JP4907107B2 - 錫めっき材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、錫めっき材およびその製造方法に関し、特に、挿抜可能な接続端子などの材料として使用される錫めっき材およびその製造方法に関する。
従来、挿抜可能な接続端子の材料として、銅や銅合金などの導体素材の最外層に錫めっきを施した錫めっき材が使用されている。特に、錫めっき材は、接触抵抗が小さく、自動車などの接続端子の材料として使用されている。
しかし、錫めっき材は、軟質で端子接続時に変形を生じ易いため、挿入時の摩擦係数が高いという問題がある。また、自動車などの接続端子では、端子の多極化が進んでおり、端子の数に比例して、組立て時の挿入力が上昇し、作業負荷が問題になっている。
このような問題を解消するため、錫めっき後にリフロー処理を施した錫リフロー材が、自動車などの接続端子の一般的な材料として使用されている。この錫リフロー材では、軟質層である錫めっき皮膜の膜厚を薄くし、さらにリフロー処理により硬質な錫合金層を下地に形成することにより、摩擦係数の低減をしている。また、錫を主体とする金属マトリクス中に耐磨耗性または潤滑性の固体粒子を複合化させた複合材の皮膜を電気めっきにより導体素材上に形成することにより、機械的な耐摩耗性を向上させることが提案され(例えば、特許文献1〜3参照)、このような複合めっき皮膜を応用した接続端子が提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、錫または錫/鉛と黒鉛の複合めっき皮膜を導体素材上に形成することにより、耐摩耗性に優れた導電性皮膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献5参照)。さらに、本発明者らは、炭素粒子および芳香族カルボニル化合物を添加した錫めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、錫層中に炭素粒子を含有する複合材からなる皮膜が素材上に形成され、同種の錫めっき材同士の摩擦係数が0.18以下の錫めっき材を製造する方法を提案している(特願2005−86074号)。
特開昭54−45634号公報(第3頁) 特開昭53−11131号公報(第2頁) 特開昭63−145819号公報(第2頁) 特表2001−526734号公報(第8−9頁) 特開昭61−227196号公報(第2頁)
しかし、錫リフロー材は、一般的に摩擦係数が0.2〜0.30程度で比較的高く、上記の特許文献1〜5の方法により製造された錫めっき材の摩擦係数も比較的高く、特に、特許文献5に記載された錫と黒鉛の複合めっき材の摩擦係数(同種の錫めっき材同士の摩擦係数)は0.2程度と比較的高くなっている。
また、通常の接続端子では、雄端子と雌端子の嵌合時の接触面の面積を減少させて挿入力を小さくするために、一方の端子の接触面の形状を平面にし、他方の端子の接触面の形状を凸面にインデント加工しており、一般に両端子のめっき皮膜の種類が異なっている。そのため、特願2005−86074号に提案された方法によって製造された錫めっき材からなる端子であっても、その端子がインデント加工され、嵌合する相手方の端子が錫リフロー材からなる場合には、摩擦係数が0.2程度と比較的高くなる場合がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、インデント加工した場合でも、錫リフロー材などの他の種類の錫めっき材との間の摩擦係数が極めて低い錫めっき材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、グラファイト粒子および芳香族カルボニル化合物を添加した錫めっき液を使用して電気めっきを行う際、錫めっき液中のグラファイト粒子の濃度を20g/L未満、好ましくは1〜10g/L、さらに好ましくは5〜10g/Lにすることにより、錫層中にグラファイト粒子が分散した複合材からなる皮膜を素材上に形成し、インデント加工した場合でも、錫リフロー材などの他の種類の錫めっき材との間の摩擦係数が極めて低い錫めっき材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による錫めっき材の製造方法は、グラファイト粒子および芳香族カルボニル化合物を添加した錫めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、錫層中にグラファイト粒子を含有する複合材からなる皮膜を素材上に形成する錫めっき材の製造方法において、錫めっき液中のグラファイト粒子の濃度を20g/L未満、好ましくは1〜10g/L、さらに好ましくは5〜10g/Lにすることを特徴とする。この錫めっき材の製造方法において、芳香族カルボニル化合物が、芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンであるのが好ましい。
また本発明による錫めっき材は、錫層中にグラファイト粒子を含有する複合材からなる皮膜が素材上に形成され、同種同士の摩擦係数が0.20〜0.24のリフロー処理を施した錫めっき材との間の摩擦係数が0.16以下、好ましくは0.13以下であることを特徴とする。この錫めっき材において、表面の平均粗さが0.1〜0.5μm、最大高さが8〜16μm、十点平均粗さが7〜12μm、光沢度0.8以上であり、皮膜の厚さが0.5〜3μm、皮膜中の炭素の含有量が1.2重量%以下であるのが好ましい。
さらに、本発明による接続端子は、雌端子とこの雌端子に嵌合する雄端子とからなり、雌端子と雄端子の少なくとも一方の少なくとも他方と接触する部分が、上記の錫めっき材からなることを特徴とする。
本発明によれば、インデント加工した場合でも、錫リフロー材などの他の種類の錫めっき材との間の摩擦係数が極めて低い錫めっき材を製造することができる。この錫めっき材は、自動車用などの接続端子がさらに多極化された場合にも十分に対応可能な材料として使用することができ、嵌合する相手方の端子が錫リフロー材からなる場合でも、挿入力が小さい接続端子を製造することができる。
本発明による錫めっき材の製造方法の実施の形態では、炭素粒子および芳香族カルボニル化合物を添加した錫めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、錫層中に炭素粒子を含有する複合材からなる皮膜を素材上に形成する際に、錫めっき液中の炭素粒子の濃度を20g/L未満、好ましくは1〜10g/L、さらに好ましくは5〜10g/Lにする。
錫めっき液としては、アルカノールスルホン酸からなる錫めっき液を使用するのが好ましい。炭素粒子としては、様々な炭素粒子を使用することができるが、鱗片状や土状のグラファイト粒子を使用するのが好ましい。芳香族カルボニル化合物としては、芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンを使用するのが好ましい。錫めっき液に芳香族カルボニル化合物を添加することにより、錫めっき液中において炭素粒子が弱い凝集の分散状態になり、錫マトリクス中に炭素粒子が島状に分散された皮膜を形成することができる。従来の炭素粒子が複合化した皮膜では、炭素粒子を略均一に分散させるために種々の湿潤材を添加して錫マトリクス中に分散した皮膜を形成しているが、本実施の形態のように錫マトリクス中の炭素粒子の凝集状態を制御することによってさらに低い摩擦係数の皮膜を形成することができる。
また、めっき液中の炭素粒子の濃度は、20g/L未満であり、1〜10g/Lであるのが好ましく、5〜10g/Lであるのがさらに好ましい。1g/L未満では、炭素粒子が表面構造を構築して複合化するには不十分であり、20g/L以上では、炭素粒子が複合化する量が増加して、錫マトリクス中において炭素粒子が適切な凝集状態で分散された皮膜を形成することができないからである。また、電気めっきの際の電流密度は5〜15A/dmであるのが好ましい。5A/dm未満では生産性が悪く、15A/dmを超えるとめっきやけが生じるからである。
なお、本発明による錫めっき材の実施の形態は、最表面の構造に特徴があり、下地に影響されないので、下地めっきは、素材や用途に応じてSn、Cu、Niなどの様々な下地めっきから選択することができる。また、下地めっきとしてSnめっきを施すと、最表面の炭素粒子の凝集構造を変化させることなく、膜厚を厚くして耐摩耗性を向上させることができる。
上述した本発明による錫めっき材の製造方法の実施の形態により、適度に凝集した炭素粒子が錫層中に適度に分散した複合材からなる皮膜を素材上に形成され、同種同士の摩擦係数が0.20〜0.24のリフロー処理を施した錫めっき材との間の摩擦係数が0.16以下、好ましくは0.13以下であり、表面粗さを表すパラメータである算平均粗さRaが0.1〜0.5μm、好ましくは0.13〜0.48μm、最大高さRyが8〜16μm、好ましくは8.9〜5.9μm、および十点平均粗さRz7〜12μm、好ましくは7.0〜11.3μmであり、光沢度が0.8以上、好ましくは0.83以上であり、皮膜の厚さが0.5〜3μm、好ましくは0.5〜1.0μmであり、皮膜中の炭素の含有量が0.1〜1.2重量%、好ましくは0.5〜1.14重量%の錫めっき材を製造することができる。なお、この皮膜が最外層に形成されているのが好ましい。
複合めっき材の複合めっき皮膜は、金属マトリックスと固体粒子とからなり、固体粒子の凝集状態や金属マトリックス中の固体粒子の分散状態によって表面粗さが大きく変化し、それによって複合めっき皮膜の特性が大きく変化すると考えられる。この複合めっき皮膜の表面粗さを適切な状態にすることにより、複合めっき材をインデント加工して端子として使用する場合に、凝集した固体粒子における相手方の端子との点接触および固体粒子の適度な分散による接触面の面積の減少により、摩擦係数が減少すると考えられる。
また、固体粒子の適切な添加量は、複合めっき皮膜および固体粒子の種類により異なると考えられる。錫と炭素粒子の複合めっき材では、錫めっき液中に添加される炭素粒子の量が20g/Lよりも多いと、複合化される炭素粒子が大きな凝集粒子になり、特に錫めっき材をインデント加工した場合には、大きな凹凸が形成され、炭素粒子の接触点における圧力が増大する。そのため、相手方の端子が錫めっき材からなる場合、相手方の端子の錫めっき材を強く押圧して、摩擦係数が悪化すると考えられる。また、表面粗さが上記の範囲よりも粗い場合にも、特にインデント加工された場合には、大きな凹凸が形成され、炭素粒子の接触点における圧力が増加し、そのため、相手方の端子錫めっき材からなる場合、相手方の端子の錫めっき材を強く押圧して、摩擦係数が悪化するものと考えられる。
なお、めっき皮膜の厚さが0.5μm未満では、錫の酸化などによって接触抵抗の経時変化が大きくなり、接続端子の重要な機能である接続信頼性に欠ける。一方、めっき皮膜の厚さが3μmを超えると、炭素粒子の複合化が進み、上述したような炭素粒子が分散した状態を維持することができなくなる。
以下、本発明による錫めっき材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、錫めっき液として、60g/Lの金属錫(金属錫塩としてアルカノールスルホン酸錫(ユケン工業製のメタスSM)600mL/Lを含む)と113g/Lの遊離酸(遊離酸としてアルカノールスルホン酸(ユケン工業製のメタスAM)130mL/Lを含む)とを含む錫めっき液を用意した。この錫めっき液に、良好な錫めっき皮膜を得るために錫めっき用の界面活性剤(ユケン工業製のメタスLSA−M)20mL/Lを添加し、平均粒径3.4μmの鱗片状グラファイト粒子(エスイーシー社製のグラファイトSGP−3)5g/Lを添加して分散させるとともに、グラファイト粒子の凝集状態を制御するために芳香族カルボニル化合物としてベンズアルデヒド30mL/Lを添加した。なお、グラファイト粒子の平均粒径は、グラファイト粒子0.5gを0.2重量%のヘキサメタリン酸ナトリウム溶液50gに分散させ、さらに超音波により分散させた後、レーザー光散乱粒度分布測定装置を用いて測定し、累積分布で50%の粒径を平均粒径とすることにより求めた。
上記の錫めっき浴中に、厚さ0.25mmのCu−Ni−Sn合金材(同和鉱業製のNB−109EH)からなる素材を入れ、陽極として錫板を使用して、液温25℃、電流密度10A/dmでスターラーにより300rpmで攪拌しながら電気めっきを行い、膜厚1μmの錫とグラファイト粒子の複合めっき皮膜が形成された錫めっき材を作製した。なお、複合めっき皮膜の膜厚は、蛍光X線膜厚測定法により4点の平均値から算出した。
得られた錫めっき材を超音波洗浄して表面に付着したグラファイト粒子を除去した後、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素の含有量を算出し、錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。
錫めっき皮膜中の炭素含有量は、得られた錫めっき材(素材を含む)から切り出した試験片を錫および炭素の分析用にそれぞれ用意し、試験片中の錫の含有量(X重量%)をICP装置(ジャーレルアッシュ社製のIRIS/AR)を用いてプラズマ分光分析法によって求めるとともに、試験片中の炭素の含有量(Y重量%)を微量炭素・硫黄分析装置(堀場製作所製のEMIA−U510)を用いて燃焼赤外線吸収法によって求め、Y/(X+Y)として算出した。その結果、本実施例では、炭素含有量が1.13重量%であった。
錫めっき材の摩擦係数として、得られた錫めっき材から切り出した試験片と錫リフロー材との間の摩擦係数を求めた。この摩擦係数(μ)は、得られた錫めっき材から切り出した試験片をインデント加工(R3mm)して凸形状の圧子とするとともに、平板状の錫リフロー材をベース側の評価試料とし、ロードセルを使用して、圧子を加重3Nで評価試料の表面に押し付けながら移動速度60mm/分で滑らせ、水平方向にかかる力(F)を測定し、μ=F/Nから算出した。その結果、本実施例では、摩擦係数は0.11であった。なお、ベース側の評価試料として使用した錫リフロー材は、60g/Lの金属錫を含む硫酸第一錫と60g/Lの硫酸とを含む錫めっき液中に、厚さ0.25mmのCu−Ni−Sn合金材(同和鉱業製のNB−109EH)からなる素材を入れ、液温25℃、電流密度10A/dmで電気めっきを行って、膜厚1.0μmのめっき皮膜を形成した後、240℃でリフロー処理を施すことにより作製した。このリフロー処理により作製した錫リフロー材の同種同士の摩擦係数は0.20〜0.24であった。
錫めっき材の光沢度として、光沢度計(日本電色工業製のデンシトメーターND−1)を使用して視感反射濃度を測定した。その結果、本実施例では、光沢度が1.28であった。
錫めっき材の表面粗さについては、超深度顕微鏡(KYENCE社製のVK−8500)による測定結果から、JIS B0601に基づいて表面粗さを表すパラメータである算平均粗さRa、最大高さRy、十点平均粗さRzを算出した。その結果、本実施例では、算平均粗さRaが0.11μm、最大高さRyが10.4μm、十点平均粗さRzが8.3μmであった。
[実施例2]
電流密度を15A/dmにした以外は実施例1と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は1.14重量%、摩擦係数は0.10、光沢度は1.53であり、算平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは15.9μm、十点平均粗さRzは10.8μmであった。
[比較例1]
電流密度を5A/dmにした以外は実施例1と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は1.11重量%、摩擦係数は0.20、光沢度は0.73であった。また、表面に炭素粒子が強く凝集しており、表面粗さが粗く、算平均粗さRaは0.81μm、最大高さRyは24.9μm、十点平均粗さRzは19.0μmであった。
[実施例3]
スターラーを500rpmで回転させた以外は実施例1と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は1.13重量%、摩擦係数は0.12、光沢度は1.15であり、算平均粗さRaは0.31μm、最大高さRyは11.7μm、十点平均粗さRzは9.6μmであった。
[実施例4]
スターラーを500rpmで回転させた以外は実施例2と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は0.94重量%、摩擦係数は0.09、光沢度は1.26であり、算平均粗さRaは0.13μm、最大高さRyは13.3μm、十点平均粗さRzは8.2μmであった。
[比較例2]
スターラーを500rpmで回転させた以外は比較例1と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は0.96重量%、摩擦係数は0.18、光沢度は0.85であり、算平均粗さRaは0.58μm、最大高さRyは22.7μm、十点平均粗さRzは14.8μmであった。
[実施例5〜7]
グラファイト粒子の添加量を10g/Lとした以外は、それぞれ比較例1、実施例1および実施例2と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は0.94〜1.02重量%、摩擦係数は0.07〜0.10、光沢度は0.90〜1.44であり、算平均粗さRaは0.16〜0.46μm、最大高さRyは9.7〜12.7μm、十点平均粗さRzは7.1〜10.3μmであった。
[実施例8〜10]
スターラーを500rpmで回転させた以外は、それぞれ実施例5〜7と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は0.99〜1.02重量%、摩擦係数は0.11〜0.13、光沢度は0.83〜1.16であり、算平均粗さRaは0.19〜0.48μm、最大高さRyは8.9〜14.6μm、十点平均粗さRzは7.0〜11.3μmであった。
[比較例3〜5]
グラファイト粒子の添加量を20g/Lとした以外は、それぞれ実施例5〜7と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は0.96〜1.38重量%、摩擦係数は0.20〜0.36、光沢度は0.59〜1.39であった。また、表面に炭素粒子が強く凝集しており算平均粗さRaは0.35〜0.62μm、最大高さRyは10.5〜14.8μm、十点平均粗さRzは9.0〜11.9μmであった。
[比較例6〜8]
グラファイト粒子の添加量を20g/Lとした以外は、それぞれ実施例8〜10と同様の方法により錫めっき材を作製し、得られた錫めっき材について、実施例1と同様の方法により、錫めっき材の複合めっき皮膜中の炭素含有量および錫めっき材の摩擦係数を算出し、光沢度および表面粗さを測定した。その結果、炭素含有量は1.02〜1.40重量%、摩擦係数は0.17〜0.37、光沢度は0.54〜1.14であった。また、表面に炭素粒子が強く凝集しており算平均粗さRaは0.24〜0.53μm、最大高さRyは8.4〜18.8μm、十点平均粗さRzは7.1〜12.0μmであった。
これらの実施例および比較例の結果を表1に示し、算平均粗さRa、最大高さRy、十点平均粗さRz、光沢度と摩擦係数との関係を図1〜図4に示す。これらの表および図に示すように、実施例では、比較例と比べて、錫リフロー材との間の摩擦係数が極めて低いことがわかる。
Figure 0004907107
実施例および比較例の錫めっき材の算平均粗さRaと摩擦係数との関係を示すグラフである。 実施例および比較例の錫めっき材の最大高さRyと摩擦係数との関係を示すグラフである。 実施例および比較例の錫めっき材の十点平均粗さRzと摩擦係数との関係を示すグラフである。 実施例および比較例の錫めっき材の光沢度と摩擦係数との関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. グラファイト粒子および芳香族カルボニル化合物を添加した錫めっき液を使用して電気めっきを行うことにより、錫層中にグラファイト粒子を含有する複合材からなる皮膜を素材上に形成する錫めっき材の製造方法において、錫めっき液中のグラファイト粒子の濃度を20g/L未満にすることを特徴とする、錫めっき材の製造方法。
  2. 錫めっき液中のグラファイト粒子の濃度を1〜10g/Lにすることを特徴とする、請求項1に記載の錫めっき材の製造方法。
  3. 前記芳香族カルボニル化合物が、芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の錫めっき材の製造方法。
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