JP2000095809A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合体の製造方法

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JP2000095809A
JP2000095809A JP11209232A JP20923299A JP2000095809A JP 2000095809 A JP2000095809 A JP 2000095809A JP 11209232 A JP11209232 A JP 11209232A JP 20923299 A JP20923299 A JP 20923299A JP 2000095809 A JP2000095809 A JP 2000095809A
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正文 清水
Yoshiyuki Ishihama
由之 石浜
Shiyouko Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタロセン系遷移金属触媒の存在下におい
て、オレフィンを重合させるに際して、ポリマーの反応
器壁への付着や、シート状ポリマーや塊状ポリマー等の
生成が無く、長期に渡り安定運転を行なうこと、すなわ
ち運転の安定化が可能なオレフィン重合体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 [A]メタロセン系遷移金属触媒と、
[B]一般式 【化1】R1 nAl (OR2)3-n で表わされる有機アルミニウム化合物(一般式中、R1
はC1-20のアルキル基、またはアリール基、または水
素、またはハロゲンを表す。R2 はC1-20のアルキル
基、またはアリール基を表す。nは0≦n<3から選ば
れる数。)の存在下に、重合反応器の器壁の温度tw
(℃)と重合反応温度tr(℃)とが下記式1の関係を
満す条件でオレフィンを重合することを特徴とするオレ
フィン重合体の製造方法。 【数1】0.5<tr−tw<10 式1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン重合体の
製造方法に関し、更に詳しくはメタロセン系触媒の存在
下でオレフィンを重合させるに際して、製品の壁への付
着や塊状ポリマーの生成が無く、長期間にわたり安定運
転を行なうことができるオレフィン重合体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン重合体、またはエチレンとα−
オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)などに代表されるオレフィン重合体は
フィルム成形用材料、射出成形用材料などとして広く利
用されている。このようなオレフィン重合体は従来、溶
液重合、懸濁重合、バルク重合あるいは気相重合法によ
りチタン、マグネシウム、ハロゲンを主成分とする、い
わゆるチーグラー系触媒の存在化にオレフィンを重合、
または共重合させることによって製造している。
【0003】特に気相重合やバルク重合、スラリー重合
におけるオレフィンの製造は長期に亘る運転を行なう際
は壁面や攪拌翼に製品ポリマーが付着し、時には付着し
たポリマーが溶融してシート状ポリマーや、塊状ポリマ
ーを生成して製品抜き出しラインを閉塞せしめ運転を阻
害することがある。
【0004】これら運転阻害を防止するために、系内に
アルコール類、ケトン類等、を添加する方法(特開平1
−230607号公報)、水を添加する方法(特公平7
−5665号公報)、アルコールフォスフェート塩と四
級アンモニウム塩の混合物からなる物質を添加する方法
(特開平6−172412号公報)、予め含水粒子を反
応器内に充填して反応を開始する方法(特開平4−85
307号公報)、予め酸素を含有する粒子を反応器内に
充填して反応を開始する方法(特開平4−85308号
公報)等が知られている。
【0005】また、上記チーグラー触媒系の他に、近年
注目されている触媒にジルコニウム、チタンなどの長周
期律表第4族金属のメタロセン化合物を含む触媒成分か
らなる触媒系が開発されている(特公平4−12283
号公報等)。これらの方法を用いて得たポリマーは低結
晶成分が少なくブロッキング性が良い、長鎖分岐を導入
して加工物性を制御できる等、従来のチーグラー系触媒
を用いて得た製品には無い特徴があるという点から近年
注目されている。
【0006】これらメタロセン系触媒の存在下にオレフ
ィンを気相重合、バルク重合、またはスラリー重合する
場合も、壁や攪拌翼への製品ポリマーの付着や、シート
状ポリマー、および塊状ポリマーの生成は従来のチーグ
ラー系の触媒を用いた場合と同様であり、安定運転の観
点からは共通の問題点である。
【0007】メタロセン系触媒に関しては水、アルコー
ル類、およびケトン類から選ばれる少なくとも1種の化
合物を添加しポリマーの流動性を改良する方法(特開平
7−76604号公報)が知られている。しかし、これ
らの物質を添加してもシート状ポリマー、塊状ポリマー
の生成による運転阻害がたびたび確認され、さらなる運
転安定化の技術の出現が望まれていた。本発明者はこの
ようなメタロセン系遷移金属触媒を用いるオレフィン重
合体の製造において、シート状ポリマーや塊状ポリマー
の生成が無く、長期に亘り安定して運転する方法を見い
だして本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はメタロセン系
遷移金属触媒の存在下にオレフィンを重合するに際し
て、ポリマーの反応器壁への付着や、シート状ポリマー
や塊状ポリマー等の生成が無く、長期に亘り安定運転を
行なうこと、すなわち運転の安定化を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するため、鋭意検討した結果なされたもので、[A]
メタロセン系遷移金属触媒と、[B]一般式
【0010】
【化3】R1 nAl(OR2)3-n
【0011】で表わされる有機アルミニウム化合物(一
般式中、R1 はC1-20のアルキル基、アリール基、水素
またはハロゲンを表す。R2 はC1-20のアルキル基また
はアリール基を表す。nは0≦n<3から選ばれる数)
の存在下に、重合反応器の器壁の温度tw(℃)と重合
反応温度tr(℃)とが下記式1の関係を満す条件でオ
レフィンを重合することを特徴とするオレフィン重合体
の製造方法を提供するものである。
【0012】
【数2】0.5<tr−tw<10 式1
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるオレフィン
の重合法に関して具体的に説明する。この際、「重合」
と記載する場合にはモノマーとして1種類しか用いない
場合のみならず、2種類以上のモノマーを使用した共重
合をも含んだ意味で用いる。さらに「重合体」と記載す
る場合には1種類のモノマーを使用した重合体のみなら
ず、2種類以上のモノマーを使用した共重合体の意味も
含んで用いる。また、「運転安定化」とは、オレフィン
を重合させるに際してシート状ポリーや塊状ポリマー等
の生成が無いばかりでなく、シート状ポリマーや塊状ポ
リマーのような溶融ポリマーが生成する条件、すなわち
ポリマーが反応器壁や攪拌翼に付着することなく、長期
に亘り運転させる意味で用いる。
【0014】《触媒》 [A]メタロセン系遷移金属触媒 本発明において成分[A]として用いられるメタロセン
系遷移金属触媒は、[a1]メタロセン化合物および
[a2]粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物、か
らなる触媒、または[a2]成分の代わりに、[a3]
担体に担持された有機アルミニウムオキシ化合物、もし
くは[a4]担体に担持されたホウ素アニオン系化合物
からなるものである。以下、成分[a1]、[a2]、
[a3]、[a4]について説明を行なう。 [a1]メタロセン化合物 本発明で用いられる[a1]メタロセン化合物は、長周
期律表第4,5,6族の金属を含むメタロセン遷移金属
化合物であり、下記一般式(1)で表される化合物であ
る。
【0015】
【化4】 R11 i(CpR12 j)(CpR12 j)MR13 2 ・・・一般式(1)
【0016】ただし一般式(1)中、各(CpR12 j)は
同一でも異なっていても良いシクロペンタジエニル基ま
たは置換シクロペンタジエニル基を表し、R11は、炭
素、ケイ素、ゲルマニウム等の長周期律表の第14また
は15族元素を含む共有結合架橋基であり、各R12は、
同一または異なっても良い、水素、ハロゲン、珪素含有
基、ハロゲン置換基を有しても良い炭素数が1ないし2
0の炭化水素基、アルコキシ基またはアリールオキシ基
であり、2個のR12がシクロペンタジエニル環の隣接す
る2個の炭素原子に存在する場合には、互いに結合して
4〜C7 の環を形成しても良い。R13は、同一または
異なっていても良い、水素、ハロゲン、炭素数1〜20
の炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、
アルコキシ基、アリールオキシ基であり、iは0または
1であり、各jはi+j=5となる整数であり、Mは長
周期律表第4,5,6族の金属である。
【0017】上記一般式(1)中、R11は炭素、珪素、
ゲルマニウム等の長周期律表の第14または15族元素
を含む共有結合架橋基であり、CpR12 jで示される2
個のシクロペンタジエニル環含有基を結合するものであ
る。具体的にはメチレン基、エチレン基のようなアルキ
レン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリ
デン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン
基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエ
チルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジイソプロピ
ルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシ
リレン基、メチルフェニルシリレン基、メチルイソプロ
ピルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基のよう
な珪素含有架橋基、ジメチルゲルミレン基、ジイソプロ
ピルゲルミレン基、ジフェニルゲルミレン基、メチルエ
チルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン基、メチ
ルイソプロピルゲルミレン基、メチル−t−ブチルゲル
ミレン基のようなゲルマニウム含有架橋基等、アルキル
フォスフィン、アミン等があげられる。これらのうちア
ルキレン基、アルキリデン基、および珪素含有架橋基が
特に好ましく用いられる。
【0018】各CpR12 j は、同一でも異なっていても
良い、シクロペンタジエニル基、または置換シクロペン
タジエニル基である。ここでR12は、同一または異なっ
ていても良い、水素、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハ
ロゲン、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフ
ェニルシリル基等の珪素含有基、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、フェ
ニル、クロロメチル、クロロエチル基等のハロゲン基を
有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基等のアルコキシ
基、またはフェノキシ、メチルフェノキシ、ペンタメチ
ルフェノキシ基等のアリールオキシ基である。
【0019】なおここで2個のR12がシクロペンタジエ
ニル環の隣接する2個の炭素原子に存在する場合は、互
いに結合してC4〜C7 の環を形成し、インデニル、テ
トラヒドロインデニル、フルオレニル、オクタヒドロフ
ルオレニル、アズレニル、ヘキサヒドロアズレニル基等
となっても良い。これらのうちR12として特に好ましい
のは、水素、メチル基、および2個のR12が互いに結合
してインデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニ
ル、オクタヒドロフルオレニル、アズレニルまたはヘキ
サヒドロアズレニル基を形成した炭化水素基である。
【0020】R13は、同一または異なっていても良い、
水素、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン、トリメ
チルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル基
等の珪素含有基、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、クロロメ
チル、クロロエチル基等のハロゲン基を有していても良
い炭素数1〜20の炭化水素基、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ基等のアルコキシ基、またはフェ
ノキシ、メチルフェノキシ、ペンタメチルフェノキシ基
等のアリールオキシ基であり、特に水素、塩素、メチル
基が好ましい。
【0021】iは2個のシクロペンタジエニル環含有基
をR11で結合しない場合は0であり、結合する場合は1
である。各jはiが1のとき4であり、iが0のとき5
である。Mはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、
バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、
タングステン等の長周期律表の第4,5,6族の金属で
あり、特にチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが好
ましい。
【0022】前述のメタロセン系遷移金属化合物は、具
体的にはジルコニウムを例にとれば、一般式(1)に相
当するものとしては、イソプロピリデン−ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン−
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピ
リデン−ビス(インデニル)ジルコニウム2水素化物、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジメチル、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリ
デン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコ
ニウム二水素化物、メチレン−ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、メチレン−ビス(テ
トラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、イソプロピリデン−ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチ
ルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド、メチレン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、メチレン−ビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エ
チレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリル−ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレン
−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化
物、エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム二水素化物、イソプロピリデン−ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウム二水素化物、ジメチルシリル
−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化
物、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ビス(n−ブチルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(n−ブ
チルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、
ジメチルシリレンビス(4−メチル−4−ヒドロ−アズ
レニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン
ビス(2,4−ジメチル−4−ヒドロ−アズレニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス[1,
1’−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4
−ヒドロ−アズレニル}]ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−
フェニル−4−ヒドロ−アズレニル)}ジルコニウムジ
クロライド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−
メチル−4−フェニル−4−ヒドロ−アズレニル)}ハ
フニウムジクロライド等が例示できる。
【0023】チタニウム化合物、ハフニウム化合物等の
他の長周期律表第4,5,6族金属化合物についても、
上記と同様の化合物が挙げられる。また、一般式(1)
で表される[a1]成分は単独で用いても良いし、2種
類以上組み合わせて使用してもよい。更に公知の三塩化
チタンを主成分とする固体触媒やマグネシウム、チタ
ン、ハロゲンを必須成分として含有する担体担持型触媒
と同時に使用することもできる。
【0024】[a2]粘土、粘土鉱物またはイオン性層
状化合物 [a1]成分は、通常、[a2]粘土、粘土鉱物、また
はイオン交換性層状化合物と一緒に使用する。ここで粘
土とは、通常粘土鉱物を主成分として構成される。ま
た、イオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって
構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった
結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換可
能なものを言う。粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化
合物は天然産のものに限らず、人工合成物であっても良
い。
【0025】[a2]成分の具体例としては、ディッカ
イト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メ
タハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソ
タイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノン
トロナイト、サポナイト、テオニライト、ヘクトライ
ト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュ
ライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリ
サイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオ
ライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィ
ライト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合
層を形成していても良い。これらの中では特にモンモリ
ロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイ
ト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベ
ントナイト、テオニライト等のスメクタイト族、バーミ
キュライト族、雲母族が好ましい。
【0026】また、[a2]成分は化学処理を施すこと
も好ましい。ここで化学処理としては、表面に付着して
いる不純物を除去する表面処理と粘土の結晶構造に影響
を与える処理のいずれをも用いる事ができる。具体的に
は酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙
げられる。酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶
構造中のAl,Fe,Mg等の陽イオンを溶出させるこ
とによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土
の結晶構造が破壊され粘土の構造の変化をもたらす。
【0027】また、塩類処理、有機物処理ではイオン複
合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や
層間距離を変えることができる。イオン交換性を利用
し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置
換することにより層間が拡大した状態の層状物質を得る
こともできる。ここで、嵩高いイオンが層状構造を支え
る支柱的な役割を担っているが、これはピラーと呼ばれ
る。
【0028】また層状物質層間に別の物質を導入するこ
とをインターカレーションというが、インターカレーシ
ョンするゲスト化合物としては、TiCl4 、ZrCl
4 等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4 、Zr
(OR)4 、PO(OR)4 、B(OR)4 、(Rはア
ルキル基、またはアリール基)等の金属アルコラート、
[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[F
3O(OCOCH3)6+等の金属水酸化物イオン等が挙
げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種類
以上組み合わせて使用してもよい。また、これらの化合
物をインターカレーションする際に、Si(OR)4
AL(OR)3 、Ge(OR)4 、等の金属アルコラー
ト等を加水分解して得た重合物、SiO2 等のコロイド
状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラ
ーの例としては上記水酸化物イオンを層間にインターカ
レーションした後に加熱脱水することにより生成する酸
化物等が挙げられる。
【0029】化学処理の中でも特に好ましい化学処理は
塩類処理、および/または酸処理である。塩類処理、お
よび/または酸処理によって、固体の酸強度を変えるこ
とができる。また、塩類処理は、イオン複合体、分子複
合体、有機誘導体等を形成し表面積や層間距離を変える
ことができる。即ち、イオン交換性を利用し、層間の交
換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することに
より、層間が拡大した状態の層状物質を得ることができ
る。本発明においては塩類で処理される前のイオン交換
性層状化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の
化合物の含有する交換性陽イオンの30%以上、好まし
くは40%以上、特に好ましくは60%以上を下記に示
す塩類より解離した陽イオンとイオン交換することが好
ましい。このようなイオン交換を目的とした本発明の塩
類処理で用いられる塩類は、2〜14族からなる群より
選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンを含有す
る化合物である。
【0030】具体的には、(1)CaCl2 、CaSO
4 、CaC2 4 、Ca (NO3)2 、Ca3(C6 5
7)2 、(2)MgCl2 、MgBr2 、MgSO4 、M
g (PO4)2 、Mg (ClO4)2 、MgC2 4 、Mg
(NO3)2 、Mg (OOCCH3)2 、MgC4
4 4 、(3)Sc (OOCCH3)2 、Sc (C
3)3 、Sc2(C2 4)3 、Sc (NO3)3 、Sc2(S
4)3 、ScF3 、ScCl3 、ScBr3 、Sc
3 、(4)Y (OOCCH3)3 、Y (CH3 COCH
COCH3)3 、Y2(CO3)3 、Y2(C2 4)3 、Y (N
3)3 、Y (ClO4)3 、YPO4 、Y2(CO4)3 、Y
3 、YCl3 、(5)La (OOCCH3)3 、La
(CH3 COCHCOCH3)3 、La2(CO3)3 、La
(NO3)3 、La (ClO4)3 、La2(C2 4)3 、L
aPO4 、La2(SO4)3 、LaF3 、LaCl3 、L
aBr3 、LaI3
【0031】(6)Sm (OOCCH3)3 、Sm (CH
3 COCHCOCH3)3 、Sm2(CO3)3 、Sm (NO
3)3 、Sm (ClO4)3 、Sm2(C2 4)3 、Sm2(S
4)3 、SmF3 、SmCl3 、SmI3 、(7)Yb
(OOCCH3)3 、Yb (NO3)3 、Yb (Cl
4)3 、Yb (C24)3 、Yb2(SO4)3 、Yb
3 、YbCl3 、(8)TiF4 、TiCl4 、Ti
Br4 、TiI4 、TiOCl2 、Ti (SO4)2 、T
i (NO3)4 、TiO (NO3)2 、Ti3(PO4)4 、T
i (ClO4)4 、Ti (CO3)2 、Ti (OCOH)4
Ti (OCOCH3)4 、Ti (OCOC2 5)4 、Ti
(OCOC3 7)4 、Ti((COO)2)2、Ti (CH
2(COO)2)2、TiBrCl3 、TiF3 、TiC
3 、TiBr3 、TiI3 、Ti (NO3)3 、Ti
(ClO4)3 、(9)Zr (OOCCH3)4 、Zr (C
3)2 、Zr (NO3)4 、Zr (SO4)2 、ZrF4
ZrCl4 、ZrBr4 、ZrI4 、ZrOCl2 、Z
rO (NO3)2 、ZrO (ClO4)2 、ZrO (S
4)、(10)Hf (OOCCH3)4 、Hf (CO3)2
Hf (NO3)4 、Hf (SO4)2 、HfOCl2 、Hf
4 、HfCl4 、HfBr4 、HfI4
【0032】(11)V (CH3 COCHCOCH3)3
VOSO4 、VOCl3 、VCl3 、VBr3 、(12)
Nb (CH3 COCHCOCH3)5 、Nb2(CO3)5
Nb (NO3)5 、Nb2(SO4)5 、NbF5 、NbCl
5 、NbBr5 、NbI5 、(13)Ta (OOCCH3)
5 、Ta2(CO3)5 、Ta (NO3)5 、Ta2(S
4)5 、TaF5 、TaCl5 、TaBr5 、Ta
5 、(14)Cr (CH3 COCHCOCH3)3 、Cr
(OOCH)2OH、Cr (NO3)3 、Cr (Cl
4)3 、CrPO4 、Cr2(SO4)3 、CrO2
2、CrF3 、CrCl3 、CrBr3 、CrI3
(15)MoOCl4 、MoCl3 、MoCl4 、MoC
5 、MoF6 、MoI2
【0033】(16)WCl4 、WCl6 、WF6 、WB
6 、(17)Mn (OOCCH3)2 、Mn (CH3 CO
CHCOCH3)2 、MnCO3、Mn (NO3)2 、Mn
O、Mn (ClO4)2 、MnF2 、MnCl2 、MnB
2 、MnI2 、(18)Fe (OOCCH3)2 、Fe
(CH3 COCHCOCH3)3 、FeCO3、Fe (NO
3)3 、Fe (ClO4)3 、FePO4 、FeSO4 、F
2(SO4)3 、FeF3 、FeCl3 、FeBr3 、F
eI3 、FeC6 57 、(19)Co (OOCCH3)
2 、Co (CH3 COCHCOCH3)3 、CoCO3
Co (NO3)2 、CoC2 4 、Co (ClO4)2 、C
3(PO4)2 、CoSO4 、CoF2 、CoCl2 、C
oBr2 、CoI2 、(20)NiCO3 、Ni (NO3)
2 、NiC2 4 、Ni (ClO4)2 、NiSO4 、N
iCl2 、NiBr2
【0034】(21)Pb (OOCCH3)2 、PbC
3 、Pb (NO3)2 、PbHPO4 、PbSO4 、P
b (ClO4)2 、PbF2 、PbCl2 、PbBr2
PbI2 、(22)CuCl2 、CuBr2 、Cu (NO
3)2 、CuC2 4 、Cu (ClO4)2 、CuSO4
Cu (OOCCH3)2 、(23)Zn (OOCCH3)2
Zn (CH3 COCHCOCH3)2 、Zn (OOC
H)2、ZnCO3 、Zn (NO3)2 、Zn (Cl
4)2 、Zn3(PO4)2 、ZnSO4 、ZnF2 、Zn
Cl2 、ZnBr2 、ZnI2 、(24)Cd (OOCC
3)2 、Cd (CH3 COCHCOCH3)2 、Cd (O
COCH2 CH3)2 、Cd (NO3)2 、Cd (ClO4)
2 、CdSO4 、CdF2 、CdCl2 、CdBr2
CdI2 、(25)AlF3 、AlCl3 、AlBr3
AlI3 、Al2(SO4)3 、Al2(C2 4)3 、Al
(CH3 COCHCOCH3)3 、Al (NO3)3 、Al
PO4 、(26)GeCl4 、GeBr4 、GeI4
(27)Sn (OOCCH3)4 、Sn (SO4)2 、SnF
4 、SnCl4 、SnBr4 、SnI4 、(28)Pb
(OOCCH3)4 、PbCO3 、Pb (NO3)2 、Pb
HPO4 、Pb (ClO4)2 、PbSO4 、PbF2
PbCl2 、PbBr2 、PbI2 、等が挙げられる。
【0035】好ましくは周期律表4、5、6族遷移金属
の陽イオン、即ち、Ti2+、Ti3+、Ti4+、Zr2+
Zr3+、Zr4+、Hf2+、Hf3+、Hf4+、V2+
3+、V 4+、V5+、Nb2+、Nb3+、Nb4+、Nb5+
Ta2+、Ta3+、Ta4+、Ta5+、Cr2+、Cr3+、C
4+、Cr5+、Cr6+、Mo2+、Mo3+、Mo4+、Mo
5+、Mo6+、W2+、W3+、W4+、W5+、W6+を含有する
塩類である。これらの塩類は単独で用いても、2種類以
上を同時に、および/または連続して用いても良い。
【0036】酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結
晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部、または
全てを溶出させる。ここで酸処理で用いられる酸は、好
ましくは塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択さ
れる。処理に用いる塩類、および酸は2種類以上であっ
てもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合におい
ては、塩類処理を行なった後、酸処理を行なう方法、酸
処理を行なった後、塩処理を行なう方法、および塩類処
理と酸処理を同時に行なう方法がある。
【0037】塩類、および酸による処理条件は特には限
定されないが、通常、塩類、および酸濃度は0.1〜3
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は5分〜2
4時間の条件を選択して、イオン交換性層状化合物から
なる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を構成して
いる物質の少なくとも一部を溶出する条件で行なうこと
が好ましい。また、塩類、および酸は、一般的には水溶
液で用いられるが、特にこれらにとらわれない。
【0038】上記のようにして得られた成分[a2]
は、以下の条件(イ)を満たすことにより、流動性が良
好な触媒を得ることができ、かつ微粒や粗粒が少くない
嵩密度が高いオレフィン重合体が得られると言う点で好
ましく、さらには(イ)、(ロ)、(ハ)の条件を同時
に満たすことが特に好ましい。 (イ)平均粒径が20μm以上1,000μm以下であ
り、かつ粒径が10μm以下の粒子の数が全粒子の20
%以下であること。 (ロ)微少圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が0.
5MPa以上であること。 (ハ)粒子の嵩密度が0.6g/cm3以上であること。
【0039】ここで条件(イ)とは、成分[a2]の平
均粒径、および粒径が10μm以下の存在比率に関する
ものであって、具体的には平均粒径が20μm以上1,
000μm以下であり、かつ粒径が10μm以下の粒子
の数が全粒子の20%以下であること、というものであ
る。平均粒径が20μm以上500μm以下、特に20
μm以上100μm以下、のものが好ましく、粒径が1
0μm以下の粒子が全粒子の15%以下、特に10%以
下、であるものが好ましい。従って条件(イ)は、平均
粒径、及び粒径10μm以下の粒子径の存在量に関する
上記の好ましい条件のどちらか一方、または両方を満た
すものが好ましい。ここで粒子の測定は、具体的には
(株)セイシン企業社のレーザー回折法による粒度分布
測定装置(「LMS024」、光源:半導体レーザ(波長
670nm))を用いて行なうことができる。測定はエタ
ノールを分散媒として用い、屈折率1.33、形状係数
1.0として粒径分布、および平均粒径を算出した。
【0040】条件(ロ)は成分[a2]の強度に関する
ものであって、具体的には微少圧縮試験器で測定した粒
子の圧壊強度が0.5MPa以上であること、というも
のである。好ましくは圧壊強度が1.0MPa以上であ
る。上限は40MPaである。ここで圧壊強度は具体的
には島津製作所社製、微少圧縮試験器「MCTM−50
0」を用いて、任意の10個以上の粒子の圧縮強度を測
定し、その平均値を圧壊強度として求めたものである。
条件(ハ)は成分[a2]の嵩密度に関するものであっ
て、具体的にはその値が0.6g/cm3以上であるこ
と、というものである。上限は1.5g/cm3である。
【0041】条件(イ)、(ロ)、(ハ)を満たす成分
[a2]は具体的には、前記に例示した粘土、粘土鉱
物、またはイオン交換性層状化合物を、上記塩類処理お
よび/または酸処理を行う場合には、処理前、処理間、
処理後に粉砕、造粒、分粒、分別等によって粒子性状を
制御することによって製造することができる。その方法
は合目的的な任意のものであり得る。特に造粒方法につ
いて示せば、例えば噴霧造粒法、転動造粒法、圧縮造粒
法、攪拌造粒法、ブリケッティング法、コンパクティン
グ法、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、および
液中造粒法等が挙げられる。特に好ましい造粒方法は、
上記のうち噴霧造粒法、転動造粒法、および圧縮造粒法
である。また、前記の粘土、粘土鉱物、イオン交換性層
状化合物は単独で用いても2種以上を混合して用いても
よい。
【0042】[a3]有機アルミニウムオキシ化合物 次に[a3]有機アルミニウムオキシ化合物の説明を行
なう。ここでいう有機アルミニウムオキシ化合物とは下
記一般式(2)または一般式(3)で示される化合物で
ある。
【0043】
【化5】
【0044】上記一般式(2)および一般式(3)にお
いて、R21はC1-8 のアルキル基であり、rは0以上の
整数である。これら[a3]成分は、1種類のトリアル
キルアルミニウム、または2種類以上のトリアルキルア
ルミニウムと水との反応により得られる生成物である。
具体的には1種類のトリアルキルアルミニウムの場合
は、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチル
アルモキサン、イソブチルアルモキサン等が挙げられ、
2種類以上のトリアルキルアルミニウムを用いる場合
は、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキ
サン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。
【0045】これらの中で好ましいものはメチルアルモ
キサン、イソブチルアルモキサン、メチルイソブチルア
ルモキサン、およびこれらの混合物である。特に好まし
いのは、メチルアルモキサン、およびメチルイソブチル
アルモキサンである。また、これらの有機アルミニウム
オキシ化合物はシリカゲルやアルミナに担持させて使用
することもでき、特にメチルアルモキサンをシリカゲル
に担持させたものが好ましい。これらのアルモキサンは
公知の様々な条件下に調製することができる。具体的に
は以下の方法が例示できる。
【0046】(イ)トリアルキルアルミニウムをトルエ
ン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直
接水と反応させる方法。 (ロ)トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩水
和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応
させる方法。 (ハ)トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含浸
させた水分とを反応させる方法。 (ニ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適
当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法。 (ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸
銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法。 (ヘ)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチル
アルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウムで
追加処理する方法。
【0047】[a4]ホウ素アニオン系化合物 次に、[a4]ホウ素アニオン系化合物を使用した場合
について説明する。ホウ素アニオン系化合物を使用した
場合、メタロセン系遷移金属触媒は[a1]成分と[a
4]成分をあわせて下記一般式(4)で表される。
【0048】
【化6】 [R11 i(CpR12 j)(CpR12 j)MR1314+ 15- ・・・一般式(4)
【0049】ここでR11 i(CpR12 j)、M、R13は一般
式(1)で表されるものと同等である。即ち、R11は、
炭素、ケイ素、ゲルマニウム等の長周期律表の第14ま
たは15族元素を含む共有結合架橋基であり、R12は、
同一または異なってもよい、水素、ハロゲン、ケイ素含
有基、ハロゲン置換基を有しても良い炭素数が1〜20
の炭化水素基、アルコキシ基またはアリールオキシ基
で、R13は、同一または異なっても良い、水素、ハロゲ
ン、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有炭化水
素基、珪素含有基、アルコキシ基またはアリールオキシ
基であり、Mは長周期律表第4,5,6族の金属であ
り、iは0または1、jはi+j=5となる整数であ
る。
【0050】さらにR14はMに配位するテトラヒドロフ
ラン等中性の配位子である。R15は一般式(4)の金属
カチオンを安定化させることのできる対アニオンであ
り、テトラフェニルボレート、テトラ(p−トリル)ボ
レート、カルバドデカボレート、ジカルバウンデカボレ
ート等の[a4]成分、即ちホウ素アニオン系化合物で
ある。
【0051】具体的に一般式(4)に相当するものを例
示すると、イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジル
コニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビス(イン
デニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビ
ス(インデニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフ
ェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、イソプロピ
リデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジル
コニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テ
トラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン(シクロペン
タジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、メチレン−ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テト
ラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、エチレ
ン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロ
ライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、イソプロピリデン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシリル−ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェ
ニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ジメチルシリ
ル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチ
ル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、エチレン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、イソプロピリデン−ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラ
ヒドロフラン錯体、等が挙げられる。また、これらのホ
ウ素アニオン系化合物はシリカゲルやアルミナに担持さ
せて使用することもできる。
【0052】[a5]有機アルミニウム化合物 本発明においては[a5]成分として用いられる有機ア
ルミニウム化合物は、下記一般式(5)で示されるアル
ミニウム化合物である。
【0053】
【化7】 R3 mAl(X3-m) ・・・一般式(5)
【0054】(式中、R3 はC1-20のアルキル基、Xは
水素、ハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基、ア
ルキルシロキシ基、アルキルアミノ基またはアルキルア
ミド基を表す。mは0<m<3から選ばれる数。)
【0055】[a5]成分の具体例としては、例えば、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リプロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウ
ム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリペンチル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリ
シクロオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミ
ニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジ
イソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアル
ミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジア
ルキルアルミニウムハイドライドであり、このうち特に
トリアルキルアルミニウムが好ましく、その中でも特に
トリエチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウム
が好ましい。
【0056】上記において、Xがアルコキシ基の場合は
[B]成分と同一になるが、運転安定化のために加える
[B]成分とは別に加える。従って、[B]成分の供給
量が反応器から排出される製品ポリマー1gに対して
0.0001ナノmol〜10000ナノmol、好ま
しくは0.001ナノmol〜5000ナノmol、さ
らに好ましくは0.01ナノmol〜1000ナノmo
lの量を添加するのに加え、さらに[a5]成分を添加
することになる。
【0057】[a5]成分の供給方法は、通常、事前に
触媒に接触させる方法と重合中に循環ラインへ供給する
2つの方法をあわせて用いるが、その供給方法は特に限
定されるものではなく、以下の供給方法でもよい。 循環ラインに成分[a5]をフィードする。 原料供給ラインに成分[a5]をフィードする。 メタロセン系遷移金属触媒を供給しているラインに
成分[a5]をフィードする。 触媒成分として、予めメタロセン系遷移金属触媒に
成分[a5]を加えておく。 上記〜の方法をあわせて行なう。
【0058】[B]有機アルミニウム化合物(アルコキ
シ基含有)成分[B]として用いられる有機アルミニウ
ム化合物は、下記一般式(6)で示されるアルコキシ基
含有アルミニウムである。
【0059】
【化8】 R1 nAl(OR2)3-n ・・・一般式(6)
【0060】(式中、R1 はC1-20のアルキル基、アリ
ール基、水素またはハロゲンを表す。R2 はC1-20のア
ルキル基またはアリール基を表す。nは0≦n<3から
選ばれる数。)
【0061】[B]成分の具体例を挙げると、(1) ジ
メチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウム
エトキシド、ジ(イソプロピル)アルミニウム(イソプ
ロポキシド)、ジエチルアルミニウム(イソプロポキシ
ド)、ジエチルアルミニウム(フェノキシド)等のモノ
アルコキシ基含有、またはモノアリールオキシ基含有ア
ルミニウムや、(2) メチルアルミニウムジ(メトキシ
ド)、エチルアルミニウムジ(エトキシド)、イソプロ
ピルアルミニウムジ(イソプロポキシド)、エチルアル
ミニウムジ(イソプロポキシド)、エチルアルミニウム
ジ(フェノキシド)等のジアルコキシ基含有、またはジ
アリールオキシ基含有アルミニウム、あるいはこれら
と、ジアルキルアルミニウム(アルコキシド)、ジアリ
ールアルミニウム(アルコキシド)、ジアルキルアルミ
ニウム(アリールオキシド)、ジアリールアルミニウム
(アリールオキシド)等のアルミニウムモノアルコキシ
ドとの混合物や、(3) アルミニウムトリ(メトキシ
ド)、アルミニウムトリ(エトキシド)、アルミニウム
トリ(イソプロポキシド)等のトリアルコキシアルミニ
ウム、またはアルミニウムトリ(フェノキシド)等のト
リアリールオキシアルミニウム化合物、またはこれら
と、ジアルキルアルミニウム(アルコキシド)、ジアリ
ールアルミニウム(アルコキシド)、ジアルキルアルミ
ニウム(アリールオキシド)、ジアリールアルミニウム
(アリールオキシド)、アルキルアルミニウムジ(アル
コキシド)、アリールアルミニウムジ(アルコキシ
ド)、アルキルアルミニウムジ(アリールオキシド)、
アリールアルミニウムジ(アリールオキシド)等との混
合物、等が挙げられる。これらの中ではジエチルアルミ
ニウムエトキシドが特に好ましい。これらアルコキシ基
含有アルミニウム化合物は単独で用いても2種以上を混
合しても良い。
【0062】さらにはこれらのアルミニウムはトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムとの任
意の混合物として使用できる。特にトリアルキルアルミ
ニウムとジアルキルアルミニウム(アルコキシド)の組
み合わせが好ましく、特にはトリエチルアルミニウムと
ジエチルアルミニウムエトキシドの組み合わせが好まし
い。成分[B]の供給量は、反応器から排出される製品
ポリマー1gに対して、0.0001ナノmol〜10
000ナノmol、好ましくは0.001ナノmol〜
5000ナノmol、さらに好ましくは0.01ナノm
ol〜1000ナノmolの範囲である。
【0063】成分[a5]として有機アルミニウム化合
物を供給する場合、成分[B]の供給量は成分[a5]
に対して特に限定されるものではないが、成分[a5]
1molに対して、0.001〜100mol、好まし
くは0.01〜10molの範囲で供給されることが望
ましい。また、成分[B]の供給量は成分[a1]とし
て反応系に供給されるメタロセン遷移金属化合物に対し
て特に限定されるものではないが、成分[a1]1mo
lに対して、0.01〜10000mol、好ましくは
0.1〜1000molの範囲で供給されることが望ま
しい。
【0064】反応器への成分[B]の供給は、通常重合
を行なっている反応器付帯の循環ラインへ供給するが、
供給点は特に限定されるものではなく、以下の供給方法
を採用することができる。 反応器の循環ラインに成分[B]をフィードする。 反応器の原料ラインに成分[B]をフィードする。 メタロセン系遷移金属触媒を供給しているラインに
成分[B]をフィードする。 予めメタロセン系遷移金属触媒に成分[B]を加え
ておく。 [a5]成分を供給しているラインに成分[B]を
フィードする。 〜の方法をあわせて行なう。
【0065】《予備重合》なお、本発明で用いられるメ
タロセン系触媒は上記成分の他にエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メ
チル−1−ペンテン等のα−オレフィン、またはこれら
の混合したオレフィン混合物が予備的に重合されていて
も良い。予備重合は予備重合前の触媒1gあたり0.0
1〜1000gの重合体が生成するようにすることが好
ましい。
【0066】《重合》本発明に係わるオレフィンの重合
方法は、前述のオレフィン重合触媒の存在下にオレフィ
ンを重合させるものであり、気相重合、バルク重合、ス
ラリー重合等が挙げられ、媒体が液体、または超臨界流
体の場合はバルク重合、もしくはスラリー重合となり、
気体の場合には気相重合となる。これらの重合方法のう
ち、特に好ましいのは気相重合法である。上記重合を行
なうとこにおこるトラブルとして、重合ポリマーや微粉
が静電気力等により反応器壁や攪拌翼に付着滞留し、さ
らに触媒が存在することにより、器壁や攪拌翼表面でポ
リマーが溶融し、シート状ポリマーや塊状ポリマーが生
成するトラブルが挙げられる。これらのシート状ポリマ
ーや塊状ポリマーは抜き出しラインを閉塞せしめ、重合
ポリマーを抜き出せなくなるため、長期に安定して製品
を供給する上では大きな障害となる。
【0067】シート状ポリマーや塊状ポリマーが生成す
る条件として、器壁や攪拌翼表面に重合ポリマーや微粉
が付着滞留することが挙げられる。器壁に付着滞留して
いるかどうかは、器壁表面を測定する壁面温度計を設置
し、壁面温度と重合温度の差を見ることにより監視でき
る。すなわち、付着滞留が多い場合は、重合ポリマーが
厚く付着するために温度降下を生じ、重合温度と器壁温
度の差は大きくなる。逆に付着滞留が少ない場合は温度
降下が小さいため、重合温度と器壁温度の差は小さくな
る。従って、この温度差を監視することにより、シート
状ポリマーや塊状ポリマーが生成する条件を早期に検知
することができる。
【0068】また、実際にシート状ポリマーや塊状ポリ
マーが生成した場合は、壁面温度が上昇するため、トラ
ブルが生じた目安となる。反応器は外部に熱が逃げてい
くため、通常、壁面温度(twと記す。単位:℃)は重
合温度(trと記す。単位:℃)より低くなる。安定に
運転を継続するためには壁面温度と重合温度の差が0.
5<tr−tw<10となるように保つ必要があり、好
ましくは1.0<tr−tw<7.0の範囲に保つのが
良い。
【0069】《流動床反応器》以下、本発明の一例とし
て、循環媒体が気体の場合のオレフィン重合方法(気相
重合方法)を、図2を参照しながら詳細に説明する。前
述の[A]成分を、図2中に示す、触媒供給ライン1よ
り攪拌式流動床反応器2に供給する。また、重合時は循
環ガスライン3中に、原料供給ライン4より原料モノマ
ー、または窒素等の不活性ガスを供給し、成分[B]を
供給ライン5より供給し、循環ガス圧送機7を駆動させ
これらのガスを循環させる。最終的に循環ガスは再度、
攪拌式流動床反応器に再供給される。
【0070】また、製品、および余剰ガスは抜出しライ
ン9より製品分離器10に導かれる。この分離器下部の
製品抜き出しライン12により製品を連続的、または間
欠的に抜出し、上部パージライン11より余分なガスを
系外にパージする。反応器の圧力はパージライン11に
設置した圧力制御弁の開度を調整して一定に保つ。反応
器内は事前に投入した粒子、または重合により生じるポ
リマー粒子と原料モノマー、不活性ガス等からなる流動
ガス、および機械的に攪拌する攪拌翼6により流動床を
形成する。この攪拌翼6はモーター14により強制的に
攪拌する。
【0071】また、反応器には器壁の温度を測定するた
めに壁面温度計13を設置し、重合温度と器壁温度の差
を監視する。器壁温度を測定する温度計は、器壁より
0.5〜10.0mmの範囲で設置することが好まし
い。この場合、流動ガスは不活性ガスが5vol%〜9
0vol%の範囲、原料モノマーであるエチレン、α−
オレフィン等が10vol%〜95vol%の範囲で操
作される。また、反応によって生じる重合熱は、循環ガ
スライン中に設置した熱交換器8によって除去される。
【0072】使用ガスの圧力は1kg/cm2 〜100
kg/cm2 の範囲、好ましくは5kg/cm2 〜50
kg/cm2 の範囲で使用し、温度は10℃〜100℃
の範囲、好ましくは30℃〜100℃の範囲、さらに好
ましくは50℃〜100℃の範囲で使用する。攪拌翼と
しては、リボン型攪拌翼機、錨型攪拌機、スクリュウ型
攪拌機等の攪拌翼を用いて行なうことができる。さらに
図2に示すような重合反応器を2段以上直列に接続し、
多段重合運転で行なうこともできる。
【0073】本発明では流動床反応部2として攪拌式流
動床以外の流動床を用いることができる。この流動床と
しては循環ガスを反応系に導く際に、分散板を使用する
気相流動層が例示できる。本発明で用いられるオレフィ
ンとしては、炭素数2〜18のα−オレフィンが好まし
く、例としてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1
−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1
−オクタデセンなどが挙げられる。
【0074】さらにシクロペンテン、シクロヘプテン、
ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、スチレ
ン、ビニルシクロヘキサンなども挙げられる。本重合に
おいてはこれらのオレフィンを重合あるいは共重合させ
るわけであるが、これらとともにブタジエン、イソプレ
ン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネンなどのポリエン類を共
重合させることもできる。
【0075】本発明ではこれらのうちエチレンの単独重
合、またはエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィン
と共重合させることが好ましく、特にエチレンと炭素数
3〜18のα−オレフィンと共重合体させること、また
はプロピレンの単独重合、またはプロピレンとエチレン
および/または炭素数4〜18のα−オレフィンとの共
重合することが好ましい。また重合モノマーとして例を
挙げたエチレン、α−オレフィン等の他に窒素、飽和炭
化水素等の不活性ガスも同時に用いることができる。露
点の高いα−オレフィンあるいは不飽和炭化水素を用い
る場合は熱交換器8で除熱され凝縮する場合もあるが、
流動床反応器2の重合温度はこれ等のα−オレフィン、
不飽和炭化水素が気体となる条件が選ばれる。
【0076】本発明においてメルトインデックス(M
I)の測定はJIS規格K7210、密度の測定はK7
112に準拠して測定を行なった。また系内ガス濃度は
ガスクロマトグラフィーを使用し、エチレン、1−ヘキ
センの測定は日立製作所163型を使用、水素濃度の測
定は島津製作所4C型(検出器TCD方式)と日立製作
所263−30型(検出器PID方式)を使用し水素濃
度により使い分けた。
【0077】
〔実施例1〕
(1)粘土鉱物の化学処理 市販の膨潤性合性雲母(コープケミカル社製、「ソマシ
フME−100」)400gと市販の親水性スメクタイ
ト(コープケミカル社製、「SWN」)100gを混合
し、これを2.0重量%硝酸クロム(III)水溶液2.8
リットル中に分散させ、常温で2時間攪拌した。これを
脱塩水にて濾過、洗浄した。得られた固体部に水を添加
して、20.0重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥処
理を行なった。この結果、平均粒径54μmの粒子が4
50g得られた。平均粒径10μm以下の粒子の数は全
粒子の4%であり、圧壊強度は2.0MPa、嵩密度は
0.75g/ccであった。この粒子をさらに200℃
で2時間減圧乾燥した。
【0078】(2)触媒調製 容量10リットルの誘導攪拌装置付き反応器にn−ヘプ
タン4.4リットル、上記(1)で得られた合成雲母の
粒子80gを導入した。これに600ミリリットルのト
ルエンに溶解したビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド6.4mmolの溶液を添
加し、室温で10分間攪拌した。
【0079】(3)予備重合 上記攪拌混合物に、引き続きトリエチルアルミニウム7
1.5mmolを添加し、系の温度を60℃とした。1
0分後エチレンガスを導入し、2.5時間反応を続け
た。この間に生成したポリエチレンは547gであっ
た。
【0080】(4)気相重合 上記(3)の予備重合触媒を用いて気相重合を行なっ
た。図2に示すような連続気相重合反応装置において重
合を行なった。予めシードポリマーを1.1kg計量し
て反応器内に充填し、上記で調製した触媒をn−ヘキサ
ンでスラリー状にし、予備重合触媒あたりに換算して3
00mg/hrで反応器に供給した。同様にn−ヘキサ
ンに希釈したトリエチルアルミニウムを270mg/h
rで反応器に供給した。さらにn−ヘキサンで希釈した
ジエチルアルミニウムエトキシドを30mg/hrで間
欠的にフィードした。また、重合反応器は条件を、圧力
20kg/cm2 、重合反応温度83℃、平均滞留時間
は3.7時間、攪拌翼回転数150rpmとして行なっ
た。系内のガス濃度を定期的にガスクロマトグラフィー
を用いて分析し、都度、反応器内のエチレン濃度が8
4.0〜87.0vol%、1−ヘキセン濃度が3.3
〜3.5vol%、水素濃度180〜210ppmの範
囲に保たれるようにフィードガス量を調整した。生産量
がほぼ一定となった定常状態ではエチレンガスフィード
量は5.5kg/hr、1−ヘキセンフィード量は0.
6kg/hrであった。この条件下で3日間運転を行な
ったが、抜出し部ラインでのトラブルもなく、安定に運
転することが可能であった。3日間の重合で、重合温度
(tr)と器壁温度(tw)の差は3.0〜5.0℃の
範囲であった。また、重合終了後に反応器を開放して内
部点検を行なったが、シート状ポリマー、塊状ポリマー
の生成は認められなく、壁へのポリマー付着もなかっ
た。重合体の密度は0.926g/cc、メルトインデ
ックス(MI)は1.6g/10分、平均粒径は790
μm、嵩密度は0.38g/ccであった。
【0081】〔比較例1〕実施例1で得られた予備重合
触媒を用いて、ジエチルアルミニウムエトキシドを使用
しないで重合を実施した。系内ガス濃度、重合圧力、重
合温度、攪拌翼回転数等の重合条件は実施例1と同じ条
件になるようにした。触媒を添加する直前の重合温度と
器壁温度との差は3.5℃であった。重合開始より半日
経た時点で重合温度と器壁温度との温度差が大きくなり
始め、1日経た時間で11.5℃となった。さらに運転
を継続すると、器壁温度が時々跳ね上がる現象を観察し
最大87℃までの上昇を観察した。また、抜出しポリマ
ー中に小さい溶融ポリマーも観察された。そこで触媒供
給をストップし、器壁温度が跳ね上がる現象が無くなる
まで待ち、安定したところで再供給をしたが、その都
度、器壁温度が上昇し、最終的に抜出しトラブルにより
運転停止を余儀なくされた。運転停止後に反応器を開放
して内部を点検すると、塊状ポリマーが確認された。ま
た、反応器壁には薄膜状のポリマーの付着が大量に観察
された。
【0082】〔実施例2〕 〈触媒調製と予備重合〉独国Witco社製のM−Si
2(メチルアルモキサンをSiO2 上に担持したもの、
Al濃度=22.3wt%)20gを、n−ヘプタン1
リットルでスラリー状とし、ここにビス(n−ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドをAlに
対して1/250モル比、トリイソブチルアルミニウム
(TiBA)をメチルアルモキサンのAlに対して1/
6モル比加え、40℃で10分間攪拌した。その後、4
0℃に保ちつつエチレンを導入し、1時間反応を続け
た。エチレンの供給量はM−SiO2 に対して8倍重量
であった。その後、室温で窒素にて12時間パージした
後、同じく室温にて2時間減圧乾燥を行った。
【0083】〈気相重合〉上記の予備重合触媒を用いて
連続気相重合を行った。実施例1と同様にシードポリマ
ー高さになるように、予めシードポリマーを1.2kg計
量して反応器内に充填し、上記で調整した触媒をn−ヘ
キサンでスラリー状にし、予備重合触媒あたりに換算し
て210mg/hrで反応器に供給した。同様にn−ヘキサ
ンに希釈したトリエチルアルミニウムを100mg/hrで
反応器に供給した。また、運転条件を、圧力20kg/cm
2 、温度80℃、平均滞留時間は4.1時間、攪拌翼回
転数150rpm として重合を行った。系内のガス濃度を
定期的にガスクロマトグラフィーを用いて分析し、都
度、反応器内のエチレン濃度が84.0〜87.0 vol
%、1−ブテン濃度が3.0〜3.5 vol%、水素濃度2
10〜240ppm の範囲に保たれるようにフィードガス
量を調整した。
【0084】触媒フィード前の重合温度と反応器壁温度
の差は3.5℃であった。触媒フィードを開始してから
徐々に重合温度と反応器壁温度の差は広がり、1日を経
た時点で10℃以上となった。さらに半日を経ると、時
々、反応器壁温度が跳ね上がり、重合温度は80℃に保
っているにもかかわらず、反応器壁温度は80℃を超え
る現象が見られるようになった。そのためn−ヘキサン
で希釈したジエチルアルミニウムエトキシドを34mg/
hrで間欠的にフィードした。すると、反応器壁温度が跳
ね上がる現象はおさまり、ジエチルアルミニウムエトキ
シドを間欠フィードし始めてから約1日を経た時点で重
合温度と反応器壁温度の差は3.9℃まで戻った。トー
タル5日間の運転の後、停止操作を行い、反応器内部の
確認を行ったところ、溶融ポリマーの生成は認められな
かった。
【0085】〔比較例2〕 〈気相重合〉実施例1と同じようにして調整した触媒を
用いて、連続気相重合反応器を用いて重合を行った。実
施例1でジエチルアルミニウムエトキシドを供給する代
わりに、エタノールを供給する以外は同じ条件で重合を
行った。触媒フィード前は重合温度と反応器壁温度の差
は3.4℃であった。重合を開始してから徐々に温度差
が広がり始めたため、エタノールを供給開始した。エタ
ノールは、25℃、重合圧力+2kg/cm2 の条件下で金
属製のポット内にエタノールを入れ、このエタノール中
を窒素ガスをバブリングして通過させた後、重合系に供
給した。バブリングで通過した窒素ガス中のエタノール
が飽和状態であると仮定して、20mg/hrのエタノール
供給量となった。
【0086】この状態で運転を継続していると、約2日
後には徐々に重合温度と反応器壁温度との差は小さくな
り始めたが、さらに運転を継続すると、突然、反応器壁
温度が上昇し、最大98℃までの上昇を観察した。反応
器内部のポリマーの抜き出しができなくなったため、運
転を停止した。停止後に反応器を開放して内部を点検す
ると塊状ポリマーが確認された。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、流動床反応器において
オレフィンの重合を行なう際に、シート状ポリマー、塊
状ポリマーの生成によるトラブルがなく、長期に渡り安
定に運転が可能であり、工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート
図。
【図2】本発明に使用される流動床反応器を示すフロー
チャート図。
【符号の説明】
1 触媒供給ライン 2 攪拌式流動床反応器 3 循環ガスライン 4 原料供給ライン 5 供給ライン 6 攪拌翼 7 循環ガス圧送機 8 熱交換器 9 抜出しライン 10 製品分離器 11 パージライン 12 製品抜き出しライン 13 壁面温度計 14 モーター

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]メタロセン系遷移金属触媒と、
    [B]一般式 【化1】R1 nAl(OR2)3-n で表わされる有機アルミニウム化合物(一般式中、R1
    はC1-20のアルキル基、アリール基、水素またはハロゲ
    ンを表す。R2 はC1-20のアルキル基またはアリール基
    を表す。nは0≦n<3から選ばれる数)の存在下に、
    重合反応器の器壁の温度tw(℃)と重合反応温度tr
    (℃)とが下記式1の関係を満す条件でオレフィンを重
    合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。 【数1】0.5<tr−tw<10 式1
  2. 【請求項2】 成分[A]メタロセン系遷移金属触媒
    が、[a1]メタロセン遷移金属化合物と、[a2]粘
    土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物とからなる
    請求項1記載のオレフィン重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 成分[A]メタロセン系遷移金属触媒
    が、[a1]メタロセン遷移金属化合物と、[a3]担
    体に担持された有機アルミニウムオキシ化合物とからな
    る請求項1記載のオレフィン重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 成分[A]メタロセン系遷移金属触媒
    が、[a1]メタロセン遷移金属化合物と、[a4]担
    体に担持されたホウ素アニオン系化合物とからなる請求
    項1記載のオレフィン重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 成分[B]有機アルミニウム化合物の添
    加量が、予定されるオレフィン重合体の重合量に対し
    て、重合体1g当り、0.0001ナノmol〜100
    00ナノmolとなる量である請求項1〜4のいずれか
    に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 成分[A]メタロセン系遷移金属触媒
    が、下記成分[a5]を含有する請求項1〜5のいずれ
    かに記載のオレフィン重合体の製造方法。 [a5] 一般式 【化2】R3 mAlX3-m で表わされる有機アルミニウム化合物、(式中、R3
    1-20のアルキル基、Xは水素、ハロゲン、アルコキシ
    基、アルキルシリル基、アルキルシロキシ基、アルキル
    アミノ基またはアルキルアミド基を表す。mは0<m<
    3から選ばれる数。)
  7. 【請求項7】 成分[A]メタロセン系遷移金属触媒
    が、α−オレフィンの予備重合処理をされたものである
    請求項1〜6のいずれかに記載のオレフィン重合体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 オレフィンが重合の場では気体である請
    求項1〜7のいずれかに記載のオレフィン重合体の製造
    方法。
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