JP2000065125A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2000065125A
JP2000065125A JP23863598A JP23863598A JP2000065125A JP 2000065125 A JP2000065125 A JP 2000065125A JP 23863598 A JP23863598 A JP 23863598A JP 23863598 A JP23863598 A JP 23863598A JP 2000065125 A JP2000065125 A JP 2000065125A
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liquid chamber
diaphragm
vibration
liquid
elastic body
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JP23863598A
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Satoru Ueki
哲 植木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液室内の液中に気泡を残らせず且つ異音を発
生させない。 【解決手段】 ダイヤフラム22と弾性体16との間に
これらの部材の内壁面で形成された液室26、27が設
けられ、液体が封入される。液室26、27内に仕切部
材28が配置され、液室を受圧液室26と副液室27と
に二分している。開口部30A、30Bを含む制限通路
30が、内壁の少なくとも一部を弾性体16で構成され
る受圧液室26と、内壁の少なくとも一部をダイヤフラ
ム22で変形自在に形成した副液室27との間を連通す
る。制限通路30の開口部30Bが配置された仕切部材
28の部分に対向するダイヤフラム22の上面側部分
に、放射状に延びるそれぞれ線状の凸部とされる複数の
リッジ42が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動発生部からの
振動を吸収する防振装置に関し、特に、車両に搭載され
るエンジンマウント、ブッシュ等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受け部となる車体との間には、エンジンマウン
トとしての防振装置が配設されていて、エンジンが発生
する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達される
のを阻止するような構造となっている。
【0003】例えば、この防振装置の一例を図9に示
す。この図に示すように、この種の防振装置は、頂部1
10と筒部112とをゴムなどで形成される弾性体11
4で連結し、さらに、受圧液室120及び副液室122
が設けられると共に、これらの液室120、122間を
仕切る仕切部材126にオリフィスとなる制限通路12
4が設けられ、この制限通路124でこれらの液室12
0、122が互いに連通されている。
【0004】そして、搭載されたエンジンが作動して振
動が発生した場合には、弾性体114の変形及び液室1
20、122を連通する制限通路124内の液体の液柱
共振等で振動を吸収し、振動の伝達を阻止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の液体が内部
に封入された防振装置の製造に際しては、まず防振装置
の内部から注入口130を介して空気を一旦抜いて内部
を真空にし、その後、防振装置の液室120、122内
に注入口130から液体を注入するように流し込み、最
後に注入口130を封止するようにしていた。
【0006】そして、防振装置の液室120、122内
に空気が残留した場合には空気が液中に気泡となって防
振特性を悪化させるおそれがある為、液体を注入する際
に仕切部材126等の構造体の周りを完全に液体で満た
す必要があった。
【0007】しかし、防振装置内から空気を抜く工程に
おいて、図10に示すように、仕切部材126に副液室
122の内壁となるダイヤフラム128が密着してダイ
ヤフラム128が制限通路124の副液室122側の開
口部124Aをシールしたり、もしくはダイヤフラム1
28が仕切部材126に密着する過程でダイヤフラム1
28の変形によりエアポケットPができて、空気が液室
120、122内に残留しまうおそれがあった。
【0008】一方、この従来の防振装置は液体が液室1
20、122内に封入されている為、比較的大きなもの
となっている。従って、図11に示すように、高スピー
ドで方向Xの振動の入力が防振装置に与えられた場合に
は、副液室122の液体が完全に受圧液室120及び仕
切部材126の制限通路124内に移動する前に、ダイ
ヤフラム128の一部が制限通路124の副液室122
側の開口部124Aに吸い込まれて、開口部124Aを
塞ぐようになる。そして、ダイヤフラム128の一部が
この開口部124Aに吸い込まれて開口部124Aをダ
イヤフラム128が塞ぐ際に、異音が発生することがあ
った。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、液室内の液中
に空気が気泡となって残らず且つ異音を発生させない防
振装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る防振装置
は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1
の取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結
される第2の取付部材と、これら取付部材間に配設され
て弾性変形し得る弾性体と、内壁の少なくとも一部が弾
性体により構成され且つ液体が封入される受圧液室と、
液体が封入される副液室と、受圧液室と副液室との間を
仕切り且つこれら受圧液室と副液室との間を連通する制
限通路が設けられた仕切部材と、副液室の内壁の少なく
とも一部を変形自在に形成して副液室を拡縮自在とする
と共に、仕切部材に密着した際にも流体を流通させ得る
流体流通部が設けられたダイヤフラムと、を有すること
を特徴とする。
【0011】請求項2に係る防振装置は、請求項1の防
振装置において、流体流通部が、制限通路の開口部の少
なくとも近傍に対向するダイヤフラムの部分に設けられ
たことを特徴とする。
【0012】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。
【0013】弾性体が一対の取付部材との間を連結し、
振動発生部に第1の取付部材あるいは第2の取付部材が
連結されている為、振動発生部側から振動が第1の取付
部材あるいは第2の取付部材に伝達されると、弾性体が
変形し、結果として弾性体の変形により振動が減衰し
て、第2の取付部材あるいは第1の取付部材に連結され
る振動受け部側に振動が伝達され難くなる。
【0014】一方、内壁の少なくとも一部が弾性体によ
り構成される受圧液室及び副液室に液体がそれぞれ封入
され、これら受圧液室と副液室との間が仕切部材により
仕切られている。さらに、副液室の内壁の少なくとも一
部を変形自在に形成するダイヤフラムが、副液室を拡縮
自在としている。また、仕切部材が、これら受圧液室と
副液室との間を連通する制限通路を有し、ダイヤフラム
が、仕切部材に密着した際にも空気等の気体や液体であ
る流体を流通させ得る例えばリッジ或いは球状凸部等で
ある流体流通部を有している。
【0015】従って、弾性体の変形に伴って受圧液室が
拡縮し、これに合わせて制限通路を介して受圧液室に連
通される副液室がダイヤフラムの変形により拡縮するの
に伴って、受圧液室及び副液室の液体が制限通路を介し
て相互に流通し、制限通路内のオリフィス空間に生ずる
液柱共振に基づく減衰作用で防振効果を向上することが
できる。この結果、弾性体の変形だけでなく、液柱共振
により振動が低減されて、振動受け部側に振動がより一
層伝達され難くなり、防振装置の防振特性が向上する。
【0016】さらに、ダイヤフラムに流体流通部を設け
ることにより、制限通路の副液室側の開口部がダイヤフ
ラムにより覆われても、この流体流通部で制限通路の開
口部に対する副液室内の空気の流路が確保される構造と
した。この為、防振装置の製造に際して防振装置内から
空気を抜く工程において、仕切部材にダイヤフラムが密
着してダイヤフラムが制限通路の副液室側の開口部をシ
ールしたり、もしくはダイヤフラムが仕切部材に密着す
る過程でダイヤフラムの変形によりエアポケットができ
ても、流体流通部により形成される仕切部材とダイヤフ
ラムとの間の隙間により空気が流通される為、空気が液
室内に残留することがなくなった。この結果として、空
気が液室内の液中に気泡となって残って防振装置の防振
特性を悪化させるおそれがなくなった。
【0017】他方、ダイヤフラムに流体流通部を設ける
ことにより、高スピードで振動の入力が防振装置に与え
られた場合でも、流体流通部に邪魔される為、副液室内
の液体が受圧液室及び制限通路内に移動する前に、ダイ
ヤフラムの一部が制限通路の副液室側の開口部に吸い込
まれて塞ぐようにならず、この開口部をダイヤフラムが
塞ぐ際に生じる異音が発生しなくなる。
【0018】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。
【0019】本請求項においても請求項1と同様な作用
を奏する。但し、本請求項では、流体流通部が制限通路
の開口部の少なくとも近傍に対向するダイヤフラムの部
分に設けられる構成をも有している。
【0020】従って、より確実に、空気が液室内に残留
しなくなると共に、制限通路の開口部をダイヤフラムが
塞ぐ際に生じる異音が発生しなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態に係る
防振装置を図1から図4に示し、これらの図に基づき本
実施の形態を説明する。
【0022】本実施の形態を表す図1に示すように、こ
の防振装置10の下部側を形成する底板金具12の下部
には、車体(図示せず)にこの防振装置10を図示しな
いナットの螺合により連結して固着する為のボルト13
が突出している。さらに、この底板金具12の周囲には
立壁12Aを介してつば部12Bが形成されており、つ
ば部12Bの上端部には支持筒金具14が取付けられて
いる。この支持筒金具14は円板状のフランジ部14A
の外周端部がつば部12Bとかしめ固着されている。従
って、これら底板金具12及び支持筒金具14が第1の
取付部材とされる。
【0023】また、この支持筒金具14は、フランジ部
14Aの内周部から直角に筒部14Bが立設されてお
り、この筒部14Bの上端部からはテーパ状に広がる支
持筒部14Cが連続されている。この支持筒部14Cの
外周側には、リング状であって、図上、左右方向に伸び
る突部14Dが形成されている。
【0024】そして、支持筒金具14の上部には、円板
状の平面部18Aと、平面部18Aの周囲を覆うように
筒状に形成される立壁18Bと、この立壁18Bを介し
て平面部18Aに連続して形成されるフランジ部18C
とを有した頂板金具18が位置している。
【0025】また、この頂板金具18の直下にコップ状
に形成された連結材50が位置しており、連結材50の
上端側が立壁18Bと溶接等により接合され、頂板金具
18と連結材50が一体とされている。さらに、この頂
板金具18の中央部から突出されるボルト20はエンジ
ンへの連結用として用いられることとなり、図示しない
ナットの螺合によりエンジンが固定される。
【0026】支持筒部14Cの内周面には、円筒形状を
したゴム製の弾性体16の外周面が加硫接着されてお
り、この弾性体16の内周面は、連結材50及び頂板金
具18のフランジ部18Cに加硫接着されていて、弾性
体16はフランジ部18Cの上面側をも覆っている。従
って、弾性体16は、頂板金具18及び連結材50と底
板金具12との間に、介在されて取り付けられることと
なり、これら一体となった連結材50及び頂板金具18
が第2の取付部材となる。
【0027】一方、これら頂板金具18と支持筒金具1
4との間には、リング状をし且つ下部側が突部14Dに
かしめられて支持筒金具14に固着されて取り付けられ
るストッパ部材54が位置しており、頂板金具18の立
壁18Bに対応した開口部56が形成された上端部54
Aが、頂板金具18のフランジ部18Cと対向するよう
に屈曲されている。
【0028】すなわち、ストッパ部材54が、底板金具
12と一体となる支持筒金具14の突部14Dに固着さ
れて、支持筒金具14、頂板金具18及び連結材50の
外周側に位置している。
【0029】この為、エンジン側から大振幅の振動が伝
達された場合は、ストッパ部材54の上端部54Aが、
弾性体16を介して頂板金具18のフランジ部18Cに
当接して、ストッパ部材54の必要以上の上側への変位
が防止され、支持筒金具14と頂板金具18及び連結材
50との間の相互間の変位量が規制される。そして、こ
の際の衝撃をフランジ部18Cの上側に位置する弾性体
16が吸収する。
【0030】他方、立壁12Aと共にフランジ部14A
へかしめ固着されるもう一方の薄肉の弾性材料であるゴ
ム製のダイヤフラム22と、弾性体16との間には、こ
れらの部材の内壁面で形成された液室26、27が設け
られていて、例えば水、オイル等の液体が封入されてい
る。そして、これら液室26、27内にはセラミック
ス、合成樹脂或いは鋳鉄等の材料で形成された仕切部材
28が配置されていて、液室を受圧液室26と副液室2
7とに二分して区画している。
【0031】さらに、この仕切部材28の外周面となる
外周端部28Aの内側には、外周端部28Aに沿いほぼ
一周にわたって溝28Bが形成され、弾性体16の薄肉
部分で仕切部材28の外周端部28Aが覆われること
で、この溝28Bの開放端が閉鎖されてリング状の空間
である制限通路30が形成される。
【0032】この制限通路30の一端部には、受圧液室
26と制限通路30内とを連通する凹部である開口部3
0Aが設けられ、他端部には、副液室27と制限通路3
0内とを連通する小孔である開口部30Bが設けられて
いる。従って、これら開口部30A、30Bを含む制限
通路30が、内壁の少なくとも一部を弾性体16で構成
される受圧液室26と、内壁の少なくとも一部をダイヤ
フラム22で変形自在に形成した副液室27との間を連
通することとなる。
【0033】尚、外周端部28Aの下部は外側に突出し
ており、フランジ部14Aの底面へ弾性体16を介して
当接されると共に、つば部12B、ダイヤフラム22と
共にフランジ部14Aへかしめ固着されている。さら
に、ダイヤフラム22と底板金具12との間は空気室3
5とされてダイヤフラム22の変形を可能としている。
そして、底板金具12には、回り止めとなるピン37が
植え込まれている。
【0034】図1及び図2に示すように、制限通路30
の開口部30Bが配置された仕切部材28の部分に対向
するダイヤフラム22の上面側部分には、ダイヤフラム
22の中心と同軸状の位置から放射状に延びるそれぞれ
線状の凸部とされる流体流通部である複数のリッジ42
が、設けられている。つまり、制限通路30の副液室2
7側の開口部30Bの少なくとも近傍の仕切部材28の
部分に対向するダイヤフラム22の部分に、このリッジ
42が設けられて、開口部30Bに空気等の気体や液体
である流体を流通させる流体流通部を構成している。
【0035】次に本実施の形態に係る防振装置10の組
立を説明する。
【0036】まず、頂板金具18と連結材50とを溶接
して一体化し、図示しない金型内で、頂板金具18及び
連結材50と支持筒金具14との間に、弾性体16を加
硫接着する。この後、ストッパ部材54を図1上、上方
から頂板金具18の立壁18Bに挿入して、ストッパ部
材54の下部側と突部14Dとの間をかしめて固着す
る。
【0037】そして、これとは別にリッジ42を有した
ダイヤフラム22及び仕切部材28を形成し、これらリ
ッジ42が設けられた状態のダイヤフラム22及び仕切
部材28を支持筒金具14内に挿入し、底板金具12と
共にダイヤフラム22、仕切部材28を支持筒金具14
へかしめて固着する。
【0038】さらに、図3に示すように、防振装置10
の受圧液室26に対応する部分に形成された注入口32
に注入パイプ34を挿入し、まず防振装置10の内部か
ら注入パイプ34で吸引して空気を一旦抜いて内部を真
空にし、その後、受圧液室26、制限通路30及び副液
室27内に注入パイプ34で液体を注入するように流し
込み、最後に注入口32を図1に示すリベット36で封
止するようにして、防振装置10の組立が完了する。尚
この際、ダイヤフラム22の表面と制限通路30の副液
室27側の開口部30Bとの間の距離L(図1に示す)
を少なくとも5mm以上確保しておくことにする。
【0039】そして、このようにして完成された防振装
置10の頂板金具18がボルト20を介してエンジン側
に固定されつつ連結され、また、底板金具12がボルト
13を介して自動車の車体側に固定されつつ連結され
る。この際、車両内への装着に伴って頂板金具18がエ
ンジンの荷重を受けると、弾性体16が圧縮変形され、
頂板金具18が図1の状態よりも下方へ移動して、頂板
金具18のフランジ部18Cが、ストッパ部材54の上
端部54Aから所定寸法離間する。
【0040】次に本実施の形態に係る防振装置10の作
用を説明する。
【0041】頂板金具18に搭載されるエンジンが作動
すると、エンジンの振動が頂板金具18及び連結材50
を介して弾性体16に伝達される。弾性体16は吸振主
体として作用し、弾性体16の内部摩擦に基づく制振機
能によって振動を吸収し、車体側に振動が伝達され難く
なる。
【0042】一方、内壁の少なくとも一部が弾性体16
により構成される受圧液室26及び副液室27に液体が
それぞれ封入され、これら受圧液室26と副液室27と
の間が仕切部材28により仕切られている。さらに、副
液室27の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成する
ダイヤフラム22が、副液室27を拡縮自在としてい
る。また、仕切部材28が、これら受圧液室26と副液
室27との間を連通する制限通路30を有し、ダイヤフ
ラム22が、仕切部材28に当接した際にも空気等の気
体や液体である流体を流通させ得るリッジ42を有して
いる。
【0043】従って、弾性体16の変形に伴って受圧液
室26が拡縮し、これに合わせて制限通路30を介して
受圧液室26に連通される副液室27がダイヤフラム2
2の変形により拡縮するのに伴って、受圧液室26及び
副液室27の液体が制限通路30を介して相互に流通
し、制限通路30内のオリフィス空間に生ずる液柱共振
に基づく減衰作用で防振効果を向上することができる。
この結果、弾性体16の変形だけでなく、液柱共振によ
り振動が低減されて、車体側に振動がより一層伝達され
難くなり、防振装置10の防振特性が向上する。
【0044】さらに、ダイヤフラム22に流体流通部で
あるリッジ42を設けることにより、制限通路30の副
液室27側の開口部30Bがダイヤフラム22により覆
われても、このリッジ42が仕切部材28に当接するこ
とで、制限通路30の開口部30Bに対する副液室27
内の気体の流路が確保される構造とした。
【0045】この為、防振装置10の製造に際して防振
装置10内から空気を抜く工程において、図3に示すよ
うに仕切部材28にダイヤフラム22が密着してダイヤ
フラム22が制限通路30の副液室27側の開口部30
Bをシールしたり、もしくはダイヤフラム22が仕切部
材28に密着する過程でダイヤフラム22の変形により
エアポケットができても、リッジ42により形成される
仕切部材28とダイヤフラム22との間の隙間により空
気が流通される為、空気が液室26、27内に残留する
ことがなくなった。この結果として、空気が液室26、
27内の液中に気泡となって残ってこの防振装置10の
防振特性を悪化させるおそれがなくなる。
【0046】他方、ダイヤフラム22に流体流通部であ
るリッジ42を設けることにより、高スピードで図4に
示す方向Xの振動の入力が防振装置10に与えられた場
合でも、リッジ42に邪魔されるため、副液室27内の
液体が受圧液室26及び制限通路30内に移動する前
に、ダイヤフラム22の一部が制限通路30の副液室2
7側の開口部30Bに吸い込まれて塞ぐようにならず、
この開口部30Bをダイヤフラム22が塞ぐ際に生じる
異音が発生しなくなる。
【0047】また、本実施の形態では、流体流通部であ
るリッジ42が、制限通路30の開口部30Bの少なく
とも近傍の仕切部材28の部分に対向するダイヤフラム
22の部分に設けられているので、より確実に、空気が
液室26、27内に残留しなくなると共に制限通路30
の開口部30Bをダイヤフラム22が塞ぐ際に生じる異
音が発生しなくなる。
【0048】次に、本発明の第2の実施の形態に係る防
振装置を図5から図8に示し、これらの図に基づき本実
施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した
部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明
を省略する。
【0049】図5及び図6に示すように、本実施の形態
の防振装置10のダイヤフラム22にはリッジ42が無
いものの、この替わりに制限通路30の開口部30Bが
配置された位置の少なくとも近傍を含む仕切部材28の
部分に対向するダイヤフラム22の上面側部分に、半球
状の凸部である流体流通部である複数の球状凸部44
が、設けられている。
【0050】従って、防振装置10の製造に際して、図
7に示すように防振装置10の内部から注入パイプ34
で吸引して空気を一旦抜いて内部を真空にしたときや、
高スピードで図8に示す方向Xの振動の入力が防振装置
10に与えられたときに、球状凸部44が仕切部材28
に当接することで仕切部材28とダイヤフラム22とが
密着するように接した場合でも、複数の球状凸部44が
仕切部材28とダイヤフラム22との間に隙間を形成し
て、空気等の気体や液体である流体を流通させ得るよう
になる。
【0051】尚、上記実施の形態において、振動受け部
となる車体に第1の取付部材となる底板金具12側を連
結し、振動発生部となるエンジンに第2の取付部材とな
る頂板金具18側を連結するような構成としたがこの逆
の構成としても良く、また、上記実施の形態において、
液体封入式の防振装置を用いて説明をしたが、液体封入
式以外の防振装置に適用できることはいうまでもない。
【0052】他方、実施の形態において、車両に搭載さ
れるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置
は例えば車両のボディマウント等、あるいは車両以外の
他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、
支持筒金具、頂板金具、連結材及び弾性体等の形状、寸
法なども実施の形態のものに限定されるものではない。
【0053】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、液室内の液中に空気が気泡となっ
て残らず且つ異音を発生させないという優れた効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示
す断面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態のダ
イヤフラムを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示
す断面図であって、防振装置内から空気を吸引した状態
を示す図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示
す断面図であって、高スピードで振動の入力が与えられ
た状態を示す図である。
【図5】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示
す断面図である。
【図6】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態のダ
イヤフラムを示す斜視図である。
【図7】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示
す断面図であって、防振装置内から空気を吸引した状態
を示す図である。
【図8】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示
す断面図であって、高スピードで振動の入力が与えられ
た状態を示す図である。
【図9】従来技術に係る防振装置を示す断面図である。
【図10】従来技術に係る防振装置を示す断面図であっ
て、防振装置内から空気を吸引した状態を示す図であ
る。
【図11】従来技術に係る防振装置を示す断面図であっ
て、高スピードで振動の入力が与えられた状態を示す図
である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板金具(第1の取付部材) 14 支持筒金具(第1の取付部材) 16 弾性体 18 頂板金具(第2の取付部材) 22 ダイヤフラム 26 受圧液室 27 副液室 28 仕切部材 30 制限通路 42 リッジ(流体流通部) 44 球状凸部(流体流通部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    される第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取
    付部材と、 これら取付部材間に配設されて弾性変形し得る弾性体
    と、 内壁の少なくとも一部が弾性体により構成され且つ液体
    が封入される受圧液室と、 液体が封入される副液室と、 受圧液室と副液室との間を仕切り且つこれら受圧液室と
    副液室との間を連通する制限通路が設けられた仕切部材
    と、 副液室の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成して副
    液室を拡縮自在とすると共に、仕切部材に密着した際に
    も流体を流通させ得る流体流通部が設けられたダイヤフ
    ラムと、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 流体流通部が、制限通路の開口部の少な
    くとも近傍に対向するダイヤフラムの部分に設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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