JP2000169752A - 電子回路被覆用感光性樹脂組成物 - Google Patents

電子回路被覆用感光性樹脂組成物

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JP2000169752A
JP2000169752A JP11069785A JP6978599A JP2000169752A JP 2000169752 A JP2000169752 A JP 2000169752A JP 11069785 A JP11069785 A JP 11069785A JP 6978599 A JP6978599 A JP 6978599A JP 2000169752 A JP2000169752 A JP 2000169752A
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JP
Japan
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photosensitive resin
resin composition
ethylenically unsaturated
molecular weight
electronic circuit
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JP11069785A
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English (en)
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Shohei Nakamura
庄平 中村
Koji Anai
浩司 穴井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間の光照射で硬化が可能で、柔軟性を有
し、電解液、水、イオン性飲料水などに対する耐性を有
する電子回路保護コート用感光性樹脂組成物を提供する
こと。 【解決手段】 分子内にエチレン性不飽和結合を有する
GPC測定によるポリスチレン換算数平均分子量が80
0〜13000の不飽和ポリウレタンと、エチレン性不
飽和結合を有する分子量800未満のエチレン性不飽和
化合物と、光重合開始剤とを必須成分とする感光性樹脂
組成物とすることで、漏液した電解液や、使用者がこぼ
した水、イオン性飲料水などに対する耐性を有するもの
にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッドIC、
実装回路等の電子回路が、漏液した電解液や、使用者が
こぼした水、イオン性飲料水などにふれても機能に異常
を起こさないようにするために被覆するのに用いる感光
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路は過酷な条件下では、湿気、ほ
こり、酸性ガスなどによりコンデンサーやトランジスタ
などの搭載部品のピン足やコネクターが腐食したり、結
露することがあり、このような状態になるとハイブリッ
ドIC、実装回路板が正常に作動しないというトラブル
につながる危険があった。また、リチウムイオン二次電
池が使用されている携帯電話などの場合、入浴時やイオ
ン性飲料水などを飲みながら使用されることがあり、誤
って水中に落とされたり、イオン性飲料水などがこぼれ
てかかったりしたときに接続されている保護回路がショ
ートして作動しなくなり電池の暴走を引き起こすことに
なるなどという危険を内在していた。
【0003】更に、電池から電解液が漏液した場合は保
護回路と接触しその機能を阻害したり、発熱したりなど
の危険を内在していた。
【0004】このような問題を解決するために、電子回
路表面に樹脂をコーティングし保護することが行われて
いるが、このような樹脂をコーティングして強固な皮膜
を形成させようとすると高温での硬化が必要となり、電
子回路の機能が損なわれるという問題があった。特開昭
61−278845号公報には、ハイブリッドIC、実
装回路板の一部または全体にジエンゴム系からなる光硬
化性の防湿絶縁塗料を塗布し、保護膜を形成することが
提案されている。この方法によれば低温で硬化させるこ
とが可能になるが、通常行われる空気中の露光では硬化
が遅く、また硬化物は粘着性を有しておりその後の取り
扱いがしにくいという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】低温硬化可能で、柔軟
性を有し、電解液、水、イオン性飲料水などに対する耐
性を有する電子回路保護コート用感光性樹脂組成物を提
供すること、更には空気中での短時間の光照射で硬化が
可能な電子回路保護コート用感光性樹脂組成物を提供す
ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題
は、 分子内にエチレン性不飽和結合を有する、GPC測定
に基づくポリスチレン換算数平均分子量800〜130
00の不飽和ポリウレタン、 エチレン性不飽和結合を有する分子量800未満のエ
チレン性不飽和化合物、及び 光重合開始剤を必須成分としてなる感光性樹脂組成物
を用いることで解決できることを見いだし本発明を完成
した。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子回路被覆用感光性樹脂組成物は、 分子内にエチレン性不飽和結合を有する、GPC測
定に基づくポリスチレン換算数平均分子量800〜13
000の不飽和ポリウレタン、 エチレン性不飽和結合を有する分子量800未満の
エチレン性不飽和化合物、及び 光重合開始剤を必須成分とするものである。 分子内にエチレン性不飽和結合を有するGPC測定に基
づくポリスチレン換算数平均分子量が800〜1300
0の不飽和ポリウレタンは、ジオール化合物とジイソシ
アネート化合物を反応させ、次いで水酸基またはアミノ
基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合物または
イソシアネート基とエチレン性不飽和結合を同時に有す
る化合物を反応させることで得られる。
【0008】両末端イソシアネート基のポリウレタンポ
リマーをまず合成し、これに水酸基とエチレン性不飽和
結合を同時に有する化合物を反応させる方法において
は、水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合
物は、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン
ポリマーとの反応を容易にし、副反応を抑えて短時間で
反応を終了させるために、イソシアネート基の数に対し
て水酸基の数が過剰になるように添加して反応させるの
が好ましい。通常必要量の2〜5倍程度過剰に添加する
ことが行われる。従って得られるものはエチレン性不飽
和結合を有するポリウレタンポリマーと過剰の水酸基含
有エチレン性不飽和化合物との混合物となる。
【0009】両末端水酸基のポリウレタンポリマーをま
ず合成し、これにイソシアネート基とエチレン性不飽和
結合を同時に有する化合物を反応させる方法において
は、イソシアネート基とエチレン性不飽和結合を同時に
有する化合物は、ポリウレタンポリマーの水酸基の数と
同じかあるいは少ない範囲で添加されるのが一般的であ
るが、この場合攪拌しやすくし副反応を抑えるために、
ウレタン化反応に関与しない成分を希釈剤として用いて
反応系の粘度を下げるのが好ましい。イソシアネート基
とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合物を過剰に
添加する場合は、反応終了後水酸基等の活性水素を有す
る化合物を加えてイソシアネート基をなくすことが必要
である。
【0010】ジオール化合物としては一分子中に水酸基
を2個有する化合物、例えばポリプロピレングリコール
アジペートジオール、ポリネオペンチルグリコールアジ
ペートジオール、ポリブチレングリコールアジペートジ
オール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラク
トンジオールなどのポリエステルジオールや、ポリエチ
レングリコールジオール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコールなどのポリエステルジオ
ールや末端水酸基含有ポリブタジエンやその水添品、末
端水酸基含有ポリイソプレンやその水添品などを例とし
て挙げることができる。
【0011】ジオール化合物の水酸基価より求まる分子
量は400〜4000程度のものが使用されるが、より
柔軟で強い物を得るという観点からは500〜2500
程度の分子量のものを用いるのが好ましい。ジイソシア
ネート化合物としてはイソシアネート基を2個有する化
合物、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートなどを挙げることができる。
これらの中では粘度をさほど高めず、柔軟で強いものが
得られ易いという点でトリレンジイソシアネートが好ま
しい。
【0012】水酸基とエチレン性不飽和基を同時に有す
る化合物としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、N−
メチロールアクリルアミド、ポリオキシエチレングリコ
ールモノメタクリレート、ポリオキシプロピレングリコ
ールモノメタクリレートなどを例として挙げることがで
きる。これらの中では柔軟で強いという観点からヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタク
リレートが好ましく、耐水性に優れるヒドロキシプロピ
ルメタクリレートが最も好ましい。
【0013】イソシアネート基とエチレン性不飽和基を
同時に有する化合物としては例えば水酸基とエチレン性
不飽和基を同時に有する化合物にジイソシアネート化合
物を1対1で付加させることにより得られるものなどを
挙げることができる。以上のようにして得られる不飽和
ポリウレタンのポリスチレンを標準とするGPC測定に
よって求められる数平均分子量は800〜13000で
あることが望ましい。分子量が小さいほど得られる感光
性樹脂組成物の粘度は低くできるという利点を有するも
のの、分子量がこれより小さくなると硬化物の柔軟性が
失われ、基盤などとの密着性が損なわれることになるの
で好ましくない。
【0014】分子量が大きいと硬化物の柔軟性は確保し
やすいものの、これ以上大きいと得られる感光性樹脂組
成物の粘度が高くなり、凹凸部で気泡を巻き込み易くな
るなど電子回路へのコーティングがしにくくなる。基盤
などとの密着性を高めるために不飽和ポリウレタンにカ
ルボキシル基などの極性基を導入することは有効であ
る。不飽和ポリウレタンへのカルボキシル基の導入は、
両末端イソシアネート基のウレタンポリマーにした後、
水酸基2個とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合
物を加えて、その内の一個の水酸基とイソシアネート基
を反応させて分子中に水酸基2個とエチレン性不飽和結
合2個を有する不飽和ポリウレタンとし、更に酸無水物
を加えて開環付加させることで、両末端にカルボキシル
基とエチレン性不飽和結合とを同時に持った不飽和ポリ
ウレタンとすることができる。
【0015】ここで用いられる水酸基2個とエチレン性
不飽和結合を同時に有する化合物としては、グリシジル
メタクリレートやアクリレートに水を加えてエポキシ基
を開環させて得られる化合物など、一級と二級の水酸基
を持つものが使用される。一級水酸基と二級水酸基の反
応性の違いを利用して分子中の一つの水酸基のみがイソ
シアネート基と反応した両末端水酸基の不飽和ポリウレ
タンとすることができる。
【0016】エチレン性不飽和結合を有する分子量80
0未満のエチレン性不飽和化合物としては、ヒドロキシ
エチルメタクリレート及びアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルアクリレート及びメタクリレートなどのヒドロキ
シアルキルメタクリレートやアクリレート類、イソボル
ニルアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート及びアクリレート、ベンジルアクリレー
ト及びメタクリレート、フェニルアクリレート及びメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート及
びジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタク
リレート及びジアクリレートなどのポリオキシエチレン
グリコールのジメタクリレートやジアクリレート、プロ
ピレングリコールジメタクリレート及びジアクリレー
ト、ジプロピレングリコールジメタクリレート及びジア
クリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレー
ト及びジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレー
ト及びジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート及びジアクリレート、ノナンジオールジアクリレー
ト及びジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートやトリアクリレート、ビスフェノール骨
格を有するジメタクリレートやジアクリレート、N−メ
チロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−(2−メトキシ
エチル)アクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN置換
アクリルアミドやメタクリルアミド類などを例として挙
げることができる。
【0017】これらの中で、電子回路機材との密着性を
高めるという観点ではヒドロキシアルキルメタクリレー
ト及びアクリレート類、イソボルニルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレートなど
が適している。特にヒドロキシエチルメタクリレートや
アクリレート、イソボルニルアクリレートは効果が大き
い。ヒドロキシアルキルメタクリレートやアクリレート
類は吸湿性が高くなるので感光性樹脂組成物中に占める
割合が50%を越えないことが望ましい。ヒドロキシプ
ロピルメタクリレートやアクリレートはヒドロキシエチ
ルメタクリレートやアクリレートと比べて密着性を高め
る効果はやや小さいが吸湿性が低いという利点を有す
る。イソボルニルアクリレートは吸湿しにくく最も好適
である。
【0018】空気中露光での硬化性を高めるのにはアク
リレート類の使用が効果的である。特にジアクリレート
やトリアクリレートなどの多官能アクリレート類は効果
が大きい。通常、エチレン性不飽和結合を有する分子量
800未満のエチレン性不飽和化合物としてはこれらの
ものが組み合わせて用いられる。通常、分子内にエチレ
ン性不飽和結合を有するGPC測定に基づくポリスチレ
ン換算数平均分子量800〜13000の不飽和ポリウ
レタン100重量部に対して、エチレン性不飽和結合を
有する分子量800未満のエチレン性不飽和化合物は、
50〜500重量部、好ましくは50〜300重量部、
特に好ましくは50〜200重量部の範囲で用いられ
る。
【0019】感光性樹脂組成物に使用される光重合開始
剤としては、300〜400nmの波長の紫外線を吸収
して重合を開始させる能力を持つもので、公知のものが
使用される。例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−
ブチルエーテル、αーメチロールベンゾインメチルエー
テル、αーメトキシベンゾインメチルエーテル、αーエ
トキシベンゾインエチルエーテルなどのベンゾイン誘導
体や、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシル
フェニルアセトフェノン、1−ベンジル−1−ジメチル
アミノプロピル−p−モルフォリノケトンなどを挙げる
ことができる。これらの中ではα−メトキシベンゾイン
メチルエーテルが硬化速度が大きく厚みの大きな塗膜ま
で硬化できるという点で好ましい。
【0020】光重合開始剤は単独でまたは組み合わせて
用いられるが、その配合量は重合開始有効量であれば良
いが、通常感光性樹脂組成物の全重量に対して0.1〜
10重量%の範囲で使用される。これより少ないと光重
合開始効率が悪くなり、逆に多すぎると硬化物の機械的
物性が低下するので好ましくない。また、空気中露光で
の硬化性に関しては添加量の多い方が有利である。好ま
しい範囲は1〜6重量%、特に好ましいのは3〜5重量
%である。
【0021】空気中露光での硬化性を高めるためにはこ
れらの光重合開始剤とアミノ基を有する化合物とを併用
することは効果的である。アミノ基を有する化合物とし
てはジメチルアミノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安
息香酸イソアミルエステルなどを例として挙げることが
できるが、それ自身の紫外線吸収がさほど大きくなく、
厚みの大きな塗膜の硬化を妨げないジメチルアミノ安息
香酸イソアミルエステルが特に好適である。アミノ基を
有する化合物は、感光性樹脂組成物全重量に対し1〜1
0重量%、好ましくは3〜10重量%、特に好ましくは
5〜10重量%の範囲で使用される。アミノ基を有する
化合物としてアミノ基とエチレン性不飽和結合を同時に
有するジエチルアミノエチルメタクリレートなどを使用
することもできる。この場合の添加量は分子量800未
満のエチレン性不飽和化合物の添加量範囲内であれば差
し支えない。また、光重合開始剤としてベンゾフェノン
を併用することも効果的である。
【0022】この他に、感光性樹脂の製造時あるいは貯
蔵時の安定性を確保するために公知の熱重合禁止剤など
の安定剤を加えることができる。このような安定剤の例
としてはp−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾールなどを挙げることができる。ま
た、リチウムイオン二次電池に使用される電解液に対す
る耐性を更に高める上で、水酸基を有するフィラーを添
加することが効果的である。
【0023】このようなフィラーとしてはシリカ類を例
としてあげることができる。フィラーの形状としては特
に限定はないが、表面に細孔を有する球状のものが入手
しやすく好ましい。平均粒径にも限定はないが、20μ
以下のもの特に12μ以下のものが感光性樹脂中で分離
沈降しにくいという点で好ましい。表面の細孔の大きさ
に特にも限定はないが、0.001〜0.03μ程度大
きさのものが使用される。また処理により表面の水酸基
を無くしたものは電解液耐性を高める効果はない。
【0024】水酸基を有するフィラーは、感光性樹脂組
成物の全重量に対して2〜30重量%。好ましくは5〜
15重量%、特に好ましくは8〜12重量%の範囲で添
加される。多すぎると粘度が高くなりすぎコートしにく
くなるし、少ないと効果が得られない。水酸基を有する
フィラーは電解液に対する耐性を高める効果を有する
が、イオン性飲料水に対する耐性を損なわうこともない
ので、電池からの漏液及び使用中に時としておこる外部
からのイオン性飲料被液に対して、一つの樹脂をコート
するだけで対応できるという利点を有する。
【0025】作業途中で生じた気泡が抜け易くするため
には、感光性樹脂組成物の粘度は20℃で300ポイズ
以下、好ましくは200ポイズ以下、特に好ましくは1
50ポイズ以下であることが望ましい。感光性樹脂組成
物の粘度は分子量800未満のエチレン性不飽和化合
物、特に液状エチレン性不飽和化合物の配合比率を高め
ることで下げることができる。液状エチレン性不飽和化
合物の中でも分子量の小さいものは特に粘度を下げる効
果が大きい。また液状の可塑剤類を密着性など他の特性
にさほど影響を及ぼさない範囲で添加することも粘度を
下げるのに有効である。
【0026】また、使用時に感光性樹脂組成物の温度を
高めることで粘度を下げることもできるが、温度によっ
ては変質することもあるのでこのようなことが起こらな
い温度範囲で使用する必要がある。組成物を硬化させる
のに用いる光源は300〜400nmの波長の紫外線を
発するものであれば良く、紫外線蛍光灯、高圧水銀灯、
メタルハライドランプ、キセノンランプなど、感光性樹
脂を硬化させるのに通常用いられているものを使用する
ことができる。
【0027】また、感光性樹脂組成物を空気中で硬化さ
せる場合は、表面層の硬化が空気中の酸素により阻害さ
れるのを防ぐために300nm未満の波長の紫外線を合
わせて照射することが効果的である。高圧水銀灯やメタ
ルハライドランプのように300nm未満の波長の紫外
線を同時に発する光源を用いる場合はフィルター類を通
さないことで目的とする効果が得られる。紫外線蛍光灯
のように300nm以上の波長の紫外線のみを発する光
源を用いる場合は、殺菌灯のように254nmに中心波
長を有する光源を併用することで空気中硬化性を高める
ことができる。この場合、均一な硬化表面を得るために
は300nm以上の波長の紫外線を300nm未満の波
長の紫外線照射よりも前または同時に照射することが望
ましい。電子回路への感光性樹脂の被覆は、電子回路を
感光性樹脂組成物に浸積処理することや、はけなどを用
いての塗布やディスペンサーを用いての機械的塗布、あ
るいは電子回路を型枠の中におき感光性樹脂を流し込ん
で埋設する方法など公知の方法で行うことができる。
【0028】本発明で言う電子回路とはLSI、トラン
ジスター、コンデンサー、FET、電圧検出素子、ヒュ
ーズ、サーミスター、抵抗素子などの素子が少なくとも
一つが組み込まれた電子回路であり、ガラスエポキシ樹
脂基板、紙フェノール樹脂基板、アルミナ基板などの基
板上に実装されたものも含む。特に本発明の感光性樹脂
組成物の硬化皮膜を形成させた場合には電圧検出素子、
FETなどの環境に敏感な素子を含む電子回路に対して
顕著な効果が見いだされる。
【0029】更に本発明によれば、本発明の感光性樹脂
組成物の硬化皮膜が形成された電子回路が接続された電
池において優れた効果が発揮される。すなわち、本発明
の感光性樹脂組成物の硬化皮膜が形成された電子回路と
ニッカド電池、ニッケル水素電池などのアルカリ二次電
池やリチウムイオン二次電池などとが接続された場合に
は、たとえ電解液が漏れ電子回路に接触した場合でも強
い耐性を示し電圧検出異常、スイッチング機能異常など
のトラブルが避けられる。特にかかる電池と接続された
電子回路は充電制御、過充電防止制御、過放電防止制御
などの重要な機能を果たしているケースが多く、本発明
の感光性樹脂組成物硬化皮膜で覆うことで安全性の観点
からも大きな効果が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を更に詳
しく説明する。
【実施例】(実施例1)水酸基価より求めた平均分子量
2500のポリプロピレングリコールアジペートジオー
ル300g、同じく平均分子量2500のポリエチレン
グリコール・ポリプロピレングリコール・ポリエチレン
グリコールブロック共重合体ジオール(ポリプロピレン
グリコール含量60重量%)300g、トリレンジイソ
シアネート84gを反応させて両末端にイソシアネート
を導入した。次いでグリセリンモノメタクリート38g
を反応させて両末端に水酸基とメタクリレート基を有す
るポリマーとし、更に無水コハク酸24gを加えて開環
付加反応をさせることで両末端にメタクリレート基とカ
ルボキシル基を有する不飽和ポリウレタン(A)を得
た。
【0031】上記不飽和ポリウレタン(A)100g、
ヒドロキシエチルメタクリレート30g、テトラエチレ
ングリコールジアクリレート22g、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート11g、α−メトキシベンゾイン
メチルエーテル6g、ベンゾフェノン1.5g、p−ジ
メチルアミノ安息香酸イソアミルエステル15g、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2gを混合し
て20℃での粘度が60ポイズの感光性樹脂組成物を得
た。感光性樹脂組成物(A)の中にリード線のついたリ
チウムイオン二次電池用保護回路基盤を浸積したのち引
き上げることで塗布を行い、3KW高圧水銀灯からの紫
外線を片面900mJ/cm2 ずつ両面に照射しところ
粘着性の無い硬化皮膜が得られた。
【0032】リード線を電圧計及びリチウムイオン電池
と接続して回路を形成した後、保護回路基盤をイオン性
飲料水であるポカリスエット(商品名、大塚製薬株式会
社製)に一時間浸積し、浸積前後の電圧変化を測定した
が、いずれも4.2Vで変化は見られなかった。 (比較例1)感光性樹脂組成物による処理を行わない他
は同じリード線つきリチウムイオン二次電池用保護回路
基盤を用いて実施例1と同じポカリスエット浸積試験を
行ったところ、浸積前4.2Vであった電圧が浸積10
秒後には1.7Vに低下した。 (実施例2〜4)不飽和ポリウレタン(A)を用い、エ
チレン性不飽和化合物などの配合を種々変えた感光性樹
脂組成物を用いて紫外線照射量を変える他は実施例1と
同様にしてリード線のついたリチウムイオン二次電池用
保護回路基盤への処理とポカリスエット浸積試験を行っ
た。組成を表1に、試験結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】(実施例5)水酸基価より求めた平均分子
量500のポリカプロラクトンジオール680g、同じ
く平均分子量950のポリプロピレングリコール450
g、トリレンジイソシアネート371g、を反応させて
両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを得
た。更に2−ヒドロキシプロピルメタクリレート345
gを加えて反応させ、ウレタン結合で鎖延長されたGP
C測定によるポリスチレン換算数平均分子量5800の
不飽和ポリウレタン(B)を得た。上記不飽和ポリウレ
タン(B)(希釈モノマーとしての過剰の2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート16gを含む)116g、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート100g、イソボ
ルニルアクリレート100g、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート150g、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート50g、α−メトキシベンゾインメチルエー
テル20g、ベンゾフェノン5g、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール0.5gを混合して20℃におけ
る粘度が2ポイズの感光性樹脂組成物を得た。
【0036】この感光性樹脂組成物にリード線つきリチ
ウムイオン二次電池用保護回路基盤を浸積したのち引き
上げ、370nmに中心波長を有する40W紫外線蛍光
灯からの4mW/cm2 の強さの紫外線と254nmに
中心波長を有する20W殺菌灯からの2mW/cm2
強さの紫外線をこれらのランプを交互に並べることで同
時に照射することを可能とした露光機を用いて保護回路
基盤の片面から1分、次いで反対の側から1分の照射を
行うことで保護回路基盤の上に粘着性のない硬化皮膜が
得られた。皮膜はしっかりと基盤に密着していた。
【0037】この保護回路基盤をリチウムイオン電池、
電圧計と回路を形成した後、リチウムイオン電池用電解
液の中に1時間浸積し、浸積前後の電圧変化を調べた。
浸積前4.2Vであった電圧は浸積後でも4.2Vを維
持しており、電池から電解液の漏液があっても保護回路
基盤を保護しその機能を維持するのに十分な保護コート
材であることが確認できた。 (実施例6及び比較例2)水酸基価より求めた平均分子
量510のポリ1,4−ブチレングリコールアジペート
ジオール300g、同じく平均分子量960のポリプロ
ピレングリコール52.5g、トリレンジイソシアネー
ト173gを反応させて両末端にイソシアネート基を有
するポリマーを得た。次いで2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート303gを加えてポリマーのイソシアネー
ト基と反応させ、両末端にメタクリレート基を有するG
PC特定で求めたポリスチレン換算数平均分子量230
0の不飽和ポリウレタン(C)を得た。
【0038】この不飽和ポリウレタン(C)(希釈モノ
マーとしての過剰の2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート24gを含む)124g、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート62.5g、ペンタエリスリトールトリア
クリレート12.5g、水酸基価より求まる平均分子量
400のポリエチレングリコールのジアクリレート50
g、α−メトキシベンゾインメチルエーテル10g、ベ
ンゾフェノン2g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール0.3gを混合して感光性樹脂組成物を得た。
【0039】実施例5と同様にしてリード線つきリチウ
ムイオン電池用保護回路基盤に塗布硬化させ、電解液へ
の浸積試験を行ったところ、浸積6時間後でも浸積前と
同じ4.2Vの電圧であり電解液に対する耐性を有する
ことが確認できた。比較のために感光性樹脂による被覆
を行わない保護回路基盤を用いて電解液への浸積テスト
を行ったところ浸積直後から1.2V程度への電圧低下
が起こった。
【0040】(実施例7)実施例6の感光性樹脂100
gに水酸基を有するコールターカウンター法による平均
粒子径12μ、平均細孔径0.017μのシリカ(富士
シリシア化学株式会社製、商品名サイシリア470)1
0gを添加混合し感光性樹脂組成物を得た。実施例5と
同様にしてリード線つきリチウムイオン電池用保護回路
基盤に塗布硬化させたところ粘着性の無い硬化被膜が得
られた。次いでエチレンカーボネート/六フッ化リン酸
リチウムよりなる電解液への浸積試験を行った。6日後
でも浸積前と同じ4.2Vの電圧を示し、電解液への高
耐性が確認された。実施例6の感光性樹脂を用いた場合
は6時間浸積では電圧低下はなかったが、24時間浸積
で電圧低下を起こした。 (実施例8〜10及び比較例3)実施例7の感光性樹脂
組成物に使用されているシリカを種々の特性のものに代
えた感光性樹脂組成物を作成し実施例7と同様にして耐
電解液性を調べた。
【0041】
【表3】 注1:サイシリア350,770,1510,6020
はいずれも富士シリシア化学株式会社製シリカの商品名 実施例8,9,10の感光性樹脂組成物をコートした保
護回路はいずれも6日間の浸積で電圧低下を起こさなか
ったが、実施例11の感光性樹脂をコートしたものはブ
ランクとなる実施例6の感光性樹脂をコーとしたものと
同じで6時間浸積では電圧低下を示さないものの、24
時間浸積では電圧低下した。このことか処理により水酸
基を無くしたシリカは悪影響は及ぼさないものの耐電解
液性を高める効果は有さないことが分かった。
【0042】
【発明の効果】電子回路を本発明の感光性樹脂組成物で
被覆硬化させることで、漏液した電解液や、使用者がこ
ぼした水、イオン性飲料水などに触れても、電子回路の
機能に異常を起こさないようにできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にエチレン性不飽和結合を有す
    る、GPC測定に基づくポリスチレン換算数平均分子量
    800〜13000の不飽和ポリウレタン、エチレン
    性不飽和結合を有する分子量800未満のエチレン性不
    飽和化合物、及び光重合開始剤とを必須成分としてな
    ることを特徴とする、電子回路被覆用感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記〜の成分に加えて、更に水酸基
    を有するフィラーを含有することを特徴とする請求項1
    記載の電子回路被覆用感光性樹脂組成物。
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