JPH0896852A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH0896852A
JPH0896852A JP7168555A JP16855595A JPH0896852A JP H0896852 A JPH0896852 A JP H0896852A JP 7168555 A JP7168555 A JP 7168555A JP 16855595 A JP16855595 A JP 16855595A JP H0896852 A JPH0896852 A JP H0896852A
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JP
Japan
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secondary battery
lithium
solvent
negative electrode
electrolyte secondary
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Application number
JP7168555A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Naruse
義明 成瀬
Shigeru Fujita
茂 藤田
Tokuo Komaru
篤雄 小丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー密度が高く、低温環境下を含めた
各種使用環境下において、良好なサイクル特性を発揮す
る非水電解液二次電池を実現する。 【解決手段】 非水電解液二次電池において、非水溶媒
の高誘電率溶媒としてビニレンカーボネートを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
に関し、特に非水溶媒の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR、電話、ラッ
プトップコンピューター等の電子機器の小型軽量化、ポ
ータブル化に伴い、これら電子機器の供給電源となる二
次電池に対しても軽量且つ高容量であることが益々求め
られるようになっている。
【0003】二次電池としては、従来より用いられてい
る鉛二次電池やニッケル−カドミウム二次電池、最近提
案された非水電解液二次電池(リチウム二次電池)が挙
げられるが、中でも非水電解液二次電池は、軽量で高エ
ネルギー密度が得られる、高電圧が発生できる、安全性
が高い、無公害である等の利点を有し、さらなる特性の
改善を図るべく活発に研究開発が進められている。
【0004】上記非水電解液二次電池は、基本的には、
リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な負極と正
極及び非水溶媒に電解質としてリチウム塩が溶解されて
なる非水電解液とを備えて構成される。
【0005】このうち、正極活物質としては例えばリチ
ウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。また、負極活物
質としてはリチウム金属、リチウム合金さらにはリチウ
ムをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料等が挙
げられる。このうち炭素材料は、電池のサイクル特性を
改善させられることから期待されており、そして、中で
もグラファイトは電池の単位体積当たりのエネルギー密
度を向上させられる材料として注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な非水電解液二次電池では、正極,負極の特性も勿論重
要であるが、良好な特性を得るためにはリチウムイオン
の移送を担う非水電解液の特性も重要である。
【0007】この非水電解液を構成する非水溶媒として
は、通常、電解質の溶解能力の高い高誘電率溶媒と電解
質イオンの移送能力の高い低粘度溶媒が組み合わせて用
いられる。例えば高誘電率溶媒であるプロピレンカーボ
ネート(PC)と、低粘度溶媒である1,2−ジメトキ
シエタン(DME)、2−メチルテトラヒドロフラン
(2−MeTHF)、ジメチルカーボネート(DM
C)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチル
カーボネート(DEC)等を混合してなるPC系電解液
は、高い導電率が得られ、電池のサイクル特性を向上で
きる点から従来より汎用されている。
【0008】しかしながら、PC系電解液は、これまで
に提案されている他の電解液よりは優れているものの、
近年要求されている特性を非水電解液に付与する点から
見ると十分満足のいくものとは言えない。
【0009】また、電池のエネルギー密度を高められる
との期待から、結晶性の高いグラファイトを負極に使用
する試みがなされているが、PCはこのグラファイトに
よって分解されてしまう欠点がある。このため、グラフ
ァイトを負極活物質として使用する場合には不適当であ
る。
【0010】グラファイトを負極活物質として使用する
場合にはPCの代わりにエチレンカーボネート(EC)
等の分解しにくい溶媒を用いれば、電解液の分解が回避
されるようになることが本願発明者等の検討において明
らかになっている。しかし、ECは凝固点が38℃付近
で高く、電池の低温特性を改善するのに不利である。ま
た、ECを電解液の溶媒として使用した非水電解液二次
電池では、原因は不明であるがサイクル特性が悪くなる
という問題もある。
【0011】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、エネルギー密度が高く、
良好なサイクル特性を発揮する非水電解液二次電池を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者等が種々の検討を重ねた結果、プロピレ
ンカーボネートの代わりにビニレンカーボネートを高誘
電率溶媒として使用することにより、グラファイトを負
極活物質として使用することが可能になり、高エネルギ
ーを有するとともに、より低い温度環境下においても良
好なサイクル特性を発揮する二次電池が実現するとの知
見を得るに至った。
【0013】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであり、金属リチウム、リチウム合金、リチ
ウムをドープ・脱ドープすることが可能な材料のいずれ
かよりなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解さ
れてなる非水電解液とを備えてなる非水電解液二次電池
に適用される。
【0014】本発明ではこのような非水電解液二次電池
の電解液の非水溶媒として、ビニレンカーボネートを含
有するものを使用する。
【0015】ビニレンカーボネートとは、化1に示す構
造を有する化合物である。
【0016】
【化1】
【0017】このビニレンカーボネートを電解液の非水
溶媒として用いると、電池に良好なサイクル特性を付与
できる。また、ビニレンカーボネートはプロピレンカー
ボネートが分解されてしまうグラファイトによって分解
されないので、真密度の高いグラファイトを負極に使用
することで電池のエネルギー密度の向上が図れる。さら
に、このビニレンカーボネートの凝固点は22℃と、E
Cの凝固点が38℃付近であるのに比べて低いので、よ
り低い温度環境下においても良好なサイクル特性が得ら
れるようになる。
【0018】ここで、非水溶媒に含有させるビニレンカ
ーボネートの割合は、20容量%以上60容量%以下と
するのが適当である。
【0019】また、ビニレンカーボネートと混合する他
の溶媒としては、鎖状エステルが好ましく、中でもジメ
チルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネートのような鎖状炭酸エステルが好適であ
る。
【0020】一方、電極の材料としては、まず正極では
リチウムと1種以上の遷移金属を含有する複合酸化物が
好ましい、また、負極には、リチウムをドープ・脱ドー
プすることが可能な炭素材料が適しており、例えば(0
02)面の面間隔が0.340nm以下であるような炭
素材料、すなわちグラファイトを用いると電池のエネル
ギー密度が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態を以
下に説明する。
【0022】本発明の非水電解液二次電池は、金属リチ
ウム、リチウム合金、リチウムをドープ・脱ドープする
ことが可能な材料よりなる負極と、正極と、非水溶媒に
電解質が溶解されてなる非水電解液とを備えて構成され
る。
【0023】本発明では、このような非水電解液二次電
池において、プロピレンカーボネート(PC)に代わる
高誘電率溶媒としてビニレンカーボネート(VC)を使
用することとする。
【0024】VCを電解液の非水溶媒として用いると、
電池に良好なサイクル特性を付与できる。また、PCが
分解されてしまうグラファイトによって分解されないの
で、真密度の高いグラファイトを負極活物質として使用
することで電池のエネルギー密度を高めることが可能に
なる。さらに、このVCの凝固点は22℃であり、EC
の凝固点が38℃であるのに比べて低いので、ECを用
いる場合に比べてより低い温度環境下においても良好な
サイクル特性が得られるようになる。
【0025】なお、非水溶媒としては、VCを単独で用
いてもよいが、それのみに限定されず、例えばPC、エ
チレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン等
や、低粘度溶媒である1,2−ジメトキシエタン(DM
E)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTH
F)、またジメチルカーボネート(DMC),メチルエ
チルカーボネート(MEC),ジエチルカーボネート
(DEC),プロピオン酸メチル、酪酸メチル等の鎖状
エステル等と混合して用いるようにしてもよい。このう
ち特に鎖状エステルは、粘度が低く、VCと混合して用
いる溶媒として適しており、特にDMC,MEC,DE
C等の炭酸エステルを用いると、電池の容量維持率が向
上する。なお、VCと他の溶媒を混合する場合には、V
Cの割合が20容量%以上60容量%以下であることが
望ましい。VCをこの範囲で用いることにより電池のサ
イクル特性が向上できる。
【0026】また、上記非水溶媒に溶解させる電解質
は、特に限定されず、非水電解液二次電池で通常用いら
れているものがいずれも使用できる。具体的には、Li
ClO4 、LiAsF6 、LiPF6 、LiBF4 、L
iCF3 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 等が使用で
き、このうち特にLiPF6 ,LiBF4 を使用するこ
とが望ましい。
【0027】一方、上記非水電解液と組み合わせて用い
られる負極,正極としては、通常、この種の非水電解液
二次電池で用いられるものが使用される。
【0028】まず、負極は、金属リチウム、リチウム−
アルミニウム合金等のリチウム合金、もしくはリチウム
をドープ・脱ドープすることが可能な材料を使用して構
成する。リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な
材料としては、例えば熱分解炭素類、コークス類(ピッ
チコークス,ニードルコークス,石油コークス等)、グ
ラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成
体(フェノール樹脂,フラン樹脂等を適当な温度で焼成
し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料
や、ポリアセチレン、ポリピロール等のポリマーが挙げ
られる。
【0029】このうちサイクル特性を向上させる点か
ら、炭素材料を使用するのが好ましい。中でも(00
2)面の面間隔が0.340nm以下、さらに好ましく
はC軸方向の結晶子厚みが16.0nm以上、ラマンス
ペクトルにおけるG値が2.5以上、真密度が2.1g
/cm3 以上といった結晶構造パラメータを有するグラ
ファイトを使用すると、電池の単位体積当たりのエネル
ギー密度が向上する。なお、ここでG値とは、ラマンス
ペクトルにおける炭素材料の黒鉛構造に由来するシグナ
ル強度と非晶質構造に由来するシグナル強度との比で表
されるものであり、ミクロな結晶構造欠陥の指標とな
る。
【0030】次に、正極には、電池容量を向上させ、エ
ネルギー密度を高める点から、リチウムと一種以上の遷
移金属を含有する複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸
化物)を主体とする活物質を使用することが好ましい。
例えば、Lix MO2 (式中、Mは1種以上の遷移金属
を表し、xは電池の充放電状態により異なり、通常0.
05≦x≦1.10である)で表されるリチウム遷移金
属複合酸化物を主体とする活物質が適している。このL
x MO2 において、遷移金属MはCo,Ni,Mnの
少なくとも一種であることが好ましい。この他、リチウ
ム遷移金属複合酸化物としてはLix Mn2 4 で表さ
れるものを使用しても良い。
【0031】以上のような負極活物質,正極活物質は、
電池形状に応じた各種態様で負極,あるいは正極となさ
れる。
【0032】例えば、コイン型の電池の場合では、上記
負極活物質を結着材と混練し、この混練物を円盤状に圧
縮成形したものが負極として用いられる。また、上記正
極活物質を導電材,結着材と混練し、この混練物を円盤
状に圧縮成形したものが正極として用いられる。ここ
で、活物質と混練する結着材,導電材としては従来公知
のものがいずれも使用可能である。
【0033】なお、電池の形状は、コイン型に限らず、
円筒型,角型,ボタン型等,大型等、種々の形状にする
ことができ、負極,正極の態様をそれに応じて変更すれ
ば良い。
【0034】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について実験
結果に基づいて説明する。
【0035】作製したセルの構造 後述の実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3にお
いて作製したコイン型セルの構造を図1に示す。
【0036】このセルは、円盤状に成型された上部電極
1と下部電極2とを、それぞれ上部電極缶4,下部電極
缶5内に収納し、多孔質セパレーター3を介して重ね合
わせてなるものである。上記上部電極1,下部電極2に
は電解液が含浸され、また電極がそれぞれ収納された上
部電極缶4,下部電極缶5は封口ガスケット6を介して
かしめられることで密閉されている。なお、このセルの
寸法は、外径20mm,高さ2.5mmである。
【0037】また、このセルで用いた電解液の非水溶媒
の組成を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1 以下に示す上部電極,下部電極,電解液を用いて上述の
構造のコイン型セルを作製した。なお、このコイン型電
池は、上部電極が負極,下部電極が正極として機能する
二次電池である。
【0040】上部電極:円盤状に打ち抜いた金属リチウ
ム 下部電極:LiCoO2 90重量部、導電材となるグラ
ファイト7重量部、結着材となるフッ素系樹脂3重量部
を混合し、円盤状に加圧成型したリチウム遷移金属複合
酸化物成型体 但し、LiCoO2 は、炭酸リチウムと炭酸コバルトを
0.5:1.0なるmol比で混合し、空気中、温度9
00℃で5時間焼成することで生成した。
【0041】電解液:非水溶媒1にLiPF6 を1.0
mol/lの濃度で溶解させたもの比較例1 電解液において、非水溶媒1の代わりに非水溶媒2を用
いること以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作
製した。
【0042】以上のようにして実施例1,比較例1で作
製されたコイン型セルについてサイクル特性を調べた。
【0043】なお、サイクル特性は、温度23℃下、上
限電圧4.2V、通電電流1mAの条件で定電流定電圧
充電を10時間を行い、続いて通電電流1mA、終止電
圧3.0Vの条件で放電を行うといった充放電サイクル
を繰り返し、サイクル毎の充放電効率を測定することで
評価した。充放電効率をサイクル数に対してプロットし
た結果を図2に示す。
【0044】図2からわかるように、VCとDMCの混
合溶媒(非水溶媒1)を用いた実施例1のセルは、PC
とDMCの混合溶媒(非水溶媒2)を用いた比較例1の
セルに比べて、充放電効率が落ち難く、160サイクル
目においても略初期の充放電効率を維持している。
【0045】このことから、VCの方がPCよりも電池
のサイクル特性を向上でき、非水溶媒として適している
ことがわかった。
【0046】実施例2 下部電極として以下のものを用いること以外は実施例1
と同様にしてコイン型セルを作製した。なお、このセル
は、上部電極が参照電極であり,下部電極が負極活物質
からなる負極評価用セルである。
【0047】下部電極:難黒鉛化性炭素材料粉末90重
量部、結着材となるフッ素樹脂10重量部を混合し、円
盤状に加圧成形した難黒鉛化性炭素材料成型体 但し、難黒鉛化性炭素材料は、出発原料に石油ピッチを
用い、これに酸素を含む官能基を10〜20%導入(い
わゆる酸素架橋)した後、不活性ガス気流中、温度10
00℃で焼成することで生成した。この難黒鉛化性炭素
材料は、ガラス状炭素に近い性質を有し、X線回折分析
で測定された(002)面の面間隔が0.376nm、
真密度が1.58g/cm3 である。この難黒鉛化性炭
素材料を粉砕して平均粒径10μmとし、これを用いて
上記成型体を作製した。
【0048】比較例2 電解液において、非水溶媒1の代わりに非水溶媒2を用
いること以外は実施例2と同様に負極評価用セルを作製
した。
【0049】以上のようにして実施例2,比較例2で作
製された負極評価用セルについてサイクル特性を調べ
た。
【0050】なお、サイクル特性は、温度23℃下、下
限電圧0V、通電電流1mAの条件で定電流充電を10
時間を行い、続いて通電電流1mA、終止電圧1.5V
の条件で放電を行うといった充放電サイクルを繰り返
し、サイクル毎の充放電効率を測定することで評価し
た。充放電効率をサイクル数に対してプロットした結果
を図3に示す。
【0051】図3からわかるように、VCとDMCの混
合溶媒(非水溶媒1)を用いた実施例2のセルは、PC
とDMCの混合溶媒(非水溶媒2)を用いた比較例2の
セルに比べて、充放電効率が落ち難く、160サイクル
目においても略初期の充放電効率を維持している。
【0052】このことから、VCは、リチウム金属に限
らず難黒鉛化性炭素材料を負極活物質として用いる場合
でも電池のサイクル特性を向上でき、非水溶媒として適
していることがわかった。
【0053】実施例3 下部電極として以下のものを用いること以外は実施例1
と同様にしてコイン型セルを作製した。なお、このセル
は、上部電極が参照電極であり、下部電極が負極活物質
からなる負極評価用セルの構成である。
【0054】下部電極:グラファイト粉末(ロンザ社
製,商品名KS−75)90重量部,結着材となるフッ
素樹脂10重量部を混合し、円盤状に加圧成形してなる
グラファイト成型体 但し、上記グラファイト粉末は、(002)面の面間隔
が0.3358nm、C軸結晶子厚みが25.4nm、
ラマンスペクトルにおけるG値が8.82、真密度が
2.23g/cm3 なる結晶構造パラメータを有し、平
均粒径が28.4μmである。
【0055】比較例3 電解液において、非水溶媒1の代わりに非水溶媒2を用
いること以外は実施例3と同様にして負極評価用セルを
作製した。
【0056】これら実施例3および比較例3の負極評価
用セルについて充放電特性を調べた。
【0057】なお、充放電特性は、温度23℃下、下限
電圧0V、通電電流1mAなる条件で定電流定電圧充電
を10時間行い、続いて通電電流1mA、終止電圧1.
0Vなる条件で放電を行い、その際の電位変化を測定す
ることで評価した。この充放電に際する電位の経時変化
を図4に示す。
【0058】図4を見ると、PCとDMCの混合溶媒
(非水溶媒2)を用いた比較例3のセルでは、充電過程
で電位が十分に下がり切らず、充放電が正常になされた
かったことがわかる。これは、PCがグラファイトによ
って分解されたためと推測される。
【0059】これに対して、VCとDMCの混合溶媒
(非水溶媒1)を用いた実施例3のセルでは、充電過
程,放電過程でともに正常な電位変化が観測され、電極
が正常に機能していることがわかる。
【0060】このことから、VCは、リチウム金属、難
黒鉛化性炭素材料、そしてグラファイトを負極活物質と
して用いた場合でも、負極を正常に機能させることがで
き、非水溶媒として優れていることがわかった。
【0061】VCの低温特性の検討 以上の結果から、VCを電解液に含有させると、グラフ
ァイトよりなる負極を正常に機能させられることが判明
した。ここで、VCの他、ECを電解液に含有させた場
合についても、グラファイトよりなる負極を正常に機能
させ得ることが報告されている。しかし、このECは低
温環境下で凝固しやすい問題がある。そこで、ここで
は、ECあるいはVCを含有する非水電解液について、
低温環境下における状態を比較した。
【0062】表1の非水溶媒1、非水溶媒3、非水溶媒
4あるいは非水溶媒5に、それぞれLiPF6を1.0
mol/lなる割合で溶解させることで4種類の電解液
を調製した。
【0063】そして、これら電解液をそれぞれサンプル
瓶に注入し、−30℃あるいは10℃で保持した恒温器
中で4時間放置し、その後の電解液の状態を観察した。
その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2からわかるように、VCを含有する溶
媒(非水溶媒1、非水溶媒4)を用いた電解液には凝固
が起こらないが、ECを含有する溶媒(非水溶媒3,非
水溶媒5)を用いた電解液は低温環境下で放置すること
により凝固する。
【0066】このことから、ECを用いた電解液よりも
VCを用いた電解液の方が、電池の低温特性を改善する
上で有利であることがわかった。
【0067】VCの混合比の検討 次に、非水溶媒に混合するVCの最適混合比の検討を行
った。
【0068】電解液において、非水溶媒1の代わりに表
3に示す非水溶媒6〜非水溶媒13を用いること以外は
実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、容量維持
率を評価した。
【0069】
【表3】
【0070】なお、容量維持率の測定は次のようにして
行った。
【0071】まず、温度23℃下、上限電圧4.2V,
通電電流1mAなる条件で定電流定電圧充電を10時間
行い、続いて23℃あるいは−20℃温度下で、通電電
流1mA,終止電圧3.0Vなる条件で定電流放電を行
うといった充放電を100サイクル繰り返し行った。こ
の充放電における2サイクル目の容量に対する100サ
イクル目の容量を容量維持率とする。この容量維持率の
測定結果を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】表4からわかるように、VCの混合比が2
0〜60容量%の混合溶媒(非水溶媒7〜非水溶媒1
1)を用いた場合に、90%以上と高い容量維持率が得
られる。
【0074】このことから、非水溶媒のVCの混合比は
20〜60容量%が適当であることがわかった。
【0075】なお、この実施例ではVCに混合する溶媒
としてDMCを用いたが、VCに他の溶媒を混合した系
でも同様の効果が得られることが実験により確認されて
いる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の非水電解液二次電池は、非水溶媒がビニレンカーボ
ネートを含有しているので、負極活物質としてグラファ
イトを使用することが可能であり、高いエネルギー密度
が得られる。また、低温特性が改善され、例えばECを
用いる場合に比べてより低い温度環境下においても良好
なサイクル特性が得られる。
【0077】このような非水電解液二次電池は、小型軽
量なポータブル電子機器の供給電源として好適であり、
これらポータブル電子機器の実用性向上に大いに貢献す
るものであると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】非水溶媒の評価に用いたコイン型セルを示す断
面図である。
【図2】上部電極がリチウム金属,下部電極がリチウム
遷移金属複合酸化物成型体であるコイン型セルのサイク
ル特性を示す特性図である。
【図3】上部電極がリチウム金属,下部電極が難黒鉛化
性炭素材料成型体である負極評価用セルのサイクル特性
を示す特性図である。
【図4】上部電極がリチウム金属,下部電極がグラファ
イト成型体である負極評価用セルのサイクル特性を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 上部電極 2 下部電極 3 セパレータ 4 上部電極缶 5 下部電極缶 6 封口ガスケット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属リチウム、リチウム合金、リチウム
    をドープ・脱ドープすることが可能な材料のいずれかよ
    りなる負極と、正極と、非水溶媒に電解質が溶解されて
    なる非水電解液とを備えてなる非水電解液二次電池にお
    いて、 上記非水溶媒は、ビニレンカーボネートを含有すること
    を特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 正極は、リチウムと1種以上の遷移金属
    を含有する複合酸化物からなることを特徴とする請求項
    1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 負極は、リチウムをドープ・脱ドープす
    ることが可能な炭素材料からなることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 負極を構成する炭素材料は、(002)
    面の面間隔が0.340nm以下であることを特徴とす
    る請求項3記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 非水溶媒は、ビニレンカーボネートを2
    0容量%以上60容量%以下の割合で含有することを特
    徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 非水溶媒は、ビニレンカーボネートと鎖
    状エステルを含有することを特徴とする請求項1記載の
    非水電解液二次電池。
  7. 【請求項7】 鎖状エステルは、ジメチルカーボネー
    ト、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項6記載の非水電解液二次電池。
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