JP2000126535A - フィルター - Google Patents

フィルター

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JP2000126535A
JP2000126535A JP10301342A JP30134298A JP2000126535A JP 2000126535 A JP2000126535 A JP 2000126535A JP 10301342 A JP10301342 A JP 10301342A JP 30134298 A JP30134298 A JP 30134298A JP 2000126535 A JP2000126535 A JP 2000126535A
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良介 小野寺
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正通 会沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が高く、二次成形が容易なフィル
ター。 【解決手段】 多数の微細空隙を有する吸着剤粒子3が
糸状のホットメルト接着剤4を介して一体となり、所要
形状に成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガス吸着に好適
なフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】実公平4−6808号公報に開示のフィ
ルターは、無数の濾過用粒子を熱溶融性繊維チップをも
って盤状または短柱状に融着させた濾過体本体を有す
る。繊維チップには、ポリプロピレンを芯とし、ポリエ
チレンを鞘とする捲縮性の複合繊維であって、長さ1〜
10mm程度のものが使用されている。繊維チップと濾
過用粒子とは、1:9〜1:15の重量比で混合され、
繊維チップの少なくとも表面が溶融するような加熱条件
下で加圧され、所要形状に成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、繊維チ
ップとしてポリプロピレンとポリエチレンとからなる複
合繊維を例示するのみである。この複合繊維の鞘を形成
しているポリエチレンも芯を形成しているポリプロピレ
ンも、接着力に乏しいことは一般によく知られている。
かような繊維を濾過用粒子どうしを接合するバインダー
として使用するには、少なくとも繊維表面のポリエチレ
ンで粒子の表面を広く覆うか、またはポリエチレンを粒
子表面の空隙や凹凸に深く浸潤させて、繊維と粒子との
機械的な結合を多くしなければ、強度の高いフィルター
を得ることができない。しかしながら、このようにする
ことは、濾過用粒子が、活性炭のように微細空隙によっ
てその濾過性能を発揮するものである場合に、その微細
空隙の多くを犠牲にすることになりかねない。また、ポ
リエチレンとポリプロピレンとは、溶融・軟化温度にか
なりの差があって、これら両者を同時にほどよく軟化さ
せられるような温度は無いに等しいから、この濾過体本
体を加熱・加圧して所要形状に二次成形することは、必
ずしも容易ではない。
【0004】この発明が課題とするのは、吸着剤粒子の
微細空隙を犠牲にすることがなく、また所要形状に二次
成形することが容易で、強度の高いフィルターを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が特徴とするところは、多数の微細空隙を
有する吸着剤粒子が、アスペクト比13〜300の糸状
を成すホットメルト接着剤を介して一体となり所要の形
状に成形されているフィルターにある。
【0006】この発明の好ましい実施態様の一つにおい
て、前記ホットメルト接着剤が、エチレン−酢酸ビニル
共重合体である。
【0007】実施態様の他の一つにおいて、前記吸着剤
粒子と前記ホットメルト接着剤との重量比が90:10
〜75:25の範囲にある。
【0008】実施態様の他の一つにおいて、前記ホット
メルト接着剤は、径が0.05〜0.3mm、長さが4
〜15mmの糸状のものである。
【0009】実施態様のさらに他の一つにおいて、前記
フィルターの表面が伸縮性のシート材料で覆われてい
る。
【0010】
【発明の実施の形態】添付の図面を参照して、この発明
に係るフィルターの詳細を説明すると、以下のとおりで
ある。
【0011】図1,2,3は、厚さ10mm、直径80
mmの円盤状に成形されているフィルター1の部分破断
斜視図と、図1のフィルター1が高さ15mmのドーム
状に2次成形されたフィルター加工品2の部分破断斜視
図と、フィルター1の部分拡大図である。
【0012】これらの図において、フィルター1は、活
性炭やゼオライト等の微細空隙を多数有する吸着剤粒子
3と、糸状を成すホットメルト接着剤4とからなり、円
盤の両面が通気性のシート5で覆われている。活性炭に
は、例えば8〜16メッシュのものが使用される。ホッ
トメルト接着剤4には、長さと径との比であるアスペク
ト比が13〜300の糸状のもの、例えば4〜15mm
の長さと0.05〜0.3mmの径とを有するものが使
用される。接着剤4の長さと径とは、吸着剤粒子3との
均一な混合物を得るうえで重要であり、接着剤4の特に
好ましい長さは、4.5〜6mmである。
【0013】吸着剤粒子3とホットメルト接着剤4と
は、均一に混合された後に金型内で加熱・加圧されて円
盤状に成形される。成形の際には、金型の表面に被覆用
シート5として熱可塑性合成繊維製の不織布を置く。こ
れらの混合物では、糸状のホットメルト接着剤4が、軟
化してすぐれた接着力を発揮する。ただし、ホットメル
ト接着剤4は、流動して本来の形状を失うことがない程
度を目安として加熱・加圧される。かかる加熱・加圧が
容易なホットメルト接着剤4として好ましいものの一例
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。強い接着力
を有するホットメルト接着剤4を使用することによっ
て、粒子3は、その表面が接着剤4で広く覆われていな
くても、また空隙に接着剤4が深く浸潤しなくても、成
形された形状を保つことができる。このことは、粒子3
の吸着性能が、接着剤4によって著しく低下することが
ないことを意味している。
【0014】吸着剤粒子3とホットメルト接着剤4との
重量混合比は、90:10〜75:25であることが好
ましい。接着剤4の使用量は、フィルター1の機械的強
度と成形性とに影響を与える。その量が10重量%未満
であると、吸着剤粒子3どうしの結合が弱く、粒子3が
フィルター1から脱落したり、フィルター1が脆くなっ
たりする。また、その量が25重量%を超えると、フィ
ルター1の単位厚み当りの濾過性能が実用に適さない程
度にまで低下する。
【0015】図1のフィルター1は、ホットメルト接着
剤4を加熱軟化させれば、加圧して図2の加工品2のよ
うなものへと二次成形することができる。それゆえ、こ
の発明に係るフィルター1は、それを適用すべき部位に
最適な形状に成形したうえで利用することができる。フ
ィルター1が防毒マスクに使用されるものであれば、フ
ィルター1の形状を顔面の形状に合わせるように作るこ
とで、防毒マスクを従来よりコンパクトなものにするこ
とができる。因みに、これまでの防毒マスクの主流は、
吸着剤粒子を容器に納め、この容器をマスクに着脱する
もので、マスクが大きなものになりがちであった。フィ
ルター1のシート5は、吸着剤粒子3の脱落を防止する
ために必要に応じて使用されるものであり、このシート
5があると、フィルター1を二次成形するときの作業性
が特に向上する。このように利用されるときのシート5
は、伸縮性のものであることが好ましい。捲縮した複合
繊維からなる不織布は、好ましいものの一例である。
【0016】
【実施例】8〜16メッシュの活性炭粒子85重量%
と、径が0.1〜0.2mm,長さが4.5〜5mmの
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる糸状のホットメ
ルト接着剤15重量%とを均一に混合して、坪量30g
/m2,繊度2dの捲縮した複合繊維製不織布でサンド
ウィッチ状に挟み、95°Cで4分間加熱・加圧して直
径80mm,厚さ10mmの円盤状ガスフィルターを得
た。 (比較例)8〜16メッシュの活性炭粒子90重量%
と、径が0.1〜0.15mm,長さが4.5〜5mm
の糸状のポリプロピレン10重量%とを均一に混合し
て、実施例で使用した不織布でサンドウィッチ状に挟
み、160°Cで10分間加熱・加圧して実施例と同じ
形状のガスフィルターを得た。 (フィルターの除毒性能の評価)実施例と比較例のフィ
ルターそれぞれの除毒性能を評価するために、フィルタ
ーに300ppmのシクロヘキサンガス含有空気を20
L/minの流量で通気し、フィルター通過後の空気に
おけるシクロヘキサンガス濃度(下流濃度)が5ppm
となるまでの時間(破過時間)を測定した。評価の結果
は、図4のとおりであった。
【0017】実施例と比較例のフィルターは、ほぼ同じ
除毒性能を示した。 (機械的強度の評価)実施例と比較例のフィルターそれ
ぞれの機械的強度を評価するために、フィルターを内径
76mmの円筒状支持台に載せ、その中心を直径16m
m,下降速度200mm/mimの円柱で押圧し、フィ
ルターが破壊するときの最大荷重を求めた。結果は、図
5のとおりであった。
【0018】実施例のフィルターは、比較例のフィルタ
ーと比べ、破壊荷重が大きくて、破壊するまでの時間が
長く、強靭なものであることがわかる。
【0019】
【発明の効果】この発明に係るフィルターでは、吸着剤
粒子が接着力の強いホットメルト接着剤を介して一体と
なり所要の形状に成形されているから、吸着剤粒子の吸
着性能を低下させることなく、フィルターの機械的強度
が向上し、またフィルターの二次成形が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルターの部分破断斜視図。
【図2】二次成形されたフィルターの部分破断斜視図。
【図3】フィルターの部分拡大図。
【図4】フィルターの破過時間を示すグラフ。
【図5】フィルターの強度試験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 フィルター 2 吸着剤粒子 3 ホットメルト接着剤 5 シート材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D012 CA10 CA11 CA20 CB05 CB09 CE03 CF10 CG01 CK10 4D019 AA01 AA10 BA17 BB03 BB06 BB10 BB18 BC05 BD06 CB04 CB06 4G066 AA05B AC13D AC16D BA03 BA05 BA16 CA51 DA03 EA20 FA20 FA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の微細空隙を有する吸着剤粒子が、
    アスペクト比13〜300の糸状を成すホットメルト接
    着剤を介して一体となり所要の形状に成形されているこ
    とを特徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】 前記ホットメルト接着剤が、エチレン−
    酢酸ビニル共重合体である請求項1記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 前記吸着剤粒子と前記ホットメルト接着
    剤との重量比が、90:10〜75:25の範囲にある
    請求項1または2記載のフィルター。
  4. 【請求項4】 前記ホットメルト接着剤は、径が0.0
    5〜0.3mm、長さが4〜15mmの糸状のものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター。
  5. 【請求項5】 前記フィルターの表面が、伸縮性のシー
    ト材料で覆われている請求項1〜4のいずれかに記載の
    フィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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