JP2000007975A - 水性ボールペンインキ組成物 - Google Patents

水性ボールペンインキ組成物

Info

Publication number
JP2000007975A
JP2000007975A JP18093698A JP18093698A JP2000007975A JP 2000007975 A JP2000007975 A JP 2000007975A JP 18093698 A JP18093698 A JP 18093698A JP 18093698 A JP18093698 A JP 18093698A JP 2000007975 A JP2000007975 A JP 2000007975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
monomethyl ether
ether
weight
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18093698A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Miyamoto
勝 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP18093698A priority Critical patent/JP2000007975A/ja
Publication of JP2000007975A publication Critical patent/JP2000007975A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキの表面張力を極端に低下させず、筆跡
が滲み難く、しかも十分な潤滑性を付与することによ
り、円滑なボール回転により、ボールの受座摩耗を少な
くし、染料又は顔料と共に増粘剤を加えることにより、
染料の使用を可能にすると共に、筆記性能を顕著に向上
させ、快適な筆記感を与え、更にノンドライ性の優れた
水性ボールペン用インキを提供すること。 【解決手段】 グリセリンモノメチルエーテル及びジグ
リセリンモノメチルエーテルからなる群から選んだ少な
くとも一種のエーテル、染料及び/又は顔料を含む着色
剤、増粘剤、及び水を含有してなる水性ボールペンイン
キ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘稠な水性ボール
ペンインキ組成物に関するものである。詳しくは、潤滑
性に優れ、ボール受座の摩耗を少なくする効果があり、
耐久性に優れ、筆記感にも優れているインキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来水性ボールペンでは、粘性が1〜数
mPa'sのインキを繊維結束体等からなる吸蔵体に染み込
ませた物が使用されていた。この様なインキ吸蔵体にイ
ンキを滲み込ませたものは、外観上インキ残量がわかり
にくい欠点を有している。水性ボールペンのインキ残量
がわかるようにするためには、インキの粘度を上げて、
透明な容器に収容し、インキ自体ボールペンのインキ収
容管に保持される方法がとられている。
【0003】このインキは、着色剤として染料や顔料を
用い、ペン先でのインキ乾燥抑制(ノンドライ性)のた
め主成分の溶剤として水の他に、グリコールやグリセリ
ンのような高沸点水溶性溶剤が用いられている。しか
し、このままでは潤滑性が乏しく、筆記時ボールが回転
する際に、ボールとボール受座との摩擦抵抗が大きくな
るため、色々な欠点を有している。例えば、ボール受座
が摩耗して、ボールが沈んだり、ボールにガタツキが生
じたり、あるいはインキの流出が不均一になるなど、筆
記性が著しく低下する。このような欠点を改良する目的
で、界面活性剤等の潤滑性向上剤を添加する事が試みら
れている。
【0004】また本願出願人による、特開平7−247
458号公報では、本願と同様に表面張力を極端に低下
させず、従って筆跡が滲みにくく、しかも充分な潤滑性
をもたせ、ボール受座の摩耗を少なくし、快適な筆記感
を与え、ノンドライ性の水性ボールペン用顔料インキを
提供したものであるが、顔料と分散剤を使用したことを
特徴としている。本願は顔料ばかりでなく、染料単味も
使用し、しかも増粘剤を使用して、ゲル状のインキとす
ることを特徴としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の方法で
は、十分な潤滑性が得られず、ボール受座の摩耗防止が
不充分で、ボール受座の摩擦による筆記不能現象が完全
には解決せず、又たとえ十分な潤滑性が得られても、一
方でインキの表面張力を著しく低下させて、筆跡が滲み
やすくなるなどの問題があった。本発明の目的は、表面
張力を極端に低下させず、筆跡が滲み難く、しかも十分
な潤滑性を付与することにより、円滑なボール回転によ
りボールの受座摩耗を少なくし、筆記性能を顕著に向上
させるとともに、快適な筆記感を与え、更にノンドライ
性の優れた水性ボールペン用インキを提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、インキ組成物にグ
リセリンモノメチルエーテル及び/又はジグリセリンモ
ノメチルエーテルを含有させると共に、増粘剤を配合す
ることにより、顔料のみでなく、染料を用いても充分な
潤滑性が得られ、前記の目的を達成しうる事をみいだ
し、この知見に基づいて本発明を完成した。即ち本発明
は、グリセリンモノメチルエーテル及びジグリセリンモ
ノメチルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一
種類のエーテル、染料及び/又は顔料よりなる着色剤、
増粘剤、及び水を含有してなる水性ボールペンインキ組
成物である。
【0007】本発明の水性ボールペンインキ組成物は、
グリセリンモノメチルエーテル及びジグリセリンモノメ
チルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種類
のエーテルと、染料及び/又は顔料よりなる着色剤、各
種のガム類、セルロース類等よりなる増粘剤及び水を含
有してなることを特徴とするが、前記エーテル類の含有
量としては、全組成物の0.5〜40重量%が好ましい
が、更に好ましくは1〜30重量%である。
【0008】本発明の第一の水性ボールペンインキ組成
物は、染料及び/又は顔料よりなる着色剤、各種ガム
類、セルロース類、水溶性樹脂類よりなる増粘剤及び水
にグリセリンモノメチルエーテル及び/又はジグリセリ
ンモノメチルエーテルを含有する事を特徴とするが、好
ましくはグリセリンモノメチルエーテルを全組成量の
0.5〜40重量%、着色剤が全組成物の0.5〜30
重量%、増粘剤が全組成物の0.1〜5重量%、および
水が全組成物の30〜90重量%含有してなる水性ボー
ルペンインキ組成物である。
【0009】本発明の第二の水性ボールペンインキ組成
物は、染料及び/又は顔料よりなる着色剤、各種ガム
類、セルロース類、水溶性樹脂類よりなる増粘剤及び水
にグリセリンモノメチルエーテル及び/又はジグリセリ
ンモノメチルエーテルを含有する事を特徴とするが、好
ましくは、ジグリセリンモノメチルエーテルを全組成物
の0.5〜40重量%、着色剤を全組成物の0.5〜3
0重量%、増粘剤を全組成物の0.1〜5重量%および
水を全組成物の30〜90重量%含有してなる水性ボー
ルペン用インキ組成物である。
【0010】本発明のインキ組成物に用いるエーテル
は、グリセリンモノメチルエーテル及びジグリセリンモ
ノメチルエーテルよりなる群から選ばれた少なくとも一
種類のエーテルであり、その含有量としては、全組成物
の0.5〜40重量%が好ましいが、更に好ましくは、
1〜30重量%である。0.5重量%未満では十分な潤
滑性が得られず、筆記性の向上を期待する事が出来ず、
又40重量%超ではインキ粘性を高くし、ペン先からの
流出が悪くなり不適である。
【0011】本発明のインキ組成物において用いるエー
テルは、水溶性有機溶剤と混合して用いてもよい。その
溶剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリンなどの水溶性多価アルコール類、エチ
レングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソル
ブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチル
セロソルブ)などのセロソルブ類、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトー
ル)などのカルビトール類、エチレングリコールエチル
エーテルアセテートのようなグリコールエーテル類など
が挙げられる。これらは、主溶剤である水より沸点が高
く、揮発しにくいため、インキのノンドライ性を向上さ
せる効果がある。又その含有量は、全インキ組成物に対
して、通常40重量%以下で、好ましくは5〜40重量
%の範囲で選ばれる。40重量%を超えると、紙に書い
たとき、浸透し易くインキが裏抜けしたり、溶剤が揮発
しにくいため筆跡が乾き難くなったりして好ましくな
い。
【0012】本発明のインキ組成物に用いられる着色剤
は、顔料及び/又は水溶性染料である。顔料の種類につ
いては特に制限はなく、従来水性インキ組成物に慣用さ
れている無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使
用することができる。無機系顔料としては、たとえば酸
化チタン、カーボンブラック、金属粉や金属酸化物粉、
等が挙げられ、また有機系顔料としては、たとえばアゾ
レーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシ
アニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノ
ン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、
ニトロソ顔料などが挙げられる。
【0013】具体的には、フタロシアニンブルー(C.
L.74,160)、フタロシアニングリーン(C.
L.74,260)、ハンザイエロー3G(C.L.1
1,670)、ジスアゾイエローGR(C.L.21,
100)、パーマネントレッド4R(C.L.12,3
35)、ブリリアントカーミン6B(C.L.15,8
50)、キナクリドンレッド(C.L.46,500)
などが使用できる。また、スチレンやアクリル樹脂の粒
子から構成されているプラスチックピグメントも使用で
きる。粒子内部に空隙のある中空樹脂粒子は白色とし
て、粒子自身を染料で染着した擬似顔料は多色用として
使用できる。
【0014】水溶性染料は、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料のいずれも用いることができる。直接
染料の一例を以下に記載する。C.L.ダイレクトブラ
ック17、同19、同22、同32、同38、同51、
同71、C.L.ダイレクトエロー4、同26、同4
4、同50、C.L.ダイレクトレッド1、同4、同2
3、同31、同37、同39、同75、同80、同8
1、同83、同225、同226、同227、C.L.
ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同10
6、同119などが挙げられる。
【0015】酸性染料の一例を以下に記載する。C.
L.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同3
1、同52、同107、同109、同110、同11
9、同154、C.L.アシッドエロー7、同17、同
19、同23、同25、同29、同38、同42、同4
9、同61、同72、同78、同110、同141、同
127、同135、同142、C.L.アシッドレッド
8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、
同37、同51、同52、同57、同82、同87、同
92、同94、同115、同129、同131、同18
6、同249、同254、同265、同276、
【0016】C.L.アシッドバイオレット18、同1
7、C.L.アシッドブルー1、同7、同9、同22、
同23、同25、同40、同41、同43、同62、同
78、同83、同90、同93、同103、同112、
同113、同158、C.L.アシッドグリーン3、同
9、同16、同25、同27などが挙げられる。
【0017】食用染料は、その大部分が直接染料又は酸
性染料に含まれるが、含まれないものの一例としては、
C.L.フードエロー3が挙げられる。塩基性染料の一
例を以下に記載する。C.L.ベーシックエロー1、同
2、同21、C.L.ベーシックオレンジ2、同14、
同32、C.L.ベーシックレッド1、同2、同9、同
14、C.L.ベーシックブラウン12、ベーシックブ
ラック2、同8などが挙げられる。
【0018】これらの着色剤は、それぞれ単独で用いて
もよいし、2種類以上を組み合わせてもよく、全組成物
中の含有量は、通常0.5〜30重量%、好ましくは1
〜15重量%、の範囲である。30重量%を超えて長期
保存した場合、顔料が凝集してしまったり、染料が析出
したりして、ペン先に詰まり、筆記不良をおこす。0.
5重量%未満では、着色が弱くなったり、筆跡の色相が
わからなくなってしまうので好ましくない。
【0019】着色剤として顔料を用いた場合には、分散
剤を使用する必要がある。この分散剤は、顔料表面に吸
着して、水との親和性を向上させ、水中に顔料を安定に
分散させる作用をするものであり、ノニオン、アニオ
ン、界面活性剤や水溶性樹脂が用いられる。好ましくは
水溶性高分子が用いられる。
【0020】ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高
級脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステルなどがあ
り、具体的にはグリセリンの脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレンひまし油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオ
キシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮
合物などがある。
【0021】アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪
酸アミドのアルキル化スルホン酸塩、アルキルアリルス
ルホン酸塩などがあり、具体的にはアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシル
アミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキル燐酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などがあ
る。
【0022】水溶性樹脂としては、ポリアクリル酸、ア
クリル酸共重合体、マレイン酸樹脂などが有り、具体的
には、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン
マレイン酸樹脂などや、樹脂を塩の形にして水溶性にし
たものを用いる。塩を形成するアルカリ金属としては、
ナトリウム、カリウムが代表的であり、アミンとしては
モノ−、ジ−、又はトリ−プロパノールアミン、メチル
エタノールアミン、メチルプロパノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミンなどのアルコールアミン、その他ア
ンモニア、モルホリン及びN−モルホリンなどが代表的
である。分散剤の含有量は、その組成中0.1〜10重
量%である。
【0023】増粘剤としては、天然系のアラビアガム、
トラガカントガム、グァーガム、ローカストビンガム、
アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、カゼ
イン、ラクトアルブミン、ラノリン、キトサン、キサン
タンガム、ラムザンガム、レオザンガム、グルコマンナ
ン、半合成系のメチルセルローズ、エチルセルローズ、
ヒドロキシエチルセルローズ、カルボキシメチルセルロ
ース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸プ
ロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカノール
アミン、カチオン化及びアニオン化グァーガム、
【0024】合成系のポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポ
リマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビ
ニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂のアルカリ金
属塩などの水溶性増粘樹脂を使用することができる。増
粘剤の含有量は、その組成中0.1〜5重量%である。
【0025】本発明に用いる水は、特に特定しないが、
30〜90重量%が好ましい。30重量%未満では、相
対的溶剤や着色剤が多くなるため揮発しにくく、筆跡が
乾きにくくなり、好ましくない。90重量%超となると
揮発し易くなりペン先が乾燥し、筆記不良となるので好
ましくない。
【0026】以上の他、本発明の組成物は、必要に応じ
て、潤滑剤、防腐剤、pH調整剤などを含有させること
ができる。潤滑剤として、リシノール酸カリウム、リシ
ノール酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸
ナトリウムなどの脂肪酸塩、水性切削油やその他、分散
剤として挙げた界面活性剤を使用することができる。
【0027】防腐剤として、フェノール、イソプロピル
メチルフェノール、ペンタクロロフェノールナトリウ
ム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、2−ピリジン、
5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3オ
ン、2,4−チアゾリルベンズイミダゾール、パラオキ
シ安息香酸エステルなどを使用することができる。
【0028】pH調整剤として、アミン又は塩基、例え
ばトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエ
タノールアミン、アミノメチルプロパノールなどの各種
有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸
化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物の無機アルカ
リ剤や、アンモニアなどを使用することができる。
【0029】本発明の水性インキ組成物は、潤滑性にす
ぐれ、筆記性能を向上させる。その詳細な作用は明らか
ではないが、本発明に使用のグリセリンモノメチルエー
テル、ジグリセリンモノメチルエーテルの構造中の水酸
基、及びエーテル結合の酸素が金属表面に吸着作用を示
し、金属表面を疎水基などの炭化水素鎖で覆う事が出来
る。又グリセリンモノメチルエーテル、ジグリセリンモ
ノメチルエーテル自身の粘性により、ボールとボール受
座の間に潤滑皮膜が形成されることによって潤滑性が付
与されるものと推察される。更に、インキ中の表面張力
が低下していないため、ボールペンに使用した場合に滲
みが少なく、良好な潤滑性が得られるものと考えられ
る。本発明のボールペンインキを用いるボールペンは直
液式である。このボールペンは、前記本発明のインキを
直接貯蔵するチューブ、ボールとチップホルダーからな
るペン先などから構成される。
【0030】
【実施例】次に実施例によって、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。各実施例、比較例で得られたインキ
の評価は、次の筆記試験の判定で行った。その結果を表
1に示す。筆記試験におけるボール沈み測定法と、筆
感、筆跡の滲み状態の判定は次の基準に従って行った。
【0031】ボール沈み:螺旋筆記試験機にて、筆記角
度60度、筆記速度5.5m/min、荷重100gの
条件で500m筆記後のボールの座の摩耗した深さ、す
なわちホルダーより突出したボールの突出長さの減少し
た長さを測定した。
【0032】筆感: ○:やわらかで安定した書き味 △:ゴツゴツした硬い書き味 ×:ゴツゴツした硬い書き味で、かつ線切れや方向性が
ある。
【0033】 筆跡の滲み: ○:滲みがなく、鮮明な筆跡 △:滲みが有り、不鮮明な筆跡 ×:滲みが有り、非常に不鮮明な筆跡
【0034】(実施例1)下記の配合で赤色水性ボール
ペン染料インキを調製した。各成分を室温で3〜4時間
撹拌した後にろ過して得た。 重量% 染 料 :エオシン(C.L.アッシド87) 4.0 エーテル:グリセリンモノエチルエーテル 10.0 増粘剤 :グァーガム 0.5 潤滑剤 :オレイン酸カリウム 0.5 防腐剤 :ベンゾトリアゾール 0.1 精製水 : 84.9 合 計 100.0
【0035】(実施例2)下記の配合で黒色水性ボール
ペン顔料インキを調製した。下記の成分のうちポリアク
リル酸ナトリウムと精製水の一部を除く各成分を撹拌機
にて撹拌・混合した後、サンドミルにて5時間分散し、
更に、粗大粒子を遠心分離機により除去し、その後室温
で撹拌しながら残りの精製水に溶解させたポリアクリル
酸ナトリウムをゆっくり加えた後に、更に3〜4時間撹
拌してからろ過して得た。 重量% 顔 料 :カーボンブラック(三菱化成「MA−100」) 7.0 エーテル:グリセリンモノメチルエーテル 15.0 分散剤 :スチレンアクリル酸脂肪アンモニウム塩 2.0 増粘剤 :ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 潤滑剤 :リノール酸カリウム 0.2 pH調製剤:トリエタノールアミン 0.5 防腐剤 :1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン (ゼネカ(株)Proxel BDN) 0.1 防錆剤 :ベンゾトリアゾール 0.2 精製水 : 74.5 合 計 100.0
【0036】(実施例3)下記の配合で桃色水性ボール
ペン顔料インキを調製した。各成分を室温で3〜4時間
撹拌した後にろ過して得た。 重量% 顔 料 :合成樹脂エマルジョンを蛍光染料で染着したもの [NKW−2317(日本蛍光(株)製)] 50.0 エーテル:ジグリセリンモノメチルエーテル 10.0 増粘剤 :キサンタンガム 0.4 潤滑剤 :オレイン酸カリウム 0.2 防腐剤 :フェノール 0.2 防錆剤 :ベンゾトリアゾール 0.2 精製水 : 49.0 合 計 100.0
【0037】(実施例4)下記の配合成分で白色水性ボ
ールペン顔料インキを調製した。各成分を室温で3〜4
時間撹拌した後にろ過して得た。下記の成分のうち酸化
チタンと分散剤と精製水の一部を撹拌機にて撹拌・混合
した後、サンドミルにて5時間分散し、その後室温で撹
拌しながら残りの成分をゆっくり加えた後に、更に3〜
4時間撹拌してからろ過して得た。 重量% 顔 料 :酸化チタン 10.0 白色プラスチックピグメント (ローム&ハース(株)製ローペイクOP−62) 50.0 エーテル:ジグリセリンモノメチルエーテル 8.0 分散剤 :スチレンアクリル酸脂肪アンモニウム塩 2.0 増粘剤 :ポリアクリル酸ナトリウム 1.0 潤滑剤 :リノール酸カリウム 0.1 防腐剤 :1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン (ゼネカ(株)Proxel BDN) 0.1 防錆剤 :ベンゾトリアゾール 0.2 精製水 : 28.6 合 計 100.0
【0038】(実施例5)下記の配合で黒色水性ボール
ペン顔料インキを調製した。下記の成分のうちポリアク
リル酸ナトリウムと精製水の一部を除く各成分を撹拌機
にて撹拌・混合した後、サンドミルにて5時間分散し、
更に、粗大粒子を遠心分離機により除去し、その後室温
で撹拌しながら残りの精製水に溶解させたポリアクリル
酸ナトリウムをゆっくり加えた後に、更に3〜4時間撹
拌してからろ過して得た。 重量% 顔 料 :カーボンブラック(三菱化成「MA−100」) 7.0 エーテル:グリセリンモノメチルエーテル 15.0 溶 媒 : 10.0 分散剤 :スチレンアクリル酸脂肪アンモニウム塩 2.0 増粘剤 :ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 潤滑剤 :リノール酸カリウム 0.2 pH調製剤:トリエタノールアミン 0.5 防腐剤 :1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン (ゼネカ(株)Proxel BDN) 0.1 防錆剤 :ベンゾトリアゾール 0.2 精製水 : 63.0 合 計 100.0
【0039】(比較例1)グリセリンモノメチルエーテ
ルを使用せず、代わりにエチレングリコールを同量使用
した以外は、実施例1と同様にして調製し赤色ボールペ
ン染料インキを得た。
【0040】(比較例2)グリセリンモノメチルエーテ
ルを使用せず、代わりにエチレングリコールを同量使用
した以外は、実施例2と同様にして調製し黒色ボールペ
ン顔料インキを得た。
【0041】(比較例3)ジグリセリンモノメチルエー
テルを使用せず、代わりにエチレングリコールを同量使
用した以外は、実施例3と同様にして調製し桃色ボール
ペン顔料インキを得た。
【0042】(比較例4)ジグリセリンモノメチルエー
テルを使用せず、代わりにエチレングリコールを同量使
用した以外は、実施例3と同様にして調製し白色ボール
ペン顔料インキを得た。
【0043】(比較例5)グリセリンモノメチルエーテ
ルを使用せず、代わりにエチレングリコールを25重量
部使用した以外は、実施例2と同様にして調製し黒色ボ
ールペン顔料インキを得た。
【0044】以上実施例1〜5、比較例1〜5で得られ
たインキをポリプロピレン製チューブに充填し、その一
端にボール及びチップホルダーを用いて組み立てられた
ペン先を装着させた水性ボールペンを組み、筆記試験で
ボール沈み、筆感、筆跡の滲み状態を調べた結果を表−
1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の水性ボールペンインキ組成物
は、ボールペンに使用した場合、筆跡の滲みが少なく、
良好な潤滑性を与え、ボールの回転によるボール受座の
摩耗が少なく適正なインキ流出を保持すると共に滑らか
な筆感を与える。また、ペン先部でのインキ乾燥性が抑
制されるので、カスレにくいという効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリンモノメチルエーテル及びジグ
    リセリンモノメチルエーテルからなる群から選ばれた少
    なくとも一種類のエーテル、染料及び/又は顔料を含む
    着色剤、増粘剤、及び水を含有してなる水性ボールペン
    インキ組成物。
  2. 【請求項2】 グリセリンモノメチルエーテル及びジグ
    リセリンモノメチルエーテルからなる群から選ばれた少
    なくとも一種類のエーテルを、全組成物の0.5〜40
    重量%含有してなる請求項1記載の水性ボールペンイン
    キ組成物。
  3. 【請求項3】 組成物の含有量が、グリセリンモノメチ
    ルエーテル及びジグリセリンモノメチルエーテルが0.
    5〜40重量%、染料及び/又は顔料を含む着色剤が
    0.5〜30重量%、増粘剤が0.1〜5重量%及び水
    が30〜90重量%よりなる請求項1記載の水性ボール
    ペンインキ組成物。
  4. 【請求項4】 増粘剤が、天然系のアラビアガム、トラ
    ガカントガム、グァーガム、ローカストビンガム、アル
    ギン酸、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、カゼイ
    ン、ラクトアルブミン、ラノリン、キトサン、キサンタ
    ンガム、ラムザンガム、レオザンガム、グルコマンナ
    ン、半合成系のメチルセルローズ、エチルセルローズ、
    ヒドロキシエチルセルローズ、カルボキシメチルセルロ
    ース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸プ
    ロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカノール
    アミン、カチオン化及びアニオン化グァーガム、合成系
    のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ
    ビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
    リアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレ
    ンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共
    重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩よりなる群より
    選んだ少なくとも一種の水溶性増粘樹脂である前記請求
    項1〜3の何れかに記載の水性ボールペンインキ組成
    物。
JP18093698A 1998-06-26 1998-06-26 水性ボールペンインキ組成物 Withdrawn JP2000007975A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18093698A JP2000007975A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 水性ボールペンインキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18093698A JP2000007975A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 水性ボールペンインキ組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000007975A true JP2000007975A (ja) 2000-01-11

Family

ID=16091875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18093698A Withdrawn JP2000007975A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 水性ボールペンインキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000007975A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005041983A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
EP2714635A4 (en) * 2011-06-02 2015-06-24 Ecolab Usa Inc USE OF ALIPHATIC ETHERS COMPOUNDS WITH SHORT GLYCEROL CHAIN
CN115247007A (zh) * 2022-08-25 2022-10-28 南京一墨纳米技术有限公司 一种书写性能改善的中性笔墨水

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005041983A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
EP2714635A4 (en) * 2011-06-02 2015-06-24 Ecolab Usa Inc USE OF ALIPHATIC ETHERS COMPOUNDS WITH SHORT GLYCEROL CHAIN
AU2012264271B2 (en) * 2011-06-02 2017-02-23 Ecolab Usa Inc. Use of glycerin short-chain aliphatic ether compounds
EP3453751A1 (en) * 2011-06-02 2019-03-13 Ecolab USA Inc. Use of glycerin short-chain aliphatic ether compounds
CN115247007A (zh) * 2022-08-25 2022-10-28 南京一墨纳米技术有限公司 一种书写性能改善的中性笔墨水
CN115247007B (zh) * 2022-08-25 2024-03-15 南京一墨纳米技术有限公司 一种书写性能改善的中性笔墨水

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10166780A (ja) 水性ゲルインキボールペン
JP4004001B2 (ja) 二重発色インキ組成物及びそれを用いた筆記具
US6706101B1 (en) Double-color ink and writing utensil containing the same
JPS6227479A (ja) ボ−ルペン用インキ組成物
JP2003041170A (ja) 油性インキ組成物及びその用途
JP4118094B2 (ja) 中芯式多色マーキングペンとそのためのインク
JP2002053788A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP2000007975A (ja) 水性ボールペンインキ組成物
JPH0554876B2 (ja)
JPH08302267A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JPH06166845A (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP2001271020A (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JPH08157765A (ja) 油性ボールペン用インキ組成物
JPH11140366A (ja) アルコール系インキ
JPH08134393A (ja) 油性ボールペン用黒インキ組成物
JP3444565B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物
JP3051101U (ja) 二重発色水性インキを充填したボールペン
JP2001207102A (ja) ボールペン用油性インキ組成物
JP2000290577A (ja) 筆記具用水性インキ組成物
JPH11106695A (ja) 水性ボールペン用顔料インキ組成物
JP2000079784A (ja) 二重発色水性ボ―ルペン用チップ
JP4549044B2 (ja) 水性ボールペン用染料インキ組成物
JP3932223B2 (ja) 水性ボールペン
JPS62127373A (ja) ボ−ルペン用インキ組成物
JPH08209055A (ja) 直液式水性ボールペン用インキ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906