JP2000120748A - ロータリーダンパ - Google Patents

ロータリーダンパ

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JP2000120748A
JP2000120748A JP10295676A JP29567698A JP2000120748A JP 2000120748 A JP2000120748 A JP 2000120748A JP 10295676 A JP10295676 A JP 10295676A JP 29567698 A JP29567698 A JP 29567698A JP 2000120748 A JP2000120748 A JP 2000120748A
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groove
vane
casing
rotating shaft
peripheral surface
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JP10295676A
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English (en)
Inventor
Shinkichi Kanaga
信吉 賀長
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Fuji Seiki Co Ltd
Fuji Seiki KK
Original Assignee
Fuji Seiki Co Ltd
Fuji Seiki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーンが粘性液体を圧縮する際のシール性を
向上させ、低粘度の粘性液体を使用した場合でも大きな
制動力を発揮することができると共に、回転軸が非制動
力発揮方向に回転する際の制動力が小さいロータリーダ
ンパを提供する。 【解決手段】 ケーシング2の軸心に沿って配設される
回転軸3と、該回転軸3に形成される溝部(回転軸3の
突起部30の二股部30eの各先端部30cの間隙)に
遊びを有して係合可能な係合突起42を有すると共に、
外周面が該回転軸3の回転に伴って該ケーシング2の内
周面2aと摺接する所定幅の円弧部41とを有する平面
略T字状のベーン4とを有し、さらに、回転軸3とベー
ン4の少なくとも一方に、回転軸3が制動力発揮方向へ
回転する際に閉鎖され、逆方向へ回転する際に粘性液体
6が通過する還流溝30d,43が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転することにより開
閉動作する回転蓋や回転扉等の回転動作を遅動させるロ
ータリーダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロータリーダンパとして
は種々のものが知られており、例えば、図9に示したロ
ータリーダンパがある。このロータリーダンパ100
は、隔壁部121を備えると共に、内部にグリス等の粘
性液体160が充填されるケーシング120と、該ケー
シング120の軸方向中心に沿って配設される回転軸1
30と、該回転軸130の外周面に突設され、該ケーシ
ング120内で回転軸130と共に回動するベーン14
0とを有して構成される。そして、制動対象である回転
蓋等の軸体(図示せず)に連結された回転軸130が制
動力発揮方向に回転する場合には、回転軸130と共に
回動するベーン140がケーシング120内に充填され
た粘性液体160を圧縮して、粘性液体160が、ケー
シング120の底壁内面等に形成されたオリフィス溝
(図示せず)を通過して流動する。これにより、ロータ
リーダンパ100は、その際の抵抗により大きな制動力
を発揮して、回転蓋等の回転動作を遅動させることがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロータリーダンパでは、一般にベーン等が合成樹脂から
形成されているため、その製作過程において引け等が発
生し易く、ベーン等の寸法にばらつきが生じていた。そ
のため、ケーシング内でベーンが回転軸と共に回動して
も、該ベーンにより圧縮される粘性液体がケーシングの
内周面とベーンの先端面との間に形成される僅かな隙間
等から漏れ出てしまうため、特に低粘度の粘性液体を使
用した場合には、十分な制動力を発揮することができな
かった。なお、かかる理由から一般に高粘度の粘性液体
が使用されているが、高粘度の粘性液体を使用した場合
には、該粘性液体をケーシング内に充填する際の作業性
が悪く、また、回転軸が非制動力発揮方向に回転する際
に生じる抵抗も大きくなるという不具合があった。
【0004】そこで、本発明は、ベーンが粘性液体を圧
縮する際のシール性を向上させ、低粘度の粘性液体を使
用した場合でも大きな制動力を発揮することができると
共に、回転軸が非制動力発揮方向に回転する際の制動力
が小さいロータリーダンパを提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の本発明のロータリーダンパは、内周
面から軸心に向かって突出する隔壁部を備えると共に、
内部に粘性液体が充填される有底略円筒状のケーシング
と、該ケーシングの軸心に沿って配設される回転軸と、
該回転軸に形成される溝部に遊びを有して係合可能な係
合突起を有すると共に、外周面が該回転軸の回転に伴っ
て該ケーシングの内周面と摺接する所定幅の円弧部とを
有する平面略T字状のベーンと、該ケーシングの上面開
口部を閉塞する蓋部材とを有し、さらに、前記回転軸と
ベーンの少なくとも一方に、該回転軸が制動力発揮方向
へ回転する際に閉鎖され、逆方向へ回転する際に前記粘
性液体が通過する還流溝が設けられていることを特徴と
する。請求項2記載の本発明のロータリーダンパは、請
求項1記載のロータリーダンパであって、前記回転軸の
外周面に、二股に分岐していると共に、各先端部に前記
還流溝としての切欠を有する突起部が突設されると共
に、前記ベーンの円弧部が、前記ケーシングの内周面と
該突起部の二股部の各先端部との間に配置され、係合突
起が、一方の側面部に前記還流溝としての溝を有し、該
円弧部の該回転軸との対向面から半径方向に沿って突出
すると共に、該回転軸に形成される溝部としての、該突
起部の二股部の各先端部の間隙に遊びを有して配置され
ることを特徴とする。請求項3記載の本発明のロータリ
ーダンパは、請求項1記載のロータリーダンパであっ
て、前記回転軸の外周面に、軸方向に沿って、該回転軸
に形成される溝部としての係合溝が形成されると共に、
前記ベーンの円弧部が、該回転軸との対向面に前記還流
溝としての溝を有し、該ケーシングの内周面と該回転軸
の外周面との間に配置され、係合突起が、正面部及び一
方の側面部に前記還流溝としての溝を有し、該円弧部の
対向面から半径方向に沿って突出すると共に、該回転軸
の係合溝に遊びを有して配置されることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第一実施の
形態に係るロータリーダンパ1を示す横断面図であり、
図2はロータリーダンパ1の縦断面図である。これらの
図に示すように、ロータリーダンパ1は、ケーシング
2、回転軸3、ベーン4及び蓋部材5を有して構成され
ている。
【0007】ケーシング2は、上面開口の有底略円筒状
に形成され、その内周面2aには、ケーシング2の軸心
に向かって突出する平面視で略扇形の隔壁部21が形成
されている。ケーシング2の軸心寄りに位置する隔壁部
21の先端面21aは、回転軸3の外周面と摺接するよ
う略円弧状に形成されている。この隔壁部21を境とし
てケーシング2内に液体室22が形成され、この液体室
22内に、グリス等の粘性液体6が充填される。なお、
粘性液体6としては、高粘度のもの、低粘度のもののい
ずれも使用することができるが、高粘度のものは、上述
したように、ケーシング2内に充填する際の作業性が悪
い等の不具合があるため、本実施の形態では、低粘度の
ものを使用している。また、ケーシング2の底壁内面2
bには、円弧状に刻設された溝からなるオリフィス溝2
cが設けられており、ロータリダンパ1は、このオリフ
ィス溝2cを粘性液体6が通過する際の抵抗により、所
定の制動力を発揮することができる。
【0008】なお、図1に示すように、オリフィス溝2
cの幅を、回転軸3及びベーン4の制動力発揮方向(図
上、時計回り方向)に向かって次第に小さくなるように
形成すれば、回転軸3及びベーン4が制動力発揮方向に
回転するに従って、より大きな制動力を働かせることが
できる。また、本実施の形態では、オリフィス溝2cを
ケーシング2の底壁内面2bに設けているが、その形成
箇所は限定されるものではなく、例えば、次述する蓋部
材5を構成するガイド板52の裏面52bにオリフィス
溝を形成してもよいし、ガイド板52を配設しない場合
には、蓋本体51の裏面にオリフィス溝を形成してもよ
い。
【0009】蓋部材5は、上記したケーシング2の上面
開口部2dに配設され、略中央に回転軸挿通孔51aが
貫通形成された略円盤状の蓋本体51と、同じく略円盤
状で略中央に回転軸挿通孔52aが貫通形成されたガイ
ド板52を有して構成されている。この蓋本体51とガ
イド板52は、蓋本体51が表側に、ガイド板52が裏
側に配設されている。
【0010】回転軸3は、一端3aが蓋部材5を構成す
る蓋本体51とガイド板52に形成された回転軸挿通孔
51a,52aに挿通され、他端3bがケーシング2の
底壁内面2bの略中央に形成された溝2eに嵌入され、
ケーシング2の軸心に沿って配設されている。回転軸3
は、その外周面がケーシング2の隔壁部21の先端面2
1aと摺接する程度の外径を有して形成されていると共
に、該外周面には、回転軸3において相対峙する位置に
ケーシング2の内周面2aに向かって突出する突起部3
0が突設されている(図1及び図3参照)。
【0011】突起部30は、回転軸3の一部を構成する
ように、回転軸3と一体に成形され、液体室22内に位
置するように配設される。この突起部30は、軸方向に
沿った長さが、回動した際に上端面30aがガイド板5
2の裏面52bに摺接し、下端面30bがケーシング2
の底壁内面2bに摺接する程度の長さを有する(図2参
照)。また、半径方向に沿った長さは、ケーシング2の
内周面2aから回転軸3の外周面までの半径方向に沿っ
た距離よりも短く形成されている。さらに、突起部30
は、回転軸3の外周面付近から略V字状に二股に分岐し
て形成されており、図3に示すように、その二股部30
eの各先端部30cの間隙により、後述するベーン4の
係合突起が係合される溝部が形成されている。また、こ
の二股部30eの各先端部30cには、それぞれ、断面
略コ字状となるように、粘性液体6が通過する還流溝と
しての切欠30dが形成されている(図1及び図2参
照)。
【0012】ベーン4は、軸方向の長さが上記した回転
軸3の突起部30とほぼ同じ長さを有する。このベーン
4は、図4(a)に示すように、平面視で略円弧状の円
弧部41と、該円弧部41の回転軸3との対向面41a
の略中央から半径方向に沿って突出する略V字状の係合
突起42とを有する平面略T字状に形成されている。係
合突起42の一方の側面部42aには、その軸方向中央
部に、係合突起42の先端部42bから円弧部41の対
向面41aにかけて、粘性液体6が通過する還流溝とし
ての溝43が刻設されている(図4(b),(c)参
照)。そして、ベーン4は、図1に示すように、円弧部
41がケーシング2の内周面2aと突起部30の各先端
部30cとの間に配置され、係合突起42が突起部30
の二股部30eの各先端部30cの間隙(回転軸3の溝
部)に遊びを有するようにして、ケーシング2内に設け
られている。
【0013】このように、ベーン4の係合突起42が突
起部30の二股部30eの各先端部30cの間隙に遊び
を有して設けられることで、図5(a)に示すように、
回転軸3が非制動力発揮方向(図上、矢印方向)に回転
する場合には、ベーン4の係合突起42の一方の側面部
42aに、突起部30の二股部30eの一方の内面30
e’が当接して、還流溝として設けられた該突起部30
の二股部30eの一方の先端部30c’の切欠30d、
係合突起42の一方の側面部42aの溝43、及び該突
起部30の二股部30eの他方の先端部30c”の切欠
30dと、回転軸3及びベーン4との間隙、すなわち、
突起部30の二股部30eの他方の内面30e”と係合
突起42の他方の側面部42cとの間隙により、ケーシ
ング2の液体室22内に充填された粘性液体6が通過可
能な還流路が形成される。
【0014】他方、図5(b)に示すように、回転軸3
が制動力発揮方向(図上、矢印方向)に回転する場合に
は、係合突起42の他方の側面部42cに、突起部30
の二股部30eの他方の内面30e”が当接して、該突
起部30の二股部30eの他方の内面30e”と係合突
起42の他方の側面部42cとの間隙が閉ざされること
により、還流溝を構成する突起部30の二股部30eの
他方の先端部30c”の切欠30dが閉鎖され、上記し
た還流路が遮断される。
【0015】また、ベーン4は、円弧部41の幅が、突
起部30の二股部30eの各先端部30cの両方、すな
わち、一方の先端部30c’と他方の先端部30c”に
接する程度に広く形成されている(図5参照)。これに
より、回転軸3が制動力発揮方向に回転した場合に、該
円弧部41とケーシング2の内周面2aが摺接する面積
が大きくなるので、該円弧部41とケーシング2の内周
面2aとの密着性が高まり、ベーン4が粘性液体6を圧
縮する際のシール性を向上させることができる。その結
果、本実施の形態のように、粘性液体6として低粘度の
ものを使用した場合でも、ベーン4の円弧部41とケー
シング2の内周面2aとの間からの粘性液体6の漏れを
防止することが可能となる。
【0016】図1及び図5に基づきロータリーダンパ1
の作用を説明する。ロータリーダンパ1は、回転軸3の
一端3aを制動対象となる回転蓋等の軸体(図示せず)
に連結し、ケーシング2を所定の位置に配設して使用さ
れる。回転蓋等が開放動作する場合には、その開放動作
に伴って、回転蓋等の軸体及びこれに連結された回転軸
3及び該回転軸3の外周面に突設された突起部30が非
制動力発揮方向(図1上、反時計回り方向)に回転す
る。この際、図5(a)に示すように、突起部30の二
股部30eの一方の内面30e’が、ベーン4の係合突
起42の一方の側面部42aに当接して、これにより、
回転軸3の突起部30とベーン4との間に、粘性液体6
が通過可能な還流路が形成される。そのため、粘性液体
6はケーシング2の底壁内面2bに設けられたオリフィ
ス溝2cと、この還流路を通じて流動するので、その際
に生じる抵抗が小さく、従って、ロータリーダンパ1が
発揮する制動力も小さくなる。その結果、回転蓋等を、
該回転蓋等の自重に相当する力程度で開放させることが
できる。
【0017】他方、回転蓋等が閉成動作する場合には、
その閉成動作に伴って、回転蓋等の軸体及びこれに連結
された回転軸3及び該回転軸3の外周面に突設された突
起部30が制動力発揮方向(図1上、時計回り方向)に
回転する。この際、図5(b)に示すように、突起部3
0の二股部30eの他方の内面30e”が、ベーン4の
係合突起42の他方の側面部42cに当接して、これに
より、該突起部30の二股部30eの他方の内面30
e”と係合突起42の他方の側面部42cとの間隙が閉
ざされ、還流溝を構成する突起部30の二股部30eの
他方の先端部30c”の切欠30dが閉鎖されると共
に、回転軸3の突起部30とベーン4との間に形成され
た還流路が遮断される。また、これと共に、ベーン4が
ケーシングの内面2cに摺接しつつ突起部30と共に液
体室22内の粘性液体6を圧縮する。そのため、粘性液
体6は、ベーン4の円弧部41とケーシング2の内周面
2aとの間から漏れ出ることなく、オリフィス溝2cの
みを通じて流動し、その際に生じる抵抗により、ロータ
リーダンパ1は大きな制動力を発揮することができる。
【0018】次に、本発明の第二の実施の形態を説明す
る。本実施の形態では、上記したロータリーダンパ1を
構成する回転軸3とベーン4に代えて、それらとは形状
等が異なる回転軸3’とベーン4’を用いてロータリー
ダンパ1を構成した。
【0019】回転軸3’は、図6(b)に示すように、
一端3a’と他端3b’との間に、軸方向に沿った長さ
が、回動した際に上端面3c’がガイド板52の裏面5
2bに摺接し、下端面3d’がケーシング2の底壁内面
2bに摺接する程度の長さを有し、また、外周面がケー
シング2の隔壁部21の先端面21aと摺接する程度の
外径を有する円柱状の大径部31を備えて構成されてい
る。また、この大径部31の外周面には、図6(a)に
示すように、回転軸3’において相対峙する位置に、軸
方向に沿って、回転軸3の溝部としての平面略コ字状の
係合溝32が形成されている。なお、回転軸3’が、一
端3a’を蓋部材5を構成する蓋本体51とガイド板5
2に形成された各回転軸挿通孔51a,52aに挿通
し、他端3b’をケーシング2の底壁内面2bの略中央
に形成された溝2eに嵌入して、ケーシング2の軸心に
沿って配設される点は、上記した回転軸3と同様であ
る。
【0020】ベーン4’は、軸方向の長さが上記した回
転軸3’の大径部31とほぼ同じ長さを有し、図7
(a)に示すように、平面視で略円弧状の円弧部41’
と、該円弧部41’の回転軸3’との対向面41a’の
略中央から半径方向に沿って突出する略四角形の係合突
起42’とを有する平面略T字状に形成されている。ま
た、図7(b),(c)に示すように、係合突起42’
を挟んだ円弧部41’の両対向面41a’と、係合突起
42’の先端部42b’及び一方の側面部42a’に
は、それらの軸方向中央部に、粘性液体6が通過する還
流溝としての溝43’が刻設されている。そして、ベー
ン4’は、円弧部41’がケーシング2の内周面2aと
回転軸3’の大径部31の外周面との間に配置され、係
合突起42’が、図8に示すように、大径部31に形成
された係合溝32(回転軸3の溝部)に遊びを有するよ
うにして、ケーシング2内に設けられる。
【0021】このように、ベーン4’の係合突起42’
が回転軸3’の大径部31に形成された係合溝32に遊
びを有して設けられることで、図8(a)に示すよう
に、回転軸3が非制動力発揮方向(図上、矢印方向)に
回転する場合には、ベーン4’の係合突起42’の一方
の側面部42a’に、係合溝32の一方の側壁32aが
当接して、これにより、係合溝32の他方の側壁32b
と係合突起42’の他方の側面部42c’との間に間隙
が形成され、この間隙と、係合突起42’を挟んだ円弧
部41’の両対向面41a’、係合突起42’の先端部
42b’、及び係合突起42’の一方の側面部42a’
に設けられた溝43’とにより、ケーシング2の液体室
22内に充填された粘性液体6が通過可能な還流路が形
成される。
【0022】他方、図8(b)に示すように、回転軸
3’が制動力発揮方向(図上、矢印方向)に回転する場
合には、ベーン4’の係合突起42’の他方の側面部4
2c’に、係合溝32の他方の側壁32bが当接して、
該他方の側壁32bと係合突起42’の他方の側面部4
2c’との間隙が閉ざされることにより、還流溝を構成
する係合突起42’を挟んだ円弧部41’の両対向面4
1a’に設けられた溝43’のうちの係合突起42’の
他方の側面部42c’側に位置する溝43’が閉鎖さ
れ、上記した還流路が遮断される。
【0023】なお、ベーン4’も、上記したベーン4と
同様、回転軸3’が制動力発揮方向に回転した場合に、
ベーン4’の円弧部41’とケーシング2の内周面2a
が摺接する面積が大きくなるように、円弧部41’の幅
を広く形成することが好ましい。これにより、粘性液体
6として低粘度のものを使用しても、ベーン4’の円弧
部41’とケーシング2の内周面2aとの間からの粘性
液体6の漏れを防止することができる。
【0024】図1及び図8を参照しつつ本実施の形態に
係るロータリーダンパ1の作用を説明する。本実施の形
態に係るロータリーダンパ1は、回転軸3’の一端3
a’を制動対象となる回転蓋等の軸体(図示せず)に連
結し、ケーシング2を所定の位置に固定して使用され
る。回転蓋等が開放動作する場合には、その開放動作に
伴って、回転蓋等の軸体及びこれに連結された回転軸
3’が非制動力発揮方向(図8(a)上、矢印方向)に
回転する。この際、回転軸3’の大径部31に形成され
た係合溝32の一方の側壁32aがベーン4’の係合突
起42’の一方の側面部42a’に当接して、回転軸
3’の大径部31とベーン4’との間に粘性液体6が通
過可能な還流路が形成される。その結果、粘性液体6が
ケーシング2の底壁内面2bに形成されたオリフィス溝
2c以外に、この還流路を通じて流動するため、その際
に生じる抵抗が小さくなり、従って、ロータリーダンパ
1が発揮する制動力も小さくなる。
【0025】他方、回転蓋等が閉成動作する場合には、
その閉成動作に伴って、回転蓋等の軸体及びこれに連結
された回転軸3’が制動力発揮方向(図8(b)上、矢
印方向)に回転する。この際、回転軸3’の大径部31
に形成された係合溝32の他方の側壁32bがベーン
4’の係合突起42’の他方の側面部42c’に当接し
て、これにより、上記した還流路を遮断すると共に、ベ
ーン4’がケーシング2の内周面2aに摺接しつつ回転
して粘性液体6を圧縮するため、該粘性液体6は、ベー
ン4’の円弧部41’とケーシング2の内周面2aとの
間から漏れ出ることなく、オリフィス溝2cのみを通じ
て流動し、その際に生じる抵抗により、本実施の形態に
係るロータリーダンパ1も大きな制動力を発揮すること
ができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るロータリーダン
パは、ケーシングの軸心に沿って配設される回転軸と、
該回転軸に形成される溝部に遊びを有して係合可能な係
合突起を有すると共に、外周面が該回転軸の回転に伴っ
て該ケーシングの内周面と摺接する所定幅の円弧部とを
有する平面略T字状のベーンとを有し、さらに、該回転
軸とベーンの少なくとも一方に、該回転軸が制動力発揮
方向へ回転する際に閉鎖され、逆方向へ回転する際に粘
性液体が通過する還流溝が設けられている。これによ
り、回転軸が制動力発揮方向に回転する際にベーンが粘
性液体を圧縮する際のシール性を向上させることがで
き、低粘度の粘性液体を使用した場合でも大きな制動力
を発揮することができる。また、回転軸が非制動力発揮
方向に回転する際には、制動力を小さくすることができ
る。
【0027】また、請求項2に係るロータリーダンパに
よっても上記と同様の効果を奏することができる。すな
わち、本発明の請求項2に係るロータリーダンパは、請
求項1に係るロータリーダンパを構成する回転軸の外周
面に、二股に分岐していると共に、各先端部に前記還流
溝としての切欠を有する突起部が突設されると共に、ベ
ーンの円弧部が、ケーシングの内周面と該突起部の二股
部の各先端部との間に配置され、係合突起が、一方の側
面部に前記還流溝としての溝を有し、該円弧部の該回転
軸との対向面から半径方向に沿って突出すると共に、該
回転軸に形成される溝部としての、該突起部の二股部の
各先端部の間隙に遊びを有して配置されている。これに
より、回転軸が非制動力発揮方向に回転する場合には、
回転軸の突起部の二股部の一方の内面が、ベーンの係合
突起の一方の側面部に当接して、回転軸の突起部とベー
ンとの間に、粘性液体が通過可能な還流路が形成され
る。このため、粘性液体がオリフィス溝のほか、この還
流路をも通過するので、その際に生じる抵抗が小さくな
り、ロータリーダンパの発揮する制動力が小さくなる。
他方、回転軸が制動力発揮方向に回転する場合には、回
転軸の突起部の二股部の他方の内面がベーンの係合突起
の他方の側面部に当接して、還流溝が閉鎖されることに
より前記還流路が遮断される。また、これと共に、所定
の幅を有するベーンがケーシングの内周面と摺接しつつ
粘性液体を圧縮するので、粘性液体が低粘度のものであ
っても、粘性液体がベーンの円弧部とケーシングの内周
面との間から漏れ出ることがなく、オリフィス溝のみを
通じて流動するため、ロータリーダンパは大きな制動力
を発揮することができる。
【0028】また、請求項3に係るロータリーダンパに
よっても請求項1及び2に係るロータリーダンパと同様
の効果を奏することができる。すなわち、請求項3に係
るロータリーダンパは、請求項1に係るロータリーダン
パを構成する回転軸の外周面に、軸方向に沿って、該回
転軸に形成される溝部としての係合溝が形成されると共
に、ベーンの円弧部が、該回転軸との対向面に前記還流
溝としての溝を有し、ケーシングの内周面と該回転軸の
外周面との間に配置され、係合突起が、正面部及び一方
の側面部に前記還流溝としての溝を有し、該円弧部の対
向面から半径方向に沿って突出すると共に、該回転軸の
係合溝に遊びを有して配置されている。これにより、回
転軸が非制動力発揮方向に回転する場合には、回転軸の
係合溝の一方の側壁がベーンの係合突起の一方の側面部
に当接して、回転軸とベーンとの間に、粘性液体が通過
可能な還流路が形成される。このため、粘性液体がオリ
フィス溝のほか、この還流路をも通過するので、その際
に生じる抵抗が小さくなり、ロータリーダンパの発揮す
る制動力が小さくなる。他方、回転軸が制動力発揮方向
に回転する場合には、回転軸の係合溝の他方の側壁がベ
ーンの係合突起の他方の側面部に当接して、還流溝が閉
鎖されることにより前記還流路が遮断される。また、こ
れと共に、所定の幅を有するベーンがケーシングの内周
面と摺接しつつ粘性液体を圧縮するので、粘性液体が低
粘度のものであっても、粘性液体がベーンの円弧部とケ
ーシングの内周面との間から漏れ出ることがなく、オリ
フィス溝のみを通じて流動するため、ロータリーダンパ
は大きな制動力を発揮することができる。また、更に、
回転軸に突起部を設けることなく、回転軸の係合溝にベ
ーンが係合されるため、シール性を向上させることがで
きると共に、軸強度を向上させることができる。また、
それにより、ロータリーダンパの外径を小さくすること
が可能なため、小型で大きな制動力を発揮するロータリ
ーダンパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態に係るロータリー
ダンパを示す横断面図である。
【図2】 同実施の形態に係るロータリーダンパを示す
縦断面図である。
【図3】 同実施の形態で用いた回転軸を示す平面図で
ある。
【図4】 同実施の形態で用いたベーンを示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)
のA−A断面図である。
【図5】 同実施の形態で用いた回転軸及びベーンを示
す横断面図であり、(a)は回転軸が非制動力発揮方向
に回転した状態を示し、(b)は回転軸が制動力発揮方
向に回転した状態を示す。
【図6】 本発明の第二の実施の形態に係るロータリー
ダンパの回転軸を示す図であり、(a)は平面図、
(b)は(a)のA−A断面図である。
【図7】 同実施の形態で用いたベーンを示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)
のA−A断面図である。
【図8】 同実施の形態で用いた回転軸及びベーンを示
す横断面図であり、(a)は回転軸が非制動力発揮方向
に回転した状態を示し、(b)は回転軸が制動力発揮方
向に回転した状態を示す。
【図9】 従来のロータリーダンパを示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ロータリーダンパ 2 ケーシング 21 隔壁部 3,3’ 回転軸 4,4’ ベーン 41,41’ 円弧部 42,42’ 係合突起 5 蓋部材 6 粘性液体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面から軸心に向かって突出する隔壁
    部を備えると共に、内部に粘性液体が充填される有底略
    円筒状のケーシングと、 該ケーシングの軸心に沿って配設される回転軸と、 該回転軸に形成される溝部に遊びを有して係合可能な係
    合突起を有すると共に、外周面が該回転軸の回転に伴っ
    て該ケーシングの内周面と摺接する所定幅の円弧部とを
    有する平面略T字状のベーンと、 該ケーシングの上面開口部を閉塞する蓋部材とを有し、 さらに、前記回転軸とベーンの少なくとも一方に、該回
    転軸が制動力発揮方向へ回転する際に閉鎖され、逆方向
    へ回転する際に前記粘性液体が通過する還流溝が設けら
    れていることを特徴とするロータリーダンパ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロータリーダンパであっ
    て、 前記回転軸の外周面に、二股に分岐していると共に、各
    先端部に前記還流溝としての切欠を有する突起部が突設
    されると共に、 前記ベーンの円弧部が、前記ケーシングの内周面と該突
    起部の二股部の各先端部との間に配置され、係合突起
    が、一方の側面部に前記還流溝としての溝を有し、該円
    弧部の該回転軸との対向面から半径方向に沿って突出す
    ると共に、該回転軸に形成される溝部としての、該突起
    部の二股部の各先端部の間隙に遊びを有して配置される
    ことを特徴とするロータリーダンパ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のロータリーダンパであっ
    て、 前記回転軸の外周面に、軸方向に沿って、該回転軸に形
    成される溝部としての係合溝が形成されると共に、 前記ベーンの円弧部が、該回転軸との対向面に前記還流
    溝としての溝を有し、該ケーシングの内周面と該回転軸
    の外周面との間に配置され、係合突起が、正面部及び一
    方の側面部に前記還流溝としての溝を有し、該円弧部の
    対向面から半径方向に沿って突出すると共に、該回転軸
    の係合溝に遊びを有して配置されることを特徴とするロ
    ータリーダンパ。
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