JP2000152563A - 全閉冷却型回転電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱体から外気までの経路の熱抵抗を小さく
することができ、冷却性能が向上し、回転電機の温度上
昇を低減することができる全閉冷却型回転電機を提供す
る。 【解決手段】 全閉冷却型回転電機において、固定子積
層鉄心１２に挟まれるとともに、外気１７に触れるフィ
ン１４Ａが形成されるループ式細管ヒートパイプ内蔵の
薄板状冷却エレメント１４と、また、コイルエンド１３
Ａに挟まれるとともに、外気１７に触れるフィン１５Ａ
が形成されるループ式細管ヒートパイプ内蔵の薄板状冷
却エレメント１５とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、全閉冷却型回転電
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来提案されている全閉型回転電機で
は、単に回転電機の外部に冷却風を流すか、機内を循環
する空気を媒体として発熱部から冷却部まで熱を運び、
冷却部でフィン等を通して外部に熱を放出する構成にな
っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の回転電機の冷却方法では、発熱体から放熱部ま
での熱抵抗が大きく、温度上昇を防ぎながら大量の熱を
放出することは難しい。つまり、従来の全閉冷却型回転
電機は、温度上昇が大きくなりがちであるといった問題
があった。

【０００４】回転電機を全閉型にすると、冷却風を機内
に導入する必要が無くなり、塵埃の侵入を防ぐことがで
き、メンテンスフリーで低騒音の回転電機が実現できる
が、一方で、回転電機内への冷却風に代わる新たな冷却
手段を考える必要がある。ところで、先行技術例とし
て、ループ型細管ヒートパイプを用いた全閉冷却型電動
機〔登録２５７２４４４号公報（実願平４−５２８３９
号）〕がある。

【０００５】図８は従来の全閉冷却型電動機の断面図、
図９はその全閉冷却型電動機のループパイプの斜視図で
ある。主電動機の回転子１０２、固定子１０３に発生し
た熱は軸１０１に装着された内蔵ファン１０５により、
枠内ファン側より内気通風路１０６の風道入口１０７
ａ、通気管１０８、風道出口１０７ｂを経て主電動機枠
内反ファン側に循環し、冷却された内気は矢印で示した
経路を経て、回転子１０２，固定子１０３を冷却し、内
蔵ファン１０５側へと還流する。ループパイプ１０９の
受熱部１０９ａは内気通風路１０６の風道入口１０７ａ
内に配設され、放熱部１０９ｃは、主電動機枠１０４の
外部に内気通風路１０６ともに車両走行時の走行風に露
出されており、走行風は紙面に直角に流れるように配置
される。

【０００６】図９に示すように、受熱部１０９ａ（１０
９ａ１，１０９ａ２，１０９ａ３）と、他端の受熱部
（図示なし）と、放熱部１０９ｃ（１０９ｃ１，１０９
ｃ２，１０９ｃ３）とからなるループパイプを構成して
いる。ループパイプはアダプタ１１０により風道入口１
０７ａ、風道出口１０７ｂに取付けられる。しかしなが
ら、上記した従来の方法では、機内空気を中間媒体とし
た間接冷却であって全体での熱抵抗が大きい。

【０００７】本発明は、この種の電動機に改良を加え
て、発熱体から外気までの経路の熱抵抗を小さくするこ
とができ、冷却性能が向上し、回転電機の温度上昇を低
減することができる全閉冷却型回転電機を提供すること
を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔１〕全閉冷却型回転電機において、固定子に配置さ
れ、外気に触れるフィンが形成される板状冷却エレメン
トを具備するようにしたものである。 〔２〕上記〔１〕記載の全閉冷却型回転電機において、
前記板状冷却エレメントを積層鉄心に挟むように配置す
るようにしたものである。

【０００９】〔３〕上記〔２〕記載の全閉冷却型回転電
機において、前記板状冷却エレメントを積層鉄心及びコ
イルエンドに挟むように配置するようにしたものであ
る。 〔４〕上記〔１〕、〔２〕又は〔３〕記載の全閉冷却型
回転電機において、前記板状冷却エレメントはループ式
細管ヒートパイプ内蔵の冷却エレメントであるようにし
たものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図１は本発明の
第１実施例を示す全閉冷却型回転電機の要部断面図、図
２はその全閉冷却型回転電機の固定子の冷却装置を示す
断面図、図３はその固定子の部分斜視図、図４はその固
定子のコイルエンド部分の斜視図、図５はその薄板状冷
却エレメントを示す図である。

【００１１】これらの図において、１は全閉冷却型回転
電機の回転軸、２はその回転軸に固定される回転子、３
はベアリング、１０は外部ケーシング、１１は固定子、
１２は固定子積層鉄心、１３は固定子コイル、１３Ａは
コイルエンド、１４は固定子積層鉄心に挟まれるループ
式細管ヒートパイプ内蔵の薄板状冷却エレメント、１５
はコイルエンド部分に挟まれるループ式細管ヒートパイ
プ内蔵の薄板状冷却エレメント、１６は内気、１７は外
気である。

【００１２】この全閉冷却型回転電機の断面を見ると、
図２に示すように、ある固定子積層鉄心１２の円周には
凹部を形成しておき、その凹部に薄板状冷却エレメント
１４の基部１４Ｂを装着して、放射状に複数枚を前後の
固定子積層鉄心（図示なし）で挟み込んで配置するよう
にしている。また、図３に示すように、薄板状冷却エレ
メント１４は前後の配置をずらすように配置することも
できる。

【００１３】また、図４に示すように、コイルエンド１
３Ａ間には薄板状冷却エレメント１５の基部を挟み込む
ようにし、そのコイルエンド１３Ａは突出したフィン１
５Ａを除いて樹脂で固めるようにしてもよい。 そこで、 固定子コイル１３の発熱（鉄心内）、固定
子積層鉄心１２の発熱は固定子コイル１３→固定子積層
鉄心１２→薄板状冷却エレメント１４→外気１７で放熱
される。

【００１４】また、 固定子コイルエンド１３Ａの発
熱→固定子コイルエンド１３Ａ→薄板状冷却エレメント
１５→外気１７で放熱される。ここで、薄板状冷却エレ
メント１４，１５について説明すると、図５に示すよう
に、例えば、ループ式細管ヒートパイプ１４−１，１５
−１が薄板状の熱伝導性材料（例えば、アルミニウム）
１４−２，１５−２に内蔵されるように構成されてい
る。そのループ式細管ヒートパイプ１４−１，１５−１
内には、作動流体として、フロンＨＣＦＣ１４２ｂを内
容積７０％封入したものを用いることができる（例え
ば、米国特許４９２１０４１号、特開昭６３−３１８４
９３号公報、特公平６−９７１４７号公報参照）。

【００１５】このように、発熱体である固定子コイル，
固定子積層鉄心１２から薄板状冷却エレメント１４，１
５までは熱伝導により熱が伝えられるが、接触面積が大
きいため、熱抵抗は小さい。よって、薄板状冷却エレメ
ント１４，１５自身の熱抵抗は非常に小さい。そして、
それがそのまま冷却フィン１４Ａ，１５Ａとなり、ここ
でも空気との接触面積を大きくとることができるので、
熱抵抗を小さくすることができる。

【００１６】よって、全体での熱抵抗は空気等を中間媒
体にする場合に比べて非常に小さくすることができる。
次に、本発明の第２実施例について説明する。図６は本
発明の第２実施例を示す全閉冷却型回転電機の内部模式
図、図７はその図６のＡ−Ａ′線断面図である。

【００１７】これらの図において、２１は回転子、２２
は固定子積層鉄心、２３はドーナッ状薄円板からなる冷
却エレメントであり、図示しないが、図５に示すような
ループ式細管ヒートパイプがドーナッ状薄円板を形成す
る熱伝導性材料に内蔵されるように構成されている。ま
た、回転子の冷却は、図示しないが、通常用いられるよ
うに、回転子自らの回転により、ファンが作動して、回
転電機内の空気の循環により、回転子コイル→機内空気
→冷却フィンの経路で放熱するように構成することがで
きる。

【００１８】なお、上記実施例では、薄板状冷却エレメ
ントとしたが、大型の回転電機においては、適宜厚みを
持たせることは可能であり、その意味で板状冷却エレメ
ントであってもよい。また、本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変
形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するも
のではない。

【００１９】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 （Ａ）発熱体から外気に至るまでの経路の熱抵抗を小さ
くすることができ、冷却性能が向上し、回転電機の温度
上昇を低減することができる。

【００２０】（Ｂ）塵埃の侵入を防ぐことができ、メン
テナンスフリーの全閉冷却型回転電機を実現することが
できる。 （Ｃ）従来のファンを備えた全閉型回転電機は、騒音を
発生することになるが、本発明の全閉冷却型回転電機
は、ファンを要しないので、騒音を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す全閉冷却型回転電機
の要部断面図である。

【図２】本発明の第１実施例を示す全閉冷却型回転電機
の固定子の冷却装置を示す断面図である。

【図３】本発明の第１実施例を示す全閉冷却型回転電機
の固定子の部分斜視図である。

【図４】本発明の第１実施例を示す全閉冷却型回転電機
の固定子のコイルエンド部分の斜視図である。

【図５】本発明の第１実施例を示す全閉冷却型回転電機
の固定子の薄板状冷却エレメントを示す図である。

【図６】本発明の第２実施例を示す全閉冷却型回転電機
の内部模式図である。

【図７】図６のＡ−Ａ′線断面図である。

【図８】従来の全閉冷却型電動機の断面図である。

【図９】従来の全閉冷却型電動機のループパイプの斜視
図である。

【符号の説明】

１ 回転軸 ２ 回転子 ３ ベアリング １０ 外部ケーシング １１ 固定子 １２，２２ 固定子積層鉄心 １３ 固定子コイル １３Ａ コイルエンド １４，１５ ループ式細管ヒートパイプ内蔵の薄板状
冷却エレメント １４Ａ，１５Ａ 冷却フィン １６ 内気 １７ 外気 ２１ 回転子 ２３ ドーナッ状薄円板からなる冷却エレメント

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5H609 BB19 BB24 PP01 PP05 PP06 PP09 QQ02 QQ05 QQ14 QQ18 QQ23 RR10 RR38 RR43 RR50 RR58 RR62 RR70 RR71 RR73

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定子に配置され、外気に触れるフィン
   が形成される板状冷却エレメントを具備することを特徴
   とする全閉冷却型回転電機。
2. 【請求項２】 請求項１記載の全閉冷却型回転電機にお
   いて、前記板状冷却エレメントを積層鉄心に挟むように
   配置することを特徴とする全閉冷却型回転電機。
3. 【請求項３】 請求項２記載の全閉冷却型回転電機にお
   いて、前記板状冷却エレメントを積層鉄心及びコイルエ
   ンドに挟むように配置することを特徴とする全閉冷却型
   回転電機。
4. 【請求項４】 請求項１、２又は３記載の全閉冷却型回
   転電機において、前記板状冷却エレメントはループ式細
   管ヒートパイプ内蔵の冷却エレメントであることを特徴
   とする全閉冷却型回転電機。