JP2000062594A - 車両の走行状態検出装置 - Google Patents

車両の走行状態検出装置

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JP2000062594A
JP2000062594A JP23915698A JP23915698A JP2000062594A JP 2000062594 A JP2000062594 A JP 2000062594A JP 23915698 A JP23915698 A JP 23915698A JP 23915698 A JP23915698 A JP 23915698A JP 2000062594 A JP2000062594 A JP 2000062594A
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lateral acceleration
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yaw rate
road
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Toru Yoshioka
透 吉岡
Tomohiko Adachi
智彦 足立
Teru Iyoda
輝 伊与田
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の横滑り角を精度良く検出する。 【解決手段】ヨーレート、横方向加速度、車速の関係式
から演算される車両横滑り角の微分値Δβ0に、バンク
路やカント路等の路面状態やスピン等の走行状態に応じ
た補正値ωをかけて補正した車両横滑り角の参照値βre
fを演算し、この参照値βrefを積分することにより車両
横滑り角βを推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の姿
勢制御に用いられるステアリング舵角、ヨーレート及び
横方向加速度等から走行路の傾斜や車両の横滑り角を検
出する車両の走行状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、走行中の車両のヨーレートや
ステアリング舵角等の車両状態量を検出して、コーナリ
ング時や緊急の障害物回避時や路面状況急変時等に車両
の横滑りやスピンを抑制する姿勢制御が数多く提案され
ている。
【0003】この姿勢制御では、車両の横滑り角や路面
摩擦係数μを推定することが重要である。
【0004】路面摩擦係数μの推定は、ステアリング舵
角と横方向加速度、或いはステアリング舵角とヨーレー
トの時系列的な変化に基づいて行われ、例えば、同じス
テアリング舵角に対して高μ路では大きな車両状態量
(横加速度やヨーレート)が得られるのに対して、低μ
路では小さな車両状態量しか得られないことから、その
比率の増減に応じてμが演算される。
【0005】また、車両横滑り角の推定は、ヨーレート
rと横方向加速度yと車速vの関係式で定義される横滑
り角βの時間微分成分Δβを積分することにより演算さ
れる。
【0006】特開平8−332934号公報には、車両
の走行路のカント(路面傾斜)を検出するために、車
速、ヨーレート、横方向加速度、横方向速度の変化率に
関する計算式を用いて走行路のカントを推定すると共
に、車両の運動モデルにより横滑り角を推定するものが
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
μ推定では、カントやバンク等の傾斜した路面ではステ
アリング舵角が0であるにもかかわらず横方向加速度や
ヨーレートが発生することがあるため、ステアリング舵
角に対するヨーレートや横方向加速度の応答に基づいて
μを推定演算すると大きな誤差が生じる虞がある。
【0008】また、従来の車両横滑り角βの推定では、
μの影響をあまり受けずに演算することができるが、セ
ンサの出力誤差の影響を受けやすく、カントやバンク等
の傾斜した路面ではステアリング舵角が0であるにもか
かわらず横方向加速度やヨーレートが発生することがあ
るため、演算値が急に変化することがある。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、そ
の目的は、車両の急激な挙動変化や路面摩擦係数μの影
響を抑えて、走行路の傾斜を正確に検出できる車両の走
行状態検出装置を提供することである。
【0010】また、本発明の他の目的は、簡単な演算に
より車両の横滑り角の推定を素早く高精度に行うことが
できる車両の走行状態検出装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的
を達成するために、本発明の車両の走行状態検出装置
は、以下の構成を備える。即ち、車両のヨーレートを検
出するヨーレート検出手段と、車両の横方向加速度を検
出する横方向加速度検出手段と、前記ヨーレート検出手
段にて検出されたヨーレートと、前記横方向加速度検出
手段にて検出された横方向加速度とに関連する参照値を
演算する演算手段と、前記参照値から車両の走行路面の
傾斜を検出する傾斜検出手段とを具備する。
【0012】また、好ましくは、前記参照値は横方向加
速度とヨーレートに関する1次遅れ変数に適用されるパ
ラメータにより定義される。
【0013】また、好ましくは、前記パラメータは同定
により演算される。
【0014】また、好ましくは、前記ヨーレートに関す
るパラメータをa、横方向加速度に関するパラメータを
bとすると、前記参照値は、b/1−aにより演算され
る。
【0015】また、好ましくは、前記傾斜検出手段は、
前記参照値が略1ならば水平面路、該参照値が略0なら
ばバンク路、該参照値が1より大きいならばカント路と
判定する。
【0016】また、本発明の車両の走行状態検出装置
は、以下の構成を備える。即ち、少なくとも車両のステ
アリング舵角と車速を検出する検出手段と、前記検出手
段にて検出されたステアリング舵角と車速から車両の横
滑り角を推定演算する横滑り角演算手段と、前記横滑り
角演算手段にて演算された横滑り角を走行路の傾斜状態
に応じて補正する補正手段とを具備する。
【0017】また、好ましくは、車両の横方向加速度を
検出する横方向加速度検出手段と、前記検出手段にて検
出されたヨーレートと、前記横方向加速度検出手段にて
検出された横方向加速度とに関連する参照値を演算する
演算手段と、前記参照値から車両の走行路面の傾斜を検
出する傾斜検出手段とを更に備える。
【0018】また、好ましくは、前記参照値は横方向加
速度とヨーレートに関する1次遅れ変数に適用されるパ
ラメータにより定義される。
【0019】前記パラメータは同定により演算される。
【0020】前記ヨーレートに関するパラメータをa、
横方向加速度に関するパラメータをbとすると、前記参
照値は、b/1−aにより演算される。
【0021】また、好ましくは、前記傾斜検出手段は、
前記参照値が略1ならば平面路、該参照値が略0ならば
バンク路、該参照値が1より大きいならばカント路と判
定する。
【0022】また、好ましくは、前記補正手段は前記横
滑り角演算手段にて演算された横滑り角を走行路の旋回
状態に応じて更に補正する。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、ヨーレートと横方向加速度とに関連する参照値
を演算し、参照値から車両の走行路面の傾斜を検出する
ことにより、車両の急激な挙動変化や路面摩擦係数μの
影響を抑えて、走行路の傾斜を正確に検出できる。
【0024】また、請求項2に記載の発明によれば、参
照値は横方向加速度とヨーレートに関する1次遅れ変数
に適用されるパラメータにより定義されることにより、
ステアリング舵角や路面摩擦係数μの影響を抑えて、走
行路の傾斜を正確に検出できる。
【0025】また、請求項3に記載の発明によれば、パ
ラメータは同定により演算されることにより、簡単な演
算にて走行路の傾斜を正確に検出できる。
【0026】また、請求項4に記載の発明によれば、参
照値は、b/1−aにより演算されることにより、簡単
な演算にて走行路の傾斜を正確に検出できる。
【0027】また、請求項5に記載の発明によれば、参
照値が略1ならば水平面路、参照値が略0ならばバンク
路、参照値が1より大きいならばカント路と判定するこ
とにより、参照値の演算結果から容易に走行路の傾斜を
検出できる。
【0028】また、請求項6に記載の発明によれば、横
滑り角を走行路の傾斜状態に応じて補正することによ
り、簡単な演算により車両の横滑り角の推定を素早く高
精度に行うことができる。
【0029】また、請求項7に記載の発明によれば、参
照値から車両の走行路面の傾斜を検出することにより、
車両の横滑り角の推定精度をより高めることができる。
【0030】また、請求項8に記載の発明によれば、参
照値は横方向加速度とヨーレートに関する1次遅れ変数
に適用されるパラメータにより定義されることにより、
走行路の傾斜を正確に検出して車両の横滑り角の推定精
度をより高めることができる。
【0031】また、請求項9に記載の発明によれば、パ
ラメータは同定により演算されることにより、簡単な演
算にて走行路の傾斜を正確に検出して車両の横滑り角の
推定精度をより高めることができる。
【0032】また、請求項10に記載の発明によれば、
参照値は、b/1−aにより演算されることにより、簡
単な演算にて走行路の傾斜を正確に検出して車両の横滑
り角の推定精度をより高めることができる。
【0033】また、請求項11に記載の発明によれば、
参照値が略1ならば平面路、該参照値が略0ならばバン
ク路、該参照値が1より大きいならばカント路と判定す
ることにより、参照値の演算結果から容易に走行路の傾
斜を検出でき、参照値の演算結果から車両の横滑り角の
推定精度をより高めることができる。
【0034】また、請求項12に記載の発明によれば、
横滑り角を走行路の旋回状態に応じて更に補正すること
により、横滑り角の推定精度をより高めることができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施形態]先ず、第1の実施形態として走行路
面の傾斜検出方法について説明する。
【0036】本実施形態の車両には、図9にて後述する
ように、FR車輪速センサ11、FL車輪速センサ1
2、RR車輪速センサ13、RL車輪速センサ14、車
速センサ15、ステアリング舵角センサ16、車両に働
くヨーレートを検出するヨーレートセンサ17、車両の
幅方向に働く横方向加速度を検出する横方向加速度セン
サ18、車両の前後方向に働く加速度を検出する前後方
向加速度センサ19が配設されている。SCS・ECU
10は、車速センサ15、ステアリング舵角センサ1
6、ヨーレートセンサ17、横方向加速度センサ18、
前後方向加速度センサ19の各検出信号を用いて以下に
説明する演算を行う。
【0037】先ず、ヨーレートrと横方向加速度yに関
する下記式1に示す1次モデルに基づいてパラメータの
同定を行い、このパラメータから演算されるゲインに基
づいて走行路面の傾斜を検出する。
【0038】
【数1】
【0039】ここで、kはサンプル番号を表わし、(a
yr,byr)が同定されたパラメータである。具体的
なパラメータa、bの求め方は、逐次演算型の最小二乗
法を用いて演算される。尚、同定手法としては、最小二
乗法に特定されるものではない。
【0040】これらパラメータに基づいてヨーレートr
から横方向加速度yへのゲインGryを演算する。ゲイ
ンGryは下記式2により表される。
【0041】
【数2】
【0042】尚、上記ゲインGryは、ラプラス演算子
をS、車速vとすると、下記の式3から式4のように表
わすこともできる。
【0043】
【数3】
【0044】そして、このヨーレートから横方向加速度
への応答ゲインGryを観察することによって、車両の
走行路面が水平なのか、カントやバンク等の傾斜路面な
のかを判定する。
【0045】つまり、車両の走行路面が水平ならばゲイ
ンGryが1に近い値となり、カントがあるならばヨー
レートが0のままで横方向加速度の出力が載るので1よ
り大きい値となり、バンクがあるならば横方向加速度が
0のままでヨーレートに出力が載るので1より小さく0
に近い値となる。
【0046】以上のように、第1の実施形態によれば、
車両の急激な挙動変化や路面摩擦係数μの影響を抑え
て、走行路の傾斜を正確に検出できる。 [第2の実施形態]次に、第2の実施形態として走行路
面の摩擦係数μの推定方法について説明する。
【0047】この手法は、上記式4で演算されるゲイン
Gryに基づいて走行路面の摩擦係数μを推定するもの
である。
【0048】この路面摩擦係数μの推定では、上記式4
で算出されるヨーレートrから横方向加速度yへのゲイ
ンGryに加えて、ステアリング舵角δからヨーレート
rへのゲインGδrと、ステアリング舵角δから横方向
加速度yへのゲインGδyを用いる。これらゲインGδ
r、Gδyは、下記式5、6に示す1次モデルに基づい
てパラメータの同定を行い、このパラメータから演算さ
れる。
【0049】
【数4】
【0050】ここで、kはサンプル番号を表わし、(a
r,br)、(ay,by)が同定されたパラメータで
ある。具体的なパラメータa、bの求め方は、逐次演算
型の最小二乗法を用いて演算される。
【0051】これらパラメータに基づいてゲインGδ
r、Gδyが演算される。ゲインGδr、Gδyは下記
式7、8により表される。
【0052】
【数5】
【0053】図1は、第2実施形態の走行路面の摩擦係
数μの推定方法を説明するフローチャートである。図2
は、ステアリング舵角δから横方向加速度yへのゲイン
Gδrと路面摩擦係数μとの関係を示すマップである。
図3は、ステアリング舵角δから横方向加速度yへのゲ
インGδy又はステアリング舵角δからヨーレートrへ
のゲインGδrと路面摩擦係数μとの関係を示すマップ
である。図4は、ステアリング舵角δからヨーレートr
へのゲインGδrと路面摩擦係数μとの関係を示すマッ
プである。
【0054】図1に示すように、ステップS2では、ヨ
ーレートセンサ、横方向加速度センサ及びステアリング
舵角センサの各出力値を読み込む。ステップS4では、
上記式2、7、8からゲインGδr、Gδy、Gryを
演算する。
【0055】ステップS6では、ゲインGryが所定値
a以上で所定値b以下であるか否かにより、ゲインGr
yが1に近い値か否かを判定する。
【0056】ステップS6でゲインGryが所定値a以
上で所定値b以下であるならば(ステップS6でYE
S)、ステップS8で図3に示すマップBを用いて路面
μを推定する。このステップS8では、ゲインGryが
1に近く走行路面は水平と考えられるので、ステアリン
グ舵角δに対するヨーレートr又は横方向加速度yへの
ゲインGδr又はGδyに基づいて路面μを推定する。
【0057】一方、ステップS6でゲインGryが所定
値a以上で所定値b以下でないならば(ステップS6で
NO)、ステップS10に進む。
【0058】ステップS10では、ゲインGryが0以
上で所定値a未満であるか否かにより、ゲインGryが
1より小さく、0に近い値か否かを判定する。
【0059】ステップS10でゲインGryが0以上で
所定値a未満であるならば(ステップS10でYE
S)、ステップS12で図2に示すマップAを用いて路
面μを推定する。このステップS12では、ゲインGr
yが1より小さく、0に近いのでバンク路を走行してい
る可能性があり、その場合には横方向加速度が0のまま
でヨーレートに所定の誤差成分が載っている可能性があ
るのでステアリング舵角δから横方向加速度yへのゲイ
ンGδyに基づいて路面μを推定する。
【0060】また、ステップS10でゲインGryが0
以上で所定値a未満でないならば(ステップS10でN
O)、ステップS14に進む。
【0061】ステップS14では、ゲインGryが所定
値bより大きく所定値c未満であるか否かにより、ゲイ
ンGryが1より大きい値か否かを判定する。
【0062】ステップS14でゲインGryが所定値b
より大きく所定値c未満であるならば(ステップS14
でYES)、ステップS16で図4に示すマップCを用
いて路面μを推定する。このステップS16では、ゲイ
ンGryが1より大きいのでカント路を走行している可
能性があり、その場合にはヨーレートが0のままで横方
向加速度に所定の誤差成分が載っている可能性があるの
でステアリング舵角δからヨーレートrのゲインGδr
に基づいて路面μを推定する。
【0063】また、ステップS14でゲインGryが所
定値bより大きく所定値c未満でないならば(ステップ
S14でNO)、ステップS18に進む。
【0064】ステップS18では、ゲインGryが1に
対して大幅にかけ離れており、正確な路面μの推定が不
可能であると判定して、路面μを前回値に保持する。
【0065】尚、横加速度センサは、一般的にバネ上に
取り付けられているので、水平面路を走行中であっても
車体の傾き成分を検出してしまう。このため、ゲインG
ryの大きさを判定する場合に1よりも若干大きな値、
例えば、1.1程度(0.5Gの横方向加速度に対する車体ロ
ール角の大きさに基づいて決定)を基準としてもよい。
また、この基準値を車両の過渡応答に応じて変更しても
よい。
【0066】更に、ゲインGryの大きさを判定するた
めの基準値を図5のa1,a2,b1,b2に設定し、
基準値a1,a2の間では、マップA,Bの値を補間演
算してもよい。
【0067】以上のように、第2の実施形態によれば、
路面摩擦係数μの推定を素早く高精度に行うことができ
る。 [第3の実施形態]次に、第3の実施形態として車両の
横滑り角βの推定方法について説明する。
【0068】この手法は、図6に示すように、ヨーレー
トr、横方向加速度y、車速vの関係式9から演算され
る車両横滑り角β0の微分値に、式10のようにバンク
路やカント路等の路面状態やスピン等の走行状態に応じ
た補正値ωをかけて補正した車両横滑り角の参照値βre
fを演算し、この参照値βrefを積分することにより車両
横滑り角βを推定する。
【0069】
【数6】
【0070】また、この参照値βrefを積分する際に、
バンク路走行時のヨーレート成分やカント路走行時の横
方向加速度成分によるセンサの遅れを調整するために、
ヨーレートrと参照値βrefとの関係式11と、横方向
加速度yと参照値βrefとの関係式12で表されるゲイ
ンにより遅れ成分を取り除いた参照値βrefについて積
分する。
【0071】
【数7】
【0072】ここで、補正値ωは路面の傾斜に基づく補
正値ω1と車両の走行状態に基づく補正値ω2との和と
して式13のように設定される。
【0073】ω=ω1+ω2・・・(13) 路面の傾斜に基づく補正値ω1は、上記式4により定義
されるヨーレートrから横方向加速度へのゲインGry
の値に基づいて設定される。
【0074】図7は、路面の傾斜に基づく補正値ω1と
ヨーレートrから横方向加速度へのゲインGryとの関
係を示すマップである。
【0075】図7に示すように、ゲインGryが1に近
い値であれば車両は水平な路面上を走行中であると考え
られ、ゲインGryが0に近く或いは1より大きい値で
あれば車両はバンク路又はカント路上を走行中であると
考えられるため、ゲインGryが1に近づくほど補正値
ω1を増加方向に変化させる。
【0076】また、車両の走行状態に基づく補正値ω2
は、上記式4、7、8により定義されるヨーレートrか
ら横方向加速度yへのゲインGryと、ステアリング舵
角δとヨーレートへのゲインGδrと、ステアリング舵
角δから横方向加速度yへのゲインGδyの各値に関す
る関係式13により演算されるゲインGδry基づいて
設定される。
【0077】
【数8】
【0078】図8は、車両の走行状態に基づく補正値ω
2とゲインGδryとの関係を示すマップである。
【0079】図8に示すように、ゲインGδryが1に
近い値であれば車両は通常の安定走行中であると考えら
れ、ゲインGδryが0に近く或いは1より大きい値で
あれば車両はスピン走行やドリフトアウト走行中である
と考えられるため、ゲインGδryが1から遠ざかるほ
ど補正値ω2を増加方向に変化させる。
【0080】以上のように、第3の実施形態によれば、
簡単な演算により車両の横滑り角の推定を素早く高精度
に行うことができる。 [車両の姿勢制御について]次に、上記各実施形態に共
通に適用する車両の姿勢制御について説明する。
【0081】図9は本実施形態の車両の姿勢制御装置の
制御ブロックの全体構成を示す図である。
【0082】図9に示すように、本実施形態の車両の姿
勢制御装置は、例えば、車両の走行状態がコーナリング
時や緊急の障害物回避時や路面状況急変時等において、
走行中の車両の横滑りやスピンを抑制するために前後・
左右の各車輪への制動力を制御するものである。各車輪
には、油圧ディスクブレーキ等のFR(右前輪)ブレー
キ31、FL(左前輪)ブレーキ32、RR(右後輪)
ブレーキ33、RL(左後輪)ブレーキ34が設けられ
ている。これらFR、FL、RR、RLブレーキ31〜
34は油圧制御ユニット30に夫々接続されている。油
圧制御ユニット30はFR、FL、RR、RLブレーキ
31〜34の各ホイールシリンダ(不図示)に接続さ
れ、各ブレーキ31〜34のホイールシリンダに油圧を
導入することにより各車輪へ制動力を付加する。油圧制
御ユニット30は、加圧ユニット36及びマスタシリン
ダ37に接続されている。マスタシリンダ37はブレー
キペダル38の踏力圧に応じて1次油圧を発生させる。
この1次油圧は、加圧ユニット36に導入され、加圧ユ
ニット36で2次油圧に加圧されて油圧制御ユニット3
0に導入される。油圧制御ユニット30は、SCSEC
U10に電気的に接続され、ECU10からの制動制御
信号に応じてFR、FL、RR、RLブレーキ31〜3
4への油圧を配分制御して各車輪への制動力を制御す
る。
【0083】SCS(STABILITY CONTROLLED SYSTEM)
・ECU(ELECTRONIC CONTROLLED UNIT)10は、本実
施形態の姿勢制御装置として前後・左右の各車輪への制
動制御を司ると共に、従来周知のABS(アンチロック
ブレーキシステム)制御やトラクションコントロールシ
ステム制御(以下、トラクション制御)をも司る演算処
理装置である。SCS・ECU10には、FR車輪速セ
ンサ11、FL車輪速センサ12、RR車輪速センサ1
3、RL車輪速センサ14、車速センサ15、ステアリ
ング舵角センサ16、車両に働くヨーレートを検出する
ヨーレートセンサ17、車両の幅方向に働く横方向加速
度を検出する横方向加速度センサ18、車両の前後方向
に働く加速度を検出する前後方向加速度センサ19、ブ
レーキ踏力圧センサ35、EGIECU20、トラクシ
ョンオフスイッチ40が接続されている。
【0084】ABS制御及びトラクション制御の概要を
説明すると、ABS制御とは、車両走行中に急ブレーキ
操作がなされて、車輪が路面に対してロックしそうな場
合に車輪への制動力を自動的に制御して車輪のロックを
抑制しながら停止させるシステムであり、トラクション
制御とは、車両走行中に車輪が路面に対してスリップす
る現象を各車輪への駆動力或いは制動力を制御すること
により抑制しながら走行させるシステムである。
【0085】FR車輪速センサ11は右前輪の車輪速度
の検出信号v1をSCS・ECU10に出力する。FL車
輪速センサ12は左前輪の車輪速度の検出信号v2をSC
S・ECU10に出力する。RR車輪速センサ13は右
後輪の車輪速度の検出信号v3をSCS・ECU10に出
力する。RL車輪速センサ14は左後輪の車輪速度の検
出信号v4をSCS・ECU10に出力する。車速センサ
15は車両の走行速度の検出信号VをSCS・ECU1
0に出力する。ステアリング舵角センサ16はステアリ
ング回転角の検出信号δをSCS・ECU10に出力す
る。ヨーレートセンサ17は車体に実際に発生するヨー
レートの検出信号rをSCS・ECU10に出力する。
横方向加速度センサ18は車体に実際に発生する横方向
加速度の検出信号yをSCS・ECU10に出力する。
前後方向加速度センサ19は車体に実際に発生する前後
方向加速度の検出信号ZをSCS・ECU10に出力す
る。ブレーキ踏力圧センサ35は加圧ユニット36に設
けられ、ブレーキペダル38の踏力圧の検出信号PBをS
CS・ECU10に出力する。トラクションオフスイッ
チ40は、後述するが車輪のスピン制御(トラクション
制御)を強制的に停止するスイッチであり、このスイッ
チ操作信号SをSCS・ECU10に出力する。EGI
(ELECTRONIC GASOLINE INJECTION)ECU20は、エ
ンジン21、AT(AUTOMATIC TRANSMISSION)22、ス
ロットルバルブ23に接続され、エンジン21の出力制
御やAT22の変速制御、スロットルバルブ23の開閉
制御を司っている。
【0086】SCS・ECU10及びEGI・ECU2
0は、CPU、ROM、RAMを含み、入力された上記
各検出信号に基づいて予め記憶された姿勢制御プログラ
ムやエンジン制御プログラムを実行する。 <姿勢制御の概略説明>本実施形態の姿勢制御は、各車
輪を制動制御することで車体に旋回モーメントと減速力
を加えて前輪或いは後輪の横滑りを抑制するものであ
る。例えば、車両が旋回走行中に後輪が横滑りしそうな
時(スピン)には主に前外輪にブレーキを付加し外向き
モーメントを加えて旋回内側への巻き込み挙動を抑制す
る。また、前輪が横滑りして旋回外側に横滑りしそうな
時(ドリフトアウト)には各車輪に適量のブレーキを付
加し内向きモーメントを加えると共に、エンジン出力を
抑制し減速力を付加することにより旋回半径の増大を抑
制する。
【0087】姿勢制御の詳細については後述するが、概
説すると、SCS・ECU10は、上述した車速センサ
15、ヨーレートセンサ17、横方向加速度センサ18
の検出信号V、r、yから第1〜第3の実施形態で説明し
た各種演算を行ない、車両に発生している実際の横滑り
角(以下、実横滑り角という)βact(上記第3実施形態
のβ0に相当する)及び実際のヨーレート(以下、実ヨー
レートという)ractを演算すると共に、実横滑り角βa
ctからSCS制御に実際に利用される推定横滑り角βco
ntの演算において参照される参照値βrefを演算する。
また、SCS・ECU10は、ステアリング舵角センサ
等の検出信号から車両の目標とすべき姿勢として目標横
滑り角βTR及び目標ヨーレートrTRを演算し、推定横滑
り角βcontと目標横滑り角βTRの差或いは実ヨーレート
r0と目標ヨーレートrTRの差が所定閾値β0、r0を越え
た時に姿勢制御を開始し、推定実横滑り角βcont或いは
実ヨーレートractが目標横滑り角βTR或いは目標ヨー
レートrTRに収束するよう制御する。
【0088】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能であ
る。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】第2実施形態の走行路面の摩擦係数μの推定方
法を説明するフローチャートである。
【図2】ステアリング舵角δからヨーレートrへのゲイ
ンGδrと路面摩擦係数μとの関係を示すマップであ
る。
【図3】ステアリング舵角δから横方向加速度yへのゲ
インGδy又はステアリング舵角δからヨーレートrへ
のゲインGδrと路面摩擦係数μとの関係を示すマップ
である。
【図4】ステアリング舵角δからヨーレートrへのゲイ
ンGδrと路面摩擦係数μとの関係を示すマップであ
る。
【図5】ゲインGryの大きさを判定する際の他の方法
について説明する図である。
【図6】車両横滑り角の推定ロジックを示すブロック図
である。
【図7】路面の傾斜に基づく補正値ω1とヨーレートr
から横方向加速度へのゲインGryとの関係を示すマッ
プである。
【図8】車両の走行状態に基づく補正値ω2とゲインG
δryとの関係を示すマップである。
【図9】本実施形態の車両の姿勢制御装置の制御ブロッ
クの全体構成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊与田 輝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D045 BB40 GG00 GG25 GG26 GG27 GG30 3D046 BB25 BB26 HH00 HH08 HH22 HH25 HH28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のヨーレートを検出するヨーレート
    検出手段と、 車両の横方向加速度を検出する横方向加速度検出手段
    と、 前記ヨーレート検出手段にて検出されたヨーレートと、
    前記横方向加速度検出手段にて検出された横方向加速度
    とに関連する参照値を演算する演算手段と、 前記参照値から車両の走行路面の傾斜を検出する傾斜検
    出手段とを具備することを特徴とする車両の走行状態検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記参照値は横方向加速度とヨーレート
    に関する1次遅れ変数に適用されるパラメータにより定
    義されることを特徴とする請求項1に記載の車両の走行
    状態検出装置。
  3. 【請求項3】 前記パラメータは同定により演算される
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の走行状態検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ヨーレートに関するパラメータを
    a、横方向加速度に関するパラメータをbとすると、前
    記参照値は、 b/1−a により演算されることを特徴とする請求項3に記載の車
    両の走行状態検出装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜検出手段は、前記参照値が略1
    ならば水平面路、該参照値が略0ならばバンク路、該参
    照値が1より大きいならばカント路と判定することを特
    徴とする請求項2又は4に記載の車両の走行状態検出装
    置。
  6. 【請求項6】 少なくとも車両のステアリング舵角と車
    速を検出する検出手段と、 前記検出手段にて検出されたステアリング舵角と車速か
    ら車両の横滑り角を推定演算する横滑り角演算手段と、 前記横滑り角演算手段にて演算された横滑り角を走行路
    の傾斜状態に応じて補正する補正手段とを具備すること
    を特徴とする車両の走行状態検出装置。
  7. 【請求項7】 車両の横方向加速度を検出する横方向加
    速度検出手段と、 前記検出手段にて検出されたヨーレートと、前記横方向
    加速度検出手段にて検出された横方向加速度とに関連す
    る参照値を演算する演算手段と、 前記参照値から車両の走行路面の傾斜を検出する傾斜検
    出手段とを更に備えることを特徴とする車両の走行状態
    検出装置。
  8. 【請求項8】 前記参照値は横方向加速度とヨーレート
    に関する1次遅れ変数に適用されるパラメータにより定
    義されることを特徴とする請求項7に記載の車両の走行
    状態検出装置。
  9. 【請求項9】 前記パラメータは同定により演算される
    ことを特徴とする請求項8に記載の車両の走行状態検出
    装置。
  10. 【請求項10】 前記ヨーレートに関するパラメータを
    a、横方向加速度に関するパラメータをbとすると、前
    記参照値は、 b/1−a により演算されることを特徴とする請求項8に記載の車
    両の走行状態検出装置。
  11. 【請求項11】 前記傾斜検出手段は、前記参照値が略
    1ならば平面路、該参照値が略0ならばバンク路、該参
    照値が1より大きいならばカント路と判定することを特
    徴とする請求項8又は10に記載の車両の走行状態検出
    装置。
  12. 【請求項12】 前記補正手段は前記横滑り角演算手段
    にて演算された横滑り角を走行路の旋回状態に応じて更
    に補正することを特徴とする請求項6に記載の車両の走
    行状態検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7558662B2 (en) 2005-08-04 2009-07-07 Hitachi, Ltd. Vehicular driving control apparatus and method
JP2010274701A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Toyota Motor Corp 車両物理量推定装置
JP2014518533A (ja) * 2012-04-18 2014-07-31 イートン コーポレーション 路面摩擦係数のリアルタイム推定方法及び装置

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