように、仕上焼鈍昇温過程で生じるが、二次再結晶の発
現を十分なものとするためには、仕上焼鈍昇温過程にお
ける二次再結晶発現温度域まで一次再結晶粒の成長を抑
制するAlN,MnS,MnSe等の微細な析出物、い
わゆるインヒビターを鋼中に存在させる必要がある。従
って、電磁鋼スラブは、インヒビター形成元素、例えば
Al,Mn,S,Se,N等の化合物を完全に固溶させ
るために、1350〜1400℃といった高温に加熱さ
れる。このように電磁鋼スラブ中に完全に固溶されたイ
ンヒビター形成元素は、最終冷間圧延前の焼鈍によっ
て、AlN,MnS,MnSeとして微細に析出せしめ
られる。
lを含むことを必須条件とする普通鋼もしくは珪素鋼素
材を用いて{110}<001>方位の二次再結晶粒を
発生させる処理工程において、最終冷延のすぐ前の焼鈍
を750℃〜1200℃で行った後、Si量に応じて7
50℃〜1200℃以下を急冷することによって好まし
いサイズのAlNを鋼板に析出させる方法が、また特開
昭50−15727号公報ではC,Al,Mn,N,C
u等を含む珪素鋼を熱延し、少なくとも1回の冷間圧延
のプロセスをとる一方向性電磁鋼板の製造において、最
終冷延前に15秒〜2時間に亘り760〜1177℃で
焼鈍し、927℃以下で且つ400℃以上の温度から少
なくとも260℃程度までは自然冷却より早い速度で、
最高温度から927℃以下にして400℃以上の温度ま
では自然冷却より遅い速度で冷却する方法が提案されて
いる。
を高温にして析出物を完全に固溶した後に熱延される素
材のみに適用可能なものである。このようなプロセスを
採るとき、電磁鋼スラブは前述のように高温に加熱され
るから、溶融スケール(ノロ)の発生が多量なものとな
り、加熱炉補修の頻度を高めてメンテナンスコストを高
くしかつ設備稼働率を低下せしめ,さらに燃料原単位を
高くする等の問題がある。
加熱温度を低いものとし得る一方向性電磁鋼板の製造方
法が開発されてきた。例えば、特公昭61−60896
号公報には、Mn含有量を0.08〜0.45%,S含
有量を0.007%以下して[Mn][S]積を低く
し、更にAl,P,Nを含有せしめた電磁鋼スラブを素
材とすることにより、スラブ加熱温度を1280℃未満
とし得る製造プロセスが、また特開平3−211232
号公報にはAl,N,Sn,或いは更にBを添加した電
磁鋼スラブを1200℃以下の温度で加熱、熱延する同
様なプロセスが提案されている。これらの方法はインヒ
ビターを高温スラブ加熱材のように前工程で調整するも
のではなく、冷延以降の後工程で造り込むことを特徴と
しており、従って熱延及び熱延板焼鈍は高温スラブ材程
の厳密な管理は必要としなくなった。
範囲での成分のバラツキ、熱延における温度、時間のバ
ラツキを内在しているため、磁気特性を高位安定化させ
る上で、熱延板焼鈍で均一化することが必要である。こ
の焼鈍方法として例えば、特開平5−125446号公
報に最終冷延前の鋼板の焼鈍を2段均熱とし、その高温
側の温度を熱延板の成分から求めたAlR (酸可溶性A
l−27/14・N)の値で求める方法を提案してい
る。
度を1280℃以下とする製造プロセスにおいて重要な
ことは、脱炭焼鈍板の結晶組織(平均粒径、粒径分布)
および集合組織の調整と脱炭焼鈍以降のインヒビターの
造り込み(窒化)である。特に、脱炭焼鈍板の結晶組
織、集合組織は製品の磁気特性に大きな影響を及ぼすこ
とが知られており、特開平2−259020号公報では
一次再結晶粒の平均直径と磁束密度の関係を示してお
り、一定の大きさの結晶粒に調整することが重要である
ことが分かる。
圧延率、冷間圧延以前の金属組織及び析出物のサイズや
分散状態、冷延後の焼鈍温度等が挙げられるが、これら
を左右する工程は、製鋼(主にAl,Nの的中率)は別
として熱延板焼鈍(最終冷延前焼鈍を含む)と脱炭焼鈍
である。これを解決するための方法の一つとして、前述
した特開平5−125446号公報を提案している。し
かし、この方法でも製鋼工程で生じる成分(AlR )の
バラツキの許容範囲を広げるには不充分である。
結晶粒径を調整することは、フォルステライト被膜の形
成に影響を与える脱炭焼鈍酸化層の質、量を変えること
になり好ましくない。本発明はこのAlR の異なった材
料を用いて、熱延板焼鈍サイクルと一次再結晶粒成長挙
動の関係を詳細に検討し完成させたものである。
する。本発明の要旨とするところは下記の通りである。 (1)重量%で、C:0.025〜0.075%、S
i:2.5〜4.5%、Mn:0.050〜0.45
%、S≦0.015%、酸可溶性Al:0.015〜
0.040%、を含有し残部Feおよび不可避的不純物
からなる電磁鋼スラブを1280℃以下の温度に加熱し
た後、熱延し、焼鈍と一回の圧延または中間焼鈍を介挿
する二回以上の圧延でその最終圧延率を80%以上と
し、次いで脱炭焼鈍し、脱炭焼鈍から二次再結晶開始温
度までの間に鋼板に窒化処理を施し、仕上焼鈍をする一
方向性電磁鋼板の製造において、最終冷延前の鋼板の焼
鈍を2段サイクルとし、その高温側を温度:1060℃
〜1170℃とし、この温度で180秒以内均熱した
後、低温側の温度に移行する過程の980℃〜920℃
の滞留時間をt秒とした場合,熱延板の成分から求めた
AlR (酸可溶性Al−27/14×N)(ppm) との関
係が、3.14−0.0158×AlR ≦ logt
≦ 3.85−0.0158×AlRを満足するように
冷却し、920℃未満〜700℃の温度域から室温まで
10℃/sec以上の速度で冷却することを特徴とする
磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。
2〜0.15%、Cr:0.03%〜0.20%を含有
することを特徴とする(1)の磁気特性の優れた一方向
性電磁鋼板の製造方法。 (3)電磁鋼スラブがさらにCu:0.02〜0.30
%を含有することを特徴とする(1)または(2)の磁
気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。
での間に行う鋼板への窒化処理として、650℃〜80
0℃の温度でストリップを走行せしめる状態下で水素、
窒素、アンモニアの混合ガス中で窒化させることを特徴
とする(1)〜(3)のいずれに記載の磁気特性の優れ
た一方向性電磁鋼板の製造方法。
焼鈍について実験結果に基づいて説明する。本発明の素
材は、C:0.055%、Si:3.3%、Mn:0.
10%、S:0.009%をベース成分とし、これに酸
可溶性AlとNを表1に示したように変化させて添加し
たインゴットを1150℃に加熱した後、熱延し、板
厚:2.3mmの熱延板を造った。
の焼鈍を2段サイクルとし、高温側を1120℃×30
秒均熱した後、低温側温度を950〜600℃とし、高
温側から低温側へ移行する過程の980℃〜920℃の
滞留時間(秒)を測定した。
いで脱炭焼鈍を840℃の温度でN2 :25%、H2 :
75%、露点68℃の雰囲気中で行った。次いで、75
0℃×30秒の窒化処理をN2 、H2 、NH3 の混合ガ
ス中で行い、窒化後の鋼板の窒素量を220ppmに調
整した。この後、MgOとTiO2 を主成分とする焼鈍
分離剤を塗布し、1200℃×20時間の仕上げ焼鈍を
行った。
(B8)の関係を示す。この図から高磁束密度が得られ
る980℃〜920℃の滞留時間t(秒)とAlR の関
係は、 3.14−0.0158×AlR ≦logt≦3.85
−0.158×AlR、t≧10sec であることが分かる。
延板を用いて、高温側温度の影響を検討した。熱延板焼
鈍は表3の条件で行った。高温側から低温側へ移行する
過程の980℃〜920℃の滞留時間はいずれも上記の
関係を満足するように調整した。
果を図2に示す。
温側の温度は1060℃〜1170℃の範囲である。こ
のような焼鈍で高B8 が得られる理由についてはまだ明
確にはされていないが、現在のところ次のように考えて
いる。二次再結晶の方位を含めて二次再結晶現象に影響
する因子としては一次再結晶組織(平均粒径,粒径分
布)、集合組織、インヒビター強度等がある。一次再結
晶完了後粒成長に伴って集合組織、粒径分布に変化が生
じる。二次再結晶の核化、粒成長を容易にするためには
一次再結晶組織として粒径は均一であり一定の大きさ以
上であることが望ましい。
({110}<001>方位等)と二次再結晶粒を成長
させ易い方位粒({111}<112>方位等)を適当
量得ることが必要である。これには圧延率の他に冷間圧
延する前の鋼板の結晶粒径(再結晶率)及び変態相の
量、固溶C等が影響する。本発明のプロセスにおいて、
冷間圧延以前にインヒビターが存在する事は一次再結晶
組織の調整を困難にするため好ましくないが、素材成分
にAl,Nを用いるかぎり、AlNの析出は避けられな
い。特に微細析出物のコントロールが重要である。この
析出サイズは焼鈍条件が同一ならAlR が小さいもの程
小さく、一次再結晶粒粒成長抑制力は大きい。
囲のバラツキ有しているため、同一温度で脱炭焼鈍する
と一次再結晶粒径に差が生じ磁気特性が変動する。この
ため、脱炭焼鈍温度を調節して特性の高位安定化を図る
必要がある。ところが、脱炭焼鈍温度を変更すると酸化
層の質、量が変わり良好なフォルステライト被膜形成に
支障を来すことになる。
結晶粒径変動を小さくし、脱炭焼鈍温度の変更を極力抑
えることによって磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板を
安定して製造するものである。熱延板焼鈍の高温側から
低温側へ移行する過程の980℃〜920℃の滞留時間
を変えることで、AlR のバラツキによる一次再結晶粒
径の変動を小さくする理由については次のように考えて
いる。
lNの析出ノーズ域は920〜980℃の範囲にあり、
この温度域の滞留時間の長、短で析出が左右されると考
えられる。従って、析出物が成長し易いAlR 値の大き
い材料は低温側保定温度を低くして、析出ノーズ域の滞
留時間を短くして析出を抑制し、一方、AlR 値の小さ
い材料は長めにして析出を促進させることによってイン
ヒビター効果をコントロールしているものと考えてい
る。析出ノーズ域の通過時間が短い場合、一部は脱炭焼
鈍時により微細に析出するため、一次再結晶粒成長の抑
制作用は大きい。
組成の限定理由を説明する。Cは、その含有量が0.0
25%未満になると二次再結晶が不安定になり且つ、二
次再結晶した場合でも製品の磁束密度(B8 値)が1.
80Tに満たない低いものとなる。一方、0.075%
を超えると脱炭焼鈍時間が長大なものとなり、生産性を
著しく損なう。
と低鉄損の製品を得難く、一方、Siの含有量が4.5
%を超えて多くなりすぎると材料の冷間圧延時に、割
れ、破断が多発し,安定した冷間圧延作業を不可能にす
る。本発明の出発材料の成分系における特徴の1つは、
Sを0.015%以下とすることにある。従来、公知の
技術、例えば特公昭40−15644号広報或いは特公
昭47−25250号広報に開示されている技術におい
ては、Sは二次再結晶を生起させるに必要な析出物であ
るMnSの形成元素として必須であった。前記公知技術
において、Sが最も効果を発揮する含有量範囲があり、
それは熱間圧延に先立って行われるスラブの加熱段階で
MnSを固溶できる量として規定されていた。しかしな
がら、インヒビターとして(Al,Si)Nを用いる本
発明においてはMnSは特に必要としない。むしろ、M
nSが増加することは磁気特性上好ましくない。従っ
て、本発明においては、Sの含有量は0.015%以下
とする。
が、本発明においては後工程即ち一次再結晶完了後に鋼
を窒化することにより、(Al,Si)Nを形成せしめ
ることを必須としているから、フリーのAlが一定量以
上必要である。そのため、酸可溶性Alとして,0.0
15〜0.040%添加する。Nは、0.010%以下
にする必要がある。これを超えるとブリスターと呼ばれ
る鋼板表面の膨れが発生する。また一次再結晶組織の調
整が困難になる。下限は0.0020%とする。この値
未満になると二次再結晶粒を発達させるのが困難にな
る。
が不安定となり、一方、多すぎると高い磁束密度をもつ
製品を得難くなる。適正な含有量は0.050〜0.4
5%である。SnとCrは、必要に応じて複合添加で仕
上げ焼鈍後の被膜形成を安定化すると同時に、Snおよ
びCrは脱炭焼鈍後の集合組織を改善し、ひいては二次
再結晶粒を小粒化し被膜の安定化と相俟って鉄損改善に
効果が大きく、Snの適量は0.02〜0.15%であ
りこれより少ないと効果が弱く、一方、多いと窒化困難
になり二次再結晶粒が発達しなくなる。また、Crの適
量は0.05〜0.15%が良い。
り、この範囲において磁束密度が向上する。なお、微量
のP,Tiを鋼中に含有せしめることは、本発明の趣旨
を損なうものではない。次に、本発明の製造プロセスに
ついて説明する。
炉で鋼を溶製し、必要に応じて真空脱ガス処理し、次い
で連続鋳造によって或いは造塊後分塊圧延することによ
って得られる。然る後、熱間圧延に先立つスラブ加熱が
なされる。本発明のプロセスにおいては、スラブ加熱温
度は1280℃以下の低いものとして加熱エネルギーの
消費量を少なくするとともに、鋼中のAlNを完全には
固溶させずに不完全固溶状態とする。また、さらに固溶
温度の高いMnSは、上記スラブ加熱温度では当然のこ
とながら不完全固溶状態となる。このスラブを熱延して
所定の厚みの熱延板を造る。
もしくは中間焼鈍を介挿する2回以上の圧延を施して最
終板厚とされる。この時の仕上冷間圧延は高いB8 値を
得るために80%以上とされる。この最終圧延に先立つ
熱延板焼鈍もしくは中間焼鈍の条件として、既に述べた
ように、その高温側から低温側へ移行する途中の980
℃〜920℃の滞留時間t(秒)とAlR の関係を、 3.14−0.0158×AlR ≦ logt ≦
3.85−0.158×AlR 、t≧10sec に調整することが必要である。
温側の均熱時間は180秒以内が良い。低温側の温度は
980〜920℃の滞留時間を確保するため、700〜
980℃にする必要がある。このとき炉内に冷却ガスチ
ューブを設置して冷却速度を制御してもよい。滞留時間
tは材料が980〜920℃に存在する時間とする。低
温側焼鈍後は920℃未満〜700℃の温度域から急冷
する。この範囲を冷却開始温度とし、冷却速度を10℃
/秒以上とすることにより高磁束密度鋼板(高B8 )が
安定して得られる。
は一定サイズ、一定量の変態相と固溶Cを確保するため
に必要であり、これもまた一次再結晶集合組織の適正化
を図る上での役割を果たしているものと考えている。こ
の結晶組織及び集合組織の適正化は冷間圧延後に行う脱
炭焼鈍温度との組み合わせで達成される。脱炭焼鈍は脱
炭を行う他に前述したごとく一次再結晶組織の調整及び
被膜形成に必要な酸化層を生成させる役割がある。
湿水素,窒素ガスの混合ガス中で行う。脱炭焼鈍後は6
50℃〜800℃の温度で水素, 窒素,アンモニアの混
合ガス中で窒化処理を行う。650℃より低い温度では
窒化効率が悪く、一方、800℃以上でも効率が悪くな
る上に一次再結晶粒径に影響してくるので好ましくな
い。
を塗布して1100℃以上の温度で仕上げ焼鈍をする。
窒化処理としては上記の方法の他に、脱炭焼鈍後に塗布
する燒鈍分離剤にに窒化能のある薬剤、例えばMnN,
CrN等を添加して塗布する方法を採用してもよい。
%,Si:3.35%,Mn:0.10%,S:0.0
07%,N:0.0083%,Sn:0.05%,C
r:0.12%を含む溶鋼にAlの添加量を変えて酸可
溶性Alの変わった3種類の鋼塊を造った。
延板にした。この後熱延板焼鈍を次の条件で行った。
分(在炉)→100℃湯冷却このとき、1100℃から
800℃へ移行する過程で、冷却ガスを用いて冷却速度
を変更し、980〜920℃の滞留時間を次の(イ)〜
(ハ)の条件に調整した。 (イ)80秒 (ロ)34秒 (ハ)9秒 この後酸洗し0.27mmに冷延し,次いで840℃×
120秒の脱炭焼鈍を露点68℃の湿水素,窒素雰囲気
ガス中で行った。引き続き窒化処理を750℃×30秒
間、乾水素,窒素アンモニアの混合ガス雰囲気中で行
い、窒化後の鋼板の[N]量を200ppmに調整し
た。この後MgOとTiO2 を主成分とするスラリーを
塗布乾燥した後1200℃×20時間の仕上げ焼鈍を行
った。仕上げ焼鈍後の磁気特性は、表4に示すように、
AlR 値が低い試料(a)は(イ)の条件で、同じく
(b)は(イ)(ロ)の条件で高B8 が得られ、一方A
lR 値が高めの(c)の材料は(ハ)の条件で高B8 が
得られた。これはいずれも本発明の条件を満たすもので
ある。
の鋼板焼鈍条件の関係を整理し、焼鈍条件を適正にして
脱炭焼鈍し窒化処理を行うことにより、極めて高い磁束
密度の一方向性電磁鋼板を安定して得ることができる。
滞留時間の影響関係を示す図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.025〜0.075
%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.050〜0.
45%、S≦0.015%、酸可溶性Al:0.015
〜0.040%、を含有し残部Feおよび不可避的不純
物からなる電磁鋼スラブを1280℃以下の温度に加熱
した後、熱延し、焼鈍と一回の圧延または中間焼鈍を介
挿する二回以上の圧延でその最終圧延率を80%以上と
し、次いで脱炭焼鈍し、脱炭焼鈍から二次再結晶開始温
度までの間に鋼板に窒化処理を施し、仕上焼鈍をする一
方向性電磁鋼板の製造において、 最終冷延前の鋼板の焼鈍を2段サイクルとし、その高温
側を温度:1060℃〜1170℃とし、この温度で1
80秒以内均熱した後、低温側の温度に移行する過程の
980℃〜920℃の滞留時間をt秒とした場合、熱延
板の成分から求めたAlR (酸可溶性Al−27/14
×N)(ppm) との関係が、 3.14−0.0158×AlR ≦ logt ≦
3.85−0.0158×AlR を満足するように冷却し、920℃未満〜700℃の温
度域から室温まで10℃/sec以上の速度で冷却する
ことを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の
製造方法。 - 【請求項2】 電磁鋼スラブがさらにSn:0.02〜
0.15%、Cr:0.03〜0.20%を含有するこ
とを特徴とする請求項1記載の磁気特性の優れた一方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 電磁鋼スラブがさらにCu:0.02〜
0.30%を含有することを特徴とする請求項1もしく
は2記載の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項4】 脱炭焼鈍から二次再結晶開始温度までの
間に行う鋼板への窒化処理として、650℃〜800℃
の温度でストリップを走行せしめる状態下で水素、窒
素、アンモニアの混合ガス中で窒化させることを特徴と
する特許請求項1ないし3のいずれかの項に記載の磁気
特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。
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JP36261298A JP4473357B2 (ja) | 1998-12-21 | 1998-12-21 | 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 |
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WO2007136127A1 (ja) * | 2006-05-24 | 2007-11-29 | Nippon Steel Corporation | 磁束密度の高い方向性電磁鋼板の製造方法 |
WO2007136137A1 (ja) * | 2006-05-24 | 2007-11-29 | Nippon Steel Corporation | 磁束密度の高い方向性電磁鋼板の製造方法 |
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US7976644B2 (en) | 2006-05-24 | 2011-07-12 | Nippon Steel Corporation | Method of production of grain-oriented electrical steel sheet with high magnetic flux density |
US7976645B2 (en) | 2006-05-24 | 2011-07-12 | Nippon Steel Corporation | Method of production of grain-oriented electrical steel sheet having a high magnetic flux density |
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