JP2000069788A - ブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータ

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JP2000069788A
JP2000069788A JP10234690A JP23469098A JP2000069788A JP 2000069788 A JP2000069788 A JP 2000069788A JP 10234690 A JP10234690 A JP 10234690A JP 23469098 A JP23469098 A JP 23469098A JP 2000069788 A JP2000069788 A JP 2000069788A
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angle
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英樹 須永
Futoshi Araki
太 新木
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剛 関根
Eiji Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DCモータをブラシレス構造とし、電機子コ
イル電流の切り替えタイミングを最適制御して省エネル
ギーかつ低騒音なブラシレスモータを提供する。 【解決手段】 ステータ3には、電機子コイル4a〜4
fが配置され、その外側にはメインマグネット2を備え
たロータ1が配置され、センサマグネット5は、ロータ
1と一体に回転するシャフト6に共鳴音が小さくなる遅
れ角にて取り付けられ、このセンサマグネット5による
磁界の方向を検出するホールIC1〜3が、ステータ3
の内周に配置されている。進角制御手段12aは、セン
サ信号を受けて、その磁界方向変化検出の周期からモー
タの回転速度を算出し、この回転速度が一定速度に達し
たら、進角制御のための進角量を出力し、タイミング制
御手段12bにて、センサ信号および進角量を受けて、
進角制御を行い、モータ駆動回路13を介してMOSF
ET(Q1〜Q6)の電流切り替えタイミングを制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の送風機フ
ァンの駆動などに好適なアウタロータ形のブラシレスD
Cモータにおいて、電機子コイルを流れる電流の切り替
えタイミングを最適化したブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などの車両に搭載されるモ
ータ、例えば空調装置に用いられる送風機ファンの回転
駆動用モータには、電機子コイルに流れる電流の方向を
整流子とブラシを用いて切り替えるDCモータが用いら
れてきた。
【0003】この従来の車両搭載のDCモータでは、電
源に車両のバッテリーを用い、定電圧電源で駆動する。
このためブラシを用いたDCモータの回転制御では、電
源電圧を分圧抵抗によって分圧して用いる。例えばバッ
テリー電圧が12Vで、DCモータを3Vで駆動する場
合、残りの9Vは分圧抵抗に印加され、熱となって消費
される。このため、分圧抵抗で消費される電力が無駄に
なってエネルギー効率が良くない。さらにブラシによる
しゅう動音が騒音発生の原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、DCモ
ータをブラシレス構造とし、電源電圧のデューティを可
変(パルス幅制御)して回転制御した場合、ロータ磁極
の検出位置から電機子コイルを流れる電流を切り替える
タイミングによって、トルクの発生効率が変化する。ま
たその切替タイミングによって、モータとその収納ケー
スとの共鳴によるうなり音の大きさも変化する。
【0005】上記トルクの発生効率が最大となる切替タ
イミングと、うなり音が最小となる切替タイミングとは
異なり、効率を優先すればうなり音が大きくなり、うな
り音を小さくすれば、効率が低下する。
【0006】そこで本発明は、送風機ファンなどに用い
るDCモータをブラシレス構造とし、電機子コイル電流
の切り替えタイミングを最適制御して省エネルギーかつ
低騒音なブラシレスモータを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明のブラシレスモータは、送風機ファン駆動用
に収納ケースに収めて用いられ、モータの内周側に電機
子を配置したアウタロータ形のブラシレスDCモータに
おいて、ステータ(3)に配置された電機子コイル
(4)を流れる電流を切り替えるスイッチング素子(Q
1〜Q6)と、ロータ(1)に取り付けられた界磁用永
久磁石(2)に対し、モータと前記収納ケースとの共鳴
音が最も小さくなる遅れ角にてロータ(1)と一体に取
り付けられ、ロータ(1)の回転位置を示すセンサマグ
ネット(5)と、前記ステータ(3)に取り付けられ、
前記センサマグネット(5)による磁界の方向を検出す
る磁気センサ(IC1〜IC3)と、この磁気センサ
(IC1〜IC3)からの磁界方向変化検出を受けて、
ロータ(1)の回転速度を算出し、この回転速度があら
かじめ決められた一定速度に達したら、前記センサマグ
ネット(5)の界磁用永久磁石(2)に対する遅れ角を
進める進角制御のための進角量を出力する進角制御手段
(12a)と、前記磁気センサ(IC1〜IC3)から
の磁界方向変化検出および前記進角量を受けて、その進
角量に応じた進角制御を行い、スイッチング素子(Q1
〜Q6)の電流切り替えタイミングを制御するタイミン
グ制御手段(12b)とを具備することを特徴とする。
【0008】以上の構成によって、モータの回転速度が
一定速度に達するまでは、界磁用永久磁石の回転位置に
対し、モータとその収納ケースとの共鳴音が小さい遅れ
角で、スイッチング素子の電流切り替えタイミングを制
御し、一定速度到達後は進角制御する。
【0009】さらに、前記進角制御手段(12a)が、
前記ロータ(1)の回転速度が低速時には前記遅れ角の
進角量を少なく制御し、高速時には前記遅れ角の進角量
を多く制御することによって、モータが低速回転のと
き、低騒音となることを優先し、モータが高速回転のと
き、高効率であることを優先する制御を行う。
【0010】また、前記進角制御手段(12a)が、前
記ロータ(1)の回転速度に応じて前記遅れ角の進角量
を滑らかに変化させることによって、モータの回転速度
に応じて、スイッチング素子の電流切り替えタイミング
を滑らかに変化させる。
【0011】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のブラシレスモ
ータは、モータの回転速度が一定速度に達するまでは、
界磁用永久磁石の回転位置に対し、モータとその収納ケ
ースとの共鳴音が小さい遅れ角で、スイッチング素子の
電流切り替えタイミングを制御し、一定速度到達後は進
角制御するので、モータ起動時などの回転の不安定なと
きは、低騒音で回転制御でき、一定速度以上の安定した
回転数では、モータ効率や騒音を考慮して、電機子コイ
ルを流れる電流の切り替えタイミングを最適制御でき
る。
【0012】本発明の請求項2に記載のブラシレスモー
タは、相対的に騒音発生が問題となるモータが低速回転
のとき、高効率であることよりも低騒音となることを優
先し、相対的に効率が問題となるモータが高速回転のと
き、低騒音であることよりも高効率であることを優先す
る制御を行うので、省エネルギーかつ低騒音なブラシレ
スモータを提供できる。
【0013】本発明の請求項3に記載のブラシレスモー
タは、モータの回転速度に応じて、界磁用永久磁石の回
転位置に対し、スイッチング素子の電流切り替えタイミ
ングを滑らかに変化させるので、回転トルクの変化が穏
やかで、滑らかな回転を得られる。
【0014】本発明の請求項4または請求項5に記載の
ブラシレスモータは、センサマグネットがN極とS極と
を複数対有するか、または磁気センサが複数個配置され
ているので、ロータが1回転する間に複数回磁界方向の
変化を検出でき、ロータの回転速度が変化しても、その
変化に追随して高速応答で、きめ細かくタイミング制御
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明のブラシレスモータを下側
から見た下面図であり、(a)はトルク発生効率が良く
なる構成例、(b)は低騒音となる構成例を示す。本実
施の形態のブラシレスモータは、車両用空調装置の送風
機ファンの駆動に用いられ、三相2極巻線のアウタロー
タ形のブラシレスDCモータであり、内周側のステータ
に電機子コイル、外側のロータに界磁用永久磁石を備え
たものである。
【0017】ステータ3には、各突出部3a〜3fをコ
アとして電機子コイル4a〜4fが三相に配置され、そ
の外側には、90度間隔でメインマグネット(界磁用永
久磁石)2を備えたロータ1が配置されている。このロ
ータ1の回転位置を示すセンサマグネット5は、N極と
S極とが2対、ロータ1の回転中心に対し均等角度に配
置され、ロータ1と一体に回転するシャフト6に取り付
けられている。このセンサマグネット5による磁界の方
向を検出するホールIC1〜3(磁気センサ)が、ステ
ータ3の内周に120度間隔で均等配置されている。
【0018】ブラシレスDCモータでは、メインマグネ
ット2の検出位置から電機子コイル4a〜4fを流れる
電流を切り替えるタイミングによって、発生するトルク
が変化する。ロータ1の回転位置を示すセンサマグネッ
ト5を、図1(a)に示すようにメインマグネット2に
対し遅れ角30度でシャフト6に取り付けた場合、最も
発生トルクが大きくなり、効率が良くなる。図1(b)
に示すように遅れ角42度のときは、モータの振動周波
数とモータ収納ケースの固有振動周波数との共鳴による
うなり音(共鳴音)が最も小さくなる。本実施の形態で
は、センサマグネット2を、遅れ角42度でシャフト6
に取り付けている。なお、は電流経路が短く、他の電
機子コイルに比べ2倍の電流が流れているコイルを示
す。は電機子コイル3c(3f)とメインマグネット
2との反発力による正回転トルク発生位置、は電機子
コイル3a(3d)とメインマグネット2との反発力に
よる逆トルク発生位置を示す。
【0019】図2は、本実施の形態のブラシレスモータ
の制御回路部のブロック図である。センサ信号検出回路
11は、ホールIC1〜3からセンサマグネット5の磁
界方向変化検出を受けて、それぞれの反転信号を生成
し、非反転信号と合わせて六信号からなるセンサ信号と
してマイクロコンピュータ12に入力する。これは、本
実施の形態で用いるマイクロコンピュータ12が、入力
信号の立ち下がりエッジのみを検出するため、立ち上が
りエッジを立ち下がりエッジに変換して検出するためで
ある。このマイクロコンピュータ12内の処理では、進
角制御手段12aにて、センサ信号を受けて、その磁界
方向変化検出の周期からモータの回転速度を算出し、こ
の回転速度があらかじめ決められた一定速度に達した
ら、センサマグネット5の界磁用永久磁石2に対する遅
れ角を進める進角制御のための進角量を出力する。次に
タイミング制御手段12bにて、センサ信号、進角量、
および空調制御装置(図示せず)からモータを回転指示
する回転指示信号(PWM信号)を受けて、進角量に応
じた進角制御を行い、モータ駆動回路13を介してMO
SFET(スイッチング素子)Q1〜Q6の電流切り替
えタイミングを制御する。
【0020】図3(a)は、本実施の形態のブラシレス
モータの制御回路部の進角制御を行わない場合のタイミ
ングチャートであり、(b)は、このタイミングで制御
されるMOSFET(Q1〜Q6)の接続関係を示す。
センサマグネット5は、N極とS極とが90度ごとに配
置されるため、ホールICからの磁界方向変化検出信号
は、ロータ1が1回転する間に2周期変化する。これに
よって、ロータの回転を2倍細かくタイミング制御する
ことができる。また、ホールICを均等間隔で3個配置
したことによって、ロータの回転を3倍細かくタイミン
グ制御することができる。この均等間隔で配置されたホ
ールIC1〜3からの磁界方向変化検出に基づき、ロー
タ1が1回転する間にMOSFET(Q1〜Q6)のオ
ン/オフを計12回スイッチングし、オンとなるMOS
FETの組み合わせによって、電機子コイル4a〜4f
を流れる電流の方向を切り替える。
【0021】図4は、(a)がロータ回転位置、(b)
がそのときの制御に用いるホールIC信号およびMOS
FETの導通状態との対応関係を示す。ロータ回転角0
度のときはホールIC3からの信号を用い、MOSFE
T(Q1),(Q5)が導通状態となる。MOSFET
(Q1)が電源側、MOSFET(Q5)が接地側とな
り、接続点Uと接続点Vとの間に電圧が印加される。
【0022】図5は、ホールIC3切替時の各コイルの
通電状態と、メインマグネット2に対するセンサマグネ
ット5の遅れ角による位置を示す図である。MOSFE
T(Q1)と(Q5)がオンし、U側(Q1)が電源電
圧となり、V側(Q5)が接地される。電流経路S1を
U側(+)→コイル4f→コイル4c→V側(GND)
とし、電流経路S2をU側(+)→コイル4e→コイル
4b→コイル4a→コイル4d→V側(GND)とする
と、電流経路S1は抵抗値が半分のため、電流値が2倍
となる(図1の)。この電流値が2倍となるコイルと
メインマグネット2との間には、他のコイルと比べ特に
強い反発力を生じ、逆トルクを打ち消す強い回転トルク
を生じる。
【0023】図6は、(a)がロータ回転角30度の場
合を示し、(b)がそのときの制御に用いるホールIC
信号およびMOSFETの導通状態との対応関係を示
す。ロータ回転角30度のときはホールIC1からの信
号を用い、MOSFET(Q3),(Q5)が導通状態
となる。MOSFET(Q3)が電源側、MOSFET
(Q5)が接地側となり、接続点Wと接続点Vとの間に
電圧が印加される。
【0024】図7は、ホールIC1切替時の各コイルの
通電状態と、メインマグネット2に対するセンサマグネ
ット5の遅れ角による位置を示す図である。MOSFE
T(Q3)と(Q5)がオンし、W側(Q3)が電源電
圧となり、V側(Q5)が接地される。電流経路S3を
U側(+)→コイル4a→コイル4d→V側(GND)
とし、電流経路S4をU側(+)→コイル4b→コイル
4e→コイル4f→コイル4c→V側(GND)とする
と、電流経路S3は抵抗値が半分のため、電流値が2倍
となる。
【0025】図8は、ホールICからの信号に基づき、
MOSFETの出力切替制御信号を出力するタイミング
チャートであり、(a)はセンサ(ホールIC)からの
入力信号、(b)はMOSFETのゲート信号を示す。
【0026】(a)に示すSAH,SALは、それぞれ
ホールIC1からの信号およびその反転信号を示す。同
様にSBH,SBLは、それぞれホールIC2からの、
SCH,SCLは、それぞれホールIC3からの信号お
よびその反転信号を示す。以上の6信号によって、ロー
タの30度回転ごとにきめ細かくタイミングを制御する
ことができる。
【0027】(b)は、進角制御時のMOSFETに出
力するゲート信号を示し、AT,BT,CTはハイサイ
ド(電源側)、AB,BB,CBはローサイド(接地
側)のMOSFETに対するゲート信号を示す。本実施
の形態では、上記センサ入力の6信号の立ち下がりによ
って、MOSFETのゲート信号をタイミング制御す
る。この場合、各センサ信号の立ち下がりに対応して、
次の立ち下がりに相当するタイミング(ロータ1の30
度回転相当)を予測して、MOSFETのゲート信号を
オン/オフ制御する。その際、センサ信号の立ち下がり
エッジ間の時間からロータの回転速度を算出し、その回
転速度に対応した進角制御のための進角量を求める。そ
して、MOSFETのゲート信号をオン/オフ制御する
際、その進角量に応じた進角制御を行い、タイミング制
御する。なお、センサ信号の立ち上がりエッジを用いて
も同様の制御を行うことができる。
【0028】図9は、モータの回転数に対する進角制御
量の対応関係を示し、(a)は進角量を角度で表し、
(b)は進角量を時間で表す。(a)に示すようにモー
タの回転数が1800rpmまでは進角量を0として、
機構的に固定された遅れ角D(例えば42度)でMOS
FETの出力をオン/オフ制御する。これは、モータの
起動時などは、モータの回転速度が安定せず、センサ信
号の立ち下がりエッジ間の時間からロータの回転速度を
算出し、その回転速度に対応した進角制御を行うと、セ
ンサ信号の立ち下がり検出から次の立ち下がりを予測す
る予測制御が実際の回転数とずれを生じ、進角量が実際
の回転数とは合わないものとなるからである。すなわち
回転速度が安定しない間に進角制御を行うと、回転トル
クに変動を生じ回転むらの原因となるので、一定の回転
速度に達するまで、機構的に固定された遅れ角すなわち
低騒音となる遅れ角でMOSFETの出力をオン/オフ
制御し、進角制御を行わない。
【0029】モータの回転数が1800rpmに達する
と進角制御を開始し、2500rpmまでの間は遅れ角
をDからD−8に直線的に滑らかに連続変化させる。遅
れ角を急激に変化させると、回転トルクも急激に変化
し、回転むらの原因とるので、これを避けるため、遅れ
角を滑らかに連続変化させる。モータの回転数が250
0rpm以上では、8度進角制御を行い、遅れ角をD−
8(34度)とする。
【0030】マイクロコンピュータのソフトウェア制御
にて、上記回転数に応じた制御を行うために、(b)に
示すモータ回転数に対応した進角時間制御を行う。ま
ず、モータ回転数が1800rpmまでは進角制御を行
わないので、センサ信号の立ち下がりエッジを検出する
と、その検出からすぐにMOSFETの出力をオン/オ
フ制御する。
【0031】モータ回転数が1800rpmに達すると
進角制御を開始し、図8に示されたようにロータ1の3
0度回転ごとにセンサ信号を受けて、次の立ち下がりに
相当するタイミング(ロータ1の30度回転相当)を予
測してMOSFETのゲート信号をオン/オフ制御す
る。すなわちモータ回転数が1800rpm(周期:3
3.3msec)のとき、ロータが30度回転に要する
時間は2.78msecであり、2500rpm(周
期:24msec)のとき、ロータが30度回転に要す
る時間は2msecなので、センサ信号の立ち下がりエ
ッジからこの30度回転に要する時間経過した後、MO
SFETのゲート信号をオン/オフ制御する。2500
rpmのとき、8度進角制御を行うためには、ソフトウ
ェアによる進角時間を(2−0.533)msecとす
る。
【0032】図10は、センサマグネット5のメインマ
グネット2に対する遅れ角と騒音レベルとの関係を示
す。回転数が2400rpmでは、送風音による影響で
遅れ角によるうなり音成分がマスクされてしまい、騒音
レベルが一定となる。回転数が900rpmでは、送風
音が小さくなるので、相対的にうなり音成分が大きくな
り、遅れ角が大きくなるにつれ騒音が小さくなる。この
ことから、特に低回転数領域では、遅れ角を大きくする
ことによる低騒音化の効果が大きい。
【0033】図11は、センサマグネット5のメインマ
グネット2に対する遅れ角とモータ効率との関係を示
す。遅れ角30度程度でモータ効率が最大となり、その
結果回転トルクが最大となる。上記の遅れ角と騒音レベ
ルとの関係を考慮すると、高回転数領域では、遅れ角を
変えても騒音が変化しないので、モータ効率を優先した
遅れ角に設定することによって、高効率なモータを得る
ことができる。
【0034】以上のことから、ロータの回転速度が低速
時には遅れ角の進角量を少なく制御し、高速時には遅れ
角の進角量を多く制御することによって、回転数によっ
て低騒音と高効率とを最適な割合で両立した制御ができ
る。
【0035】図12は、モータ回転数とその騒音の12
次成分との遅れ角による関係の変化を示す。例えば10
00rpmすなわち毎秒16.7回転のとき12次成分
は200Hzとなり、モータとその収納ケースとの共鳴
により、うなり音が極大となる。さらに回転数が高くな
ると、うなり音よりも送風音が大きくなりマスクされて
しまう。
【0036】図13は、モータ回転数とその騒音の24
次成分との遅れ角による関係の変化を示す。例えば50
0rpmすなわち毎秒8.3回転のとき24次成分は2
00Hzとなり、モータとその収納ケースとの共鳴によ
り、うなり音が極大となる。さらに回転数が高くなる
と、うなり音よりも送風音が大きくなりマスクされてし
まう。
【0037】以上述べたように本発明のブラシレスモー
タを車両用空調装置の送風機ファンの駆動用に用いるこ
とによって、空調開始時や低回転時すなわち送風量が少
ないときは低騒音で、高回転時すなわち送風量が多いと
きは高効率運転によって省エネルギーでかつ高トルクな
回転力を得ることができ、これを回転数によって最適な
割合に制御して、快適な空調環境を得ることができる。
【0038】なお、本実施の形態では、車両用空調装置
の送風機ファンの駆動用ブラシレスモータとして説明し
たが、例えば、車両用エンジンのラジエータ冷却ファン
にも同様に適用でき、さらに室内用空調装置の送風機フ
ァンなどにも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレスモータの下面図であり、
(a)はトルク発生効率が良くなる構成例、(b)は低
騒音となる構成例を示す図である。
【図2】本発明のブラシレスモータの制御回路部のブロ
ック図である。
【図3】(a)は、ブラシレスモータの制御回路部のタ
イミングチャートであり、(b)は、MOSFETの接
続関係を示す図である。
【図4】(a)がロータ回転位置、(b)がホールIC
信号およびMOSFETの導通状態との対応関係を示す
図である。
【図5】ホールIC3切替時の各コイルの通電状態と、
メインマグネットに対するセンサマグネットの遅れ角に
よる位置を示す図である。
【図6】(a)がロータ回転角30度の場合を示し、
(b)がホールIC信号およびMOSFETの導通状態
との対応関係を示す図である。
【図7】ホールIC1切替時の各コイルの通電状態と、
メインマグネットに対するセンサマグネットの遅れ角に
よる位置を示す図である。
【図8】(a)はセンサ(ホールIC)からの入力信
号、(b)はMOSFETのゲート信号を示すタイミン
グチャートである。
【図9】モータの回転数に対する進角制御量を示す図で
あって、(a)は進角量を角度で表し、(b)は進角量
を時間で表す図である。
【図10】センサマグネットのメインマグネットに対す
る遅れ角と騒音レベルとの関係を示す図である。
【図11】センサマグネットのメインマグネットに対す
る遅れ角とモータ効率との関係を示す図である。
【図12】モータ回転数とその騒音の12次成分との関
係を示す図である。
【図13】モータ回転数とその騒音の24次成分との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1…ロータ,2…メインマグネット(界磁用永久磁
石),3…ステータ,4a〜f…電機子コイル,5…セ
ンサマグネット,6…シャフト,11…センサ信号検出
回路,12…マイクロコンピュータ,13…モータ駆動
回路,IC1〜3…ホールIC(磁気センサ),…2
倍の電流が流れているコイル,…正回転トルク発生位
置,…逆トルク発生位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 剛 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 高橋 栄二 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 Fターム(参考) 5H560 AA01 BB04 BB08 DA03 DA19 DB20 EA05 EB01 ED02 FF04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風機ファン駆動用に収納ケースに収め
    て用いられ、モータの内周側に電機子を配置したアウタ
    ロータ形のブラシレスDCモータにおいて、 ステータ(3)に配置された電機子コイル(4)を流れ
    る電流を切り替えるスイッチング素子(Q1〜Q6)
    と、 ロータ(1)に取り付けられた界磁用永久磁石(2)に
    対し、モータと前記収納ケースとの共鳴音が最も小さく
    なる遅れ角にてロータ(1)と一体に取り付けられ、ロ
    ータ(1)の回転位置を示すセンサマグネット(5)
    と、 前記ステータ(3)に取り付けられ、前記センサマグネ
    ット(5)による磁界の方向を検出する磁気センサ(I
    C1〜IC3)と、 この磁気センサ(IC1〜IC3)からの磁界方向変化
    検出を受けて、ロータ(1)の回転速度を算出し、この
    回転速度があらかじめ決められた一定速度に達したら、
    前記センサマグネット(5)の界磁用永久磁石(2)に
    対する遅れ角を進める進角制御のための進角量を出力す
    る進角制御手段(12a)と、 前記磁気センサ(IC1〜IC3)からの磁界方向変化
    検出および前記進角量を受けて、その進角量に応じた進
    角制御を行い、スイッチング素子(Q1〜Q6)の電流
    切り替えタイミングを制御するタイミング制御手段(1
    2b)とを具備することを特徴とするブラシレスモー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記進角制御手段(12a)が、前記ロ
    ータ(1)の回転速度が低速時には前記遅れ角の進角量
    を少なく制御し、高速時には前記遅れ角の進角量を多く
    制御することを特徴とする請求項1に記載のブラシレス
    モータ。
  3. 【請求項3】 前記進角制御手段(12a)が、前記ロ
    ータ(1)の回転速度に応じて前記遅れ角の進角量を滑
    らかに変化させることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のブラシレスモータ。
  4. 【請求項4】 前記センサマグネット(5)は、N極と
    S極とが複数対、ロータ(1)の回転中心に対し均等角
    度に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3に記載のブラシレスモータ。
  5. 【請求項5】 前記磁気センサ(IC1〜IC3)が、
    前記ステータ(3)周囲に均等角度にて複数個配置され
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載
    のブラシレスモータ。
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