JP2007106338A - 車輌の車体速度推定装置 - Google Patents

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Yoshinori Maeda
義紀 前田
Kansuke Yoshisue
監介 吉末
Kazuya Okumura
和也 奥村
Mitsutaka Tsuchida
充孝 土田
Yoshio Uragami
芳男 浦上
Satoshi Ando
諭 安藤
Koji Sugiyama
幸慈 杉山
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Abstract

【課題】車輪が空転状態にあるか否かの判定及びその判定結果に基づく演算要領の選択を要することなく、車輌の車体速度を正確に推定する。
【解決手段】各車輪の制駆動トルクTiが求められ、各車輪の車輪速度ωiが検出され、各車輪の制駆動トルクTiに基づいて車輌モデル(52)により各車輪の推定車輪速度ωhi及び各車輪の推定前後加速度Gxwhi、即ち各車輪の位置に於ける車体の推定前後加速度が演算され、推定前後加速度Gxwhiの平均値の積分値が推定車体速度の変化量として演算され、推定車体速度Vhの前回値と推定車体速度の変化量との和が推定車体速度Vhとして演算され、各車輪の車輪速度と推定車輪速度との偏差ωi−ωhiに基づくフィードバックが行われる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車輌の車体速度推定装置に係り、更に詳細には各車輪の制駆動トルクに基づいて車体速度を推定する車体速度推定装置に係る。
自動車等の四輪駆動車の車体速度推定装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、四輪の何れかが空転状態にあるか否かに応じて車体速度の演算方法を変更する車体速度推定装置が従来より知られている。
特開平11−189150号公報
上述の如き従来の四輪駆動車の車体速度推定装置に於いては、四輪の何れかが空転状態(スリップ状態)にあるか否かに応じて車体速度の演算方法が変更されるので、四輪の何れかが空転状態にあるか否かが考慮されない場合に比して車体速度を正確に推定することができるが、何れかの車輪が空転状態にあるか否かによって車体速度の演算要領が異なるため、演算制御が複雑になるという問題がある。また正確な車体速度が求められなければ車輪が空転状態にあるか否かを正確に判定することができないため、車体速度を正確に演算することができないという問題がある。
本発明は、何れかの車輪が空転状態にあるか否かに応じて車体速度の演算方法が変更されるよう構成された従来の四輪駆動車の車体速度推定方法に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌モデルにより各車輪の推定前後加速度を演算し、各車輪の推定前後加速度に基づいて車体速度を推定することにより、或いは各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌モデルにより車輌の推定前後加速度を演算し、車輌の推定前後加速度に基づいて車体速度を推定することにより、車輪が空転状態にあるか否かの判定及びその判定結果に基づく演算要領の選択を要することなく、車輌の車体速度を正確に推定することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、各車輪の制駆動トルクを求める手段と、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、各車輪の制駆動トルクを入力とし各車輪の推定車輪速度を出力として予め設定された車輌モデルにより各車輪の制駆動トルクに基づいて各車輪の推定車輪速度を演算する推定車輪速度演算手段と、各車輪の制駆動トルクに基づいて各車輪の第一の推定前後加速度を演算し、前記各車輪の推定車輪速度及び前記車輪速度検出手段により検出された各車輪の車輪速度に基づいて各車輪の第二の推定前後加速度を演算し、前記各車輪の第一の推定前後加速度及び前記各車輪の第二の推定前後加速度に基づいて各車輪の推定前後加速度を演算する推定前後加速度演算手段と、前記各車輪の推定前後加速度に基づいて推定車体速度を演算する手段とを有することを特徴とする車輌の車体速度推定装置(請求項1の構成)、又は各車輪の制駆動トルクを求める手段と、車輌の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、各車輪の制駆動トルクを入力とし車輌の推定前後加速度を出力として予め設定された車輌モデルにより各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌の推定前後加速度を演算する推定前後加速度演算手段と、前記車輌の推定前後加速度に基づいて推定車体速度を演算する手段とを有し、前記推定前後加速度演算手段は各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌の第一の推定前後加速度を演算し、前記車輌の推定前後加速度及び前記前後加速度検出手段により検出された車輌の前後加速度に基づいて車輌の第二の推定前後加速度を演算し、前記車輌の第一の推定前後加速度及び前記車輌の第二の推定前後加速度に基づいて前記車輌の推定前後加速度を演算することを特徴とする車輌の車体速度推定装置(請求項3の構成)によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記推定車体速度を演算する手段は前記各車輪の第一の推定前後加速度及び前記各車輪の第二の推定前後加速度の和を前記各車輪の推定前後加速度として演算し、前記各車輪の推定前後加速度の平均値を車輌の推定前後加速度として演算し、前記車輌の推定前後加速度に基づいて推定車体速度を演算するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、車輌は四輪の各々に相互に独立に制駆動トルクを付与する制駆動トルク付与手段を備えた四輪駆動車であるよう構成される(請求項4の構成)。
上記請求項1の構成によれば、各車輪の制駆動トルクを入力とし各車輪の推定車輪速度を出力として予め設定された車輌モデルにより各車輪の制駆動トルクに基づいて各車輪の推定車輪速度が演算され、各車輪の制駆動トルクに基づいて各車輪の第一の推定前後加速度が演算され、各車輪の推定車輪速度及び車輪速度検出手段により検出された各車輪の車輪速度に基づいて各車輪の第二の推定前後加速度が演算され、各車輪の第一の推定前後加速度及び各車輪の第二の推定前後加速度に基づいて各車輪の推定前後加速度が演算され、各車輪の推定前後加速度に基づいて推定車体速度が演算されるので、後に詳細に説明する如く車輪が空転状態にあるか否かの判定及びその判定結果に基づく演算要領の選択を要することなく、車輌の車体速度を正確に推定することができる。
また上記請求項2の構成によれば、各車輪の第一の推定前後加速度及び各車輪の第二の推定前後加速度の和が各車輪の推定前後加速度として演算され、各車輪の推定前後加速度の平均値が車輌の推定前後加速度として演算され、車輌の推定前後加速度に基づいて推定車体速度が演算されるので、後に詳細に説明する如く車輌の推定前後加速度を正確に演算し、これにより推定車体速度を正確に演算することができる。
また上記請求項3の構成によれば、各車輪の制駆動トルクを入力とし車輌の推定前後加速度を出力として予め設定された車輌モデルにより各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌の推定前後加速度が演算され、車輌の推定前後加速度に基づいて推定車体速度が演算されるが、各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌の第一の推定前後加速度が演算され、車輌の推定前後加速度及び前後加速度検出手段により検出された車輌の前後加速度に基づいて車輌の第二の推定前後加速度が演算され、車輌の第一の推定前後加速度及び車輌の第二の推定前後加速度に基づいて車輌の推定前後加速度が演算されるので、後に詳細に説明する如く車輪が空転状態にあるか否かの判定及びその判定結果に基づく演算要領の選択を要することなく、車輌の車体速度を正確に推定することができる。
また上記請求項4の構成によれば、車輌は四輪の各々に相互に独立に制駆動トルクを付与する制駆動トルク付与手段を備えた四輪駆動車であるので、四輪駆動車の車体速度を正確に推定することができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
一般に、車輪の慣性質量をJとし、車輪の車輪速度をωとし、車輪の制駆動トルクをTとし、路面の摩擦係数をμとし、車輪の接地荷重をWとし、車輪の回転半径をRとし、ωドットを車輪速度ωの微分値とすると、車輪の回転系の運動方程式は下記の式1により表わされる。
Figure 2007106338
μドット、即ち路面の摩擦係数μの微分値は0であると仮定し、車輪の車輪速度ω及び路面の摩擦係数μを状態変数として状態方程式を立てると以下の式2の通りになる。
Figure 2007106338
路面の摩擦係数μを車輪の前後加速度Gxに置き換え、車輪の推定車輪速度ωh及び車輪の推定前後加速度Gxwhの行列を下記の式3の通りXhとし、システム行列及び制御ベクトルをそれぞれ下記の式4及び5の通りA及びBとすると、上記式2は下記の式6の通りになる。
Figure 2007106338
ここで車輪の車輪速度ωと車輪の推定車輪速度ωhとの偏差に基づくフィードバック系を構成すると、Gをフィードバックゲインとし、C=[1 0]として、上記式6は下記の式7の通りになる。
Figure 2007106338
XhとXとの偏差を下記の式8の通りεとすると、偏差εの微分値εドットは下記の式9により表わされる。
Figure 2007106338
時間の経過と共に偏差εの大きさが小さくなり最終的に0になるためには、偏差εの係数(A−GC)の固有値が負であればよいので、係数(A−GC)の固有値が負になるようフィードバックゲインGを決定すればよい。従ってラプラス演算子をsとして下記の式10及び11の通りとし、Iを単位行列として下記の式10をフィードバックゲインベクトルGについて解けばよい。
Figure 2007106338
上記式10及び11より、下記の式12が成立し、よって下記の式13が成立する。
Figure 2007106338
上記式13より、下記の式14及び15が成立し、λ1及びλ2(何れも負の値)を適合定数として例えば実験等により設定すればよい。
Figure 2007106338
従って本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の識別記号をi(i=fl、fr、rl、rr)とし、Xh、A、Bをそれぞれ上記式3乃至5に対応する下記の式16乃至18とし、フィードバックゲインGを下記の式19の通りとし、前回値及び今回値のサフィックスをそれぞれn及びn-1として、上記式7に対応する下記の式20に従ってXhドット(n)が演算され、Xhドット(n)が積分されることにより、各車輪の推定車輪速度ωhi及び各車輪の推定前後加速度Gxwhiが演算されるよう構成される(好ましい態様1)。
Figure 2007106338
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、推定車体速度を演算する手段は所定の時間毎に各車輪の推定前後加速度の平均値を車輌の推定前後加速度として演算し、車輌の推定前後加速度の積分値を推定車体速度の変化量として演算し、前回演算された推定車体速度と推定車体速度の変化量との和として推定車体速度を演算するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、推定車体速度を演算する手段は所定の時間毎に各車輪の推定前後加速度Gxwhi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、前回演算された推定車体速度をVhn-1として、下記の式21に従って推定車体速度Vhnを演算するよう構成される(好ましい態様3)。
Vhn=Vhn-1+∫(Gxwhfl+Gxwhfr+Gxwhrl+Gxwhrr)dt/4 ……(21)
また一般に、前輪及び後輪の慣性質量をそれぞれIf及びIrとし、前輪及び後輪の制駆動トルクをそれぞれTf及びTrとし、前輪及び後輪の回転半径をそれぞれRf及びRrとし、車体の質量をMとし、車体速度をVとすると、前輪及び後輪の回転系を考慮した場合の車輌の前後方向の運動方程式は下記の式22により表わされ、よって下記の式23が成立する。
Figure 2007106338
式23より制御ベクトルBを下記の式24の通りとし、車輌の前後加速度Gxhと車輌の推定前後加速度Gxhとの偏差に基づくフィードバック系を構成すると、Gをフィードバックゲインとして、上記式23は下記の式25の通りになる。
Figure 2007106338
上記式25より、下記の式26に従って推定車体速度Vhを演算することができることが解る。
Figure 2007106338
尚、車輌の推定前後加速度Gxhの即応性を高くするためには、フィードバックゲインG(>0)を大きくすればよいが、その場合にはセンサのノイズ等の高次の誤差成分も大きくなるため、推定車体速度Vhに誤差が積み重なる虞れが高くなる。従って予め実験を行い、対地車体速度計の検出値に対し推定車体速度Vhが適正な値になるようフィードバックゲインGが設定されることが好ましい。
従って本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、Bを上記式24により表される制御ベクトルとし、Gを上述の如く設定されたフィードバックゲインとし、前回値及び今回値のサフィックスをそれぞれn及びn-1として、推定車体速度を演算する手段は上記式26に対応する下記の式27に従って推定車体速度Vhnを演算するよう構成される(好ましい態様4)。
Figure 2007106338
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はインホイールモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の車体速度推定装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ非操舵輪である左右の後輪を示している。左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれインホイールモータである電動機12FL及び12FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動機12FL及び12FRにより直接駆動される。電動機12FL及び12FRは制動時にはそれぞれ左右前輪の回生発電機としても機能し、左右の前輪10FL及び10FRに直接回生制動力を付与するようになっていてよい。
同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれインホイールモータである電動機12RL及び12RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動機12RL及び12RRにより直接駆動される。電動機12RL及び12RRも制動時にはそれぞれ左右後輪の発電機としても機能し、左右の後輪10RL及び10RRに直接回生制動力を付与するようになっていてよい。
電動機12FL〜12RRの駆動力はアクセル開度センサ14により検出される図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み量としてのアクセル開度φに基づき駆動力制御用電子制御装置16により制御される。尚電動機12FL〜12RRの回生制動力も駆動力制御用電子制御装置16により制御されてよい。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置16はマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置18の油圧回路20により対応するホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路20はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量及びブレーキペダル24の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ26の圧力に応じて制御され、また必要に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置28によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量に関係なく制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、制動力制御用電子制御装置28もマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置16にはアクセル開度センサ14よりのアクセル開度φを示す信号に加えて、車輪速度センサ30iより各車輪の車輪速度ωi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、ヨーレートセンサの如き他のセンサ34より車輌のヨーレートγの如き車輌の種々の状態量が入力される。また制動力制御用電子制御装置28には圧力センサ36よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、圧力センサ38FL〜38RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pbi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。駆動力制御用電子制御装置16及び制動力制御用電子制御装置28は必要に応じて相互に信号の授受を行う。
駆動力制御用電子制御装置16は、運転者の加減速操作量であるアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき駆動トルクを正の値とし制動トルクを負の値として車輌の目標制駆動トルクTvtを演算すると共に、目標制駆動トルクTvtに基づいて所定の配分比に従って各車輪の目標制駆動トルクTti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制駆動トルクTi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ対応する目標制駆動トルクTtiになるよう電動機12FL〜12RRを制御し、或いは制動力制御用電子制御装置28に対し指令信号を出力し、制動力制御用電子制御装置28は油圧回路20を制御する。
図2は実施例1に於けるシグナルフローを示しており、図2に於いて50は実際の車輌を示し、52は各車輪の前後加速度を推定するための車輌モデルを示している。図2に示されている如く、車輌50の各車輪に制駆動トルクTiが付与されることにより各車輪の車輪速度ωiが変化する。
車輌モデル52の乗算器54には目標制駆動トルクTtiに等しい値として各車輪の制駆動トルクTiが入力され、乗算器54は上記式18にて表される制御ベクトルBと各車輪の制駆動トルクTiとの積を加算器56へ出力する。各車輪の車輪速度ωiは加算器58のプラスの入力端子に入力され、加算器58のマイナスの入力端子には乗算器60より出力される各車輪の推定車輪速度ωhiが入力される。加算器58の出力、即ち車輪速度の偏差ωi−ωhiは乗算器62へ入力され、加算器58は車輪速度の偏差ωi−ωhiと上記式19にて表されるフィードバックゲインGとの積を加算器56へ出力する。尚上記式14及び15のλ1及びλ2(何れも負の値)が実験により適宜に設定されることにより、フィードバックゲインGは上記式9に於ける偏差εの係数(A−GC)の固有値が負になるよう設定されている。
加算器56の出力は上記式16にて表されるXhの微分値、即ちXhドットであり、積分器64へ入力される。積分器64の出力、即ち上記式16にて表されるXhは乗算器60及び66へ入力される。乗算器60はXhに行列[1 0]を乗算することにより各車輪の推定車輪速度ωhiを出力し、乗算器66はXhに行列[0 1]を乗算することにより各車輪の推定前後加速度Gxwhi(i=fl、fr、rl、rr)を出力する。
また積分器64の出力、即ち上記式16にて表されるXhは乗算器68へ入力され、乗算器68は上記式17にて表されるシステム行列AとXhとの積を加算器56へ出力する。従って加算器56は「制御ベクトルBと各車輪の制駆動トルクTiとの積」と、「車輪速度の偏差ωi−ωhiとフィードバックゲインGとの積」と、「システム行列AとXhとの積」との和をXhの微分値として演算する。
従ってこの実施例1に於いては、フローチャートとしては図示されていないが、各車輪の制駆動トルクTiに基づいて上記式20に従ってXhドット(n)が演算され、Xhドット(n)が積分されることにより、各車輪の推定車輪速度ωhi及び各車輪の推定前後加速度Gxwhiが演算され、推定車体速度Vhの前回値をVhn-1として上記式21に従って推定車体速度Vhnが演算される。尚推定車体速度の演算制御の開始時には推定車体速度の前回値Vhn-1は0に設定される。
かくして実施例1によれば、各車輪の制駆動トルクTiに基づいて各車輪の推定前後加速度Gxwhi、即ち各車輪の位置に於ける車体の推定前後加速度が演算され、それらの和の積分値を推定車体速度の変化量として推定車体速度Vhが演算されるので、車輪が空転状態にあるか否かの判定及びその判定結果に基づく演算要領の選択を要することなく、車輌の車体速度を正確に推定することができる。
特に車輌モデルにより演算される各車輪の車輪速度と実際の車輌の各車輪の車輪速度との間にはモデル化誤差の如き誤差や路面の摩擦係数の不確かさの如き不確かさ存在するが、図示の実施例1によれば、各車輪の路面の摩擦係数という不確かさがオブザーバーにより推定され、推定された各車輪の路面の摩擦係数が各車輪の推定前後加速度に置き換えられ、それらの平均値が車体の推定前後加速度とされるので、この点からも車輌の車体速度を正確に推定することができる。
また図示の実施例1によれば、各車輪の車輪速度と推定車輪速度との偏差ωi−ωhiに基づくフィードバックが行われるので、モデル化誤差に起因する車体速度の推定誤差を確実に低減することができる。
また前後加速度センサにより検出される車輌の前後加速度に基づいて車輌の車体速度が推定される場合には、坂道走行時に於ける坂道勾配に応じた車輌の前後加速度の補正や前後加速度センサの零点ドリフトの補正が必要であり、また積分により検出誤差が蓄積されるという問題があるが、図示の実施例1によれば、坂道走行時に於ける坂道勾配に応じた車輌の前後加速度の補正や前後加速度センサの零点ドリフトの補正は不要であり、また検出誤差の蓄積の問題は生じない。
図3はインホイールモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の車体速度推定装置の実施例2を示す概略構成図、図4は実施例2に於けるシグナルフローを示す図である。尚図3及び図4に於いて、それぞれ図1及び図2に示された部材と同一の部材にはこれらの図に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例2に於いては、駆動力制御用電子制御装置16にはアクセル開度センサ14よりのアクセル開度φを示す信号に加えて、前後加速度センサ32より車輌の前後加速度Gxを示す信号、ヨーレートセンサの如き他のセンサ34より車輌のヨーレートγの如き車輌の種々の状態量が入力される。また駆動力制御用電子制御装置16は、各車輪の制駆動トルクTiに基づいて左右前輪の制駆動トルクTfl及びTfrの和として前輪の制駆動トルクTfを演算すると共に、左右後輪の制駆動トルクTrl及びTrrの和として後輪の制駆動トルクTrを演算する。
実施例2に於けるシグナルフローを示す図4に於いて、50は実際の車輌を示し、72は車輌の前後加速度を推定するための車輌モデルを示している。図4に示されている如く、車輌50の前輪及び後輪にそれぞれ制駆動トルクTf及びTrが付与されることにより車輌の前後加速度Gxが変化する。
車輌モデル72の乗算器74には前輪の制駆動トルクTf及び後輪の制駆動トルクTrが入力され、乗算器74は上記式24にて表される制御ベクトルBと前輪の制駆動トルクTf及び後輪の制駆動トルクTrとの積を加算器76へ出力する。車輌の前後加速度Gxは加算器78のプラスの入力端子に入力され、加算器78のマイナスの入力端子には加算器76より出力される車輌の推定前後加速度Gxhが入力される。加算器78の出力、即ち車輌の前後加速度の偏差Gx−Gxhは積分器80へ入力され、積分器80は偏差Gx−Gxhの積分値を乗算器82へ出力する。
乗算器82は車輌の前後加速度の偏差Gx−Gxhの積分値とフィードバックゲインGとの積を加算器76へ出力する。加算器76の出力は車輌の推定前後加速度Gxhであり、積分器74へ入力される。積分器74は車輌の推定前後加速度Gxhを積分することにより車輌の推定車体速度Vhを出力する。尚フィードバックゲインGは実験により対地車体速度計の検出値に対し推定車体速度Vhが適正な値になるよう設定されている。
従ってこの実施例2に於いては、フローチャートとしては図示されていないが、前輪の制駆動トルクTf、後輪の制駆動トルクTr、車輌の前後加速度Gxの前回値Gxn-1、車輌の推定前後加速度Gxhの前回値Gxhn-1に基づいて上記式27に従って推定車体速度Vhnが演算される。尚推定車体速度の演算制御の開始時には車輌の前後加速度Gxの前回値Gxn-1及び車輌の推定前後加速度Gxhの前回値Gxhn-1はそれぞれ0に設定される。
かくして実施例2によれば、前輪の制駆動トルクTf及び後輪の制駆動トルクTrに基づいて車輌の推定前後加速度Gxhが演算され、その積分値として推定車体速度Vhが演算されるので、上述の実施例1の場合と同様、車輪が空転状態にあるか否かの判定及びその判定結果に基づく演算要領の選択を要することなく、車輌の車体速度を正確に推定することができる。
また図示の実施例2によれば、車輌の前後加速度Gxと推定前後加速度Gxhとの偏差Gx−Gxhに基づくフィードバックが行われるので、モデル化誤差に起因する車体速度の推定誤差を確実に低減することができる。
尚実施例2に於いては、坂道走行時に於ける坂道勾配に応じた車輌の前後加速度の補正や前後加速度センサの零点ドリフトの補正が行われてよく、その場合には偏差Gx−Gxhに基づくフィードバックを一層正確に行うことができ、これにより車体速度の推定を更に一層正確に行うことができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例1に於いては、各車輪の制駆動トルクTiが駆動トルクであるか制動トルクであるかに関係なく車体速度が推定され、上述の実施例2に於いては、前輪の制駆動トルクTf及び後輪の制駆動トルクTrが駆動トルクであるか制動トルクであるかに関係なく車体速度が推定されるようになっているが、車輌の目標制駆動トルクTvtが駆動トルクである場合にのみ又は制動トルクである場合にのみ車体速度が推定されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、車輌はインホイールモータ式の四輪駆動車であるが、本発明が適用される車輌はインホイールモータ式の四輪駆動車以外の四輪駆動車であってもよく、その場合駆動装置は電動機以外の駆動装置であってよく、更に本発明が適用される車輌は前輪駆動車や後輪駆動車であってもよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の車体速度推定装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1に於けるシグナルフローを示す図である。 ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の車体速度推定装置の実施例2を示す概略構成図である。 実施例2に於けるシグナルフローを示す図である。
符号の説明
12FL〜12RR 電動機
14 アクセル開度センサ
16 駆動力制御用電子制御装置
18 摩擦制動装置
24 ブレーキペダル
28 制動力制御用電子制御装置
30 車輪速度センサ
32 前後加速度センサ
34 他のセンサ
36、38FL〜38RR 圧力センサ

Claims (4)

  1. 各車輪の制駆動トルクを求める手段と、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、各車輪の制駆動トルクを入力とし各車輪の推定車輪速度を出力として予め設定された車輌モデルにより各車輪の制駆動トルクに基づいて各車輪の推定車輪速度を演算する推定車輪速度演算手段と、各車輪の制駆動トルクに基づいて各車輪の第一の推定前後加速度を演算し、前記各車輪の推定車輪速度及び前記車輪速度検出手段により検出された各車輪の車輪速度に基づいて各車輪の第二の推定前後加速度を演算し、前記各車輪の第一の推定前後加速度及び前記各車輪の第二の推定前後加速度に基づいて各車輪の推定前後加速度を演算する推定前後加速度演算手段と、前記各車輪の推定前後加速度に基づいて推定車体速度を演算する手段とを有することを特徴とする車輌の車体速度推定装置。
  2. 前記推定車体速度を演算する手段は前記各車輪の第一の推定前後加速度及び前記各車輪の第二の推定前後加速度の和を前記各車輪の推定前後加速度として演算し、前記各車輪の推定前後加速度の平均値を車輌の推定前後加速度として演算し、前記車輌の推定前後加速度に基づいて推定車体速度を演算することを特徴とする請求項1に記載の車輌の車体速度推定装置。
  3. 各車輪の制駆動トルクを求める手段と、車輌の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、各車輪の制駆動トルクを入力とし車輌の推定前後加速度を出力として予め設定された車輌モデルにより各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌の推定前後加速度を演算する推定前後加速度演算手段と、前記車輌の推定前後加速度に基づいて推定車体速度を演算する手段とを有し、前記推定前後加速度演算手段は各車輪の制駆動トルクに基づいて車輌の第一の推定前後加速度を演算し、前記車輌の推定前後加速度及び前記前後加速度検出手段により検出された車輌の前後加速度に基づいて車輌の第二の推定前後加速度を演算し、前記車輌の第一の推定前後加速度及び前記車輌の第二の推定前後加速度に基づいて前記車輌の推定前後加速度を演算することを特徴とする車輌の車体速度推定装置。
  4. 車輌は四輪の各々に相互に独立に制駆動トルクを付与する制駆動トルク付与手段を備えた四輪駆動車であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の車体速度推定装置。
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