JP2013036540A - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大振幅入力時の急激な圧力変動に起因するキャビテーションを抑制する。
【解決手段】防振基体16とダイヤフラム36の間の液体封入室34を、仕切り体42により主液室34Aと副液室34Bに仕切り、両者をオリフィス46により連通させた液封入式防振装置10において、ダイヤフラム36の背後を覆うことでダイヤフラム36を挟んで副液室34Bと反対側に空気室48を形成するカバー部材24を設け、ダイヤフラム36にゴム状弾性体からなる筒状突起50を一体に設ける。筒状突起50は、大振幅入力時にダイヤフラム36の空気室48側への撓み変形を抑制するものであり、ダイヤフラム36の可撓部40の範囲内に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、振動源側に取り付けられる第1取付具と、支持側に取り付けられる第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、防振基体が室壁の一部をなす主液室と、ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室と、これら液室間を連通させるオリフィス流路とを備えた液封入式防振装置が知られている。
かかる液封入式防振装置においては、通常の振動入力時には、オリフィス流路での液流動による液柱共振作用や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能が果たされるが、大きな振動が入力したときに、防振装置自体が異音発生源となってこれが車室内に伝達されてしまうことがある。
この異音は、液室内でのキャビテーションにより発生するものである。キャビテーションは、防振装置に大きな振動が入力したときに、オリフィス流路が目詰まりし、これにより主液室内が過度な負圧状態(即ち、主液室の液圧が所定値よりも低下した状態)となって、封入された液体の飽和蒸気圧を下回ることで、多数の気泡が発生することにより生じる現象である。そして、このようにして発生した気泡が消滅するときの衝撃音が異音となって外部に伝達されるのである。
従来、キャビテーションによる異音や振動の発生を防止するために、例えば、下記特許文献1には、ダイヤフラムに円環状の中間板を埋設することにより、大振幅入力時の拡張ばね定数を大きくすることが開示されている。このようにダイヤフラムの拡張ばね定数を大きくすることにより、主液室内の圧力を高圧にし、その直後の主液室の拡大時において大きく減圧するのを防止することができる。また、下記特許文献2には、ダイヤフラムが当接する対向面をストッパとして金具で形成し、これにより大振幅入力時におけるストッパ当接後のダイヤフラムの拡張ばね定数を大きくすることが開示されている。しかしながら、特許文献2の構成では、ダイヤフラムとストッパとの当接により異音が発生する可能性がある。
一方、下記特許文献3には、キャビテーションを防止するために、ダイヤフラムとの間に空気室を形成するカバー部材を本体金具に圧入して嵌合させることにより、該空気室を高圧化することが開示されており、圧入部をシールするために、ダイヤフラムから円筒状の突起を設けた構造が開示されている。しかしながら、この円筒状の突起は、ダイヤフラムの外周部において、カバー部材の内周面に沿って突出形成され、かつ円筒状の金具が埋設されたものであって、ダイヤフラムの可撓部の範囲外に設けられており、ダイヤフラムの撓み変形を抑制するものではない。
また、下記特許文献4には、ダイヤフラムの下面周縁部から円筒状のゴム延設部を突設した構成が開示されている。しかしながら、このゴム延設部は、エンジンマウントの下方の車体メンバーに対するダストカバーとして設けられたものであり、ダイヤフラムの可撓部の範囲外に設けられており、ダイヤフラムの撓み変形を抑制するものでもない。
特開2009−133379号公報 特開2008−002629号公報 特開平08−170683号公報 特開2002−081488号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、大振幅入力時の急激な圧力変動に起因するキャビテーションを抑制することができ、異音低減効果に優れた液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、振動源側と支持側のいずれか一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側のいずれか他方に取り付けられる筒状の第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付具側に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性体からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切り体と、前記主液室と前記副液室を連通させるオリフィスと、を備えた液封入式防振装置において、前記第2取付具が、前記ダイヤフラムの背後を覆うことで前記ダイヤフラムを挟んで前記副液室と反対側に空気室を形成するカバー部材を備え、前記ダイヤフラムの前記空気室側への撓み変形を抑制するためのゴム状弾性体からなる筒状突起が、前記ダイヤフラムの可撓部の範囲内における当該ダイヤフラムと前記カバー部材との対向面のいずれか一方から突出形成されたものである。
本発明の好ましい態様として、前記筒状突起は、前記可撓部の軸心に対して同心状に設けられ、前記軸心を中心として前記可撓部の径の50%の範囲内に少なくとも1つ設けられてもよい。また、他の好ましい態様として、前記筒状突起が、前記ダイヤフラムの空気室側の膜面から突出形成されてもよい。この場合、前記カバー部材の底壁には、前記空気室内に頭部を配して外側に突出するボルトが固設されており、大振幅入力時に前記筒状突起の先端の少なくとも一部が前記頭部に当接するように前記筒状突起が設けられてもよい。また、他の好ましい態様として、前記筒状突起の先端にスリットが設けられてもよい。また、他の好ましい態様として、前記筒状突起が、前記可撓部の軸心に対して同心円状に複数設けられてもよい。なお、これらの好ましい各態様は適宜に組み合わせることができる。
上記のようにゴム状弾性体からなる筒状突起を設けたことにより、大振幅入力時にダイヤフラムが空気室側に大きく撓んだときに、該筒状突起の先端部がカバー部材やダイヤフラムに当接することによってダイヤフラムの撓み変形が抑制され、ダイヤフラムの拡張ばね定数が高くなる。そのため、主液室の液圧を高めることが可能となるので、続けて主液室の液圧が下降する方向の荷重が入力されたときに、主液室内の過度な負圧状態を抑制して、キャビテーションの発生を抑えることができる。また、このような筒状突起であると、上記撓み変形を抑制する際に、その先端部がカバー部材やダイヤフラムに当接することによる異音についても、筒状突起が軸方向に弾性変形することで当接時のエネルギーを吸収することができ、異音発生を抑制することができる。
実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図である。 同実施形態におけるダイヤフラムの底面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 同液封入式防振装置の大振幅入力時における要部拡大縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示された本実施形態に係る液封入式防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第1取付具12と、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16とを備えてなる。なお、図1は無負荷状態を示している。
第1取付具12は、第2取付具14の軸芯部上方に配された金具であり、この例では平板状をなして、ボルト18が上向きに固設されており、該ボルト18を介してエンジン側に取り付けられるように構成されている。第1取付具12の上面にはストッパ金具20が固設されている。
第2取付具14は、防振基体16が加硫成形された円筒状の筒状部材22と、その下端部に締結された有底円筒状のカバー部材24とからなり、金属等の剛体で形成されている。カバー部材24の底壁24Aにはボルト26が下向きに突設され、第2取付具14は、このボルト26を介して車体側に取り付けられるように構成されている。筒状部材22は、その下端部がカバー部材24の上端開口部に対し、かしめ部28によりかしめ固定されている。符号30は、ストッパ金具20との間でストッパ作用を発揮するストッパ部である。なお、筒状部材22とカバー部材24は一体の金具で形成してもよい。
防振基体16は、略傘状に形成され、その上端部に第1取付具12が加硫接着され、下端外周部が筒状部材22の上端開口部に加硫接着されている。防振基体16の下端部には、筒状部材22の内周面を覆うゴム膜状のシール壁部32が連なっている。
第2取付具14には、防振基体16の下面に対して軸方向Xに対向配置されて防振基体16との間に液体封入室34を形成する可撓性ゴム膜からなるダイヤフラム36が取り付けられ、液体封入室34に液体が封入されている。
ダイヤフラム36は、外周部に環状の補強部材38を備え、該補強部材38を介して上記かしめ部28に固定されている。補強部材38は、中空円板状をなす金具であり、この中空部を塞ぐように、軸方向Xに撓み変形可能な可撓部40が、ゴム弾性体により膜状に形成されている。可撓部40は、図2に示すように平面視円形状をなしており、図3に示すように、その中央部40Aを頂部として、上方、即ち防振基体16側に向かって膨らむ湾曲面状をなしている。詳細には、外周部40Bが下方、即ちカバー部材24側に向かって湾曲状に膨らんでから、その内側が上方に向かって湾曲面状に膨らむことで、中央部40Aを頂部とするドーム状に形成されている。ここで、可撓部40は、剛体である補強部材38よりも内側のゴム弾性体のみからなる部分である。
液体封入室34は、第2取付具14(詳細には、筒状部材22)の内側において、防振基体16の下面とダイヤフラム36の上面との間に形成されており、水やエチレングリコール、シリコーンオイル等の液体が封入されている。液体封入室34は、仕切り体42によって、防振基体16側、即ち防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室34Aと、ダイヤフラム36側、即ちダイヤフラム36が室壁の一部をなす下側の副液室34Bとに仕切られている。
仕切り体42は、この例では、金属板をプレス加工することで円盤状に形成されており、その下端周縁部から外方へフランジ部44が張り出し形成されている。このフランジ部44をダイヤフラム36の補強部材38とともにかしめ部28でかしめ固定することにより、仕切り体42は第2取付具14に嵌着されている。仕切り体42は、外周面の中央部が内側に向けて窪んでおり、この外周面と上記シール壁部32との間に、主液室34Aと副液室34Bを互いに連通されるオリフィス46が形成されている。
オリフィス46は、仕切り体42の外周部において周方向に沿って設けられた液体の流路であり、周方向の一端が第1開口46Aを介して主液室34A側に連通され、他端が第2開口46Bを介して副液室34B側に連通されている(図1参照)。オリフィス流路46は、この例では車両走行時のシェイク振動を減衰するために、シェイク振動に対応した低周波数域(例えば、5〜15Hz程度)にチューニングされたシェイクオリフィスである。すなわち、オリフィス流路46を通じて流動する液体の共振作用に基づく減衰効果がシェイク振動の入力時に有効に発揮されるように、流路の断面積及び長さを調整することによってチューニングされている。
上記カバー部材24は、ダイヤフラム36の背後、この例では下面側を覆うキャップ金具であり、ダイヤフラム36を挟んで副液室34Bと反対側に密閉された空気室48を形成している。すなわち、ダイヤフラム36を隔壁として、その上側が液体封入室34とされ、下側におけるカバー部材24の内側が空気室48とされている。なお、空気室48は、外気と連通状態に設けられてもよい。
カバー部材24は、上端部に径方向外方に張り出し形成されたフランジ部24Bを有し、該フランジ部24Bが筒状部材22の下端部のかしめ部28によりかしめ締結されている。カバー部材24は、上記のように、その底壁24Aの中央部に下向きに突設されたボルト26を備える。このボルト26は、円盤状の頭部26Aの下方にセレーション26Bを有するセレーションボルトであり、カバー部材24の底壁24Aに圧入により貫通固定され、頭部26Aを空気室48内に配して、ねじ部52Cが外側(この例では下方)に突出した状態に設けられている。
図1に示すように、ダイヤフラム36には、空気室48内に突出するゴム弾性体からなる筒状突起50が一体に設けられている。筒状突起50は、大振幅入力時におけるダイヤフラム36の空気室48側への撓み変形を抑制するものであり、ダイヤフラム36の可撓部40の範囲内において、当該可撓部40の空気室48側の膜面から、下方、即ちカバー部材24側に向けて突出形成されている。筒状突起50は、可撓部40の軸心(中心)O(図3参照)に対して同心状に設けられた薄肉円筒状の突起であり、軸方向Xに突出している。また、初期荷重時を含む通常使用状態では、筒状突起50の先端部(下端)がカバー部材24に当接しないように、カバー部材24の底壁24Aにまで至らない突出高さに形成されている。
筒状突起50は、大振幅入力時にカバー部材24に当接することによってダイヤフラム36の空気室48側への過度な撓み変形を抑制してその拡張ばね定数を大きくするが、かかる当接時における衝撃を和らげるために軸方向Xに延びる筒状の突起として形成されている。詳細には、筒状突起50は、図3に示すように、膜面からの突出高さQが肉厚(軸方向Xでの平均肉厚)Pよりも大きく(Q>P)となるように設定されている。これにより、大振幅入力時にカバー部材24との当接後にも、筒状突起50の軸方向Xにおける弾性変形が許容され、カバー部材24への伝達エネルギーを緩和することができる。より好ましくは、突出高さQが肉厚Pの3倍以上(Q≧3P)となるような薄肉円筒状に形成することであり、衝撃を和らげる効果を高めることができる。また、筒状突起50は、その両側面の先端部から根元にかけた傾斜角度(軸方向Xに対する角度)θが0°≦θ≦30°であることが好ましい。
筒状突起50は、可撓部40の軸心Oに対して同心円状に複数設けられており、この例では、内側筒状突起50Aと外側筒状突起50Bとの二重円状に設けられている(図2参照)。筒状突起50は、上記軸心Oを中心として可撓部40の径の50%の範囲内に少なくとも1つ設けられていることが好ましい。すなわち、少なくとも1つの筒状突起50は、可撓部40の直径をDとしたとき、上記軸心Oを中心としてD/2の範囲内に配置されている(図3参照)。一例として、図示したものでは、内側筒状突起50Aの直径が約0.2D、外側筒状突起50Bの直径が約0.5Dであり、従って、内側筒状突起50Aと外側筒状突起50Bとの合計2つの筒状突起50が、上記D/2の範囲内に配置されている。
内側筒状突起50Aと外側筒状突起50Bの突出高さQの関係については、同じ高さに設定してもよく、どちらかを高く設定してもよい。一般に、ダイヤフラム36の可撓部40は、中央部40Aでの撓み変形量が最も大きく、外周側に行くに従って撓み変形量は小さくなるので、外側筒状突起50Bでもカバー部材24との当接による撓み抑制効果を有効に発揮させるためには、外側筒状突起50Bを内側筒状突起50Aよりも突出高さが高くなるように設定することが好ましい場合が多い。一例として、図示したものでは、内側筒状突起50Aは、突出高さQ=約8mm、肉厚P=1mm、傾斜角度θ=2°であり、外側筒状突起50Bは、突出高さQ=約10mm、肉厚P=1mm、傾斜角度θ=2°である。
内側筒状突起50Aは、大振幅入力時にその先端部がボルト26の頭部26Aに当接するように設定されている(図5参照)。すなわち、内側筒状突起50Aは、軸方向Xからみて頭部26Aと重なり合う位置に設けられている。この例では、円盤状をなす頭部26Aは、可撓部40と共通の軸心Oを持つように設けられており、従って、内側筒状突起50Aも共通の軸心Oを持つ。そして、内側筒状突起50Aの径よりも頭部26Aの径の方が大きく設定されており、そのため、内側筒状突起50Aの全体が頭部26Aに当接するように設定されている。一方、外側筒状突起50Bについては、頭部26Aを取り囲むその周りでカバー部材24の底壁24Aに当接するように設定されている。
図2,3に示すように、筒状突起50の先端部にはスリット52が設けられている。すなわち、筒状突起50には、先端(この例では下端)から軸方向Xに延びる一定幅のスリット52が設けられている。スリット52は、この例では、各筒状突起50A,50Bに対し、周方向の一箇所に設けられている。また、スリット52は、大振幅入力時に筒状突起50がカバー部材24との間で軸方向Xに圧縮変形した状態でも、スリット52が潰れて閉塞されないように、その軸方向Xでの深さが設定されており、圧縮変形量の大きい内側筒状突起50Aの方が外側筒状突起50Bよりもスリット52の深さが大きく設定されている。一例として、図示したものでは、内側筒状突起50Aのスリット52の深さは5mm、外側筒状突起50Bのスリット52の深さは3mmとし、スリット幅はともに2mmとしている。
筒状突起50には、また、その根元部に筒状突起50を補強するための補強リブ54が設けられている。図2,4に示すように、補強リブ54は、各筒状突起50A,50Bの根元部を内周側から補強するものであり、周方向における複数箇所(この例では3箇所)に均等配置されている。詳細には、補強リブ54は、図4に示すように断面三角形状をなし、筒状突起50の内側におけるダイヤフラム36本体の膜面と、筒状突起50の内周面との間を連結して形成されている。
以上よりなる液封入式防振装置10であると、通常使用領域である所定振幅未満の振動入力、例えば振幅0.5mm程度のシェイク振動時においては、筒状突起50がカバー部材24に当接していないので、ダイヤフラム36の拡張ばね定数が小さく、そのため、オリフィス46での液流動効果による本来の減衰性能を発揮することができる。
一方、振幅(第1取付具12と第2取付具14との相対変位)が1mmを超えるような所定振幅以上の大振幅入力時(例えば、荒れた路面を走行したとき等のような振幅2mm程度の振動入力時)において、第1取付具12が下方に相対変位することでダイヤフラム36が空気室48側に大きく撓んだ時には、図5に示すように、筒状突起50の先端部がカバー部材24の底壁24Aに当接し、これによりダイヤフラム36の撓み変形が抑制されてダイヤフラム36の拡張ばね定数が大きくなる。その結果、液体封入室34の圧力を高めることができるので、その後に、第1取付具12が上方に相対変位し主液室34Aの液圧が下降する引張側の入力があったときに、主液室34Aの液圧が過度の負圧状態となるのを抑制することができ、キャビテーションによる異音の発生を抑えることができる。
また、上記筒状突起50であると、カバー部材24に衝突する際の異音についても、軸方向Xに弾性変形することで、衝突時のエネルギーを吸収してカバー部材24への伝達エネルギーを緩和することができる。すなわち、カバー部材24への伝達エネルギーEは、筒状突起50の運動エネルギーをE1とし、筒状突起50の変形による消費エネルギーをE2として、E=E1−E2で表されるので、筒状突起50の変形による消費エネルギーの分だけ、カバー部材24への伝達エネルギーを低減することができ、異音の発生を抑えることができる。また、筒状突起50が薄肉筒状であることにより、カバー部材24への衝突による荷重変化が滑らかとなり、衝突によるショック感を低減することができる。これらのことから、筒状突起50とカバー部材24との衝突による異音を効果的に低減することが可能となる。
本実施形態によれば、また、筒状突起50を可撓部40の径Dの50%以内という中央部寄りに設けている。ダイヤフラム36は中央部40Aほど撓み変形量が大きいので、筒状突起50を中央部寄りに設けることで、撓み抑制効果をより高めることができる。また、上記のようにダイヤフラム36は、中央部40Aを頂部とする防振基体16側に凸の湾曲面状をなしているので、中央部寄りほど筒状突起50の突出高さQを大きくして、筒状突起50の軸方向Xでの変位ストロークを大きく確保することができ、上記衝突時のエネルギー吸収能力を高めることができる。
また、本実施形態によれば、筒状突起50を同心円状に複数設けたので、上記のような大振幅入力時におけるダイヤフラム36の非線形なばね特性の調整を段階的に行うことができる。しかも、上記衝突時のエネルギー吸収能力を更に高めることができるので、異音の発生を更に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、筒状突起50をダイヤフラム36に一体形成したので、ダイヤフラム36の撓み変形抑制を安価に実現することができる。また、その際、カバー部材24に設けられたボルト26の頭部26Aに対して、ダイヤフラム36の撓み変形時に筒状突起50Aが当接するようにしたので、ダイヤフラム本体が頭部26Aを当接することを回避して、ダイヤフラム36が損傷するおそれを低減することができる。
本実施形態によれば、また、筒状突起50にスリット52を設けたことにより、カバー部材24との当接後に、筒状突起50がカバー部材24の壁面に吸い付き、ダイヤフラム36が復帰できなくなることを回避することができる。
また、筒状突起50の根元部に補強リブ54を設けたことにより、大振幅振動の繰り返し入力による筒状突起50のヘタリ等による変形を抑制することができ、安定した機能を発揮することができる。
なお、上記実施形態では、筒状突起50を内外二重に設けたが、筒状突起50の数はこれに限定されず、1個又は3個以上設けてもよい。
また、上記実施形態では、筒状突起50をダイヤフラム36に一体に設けたが、ダイヤフラム36の可撓部40の範囲内における当該ダイヤフラム36とカバー部材24との対向面のいずれか一方から突出するものであれば、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、可撓部40に対し軸方向Xにおいて対向する範囲内であれば、カバー部材24の底壁24Aから同様の筒状突起を突出形成させてもよい。その場合、筒状突起は、カバー部材24の底壁24Aから、上方、即ちダイヤフラム36側に向けて突出し、初期荷重時を含む通常使用状態では、その先端部(上端)がダイヤフラム36に当接しないように、ダイヤフラム36の下面にまで至らない突出高さに形成される。そして、大振幅入力時にダイヤフラム36の下面に当接することによってダイヤフラム36の空気室48側への過度な撓み変形を抑制してその拡張ばね定数を大きくする。なお、このようにカバー部材24側から筒状突起を突出形成する場合、筒状突起はカバー部材24の底壁24Aに一体に加硫成形してもよく、あるいは別途加硫成形した筒状突起をカバー部材24の底壁24Aに固定してもよい。
上記実施形態では、大振幅入力時に、内側筒状突起50Aの先端部がその全体でボルト26の頭部26Aに当接するように構成したが、必ずしも筒状突起の全体がボルト頭部に当接するように設けられる必要はない。例えば、ボルトがカバー部材の底壁に2本設けられた場合、ボルトは筒状突起と共通の軸心を持たず、従って、筒状突起はボルト頭部に対して偏心して設けられる。このような場合、筒状突起がボルト頭部の一部にかかるように設けられていても、筒状突起がボルト頭部と当接することにより、ダイヤフラム本体がボルト頭部と当接するのを回避することができるので、ダイヤフラムが損傷するおそれを低減することができる。
上記実施形態では、液室として主液室34Aと単一の副液室34Bとからなる場合について説明したが、主液室とともに複数の副液室を持ち、これらの液室間がオリフィス流路を介して連結された様々な液封入式防振装置にも同様に適用することができる。また、上記液封入式防振装置10は、上下反転させて車両に組み付けられるものであってもよい。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
本発明は、エンジンマウントの他、例えば、モータなど他のパワーユニットを支承するマウント、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に利用することができる。
10…液封入式防振装置 12…第1取付具 14…第2取付具
16…防振基体 24…カバー部材 26…ボルト
26A…頭部 34…液体封入室 34A…主液室
34B…副液室 36…ダイヤフラム 40…可撓部
42…仕切り体 46…オリフィス 48…空気室
50…筒状突起 50A…内側筒状突起 50B…外側筒状突起
52…スリット X…軸方向 O…可撓部の軸心
D…可撓部の直径

Claims (6)

  1. 振動源側と支持側のいずれか一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側のいずれか他方に取り付けられる筒状の第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付具側に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性体からなるダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切り体と、前記主液室と前記副液室を連通させるオリフィスと、を備えた液封入式防振装置において、
    前記第2取付具が、前記ダイヤフラムの背後を覆うことで前記ダイヤフラムを挟んで前記副液室と反対側に空気室を形成するカバー部材を備え、
    前記ダイヤフラムの前記空気室側への撓み変形を抑制するためのゴム状弾性体からなる筒状突起が、前記ダイヤフラムの可撓部の範囲内における当該ダイヤフラムと前記カバー部材との対向面のいずれか一方から突出形成された
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記筒状突起が、前記可撓部の軸心に対して同心状に設けられ、前記軸心を中心として前記可撓部の径の50%の範囲内に少なくとも1つ設けられたことを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記筒状突起が、前記ダイヤフラムの空気室側の膜面から突出形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
  4. 前記筒状突起の先端にスリットが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
  5. 前記筒状突起が、前記可撓部の軸心に対して同心円状に複数設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
  6. 前記カバー部材の底壁には、前記空気室内に頭部を配して外側に突出するボルトが固設されており、大振幅入力時に前記筒状突起の先端の少なくとも一部が前記頭部に当接するように前記筒状突起が設けられたことを特徴とする請求項3記載の液封入式防振装置。
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