JP2000074184A - ハイドロスタティックトランスミッション装置 - Google Patents

ハイドロスタティックトランスミッション装置

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JP2000074184A
JP2000074184A JP10260953A JP26095398A JP2000074184A JP 2000074184 A JP2000074184 A JP 2000074184A JP 10260953 A JP10260953 A JP 10260953A JP 26095398 A JP26095398 A JP 26095398A JP 2000074184 A JP2000074184 A JP 2000074184A
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clutch
line
hydraulic motor
pump
pressure
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JP10260953A
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Tadashi Mitamura
正 三田村
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速走行時には、無段階変速といった特性を
維持しながらも、高速走行時には、動力源の駆動力を直
接的に油圧モーター側に伝えるようにして、伝達効率が
悪くなるのを避けることのできるハイドロスタティック
トランスミッション装置を提供することである。 【解決手段】 前進走行ライン2の圧力に応じて、流体
圧モーター3を1速または2速に自動的に設定する。流
体圧モーター3が2速に設定された状態で、可変吐出ポ
ンプ1の斜板傾転角を設定角度以上にしたときには、ク
ラッチ13を連係して流体圧モーター3をエンジンEに
直結し、エンジンEでモーター3を駆動するが、上記以
外の場合には、可変吐出ポンプ1の吐出流体によって流
体圧モーター3を駆動する通常のハイドロスタティック
トランスミッション装置として機能させる構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロードローラ等
の作業車両の走行駆動機構として用いられるハイドロス
タティックトランスミッション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイドロスタティックトランスミッショ
ン装置とは、具体的に図示しないが、可変吐出ポンプ
と、油圧モーターとによって閉回路を構成したものであ
る。すなわち、エンジンの駆動力で可変吐出ポンプを回
転させると、この可変吐出ポンプは、斜板の傾きに応じ
て作動油を吐出する。そして、その吐出油によって油圧
モーターを回転させて、車両を走行させるとともに、こ
の油圧モーターから排出された作動油を可変吐出ポンプ
に戻す構成となっている。
【0003】このようにしたハイドロスタティックトラ
ンスミッション装置では、エンジンの回転数を一定にし
ておけば、可変吐出ポンプも一定回転する。そして、そ
の状態で、可変吐出ポンプの斜板を傾けて、その吐出量
を最小から最大に制御すれば、油圧モーターの回転速度
を連続的にコントロールすることができる。したがっ
て、無段階変速が可能となり、例えば、スムーズな発
進、加速、減速を実現することができる。また、可変吐
出ポンプの斜板の傾きを反対にすれば、その吐出方向を
逆にすることができる。したがって、油圧モーターを正
逆両方向に回転させて、車両を前進走行させたり、後進
走行させたりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなハイドロ
スタティックトランスミッション装置では、特に変速す
ることの多い低速走行時において、無段階変速といった
特性が非常に有効なものとなる。しかし、エンジンの駆
動力を、直接的ではなく、作動油を介して間接的に油圧
モーター側に伝えることから、伝達効率が悪く、燃費等
の点で劣ってしまう。そして、高速で通常走行するよう
な時には、変速の必要性はほとんどない。そのために、
高速走行時には、無段階変速といった特性よりも、伝達
効率が悪くなるといった欠点が目立ち、この欠点が大き
な問題となってしまう。この発明の目的は、低速走行時
には、無段階変速といった特性を維持しながらも、高速
走行時には、動力源の駆動力を直接的に油圧モーター側
に伝えるようにして、伝達効率が悪くなるのを避けるこ
とのできるハイドロスタティックトランスミッション装
置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、一
方向に回転する動力源と、この動力源に連係され、斜板
の傾きに応じて吐出量および吐出方向を変える可変吐出
ポンプと、この可変吐出ポンプの吐出流体で駆動される
とともに、斜板の傾きに応じて大・小2種類の容量が設
定される流体圧モーターと、上記可変吐出ポンプの一方
のポートを上記流体圧モーターの一方のポートに接続す
る前進走行ラインと、この前進走行ラインの圧力を検出
する圧力センサと、上記可変吐出ポンプの他方のポート
を上記流体圧モーターの他方のポートに接続する後進走
行ラインと、上記前進走行ラインと後進走行ラインとを
連通して流体圧モーターを迂回するバイパスラインと、
このバイパスラインを連通したり遮断したりする連通バ
ルブと、流体圧モーターを上記動力源側に連係したり、
その連係を遮断したりするクラッチと、このクラッチに
作用して流体圧モーターを動力源側に連係させるための
流体圧で作動するクラッチ連係機構と、クラッチ制御バ
ルブと、このクラッチ制御バルブを切り換えたときに上
記クラッチ連係機構に流体を供給する制御ポンプと、上
記流体圧モーターの斜板の傾きを切り換える容量切換機
構と、上記可変吐出ポンプの斜板の傾転角を検出する傾
転角センサと、上記圧力センサおよび上記傾転角センサ
からの検出信号に応じて上記容量切換機構、クラッチ制
御バルブおよび連通バルブを制御するコントローラとを
備えている。
【0006】そして、上記コントローラは、上記圧力セ
ンサから設定圧力以下の検出信号が入力されたときに
は、上記容量切換機構を小容量側に切り換え、この状態
で、上記傾転角センサが、車両の前進走行範囲内で設定
角度以上の傾転角を検出したときには、上記コントロー
ラが、上記クラッチ制御バルブと上記連通バルブとを切
り換えて、上記制御ポンプからクラッチ連係機構へ流体
を供給させてクラッチを連係させるとともに、上記バイ
パスラインを連通させる構成にした点に特徴を有する。
【0007】第2の発明は、前進走行ラインと後進走行
ラインとを接続する連通ラインと、この連通ライン上に
制御ポンプの吐出ポートを接続した接続部と、上記連通
ライン上であって上記接続部より前進走行ライン側に設
け、上記接続部から上記前進走行ラインへの流通のみを
許容するチェックバルブと、上記連通ライン上であって
上記接続部より後進走行ライン側に設け、上記接続部か
ら上記後進走行ラインへの流通のみを許容するチェック
バルブとを備えるとともに、容量切換機構が制御ポンプ
から供給される流体によって作動する構成とした点に特
徴を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明のハイドロスタティック
トランスミッション装置の実施例を、図1に示す。この
装置は、可変吐出ポンプ1を、その動力源であるエンジ
ンEに連係させている。そして、この可変吐出ポンプ1
の一方のポート1aを、前進走行ライン2を介して、油
圧モーター3の一方のポート3aに接続している。ま
た、この可変吐出ポンプ1の他方のポート1bを、後進
走行ライン4を介して、油圧モーター3の他方のポート
3bに接続している。したがって、これら可変吐出ポン
プ1と油圧モーター3とによって、閉回路を構成する。
【0009】上記可変吐出ポンプ1は、常に、エンジン
Eの回転方向に回転している。そして、可変吐出ポンプ
1の斜板を前進走行範囲で傾ければ、この可変吐出ポン
プ1は、ポート1aから前進走行ライン2側に作動油を
吐出する。したがって、その吐出量に応じた速度で油圧
モーター3が正回転して、車両を前進走行させることに
なる。そして、可変吐出ポンプ1の斜板の傾転角が最大
のとき最大吐出量となる。また、可変吐出ポンプ1の斜
板を後進走行範囲で傾ければ、この可変吐出ポンプ1の
吐出方向が逆となり、ポート1bから後進走行ライン4
側に作動油を吐出する。したがって、その吐出量に応じ
た速度で油圧モーター3が逆回転して、車両を後進走行
させることになる。
【0010】可変吐出ポンプ1の斜板には、斜板の傾き
を検出する傾転角センサ5を連係している。この傾転角
センサ5は、電気的なセンサで、コントローラCに接続
し、傾転角の検出信号をコントローラCに入力する。さ
らに、上記可変吐出ポンプ1には、制御ポンプ6を連設
している。この制御ポンプ6は、エンジンEの駆動力に
よって、可変吐出ポンプ1とともに回転し、吐出ポート
6aから油を吐出する。
【0011】また、上記両走行ライン2、4の間には、
油圧モーター3を迂回するバイパスライン7を設け、こ
のバイパスライン7には、連通バルブ8を設けている。
この連通バルブ8は、スプリング8aの作用でノーマル
位置である閉位置を保ち、ソレノイド8bを励磁するこ
とによってポート8cと8dを連通する開位置に切り換
わるようにしている。上記ソレノイド8bは、上記コン
トローラCの出力信号で制御される。上記バイパスライ
ン7において、連通バルブ8より前進走行ライン2側に
は、圧力センサ9を設けている。この圧力センサ9は、
上記前進走行ライン2の圧力を検出して、その検出信号
をコントローラCへ入力する。
【0012】一方、上記油圧モーター3は、斜板の傾き
を2段階に変化させて、その容量を大・小2種類に設定
することができる2速モーターである。そして、この実
施例の装置では、油圧モーター3の斜板の傾きに応じて
容量を切り換える容量切換機構として、シリンダ10を
用いている。つまり、シリンダ10が図示の収縮状態に
あるとき、油圧モーター3の傾転角を最大に保つ。ま
た、油圧モーター3が伸長すると、そのピストンロッド
10aで斜板を押して、その傾転角を最小に保つ。
【0013】そして、油圧モーター3の傾転角が大きい
ときには、そのトルクが大きくなり、傾転角が小さいと
きにはトルクが小さくなる。また、可変吐出ポンプ1の
吐出量を一定とすれば、油圧モーター3は、その傾転角
が大きいときに低回転となり、傾転角が小さいときに高
回転となる。したがって、油圧モーター3の傾転角が大
きい大容量のときには、油圧モーター3が高トルク、低
回転となっていわゆる1速状態になる。反対に、その傾
転角が小さい小容量のときには、油圧モーター3が低ト
ルク、高回転となっていわゆる2速状態になる。ただ
し、このハイドロスタティックトランスミッション装置
では、油圧モーター3の回転速度が、可変吐出ポンプ1
の吐出量に依存しているので、その吐出量によっては、
高トルク、高回転も可能であり、低トルク、低回転も可
能である。したがって、この実施例の場合には、1速あ
るいは2速での速度制御の幅が大きくなるという特徴を
有する。
【0014】上記のように油圧モーター3の傾転角を制
御するシリンダ10は、油圧室10bとロッド側室10
cを設けるとともに、このロッド側室10cにスプリン
グ10dを設けている。したがって、油圧室10bに油
圧が作用していないときには、シリンダ10はそのスプ
リング10dの作用で図示の収縮状態を保つ。言い換え
れば、油圧室10bに油圧が作用していないときには、
油圧モーター3が前記1速の状態に設定される。また、
上記油圧室10bに油圧が作用すると、シリンダ10は
スプリング10dに抗して伸長し、油圧モーター3の傾
転角を小さくして、油圧モーター3を前記2速の状態に
設定する。
【0015】上記のようにしたシリンダ10の油圧室1
0bには、容量制御バルブ11のポート11aを接続し
ている。また、この容量制御バルブ11の別のポート1
1bは、上記制御ポンプ6の吐出ポート6aに接続し、
油圧室10bは、容量制御バルブ11を介して、上記制
御ポンプ6に接続している。上記容量制御バルブ11
は、ソレノイド11cを励磁することにより、切り換わ
るバルブで、スプリング11dによって、図示のノーマ
ル位置を保っている。そして、このソレノイド11c
は、上記コントローラCによって制御される。図示の状
態では、油圧室10bが、容量制御バルブ11のポート
11aを介してタンクTに接続している。したがって、
シリンダ10が収縮していて、油圧モーター3は1速に
設定されている。
【0016】一方、ソレノイド11cが励磁され、この
容量制御バルブ11がノーマル位置からオフセット位置
に切り換わると、ポート11aと11bとが連通し、制
御ポンプ6から油圧室10bに圧油が供給される。した
がって、シリンダ10が伸長して、油圧モーター3は2
速側に設定される。上記のことからも明らかなように、
容量制御バルブ11の切り換え位置によって、油圧モー
ター3が、1速あるいは2速に設定される。そして、こ
の容量制御バルブ11は、コントローラCで制御する
が、コントローラCは、上記圧力センサ9から設定圧力
以下の圧力検出信号が入力されたときに、上記ソレノイ
ド11cを励磁し、容量制御バルブ11を切り換えるよ
うにしている。すなわち、前進走行ライン2の圧力が、
設定圧力以下になったときに、油圧モーター3は、2速
に設定される。
【0017】上記前進走行ライン2の圧力は、車両の走
行状態によって異なる。例えば、車両が、平地走行状態
にあって、負荷がかからない状態では、圧力は低くな
る。反対に、発進時や登坂状態にあるときには、前進走
行ライン2の圧力が高くなる。つまり、圧力センサ9が
高圧を検出したときは、高トルクを必要とするときであ
り、低圧を検出したときは、低トルクでよいときであ
る。したがって、上記コントローラCは、圧力センサ9
から、設定圧力以下の検出信号が入力されたときには、
油圧モーター3を低トルクである2速に設定するため
に、容量制御バルブ11を切り換えるようにしている。
一方、圧力センサ9が上記設定圧力を超える圧力を検出
したときには、容量制御バルブ11を図示のノーマル位
置に保つようにしている。つまり、上記圧力センサ9か
らの検出信号に応じて、油圧モーター3に、1速、2速
が自動的に設定される。
【0018】さらに、この実施例では、従来のハイドロ
スタティックトランスミッション装置とは異なり、上記
油圧モーター3を、軸12を介して可変吐出ポンプ1側
に連係させている。ただし、この軸12の途中には、ク
ラッチ13を設けている。クラッチ13は、具体的に図
示しないが摩擦クラッチ方式を採用し、通常は、油圧モ
ーター3を可変吐出ポンプ1側から遮断する遮断状態に
ある。そして、このクラッチ13が連係状態に切り換わ
ると、油圧モーター3を可変吐出ポンプ1側に機械的に
連係させて、エンジンEの駆動力を、軸12を介して油
圧モーター3側に直接伝わるようにしている。
【0019】このようにしたクラッチ13は、油圧で作
動するクラッチ連係機構14によって作動するようにし
ている。このクラッチ連係機構14には、クラッチ制御
バルブ15を接続している。このクラッチ制御バルブ1
5は、通常、スプリング15aの作用で図示のノーマル
位置を保つ。このノーマル位置では、ポート15bを介
して、クラッチ連係機構14をタンクTに連係し、それ
を操作力解除状態に保つ。クラッチ連係機構14が操作
力解除状態にあれば、クラッチ13は遮断されたままに
なる。また、このクラッチ制御バルブ15のソレノイド
15cを励磁すると、クラッチ制御バルブ15は、スプ
リング15aに抗して、図面右側のオフセット位置に切
り換わる。この切り換え位置においては、ポート15b
と15dとが連通するので、上記制御ポンプ6からの圧
油がクラッチ連係機構14に導かれる。クラッチ連係機
構14に圧油が導入されると、それが作動力となってク
ラッチ13を連係させる。
【0020】なお、上記ソレノイド15cは、上記コン
トローラCに接続されているので、クラッチ制御バルブ
15をノーマル位置に保ったり、あるいは切り換え位置
に保ったりするのは、このコントローラCで制御される
ことになる。そして、上記コントローラCは、次の2つ
の条件が整ったときに、ソレノイド15cを励磁して、
クラッチ13を連係する。すなわち、第1の条件は、上
記容量制御バルブ11を切り換え、油圧モーター3を2
速に設定されていることである。また、第2の条件は、
可変吐出ポンプ1が前進走行範囲で設定角度以上に傾け
られたときである。このような2つの条件が同時に満た
されたとき、上記ソレノイド15cが励磁される。な
お、上記設定角度は、可変吐出ポンプ1の斜板の最大傾
転角あるいはそれに近い傾転角にしている。すなわち、
車両が最大速度になったときには、上記ソレノイド15
cを励磁し、油圧モーター3をエンジンEによって直接
駆動するようにしている。
【0021】また、上記2つの条件が整ったときには、
コントローラCは、上記バイパスライン7に設けた連通
バルブ8のソレノイド8bも励磁する。すなわち、コン
トローラCは、油圧モーター3を2速に設定するととも
に、傾転角センサ5が前進走行範囲で、設定角度以上の
傾転角を検出したときに、上記ソレノイド8bを励磁す
る。つまり、先に説明したクラッチ制御バルブ15が切
り換わるのと同じ条件で、バイパスライン7が連通す
る。
【0022】さらに、両走行ライン2、4との間には、
連通ライン16を設けている。この連通ライン16は、
接続部17を介して、制御ポンプ6の吐出ポート6aに
接続している。上記連通ライン16上であって、接続部
17より前進走行ライン2側には、チェックバルブ18
を設けている。このチェックバルブ18は、接続部17
から前進走行ライン2への流通のみを許容する。一方、
連通ライン16上であって、接続部17より後進走行ラ
イン4側にも、チェックバルブ19を設けている。この
チェックバルブ19は、接続部17から後進走行ライン
4側への流通のみを許容する。このような連通ライン1
6を設けたので、可変吐出ポンプ1→前進走行ライン2
→油圧モーター3→後進走行ライン4からなる閉回路か
ら、外部に油が漏れて油量が減ってしまった場合に、制
御ポンプ6から油を補充できる。
【0023】次に、この実施例のハイドロスタティック
トランスミッション装置の作用を説明する。ロードロー
ラ等の作業車では、エンジンEの回転数を一定にしてお
き、図示しない操作レバーを動かして、可変吐出ポンプ
1の斜板を操作する。そして、最初に、可変吐出ポンプ
1の斜板を車両の前進走行範囲で傾ける場合について説
明する。この車両の前進走行範囲では、前述したよう
に、可変吐出ポンプ1が前進走行ライン2側に作動油を
吐出して、油圧モーター3を正回転させる。
【0024】このとき、圧力センサ9が設定圧力を超え
る圧力を検出していれば、容量制御バルブ11は図示の
ノーマル位置に保持される。したがって、シリンダ10
の油圧室10bがタンクTに連通する。油圧室10bが
タンクTに連通すれば、シリンダ10はスプリング10
dの作用で収縮状態を保ち、油圧モーター3を1速の状
態に保つ。また、圧力センサ9から、コントローラCへ
設定圧力を超える圧力検出信号が入力されていれば、油
圧モーター3が1速の状態にあるので、このときにはク
ラッチ制御バルブ15も図示のノーマル位置を保持す
る。したがって、クラッチ連係機構14が操作力解除状
態を維持し、クラッチ13を遮断したままにする。ま
た、このときには、連通バルブ8も閉位置を保つ。この
ように連通バルブ8が閉位置を保つので、可変吐出ポン
プ1の吐出油が油圧モーター3に供給され、油圧モータ
ー3は上記のように高トルクで作動し、当該車両を1速
で走行させる。そして、このときの車両の走行速度は、
可変吐出ポンプ1の傾転角で制御される。
【0025】次に、車両の走行条件が変化して、前進走
行ライン2の圧力が、設定圧力未満になった場合を説明
する。圧力センサ9が設定圧力以下の圧力検出信号をコ
ントローラCへ入力すると、コントローラCは、上記容
量制御バルブ11のソレノイド11cを励磁する。ソレ
ノイド11cが励磁すると、容量制御バルブ11が切り
換わり、シリンダ10の油圧室10bが、容量制御バル
ブ11を介して制御ポンプ6に連通する。したがって、
この油圧室10bに油圧が導かれるとともに、その圧力
作用でシリンダ10が伸長する。シリンダ10が伸長す
れば、油圧モーター3の傾転角が小さくなり、2速の状
態になる。
【0026】このとき、傾転角センサ5で検出した可変
吐出ポンプ1の傾転角が設定角度以内であれば、コント
ローラCがそれを判断して、クラッチ制御バルブ15を
図示のノーマル位置に保ち、クラッチ13を遮断したま
まにする。それとともに、連通バルブ8も閉位置を保
つ。したがって、可変吐出ポンプ1の吐出油で、油圧モ
ーター3が回転し、当該車両が2速で走行する。そし
て、このときの車両の走行速度は、可変吐出ポンプ1の
傾転角で制御されること、1速の場合と同様である。
【0027】上記のように2速走行時に、可変吐出ポン
プ1の傾転角を大きくしながら増速していくと、その過
程で、傾転角が設定角度以上になる。傾転角が設定角度
以上になると、傾転角センサ5がそれを検知して、コン
トローラCに検出信号を出力する。このように2速走行
時に、可変吐出ポンプ1の傾転角が設定角度以上になっ
たとき、言い換えると、車両の走行速度が設定速度以上
になったとき、コントローラCは、ソレノイド15cを
励磁し、クラッチ制御バルブ15を図面右側位置に切り
換える。
【0028】クラッチ制御バルブ15が上記右側位置に
切り換われば、ポート15bと15dが連通して、制御
ポンプ6の吐出油がクラッチ連係機構14に供給され
る。したがって、クラッチ連係機構14が作動してクラ
ッチ13を連係する。また、これと同時に、コントロー
ラCは、ソレノイド8bも励磁して、連通バルブ8を開
位置に切り換える。したがって、油圧モーター3がクラ
ッチ13を介してエンジンEに直結することになる。ま
た、このときには可変吐出ポンプ1の吐出油が、油圧モ
ーター3に供給されずに、バイパスライン7を通って可
変吐出ポンプ1に戻される。
【0029】このように、油圧モーター3を2速に設定
した状態で、可変吐出ポンプ1の斜板を設定角度以上に
傾けたとき、つまり、高速走行時には、クラッチ13を
連係状態に切り換えることができる。したがって、エン
ジンEの駆動力は、軸12を介して油圧モーター3側に
直接的に伝えられることになり、最も効率よくエンジン
Eの駆動力を出力側に伝達することが可能となる。ま
た、バイパスライン7が連通すると、両走行ライン2、
4が同圧となり、可変吐出ポンプ1の吐出油によって油
圧モーター3を回転させることがなく、そこで伝達効率
が損なわれるおそれがない。
【0030】なお、上記のような閉回路から油漏れが発
生した場合には、上記制御ポンプ6から、連通ライン1
6を介して前進走行ライン2または後進走行ライン4に
補充することができる。例えば、走行中、油漏れによっ
て、後進走行ライン4の圧力が連通ライン16の接続部
17の圧力より低くなった場合には、チェックバルブ1
9を介して、制御ポンプ6から後進走行ライン4へ油を
補給する。反対に、前進走行ライン2の圧力が低くなっ
た場合にも、同様に、チェックバルブ18を介して油を
補給する。もしも、上記閉回路中の油が漏れて、圧力が
下がったままにしておくと、可変吐出ポンプ1から油圧
モーター3への動力の伝達がうまくできなくなってしま
うことがあるが、上記のように制御ポンプ6から補給す
れば、閉回路中には、常に必要量の油が流れ、安定した
運転ができる。
【0031】なお、車両が後進走行するとき、高速とな
ることは考えにくいので、エンジンEの駆動力で油圧モ
ーター3を直接的に回転させる必要性はほとんどない。
そこで、可変吐出ポンプ1の斜板を車両の後進走行範囲
で傾ける場合は、常にクラッチ13を遮断させたままに
している。また、この実施例では、制御ポンプ6を可変
吐出ポンプ1に連設しているが、必ずしも連設させなく
ても良い。ただし、可変吐出ポンプ1に連設させれば、
エンジンEを両ポンプの共通の動力源とすることができ
る。
【0032】
【発明の効果】第1の発明によれば、流体圧モーターを
大容量に設定したとき、あるいは、小容量でも、可変吐
出ポンプの斜板を設定角度に達しない範囲で傾けたとき
には、つまり、低速走行時には、クラッチが遮断状態に
ある。したがって、低速走行時には、通常のハイドロス
タティックトランスミッション装置として機能し、油圧
モーターの回転速度を連続的にコントロールでき、無段
階変速が可能である。これに対し、流体圧モーターを小
容量に設定して、可変吐出ポンプの斜板を車両の前進走
行範囲で設定角度以上に傾けたとき、つまり、高速走行
時には、クラッチを連係状態に切り換えるので、動力源
の駆動力を、流体圧モーター側に直接的に伝えることが
できる。
【0033】また、高速走行時には、連通バルブが連通
位置に切り換わり、バイパスラインが連通するので、両
走行ラインが同圧となり、可変吐出ポンプの吐出流体に
よって流体圧モーターを回転させることがなく、そこで
伝達効率が損なわれるおそれがない。さらに、流体圧モ
ーターとして、その容量を2段階に設定できる2速モー
ターを用いることで、高トルクと低トルク、それぞれの
トルク範囲での速度制御ができる。また、前進走行ライ
ンの圧力に応じて、上記流体圧モーターの容量を自動的
に設定できる。
【0034】第2の発明によれば、両走行ラインからの
流体漏れが発生したときに、制御ポンプによって、流体
を補充することができる。しかも、ひとつの制御ポンプ
を共用して、クラッチ連係機構や容量切換機構の作動
と、上記両走行ラインへの流体供給とができるので、経
済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のハイドロスタティックトラ
ンスミッション装置を示す回路図である。
【符号の説明】
E エンジン 1 可変吐出ポンプ 2 前進走行ライン 3 油圧モーター 4 後進走行ライン 5 傾転角センサ 6 制御ポンプ 6a 吐出ポート 7 バイパスライン 8 連通バルブ 9 圧力センサ 10 シリンダ 11 容量制御バルブ 12 軸 13 クラッチ 14 クラッチ連係機構 15 クラッチ制御バルブ 16 連通ライン 17 接続部 18、19 チェックバルブ C コントローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に回転する動力源と、この動力源
    に連係され、斜板の傾きに応じて吐出量および吐出方向
    を変える可変吐出ポンプと、この可変吐出ポンプの吐出
    流体で駆動されるとともに、斜板の傾きに応じて大・小
    2種類の容量が設定される流体圧モーターと、上記可変
    吐出ポンプの一方のポートを上記流体圧モーターの一方
    のポートに接続する前進走行ラインと、この前進走行ラ
    インの圧力を検出する圧力センサと、上記可変吐出ポン
    プの他方のポートを上記流体圧モーターの他方のポート
    に接続する後進走行ラインと、上記前進走行ラインと後
    進走行ラインとを連通して流体圧モーターを迂回するバ
    イパスラインと、このバイパスラインを連通したり遮断
    したりする連通バルブと、流体圧モーターを上記動力源
    側に連係したり、その連係を遮断したりするクラッチ
    と、このクラッチに作用して流体圧モーターを動力源側
    に連係させるための流体圧で作動するクラッチ連係機構
    と、クラッチ制御バルブと、このクラッチ制御バルブを
    切り換えたときに上記クラッチ連係機構に流体を供給す
    る制御ポンプと、上記流体圧モーターの斜板の傾きを切
    り換える容量切換機構と、上記可変吐出ポンプの斜板の
    傾転角を検出する傾転角センサと、上記圧力センサおよ
    び上記傾転角センサからの検出信号に応じて上記容量切
    換機構、クラッチ制御バルブおよび連通バルブを制御す
    るコントローラとを備え、上記コントローラは、上記圧
    力センサから設定圧力以下の検出信号が入力されたとき
    には、上記容量切換機構を小容量側に切り換え、この状
    態で、上記傾転角センサが、車両の前進走行範囲内で設
    定角度以上の傾転角を検出したときには、上記コントロ
    ーラが、上記クラッチ制御バルブと上記連通バルブとを
    切り換えて、上記制御ポンプからクラッチ連係機構へ流
    体を供給させてクラッチを連係させるとともに、上記バ
    イパスラインを連通させる構成にしたハイドロスタティ
    ックトランスミッション装置。
  2. 【請求項2】 前進走行ラインと後進走行ラインとを接
    続する連通ラインと、この連通ライン上に制御ポンプの
    吐出ポートを接続した接続部と、上記連通ライン上であ
    って上記接続部より前進走行ライン側に設け、上記接続
    部から上記前進走行ラインへの流通のみを許容するチェ
    ックバルブと、上記連通ライン上であって上記接続部よ
    り後進走行ライン側に設け、上記接続部から上記後進走
    行ラインへの流通のみを許容するチェックバルブとを備
    えるとともに、容量切換機構が制御ポンプから供給され
    る流体によって作動する構成としたことを特徴とする請
    求項1に記載のハイドロスタティックトランスミッショ
    ン装置。
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