JP2000017476A - 分散強化型電解銅箔及びその製造方法 - Google Patents

分散強化型電解銅箔及びその製造方法

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JP2000017476A
JP2000017476A JP10136125A JP13612598A JP2000017476A JP 2000017476 A JP2000017476 A JP 2000017476A JP 10136125 A JP10136125 A JP 10136125A JP 13612598 A JP13612598 A JP 13612598A JP 2000017476 A JP2000017476 A JP 2000017476A
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electrolytic copper
electrolytic
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sno2
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Toshiko Yokota
俊子 横田
Susumu Takahashi
進 高橋
Hisao Sakai
久雄 酒井
Makoto Dobashi
誠 土橋
Yoshihei Aoki
善平 青木
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な組成、組織を有する分散強化型電解銅箔
を提供すること。 【解決手段】SnO2 及びSnを含有する電解銅箔であ
って、銅が微細結晶粒として存在しており、SnO2
超微粒子として分散している分散強化型電解銅箔、及び
銅イオン、硫酸イオン、Snイオン及びSnO2 超微粒
子を含有する電解銅箔製造用電解液を用いて電解銅箔を
製造することからなる分散強化型電解銅箔の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解銅箔及びその製
造方法に関し、詳しくはプリント回路基板の製造等に有
用である分散強化型電解銅箔及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電解銅箔を製造する際に、電解液
組成、電解条件、添加剤の種類等を種々に変更して、電
解銅箔の種々の用途に応じた特性を持つ種々の電解銅箔
を製造しており、現在も種々の組成、組織、特性を有す
る電解銅箔及びその製造方法が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な組成、組織を有している分散強化型電解銅箔を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、電解銅箔
の組成、組織、特性等について種々検討した際に、電解
銅箔中にSnO2 を超微粒子として分散させることによ
り銅も微細結晶粒となり、その結果として高抗張力の分
散強化型電解銅箔が得られること、また、このような電
解銅箔は電解銅箔製造用電解液中にSnO2 の超微粒子
を存在させて電解することにより得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明の分散強化型電解銅箔は、S
nO2 及びSnを含有する電解銅箔であって、銅が微細
結晶粒として存在しており、SnO2 が超微粒子として
分散していることを特徴とする。また、本発明の分散強
化型電解銅箔の製造方法は、銅イオン、硫酸イオン、S
nイオン及びSnO2 超微粒子を含有する電解銅箔製造
用電解液を用いて電解銅箔を製造することを特徴とす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の分散強化型電解
銅箔について説明する。本発明の分散強化型電解銅箔は
SnO2 もSnも含有している。このSnO2は超微粒
子として電解銅箔全体中に分散しており、好ましくは電
解銅箔全体中に均一に分散しており、電解銅箔の抗張力
の向上に寄与し、電解銅箔の抗張力を20%程度増強す
ることができる。このSnO2 超微粒子は、例えば2〜
5nm程度の大きさの滑らかな楕円形状の単独粒子とし
て、あるいはそれらが複数個集まったクラスターの形で
存在している。一方、電解銅箔中にはSnの存在が認め
られるが、Snの微粒子も超微粒子も認められないの
で、Snは銅と共析し、銅中に固溶体化しているものと
思われる。また、銅は微細結晶粒として、例えば0.1
〜2μmの微細結晶粒として存在しており、このように
微細結晶粒であることは電解銅箔の抗張力の向上に寄与
している。本発明の分散強化型電解銅箔の抗張力は、そ
の製造条件に依存して、例えば、SnO2 超微粒子の大
きさ、含有量、銅微細結晶粒の大きさ等に依存して40
kgf/mm2 以上、場合によっては70kgf/mm
2 以上になる。
【0007】本発明の分散強化型電解銅箔においては、
電解銅箔中のSnO2 とSnとの合計量が少な過ぎる
と、SnO2 の分散による抗張力の向上効果や銅の微細
結晶粒化による抗張力の向上効果は不十分になる傾向が
あり、また多過ぎると、電解銅箔の特性に影響がでるの
で、SnO2 とSnとの合計量をSnとして計算して4
0〜1.1×104 ppmであることが好ましい。更
に、電解銅箔中のSnO2とSnとの合計量が適切であ
っても、SnO2 の量が少な過ぎると、SnO2 の分散
による抗張力の向上効果や銅の微細結晶粒化による抗張
力の向上効果は不十分になる傾向があるので、SnO2
とSnとの重量比がSnO2 :Sn=5:5〜9:1で
あることが好ましい。
【0008】次に、本発明の分散強化型電解銅箔の製造
方法を説明する。本発明の製造方法で用いる電解液は、
銅イオン、硫酸イオン、Snイオン及びSnO2 超微粒
子を含有する電解銅箔製造用電解液である。このような
電解液は銅イオン、硫酸イオン及びSnイオンを含有す
る電解液中にSnO2 超微粒子を添加、分散させること
によって、又は銅イオン、硫酸イオン及びSnイオンを
含有する電解液中でSnO2 超微粒子を生成させること
によって得られ、例えば、電解銅箔の製造に一般的に用
いられている硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O)及び硫酸
(H2 SO4 )を主成分とし、更に硫酸錫(SnS
4 )を含有する電解液を酸素含有ガスでバブリング処
理して電解液中にSnO2 超微粒子を生成させることに
よって得られる電解液である。
【0009】バブリング処理に用いる酸素含有ガスは酸
素自体であっても、酸素富化空気であっても、或いは空
気自体であってもよいが、空気を用いることによって十
分に効果が達成されるので、経済性を考慮すると、空気
を用いることが好ましい。また、バブリング処理は酸素
含有ガスを小孔を通して上記の電解液中に泡立てるだけ
で十分である。
【0010】このような酸素含有ガスでのバブリング処
理によって電解液中のSnイオンが酸化されてSnO2
超微粒子が生じる。このSnO2 超微粒子は、例えば2
〜5nm程度の大きさの滑らかな楕円形状の単独粒子と
して、あるいはそれらが複数個集まったクラスターの形
で存在している。
【0011】本発明の製造方法で用いる電解液は、電解
銅箔製造用電解液に一般的に添加されている有機添加剤
を含有することができる。そのような有機添加剤として
は、例えば、ポリエーテル等を挙げることができる。そ
の濃度は0.001〜0.1g/dm3 程度である。こ
の濃度範囲でポリエーテルを含有することによって、得
られた電解銅箔の抗張力が向上する。このポリエーテル
としては、ポリエチレングリコールが好ましく用いら
れ、分子量は400〜20000のものが好ましい。ま
た、本発明の電解銅箔の製造方法では、ニカワ、ゼラチ
ン又はそれらの構成成分も用いることができる。
【0012】本発明の製造方法で用いる電解液の各成分
の好ましい濃度範囲は下記の通りである。 Cu++ :38〜90g/dm3 SO4 -- :29〜196g/dm3 SnO2 超微粒子 :0.1〜6g/dm3 Sn-- :0.1〜6g/dm3 有機添加剤 :0.001〜0.1g/dm3
【0013】具体的には、本発明の製造方法で用いる電
解液は好ましくは下記の組成を持つものである。 CuSO4 ・5H2 O :150〜350g/dm3 2 SO4 :30〜200g/dm3 SnO2 超微粒子 :0.1〜6g/dm3 SnSO4 :0.3〜15g/dm3 ポリエーテル :0.001〜0.1g/dm3
【0014】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明する。CuSO4 ・5H2 O、H2 SO4 及びSn
SO4 を含有する電解液を空気でバブリング処理してC
uSO4 ・5H2 O250g/dm3 、H2 SO4 50
g/dm3 、SnO2 超微粒子3g/dm3 、SnSO
4 10g/dm3 からなる電解液を調製した。それぞれ
の試薬として和光純薬社製の試薬特級を使用した。陰極
にTi板、陽極に酸化イリジウム表面層を持つ不溶性陽
極を使用し、浴温度50℃、電流密度10A/dm2
電気量95C/cm2 の条件下で電解を実施した。この
ようにして得られた電解銅箔の常態の抗張力は45kg
f/mm2 であった。
【0015】得られた電解銅箔中に存在する添加元素の
濃度分布およびそれらの酸化状態については、X線光電
子分光法(ESCA:島津製作所製 ESCA−K1)
により測定した。用いたX線源は、AlKα(励起電圧
10kV、電流10mA)、試料室の真空度は2〜5×
10-7Pa、試料の分析面積は直径で0.85mmであ
った。尚、深さ方向の分析はAr+ イオンでスパッタリ
ング(励起電圧2kV・電流20mA)しながら行っ
た。
【0016】電子顕微鏡用試料は、電解銅箔をディスク
パンチで3mmφに打ち抜いた後、ツインジェット型定
電位電解研磨装置(STRUERS 社製 Tenupol−3 )により
作製した。用いた電解液は、リン酸0.25dm3 、エ
タノール0.25dm3 、n−プロパノール0.05d
3 、尿素5g、蒸留水0.5dm3 からなり、液温度
10℃、電圧10Vで電解研磨を実施した。この薄片試
料は、さらに試料表面を清浄化するためにイオンシニン
グ装置(GATEN 社製、600N Duomill )を用いて、Ar
+ イオンのスパッタリング(加速電圧3kV、試料電流
1mA、入射角度11°)を10分間施した。
【0017】透過電子顕微鏡(TEM:日立製作所社製
H9000−NAR)観察は加速電圧300kVで行
い、試料中の元素分析はTEMに備え付けのエネルギー
分散型X線分析装置(EDX:KEVEX社製 KEV
EX Δ1 SUPER型)によりビーム径3〜5n
m、分析時間100〜200秒間で実施した。
【0018】上記の電解銅箔のESCA分析による深さ
方向の種々の深さで(即ち、スパッタリング時間の関数
として)観察されたSn3d5/2 及びO1sスペクトル
は図1に示す通りであった。尚、スパッタリング速度は
Cr換算で約0.05nm・s-1(3nm/min)で
あった。錫酸化物(SnOx )及び金属錫(Sn)のピ
ークが深さ方向の全体にわたってかなりの強度で現れて
おり、Snは金属状態と酸化物状態の両方で取り込まれ
ていることを示している。これらSn3d5/2ピークの
面積は試料表面からの深さとともに僅かに減少する傾向
があるが、電解銅箔の内部ではほとんど一定となってい
る。また、O1sピークも深さ方向にわたって観察され
ており、そのピーク面積もSnと類似した深さ方向依存
性を示している。尚、Snピーク強度をピーク分離して
求めたSnの酸化物状態と金属状態の比は、10分間の
スパッタリング時間では約68:32であり、250分
のスパッタリング時間では約63:37であった。電解
銅箔中のSn含有量の約6割以上が酸化物の状態で取り
込まれたことを示している。
【0019】以上に述べたESCA観察の結果を電解銅
箔中のSn濃度及びO濃度に換算して、電解銅箔の深さ
方向の種々の深さについて、即ち、スパッタリング時間
の関数として図2に示す。図2(A)は上記の電解銅箔
中のSnの濃度分布を示したものであり、Snの共析量
が1.0〜1.3wt%の範囲でほぼ一定の値を示して
おり、電解銅箔中にSnが一様な濃度で分布しているこ
とを示している。図2(B)は、電解銅箔中のO濃度の
測定結果を示したものである。この図から、電解銅箔中
のO濃度もまた0.18〜0.28wt%の範囲で一様
に分布しており、その濃度レベルはSn濃度が高いほ
ど、より多く取り込まれたことを示している。また、図
2(B)には無添加電解銅箔のO濃度も示したが、ごく
表面付近に観察される微量のOは表面酸化によるものと
みなされ、スパッタリング時間が50分以後の深さでは
検出限界以下であった。
【0020】尚、スパッタリング速度については、代表
値としてCuが88nm/minであり、Snが12
1.7nm/minであると報告されており、また蒸発
速度はSnの方がCuに比べて約38%高いことが知ら
れている。しかし、上記の電解銅箔のSn含有量は1w
t%程度と非常に少ないため、スパッタリング速度によ
る影響の可能性は無いものと考えた。
【0021】上記の無添加電解銅箔のTEM観察の結果
を図3に示し、上記の電解銅箔のTEM観察の結果を図
4に示す。無添加電解銅箔の結晶粒の大きさは、図3
(A)に示す明視野像から0.3〜4μmの範囲に分布
していることがわかる。この無添加電解銅箔の図3
(B)に示す電子線回折パターン(以下、EDPと呼
ぶ)から、全てが金属銅のCu型(Al型)面心立方構
造(fcc)であると説明できる。一方、上記の電解銅
箔の結晶粒の大きさは、図4(A)に示す明視野像から
0.15〜2μmの範囲に分布しており、無添加電解銅
箔に比べて明らかに小さくなっている。この様子は、図
4(B)に示すEDPにおいてリング状になりつつある
fcc回折パターンからも理解できる。また、図4
(B)に示すEDPには金属銅以外の余分なリングパタ
ーンが非常に弱い強度で複数個観察されている。これら
の回折リングはESCA測定の結果を参考にし、解析し
た結果、ルチル型(C4型)構造を持つ正方晶のSnO
2 からのものであることがわかった。
【0022】上記の電解銅箔中におけるSnO2 粒子の
大きさや分布状態を高分解能TEM観察により調べた。
その結果を図5に示す。図5中の矢印は結晶粒界を指し
示している。電解銅箔中のSnO2 粒子は粒界及び粒内
にほぼ均一に分布しており、特定領域に偏って分布する
様子は観察されなかった。これらの粒子をさらに拡大し
たものが図6である。図6中の矢印は結晶粒界を指し示
している。SnO2 粒子に明瞭な格子縞が観察され、そ
れらの大部分は単独粒子が幾つか寄り集まってできてい
る(以下、クラスターと呼ぶ)ことがわかる。単独粒子
の大きさは2〜5nm程度で滑らかな楕円形状をしてい
るが、クラスターは最大20nmにも達する大きさのも
のが観察されている。図7(A)はこれらのクラスター
部分(図6のA部分)をEDXにより元素分析した結果
を示したもので、銅以外の元素としてSn及びOが確認
された。また、SnO2 部分以外(図6のB部分)から
得たEDXの結果は図7(B)に示しすように銅以外に
わずかなOが認められているが、これは電析時に電解銅
箔中に取り込まれたものと考えられる。
【0023】以上に述べた観察結果から、SnO2 及び
Snを含む電解浴から作製した電解銅箔中には、Snは
金属状態のほかに酸化物(SnO2 )としても取り込ま
れていることが明らかになった。これらのSnO2 につ
いては、電解浴中に超微細なSnO2 粒子が既に形成さ
れており、電解時に電解銅箔表面に個別にあるいはクラ
スターを形成して吸着し、電解時間の経過に伴なって取
り込まれたと考えられる。
【0024】尚、CuSO4 ・5H2 O、H2 SO4
びSnSO4 を含有する電解液を空気でバブリング処理
すると、僅かではあるが白濁した。そこで、この白濁し
た電解液を遠心分離器にかけて(回転数4000rpm
で20分間)、黄白色沈殿物を分離した。試験管底部に
わずかに沈降した上記の沈殿物をマイクログリッド上に
受け、エタノールで洗浄・乾燥させてTEM観察用試料
とした。高分解能TEM観察で撮らえたSnO2 単独粒
子の大きさは、格子縞から2〜5nm程度であり、図6
で観察された大きさと良く一致しており、電解浴中にS
nO2 超微粒子が多数形成されたことを物語っている。
これら粒子群のEDPは、リング状パターンを示し、ル
チル型構造のSnO2 であることが分かった。また、図
8に示したEDX分析の結果から、マイクログリッドか
ら検出されたCuを除けば、粒子を構成する元素はSn
とOであり、EDPの結果とよく対応している。以上の
観察結果から、電解浴中のSnO2 超微粒子が電解時に
電解銅箔内に取り込まれたものと結論できる。
【0025】
【発明の効果】本発明の分散強化型電解銅箔において
は、銅が微細結晶粒として存在しており、SnO2 が超
微粒子として分散しているので、電解銅箔の抗張力が高
い。また、本発明の製造方法で用いる電解液は、例え
ば、銅イオン、硫酸イオン及びSnイオンを含有する電
解液を単に酸素含有ガスでバブリング処理するだけで得
られるので、本発明の製造方法の実施は容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電解銅箔のESCA分析による深さ
方向の種々の深さで(即ち、スパッタリング時間の関数
として)観察されたSn3d5/2 及びO1sスペクトル
である。
【図2】 ESCA観察の結果を電解銅箔中のSn濃度
及びO濃度に換算して電解銅箔の深さ方向の種々の深さ
について、即ち、スパッタリング時間の関数として示
し、図2(A)は電解銅箔中のSnの濃度分布を示した
ものであり、図2(B)は、電解銅箔中のO濃度の測定
結果を示す。
【図3】 無添加電解銅箔のTEM観察の結果を示し、
図3(A)は明視野像であり、図3(B)は電子線回折
パターンである。
【図4】 本発明の電解銅箔のTEM観察の結果を示
し、図4(A)は明視野像であり、図4(B)は電子線
回折パターンである。
【図5】 本発明の電解銅箔中におけるSnO2 粒子の
大きさや分布状態を調べた高分解能TEM観察の結果を
示す。
【図6】 本発明の電解銅箔中のSnO2 粒子を更に拡
大した高分解能TEM観察の結果を示す。
【図7】 図6(A)はクラスター部分をEDXスペク
トルにより元素分析した結果を示したものであり、図6
(B)はSnO2 部分以外の部分から得たEDXスペク
トルにより元素分析した結果を示す。
【図8】 電解液を空気でバブリング処理して得た沈殿
物をEDXスペクトルにより元素分析した結果を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明の製造方法で用いる電解液の各成分
の好ましい濃度範囲は下記の通りである。 Cu++ :38〜90g/dm3 SO4 -- :29〜196g/dm3 (遊離硫酸イオン濃度) SnO2 超微粒子 :0.1〜6g/dm3 Sn++ :0.1〜6g/dm3 有機添加剤 :0.001〜0.1g/dm3
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記の電解銅箔中におけるSnO2 粒子の
大きさや分布状態を高分解能TEM観察により調べた。
その結果を図5に示す。図5中の矢印は結晶粒界を指し
示している。電解銅箔中のSnO2 粒子は粒界及び粒内
にほぼ均一に分布しており、特定領域に偏って分布する
様子は観察されなかった。これらの粒子をさらに拡大し
たものが図6である。図6中の矢印は結晶粒界を指し示
している。SnO2 粒子に明瞭な格子縞が観察され、そ
れらの大部分は単独粒子が幾つか寄り集まってできてい
る(以下、クラスターと呼ぶ)ことがわかる。単独粒子
の大きさは2〜5nm程度で滑らかな楕円形状をしてい
るが、クラスターは最大20nmにも達する大きさのも
のが観察されている。図7は電解銅箔をEDXスペクト
ルにより元素分析した結果を示し、図7(A)はクラス
ター部分(図6のA部分)をEDXスペクトルにより元
素分析した結果を示したもので、銅以外の元素としてS
n及びOが確認された。また、SnO2 部分以外(図6
のB部分)から得たEDXスペクトルの結果は図7
(B)に示しすように銅以外にわずかなOが認められて
いるが、これは電析時に電解銅箔中に取り込まれたもの
と考えられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 電解銅箔をEDXスペクトルにより元素分析
した結果を示し、図7(A)はクラスター部分(図6の
A部分)をEDXスペクトルにより元素分析した結果を
示したものであり、図7(B)はSnO2 部分以外の部
分(図6の部分)から得たEDXスペクトルにより元素
分析した結果を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 善平 栃木県宇都宮市鶴田町7−32 Fターム(参考) 4E351 BB30 BB33 DD04 DD12 DD31 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SnO2 及びSnを含有する電解銅箔であ
    って、銅が微細結晶粒として存在しており、SnO2
    超微粒子として分散していることを特徴とする分散強化
    型電解銅箔。
  2. 【請求項2】電解銅箔中のSnO2 とSnとの合計量が
    Snとして計算して40〜1.1×104 ppmである
    ことを特徴とする請求項1記載の分散強化型電解銅箔。
  3. 【請求項3】電解銅箔中のSnO2 とSnとの重量比が
    SnO2 :Sn=5:5〜9:1であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の分散強化型電解銅箔。
  4. 【請求項4】銅イオン、硫酸イオン、Snイオン及びS
    nO2 超微粒子を含有する電解銅箔製造用電解液を用い
    て電解銅箔を製造することを特徴とする分散強化型電解
    銅箔の製造方法。
  5. 【請求項5】銅イオン、硫酸イオン及びSnイオンを含
    有する電解液を酸素含有ガスでバブリング処理して電解
    液中にSnO2 超微粒子を生成させ、このようにして得
    られた電解銅箔製造用電解液を用いて電解銅箔を製造す
    ることを特徴とする分散強化型電解銅箔の製造方法。
  6. 【請求項6】電解液が更に、電解銅箔製造用電解液用の
    有機添加剤を含有することを特徴とする請求項4又は5
    記載の分散強化型電解銅箔の製造方法。
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