JP2000079086A - 内視鏡用フ―ド - Google Patents

内視鏡用フ―ド

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JP2000079086A
JP2000079086A JP11041365A JP4136599A JP2000079086A JP 2000079086 A JP2000079086 A JP 2000079086A JP 11041365 A JP11041365 A JP 11041365A JP 4136599 A JP4136599 A JP 4136599A JP 2000079086 A JP2000079086 A JP 2000079086A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 消化管検査時に病変部位を迅速かつ確実に発
見し、安全かつ的確に内視鏡的処置を行うことができる
内視鏡用フードを提供する。 【解決手段】 圧力制御により手元の操作でフードの深
さを少なくとも2段階に変更可能な内視鏡用フードであ
って、内視鏡7に確実に固定可能な手段を有し、フード
の先端部にはリブを設けるとともに、必要によりフード
の表面に親水処理を施したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡の挿入、消化
管の検査あるいは腫瘍などの体腔内組織を切除するため
の補助具であって、病変部位を確実かつ迅速に発見し、
安全かつ的確に処置することができる内視鏡用フードに
関する。
【0002】
【従来の技術】消化管の内視鏡検査において病変部位を
確実且つ迅速に発見することは、その後の治療を的確且
つ迅速に行い、患者の苦痛及び医師の精神的負担を軽減
し、さらに検査および治療時間を短縮するうえで極めて
重要なことである。こうした観点から、内視鏡先端部に
装着するフードが開発されている。このフードを用いる
ことによる利点は、フードにより粘膜が内視鏡のレンズ
に直接接触することを防ぎ、良好な視野を確保すること
ができるので、少ない送気量での内視鏡挿入や検査が可
能となり、患者の苦痛が低減できること、また、図3に
示すように、消化管の屈曲部や襞の裏側に隠れた病変部
位、接線方向にある病変部位をフードを押しあてること
で正面視することができるため、その後の観察、処置が
容易であることが挙げられる。
【0003】しかし、フードの有効長が長い場合には挿
入困難例も見られる。例えば、大腸内視鏡検査では、S
状結腸のような屈曲部でフードを装着した状態で挿入を
続けると、内視鏡の先端部を進行方向に向ける際に粘膜
に擦過傷を引き起こす危険性がある。また、粘膜切除を
しようとしてフード内に粘膜を吸引した際に消化管内の
固形便や残さをフード内に吸引してしまってフードから
の除去が困難となり、フード内に残留した結果、観察視
野が大幅に低下する場合があった。更にたとえ吸引した
固形便や残さを内視鏡に備え付けのノズル若しくは鉗子
孔から蒸留水を噴射することにより除去できたとして
も、フードの内表面に付着した水滴により観察視野が低
下することがあった。更にフードの先端部外周が内視鏡
画像に映り、透明なフードであっても術者にとっては煩
わしく感じられる問題点があった。
【0004】一方、有効長の短いフードでは上記の欠点
は解決できるが、逆に粘膜をフード内に吸引して絞扼・
切除を行うことが困難になる等の問題点がある。従っ
て、検査時に短いフードを使用し、処置時に長いフード
を使用することもあり、そうした場合、フードの交換の
ために内視鏡を挿入し直さなければならず、患者に苦痛
を与えるばかりでなく、治療時間が大幅に長くなる問題
点があった。
【0005】また、フードの有効長の長短に係わらず、
フードの先端が硬質で、肉薄であるため腸管からの出血
若しくは穿孔を生じる危険性があった。しかも、大腸の
腸管は非常に薄く、穿孔の危険性が高いのでフード内へ
の吸引操作は禁忌であった。しかし手術によっては吸引
操作が必要な場合もあり、この操作を安全に実施できる
フードが望まれていた。更に、図2に示すような内視鏡
に着脱可能な固定手段を有するフードを使用した場合、
内視鏡に確実に固定する手段を有していなければ、内視
鏡の挿入時にフードが内視鏡の後方にずれてしまうこと
があるため、実質的にフードの深さが0となり、内視鏡
のレンズ面と消化管壁との間に一定の距離を保つことが
できなくなり、消化管壁が内視鏡のレンズに密着してし
まい、視野が失われる可能性があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来構造に
よる内視鏡用フードの問題点を解決するために多くの検
討を行った結果なされたもので、その目的は、消化管検
査時に内視鏡の挿入を容易にし、病変部位を迅速かつ確
実に発見して、安全かつ的確に内視鏡的処置を行うこと
ができる内視鏡用フードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
円筒状に形成された内視鏡の先端部の外周に、後端部の
外周にリブを有するスライドフードを装着し、更にその
スライドフードに、先端部の内側にリブを有する外筒を
被せて、外筒の後端部を内視鏡の先端部に一体化すると
ともに、スライドフードの後端部にはシールリングを付
設して、内視鏡先端部の外周面、外筒の内周面及びスラ
イドフードの後端面で囲んで形成された環状空間を気密
に保持し、環状空間の後端部には少なくとも1つの小孔
を設けて、予め内視鏡に設けられた流体の流路と接続
し、流路を通じてシリンジのピストンを前後に操作する
ことにより環状空間に流体を送入、吸引してスライドフ
ードを内視鏡の先端から突出、後退できるようになした
ことを特徴とする内視鏡用フードである。
【0008】また第2の発明は、内視鏡に着脱可能な固
定手段を有する内筒に、後端部の外周にリブを有するス
ライドフードを装着し、更にそのスライドフードに、先
端部の内側にリブを有する外筒を被せて、内筒の後端部
と外筒の後端部を一体化するとともに、スライドフード
の後端部にはシールリングを付設して、内筒の外周面、
外筒の内周面及びスライドフードの後端面で囲んで形成
された環状空間を気密に保持し、環状空間の後端部には
少なくとも1つの小孔を設けて、予め内視鏡に設けられ
た流体の流路と接続し、流路を通じてシリンジのピスト
ンを前後に操作することにより環状空間に流体を送入、
吸引してスライドフードを内視鏡の先端から突出、後退
できるようになした内視鏡用フードである。
【0009】また、第2の発明において、スライドフー
ドを完全に後退させて環状空間内に収納した時、スライ
ドフードの先端が内視鏡先端より突出した状態になるよ
うに内筒先端内周に内視鏡固定用リブを設ける。また更
に、スライドフードの先端部外周にリブを設け、必要に
応じスライドフード及び外筒に親水処理を施す。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に
説明する。図1は本発明の第一の実施例となる内視鏡用
フードを示す図で(a)は内視鏡用フードが付設された
内視鏡先端部の切り欠き断面図、(b)はスライドフー
ドが後退した状態を示す図、(c)はスライドフードが
突出している状態を示す図である。
【0011】円筒状に形成された内視鏡(7)の先端部
の外周面には、後端部の外周にリブを有するスライドフ
ード(2)が装着されており、スライドフード(2)に
は、先端部の内側にリブを有する外筒(3)が被せら
れ、外筒(3)の後端部には内視鏡(7)の先端部に一
体化されている。更に、スライドフード(2)の後端に
はシールリング(4)が付設されており、シールリング
(4)の後方に外筒(3)及び内視鏡(7)の先端部に
挾まれた気密状態の環状空間(11)が形成される。そ
の環状空間(11)の後端には流体を送るため、予め内
視鏡(7)に付設されたチューブ(6)が接続され、チ
ューブ(6)の後端にはシリンジ(10)、流体を送入
するためのコネクター(8)が付設されている。送入し
た流体が漏れないようにするため、コネクター(8)に
は一方弁等の開閉機構を付設するのが好ましい。シリン
ジ(10)よりチューブ(6)を介して環状空間(1
1)に流体を送入することにより、スライドフード
(2)を突出させて、図1(c)の状態にすることが可
能であり、また、突出させたスライドフード(2)は、
環状空間(11)から、送入された流体をシリンジ(1
0)により吸引、除去することにより、後退させて図1
(b)の状態とすることが可能である。
【0012】このように、本発明によれば、手元のシリ
ンジ操作により、容易にスライドフードを突出、後退さ
せることが可能となる。また、本発明によればスライド
フードの突出時の長さは、使用目的によりシリンジ(1
0)により流体の送入量を調整、制御することで任意に
設定することも可能であり、内視鏡と消化管上の被観察
物との距離を任意に保つことができる。本発明によれば
スライドフード(2)は円筒状に限定されず、図5に示
すように斜形のものを使用しても良い。更に、図4に示
したように、スライドフード(2)の先端の内側にフッ
ク(12)を設け、スネアー(14)を留置することが
できるようにしても良く、特に、食道、胃及び直腸のよ
うに吸引による粘膜切除を行うことが可能な場合に好適
である。
【0013】上述した実施例では、内視鏡用フードは内
視鏡に組み込まれた状態で固定されているが、本発明
は、この形態のみに限定されるものではない。図2に示
す第2の実施例のように内視鏡用フードを内視鏡から脱
着できるようにした形態をとっても良く、その一実施例
となる形態を図2(a)、スライドフードが後退した状
態を図2(b)、スライドフードが突出している状態を
図2(c)に示す。内筒は、内視鏡へ脱着可能な固定手
段により、内視鏡(7)に装着される。図2では、固定
手段として、装着用筒(5)が内筒(1)の後端部に設
けられている。この装着用筒(5)を内視鏡(7)には
め込むことにより、内視鏡用フードは内視鏡(7)に固
定される。装着用筒(5)としては内視鏡から外れにく
いこと、さらに粘膜等を陰圧で吸引したときにエアーが
漏れにくいことが必要である。しかし、内視鏡との嵌合
がきつ過ぎると内視鏡が故障する原因になり易いため、
装着用筒(5)には適度な柔軟性とシール性を持った材
料を用いるのがよい。例えば熱可塑性エラストマー、シ
リコーンゴム、イソプレンゴム等の各種のゴムが好適で
ある。ただし、本発明で使用する内視鏡固定手段はこの
装着用筒に限定されない。
【0014】内筒(1)の外周面には、後端部の外周に
リブを有するスライドフード(2)が装着されており、
スライドフード(2)には、先端部の内側にリブを有す
る外筒(3)が被せられ、外筒(3)の後端部は内筒
(1)の後端部に一体化されている。更に、スライドフ
ード(2)の後端にはシールリング(4)が付設されて
おり、シールリング(4)の後方に外筒(3)及び内筒
(1)に挾まれた気密状態の環状空間(11)が形成さ
れる。その環状空間(11)の後端には流体を送るため
のチューブ(6)が接続されている。チューブ(6)は
予め内視鏡に設けていても、内視鏡の外側にテープで固
定しても良い。
【0015】また、第2の実施例においては、内視鏡固
定用リブ(16)を内筒先端部内側に設けることによ
り、本フードの内視鏡への固定をいっそう確実にするこ
とが可能となる。その一実施例を図6に示す。この第3
の実施例によれば、内視鏡固定用リブ(16)に内視鏡
(7)の先端部を押しあてることで、内視鏡用フードの
固定はいっそう安定する。リブ(16)の形態に特に制
限はなく、例えば1〜3個の突起を設けてもよく、又は
円周状のリブとしてもよい。
【0016】また、内視鏡固定用リブ(16)は、フー
ドを完全に後退させた時のフード(2)の深さが1〜5
mmとなる位置が好ましく、より好ましくは2〜3mm
となる位置に設けられる。深さが1mm未満では内視鏡
の先端に消化管壁が接触して視野を失うので好ましくな
く、5mmを超えると内視鏡画像に常時フードの先端が
映り、フード後退時の観察視野を悪くするので好ましく
ない。更に、以上に述べた1、2又は3の実施例におい
て、スライドフード(2)の先端外周部にリブ(15)
を設けることにより、内視鏡を挿入する時や、フード内
に粘膜を吸引した時に、スライドフード(2)の先端で
粘膜に損傷を与えることがないので好ましい。その一実
施例を図7に示す。
【0017】この第4の実施例によれば、リブ(15)
は曲面形状を有し、スライドフード(2)の先端外周に
設けられる。ただし、内視鏡用フードを直腸を除く結腸
において処置時に使用する場合は、リブ(15)が内筒
(1)の内側に張り出してはならない。前記部位におい
ては、吸引による粘膜切除は穿孔の危険があり基本的に
実施されないため、図4に示すようなフック(12)は
不要であり、逆にこのフックのようにリブ(15)が内
側に張り出すと、鉗子孔(9)からスネアー等の処置具
を挿通する時に処置具の先端がリブにひっかかり、ポリ
ープ等の切除ができなくなる場合があるので好ましくな
い。また、リブ(15)の大きさは外筒(3)の外径と
同程度に設定することが好ましい。リブ(15)の外径
が外筒(3)の外径より大きいと、内視鏡の挿入性及び
スライドフード(2)を突出させた時の視野が悪くなる
ので好ましくなく、外筒(3)の外径より小さいと、ス
ライドフード(2)を後退させた時のリブ(15)と外
筒(3)との間に段差が生じて、内視鏡挿入時に消化管
の粘膜を傷つけやすくなるので好ましくない。
【0018】リブ(15)を構成する材料はショア硬度
がA100より小さく、さらに透明性を有し、生体組織
に対する静摩擦係数の小さい熱可塑性エラストマーが好
ましい。ショア硬度がA100より大きいと、スライド
フード(2)内に粘膜を吸引した時に粘膜を損傷しやす
くなるので好ましくない。また、透明性のない天然ゴム
やシリコーンゴムを使用すると、スライドフード(2)
を突出させた時に内視鏡視野にリブ(15)が映り、良
好な視野が得られなくなるばかりか、摩擦係数が高いの
で、スライドフード(2)内に粘膜を吸引する時に抵抗
を生じ、十分な範囲を吸引しきれなくなる場合があるの
で好ましくない。リブ(15)はスライドフード(2)
の先端に後加工により固定される。固定方法は制限され
ず、接着又は溶着のいずれでもよく、スライドフード
(2)の材質とリブ(15)の材質を考慮して決める。
【0019】上述した条件を満足するものであれば、リ
ブ(15)に使用できる材料に特に制限はなく、例え
ば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン
や、これらのポリマーアロイが使用可能である。ただ
し、本発明はリブ(15)の材料を熱可塑性エラストマ
ーに限定するものではなく、スライドフード(2)と同
じ硬質材料でも良い。また更に、以上の1、2、3又は
4の実施例において、特に、スライドフード(2)を突
出した状態で内視鏡を挿入する時に、スライドフード
(2)の表面に水滴が付着した場合でも視野の確保を可
能とするため、また生体組織に対する摩擦係数を小さく
するために、スライドフード(2)の内外表面及び外筒
(3)、或いはリブ(15)の外表面に親水処理を施し
ても良い。
【0020】この第5の実施例において、スライドフー
ド(2)及び外筒(3)或いはリブ(15)に親水処理
を施す方法としては、例えばプラズマ処理又はハイドロ
ゲルをコートする方法等が挙げられる。スライドフード
の内外表面に親水処理を施すことにより、水滴が表面に
付着した場合でも水滴との接触角が低下し光の屈折角が
小さくなるため、良好な視野を得ることが可能となる。
更に、外筒(3)或いはリブ(15)の外表面に同様の
親水処理を施せば、生体組織に対する摩擦係数が小さく
なるため、内視鏡用フードにより引き起こされる粘膜の
擦過傷をより少なくすることが可能となる。プラズマ処
理に用いるガス及び処理条件はスライドフード(2)に
使用する材質により異なるが、スライドフード(2)の
透明性を損なわない条件を選択する必要がある。また、
使用するハイドロゲルはヒアルロン酸、ポリビニルピロ
リドン、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールやこれらの共重合体等が
好適である。
【0021】次に、本発明を実施するにあたって必要と
なる部材について説明する。本発明に使用される内筒
(1)、スライドフード(2)さらに外筒(3)は透明
性を有することが好ましい。特にスライドフード(2)
においては、その透明性が十分でない場合、スライドフ
ード(2)を突出した時に観察視野が狭くなったり、ス
ライドフード(2)を通しての観察ができない等の不具
合が起こるので好ましくない。また、スライドフード
(2)は図1(a)の内視鏡先端部の外周面、又は図2
(a)の内筒(1)の外周面及び外筒(3)の内周面と
の摺動性が良好であることが好ましく、そのために内筒
(1)、スライドフード(2)さらに外筒(3)は高い
寸法精度を必要とする。更にこれらの部材は内視鏡用フ
ード装着後の内視鏡先端の嵩張りをできる限り抑え、且
つ流体の送入又は吸引圧力に耐えうる構造とするため肉
薄且つ適度な機械的強度を有する必要がある。このよう
な条件を満たす内筒(1)、スライドフード(2)及び
外筒(3)に使用する材料は例えば、ポリカーボネート
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリ
ル樹脂、ABS樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等やこ
れらのポリマーアロイが好適である。
【0022】本発明に使用されるシールリング(4)は
環状空間の気密性を保ち、且つ図1(a)の内視鏡先端
部の外周表面、又は図2(a)の内筒(1)の外周表面
及び外筒(3)の内周表面との間の十分な摺動性が必要
である。使用される材料は例えば、シリコーンゴム、イ
ソプレンゴム等のゴムや軟質プラスチック等が好適であ
るが、少なくとも5%のシリコーンオイルを含有するシ
リコーンゴムが特に好ましい。また、本発明ではシール
リング(4)の気密性と摺動性を向上させるために、シ
ールリング(4)の表面に潤滑処理を施したり、図1
(a)の内視鏡先端部の外周表面、又は図2(a)の内
筒(1)の外周表面及び外筒(3)の内周表面の表面粗
さを調整したり、シリコーンオイル等の潤滑剤を塗布し
ても良い。シールリング(4)のスライドフード(2)
の後端への固定方法は例えば、シールリングをスライド
フードに接着するか、またはシールリング(4)とスラ
イドフード(2)の後端が嵌合可能な凹凸を設け、嵌合
固定しても良い。
【0023】本発明で使用するチューブ(6)は、予め
内視鏡(7)に組み込まれていることが好ましいが、内
視鏡(7)の外側にテープで固定しても良い。この場
合、チューブ(6)は、柔軟であるが内視鏡操作により
よれたり折れ曲がったりせず、流体の送入又は吸引圧力
に耐えうる材質を選択する必要がある。このような条件
を満足する材料としては、例えばポリアミド樹脂、塩化
ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等の可撓性を有する高分
子材料が好適である。また、耐圧性や強度を向上するた
めに、ポリエステル繊維や金属線等のメッシュでチュー
ブを補強してもよい。
【0024】次に、大腸内視鏡の場合を例にとり、本発
明による内視鏡用フードの使用方法について説明し、本
発明の効果をより明確にする。本発明による内視鏡用フ
ードを備えた内視鏡(6)を肛門から挿入する。必要に
よりキシロカインゼリーやグリセリン等で滑りを良くす
る場合があるが、第5の実施例で述べたように表面に親
水処理を施した場合は、この必要がなく挿入することが
可能となる。また、第4の実施例では、リブ(15)が
設けてあるため、スライドフード(2)の先端で粘膜を
損傷することなく挿入することができる。この時、スラ
イドフード(2)は完全に後退した状態にあり、このま
ま挿入してゆくと粘膜が内視鏡先端に密着して赤玉と呼
ばれる内視鏡の画像が真っ赤になる状態に陥り、内視鏡
(7)を挿入すべき方向を見失い、画像を見ながらの挿
入が困難となる。
【0025】そこで、シリンジ(10)より流体を内視
鏡用フードの環状空間(11)に送入し、スライドフー
ド(2)を前方に突出させると、内視鏡の先端に密着し
た粘膜は、スライドフード(2)により内視鏡(7)の
焦点距離の範囲まで押し離され、挿入した部位の粘膜の
状態が画像に映し出される。次いで、大腸内に送気して
扁平状態にある大腸を膨張させると、内視鏡の進行方向
が画像に映し出される。スライドフード(2)が完全に
後退している時のフードの深さが0ではなく、内視鏡の
焦点距離の範囲にある第1及び第3の実施例では、内視
鏡先端と粘膜との間に距離が保たれるので赤玉になるこ
とがなく常時観察可能である。また、内視鏡のレンズを
粘膜から引いて、なるべく広範囲を観察したい場合は、
前記と同様にしてスライドフード(2)を突出させれば
良い。
【0026】続いて、S状結腸のような激しく屈曲した
部位を通過させる時には、スライドフード(2)を突出
状態にしておくとスライドフード(2)のエッジ等によ
り粘膜損傷を起こす可能性があるので、シリンジにより
環状空間(11)内の流体を吸引・除去しスライドフー
ド(2)を後退させて、内視鏡先端部の長さを最も短く
することで通過させることが可能となる。更に第4の実
施例のようにスライドフード(2)の先端部にリブ(1
5)を設けることにより、内視鏡を強く挿入して、その
先端で腸管を圧迫した場合でも、粘膜に擦過傷や穿孔を
引き起こさない。また更に第5の実施例のように親水処
理を施せばより安全に内視鏡の挿入ができる。
【0027】また、病変部位を染色して観察するような
場合、スライドフード自体や、スライドフードに付着し
た染色液が画像に映って十分な観察ができなくなるの
で、スライドフード(2)を後退させて、スライドフー
ド(2)が画像に映らないようにすれば良い。しかし、
屈曲の強い部位や大腸の襞の裏側に位置する病変部位を
観察する場合は、図3に示したように、スライドフード
(2)を突出して、その先端を軽く押し当てれば、対象
部位を容易に観察することが可能となる。このように、
本発明による内視鏡用フードを用いれば、常時、内視鏡
の進行方向を確認しながらの挿入が容易になるので、挿
入時間が短縮され患者や医師の負担を軽減することがで
きる。
【0028】また、図3に示したように、スライドフー
ド(2)の先端内周にフック(12)を設け、予めスネ
アー(14)を設置できるようにし、上述した手段によ
り検査を実施した結果、特に直腸において切除すべき病
変部を発見した場合は、スライドフード(2)を突出し
た状態でスライドフード内に病変部位を吸引して、スネ
アー(14)で病変部位を絞扼後、高周波電流を通電し
て切除することが可能である。切除した病変部は突出し
たスライドフード(2)内に吸引して回収する。
【0029】
【発明の効果】本発明の内視鏡用フードを使用すれば、
内視鏡装着時にスライドフードの深さをシリンジ操作に
より容易に調節できるため、突出又は後退の状態を逐次
変化させて使用することが可能であり、内視鏡の挿入、
消化管の正確な検査或いは病変部を切除、回収する操作
を簡便にする内視鏡用フードとして極めて有効である。
さらに、内視鏡と消化管上の被観察物との距離を少なく
とも2段階に保つことができるので、内視鏡の挿入時の
作業性や安全性の向上、消化管の襞の裏側にある病変部
の観察が可能となる等、様々なメリットを術者や患者に
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例となる内視鏡用フードの
形態を示す図で、(a)は内視鏡フードが付設された内
視鏡先端部の切り欠き断面図、(b)はスライドフード
が後退した状態を示す図、(c)はスライドフードが突
出している状態を示す図である。
【図2】第2の発明の一実施例となる内視鏡用フードの
形態を説明するための図で、(a)は着脱式の内視鏡フ
ードが内視鏡に装着された状態を示す切り欠き断面図、
(b)はスライドフードが後退した状態を示す図、
(c)はスライドフードが突出している状態を示す図で
ある。
【図3】本発明による内視鏡用フードの1使用例を示し
た図である。
【図4】本発明による内視鏡用フードのスライドフード
の一実施例を説明する図である。
【図5】本発明による内視鏡用フードのスライドフード
の他の実施例を説明する図である。
【図6】第3の発明の一実施例となる内視鏡用フードの
形態を説明する図である。
【図7】第4の発明の一実施例となる内視鏡用フードの
形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 内筒 2 スライドフード 3 外筒 4 シールリング 5 装着用筒 6 チューブ 7 内視鏡 8 コネクタ 9 鉗子孔 10 シリンジ 11 環状空間 12 フック 14 スネアー 15 リブ 16 内視鏡固定用リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−179335 (32)優先日 平成10年6月25日(1998.6.25) (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状に形成された内視鏡の先端部の外
    周に、後端部の外周にリブを有するスライドフードを装
    着し、更にそのスライドフードに、先端部の内側にリブ
    を有する外筒を被せて、外筒の後端部を内視鏡の先端部
    に一体化するとともに、スライドフードの後端部にはシ
    ールリングを付設して、内視鏡先端部の外周面、外筒の
    内周面及びスライドフードの後端面で囲んで形成された
    環状空間を気密に保持し、環状空間の後端部には少なく
    とも1つの小孔を設けて、予め内視鏡に設けられた流体
    の流路と接続し、流路を通じてシリンジのピストンを前
    後に操作することにより環状空間に流体を送入、吸引し
    てスライドフードを内視鏡の先端から突出、後退できる
    ようにしたことを特徴とする内視鏡用フード。
  2. 【請求項2】 内視鏡に着脱可能な固定手段を有する内
    筒に、後端部の外周にリブを有するスライドフードを装
    着し、更にそのスライドフードに、先端部の内側にリブ
    を有する外筒を被せて、内筒の後端部と外筒の後端部を
    一体化するとともに、スライドフードの後端部にはシー
    ルリングを付設して、内筒の外周面、外筒の内周面及び
    スライドフードの後端面で囲んで形成された環状空間を
    気密に保持し、環状空間の後端部には少なくとも1つの
    小孔を設けて、予め内視鏡に設けられた流体の流路と接
    続し、流路を通じてシリンジのピストンを前後に操作す
    ることにより環状空間に流体を送入、吸引してスライド
    フードを内視鏡の先端から突出、後退できるようになし
    たことを特徴とする内視鏡用フード。
  3. 【請求項3】 スライドフードを完全に後退させて環状
    空間内に収納した時、スライドフードの先端が内視鏡先
    端より突出した状態になるように内筒先端内周部に内視
    鏡固定用リブを設けた請求項2記載の内視鏡用フード。
  4. 【請求項4】 スライドフードの先端外周部にリブ備え
    た請求項1〜3記載のいずれかの内視鏡用フード。
  5. 【請求項5】 スライドフード及び外筒に親水処理を施
    した請求項1〜4記載のいずれかの内視鏡用フード。
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