JP2000144258A - 耐リジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
耐リジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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Abstract
リジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板
を製造する。 【解決手段】 C:0.010 wt%以下、 N:0.010 wt%以下、かつC+N:0.015 wt%以下、 Cr:6wt%以上、35wt%以下、 Ti:6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以下 を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなるスラ
ブを、1160℃以下に加熱して、累積圧下率を85%以上、
かつ、最終パス終了温度を 950℃以上とする粗圧延を行
い、次いで、累積圧下率を90%以上、かつ、最終パス終
了温度を900 ℃以上とする仕上げ圧延を行い、その後、
酸洗、冷間圧延および焼鈍を施す。
Description
性を有するTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造技
術に関するものである。
板は、耐食性と溶接性とを兼ね備え、比較的安価である
ことから、最近、自動車排気系の部材などに使用される
ようになってきた。このTi含有フェライト系ステンレス
鋼板は、一般に、連続鋳造したスラブに粗圧延−仕上げ
圧延からなる熱間圧延を行い、コイルに巻き取り、焼鈍
(バッチ式または連続式)により軟質化と均質化をはか
った後、冷間圧延、仕上げ焼鈍を行うことによって製造
される。そして、Ti含有フェライト系ステンレス鋼の熱
間圧延においては、従来、操業性の観点から、汎用鋼種
であるSUS430における圧延方法が踏襲されてき
た。このSUS430は、Ti含有フェライト系ステンレ
ス鋼板に比べて、固溶状態のC、Nの含有量が多いため
に、高温強度が高く、圧延負荷は高い。そこで、SUS
430の熱間圧延では、圧延負荷軽減のために、スラブ
加熱温度を高温にして高温のうちに圧延すること、ま
た、パス回数を多くして1パス当たりの圧下率を小さく
して圧延することが肝要であるとされてきた。したがっ
て、Ti含有フェライト系ステンレス鋼においても、この
ような圧延負荷軽減のための圧延条件が採用されてき
た。
フェライト系ステンレス鋼で問題となるのは、1パス当
たりの圧下率が小さいために、板厚中央部の帯状組織が
十分に分断されず、冷延、仕上げ焼鈍した後の鋼板(冷
延焼鈍板)の耐リジング性が十分に得られないことであ
った。ここに、リジングとは、フェライト系ステンレス
鋼板に引張や深絞りなどの変形を与えたときに、圧延方
向に沿って細かいすじ状のしわを発生する現象をいう。
ところで、Ti含有フェライト系ステンレス鋼板の耐リジ
ング性を改善する方法について、これまでにも幾つかの
提案がある。例えば、特開平10−17937 号公報には、Cr
を11wt%含有するステンレス鋼スラブを低温で加熱し、
粗圧延後段での圧下率を高くし、仕上げ圧延の開始温度
を低くするとともに、終了温度を高くすることにより、
冷延焼鈍後の耐リジング性を改善する方法が開示されて
いる。
法では、仕上げ圧延の開始温度が低いために、圧延負荷
の制約から圧下率を大きくすることができず、結晶組織
の微細化が不十分となり、リジングの原因と考えられる
帯状組織の分断が十分に図られないという問題があっ
た。また、特開平10−60543 号公報には、0.04〜0.30wt
%のTiを含有するフェライト系ステンレス鋼スラブを、
MnとTiの含有量で定まる温度に加熱し、累積圧下率90%
以上かつ終了温度1000℃以上として粗圧延する方法が開
示されている。しかしながら、この方法も、仕上げ圧延
における強圧下が不十分であり、結晶粒を十分に微細化
することができず、同様な問題を有していた。そこで、
この発明は、これら従来技術が抱えていた上記問題点の
解決を図るものであり、結晶粒の微細化により、優れた
耐リジング性を有するTi含有フェライト系ステンレス鋼
板の製造技術を提案することを目的とするものである。
を達成すべく、Ti含有フェライト系ステンレス鋼の熱延
条件について詳細に検討した。その結果、粗圧延と仕上
げ圧延とを適正範囲に制御することによって解決できる
との知見を得て、本発明を完成するに至った。その要旨
構成は以下のとおりである。
ブを、1160℃以下に加熱して、累積圧下率を85%以上、
かつ、最終パス終了温度を 950℃以上とする粗圧延を行
い、次いで、累積圧下率を90%以上、かつ、最終パス終
了温度を900 ℃以上とする仕上げ圧延を行い、その後、
酸洗、冷間圧延および焼鈍を施すことを特徴とする、耐
リジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板
の製造方法。
て、スラブの組成が、上記成分のほかに、さらに Si:2.0 wt%以下、 Ni:1.0 wt%以下、 Mo:2.0 wt%以下 Cu:1.0 wt%以下、 Co:0.5 wt%以下、 V:0.5 wt%以下 から選ばれるいずれか1種または2種以上を含有するこ
とを特徴とする、耐リジング性に優れたTi含有フェライ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。
法において、スラブの組成が、上記成分のほかに、さら
に B:0.01wt%以下、 Ca:0.01wt%以下、 Nb:0.05wt%以下 から選ばれるいずれか1種または2種以上を含有するこ
とを特徴とする、耐リジング性に優れたTi含有フェライ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。
載の製造方法において、仕上げ圧延後、酸洗前に、焼鈍
を行うことを特徴とする、耐リジング性に優れたTi含有
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
載の製造方法において、粗圧延の少なくとも1パスの圧
下率を35%以上として圧延することを特徴とする、耐リ
ジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の
製造方法。
載の製造方法において、仕上げ圧延の最終2パスの圧下
率をそれぞれ20%以上として圧延することを特徴とす
る、耐リジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレ
ス鋼板の製造方法。
いてあらためて見直しを行い、従来の熱間圧延方法で
は、粗圧延での強圧下の程度が不十分なために、帯状組
織が分断されないこと、また、その結果、仕上げ圧延で
は、負荷が高くなり、ミルパワーの上限から強圧下が制
限されてしまい、帯状組織は圧延後まで残存し、結果的
に冷延焼鈍後の鋼板の耐リジング性が悪化することがわ
かった。
えて、粗圧延および仕上げの圧延における圧延条件を総
合的に検討した。そして、詳細な実験、検討を行った結
果、耐リジング性を改善するためには、以下の点につい
て留意する必要があるとの結論に達した。 (1)まず、スラブ加熱温度をできるだけ低くすることに
より、加熱中の結晶粒の粗大化を抑制し、初期粒径を小
さくすること。 (2)粗圧延では、低温強圧下を行うことにより結晶粒を
より微細化しておくこと。 (3)粗圧延後、仕上げ圧延開始までに、再結晶温度以上
で十分な時間保持することにより、一旦再結晶組織とす
ること。 (4)その後の仕上げ圧延でさらに強圧下し、圧延で延ば
されて生じる帯状組織を細かく分断すること、また、高
温で熱延を終了し、熱延後の自己焼鈍を促進すること。
て、Ti含有フェライト系ステンレス鋼板の耐リジング性
を改善することができる。特に上記 (4)で挙げた仕上げ
圧延における強圧下と高温終了の要件は重要であり、こ
れによって熱延板焼鈍を省略しても、優れた耐リジング
性を得ることができる。なお、使途によって、より一層
優れた耐リジング性が求められるような場合には、常法
による熱延板焼鈍を行うことが望ましい。
製造条件について説明する。 ・加熱温度 スラブ加熱温度は、1160℃以下とする。というのは、11
60℃を超えると結晶粒が粗大化し、粗圧延後の組織の微
細化が阻害され、結果的に、冷延−焼鈍した鋼板の耐リ
ジング性が改善されないからである。後述する粗圧延お
よび仕上げ圧延における各終了温度を満たすことが可能
であれば、スラブ加熱温度は低いぼど耐リジング性の向
上が大きくなる。この点から、スラブ加熱温度は1120℃
以下とすることが望ましい。
行うことが有効であり、スラブから粗圧延終了までの累
積圧下率を85%以上とすると耐リジング性改善の効果
が現れる。さらに、粗圧延の圧下パスのうちの少なくと
も1パスは、圧下率35%以上として圧延すると一層高
い効果が得られる。また、粗圧延後にシートバーを再結
晶温度以上に保持して、圧延前での再結晶を促進させる
ためには、本発明に従うTi含有フェライト系ステンレス
鋼の再結晶温度が900 ℃以上であることを考慮して、粗
圧延最終パス終了温度は950 ℃以上とすることが必要で
ある。そして、再結晶の一層の促進を図るためには、か
かる粗圧延終了温度のもとで、仕上げ圧延までに、粗圧
延で得たシートバーを900 ℃以上で20秒以上保持する
ことが望ましい。なお、スラブ加熱温度が低いときに、
粗圧延終了温度を高くするには、粗圧延パスを少なくす
るか、または粗圧延速度を上げて圧延時間を短くするこ
とが必要となるが、今日では、熱間圧延ミルの能力が向
上されて、従来では不可能であったこのような圧延負荷
の高い圧延が可能である。
%N−18wt%Cr−0.3 wt%Tiをベースとしたフェライト
系ステンレス鋼を溶製し、1100〜1200℃の温度範囲でス
ラブ加熱後、終了温度を850 ℃〜1000℃として粗圧延
し、この温度で20秒間保持し、直ちに水冷して得られた
鋼板について、組織中の再結晶率と加熱温度との関係を
調べたものである。図1から、スラブ加熱温度を1160℃
以下とし、かつ粗圧延終了温度を950 ℃以上とした場合
に、50%以上の再結晶組織が得られることが分かる。
き取り温度を適正範囲に制御することも、冷延焼鈍板の
優れた耐リジング性を発揮させる上で重要である。すな
わち、仕上げ圧延では、累積圧下率を高くするほど、帯
状組織が分断される。このような効果は、累積圧下率が
90%未満では期待されなくなる。また、このとき、最終
2パスの圧下率をそれぞれ20%以上にすれば、帯状組織
の分断が一層効果的に行われる。仕上げ圧延の終了温度
を高くするほど、冷延焼鈍板の耐リジング性が向上し、
熱延直後の自己焼鈍作用が促進されるので、通常は次工
程として行われる焼鈍を省略することが可能になる。そ
の効果は、仕上げ圧延終了温度を900 ℃以上とすること
により顕著に現れるので、仕上げ圧延終了温度を900 ℃
以上とする。よって、仕上げ圧延は、累積圧下率を90%
以上とするとともに、圧延終了温度を900 ℃以上とする
ことが必要である。また、仕上げ圧延後の鋼板の巻取り
温度は 800℃以下とすることが望ましい。なお、本発明
においては、粗圧延後に再結晶が行われているため、仕
上げ圧延終了温度を900 ℃以上とすれば、累積圧下率90
%以上という厳しい仕上げ圧延が可能となる。
終了温度が耐リジング性に及ぼす影響を調べたものであ
る。すなわち、実験室で0.004 wt%C−0.005 wt%N−
18wt%Cr−0.3 wt%Tiをベースとしたフェライト系ステ
ンレス鋼スラブを1140℃で加熱後、累積圧下率を88%、
終了温度を880 〜1050℃の範囲で粗圧延し、次いで、累
積圧下率を90%、終了温度を770 〜970 ℃として仕上げ
圧延し、板厚3mmの熱延板とし、これを焼鈍することな
く、1.0 mmまで冷間圧延し、さらに900 ℃で30秒間保持
する焼鈍を行った。こうして得られた冷延焼鈍板から、
JIS5号引張試験片を採取し、圧延方向に20%歪みを
加え、発生したリジングのうねり高さを表面粗度計を用
いて測定し、この測定値を表4に示す基準により評価し
た。図2から、粗圧延の終了温度を950 ℃以上、かつ、
仕上圧延の終了温度を900℃以上とすることにより、耐
リジング性に優れた冷延焼鈍板が得られることが分か
る。
焼鈍の条件については、常法に従って実施すればよく、
特に定める必要はないが、以下の条件が特に推奨され
る。冷延は圧下率65%以上の条件、また仕上げ焼鈍は85
0 ℃以上で30秒以上保持する条件がよい。また、熱延焼
鈍後および仕上げ焼鈍後、必要な場合には、酸洗による
脱スケールを実施する。また、脱スケールは硝酸塩中で
の電解酸洗などが好適である。なお、本発明では、熱延
後再結晶を図るための焼鈍を行う必要はないが、より優
れた耐リジング性を求められる場合には焼鈍を行っても
よい。熱延板の焼鈍は、800 ℃以上で1分以上保持する
条件が好適である。
説明する。 C:0.010 wt%以下 Cは、耐リジング性に悪影響をおよぼす元素であり、0.
010 wt%を超えると、その影響が顕著に現れるので、0.
010 wt%以下に限定する。なお、より良好な耐リジング
性を得るためには、C含有量は0.006 wt%以下に制限す
るのが望ましい。
5 wt%以下 Nは、Cと同様に、耐リジング性に悪影響をおよぼす元
素であり、0.010 wt%を超えると、その影響が顕著とな
るので、0.010 wt%以下に限定する。なお、より良好な
耐リジング性を得るためには、0.007 wt%以下に制限す
るのが望ましい。また、加工性向上の点から、C量とN
量の合計量(C+N) は0.015 wt%以下に限定する。
下 Tiは、鋼中のCおよびNを固定し、耐リジング性および
溶接性を向上させる元素である。これらの効果は、Tiを
6× (wt%C+wt%N) 以上含有させることにより発揮
される。しかし、0.5 wt%を超えて添加しても、その効
果が飽和するばかりでなく、固溶Tiが鋼の再結晶温度を
上昇させて、粗圧延終了後の鋼の軟化を妨げてしまう。
よって、Tiは、6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以下
の範囲で添加する。なお、粗圧延後の再結晶により、耐
リジング性を一層高めるには、Ti含有量は0.3 wt%以下
とすることが望ましい。
wt%未満の含有量では不十分であり、一方、35wt%を超
えて添加すると、脆化が生じて実用上の障害となる。よ
って、Cr含有量は6〜35wt%の範囲に限定する。
のために、Si、Ni、Mo、Cuを、また耐2次加工脆性向上
のために、Co、Vを、深絞り性向上のために、B、Ca、
Nbを添加することができる。以下にこれら成分について
説明する。 Si:2.0 wt%以下 Siは、耐食性および耐酸化性を向上させる有用な元素で
ある。しかし、2.0 wt%を超えて添加しても、その効果
は飽和するだけでなく、製造性および経済性を損なうの
で、2.0 wt%を上限として添加する。
u:1.0 wt%以下 Ni、MoおよびCuは、いずれも耐食性を向上させるのに有
用な元素である。しかし、Ni:1.0 wt%、Mo:2.0 wt
%、Cu:1.0 wt%を超えて添加しても、その効果が飽和
するほか、製造性および経済性を損なうので、それぞれ
これら値を上限として添加する。
効な元素である。しかし、いずれの元素とも0.5 wt%を
超えて漆加しても、その効果が飽和するうえ、製造性お
よび経済性を損なうので、0.5 wt%を上限として添加す
る。
b:0.05wt%以下 B、CaおよびNbは、いずれも微量の添加により、再結晶
組繊を微細化し、鋼の深絞り性を向上させるのに有効な
元素である。しかし、B:0.01wt%、Ca:0.01wt%、N
b:0.05wt%を超えて添加しても、その効果は飽和し、
製造性および経済性を損なうので、これらの値を上限と
して漆加する。
び、材質上、不可避的に含まれるものである。このうち
Mn、Alは、製鋼工程での脱酸に必要な元素であり、通
常、それぞれ1.0wt %以下、0.1 wt%以下の範囲で鋼中
に含有される。
ス鋼を、連続鋳造により200 mm厚のスラブとし、このス
ラブを加熱後、表2のイ〜ホに示すパススケジュールを
採用して、種々の圧延終了温度で粗圧延した。引き続
き、7段からなる仕上げ圧延機を用いて、圧延終了温度
および累積圧下率を変えて圧延し、500 ℃まで水冷後、
コイルに巻き取った。これらの圧延条件を表3にまとめ
て示す。ここで、発明例はすべて、粗圧延から仕上げ圧
延に移行するまでの間で、900 ℃以上で30秒間保持され
た。このようにして得られた熱延板を酸洗、冷延、仕上
げ焼鈍および酸洗を施すことにより、0.6 mm厚の冷延焼
鈍板とした。ここで、表3に示すように、一部のものに
ついては熱延板の酸洗前に焼鈍を施した。
て、それぞれ耐リジング性を評価した。耐リジング性の
評価は、冷延焼鈍板から、JIS5号引張試験片を採取
し、圧延方向に20%歪みを加え、発生したリジングのう
ねり高さを表面粗度計を用いて測定し、この測定値を表
4に示す基準(この基準で、リジンググレードが2以下
であれば実用上差し支えない)により行った。得られた
結果を表3に合わせて示す。表3から明らかなように、
本発明に従った成分および工程の組合せによると、優れ
た耐リジング性を有する鋼板が製造可能であることがわ
かる。
従来技術では得られなかった優れた耐リジング性を有す
るTi含有フェライト系ステンレス鋼板を製造することが
可能となる。したがって、本発明によれば、冷間加工後
の表面性状が問題となる用途に供して好適なフェライト
系ステンレス鋼板を、容易に製造することが可能にな
り、産業上優れた効果が期待される。
ける粗圧延後の再結晶率に及ぼす、スラブ加熱温度の影
響を示すグラフである。
リジング特性に及ぼす、粗圧延終了温度および仕上げ圧
延終了温度の影響を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】C:0.010 wt%以下、 N:0.010 wt%以下、かつC+N:0.015 wt%以下、 Cr:6wt%以上、35wt%以下、 Ti:6× (C+N) wt%以上、0.5 wt%以下 を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなるスラ
ブを、1160℃以下に加熱して、累積圧下率を85%以上、
かつ、最終パス終了温度を 950℃以上とする粗圧延を行
い、次いで、累積圧下率を90%以上、かつ、最終パス終
了温度を900 ℃以上とする仕上げ圧延を行い、その後、
酸洗、冷間圧延および焼鈍を施すことを特徴とする、耐
リジング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の製造方法において、スラ
ブの組成が、上記成分のほかに、さらに Si:2.0 wt%以下、 Ni:1.0 wt%以下、 Mo:2.0 wt%以下 Cu:1.0 wt%以下、 Co:0.5 wt%以下および V:0.5 wt%以下 から選ばれるいずれか1種または2種以上を含有するこ
とを特徴とする、耐リジング性に優れたTi含有フェライ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の製造方法におい
て、スラブの組成が、上記成分のほかに、さらに B:0.01wt%以下、 Ca:0.01wt%以下および Nb:0.05wt%以下 から選ばれるいずれか1種または2種以上を含有するこ
とを特徴とする、耐リジング性に優れたTi含有フェライ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造
方法において、仕上げ圧延後、酸洗前に、焼鈍を行うこ
とを特徴とする、耐リジング性に優れたTi含有フェライ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造
方法において、粗圧延の少なくとも1パスの圧下率を35
%以上として圧延することを特徴とする、耐リジング性
に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製造方
法。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造
方法において、仕上げ圧延の最終2パスの圧下率をそれ
ぞれ20%以上として圧延することを特徴とする、耐リジ
ング性に優れたTi含有フェライト系ステンレス鋼板の製
造方法。
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