JP2000079784A - 二重発色水性ボ―ルペン用チップ - Google Patents

二重発色水性ボ―ルペン用チップ

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JP2000079784A
JP2000079784A JP11189340A JP18934099A JP2000079784A JP 2000079784 A JP2000079784 A JP 2000079784A JP 11189340 A JP11189340 A JP 11189340A JP 18934099 A JP18934099 A JP 18934099A JP 2000079784 A JP2000079784 A JP 2000079784A
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Yasunori Nakatani
泰範 中谷
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Sakura Color Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二重発色水性ボールペン用として最適なボール
ペンチップを提供する。 【解決手段】ボールペンチップにおけるボール径とボー
ルハウス内径との差が0.03mm以上であることを特
徴とする二重発色水性ボールペン用チップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な二重発色水
性ボールペン用チップに関する。
【0002】
【従来の技術】二重発色用インキは、これを用いて筆記
した場合、その筆跡の周囲にさらに輪郭線が生じて二重
発色の筆跡(図1(A)に示すような縁どり)が得られ
るものであり、マーキングペン、サインペン等のインキ
として用いられる。
【0003】従来、二重発色インキとしては、例えば金
属粉顔料、水溶性染料、水並びに浸透性有機溶剤からな
り、紙、布等の溶剤浸透性表面へ筆記用として用い、金
属粉顔料により形成される筆跡の周囲に水溶性染料が図
1(B)に示すように浸透拡散して輪郭線効果が生じる
二重発色インキ組成物が知られている(特開昭60−2
31777号公報、特開昭61−123684号公
報)。
【0004】ところが、従来の水性インキでは顔料が沈
降することから、使用する際には予めペンを振ってイン
キが均一になるまで攪拌しなければならない。特に、顔
料として金属粉顔料を用いる場合には、十分攪拌して金
属粉顔料をインキ中に均一に分散させておかなければ正
常な二重発色効果が得られない。
【0005】また、これら従来の水性インキはペン先に
繊維束を用いたペンを前提としているため、インキ粘度
が一般に低く、そのままボールペン用として用いればペ
ン先からインキ洩れするおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる不具合を解消す
る方法として、水溶性樹脂を用いて水性インキの粘度を
高める(チキソトロピー性を付与する方法もある)こと
が考えられる。すなわち、水溶性樹脂で増粘することが
できれば、金属粉顔料の沈降を抑制し、均一な分散状態
を長期間維持することが可能となるため、筆記時の攪拌
が不要となるとともに、ボールペンとして使用してもペ
ン先からのインキ洩れを防止することができる。
【0007】しかしながら、このような金属粉顔料を含
む水性インキを増粘してボールペンに用いる場合、通常
の水性ボールペン用のボールペンチップを用いても十分
な二重発色効果が得られない場合がある。
【0008】従って、本発明は、二重発色水性ボールペ
ン用として最適なボールペンチップを提供することを主
な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造の
ボールペンチップが上記目的を達成できることを見出
し、ついに本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、ボールペンチップに
おけるボール直径とボールハウス内径との差が0.03
mm以上であることを特徴とする二重発色水性ボールペ
ン用チップに係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のボールペンチップは、ボ
ール径とボールハウス内径との差(以下「間隙」ともい
う)が0.03mm以上であることに特徴を有する。す
なわち、ボールとボールハウスとの間に0.03mm以
上の間隙を有する。本発明において、上記差はボールと
ボールハウス内面との距離が最も近くなる箇所における
距離に相当する。上記差が0.03mm未満の場合には
十分な二重発色効果が得られないことがある。また、上
記差の上限は特に制限されないが、ボールペンの使用中
にボールが脱落することを有効に防止するという観点か
ら、通常は0.04mm程度とすれば良い。
【0012】従来の水性ボールペン用のボールペンチッ
プの間隙は、一般に0.005〜0.02mmの範囲と
なるように設計されており、本発明の間隙はそれよりも
大きい。このような特異な構造をもつボールペンチップ
を採用することにより、十分なインキ流出量を確保でき
る結果、優れた二重発色効果を得ることができる。
【0013】ボール径は、上記差が確保される限り特に
制限されないが、公知のボールの範囲内で適宜設定する
ことができる。インキをボールに供給するためにインキ
通路の形状及び大きさ(内径)も特に制限されず、公知
のボールペンと同様の形状及び大きさを採用することが
できる。
【0014】ボールペンチップ(ボール及びボールハウ
ス)の材質は、特に制限されず、例えば超硬合金(洋
白、ステンレス鋼等)の公知のものを使用できる。本発
明では、特にボールの材質としてセラミックスを用いる
ことが好ましい。例えば、炭化珪素、ジルコニア、窒化
珪素、アルミナ等を用いることができる。
【0015】本発明のボールペンチップの一例を示す図
2(断面)によれば、ボール(1)、ボールハウス
(2)及びインキ通路(3)から構成されており、ボー
ル径とボールハウス内径との差(すなわち(4)+
(4)の合計)が0.03mm以上(好ましくは0.0
3〜0.04mm)の範囲内で確保されている。この差
は、主としてボール径、ボールハウス内径及びボールハ
ウス形状によって決定されるので、これらのいずれかを
調整することにより適宜設定することができる。また、
ボールハウスの先端縁(5)は、ボールの脱落を防止す
るためにかしめ加工が施されている。
【0016】上記構造は公知のボールペンチップ作製技
術に従って製造することができる。例えば、ボールハウ
スにボールを装填した後、ボールハウスの先端縁をかし
め加工を行うことにより、ボールハウス後端部からロッ
ドでボールを先端部方向に押し上げてかしめ加工部の仕
上げを行うことによりボールペンチップを得ることがで
きる。
【0017】ボールペンチップ以外の他のボールペンの
構成要素については、基本的には公知の水性ボールペン
の構成部材をそのまま採用することができる。例えば、
インキ収容管も、公知の材料・大きさのものをそのまま
適用できる。材質としては、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン等の合成樹脂製、その他にも金属製のものが
採用できる。
【0018】本発明の水性ボールペンの組み立ては、通
常は公知のボールペン組立方法に従えば良い。例えば、
一端に本発明ボールペンチップを取り付けた透明又は半
透明のポリプロピレン製インキ収容管(レフィール)に
インキを充填することにより中芯を作製した後、中芯を
本体に取り付け、さらにキャップ及び尾栓を装着すれば
良い。なお、本発明では、必要に応じてインキ等の充填
時に混入した空気を除去するために遠心分離を行うこと
もできる。
【0019】本発明のボールペンチップは、基本的には
二重発色インキであればいずれのものにも適用すること
が可能であるが、特に(1)金属粉顔料、(2)着色
剤、(3)水溶性樹脂、(4)水ならびに(5)水溶性
有機溶剤を含む組成物をインキとする水性ボールペンに
適している。
【0020】金属粉顔料としては、金属光沢を有するも
のであれば特に制限されず、例えば、アルミニウム系顔
料、真鍮系顔料等が挙げられる。アルミニウム系顔料と
しては、例えば「アルペーストWJP−U75C」、
「アルペーストWE1200」、「アルペーストWXM
7675」、「アルペーストWXM0630」(以上、
東洋アルミニウム製)、「1110W」、「2172S
W」(以上、昭和アルミニウム製)、「AW−808
C」、「AW7000R」(以上、旭化成製)等が挙げ
られる。真鍮系顔料としては、例えば「BS−60
5」、「BS−607」(以上、東洋アルミニウム
製)、「ブロンズパウダーP−555」、「ブロンズパ
ウダーP−777」(以上、中島金属箔粉工業製)等が
挙げられる。また、「F500RG−W」、「F500
BG−W」、「F701GR−W」、「F701RE−
W」(以上、昭和アルミニウム製)等の着色アルミニウ
ム系顔料も使用できる。これらは、1種又は2種以上で
使用することができる。なお、金属粉顔料の粒径は、顔
料の種類に応じて適宜選定することができる。
【0021】金属粉顔料の含有量は、用いる顔料の種類
等に応じて適宜定めることができるが、通常は本発明イ
ンキ組成物中4〜15重量%(金属粉として)程度であ
ることが好ましい。金属粉の含有量が15重量%を超え
ると固形分が多くなり、粘度、流動性等に悪影響を与え
ることがある。また4重量%未満であれば顔料による隠
蔽性が不十分となり、二重発色効果が得られなくなるお
それがある。従って、本発明では、金属粉がインキ組成
物中4〜15重量%程度となるように金属粉顔料を含有
させれば良い。
【0022】着色剤としては、溶媒に対する溶解性又は
分散性に支障のないものであれば公知の染料、顔料等を
そのまま用いることができる。染料としては、例えばベ
ンゼンアゾ系、ピラゾロンアゾ系、アセト酢酸アニリド
アゾ系、ナフタレン誘導体アゾ系、深色化ジスアゾ系、
高性能化ジスアゾ系、キニザリン系、ブロアミン系、ア
ントラキノン系、ニトロ系等の酸性染料;ベンジン系、
トリジン系、ジアニシジン系、スチルベンゾアゾ系、尿
素結合を有するジアゾ又はカップリング成分を用いたア
ゾ系、アミノ基を有するアゾ染料をホスゲンで連結又は
塩化シアヌルで結合ジアミンジフェニルアミンアゾ系、
ジJ酸アゾ系、連続アゾ型ポリアゾ系、ポリアゾ系、チ
アゾールアゾ系、顔料スルフォン化物型等の直接染料;
ジ(トリ)アリルメタン系、キノンイミン系、キサンテ
ン系、アゾ系、ポリメチン系、アゾメチン系、ジアゾメ
チン系、ジアゾトリメチン系、トリアゾトリメチン系、
アゾ系、トリアゾールアゾ系、チアゾールアゾ系、ベン
ゾチアゾールアゾ系等の塩基性染料が挙げられる。
【0023】顔料としては、例えばフタロシアニン、ジ
オキサジン、カーボン等が使用できる。さらに、蛍光顔
料等の顔料も使用できる。これら着色剤は1種又は2種
以上で用いることができる。
【0024】着色剤の含有量は、着色剤の種類等に応じ
て適宜定めることができるが、通常はインキ組成物中
0.1〜10重量%程度とすれば良い。着色剤が10重
量%を超える場合には、粘度・流動性に悪影響を与える
ことがある。また、着色剤が0.1重量%未満の場合
は、所望の二重発色効果が得られないことがある。
【0025】水溶性樹脂としては、水性インキを増粘で
きるものであれば特に制限されず、例えば、微生物産系
多糖類又はその誘導体としてプルラン、ザンサンガム、
ウェランガム、ラムザンガム等;水溶性植物系多糖類又
はその誘導体としてグァーガム、ローカストビーンガ
ム、ペクチン;水溶性動物系多糖類又はその誘導体とし
てゼラチン、カゼイン等;セルロース誘導体としてヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類の
ナトリウム塩、アンモニウム塩等;デンプン質誘導体と
してデンプン、カチオンデンプン、デキストリン、デン
プングリコール酸ナトリウム等;ビニル系合成高分子と
してポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルエーテル等;アクリル系合成高分子としてポリ
アクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等;
その他の合成高分子としてポリエチレンオキシド、メト
キシエチレンマレイン酸共重合体等が使用できる。これ
らは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0026】水溶性樹脂の含有量は、水溶性樹脂の種類
に応じて適宜定めることができるが、通常はインキ組成
物中0.1〜40重量%程度とすれば良い。水溶性樹脂
が40重量%を超える場合は粘度が高くなり、筆記が困
難になるおそれがある。水溶性樹脂が0.1重量%未満
の場合は増粘が困難になることがある。
【0027】水溶性有機溶剤としては、特に分岐した疎
水性基を有するアルコール類、グリコール類及びグリコ
ールエーテル類の少なくとも1種を用いることが好まし
い。この水溶性有機溶剤における「分岐した疎水性基を
有する」構造とは鎖状化合物において疎水性基が主鎖に
側鎖として結合している構造を意味する。疎水性基の種
類は、メチル基、エチル基等のいずれであっても良い。
疎水性基は、分子中に1つ又は2つ以上有していても良
く、2つ以上有する場合は互いに同じであっても異なっ
ていても良い。例えば、下式で示されるヘキシレングリ
コールの場合は、点線枠内のメチル基を有する構造が
「分岐した疎水性基を有する」構造に該当する。
【0028】
【化1】
【0029】これら水溶性有機溶剤のうち、分岐した疎
水性基を有するアルコール類としては、特に一般式Cn
2n+2O(n:4〜6の整数)で示される化合物、例え
ばイソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール
(C4)、イソペンタノール、s−ペンタノール、t−
ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−2−ブ
タノール、2−メチル−1−ブタノール(C5)、2−
エチルブタノール、4−メチル−2−ペンタノール(C
6)等が挙げられる。
【0030】分岐した疎水性基を有するグリコール類及
びグリコールエーテル類としては、例えば1,3−オク
チレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピ
レン)誘導体、エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル等が挙げられる。
【0031】これら水溶性有機溶剤の中でも、ジプロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ヘキシレングリコール等
が好適に使用することができる。
【0032】水溶性有機溶剤の含有量は、用いる水溶性
有機溶剤の種類等に応じて適宜定めることができるが、
通常はインキ組成物中1〜50重量%程度、好ましくは
5〜30重量%とする。水溶性有機溶剤の含有量が50
重量%を超える場合は水溶性樹脂の溶解性が低下して析
出するおそれがある。水溶性有機溶剤の含有量が1重量
%未満の場合は十分な浸透拡散が得られなくなることが
ある。
【0033】上記インキ組成物では、その効果を妨げな
い範囲内で他の添加剤を配合することもできる。例え
ば、潤滑剤としてポリオキシエチレンアルカリ金属塩、
ジカルボン酸アミド、リン酸エステル、N−オレイルサ
ルコシン塩等;湿潤剤として多価アルコール又はその誘
導体(グリセリン等);防錆剤としてベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウ
ムナイトレート等;防腐・防錆剤としてベンゾイソチア
ゾリン系、ペンタクロロフェノール系、クレゾール等、
その他にも各種の分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0034】また、本発明インキ組成中にはアルカリ金
属塩が含有されている場合がある。この場合、インキ組
成物中のアルカリ金属塩は合計で通常1重量%以下とす
ることが好ましい。アルカリ金属塩の含有量を調整する
ことによって塩析による水溶性有機溶剤のインキ中での
分離を防止でき、より優れた経時的安定性を確保するこ
とができる。
【0035】アルカリ金属塩としては、例えばNaC
l、Na2SO4等が挙げられる。アルカリ金属塩の含有
量を調整する方法は特に制限されず、例えば染料の場合
はメタノール、エタノール等を用いてアルカリ金属塩の
一部又は全部を積極的に取り除くことにより実施でき
る。また、顔料の場合は水で洗浄することにより同様に
取り除くことができる。
【0036】また、インキ組成物のインキ粘度は、通
常、ELD型粘度計3°(R14)コーン 0.5rp
m(20℃)で測定した粘度が1000〜10000m
Pa・s程度であることが好ましい。この範囲のインキ
粘度とすることにより、特に優れた経時安定性、筆記性
を得ることができる。インキ粘度は、水溶性樹脂、水等
により調整することができる。
【0037】上記インキ組成物のpHは、通常5〜10
程度とすることが好ましい。特にこのpH範囲内に設定
することにより、優れた経時安定性等を確保することが
できる。インキpHは、水酸化ナトリウム、トリエタノ
ールアミン等の公知のpH調整剤を用いて適宜調節する
ことができる。
【0038】上記インキ組成物は、公知の分散方法、脱
泡方法、濾過方法等を用いて調製できる。例えば、水、
着色剤及び金属粉顔料を混合・攪拌した後、水溶性樹脂
を配合し、次いで水溶性有機溶剤及び必要に応じて各種
の添加剤を配合し、pH調整剤でpHを調整することに
より得られる。なお、各工程での混合又は攪拌は、デゾ
ルバー、ミキサー、ニーダー等の公知の攪拌装置を用い
れば良い。
【0039】本発明ボールペンチップを有するボールペ
ンは、本発明の効果が得られる限り、いずれの吸収面に
も筆記できる。例えば、紙類、繊維質材料、木質材料、
布類等に適用することが可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明のボールペンチップは、ボール径
とボールハウス内径との差が0.03mm以上という特
殊な構造を採用していることから、十分なインキ流出量
を確保できるので優れた二重発色効果を得ることができ
る。
【0041】特に、インキとして(1)金属粉顔料、
(2)着色剤、(3)水溶性樹脂、(4)水ならびに
(5)水溶性有機溶剤を含む組成物を用いる場合には、
その優れた二重発色性をより効果的に引き出すことがで
きる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具
体的に説明する。
【0043】実施例1〜8 表1に示す配合(重量%)のインキ組成物をそれぞれ調
製した。まず、所定量の水、着色剤及び金属粉顔料を混
合・攪拌した後、水溶性樹脂を配合し、常温で1時間攪
拌した。次いで、水溶性有機溶剤ならびに湿潤剤、防腐
剤及び潤滑剤を配合し、pH調整剤によりpHを調節し
ながら常温で1時間攪拌することによりインキ組成物を
それぞれ得た。
【0044】表1に示す各成分は以下の通りである。 (1)水溶性有機溶剤 ・水溶性有機溶剤1:ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル(試薬) ・水溶性有機溶剤2:ジプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル(試薬) ・水溶性有機溶剤3:ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル(試薬) ・水溶性有機溶剤4:ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル(試薬) ・水溶性有機溶剤5:トリプロピレングリコール(試
薬) ・水溶性有機溶剤6:トリプロピレングリコールモノメ
チルエーテル(試薬) ・水溶性有機溶剤7:ヘキシレングリコール(試薬) ・水溶性有機溶剤8:t−ブタノール(試薬) (2)着色剤(水溶性染料) ・水溶性染料1:トリフェニルメタン系染料(「NAPHTH
ALENE GREEN VSC」住友化学工業製、C.I.Acid Green 1
6、塩分約10%以下) ・水溶性染料2:ジスアゾ系染料(「SUMINOL MILLING
SCARLET G.」住友化学工業製、C.I.Acid Red 145、塩分
約10%以下) なお、上記塩分(NaCl)は染料中合計量(重量%)
を示し、メタノール、エタノール等の溶剤を用いて取り
除いた。 (3)水溶性樹脂 ・水溶性樹脂1:ラムザンガム(「K7C233」三晶製) ・水溶性樹脂2:ウェランガム(「K1A96」三晶製) ・水溶性樹脂3:カルボキシチルセルロース(「セロゲ
ン5A」第一工業製薬製) ・水溶性樹脂4:ポリビニルアルコール(「PVA-204」
クラレ製) (4)金属粉顔料 ・金属粉顔料1:アルミニウム粉顔料(「WXM0630」東
洋アルミニウム製(リーフィングタイプ、平均粒径8μ
m、アルミニウム粉約55〜56重量%) ・金属粉顔料2:着色アルミニウム粉顔料(「F701RE-
W」昭和アルミニウム製(ノ ンリーフィ
ングタイプ、平均粒径11μm、アルミニウム粉約
60〜70重量%) (5)添加剤 ・湿潤剤:グリセリン(試薬) ・防腐防黴剤:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン(「プロクセルGXL」ヘキスト合成製) ・潤滑剤:マレイン酸モノアミド(試薬)試験例1 表1に示す各インキ組成物を、ステンレス鋼製ボールペ
ンチップ(ボール材質:SiC系セラミックス、間隙
0.035mm)を一端に取り付けたポリプロピレン製
インキ収容管に充填して中芯とした。次に、本体に中芯
を取り付けた後、尾栓を装着した。最後に、中芯を遠心
分離機により管中の空気を除去し、各ボールペンを得
た。
【0045】各ボールペンについて、50℃で1ヶ月保
存した後の二重発色性、筆記性、保存性、インキ粘度及
びインキpHを調べた。その結果を表1に示す。表1に
は、保存前の各特性も併せて示す。なお、各試験方法は
下記の通りにして行った。 (1)二重発色性 各ボールペンを用いて市販のルーズリーフ用紙に筆記
し、筆跡の二重発色性の有無について目視観察した。二
重発色性があったものを○とし、二重発色性が不明確な
もの又は全くないものを×とした。 (2)筆記性 各ボールペンを用いて市販のルーズリーフ用紙に筆記
し、その筆跡の状態について目視観察した。かすれ、線
飛び、詰まり等がなかったものを○とし、それらのいず
れかが認められたものを×とした。 (3)保存性 50℃で1ヶ月保存し、保存後のインキによる筆跡の変
色度合いについて目視観察をした。保存前後で色相変化
が認められなかったものを○、色相変化が認められたも
のを×とした。 (4)インキ粘度 各インキについて、ELD型粘度計3°(R14)コー
ン 0.5rpm (20℃)で測定した結果(mPa
・s)を示す。 (5)インキpH 各インキについて、pHメーター計(20℃)で測定し
た結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果からも明らかなように、実施例
1、2、7及び8では、銀の筆跡の周囲に緑色の輪郭線
が発現し、二重発色の強調された筆跡が得られた。実施
例3及び4では、赤色のメタリック調の筆跡の周囲に緑
色の輪郭線が発現し、二重発色の強調された筆跡が得ら
れた。実施例5及び6では、銀色の筆跡の周囲に赤色の
輪郭線が発現し、二重発色の強調された筆跡が得られ
た。なお、いずれの実施例も、保存後も二重発色性の低
下及び色相の変質は認められなかった。
【0048】このように、特定の間隙を有するボールペ
ンチップを採用することにより、筆記性が高められる結
果、優れた二重発色性が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は二重発色筆跡を模式的に表わした図であ
り、図1(A)は断面図、図1(B)は平面図を示す。
【図2】図2は、ボールペンチップの概略図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボールペンチップにおけるボール径とボー
    ルハウス内径との差が0.03mm以上であることを特
    徴とする二重発色水性ボールペン用チップ。
  2. 【請求項2】ボールペンチップにおけるボール径とボー
    ルハウス内径との差が0.03〜0.04mmであるこ
    とを特徴とする二重発色水性ボールペン用チップ。
  3. 【請求項3】(1)金属粉顔料、(2)着色剤、(3)
    水溶性樹脂、(4)水ならびに(5)水溶性有機溶剤を
    含む組成物をインキとする水性ボールペンに用いる請求
    項1又は2に記載の二重発色水性ボールペン用チップ。
  4. 【請求項4】水溶性有機溶剤が、分岐した疎水性基を有
    するアルコール類、グリコール類及びグリコールエーテ
    ル類の少なくとも1種である請求項3記載の二重発色水
    性ボールペン用チップ。
  5. 【請求項5】ボールの材質がセラミックスである請求項
    1〜4のいずれかに記載の二重発色水性ボールペン用チ
    ップ。
  6. 【請求項6】ボールの材質が炭化珪素、窒化珪素、ジル
    コニア及びアルミナの少なくとも1種である請求項5記
    載の二重発色水性ボールペン用チップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002347381A (ja) * 2001-03-21 2002-12-04 Sakura Color Prod Corp ボールペン及びボールペンチップ
JP2014095071A (ja) * 2012-10-12 2014-05-22 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性ボールペン用インク組成物
JP2015507681A (ja) * 2011-12-29 2015-03-12 サンフォード エル.ピー. 金属インク組成物及びこれを被覆するための筆記具

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