JP2000149951A - リチウム二次電池およびリチウム二次電池用負極活物質 - Google Patents

リチウム二次電池およびリチウム二次電池用負極活物質

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JP2000149951A JP11254359A JP25435999A JP2000149951A JP 2000149951 A JP2000149951 A JP 2000149951A JP 11254359 A JP11254359 A JP 11254359A JP 25435999 A JP25435999 A JP 25435999A JP 2000149951 A JP2000149951 A JP 2000149951A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い放電容量を実現しながら、高い初期効率
とサイクル特性を有するリチウム二次電池およびこれに
用いる負極活物質を提供する。 【解決手段】 正極活物質、負極活物質および非水系電
解質を含有するリチウム二次電池において、該負極活物
質として、ホウ素を含有する珪素材料の粉末からなり、
該珪素材料におけるホウ素含有量が0.1〜50重量%
である負極活物質を用いたことを特徴とする。さらに、
その負極活物質粉末の50%累積径が1〜100μmで
あること、その負極活物質粉末のX線広角回折法におけ
るSiの(111)面からの回折線のピーク強度に対す
るSiB4 の(021)面からの回折線のピーク強度の
比I(SiB4;021)/I(Si;111)が1以下であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
およびこれに用いられる負極活物質に関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は高い電圧を有し、放電容
量が大きく、且つ、充放電時の容量ロスの少ない高性能
なリチウム二次電池およびこれに用いられる負極活物質
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は高エネルギー密度を
有するため、移動体通信、携帯用情報端末用電源として
利用され、端末の普及とともにその市場が急速に伸びて
いる。それに伴い端末機器の特徴である小型、軽量をさ
らに追及するため、機器の中で大きな容積を占める電池
に対し更なる小型、軽量化の性能改善が求められてい
る。
【0003】現在その二次電池に使用されている負極活
物質は主に黒鉛系炭素質材料であり、電池性能を左右す
るキーマテリアルとなっている。しかしながら、その材
料中にリチウムを可逆的に挿入・脱離できる量は炭素6
原子に対してリチウム1原子が限界であり、電気容量に
して372mAh/gが炭素材料の充放電に対する理論
的な限界容量である。現行の二次電池はこの限界容量に
近いレベルで使用されているため、今後の飛躍的な性能
改善は期待できない。
【0004】このような状況の下、炭素以外の材料、例
えば合金や無機化合物で372mAh/gを大きく上回
る容量を有する材料の探索が徐々に行われつつある。そ
の中でも特に、錫、珪素を含んだ結晶質、非晶質酸化物
材料で1000mAh/gに近い放電容量を発揮するこ
とが見い出された(例えば、特開平7−220721号
公報、特開平7−249409号公報、等)。また、最
近珪素単体を負極活物質に用いた場合、3000mAh
/g前後の初期放電容量を示し(第38回電池討論会、
3A16(1997))、珪素酸化物を負極活物質に用
いた場合、1500mAh/g前後の初期放電容量を示
して(第38回電池討論会、3A17(1997))、
黒鉛系炭素質材料の限界容量をはるかに超える放電容量
を有することが報告された。しかしながら、いずれの材
料もその初期放電容量に対して初期充電容量が大きい、
すなわち、充放電時の容量ロスが非常に大きく(両材料
ともに1000mAh/g程度)、サイクル特性が低い
(充放電開始後数サイクルで容量が半減)ことが大きな
問題であった。
【0005】一方、珪素にホウ素を含有せしめた材料と
して、一般式SiBn において、nが0.1から3であ
るホウ素化珪素合金構造物(特開昭53−136630
号公報)、nが3.2から6.6の範囲のSiB4 を主
とする珪素のホウ素化合物粉末(特開平8−13874
4号公報)がそれぞれ開示されている。前記合金構造物
では珪素本来の黒鉛系炭素質材料をはるかに超える大き
な放電容量を示すものの、合金浴中に集電マトリックス
を含浸して成型する電極であるため、近年実用化されて
いるリチウムイオン電池にみられるような集電箔上に活
物質粉末をバインダーと共にスラリーにしたものを塗布
して成型する電極と比較して量産化が困難であった。ま
た本合金構造物は膜厚を薄くすることが困難であること
から、大きな電流密度の下では電極内でのリチウムの拡
散が十分に行われずに大きな分極抵抗を引き起こし、吸
蔵したリチウムを十分に引き出すことができないため、
充放電時の容量ロスが大きくなってしまうなど可逆性に
大きな問題を有していた。一方、後者のSiB4 等を主
体とする珪素のホウ素化合物粉末では、黒鉛系炭素質材
料よりも高い放電容量を得ることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なリチ
ウム二次電池用負極活物質およびこれを用いてなるリチ
ウム二次電池を提供することを目的とする。
【0007】本発明はまた、高い放電容量を実現しなが
ら、高い初期効率とサイクル特性を有するリチウム二次
電池およびこれに用いる負極活物質を提供することを目
的とする。
【0008】本発明はさらに、ホウ素を含有する珪素材
料をリチウム二次電池用負極活物質として用いた場合に
発生する上記の問題点、すなわち、量産化に不適である
こと、充放電時に大きな容量ロスを生じ可逆性が低いこ
と、及び、黒鉛系炭素質材料よりも低い放電容量しか得
られないという問題点を解決してなるリチウム二次電池
用負極活物質およびこれを用いてなるリチウム二次電池
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、珪素材料
粉末自体の電気化学特性を基に、ホウ素を含有させた珪
素材料粉末を鋭意検討した結果、ある適度な粒度を有す
る珪素材料粉末に低濃度のホウ素を混合し、ある条件で
熱処理することにより、含有するホウ素量から熱力学的
に推定されるホウ化珪素(SiB4 )の量よりかなり少
ない量のホウ化珪素しか存在しない実質的に過冷却状態
にあるホウ素含有珪素材料粉末を得ることができ、それ
を用いることにより珪素が本来保有する黒鉛系炭素質材
料をはるかに超える大きな放電容量を保持したまま容量
ロスが大幅に改善され、サイクル特性の良好な優れた電
極特性を発揮することを見い出した。本発明はかかる知
見に基づいて完成されたものである。
【0010】本発明のリチウム二次電池用負極活物質
は、ホウ素を含有する珪素材料の粉末からなり、該珪素
材料におけるホウ素含有量が0.1〜50重量%である
ことを特徴とするものである。
【0011】さらに本発明の好ましい実施態様において
は、その負極活物質粉末の50%累積径(d50)が1〜
100μmである負極活物質が示される。本発明の別の
好ましい実施態様においては、その負極活物質粉末のX
線広角回折法におけるSiの(111)面からの回折線
のピーク強度I(Si;111)に対するSiB4 の(021)
面からの回折線のピーク強度I(SiB4;021)の比I(SiB4;02
1)/I(Si;111)が1以下である負極活物質が示される。
【0012】上記諸目的を達成する本発明はまた、正極
活物質、負極活物質および非水系電解質を含有するリチ
ウム二次電池において、該負極活物質として少なくとも
ホウ素を0.1〜50重量%含有する珪素材料粉末を用
いてなることを特徴とするリチウム二次電池である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的な内容につ
いて述べる。
【0014】本発明に係るリチウム二次電池用負極活物
質は、珪素材料にホウ素を低濃度に含有させたものの粉
末からなるものである。
【0015】このようなホウ素含有珪素材料粉末は、例
えば、珪素材料にホウ素を低濃度で混合、熱処理し、必
要に応じて粉砕、分級して得られ、SiB4 等のホウ化
珪素の量が少ない実質的に過冷却状態にあるホウ素含有
珪素材料粉末である。このように、粒度、比表面積、及
び、共存相として生成するホウ化珪素の量を制御した材
料を用いることにより、電極としての大量製造を可能に
するだけでなく、黒鉛系炭素質材料よりもはるかに大き
な放電容量を有し、且つ、充放電時の容量ロスを劇的に
低減しサイクル特性を飛躍的に改善することに成功した
ものである。
【0016】この珪素単体の電極特性を改善するのに大
きな役割を果たしたホウ素の効果について以下のように
考察する。
【0017】珪素単体及び珪素酸化物とリチウムの反応
は、本系と類似の反応が進行すると予想される錫金属、
酸化物に関する報告(J.Electrochem.Soc.,144,6,2045
(1997))に基づけば、以下のように推察される。すなわ
ち、この反応は、基本的にホストである珪素とリチウム
との合金化・脱合金化反応と考えられる。珪素が充電時
に多量のリチウムと合金化反応した場合、リチウムの濃
度変化に伴って数々の相変化を起こすと共に大きな体積
膨張が生じる。逆に放電の場合には、リチウムとの合金
相からリチウムが脱離するに伴い、相変化と共に大きな
体積収縮が起こる。珪素単体及び珪素酸化物で起こる不
可逆容量の発生原因に関しては明らかではないが、充放
電時に起こる大きな相変化や体積変化のために、電極の
形態が崩壊して集電効率が低下することが充放電時の大
きな容量ロスや可逆性の低下の原因になり得る。
【0018】本発明に係るホウ素化合物の量が少ない実
質的に過冷却状態にあるホウ素含有珪素材料粉末を用い
ることにより上記不可逆容量が低減する理由についても
今のところ明らかではないが、例えば、珪素単体と比べ
て本発明のホウ素含有珪素材料粉末の方が、リチウムと
の最大合金組成が小さい場合には、充電深度が浅くなっ
て結晶構造の膨張が抑えられるために、集電効率の低下
が抑制されて不可逆容量が低減することや、ホウ素を含
有することでリチウムの拡散に適した結晶構造となる場
合には、純粋な珪素中よりもリチウムの拡散が速くなっ
て不可逆容量が低減すること、ホウ素のドープによるア
クセプターレベルの形成で材料自体の電気伝導性が向上
するために不可逆容量が低減すること、等が考えられ
る。
【0019】珪素にホウ素を含有させた材料の形態を適
度な粒度を有する粉末状とし、これをリチウム二次電池
の負極活物質に用いることにより、近年実用化されてい
る黒鉛系炭素質粉末を搭載したリチウムイオン電池の電
極製造ラインを改造することなく使用できるため、現行
設備での電池の量産化が可能となる。さらに、粉末を塗
布成型した電極では従来の合金構造物と比較して電極内
でのリチウムの拡散に有利な薄膜化が可能となり、大き
な電流密度下での分極抵抗が低く抑えられるため、充放
電時の電気量効率が改善されて容量ロスを低減すること
が可能である。
【0020】本発明に係るホウ素含有珪素材料粉末に関
しては、当該珪素材料粉末におけるホウ素濃度として重
量換算で0.1〜50%を満たすことが必要である。ホ
ウ素濃度が0.1重量%未満の場合にはホウ素を含むこ
とによる効果が十分に発揮されず、珪素単体と同様充放
電時に大きな容量ロスを示すため好ましくない。一方、
ホウ素濃度が0.1重量%以上の材料でホウ素を含むこ
とによる電極特性の劇的な改善が見られた。また、ホウ
素濃度が50重量%を超える場合には、多量に生成する
SiB4 等のホウ化珪素がリチウムの吸蔵(合金化)反
応に寄与しないため、重量あたりの放電容量、エネルギ
ー密度が極度に低下してしまうため好ましくない。さら
に好ましくは、ホウ素濃度が10重量%〜50重量%であ
ることが望ましく、20重量%〜40重量%が更に望ま
しい。該珪素材料粉末中に含まれるホウ素量含有量が1
0重量%以上となると、該珪素材料粉末はより高いサイ
クル特性を示すことが可能となる。これは、本発明の検
討の中で見出されたホウ素添加によって充放電に伴う珪
素材料粉末の膨張収縮が抑制されるという現象におい
て、ホウ素含有量が10重量%以上にはその効果が顕著
に高くなるためであろうと考えている。
【0021】また、本発明に係るホウ素含有珪素材料粉
末の粒度に関しては、その粉末の50%累積径(d50
が1〜100μm、より好ましくは5〜50μmを満た
すことが望ましい。d50が1μm未満の場合には、小さ
な粒径の粉体が多く含まれるためハンドリング性が悪く
なる傾向が認められることや、バインダーや導電剤が多
く必要となり単位体積あたりのエネルギー密度が低下す
る可能性があるため好ましくない。一方、d50が100
μmを超える場合には、リチウムが活物質粉末の内部ま
で拡散することが困難となる可能性や、現行のリチウム
イオン電池の電極厚みが200μm以下程度であり電極
作成が困難となる可能性があるため好ましくない。
【0022】ホウ素含有珪素材料粉末の粒度比表面積に
関しては、100m2 /g以下であることが望ましい。
この比表面積が100m2 /gを超える場合には、表面
積が大きいために初期充電の際に電解質との反応を起こ
して容量ロスを大きくする可能性や、充放電サイクルの
際に材料中に吸蔵したリチウムと電解質中の溶媒との反
応性が高くなって安全性が低下する可能性があるため好
ましくない。一方比表面積の下限値としては、特に限定
されるものではないが、リチウムが活物質粉末の内部ま
で拡散することが困難となる可能性や、薄肉な電極作成
が困難となる可能性から、0.01m2 /g程度であ
る。
【0023】さらに、本発明においては、ホウ素含有珪
素材料粉末の広角X線回折パターン測定で観測される回
折ピークの内、Siの(111)面からの回折線とSiB4の(021)
面からの回折線の各々のピーク強度I(Si;111)とI(SiB4;
021)が、 I(SiB4;021)/I(Si;111) ≦ 1 なる関係を満たすことが望ましい。
【0024】このピーク強度比が1を超える場合には、
共存するSiB4 が材料中に相当量存在することを意味
し、SiB4 自体はリチウムの吸蔵(合金化)反応に寄
与しないため、重量あたりの放電容量、エネルギー密度
が極度に低下してしまい、サイクル特性も低くなる恐れ
があるためである。
【0025】ここで、本発明のリチウムイオン二次電池
用負極活物質中のホウ素を含有する珪素材料粉末由来の
広角X線回折パターンは主にはSiとSiB4由来のピークに
帰属される。しかし、上記のホウ素を含有する珪素材料
粉末は単なるSiとSiB4の単純な混合物では無い。透過電
子顕微鏡による観察からは、ホウ素を含有する珪素材料
粉末の各粒子中に微細なホウ素化珪素(SiB4)が多数析出
していること、もしくは析出初期の段階にあることが、
また、該珪素材料粉末の各粒子には非常に複雑な局所歪
みが数多く存在していることが認められる。詳しいメカ
ニズムは明らかでは無いが、本発明者等は、この様な析
出SiB4のサイズや析出形態や該珪素材料粉末中に固溶し
ているホウ素や多くの局所歪み等が、本発明の活物質の
優れた性能発現に寄与しているものと考えている。
【0026】また、該ピーク強度比が意味するところの
SiB4 の存在割合は、平衡論的には添加するホウ素量
と反応温度で決定される(ホウ素と珪素の相図について
は、例えば、J.Less-Common Met.,71,195(1980)で報告
されている。)が、原料の珪素の形態や焼成パターンに
より、材料中に共存するSiB4 等のホウ化珪素の量が
大きく左右される。特に、原料の珪素が粉末であり、熱
処理工程での降温過程が早い場合には、材料中のSiB
4 の存在割合が小さく、従って、ホウ化珪素の量が少な
い実質的に過冷却状態にあるホウ素含有珪素材料を調製
することが可能である。
【0027】なお、本発明に係るホウ素含有珪素材料粉
末に関し、該ピーク強度比I(SiB4;021)/I(Si;111)の下
限値としては、特に限定されるものではないが、以下に
示すような理由の下に、ゼロという値を含み得る。すな
わち、本発明に係るホウ素含有珪素材料粉末は、上記し
たように0.1重量%という少量のホウ素含有によって
も、珪素材料単独の場合と比較して電極特性における劇
的な改善性を発揮するものであり、このような少量を添
加した態様においてはホウ素が完全に珪素と固溶してS
iB4のピークが観測されないためである。また現在の
広角X線回折法の測定精度においては、当該ピーク強度
比の検出限界値が0.01程度であり、これよりも低い
値においては、SiB4由来の回折ピークが存在していても
バックグラウンドにおけるノイズと判別することが困難
な場合がある。このため、当該ピーク強度比が0.01
以下である場合、SiB4由来の回折ピークが存在していた
か否か明らかに判別することは困難であるが、いずれに
しても、ホウ素が珪素材料粒子中に含有されていること
が明らかである限りにおいては、ホウ素が完全に珪素に
固溶した状態にあるか、あるいは一部がホウ化珪素とし
て析出しているかは別として、本発明の実施態様となる
ものである。なお、該ピーク強度比が0.01以上1以
下である場合は、もちろん、本発明に、好ましい実施態
様として含まれる。
【0028】また、ホウ素を含有する該珪素材料粉末の
結晶化度については特に規定はされないが、ホウ素を含
有する該珪素材料粉末の結晶化度が極端に低い場合(例
えばX線回折で評価される結晶子サイズが10nm以下であ
る場合)には、その充放電時に電位が充放電量に対して
フラットな依存性を示さなくなり電池に用いたときの放
電量に依存しない安定した電圧の確保という観点から望
ましくない。
【0029】本発明のリチウム二次電池用負極活物質で
あるホウ素含有珪素材料粉末は、特に限定されるわけで
はないが、例えば、以下の方法によって調製され得る。
すなわち、d50が1〜100μmの珪素粉末に対して、
ホウ素換算で0.1〜50重量%のホウ素化合物粉末を
混合したものをアルゴン雰囲気下1350℃〜1400
℃まで昇温後、1〜10時間保持し、その後15℃/分
程度の速度で600℃まで急冷した後、5℃/分程度の
速度で室温付近まで冷却する。焼成により得られた粉末
は、必要に応じて解砕、分級により粒度を調整する。こ
こでの焼成雰囲気は非酸化性雰囲気であればよく、例え
ばアルゴン以外に窒素等を用いることも可能である。
【0030】ここで原料として用いた珪素粉末は、Si
以外に種々の元素を含んでいても良い。例えば、炭素、
酸素、水素、窒素、硫黄、リン、ハロゲン、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、遷移金属、Al、Ga、In、
Ge、Sn、Pb,Sb、Biなどを少なくとも1種類
含んでも良い。これら元素の総含量は0〜10重量%が
好ましい。さらに0〜5重量%がより好ましい。
【0031】また、もう一方の原料であるホウ素化合物
粉末は、最終的に本発明の規定範囲内のホウ素濃度で珪
素中にホウ素の形で固溶し得るものであればよく、ホウ
素化合物として、例えば、ホウ素単体、酸化ホウ素、ホ
ウ酸、炭化ホウ素、窒化ホウ素などの1種または複数を
好適に用いることが可能である。
【0032】混合方法についても試料同士が十分均一に
混ざりあっていればよく、例えば、V−ブレンダー、ニ
ーダー、ボールミルなどを好適に用いることができる
が、特にこれらに限定されるものではない。また焼成後
のホウ素含有珪素材料粉末の粒度、比表面積の調整には
工業的に通常用いられる方法を用いることが可能であ
る。例えば、粉砕にはボールミル、ピンミル、ディスク
ミル、インペラーミル、ジェットミル、ローラーミル、
スタンプミル、カッティングミル等が、分級には空気分
級機、ふるい等が好適に用いられるが、特にこれらに限
定されるものではない。
【0033】以上、本発明のリチウム二次電池用負極活
物質の調製方法を例示的に述べたが、本発明のリチウム
二次電池用負極活物質は上記の調製方法によって限定さ
れるものではない。本発明のリチウム二次電池用負極活
物質の他の調整方法の例は、シランガスとジボランガス
の所定比の混合ガスをArガスをキャリアーガスとしてプ
ラズマ処理してホウ素含有珪素材料粉末を得、これを約
1380℃程度で約1時間熱処理することで本発明のリチウ
ム二次電池用負極活物質に使用可能なホウ素を含有する
珪素材料粉末を得ることもできる。別な例では、珪素粉
末とホウ素金属を所定比で混合してボールミルを用いて
約20時間十分にメカニカルアロイングし、得られたもの
を約1380℃で約1時間熱処理して、適度な粉砕分級を行
って本発明のリチウム二次電池用負極活物質に使用可能
なホウ素を含有する珪素材料粉末を得ることもできる。
【0034】さらに、本発明に係るリチウム二次電池用
負極活物質は、上記したようなホウ素含有珪素材料粉末
に、他の負極活物質、例えば、炭素材料粉末をさらに添
加して、これらの混合粉末とすることも可能である。
【0035】このような混合粉末とした場合、本発明に
係る負極活物質は、高い放電容量を有するにもかかわら
ず、サイクル特性と充放電時の膨張収縮率に関して特に
優れた性能を有するものとなる。その原因は明らかにな
ってはいないが、混合粉末中には炭素材料粉末、代表的
には高黒鉛化度の炭素材料粉末が含有されており、一般
にこの様な炭素材料粉末は容易に変形可能であるため
に、ホウ素を含有する珪素材料粉末の充放電に伴う比較
的大きな膨張収縮を緩衝させる事がその重要な原因の一
つであると考えている。
【0036】本発明において用いられる炭素材料粉末
は、実質的にホウ素を含有していなくても、ホウ素を含
有していても良い。
【0037】ここで、炭素材料粉末としては、結晶化度
の高いもの(いわゆる高黒鉛化度)を有する炭素材料粉
末であることが放電容量の観点から望ましい。高い結晶
化度はX線回折等で確認可能である。この場合、炭素材
料粉末は導電材としても働くと共に約300mAh/g
の放電容量を有する負極活物質としても働く。
【0038】該炭素材料粉末は、例えば以下の方法によ
って調製され得る。まず、ホウ素を含有しない炭素材料
粉末の場合、コールタール系のピッチコークス(炭化品)
を粉砕分級し、325meshアンダーで10μm以下の粒子が体
積で10%以下になるように調製して得られる炭素材料粉
末をアルゴン雰囲気下等の非酸化性雰囲気下約2900℃ま
で昇温後、約1時間保持し、その後室温付近まで放冷す
る。熱処理により得られた粉末は、簡単な解砕によって
本発明のリチウム二次電池用負極活物質に用いることが
可能な炭素材料粉末を得る。また、ホウ素を含有する炭
素材料粉末の場合、コールタール系のピッチコークス
(炭化品)を粉砕分級し、325meshアンダーで10μm以下の
粒子が体積で10%以下になるように調製して得られる炭
素材料粉末に対して325meshアンダーのホウ素単体、酸
化ホウ素、ホウ酸、炭化ホウ素、窒化ホウ素などの1種
または複数のホウ素化合物粉末をホウ素換算で約0.5wt%
〜約10wt%添加混合した上でアルゴン雰囲気下約2900℃
まで昇温後、約1時間保持し、その後室温付近まで放冷
する。この場合通常熱処理後の粉砕・分級が必要となる
のでこれを行って、本発明のリチウム二次電池用負極活
物質に用いることが可能な炭素材料粉末を得る。
【0039】本発明に用いられ得る炭素材料粉末として
は、特に限定されるものではなく、上記したようなコー
ルタール由来の人造黒鉛の他に、石油タール由来の人造
黒鉛、天然黒鉛、キッシュ黒鉛等であり得、またはこれ
らに熱処理等でホウ素を含有させたものを用いることも
できる。
【0040】ホウ素を実質的に含有しない炭素材料粉末
に関しては、広角X線回折パターンで測定される回折ピ
ークの内、該炭素材料粉末由来の内の二つの回折線即ち
炭素の(101)面からの回折線と炭素の(100)面からの回折
線の各々のピーク強度I(C;101)とI(C;100)が、 I(C;101)/I(C;100) ≧ 1 を満足することが望ましい。この時、炭素材料粉末自身
の結晶化度(黒鉛化度)が高いために放電容量が大きく
なるので、ホウ素を含有する該珪素材料粉末の混合量を
低下させることが可能となり、そのために負極材全体の
充電による膨張率を低く抑えることが可能となる。
【0041】該ピーク強度比I(C;101)/I(C;100)が1よ
り小さい場合には、炭素材料粉末自身の放電容量が小さ
く、黒鉛の理論容量を超える放電容量を実現するために
はホウ素を含有する該珪素材料粉末を多量に混合する必
要が生じ、負極材としての充電による膨張率が大きくな
り、該混合粉末が十分なサイクル特性を発揮することが
難しくなってくる虞れがある。
【0042】また、一般にホウ素を含有する炭素材料粉
末の結晶化度は高くその放電容量が大きいために、そも
そも該炭素材料粉末がホウ素を含有していること自体が
好ましい。特に、該炭素材料粉末中に対する該炭素材料
粉末中に含有されるホウ素の重量含有量は0.5%以上10%
以下であることが望ましい。10%以上のホウ素の含有量
は、広角X線回折パターン測定でも明らかな様に該炭素
材料粉末の結晶化度向上に殆ど寄与せず電気化学的に不
活性なB4Cを生成するだけであり、容量向上には何等寄
与しないばかりかB4C生成の分だけ単位重量当りの容量
を減少させる結果となる。また、上記のホウ素を含有す
る炭素材料粉末は広角X線回折パターンで測定される回
折ピークの内、炭素の(101)面からの回折線と炭素の(10
0)面からの回折線の各々のピーク強度I(C;101)とI(C;10
0)が、 I(C;101)/I(C;100) ≧ 2 を満足することが望ましい。この時、炭素材料粉末の結
晶化度がより向上するため、黒鉛の理論容量に近い容量
を発現しやすくなる。
【0043】本発明のリチウム二次電池用負極活物質を
用いて負極を形成する方法としては、本発明のリチウム
二次電池用負極活物質の性能を十分に引き出し且つ、賦
型性が高く、化学的、電気化学的に安定であれば何らこ
れに制限されるものではない。例示すれば、珪素材料粉
末にカーボンブラック等の導電剤、ポリテトラフルオロ
エチレン等フッ素系樹脂の粉末あるいはディスパージョ
ン溶液を添加後、混合、混練する方法がある。また、珪
素材料粉末にカーボンブラック等の導電剤およびポリエ
チレン、ポリビニルアルコール等の樹脂粉末を添加した
後、乾式混合物を金型に挿入し、ホットプレスにより成
型する方法もある。さらに、珪素材料粉末にカーボンブ
ラック等の導電剤、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフ
ッ素系樹脂粉末あるいはカルボキシメチルセルロース等
の水溶性粘結剤をバインダーにして、N−メチルピロリ
ドン(NMP)、ジメチルホルムアミドあるいは水、アルコ
ール等の溶媒を用いて混合することによりスラリーを作
成し、集電体上に塗布、乾燥することにより成型するこ
ともできる。
【0044】なお、本発明のリチウムイオン二次電池用
負極活物質が、炭素材料粉末とホウ素含有材料粉末との
混合粉末である態様においては、共存している炭素材料
粉末又はホウ素を含有している炭素材料粉末が導電材と
しての機能を十分果たすために、負極を形成する上で、
更にカーボンブラック等の導電材を添加する必要は特に
ない。
【0045】本発明の負極活物質は、正極活物質と非水
系電解質(例えば、有機溶媒系電解質)と適宜に組み合
わせて用いることができるが、これらの非水系電解質
(例えば、有機溶媒系電解質)や正極活物質は、リチウ
ム二次電池に通常用いることのできるものであれば、特
にこれを制限するものではない。
【0046】正極活物質としては、例えば、リチウム含
有遷移金属酸化物LiM(1)x 2 (式中、xは0≦
x≦1の範囲の数値であり、式中、M(1)は遷移金属
を表し、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Z
n、Al、In、Snの少なくとも一種類からなる)或
いはLiM(1)y M(2)2-y 4 (式中、yは0≦
y≦1の範囲の数値であり、式中、M(1)、M(2)
は遷移金属を表し、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、
V、Fe、Zn、B、Al、In、Snの少なくとも一
種類からなる)、遷移金属カルコゲン化物(TiS2
NbSe3 、等)、バナジウム酸化物(V2 5 、V6
13、V2 4 、V3 8 、等)及びそのLi化合物、
一般式Mx Mo6 Ch8-y (式中、xは0≦x≦4、y
は0≦y≦1の範囲の数値であり、式中、Mは遷移金属
をはじめとする金属、Chはカルコゲン元素を表す)で
表されるシェブレル相化合物、或いは活性炭、活性炭素
繊維等を用いることができる。
【0047】非水系電解質(例えば、有機溶媒系電解
質)における有機溶媒としては、特に制限されるもので
はないが、例えば、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレン
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラク
トン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジ
オキソラン、アニソール、ジエチルエーテル、スルホラ
ン、メチルスルホラン、アセトニトリル、クロロニトリ
ル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テト
ラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホル
メート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾ
イル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシ
ド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコ
ール、サルファイト、ジメチルサルファイト等の単独も
しくは2種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0048】電解質としては、従来より公知のものを何
れも使用することができ、例えば、LiClO4 、Li
BF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiB(C
6 5 )、LiCl、LiBr、LiCF3 SO3 、L
iCH3 SO3 、Li(CF3 SO 2 2 N、Li(C
3 SO2 3 C、Li(CF3 CH2 OSO2
2 N、Li(CF3 CF2 CH2 OSO2 2 N、Li
(HCF2 CF2 CH2 OSO22 N、Li((CF
3 2 CHOSO2 2 N、LiB[C6 3 (C
3 2 4 等の一種または二種以上の混合物を挙げる
ことができる。
【0049】以下に本発明のリチウム二次電池用負極活
物質の規定に用いた種々の物性値の表現方法、及び、測
定方法を示す。
【0050】(1) ホウ素量 ICP法(誘導結合高周波プラズマ分光分析法)により
定量した。
【0051】(2) 50%累積径(d50) 分散された粒子に平行光線を照射した際の回折パターン
を演算することにより粒度分布を解析し(フランホーフ
ァ回折)、重量の累積が50%となったところの粒径を
50%累積径(d50)として求めた。通常、各試料約
0.2gを分散媒としての水20ccに入れ、さらに市
販の界面活性剤を2〜3滴加えたものを用いてセイシン
企業社製粒度分布測定装置LMS−24により測定し
た。
【0052】(3) 比表面積 試料へ窒素を吸着させた際の各窒素分圧に対する吸着量
曲線を基にBET法を用いて解析することにより比表面
積を求めた。通常、各試料1〜2gを用いて、日本ベル
株式会社製BELSORP−36により測定した。
【0053】(4) I(SiB4;021)/I(Si;111) 単色のX線を平行ビームにコリメートし、試料粉末に照
射してSiの(111)面、及び、SiB4の(021)面に対応するピ
ークを測定する。バックグラウンドを除外したそれぞれ
のピーク強度からピーク強度比I(SiB4;021)/I(Si;111)
を算出した。
【0054】(5) I(C;101)/I(C;100) 単色のX線を平行ビームにコリメートし試料粉末に照射
して炭素の(101)面からの回折線と炭素の(100)面からの
回折線の各々のピークを測定する。バックグラウンドを
除外したそれぞれのピーク強度からピーク強度比I(C;10
1)/I(C;100)を算出した。
【0055】
【実施例】以下、実施例で本発明を具体的に説明する。
【0056】実施例1 珪素粉末(純度99.9%、d50=10μm)にホウ素
粉末(純度99.9%)を重量換算で1%添加してニー
ダーを用いて十分混合した後、この混合物をアルゴン気
流中1400℃まで昇温しこの温度で5時間保持し、室
温まで約3時間で冷却することによりリチウム二次電池
負極用珪素材料粉末を得た。このようにして調製した珪
素材料粉末に含まれるホウ素量は重量比で0.5%であ
った。得られたホウ素含有珪素材料粉末をインペラーミ
ルによって解砕後、空気分級機を用いて粒度調整するこ
とにより、50%累積径(d50)が15μmの粉末を得
た。その粉末の比表面積は5.1m2 /gであった。こ
の材料をX線回折測定した結果、SiB4 のピークは観
測されずピーク強度比I(SiB4;021)/I(Si;111)は0とな
り、材料中のホウ素はすべて珪素と固溶していた。
【0057】このホウ素含有珪素材料粉末70重量%に
対して、導電剤としてカーボンブラックを20重量%、
バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン粉末を1
0重量%加えて混練し、約0.1mm厚の電極シートを
作成し、1cm角(重量で約21mg)に切り出し(珪
素材料に換算して約15mg)、集電体であるCuメッ
シュに圧着することにより負極電極を作成した。
【0058】上記成型電極の単極での電極特性を評価す
るために、対極、参照極にリチウム金属を用いた三極式
セルを用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの混合溶媒(体積比で1:1混合)
にLiPF6 を1mol/lの割合で溶解したものを用
いた。充放電試験に関しては、電位規制の下、充電、放
電共に定電流(0.5mA/cm2 )で行なった。電位
範囲は0Vから2.0V(リチウム金属基準)とした。
このような条件で評価した結果、このホウ素含有珪素材
料粉末は初回充電容量が2500mAh/g、初回放電
容量が2000mAh/gで初期容量ロスは500mA
h/gと小さく、2回目以後は容量ロスがほとんどみら
れなかった。また2回目以後の充放電においても放電容
量はほとんど変わらず優れたサイクル特性を示すなど、
非常に高い電極性能を有していた。
【0059】実施例2 ホウ素を重量換算で10%添加したほかは実施例1と同
様の条件で材料の調製を行った。得られた材料中に含ま
れるホウ素量は重量比で9.0%であった。得られたホ
ウ素含有珪素材料粉末をジェットミルによって解砕後、
空気分級機を用いて粒度調整することにより、50%累
積径(d50)が20μmの粉末を得た。その粉末の比表
面積は3.5m2 /gであった。またこの材料をX線回
折測定した結果、SiB4 に対応する非常に小さなピー
クが珪素に対応するピークとともに観測され、ピーク強
度比I(SiB4;021)/I(Si;111)は0.05となり、材料中
のホウ素のほとんどが珪素と固溶していた。
【0060】このようにして調製したホウ素含有珪素材
料粉末を実施例1と同様の条件で電極評価を行った。そ
の結果、このホウ素含有珪素材料粉末は初回充電容量が
2400mAh/g、初回放電容量が2000mAh/
gで初期容量ロスは400mAh/gと小さく、2回目
以後は容量ロスがほとんどみられなかった。また2回目
以後の充放電においても放電容量はほとんど変わらず優
れたサイクル特性を示すなど、非常に高い電極性能を有
していた。
【0061】実施例3 ホウ素を重量換算で50%添加したほかは実施例1と同
様の条件で材料の調製を行った。得られた材料中に含ま
れるホウ素量は重量比で48.9%であった。得られた
ホウ素含有珪素材料粉末をピンミルによって解砕後、空
気分級機を用いて粒度調整することにより、50%累積
径(d50)が5μmの粉末を得た。その粉末の比表面積
は25.3m2 /gであった。またこの材料をX線回折
測定した結果、SiB4 に対応するピークが珪素に対応
するピークとともに観測され、ピーク強度比I(SiB4;02
1)/I(Si;111)は0.88となり、ホウ素の一部が珪素と
固溶していると共に一部SiB4 が生成していた。
【0062】このようにして調製したホウ素含有珪素材
料粉末を実施例1と同様の条件で電極評価を行った。そ
の結果、このホウ素含有珪素材料粉末は初回充電容量が
800mAh/g、初回放電容量が500mAh/gで
初期容量ロスは300mAh/gと小さく、2回目以後
は容量ロスがほとんどみられなかった。また2回目以後
の充放電においても放電容量はほとんど変わらず優れた
サイクル特性を示すなど、非常に高い電極性能を有して
いた。
【0063】比較例1 珪素粉末(純度99.9%)をリチウム二次電池用負極
活物質に用いた。その粉末の50%累積径(d50)は1
0μmであり、比表面積は8.7m2 /gであった。こ
の材料を実施例1と同様の条件で電極評価を行った。そ
の結果、この負極活物質は初回放電容量は2000mA
h/gで大きいものの、初回充電容量が3300mAh
/gで初期容量ロスは1300mAh/gと非常に大き
かった。さらなる充放電の繰り返しにより、容量ロスは
2回目でも800mAh/gと大きく、その後徐々に低
下して7回目でようやく0mAh/gになった。このた
めトータルの容量ロスが非常に大きかった。またサイク
ルの進行とともに放電容量は急激に低下して10回目で
200mAh/gにまで落ち込むなど、リチウム二次電
池用として実用に耐えないものであった。
【0064】比較例2 ホウ素を重量換算で56%添加したほかは実施例1と同
様の条件で材料の調製を行った。また得られたホウ素化
珪素材料粉末をインペラーミルによって解砕することに
より、50%累積径(d50)が20μmの粉末を得た。
その粉末の比表面積は2.1m2 /gであった。得られ
た材料中に含まれるホウ素量は重量比で54.5%であ
った。またこの材料をX線回折測定した結果、SiB4
やSiB 6 に対応するピークが珪素に対応するピークと
ともに観測され、ピーク強度比I(SiB4;021)/I(Si;111)
は0.96となり、ホウ素が高濃度に固溶したホウ素−
珪素の固溶体相が生成すると共に、固溶量を超えたホウ
素がSiB4 を生成して共存し、さらにより高いホウ素
濃度のホウ化珪素(SiB6 )が若干量生成していた。
【0065】このようにして調製したホウ素含有珪素材
料粉末を実施例1と同様の条件で電極評価を行った。そ
の結果、このホウ素含有珪素材料粉末は初回充電容量が
370mAh/gと低く抑えられ、SiB4 に加えてさ
らに高濃度のホウ化珪素(SiB6 )が共存するため初
回放電容量が170mAh/gと非常に小さかった。ま
た充放電の繰り返しにより、2回目以後もさらに放電容
量が低下し10回目で140mAh/gになるなど、リ
チウム二次電池として実用に耐えないものであった。
【0066】実施例4 コールタールピッチから得たピッチコークス粉末をボー
ルミルを用いて粉砕後、325メッシュによりふるい、
ふるい下を取り出した。これに、ホウ素粉末(純度9
9.9%、325メッシュアンダー)をホウ素濃度で2
wt%加えて良く混合したものを円筒形の黒鉛製坩堝中
に封入し、ネジのついたふたで密閉した。この密閉坩堝
を電気炉によってArガスを10リットル/分流しなが
ら、約12℃/分の昇温速度で2900℃まで昇温しこ
の温度で1時間保持した後に室温まで降温した。円筒径
の黒鉛製坩堝から取り出した炭素材料粉末をインペラー
ミルを用いて粉砕分級し黒鉛化炭素材料粉末を得た。こ
の黒鉛化粉末のX線回折パターンから炭素の(101)面か
らの回折線のピーク強度I(C;101)と炭素の(100)面から
の回折線のピークI(C;100)との比I(C;101)/I(C;100)を
測定した結果、I(C;101)/I(C;100)=2.6であった。
また、ホウ素含有量は1.2wt%であった。
【0067】このようにして得た黒鉛化炭素材料粉末と
実施例2で得たホウ素含有珪素材料粉末の混合物(黒鉛
化炭素材料粉末:ホウ素含有珪素材料粉末=80:20
(重量比))500gとエタノール約1kgとを大型ビ
ーカーに装入し、室温で約1時間撹拌した後に、濾紙を
用いて吸引濾過して残った濾紙上の粉末を100℃で2
4時間真空乾燥を行って混合粉末を得た。
【0068】このようにして調製した混合粉末の50%
累積径(d50)は28μm、比表面積は3.2m2
g、X線回折測定で求めたピーク強度比I(SiB4;021)/I
(Si;111)は0.05であった。
【0069】このようにして得られた混合粉末に結着剤
としてポリふっ化ビニリデン(PVdF)を用い、1−
メチルピロリドン(NMP)を溶剤として塗工液を作製
し、これをCuシート上に塗布し、プレスにより約0.
1mm厚の電極シートを作成し、1cm×1cm角に切
り出し負極電極を作成した。塗布密度は約1.3g/c
3にした。
【0070】上記負極電極の単極での電極特性を評価す
るために、対極、参照極にリチウム金属を用いた三極式
セルを用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの混合溶媒(体積比で1:1混合)
にLiCl4 を1mol/lの割合で溶解したものを用
いた。充放電試験に関しては、電位規制の下、充電、放
電共に定電流(0.5mA/cm2 )で行なった。電位
範囲は0Vから2.0V(リチウム金属基準)とし、充
放電を100回繰り返した。
【0071】この電極評価試験によって、放電容量とし
て評価している混合粉末1g当たりの最大の放電容量、
1回目の充放電での充放電効率いわゆる初期効率、混合
粉末1g当たりの最大の放電容量に対する100回目の
混合粉末1g当たりの放電容量の割合(サイクル特性)
を測定した。その結果、最大の放電容量はこ744mA
h/g、初期効率は90.5%、サイクル特性は86%
と、非常に高い電極能を有していた。
【0072】
【発明の効果】以上の説明からも明白なように、本発明
のリチウム二次電池用負極活物質は、珪素金属、酸化物
が有する高い放電容量を保持したまま容量ロスを飛躍的
に低減することができ、可逆性に優れた高いエネルギー
密度のリチウム二次電池を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 太郎 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 杉浦 勉 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ素を含有する珪素材料粉末からな
    り、その珪素材料粉末におけるホウ素含有量が0.1〜
    50重量%であることを特徴とするリチウム二次電池用
    負極活物質。
  2. 【請求項2】 該負極活物質の50%累積径(d50)が
    1〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載
    のリチウム二次電池用負極活物質。
  3. 【請求項3】 該負極活物質が、X線広角回折法におけ
    るSiの(111)面からの回折線のピーク強度I(Si;1
    11)に対するSiB4 の(021)面からの回折線のピ
    ーク強度I(SiB4;021)の比I(SiB4;021)/I(Si;111)が1以
    下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリ
    チウム二次電池用負極活物質。
  4. 【請求項4】 正極活物質、負極活物質および非水系電
    解質を含有するリチウム二次電池において、該負極活物
    質として請求項1〜3のいずれかに記載の負極活物質を
    少なくとも用いてなることを特徴とするリチウム二次電
    池。
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