JP2000062341A - 印刷版用アルミニウム板の表面処理方法および装置 - Google Patents

印刷版用アルミニウム板の表面処理方法および装置

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JP2000062341A
JP2000062341A JP22902598A JP22902598A JP2000062341A JP 2000062341 A JP2000062341 A JP 2000062341A JP 22902598 A JP22902598 A JP 22902598A JP 22902598 A JP22902598 A JP 22902598A JP 2000062341 A JP2000062341 A JP 2000062341A
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abrasive
aluminum plate
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polishing brush
brush
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Hiroshi Fukuda
浩史 福田
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41N3/00Preparing for use and conserving printing surfaces
    • B41N3/04Graining or abrasion by mechanical means

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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的、かつ効率的に、一定粗さの砂目を均
一に形成できる印刷版用アルミニウム板の表面処理方法
および装置を提供する。 【解決手段】 電力量監視部32は、回転式研磨ブラシ
17の駆動電力量を監視し、駆動電力量に応じたレベル
の信号を制御部33に出力する。制御部33は、ブラシ
移動機構31によって研磨ブラシ17を上下させ、研磨
ブラシ17の駆動電力量が一定するようにアルミニウム
板15への押し付け量Xを変化させる。分級器24は、
研磨材スラリー20中の研磨材粒子を粒子径によって分
級し、小径の研磨材粒子を排出管28から排出する。研
磨ブラシ17のアルミニウム板15への押し付け圧力、
及び研磨材粒子の粒子径が一定に調整され、アルミニウ
ム板15上には一定した粗さの砂目が均一に形成され
る。また、小径化した研磨材粒子のみを排除するので、
研磨材供給槽12内の研磨材スラリー20を全量入れ換
える従来方法に比較して、研磨材の消費量が減少する。
また、廃棄研磨材の排出量も減少するので、その廃棄処
分費が大幅に節減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版の支持
体として用いられるアルミニウム板の表面に砂目をつけ
る表面処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板を支持体とする平版印刷
版は、PS版(Pre-Sensitized Plateの略称)として市
販され、広く用いられている。このPS版は、シート状
あるいはコイル状のアルミニウム板に、砂目立て,陽極
酸化,化学処理などの表面処理を単独または適宜組み合
わせて施し、次いで感光液の塗布,乾燥を行った後に、
所望のサイズに裁断して作製される。
【0003】砂目立ては、版材面に細かい均一な凹凸を
つけるもので、この処理を施すことにより表面積が大き
くなり、感光液やラッカーとの接着性が強まるととも
に、非画線部の保水性が高められる。砂目の良否は、印
刷効果および版の耐刷力に大きく影響するので、砂目立
ての操作には厳重な管理を必要とする。
【0004】アルミニウム板に対する砂目立ての方法と
しては、一般に、アルミニウム板上に研磨材スラリーを
散布し、研磨ブラシを押し当てて擦り付ける方法が採ら
れている。研磨材スラリーは、研磨材の固体粒子を液体
中に懸濁させて流動性をもたせたもので、パミストンパ
ウダーまたは結晶性水酸化アルミニウムと、水とを混合
したものを用いるのが一般的である(特開平8−324
143号公報)。
【0005】砂目立て工程では、アルミニウム板は一定
速度で連続走行され、この走行路中に回転式の研磨ブラ
シが配置されている。研磨ブラシは、その回転軸がアル
ミニウム板の幅方向に向けて配置され、アルミニウム板
に押し付けた状態で位置決めされている。アルミニウム
板は、走行中に研磨材スラリーを散布され、研磨ブラシ
に摺接することで、その表面に砂目が形成される。ま
た、砂目立てに使用された研磨材スラリーは研磨材供給
槽に戻されて循環使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長時間
連続して砂目立て工程を稼働させていると、研磨ブラシ
の先端が磨耗したり、変形して、研磨ブラシのアルミニ
ウム板への押し付け圧力が変動するようになる。また、
循環使用される研磨材スラリー中の研磨材粒子が砕けて
小径化し、研磨能力が低下してしまう。これらにより、
形成される砂目の粗さがバラツキを生じてしまったり、
あるいは砂目立て工程の稼働開始時と終了時とで砂目の
粗さが変化してしまう。
【0007】また、従来の砂目立て工程では、研磨材ス
ラリー中の研磨材粒子の平均粒子径が小さくなり、研磨
能力が低下した時に、工程を一旦停止させて研磨材供給
槽内の研磨材スラリーを新しいものと入れ換えるので、
時間の損失が大きく、処理効率が悪い。しかも、研磨材
供給槽内の研磨材スラリーを全量入れ換えると、研磨能
力を有する大径の研磨材粒子をも廃棄することになり、
非経済的である。また、廃棄研磨材の排出量が多いの
で、その処分に多大な経費がかかっている。
【0008】本発明は上記の事情を考慮してなされたも
ので、経済的、かつ効率的に、一定粗さの砂目を均一に
形成できる印刷版用アルミニウム板の表面処理方法およ
び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の印刷版用アルミニウム板の表面処理方法
は、アルミニウム板と接触状態にあるときの研磨ブラシ
の駆動電力量を監視し、駆動電力量が一定となるよう
に、研磨ブラシのアルミニウム板への押し付け量を調整
するものである。なお、アルミニウム板上に擦り付けら
れた研磨材スラリーを研磨材供給槽に返送して再使用す
る場合には、研磨材スラリー中の研磨材粒子を粒子径に
よって分級し、粒子径が規定粒子径に満たない研磨材粒
子を系外へ排出して、粒子径が規定粒子径よりも大きい
研磨材粒子のみを研磨材スラリー中に含有させるのが好
ましい。また、研磨材としては、珪砂または珪石を用い
るのが好ましい。
【0010】また、本発明の印刷版用アルミニウム板の
表面処理装置は、研磨ブラシをアルミニウム板の砂目付
け面に対して垂直な方向に移動自在に設けるとともに、
アルミニウム板と接触状態にあるときの研磨ブラシの駆
動電力量を監視して、電力量に応じたレベルの信号を出
力する電力量監視部と、研磨ブラシを垂直方向に移動さ
せてアルミニウム板への押し付け量を変化させるブラシ
移動手段とを設け、電力量監視部からの出力信号のレベ
ルが規定レベルを越えているときに、ブラシ移動手段に
よって研磨ブラシのアルミニウム板への押し付け量を減
少させ、電力量監視部からの出力信号のレベルが規定レ
ベルに満たないときには、研磨ブラシのアルミニウム板
への押し付け量を増加させて、研磨ブラシの駆動電力量
が一定となるように調整するものである。
【0011】なお、アルミニウム板上に擦り付けられた
研磨材スラリーを研磨材供給槽に返送して再使用する場
合には、研磨材供給槽内に貯えられた研磨材スラリーの
一部を取り込んで、研磨材スラリーに含まれる研磨材粒
子を粒子径によって分級し、粒子径が規定粒子径よりも
大きい研磨材粒子を研磨材供給槽に返送するとともに、
粒子径が規定粒子径に満たない研磨材粒子を系外へ排出
する分級器を設け、研磨材スラリーを研磨材供給槽と分
級器との間で常に循環させて、研磨材スラリー中の研磨
材粒子の粒子径を一定の粒子径範囲内に保つのがよい。
この場合、研磨材粒子の粒子径は、5μm〜60μmの
範囲内に保つのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を実施した印刷版
用アルミニウム板の表面処理装置を示すものであり、ア
ルミニウム板の表面に砂目をつける砂目立て工程を示す
ものである。砂目立て工程には、研磨槽11,研磨材供
給槽12,粒子径調整部13,および押し付け圧調整部
14が配置されている。帯状のアルミニウム板15は、
パスローラ16上に支持されて、研磨槽11内を図中右
方向に一定速度で連続走行される。
【0013】研磨槽11内には、3本の回転式の研磨ブ
ラシ17が設けられている。研磨ブラシ17は、回転軸
17aをアルミニウム板15の幅方向に向けて配置さ
れ、一定速度で図中反時計方向に回転される。これら3
本の研磨ブラシ17は、アルミニウム板15の板面に対
して垂直な方向に移動自在に設けられており、アルミニ
ウム板15上に押し付けた状態で位置決めされる。研磨
材供給槽12内には、研磨材補給部18および水補給部
19から研磨材粒子と水とが供給され、これらを混合し
てなる研磨材スラリー20が貯蔵されている。
【0014】研磨材スラリー20は、供給ポンプ21に
よってスプレー管22に送り出され、研磨槽11内のア
ルミニウム板15上に散布されて、研磨ブラシ17によ
ってアルミニウム板15上に擦り付けられる。これによ
り、アルミニウム板15の表面に、所定の粗さの砂目が
形成される。研磨槽11内で使用された研磨材スラリー
20は、返送管23を経て研磨材供給槽12内に戻さ
れ、再使用される。
【0015】粒子径調整部13は、分級器24および補
給量調整部25からなり、研磨材スラリー20に含まれ
る研磨材粒子の粒子径が一定の粒子径範囲内となるよう
に調整する。研磨材供給槽12内の研磨材スラリー20
は、循環用ポンプ26の駆動によって分級器24に送ら
れる。分級器24は、研磨材スラリー20中の研磨材粒
子を粒子径によって分級する。そして、粒子径が予め定
められた分級点よりも大きい研磨材粒子を返送管27か
ら研磨材供給槽12に返送し、粒子径が分級点に満たな
い研磨材粒子を排出管28から工程外へ排出する。排出
された小径の研磨材粒子は、遠心分離機29で固液分離
されてから副成品として利用される。
【0016】補給量調整部25は比重計測器30を備え
ており、研磨材供給槽12内の研磨材スラリー20の比
重を計測している。この補給量調整部25は、研磨材ス
ラリー20の比重が規定比重値になるように、研磨材補
給部18および水補給部19から供給される研磨材粒子
および水の量を調整する。なお、研磨材供給槽12内に
は攪拌機12aが設けられており、研磨材スラリー20
を攪拌し、その比重が槽内で均一になるようにしてい
る。
【0017】研磨材供給槽12内の研磨材スラリー20
は、分級器24を通過することによって小径の研磨材粒
子が除去され、これにより、研磨材スラリー20中の研
磨材粒子の粒子径が、一定の粒子径範囲内に調整され
る。なお、研磨材粒子の粒子径は、5μm〜60μmの
範囲内となるように調整するのが好ましく、下限値の5
μmを分級器24の分級点として設定するのがよい。
【0018】押し付け圧調整部14は、ブラシ移動機構
31,電力量監視部32,および制御部33からなり、
研磨ブラシ17のアルミニウム板15への押し付け圧力
が一定となるように調整する。ブラシ移動機構31は、
例えばシリンダ機構からなり、研磨ブラシ17を垂直方
向に移動させる。電力量監視部32は、アルミニウム板
15と摺接している時の研磨ブラシ17の駆動電力量を
監視し、駆動電力量に応じたレベルの信号を制御部33
に出力する。制御部33は、電力量監視部32からの信
号レベルに基づき、ブラシ移動機構31によって研磨ブ
ラシ17を上下させ、アルミニウム板15への押し付け
量Xを変化させる。
【0019】ここで、アルミニウム板15と摺接してい
る時の研磨ブラシ17の駆動電力量は、アルミニウム板
15の走行速度と、研磨ブラシ17の回転速度と、研磨
ブラシ17のアルミニウム板15への押し付け圧力とに
よって変化する。したがって、アルミニウム板15の走
行速度、および研磨ブラシ17の回転速度が一定である
ときに、研磨ブラシ17の駆動電力量が一定していれ
ば、アルミニウム板15への押し付け圧力も一定してい
ることになる。また、研磨ブラシ17のアルミニウム板
15への押し付け量Xを大きくすれば、研磨ブラシ17
のアルミニウム板15への押し付け圧力が大きくなり、
駆動電力量が増加する。一方、研磨ブラシ17の押し付
け量Xを小さくすれば、研磨ブラシ17の押し付け圧力
が小さくなって駆動電力量が減少する。
【0020】制御部33は、電力量監視部32からの信
号に基づき、研磨ブラシ17の駆動電力量が予め定めら
れた規定駆動電力量を越えているときに、ブラシ移動機
構31によって研磨ブラシ17を上昇させ、アルミニウ
ム板15への押し付け量Xを減少させる。一方、駆動電
力量が規定駆動電力量に満たないときには、制御部33
は、研磨ブラシ17を下降させてアルミニウム板15へ
の押し付け量Xを増加させる。これにより、研磨ブラシ
17の駆動電力量が規定駆動電力量となるように適時に
調整され、研磨ブラシ17のアルミニウム板15への押
し付け圧力が一定する。なお、研磨ブラシ17の規定駆
動電力量は、研磨ブラシ17をアルミニウム板15に所
望の圧力で押し付けて、規定速度で回転させたときの駆
動電力量に定められる。
【0021】アルミニウム板15上に形成される砂目の
粗さは、使用する研磨材粒子の粒子径、研磨ブラシ17
の回転速度、および研磨ブラシ17のアルミニウム板1
5上への押し付け圧力によって決定される。上記構成の
砂目立て工程によれば、研磨ブラシ17は一定速度で回
転されるとともに、アルミニウム板15上への押し付け
圧力が一定に調整され、さらに、研磨材スラリー20中
の研磨材粒子の粒子径が一定の粒子径範囲内に調整され
るので、アルミニウム板15上には、一定した粗さの砂
目が均一に形成される。
【0022】しかも、研磨ブラシ17の押し付け圧力の
調整、および研磨材粒子の粒子径の調整は、いずれも工
程を稼働させたままの状態で適時に行われるので、時間
の損失が全くない。また、小径化して研磨能力を消失し
た研磨材粒子のみを研磨材スラリー20中から排除する
ので、未だ研磨能力を有している大径の研磨材粒子を無
駄に廃棄してしまうことがなくなり、研磨材の消費量が
減少する。また、廃棄研磨材の排出量も減少するので、
その廃棄処分費が大幅に節減される。
【0023】
【実施例】『実施例1』上記構成の砂目立て工程Aを構
成し、アルミニウム板に砂目立て処理を施し、処理後の
アルミニウム板の表面状態を観察した。アルミニウム板
としては、幅が1000mmのものを用い、速度50m
/分で連続走行させた。研磨槽内には、毛径が0.48
mmの研磨ブラシを3本設置し、それぞれを速度250
rpmで回転させた。また、研磨材として平均粒子径が
30μmのパミストンパウダーを用い、水と混合して研
磨材スラリーを生成した。なお、研磨材スラリーは、研
磨材の含有量が200g/lとなるように生成した。
【0024】また、分級器の分級点を15μmに設定
し、研磨材スラリー中の研磨材粒子の粒子径が15μm
以上となるように調整した。さらに、アルミニウム板と
摺接している時の研磨ブラシの駆動電力量が9kwで一
定するように、研磨ブラシのアルミニウム板への押し付
け量を適時調整した。
【0025】砂目立て工程Aで砂目立て処理が施された
アルミニウム板の表面状態を観察したところ、アルミニ
ウム板上には常に一定した粗さの砂目が均一に形成さ
れ、工程の稼働時間の経過に伴う表面状態の変化は認め
られなかった。また、研磨ブラシの押し付け圧力の調
整、および研磨材粒子の粒子径の調整が、工程を稼働さ
せたままの状態で自動的に行われるので、工程を停止さ
せて研磨材スラリーの入れ換え作業を行う従来の砂目立
て工程に比較して、処理効率が格段に向上した。
【0026】『比較例1』次に、上記構成の砂目立て工
程Aとの比較を行うために、研磨ブラシをアルミニウム
板に押し付けた状態で位置決め,固定し、アルミニウム
板への押し付け量の調整を行わないようにした比較工程
Bを構成し、アルミニウム板への砂目立て処理を行っ
た。なお、研磨ブラシの固定位置は、工程の稼働開始直
後における研磨ブラシの駆動電力量が9kwになる位置
とし、アルミニウム板への押し付け量が25mmとなる
位置に固定した。
【0027】この比較工程Bでは、稼働時間の経過にと
もなって、研磨ブラシに磨耗や変形が発生,進行し、研
磨ブラシのアルミニウム板への押し付け圧力が変動し
た。この研磨ブラシの押し付け圧力の変動にともなっ
て、アルミニウム板上に形成される砂目の粗さにバラツ
キが生じ、約1時間経過した時に、バラツキの程度が許
容限界を越えてしまった。これにより、研磨ブラシのア
ルミニウム板への押し付け圧力を一定に保持すること
が、アルミニウム板に均一な砂目をつける上で有効な方
法であることを確認できた。
【0028】『比較例2』次に、砂目立て工程Aにおい
て分級器の作動を停止させ、研磨材粒子の分級を行わな
いようにした比較工程Cを構成し、アルミニウム板への
砂目立て処理を行った。そして、研磨材スラリーに含ま
れる研磨材粒子の平均粒子径の変化、および処理後のア
ルミニウム板の表面粗さの変化を観察した。
【0029】この比較工程Cでは、工程の稼働を開始し
た直後には、研磨材粒子の単位質量当たりの平均粒子径
は30μm、アルミニウム板の表面粗さは0.56μm
であった。そして、稼働時間の経過にともなって研磨材
粒子が小径化し、約3時間経過後に平均粒子径が20μ
mになった。また、研磨材粒子の小径化にともなってア
ルミニウム板の表面粗さも細かくなり、約3時間経過後
には表面粗さが0.48μmとなって許容範囲を大幅に
外れてしまった。そこで、工程の稼働を一旦停止させ、
研磨材供給槽内の研磨材スラリーを新しいものに入れ換
えてから、再び砂目立て処理を行ったところ、アルミニ
ウム板の表面粗さが0.57μmとなった。これによ
り、研磨材スラリー中に含まれる研磨材粒子の粒子径を
一定の粒子径範囲内に調整することが、砂目の粗さを一
定させる上で有効な方法であることを確認できた。
【0030】ところで、研磨材供給槽内の研磨材スラリ
ーを全量入れ換えると、研磨能力を有する大径の研磨材
粒子も廃棄されてしまうため、この比較工程Cでは、多
量の研磨材を必要とした。そこで、砂目立て工程Aおよ
び比較工程Cにおける、アルミニウム板の単位面積当た
りの研磨材消費量を算出して比較したところ、砂目立て
工程Aの消費量は、分級器を使用しない比較工程Cの消
費量に対して33%〜50%も減少していることがわか
った。これにより、研磨材スラリー中の研磨材粒子を常
時分級し、粒子径の小さい研磨材粒子のみを排出する方
法が、研磨材の消費量を節減する上で有効な方法である
ことを確認できた。また、廃棄される研磨材粒子の排出
量も大幅に減少するので、研磨材の廃棄処分費も節減さ
れる。
【0031】『実施例2』次に、研磨材として平均粒子
径が20μmの珪石(SiO2=97%)を用いた砂目立て工
程Dを構成し、アルミニウム板への砂目立て処理を行っ
た。なお、研磨材は水と混合し、研磨材の含有量が20
0g/lの研磨材スラリーを生成した。また、分級器の
分級点を8μmに設定した。研磨ブラシは、毛径が0.
48mmのものを3本用い、それぞれを速度200rp
mで回転させた。また、アルミニウム板と摺接している
時の研磨ブラシの駆動電力量が7kwで一定するよう
に、研磨ブラシのアルミニウム板への押し付け量を適時
調整した。アルミニウム板としては幅が1000mmの
ものを用い、速度50m/分で連続走行させた。
【0032】砂目立て工程Dで処理を施したアルミニウ
ム板の表面状態を観察したところ、アルミニウム板上に
は常に一定した粗さの砂目が均一に形成され、工程の稼
働時間の経過に伴う表面状態の変化は認められなかっ
た。また、珪石はパミストンパウダーに比較して研磨能
力が高いので、この砂目立て工程Dでは、研磨ブラシの
アルミニウム板への押し付け圧力を砂目立て工程Aより
も小さく制御することが可能となり、研磨ブラシの駆動
電力量を少なくすることができた。また、砂目立て工程
Dでは、粒子径が砂目立て工程Aで用いたパミストンパ
ウダーよりも小さい珪石を用いても、砂目立て工程Aと
同等の粗さの砂目を形成することができ、大径の研磨材
粒子に起因する押傷が生じなくなった。さらに、珪石
は、パミストンパウダーの60%〜70%の価格で購入
できるので、砂目立て工程Dでは、研磨材の購入費を節
減することができた。
【0033】また、アルミニウム板の砂目立てに使用し
た珪石には、砂目立て時に発生したアルミニウムの金属
粉が混入しているので、軽量気泡コンクリート,断熱
材,あるいはセメントの原料として好適である。したが
って、珪石の粒子径が小さくなり、研磨能力が低下した
ときには、これを上記の原料として再利用することが可
能になり、産業廃棄物の排出量を抑えることができると
ともに、研磨材の廃棄処分費を大幅に削減することがで
きる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の表面処理方法に
よれば、アルミニウム板と接触状態にあるときの研磨ブ
ラシの駆動電力量を監視し、駆動電力量が一定となるよ
うに、研磨ブラシのアルミニウム板への押し付け量を調
整するので、研磨ブラシに磨耗や変形が生じたとして
も、研磨ブラシのアルミニウム板上への押し付け圧力が
常に一定に保持され、アルミニウム板上に均一な粗さの
砂目を形成することができる。また、研磨材スラリーに
含有される研磨材粒子を粒子径によって分級し、粒子径
が一定の粒子径範囲内の研磨材粒子のみを研磨材スラリ
ー中に含有させるので、アルミニウム板上には、常に一
定した粗さの砂目が形成されるようになる。しかも、研
磨ブラシの押し付け圧力の調整、および研磨材粒子の粒
子径の調整は、いずれも工程を稼働させたままの状態で
行われるので、時間の損失が全くなく、効率的な工程を
構成することができる。
【0035】また、研磨能力を消失した小径の研磨材粒
子のみが研磨材スラリー中から排除されるので、研磨能
力を有している大径の研磨材粒子を無駄に廃棄してしま
うことがなくなり、研磨材の消費量が減少する。また、
廃棄研磨材の排出量も減少するので、研磨材の廃棄処分
費が節減される。
【0036】さらに、研磨材として珪砂または珪石を用
いることで、小径化して研磨能力が低下した研磨材粒子
を、軽量気泡コンクリート,断熱材,あるいはセメント
等の原料として再利用することが可能となる。これによ
り、産業廃棄物の排出量を抑えることができ、研磨材の
廃棄処分費をさらに節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した表面処理装置の砂目立て工程
を示す概略図である。
【符号の説明】
11 研磨槽 12 研磨材供給槽 13 粒子径調整部 14 押し付け圧調整部 15 アルミニウム板 17 研磨ブラシ 20 研磨材スラリー 24 分級器 31 ブラシ移動機構 32 電力量監視部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷版の支持体として用いられるアルミ
    ニウム板の表面に、研磨材と水とを混合してなる研磨材
    スラリーを一定速度で回転する研磨ブラシで擦り付けて
    砂目をつける印刷版用アルミニウム板の表面処理方法に
    おいて、 前記アルミニウム板と接触状態にあるときの前記研磨ブ
    ラシの駆動電力量を監視し、駆動電力量が一定となるよ
    うに、研磨ブラシのアルミニウム板への押し付け量を調
    整することを特徴とする印刷版用アルミニウム板の表面
    処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム板上に擦り付けられた
    研磨材スラリーは、研磨材供給槽に返送されて再使用さ
    れるものであり、研磨材スラリー中の研磨材粒子を粒子
    径によって分級し、粒子径が規定粒子径に満たない研磨
    材粒子を系外へ排出して、粒子径が規定粒子径よりも大
    きい研磨材粒子のみを研磨材スラリー中に含有させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の印刷版用アルミニウム板
    の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記研磨材として、珪砂または珪石を用
    いることを特徴とする請求項1または2記載の印刷版用
    アルミニウム板の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 印刷版の支持体として用いられるアルミ
    ニウム板の表面に、研磨材と水とを混合してなる研磨材
    スラリーを一定速度で回転する研磨ブラシで擦り付けて
    砂目をつける印刷版用アルミニウム板の表面処理装置に
    おいて、 前記研磨ブラシを前記アルミニウム板の砂目付け面に対
    して垂直な方向に移動自在に設けるとともに、アルミニ
    ウム板と接触状態にあるときの研磨ブラシの駆動電力量
    を監視して、電力量に応じたレベルの信号を出力する電
    力量監視部と、研磨ブラシを前記垂直方向に移動させて
    アルミニウム板への押し付け量を変化させるブラシ移動
    手段とを設け、前記電力量監視部からの出力信号のレベ
    ルが規定レベルを越えているときに、前記ブラシ移動手
    段によって研磨ブラシのアルミニウム板への押し付け量
    を減少させ、電力量監視部からの出力信号のレベルが規
    定レベルに満たないときには、研磨ブラシのアルミニウ
    ム板への押し付け量を増加させて、研磨ブラシの前記駆
    動電力量が一定となるように調整することを特徴とする
    印刷版用アルミニウム板の表面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム板上に擦り付けられた
    研磨材スラリーは、研磨材供給槽に返送されて再使用さ
    れるものであり、前記研磨材供給槽内に貯えられた研磨
    材スラリーの一部を取り込んで、研磨材スラリー中の研
    磨材粒子を粒子径によって分級し、粒子径が規定粒子径
    よりも大きい研磨材粒子を研磨材供給槽に返送するとと
    もに、粒子径が規定粒子径に満たない研磨材粒子を系外
    へ排出する分級器を設け、研磨材スラリーを研磨材供給
    槽と前記分級器との間で常に循環させて、研磨材スラリ
    ー中の研磨材粒子の粒子径を一定の粒子径範囲内に保つ
    ことを特徴とする請求項4記載の印刷版用アルミニウム
    板の表面処理装置。
  6. 【請求項6】 前記研磨材粒子の粒子径は、5μm〜6
    0μmの範囲内に保たれることを特徴とする請求項5記
    載の印刷版用アルミニウム板の表面処理装置。
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