JP2000095453A - エレベータの制御装置 - Google Patents

エレベータの制御装置

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JP2000095453A
JP2000095453A JP10264292A JP26429298A JP2000095453A JP 2000095453 A JP2000095453 A JP 2000095453A JP 10264292 A JP10264292 A JP 10264292A JP 26429298 A JP26429298 A JP 26429298A JP 2000095453 A JP2000095453 A JP 2000095453A
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elevator
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JP10264292A
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English (en)
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Naoto Onuma
大沼  直人
Sadao Hokari
定夫 保苅
Hiroshi Nagase
長瀬  博
Kosei Kishikawa
岸川  孝生
Masaya Furuhashi
昌也 古橋
Nobuyoshi Muto
信義 武藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エレベータの制御定数を実際にエレベータが据
え付けられた状態において、適切な値に設定することで
良好な乗り心地を得ることができるエレベータの制御装
置を提供すること。 【解決手段】乗りかごを昇降する巻上機の電動機に可変
電圧・可変周波数の交流を供給するインバータと、イン
バータを制御するインバータ制御装置と、エレベータ停
止時に前記電動機を静止保持する電磁ブレーキを備え、
インバータ制御装置は電動機の電気定数を自動測定し、
かつ測定した定数から制御定数を設定する電動機定数演
算手段を備える。 【効果】実際にエレベータが据え付けられた状態におい
て、エレベータの制御装置を利用して電動機の電気定数
を自動測定し適切な制御定数を設定するため、人為的な
労力をかけずにエレベータの電動機駆動制御特性を改善
し、良好な乗り心地を得ることができるエレベータの制
御装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの制御
装置の改良に関し、特にエレベータの電動機駆動制御特
性を改善し、良好な乗り心地を得ることができるエレベ
ータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のエレベータの制御装置における巻
上機の駆動部分は、誘導電動機とインバータで構成して
いる。また、エレベータ運転において、良好な乗り心地
を得るためには、電動機の発生するトルクを高精度に管
理する必要がある。このため、エレベータの制御装置に
は、一般にベクトル制御が応用されている。
【0003】ベクトル制御において制御定数の決定に
は、電動機の電気定数が必要である。従って、高いトル
ク制御精度を得るには、電動機の電気定数を正確に求め
制御定数を適切な値に設定する必要がある。
【0004】電動機の電気定数の算定として、従来から
行われている方法は、電動機をエレベータに据え付けら
れている状態から取り外し、電動機単体で電気定数算定
用の試験を行うものがある。
【0005】また、電動機が据え付けられている状態の
まま試験をするという観点から、特許公報 第2628884
号では、通常運転モードから試験モードに制御が切り換
えられたときにおいて、制御電動機に測定器を取り付け
インバータ出力の各相電圧又は電流を測定し、試験電流
のアンバランスや波形歪みを測定し、調整することが開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、エレ
ベータ運転において、良好な乗り心地を得るためには、
高精度にトルクを制御することが重要である。そのため
には、正確な電動機の電気定数を制御定数に設定する必
要がある。
【0007】一方、一般に電動機の電気定数は、材料の
バラツキや製作精度があるため電動機毎にバラツキがあ
る。また、電動機の電気定数のうち抵抗分は温度の変化
によって変動することから、電気定数はエレベータの設
置環境や運転頻度によって変動する。さらに、インバー
タから電動機までの配線路まで考慮すると、実際にエレ
ベータに据え付けられた電動機の電気定数は、エレベー
タ毎に異なってくる。従って、高精度なトルク制御を行
うためには、電動機特性のバラツキや運転頻度による温
度変動が含まれたエレベータの今現在の状態で、電動機
の電気定数を測定し、適切な制御定数を設定しなければ
ならない。
【0008】上記第1の従来の技術では、エレベータを
据え付ける前の電動機の定数算出及び初期制御定数設定
として有効であるが、実際に稼働中のエレベータから電
動機を取り外すため、稼働状態で正確な電動機定数を測
定できない問題がある。さらに、据え付けられた状態の
電動機を取り外し試験を行う労力の問題、及びエレベー
タを休止することで利用客にも迷惑を与えてしまう問題
も発生する。
【0009】一方、上記第2の従来の技術では、インバ
ータ各相電流のアンバランスや電流波形の歪み等、イン
バータ本体の精度に係る調整を主題としているため、電
動機の電気定数の測定及び制御定数の設定についてまっ
たく検討がなされていない。本発明の目的は、実際にエ
レベータが据え付けられた状態において、電動機の電気
定数を自動測定し適切な制御定数を設定することで、人
為的な労力をかけずにエレベータの電動機駆動制御特性
を改善し、良好な乗り心地を得ることができるエレベー
タの制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、エレベータ
の制御装置自体に電動機の電気定数を自動測定する手段
を設け、測定した定数から制御定数を設定すること、具
体的には、巻上機の電磁ブレーキによりエレベータが停
止している状態において、電流制御手段により直流励磁
を行うことにより電動機の1次抵抗を測定すること、同
様にエレベータが停止している状態において、電流制御
手段により三相交流励磁を行うことにより前記電動機の
2次抵抗と漏れインダクタンスを測定すること、エレベ
ータが走行している状態において、電流制御手段のq軸
(トルク成分方向)の電圧指令と磁束を発生させる励磁
電流指令との関係から励磁インダクタンスを測定するこ
と、測定した電動機定数を制御定数に自動設定すること
により解決できる。
【0011】また、上記励磁インダクタンスの測定を励
磁電流指令に対し複数点で行い、励磁電流に対する励磁
インダクタンスの変動特性を励磁インダクタンス定数テ
ーブルとして作成することで電動機の磁気飽和にも対応
でき上記課題を解決できる。また、電動機定数を測定す
るタイミングとしては、エレベータが据え付けられて電
源が投入した場合など任意のタイミングで行えるが、特
に、通常のエレベータ運転の前に少なくとも1次抵抗と
2次抵抗を測定し、測定した定数から制御定数を設定
し、エレベータ運転を開始することで温度変化にも対応
でき上記課題を解決できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態によるエレベ
ータの制御装置を示す。
【0014】図1において、交流電源10の交流はコン
バータ20によって直流に変換され、この直流電圧は平
滑コンデンサ30で平滑され、平滑された直流は更にイ
ンバータ40で、可変電圧・可変周波数の交流に変換さ
れる。この交流は誘導電動機(IM)60に供給され、
電動機60を可変速駆動する。乗りかご90とつり合い
おもり80はロープにより巻上機70を介してつるべ式
に繋がれる。電動機60の回転動作によって、巻上機7
0を回転させ、乗りかご90を昇降する。さらに、巻上
機70にはエレベータ停止時に巻上機を静止保持する電
磁ブレーキ75が備えられている。
【0015】部品番号100〜150はインバータ40
にPWMパルスを出力し、電動機60駆動するための制
御部であり、個々の構成とその動作について次に説明す
る。
【0016】100はエレベータの運転を制御する運転
制御手段で、乗り場から発生する呼びや乗りかご内から
発生する利用階に応じてエレベータを目的の階へ運転制
御するために、乗りかごの速度を電動機速度に換算した
速度指令ωr *を出力する。
【0017】110は運転制御手段100から発せられ
た速度指令ωr *に速度検出器115で検出した電動機速
度ωr が追従するために必要なトルク指令τ* を出力す
る速度制御手段、120はトルク指令τ* に応じたトル
クが電動機60で発生するように式(1)〜(3)に従
って、電動機に流す電流とその角周波数を演算するトル
ク制御手段である。
【0018】 It *=(1/p)・{(M+λ2)/M2}・(τ*/Im *) …(1) ωs *={R2/(M+λ2)}・(It */Im *) …(2) ω1 *=ωr+ωs * …(3) 但し、p:電動機極対数,It *:トルク電流指令,Im *:励磁電流指令、 M:励磁インダクタンス、λ2:2次漏れインダクタンス、 R2:2次抵抗、ωr:電動機回転角周波数(電気角)、 ωs:すべり角周波数、ω1 *:1次角周波数指令 上記式によるトルクの制御はベクトル制御と言われてお
り、高精度なトルク制御が要求されるエレベータでは広
く普及している技術である。
【0019】トルク/励磁電流検出手段140は、電流
検出手段50〜52によって検出される三相1次電流i
u,iv,iwから、励磁成分の電流Imとトルク成分の電
流It を式(4)〜(6)に従い演算する。
【0020】 Im=(√2/√3)・{iu・cosθ1+iv・cos(θ1−2π/3) +iw・cos(θ1+2π/3) …(4) It=−(√2/√3)・{iu・sinθ1+iv・sin(θ1−2π/3) +iw・sin(θ1+2π/3) …(5) θ1=∫ω1 *dt …(6) 電流制御手段130は、トルク電流指令It *と励磁電流
指令Im *との組み合わせに対応したトルク電流Itと励
磁電流Imが誘導電動機60の内部に流れるように動作
する。
【0021】具体的には、先ず、励磁電流指令Im *と励
磁分電流Im 、及びトルク電流指令It * とトルク分電
流Itとの偏差がゼロになるような各軸の電圧指令
d *,Vq *を式(7),(8)に従い演算する。次に、演
算したd軸電圧指令Vd *とq軸電圧指令Vq * を三相の
交流電圧指令vu *,vv *,vw * に変換(トルク/励磁
電流検出手段140で演算した三相/二相変換の逆変換
に対応)し、出力する。ここで、式(7),(8)中のP
I補償器の出力電圧以外の項は、d軸とq軸の電流を独
立に制御するための非干渉項であり、この演算を追加す
ることにより電流応答を改善できる。
【0022】 Vd *=R1・Im *−ω1 *1+λ2′)・It *+Vd′ …(7) Vq *=R1・It *+ω1 *・L1・Im *+Vq′ …(8) 但し、Vd *:d軸電圧指令、Vq *:q軸電圧指令、
1:1次抵抗、 λ2′:2次漏れインダクタンスの1次側換算値 (λ2′=(λ2・M)/(M+λ2))、 L1:1次自己インダクタンス(=M+λ1)、 Vd′:d軸PI補償器の出力電圧 (Vd′=(Kp+Ki/s)・(Im *−Im))、 Vq′:q軸PI補償器の出力電圧 (Vq′=(Kp+Ki/s)・(It * −It))、 Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲイン、s:ラプラス演算
子 PWMパルス発生手段150は、上記交流電圧指令
u *,vv *,vw *に応じたPWMパルスを出力し、イン
バータ40を制御する。この結果、インバータ40の端
子には上記トルク指令に対応したトルクが発生するよう
な端子電圧が発生し、電動機60を駆動することでき
る。
【0023】以上述べたエレベータのトルク制御に用い
る制御定数は、電動機定数演算手段200からの電動機
の電気定数に基づいて設定される。次に、本発明の主旨
である電動機定数の測定法について説明する。
【0024】エレベータが設置され電源が投入される
と、図2に示すフローチャートに従って定数測定モード
に移るかどうかの判別を行う。定数を測定する必要がな
い場合には、ブロック2dにジャンプされ、電動機定数
演算手段200に記憶された電動機電気定数を用いた制
御定数により通常のエレベータ運転処理を実行する。一
方、定数測定を実行する場合はブロック2bにおいて図
3に示す順序に従い電動機定数を測定し記憶要素に記憶
し、ブロック2cで記憶した電動機定数を基に制御定数
を設定する。
【0025】電動機定数の測定は図3の3a〜3cに示
すように3つの測定モードがあり、R1,R2,λ1
λ2、及びMの測定を行う。以下、個々の測定モードに
ついて詳細に説明する。
【0026】[R1 の測定]エレベータが停止している
状態において(電磁ブレーキ75により静止保持されて
いる状態)、図1のインバータ40を用いて直流電流を
電動機60に流すことにより、電動機の1次抵抗R1
測定する。具体的な動作を図4のフローチャートを基に
説明する。R1 の測定モードに入ると、図4のブロック
4aにおいて、図1の電流制御手段130の入力値にI
t *=0,ω1 *=0、及びIm *=所定値(例えば定格電流
程度の値)を設定し、エレベータが停止した状態におい
て直流電流を電動機60に流す。次に図4のブロック4
bにおいて、図1の電動機定数演算手段200に入力さ
れるd軸の電圧指令Vd * と励磁電流指令Id * から次式
に基づいて電動機の1次抵抗を測定し、処理を終了す
る。
【0027】 R1^=Vd */Im * …(9) 但し、R1^:測定で得られた1次抵抗値 [R2,λ1,λ2 の測定]R1 の測定と同様にエレベー
タが停止している状態において、図1のインバータ40
を用いて交流電流を電動機60に流す。電動機60の回
転子は巻上機に付いている電磁ブレーキ75によって拘
束されるため回転しない。このような状態において、電
動機60の等価回路は図5に示すように励磁回路を省略
した形で表すことができる。図5の等価回路において、
1次電流I1 をd軸に定めた場合のベクトル図を図6に
示す。図6より、1次2次の合成抵抗Rs(=R1+R2
と1次2次の合成漏れインダクタンスλs(=λ1+λ2
は、1次のdq軸電圧V1d,V1qと1次d軸電流I
1d(=I1)により求めることができる。具体的な動作を
図7のフローチャートを基に説明する。R2,λ1,λ2
の測定モードに入ると、図7のブロック7aにおいて、
図1の電流制御手段130の入力値にIt *=0,ω1 *
所定値(例えば定格角周波数程度)、及びIm *=所定値
(例えば定格電流程度の値)を設定し、エレベータが停
止した状態において交流電流を電動機60に流す。次に
図7のブロック7bにおいて、図1の電動機定数演算手
段200に入力されるd軸の電圧指令Vd *と励磁電流指
令Id *から次式に基づいて電動機の2次抵抗を測定す
る。
【0028】 Rs^=Vd */Im * 2^=Rs^−R1^ …(10) 但し、R2^:測定で得られた2次抵抗値、R1^:R1^測
定モードでの測定値同様に、図7のブロック7cにおい
て、図1の電動機定数演算手段200に入力されるq軸
の電圧指令Vq *と1次角周波数指令ω1 *と励磁電流指令
d *から次式に基づいて電動機の1次と2次の合成漏れ
インダクタンスを測定し、1次と2次に分離する演算を
行い(λ1≒λ2であるため)、処理を終了する。
【0029】 λs^=Vq */(ω1 *・Im *) λ1^=λ2^=λs^/2 …(11) 但し、λ1^,λ2^:測定で得られた1次,2次漏れインダクタンス [Mの測定]励磁インダクタンスの測定は、図1の電磁
ブレーキ75を開放しエレベータを昇降駆動させた運転
状態で測定する。制御定数は、今までに測定した電動機
定数R1=R1^,R2=R2^,λ1=λ1^,λ2=λ2^と予
め設定してある励磁インダクタンスのノミナル値M
n(M=Mn)から仮の設定をする。
【0030】エレベータが定常走行状態の時、即ち、電
動機が定常状態で回転し、かつベクトル制御により運転
される電動機の等価回路とベクトル図は図8,図9で表
すことができる。また、この時の回路方程式は次式とな
る。ここで、励磁インダクタンスが仮の値なので、
(2)式のすべり角周波数指令に誤差が生じ、ベクトル
制御条件(2次q軸磁束φ2q=0)が成り立たない問題
があるが、これについては、後述するすべり補正で解決
できる。
【0031】 Vd=R1・Im−ω11+λ2′)・It …(12) Vq=R1・It+ω1・L1・Im …(13) 但し、M′+(λ1+λ2′)=L1 上記、式(13)と図1の電流制御手段130の式
(8)において、ベクトル制御条件(φ2q=0)が成立
する条件下では、式(13)と式(8)は等しいので、
次式となる。
【0032】 R1・It+ω1・L1・Im=R1^・It *+ω1 *・(Mn+λ1^)・Im *+Vq′ …(14) ここで、電流制御を施していることと(Im *=Im,It
*=It)、先に測定した電動機定数を設定していること
(R1=R1^,λ1=λ1^、またL1=M+λ1)、さらに、
ω1 *とω1 は電動機定数に依らず一致することを考慮す
ると、式(14)は、次式にまとめることができる。
【0033】 ω1・M・Im=ω1 *・Mn・Im *+Vq′ …(15) 式(15)から、q軸PI補償器の出力電圧Vq′は、予
め設定してある励磁インダクタンス値Mn の真値Mに対
する誤差電圧成分と見なすことができる。よって、励磁
インダクタンスは次式で演算できる。
【0034】 M^=Mn+Vq′/(ω1 *・Im *) …(16) 但し、M^:測定で得られた励磁インダクタンス 次に、ベクトル制御条件(φ2q=0)を成立させるため
のすべり補正について説明する。定常状態において、ベ
クトル制御条件が満足されずφ2q≠0の場合、式(1
2)のd軸電圧は次式となる。
【0035】 Vd=R1・Im−ω11+λ2′)・It−ω1(M/L2)・φ2q …(17) 一方、図1の電流制御手段130の式(7)において、
電流制御を施していることと(Im *=Im,It *
t)、先に測定した電動機定数を設定していること
(R1=R1^,λ1+λ2′≒λ1^+λ2^・Mn/(Mn+λ
2^))、さらに、ω1 *とω1 は電動機定数に依らず一致す
ることを考慮すると、式(17)の右辺第3項のφ2q
分電圧は、式(7)の右辺第3項のd軸PI補償器の出
力電圧Vd′で検出できることが分かる。そこで、すべ
り角周波数指令ωs *に加える補正値Δωsを式(18)
により求め、1次角周波数指令ω1 *を式(4)から次の
式(19)で演算することにより、励磁インダクタンス
が仮設定の場合でも、ベクトル制御条件を成立させるこ
とができる。
【0036】 Δωs=−Kws・∫Vd′dt …(18) 但し、Δωs:すべり補正値、Kws:すべり補正の積分ゲイン ω1 *=ωr+ωs *+Δωs …(19) 以上説明した励磁インダクタンス測定モードの具体的な
動作を図10のフローチャートにより説明する。Mの測
定モードに入ると、ブロック10aにおいて、図3のブ
ロック3a,3bで測定した電動機定数R1=R1^,R2
=R2^,λ1=λ1^,λ2=λ2^と予め設定してある励磁
インダクタンスのノミナル値Mn(M=Mn)から、制御
定数の予備設定を行う。次に、ブロック10bにおい
て、図1の運転制御手段100によりエレベータを運転
し、速度が定格速度に達した後、すべり補正を行う。さ
らに、ブロック10cにおいて、図1の電動機定数演算
手段200に入力されるq軸PI補償器の出力電圧
d′ ,励磁電流指令Im *,1次角周波数指令ω1 *、及
び励磁インダクタンスのノミナル値Mn から励磁インダ
クタンスを測定し、処理を終了する。
【0037】以上述べたように、本発明によれば、実際
にエレベータが据え付けられた状態において、電動機の
電気定数を自動測定し適切な制御定数を設定することが
できるので、人為的な労力をかけずにエレベータの電動
機駆動制御特性を改善し、良好な乗り心地を得ることが
できるエレベータの制御装置を提供できる。
【0038】図11は、本発明の他の実施形態であり、
電動機の効率が最高効率になるように励磁電流を可変制
御するエレベータの制御装置への適用である。図11
は、電動機の駆動効率を改善するために高効率トルク制
御手段300を設けた点と電動機定数演算手段200に
おいて励磁インダクタンスの測定を励磁電流に関連づけ
て測定することを追加した点で異なる特徴を持ち、前述
した実施形態との相違点のみ説明する。
【0039】高効率トルク制御手段300の詳細な動作
は、特開平10−167594号で述べてあるので、ここでは簡
単に説明する(ここでは、一般的なベクトル制御と区別
するために高効率ベクトル制御と呼ぶことにする)。高
効率ベクトル制御では、トルク電流指令It *の演算を電
動機の2次磁束の変動を考慮した次式で行う。
【0040】 It *=(1/p)・{(M+λ2)/M}・(τ*/φ2^) …(20) ωs *={R2・M/(M+λ2)}・(It */φ2^) …(21) φ2^=(M・Im)/{1+(M+λ2)/R2s} …(22) 但し、φ2^:2次磁束の推定値 また、励磁電流指令Im *は、トルク電流指令It *から損
失最小化電流比αに基づいて次式で決定している。
【0041】 Im *=α・It * …(23) 電動機定数演算手段200の動作において、図2〜図3
で説明した測定順序などは同様であり、図4のR1 測定
モードと図7のR2,λ1,λ2 測定モードも同様に実行
される。本実施形態の要点であるM測定モードの具体的
な動作を次に説明する。
【0042】一般的なベクトル制御では励磁電流を一定
(通常、定格値が設定される)としているので、前述の
実施形態において励磁インダクタンスを1点でのみ測定
していた。一方、磁気回路には磁気飽和特性があること
がよく知られており、電動機の2次磁束も励磁電流に対
し同様に飽和特性を持つ。そこで、本実施形態では、励
磁インダクタンスの測定を励磁電流に関連づけて数点測
定し、励磁インダクタンスの補償テーブルを作成する。
【0043】具体的な動作を図12のフローチャートに
より説明する。Mの測定モードに入ると、ブロック12
aにおいて、前述の図10のブロック10aと同様に制
御定数の予備設定を行う。次に、ブロック12bにおい
て、図11の運転制御手段100によりエレベータを運
転し、速度が定格速度に達した後、すべり補正を行う。
この時の励磁電流指令は、式(23)から決定せずに定
格値(100%)を強制的に設定している。次に、ブロ
ック12cにおいて、図11の電動機定数演算手段20
0に入力されるq軸PI補償器の出力電圧Vd′,励磁
電流指令Im *,1次角周波数指令ω1 *、及び励磁インダ
クタンスのノミナル値Mn から、Im *=100%の時の
励磁インダクタンスを測定し、記憶要素に記憶する。続
くブロック12dでは、20%の励磁電流指令を設定
し、ブロック12cと同様な演算で励磁インダクタンス
を測定し、記憶要素に記憶する。この動作をブロック1
2e〜12hまで行うことにより、残りの40%〜12
0%までの励磁電流に対する励磁インダクタンスを測定
し記憶する。ブロック12iでは、ブロック12c〜1
2hで測定した値から、励磁電流に対する励磁インダク
タンスの変動特性を図13に示す励磁インダクタンス定
数テーブルとして作成し、処理を終了する。
【0044】以上述べたように、本発明によれば、前述
の実施形態での利点に加え、励磁電流の変化による励磁
インダクタンス変動に対応でき、エレベータの電動機駆
動制御特性を改善できる利点がある。
【0045】図14は、本発明の他の実施形態であり、
図1の構成における通常のエレベータ運転において、運
転開始前に1次抵抗と2次抵抗を測定し、制御定数を設
定してから、電磁ブレーキを開放しエレベータを運転す
る手段を設けたことに特徴がある。
【0046】周知のように電動機の定数のうち抵抗成分
は、温度によって変動する。電動機の温度は、エレベー
タが設置される環境や運転頻度の影響から大きく変動す
る。しかし、エレベータの一回の運転時間は数十秒程度
であり、電動機の温度変化時定数に比べ十分に小さい。
このため、運転開始直前に温度により変化する1次抵抗
と2次抵抗を測定し、これを基に制御定数を設定すれ
ば、温度変化に十分対応できる。
【0047】具体的な動作について図14に従って説明
する。先ず、ブロック14aにおいて、エレベータ運転
を行うかどうかの判別を行う。次に、エレベータ運転を
開始すると、ブロック14eの通常のエレベータ運転処
理に先立ち、ブロック14b〜14dのR1とR2の測定
及び制御定数の設定を行う。ブロック14bのR1 測定
モードは、前述の実施形態で説明した通りである。ま
た、ブロック14cのR2測定モードは、前述の実施形
態で説明したR2,λ1,λ2測定モードのうち、R2
定のみを行うものである。なお、本実施例は、図11の
構成(高効率ベクトル制御)においても適用できるもの
である。
【0048】以上述べたように、本発明によれば、前述
の実施形態での利点に加え、温度変化による1次抵抗と
2次抵抗の変動に対応でき、エレベータの電動機駆動制
御特性をさらに改善できる利点がある。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、実際にエレベータが据
え付けられた状態において、エレベータの制御装置を利
用して電動機の電気定数を自動測定し適切な制御定数を
設定するため、人為的な労力をかけずにエレベータの電
動機駆動制御特性を改善し、良好な乗り心地を得ること
ができるエレベータの制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のブロック図。
【図2】本発明における全体動作を説明するフローチャ
ート。
【図3】電動機定数測定内容を説明するフローチャー
ト。
【図4】1次抵抗の測定動作を説明するフローチャー
ト。
【図5】電動機拘束時の等価回路。
【図6】電動機拘束時の等価回路のベクトル図。
【図7】2次抵抗と漏れインダクタンスの測定動作を説
明するフローチャート。
【図8】ベクトル制御における電動機の等価回路。
【図9】ベクトル制御における電動機の等価回路のベク
トル図。
【図10】励磁インダクタンスの測定動作を説明するフ
ローチャート。
【図11】本発明の他の実施形態のブロック図。
【図12】励磁インダクタンスの測定動作を説明するフ
ローチャート。
【図13】励磁インダクタンス定数テーブルを説明する
図。
【図14】本発明の他の実施形態を説明するフローチャ
ート。
【符号の説明】
10…電源、20…コンバータ、30…平滑コンデン
サ、40…インバータ、50,51,52…電流検出
器、60…誘導電動機、70…巻上機、75…電磁ブレ
ーキ、80…つり合いおもり、90…乗りかご、100
…運転制御手段、110…速度制御手段、115…速度
検出器、120…トルク制御手段、130…電流制御手
段、140…トルク/励磁電流検出手段、150…PW
Mパルス発生手段、220…電動機定数演算手段、30
0…高効率トルク制御手段。
フロントページの続き (72)発明者 長瀬 博 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 岸川 孝生 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 古橋 昌也 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 武藤 信義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3F002 CA10 EA05 EA08 3F303 BA01 CB36 CB46 DC34 5H576 AA07 BB07 BB10 CC05 DD02 DD04 EE01 EE11 FF03 FF05 GG02 GG04 HB02 JJ05 JJ06 JJ17 JJ24 KK06 KK10 LL01 LL22 LL29 LL34 LL40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗りかごを昇降する巻上機の電動機に可変
    電圧・可変周波数の交流を供給するインバータと、イン
    バータを制御するインバータ制御装置と、エレベータ停
    止時に前記電動機を静止保持する電磁ブレーキを備えた
    エレベータにおいて、 前記インバータ制御装置に、電動機の電気定数を自動測
    定し、測定した定数から制御定数を設定する電動機定数
    演算手段を備えたことを特徴とするエレベータの制御装
    置。
  2. 【請求項2】乗りかごを昇降する巻上機の電動機に可変
    電圧・可変周波数の交流を供給するインバータと、イン
    バータを制御するインバータ制御装置と、エレベータ停
    止時に前記電動機を静止保持する電磁ブレーキを備えた
    エレベータにおいて、 前記インバータ制御装置に、前記電動機の1次抵抗を測
    定する手段と、2次抵抗と漏れインダクタンスを測定す
    る手段と、励磁インダクタンスを測定する手段とにより
    電動機定数を測定し、測定した定数から制御定数を設定
    する手段を備えたことを特徴とするエレベータの制御装
    置。
  3. 【請求項3】乗りかごを昇降する巻上機の電動機に可変
    電圧・可変周波数の交流を供給するインバータと、イン
    バータを制御するインバータ制御装置と、エレベータ停
    止時に前記電動機を静止保持する電磁ブレーキを備えた
    エレベータにおいて、 前記インバータ制御装置に、前記電動機の速度指令を発
    生する運転制御手段と、前記速度指令に電動機の回転速
    度が追従するようにトルク指令を発生する速度制御手段
    と、前記トルク指令に基づき電流指令を発生するトルク
    制御手段と、前記電流指令に応じた電流が電動機に流れ
    るように電圧指令を発生する電流制御手段と、前記電圧
    指令から前記インバータに出力するPWMパルスを発生
    するPWMパルス発生手段と、前記電動機の1次抵抗を測
    定する手段と、2次抵抗と漏れインダクタンスを測定す
    る手段と、励磁インダクタンスを測定する手段と、測定
    した定数から制御定数を設定する手段とを備えたことを
    特徴とするエレベータの制御装置。
  4. 【請求項4】前記巻上機の電磁ブレーキによりエレベー
    タが停止している状態において、前記電流制御手段によ
    り直流励磁を行うことにより前記電動機の1次抵抗を測
    定する請求項3記載のエレベータの制御装置。
  5. 【請求項5】前記巻上機の電磁ブレーキによりエレベー
    タが停止している状態において、前記電流制御手段によ
    り三相交流励磁を行うことにより前記電動機の2次抵抗
    と漏れインダクタンスを測定する請求項3記載のエレベ
    ータの制御装置。
  6. 【請求項6】エレベータが走行している状態において、
    前記電流制御手段のq軸(トルク方向)の電圧指令と磁
    束を発生させる励磁電流指令との関係から励磁インダク
    タンスを測定する請求項3記載のエレベータの制御装
    置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記励磁インダクタン
    スの測定を励磁電流指令に対し複数点で行い、励磁電流
    に対する励磁インダクタンスの変動特性を励磁インダク
    タンス定数テーブルとして作成することを特徴とするエ
    レベータの制御装置。
  8. 【請求項8】通常のエレベータ運転の前に少なくとも1
    次抵抗と2次抵抗を測定し、測定した定数から制御定数
    を設定し、エレベータ運転を開始する請求項1,2又は
    3記載のエレベータの制御装置。
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