JP2000017438A - 気化器及び気化供給方法 - Google Patents

気化器及び気化供給方法

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JP2000017438A
JP2000017438A JP10183509A JP18350998A JP2000017438A JP 2000017438 A JP2000017438 A JP 2000017438A JP 10183509 A JP10183509 A JP 10183509A JP 18350998 A JP18350998 A JP 18350998A JP 2000017438 A JP2000017438 A JP 2000017438A
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vaporization
carrier gas
container
vaporizer
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JP10183509A
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English (en)
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Yukichi Takamatsu
勇吉 高松
Gakuo Yoneyama
岳夫 米山
Yoshiyasu Ishihama
義康 石濱
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Japan Pionics Ltd
Original Assignee
Japan Pionics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体原料を気化させて半導体製造装置へ供給
するための気化器及び気化供給方法において、原料に過
剰な加熱を与えず、しかも原料を所望の濃度及び流量で
効率よく気化させることにより高品質の気化ガスが得ら
れ、さらに内壁面への付着物の堆積を防止することが可
能な気化器及び気化供給方法を提供する。 【解決手段】 気化器の気化容器の形状を、球形、楕球
形、樽形、またはこれらに類似する形状に設定し、かつ
キャリヤーガス導入口の設置位置の水平面における向き
を、気化容器内壁水平面の接線方向に対して75度以上
105度以下となるように設定する。また、液体原料を
霧化した後、前記気化器内に噴出させ、加熱されたキャ
リヤーガスと接触させることによって加熱気化させて、
半導体製造装置へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の製造など
に用いられる化学気相成長(CVD)装置等にガスを供
給するための気化器及び気化供給方法に関する。さらに
詳細には、液体原料を、その品質を低下させることな
く、所望の濃度及び流量で効率よく気化供給するための
気化器及び気化供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの絶縁薄膜においては、
ゲート絶縁膜としてSiO2 、キャパシタ絶縁膜として
Si34 、層間絶縁膜としてPSG(リン・シリコン
・ガラス)、BPSG(ボロン・リン・シリコン・ガラ
ス)がある。従来よりこれらをCVD装置により製造す
るための材料としては、SiH4 、NH3 、PH3 、B
26 等の気体原料が用いられてきた。これらの気体原
料は高純度に精製することが容易であり、適宜の温度に
加熱した後CVD装置に供給すればよく、取り扱いが比
較的簡単であった。
【0003】しかし、デバイスの三次元化や配線の多層
化が進むにつれて、絶縁膜の平坦化に対する要求が高ま
ってきており、ボイド等の欠陥が発生しにくく高品質の
薄膜形成が可能な液体原料が使用され始めている。例え
ば、SiO2 膜の原料としてはテトラエトキシケイ素
(Si(OC2 54 )が、BPSG膜の原料として
はトリメトキシホウ素(B(OCH33 )、トリメト
キシリン(P(OCH33 )等が実用化されている。
また、このほかにもSiO2 の数倍の高い誘電率を示す
Ta2 5 膜、HfO 2 膜等の新しい種類の薄膜も開発
されているが、これらの原料としてはペンタエトキシタ
ンタル(Ta(OC255 )、テトラ tert-ブトキ
シハフニウム(Hf(OC(CH33 4 )等の液体
原料が用いられている。
【0004】これらの液体原料は、一般的に蒸気圧が低
く、粘度が高く、気化温度と分解温度が接近しているた
め、その品質を低下させることなく、しかも所望の濃度
及び流量で効率よく気化させることは非常に困難なこと
であった。しかし、液体原料を用いた絶縁薄膜は、気体
原料を用いた絶縁薄膜より高品質、高純度のものが期待
されており、液体原料を劣化させずに効率よく霧化また
は気化する目的で、種々の装置あるいは方法等が開発さ
れてきた。従来より、液体材料を半導体製造装置にガス
状で供給するための気化器及び気化供給方法としては、
例えば以下のようなものを挙げることができる。
【0005】すなわち、液体原料を噴霧する機構と噴
霧された原料を加熱気化する機構を併せた気化器であ
り、気化器の原料供給口において噴霧した原料を加熱さ
れた気化器内に拡散することにより気化させる方法(特
開平3−126872号公報)、液体原料を入れる容
器、該液体原料の温度調整手段及び該液体原料に気体を
吹き込むための管を備えた気化器により、加熱した液体
原料にキャリヤーガスをバブリングさせて蒸発気化させ
る方法(特開平4−218675号公報)、気化器内
に超音波振動子が設けられており、液体原料を超音波振
動により霧状にするとともに加熱して気化させる気化装
置(特開平5−132779号公報)、霧化器により
霧化した原料を加熱された気化通路に通して気化する装
置(特開平9−47697号公報)等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな方法には次のような問題点があった。すなわち、
では、霧化された原料の一部が気化器のヒーターにより
過剰に加熱されるだけでなく、熱伝導の不良により気化
効率も悪いために気化ガスの品質が低下し、また時間の
経過とともに気化器の内壁面に付着物が堆積するので、
気化器のメンテナンスにも手間がかかるという不都合が
あった。では、液体原料が容器内で長時間加熱される
ことにより分解、変質を生じるために気化ガスの品質が
低下し、また気化ガスの濃度や供給量の制御が難しいと
いう欠点があった。では、前記と同様の不都合があ
るほか、原料がミストの状態で半導体製造装置へ供給さ
れる恐れがあった。では、熱伝導が良いため気化効率
は良好であるが、気化通路が狭く、霧化された原料の一
部がヒーターにより過剰に加熱されるために気化ガスの
品質が低下し、また長時間使用した場合は内壁面への付
着物の堆積により気化通路が閉塞する恐れがあった。
【0007】従って、本発明が解決しようとする課題
は、液体原料を気化させて半導体製造装置へ供給するた
めの気化器及び気化供給方法において、原料に過剰な加
熱を与えず、しかも原料を所望の濃度及び流量で効率よ
く気化させることにより高品質の気化ガスが得られ、さ
らに内壁面への付着物の堆積を防止することが可能な気
化器及び気化供給方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、気化容器の形状
を、球形、楕球形、樽形に設定し、かつキャリヤーガス
導入口の設置位置の水平面における向きを、気化容器内
壁水平面の接線方向に対して75度以上105度以下と
なるように設定すれば、キャリヤーガス導入口より供給
されたキャリヤーガスが、気化容器の対面に向かって進
行し、対面に達した後は滞留することなく内壁面に沿っ
て旋回することで、霧化された原料がこのキャリヤーガ
スに巻き込まれて効率よく接触加熱されるため気化効率
が向上し、またガス流の滞留がないために過剰な加熱に
よる原料の品質低下や内壁面への付着物の堆積が極めて
少なくなることを見い出し本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、気化容器の形状が、球
形、楕球形、樽形、またはこれらに類似する形状であ
り、該気化容器の外部には該気化容器を加熱するための
手段が設けられ、該気化容器は最上部に原料供給口を、
下部に気化ガス出口を、上部にキャリヤーガス導入口を
有しており、該キャリヤーガス導入口の設置位置の水平
面における向きが、気化容器内壁水平面の接線方向に対
して75度以上105度以下の角度を成し、かつ該キャ
リヤーガス導入口の設置位置の水平面に対する向きが、
下向きに0度以上15度以下または上向きに0度以上5
度以下の角度を成すように設定されたことを特徴とする
気化器である。
【0010】また本発明は、液体原料を霧化した後、形
状が、球形、楕球形、樽形、またはこれらに類似する形
状である気化容器の最上部に設定された原料供給口より
該気化容器の中心部に向かって噴出させるとともに、加
熱されたキャリヤーガスを、水平面における向きが該キ
ャリヤーガス導入口の設置位置の気化容器内壁水平面の
接線方向に対して75度以上105度以下の角度を成
し、かつ水平面に対する向きが下向きに0度以上15度
以下または上向きに0度以上5度以下の角度を成すよう
にして該気化容器に噴出させ、前記霧化した原料を、該
キャリヤーガスと接触させることにより加熱気化させ
て、半導体製造装置へ供給することを特徴とする気化供
給方法でもある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、半導体製造の際のCV
D装置等に液体原料を気化させて供給する気化器及び気
化供給方法に適用される。本発明の気化器は、気化容器
の形状が、球形、楕球形、樽形、またはこれらに類似す
る形状であり、さらにキャリヤーガスが、キャリヤーガ
ス導入口より気化容器の対面に向かって進行し、対面に
達した後は滞留することなく滑らかに内壁面に沿って旋
回するように、キャリヤーガス導入口の設置位置の水平
面における向きを、気化容器内壁水平面に対して75度
以上105度以下の角度となるように設けたものであ
る。また、本発明の気化供給方法は、液体原料を超音波
振動の付与等により霧化し、前記形状の気化容器の最上
部に設定された原料供給口より中心部に向かって噴出さ
せるとともに、前述の向きに設定された気化容器のキャ
リヤーガス導入口よりキャリヤーガスを噴出させ、霧化
した原料を、キャリヤーガスと接触させることにより加
熱気化させて、半導体製造装置へ供給する方法である。
【0012】本発明の気化器及び気化供給方法に適用さ
れる原料は、常温で液体であってもまた固体を溶媒に溶
解したものであっても、液状を保持し得るものであれば
特に制限はなく、用途に応じて適宜選択、使用される。
例えばテトラiso-プロポキシチタン(Ti(OCH(C
324 )、テトラn-プロポキシチタン(Ti(O
374 )、テトラ tert-ブトキシジルコニウム
(Zr(OC(CH3 3 4 )、テトラ tert-ブトキ
シハフニウム(Hf(OC(CH3 34 )、テトラ
n-ブトキシジルコニウム(Zr(OC494 )、テ
トラメトキシバナジウム(V(OCH34 )、トリメ
トキシバナジルオキシド(VO(OCH33 )、ペン
タエトキシニオブ(Nb(OC25 5 )、ペンタエ
トキシタンタル(Ta(OC255 )、トリメトキ
シホウ素(B(OCH33 )、トリiso-プロポキシア
ルミニウム(Al(OCH(CH32 3 )、テトラ
エトキシケイ素(Si(OC254 )、テトラエト
キシゲルマニウム(Ge(OC254 )、テトラメ
トキシスズ(Sn(OCH34 )、トリメトキシリン
(P(OCH33 )、トリメトキシホスフィンオキシ
ド(PO(OCH3 3 )、トリエトキシヒ素(As
(OC25 3 )、トリエトキシアンチモン(Sb
(OC253 )等の常温で液体のアルコキシドを挙
げることができる。
【0013】また、前記のほかに、トリメチルアルミニ
ウム(Al(CH33 )、ジメチルアルミニウムハイ
ドライド(Al(CH32 H)、トリiso-ブチルアル
ミニウム(Al(iso-C493 )、ヘキサフルオロ
アセチルアセトン銅ビニルトリメチルシラン((CF3
CO)2 CHCu・CH2 CHSi(CH33 )、ヘ
キサフルオロアセチルアセトン銅アリルトリメチルシラ
ン((CF3 CO)2CHCu・CH2 CHCH2 Si
(CH33 )、ビス(iso-プロピルシクロペンタジエ
ニル)タングステンジハライド((iso-C375
52 WH2 )、テトラキスジメチルアミノジルコニウ
ム(Zr(N(CH32 4 )等の常温で液体の原料
を例示することができる。
【0014】さらに、ヘキサカルボニルモリブデン(M
o(CO)6 )、ジメチルペントオキシ金(Au(CH
32 (OC57 ))、ビス(2,2,6,6,- テトラメチ
ル-3,5ヘプタンジオナイト)バリウム(Ba((C(C
3323 HO22)、ビス(2,2,6,6,- テト
ラメチル-3,5ヘプタンジオナイト)ストロンチウム(S
r((C(CH3323 HO22 )、テトラ
(2,2,6,6,- テトラメチル-3,5ヘプタンジオナイト)チ
タニウム(Ti((C(CH3323 HO 2
4 )、テトラ(2,2,6,6,- テトラメチル-3,5ヘプタンジ
オナイト)ジルコニウム(Zr((C(CH3 32
3 HO24 )、ビス(2,2,6,6,- テトラメチル-3,5
ヘプタンジオナイト)鉛(Pb((C(CH332
3 HO2 2 )等の常温で固体の原料を例示すること
ができる。ただし、これらは通常0.1〜0.5mol
/L程度の濃度でヘキサン、ヘプタン、酢酸ブチル、is
o-プロピルアルコール、テトラヒドロフラン等の有機溶
媒に溶解して使用する必要がある。
【0015】本発明の気化器は、気化容器の形状が、球
形、楕球形、樽形、またはこれらに類似する形状であれ
ばよいが、楕球形または樽形とすることが好ましく、さ
らに球形とすることが最も好ましい。楕球形の場合には
最長径Rと最短径rの比(r/R)が0.5以上でかつ
1.0未満のものが好ましい。また、樽形の場合には最
も太い胴部分の水平断面の円の直径Rと高さhの比(h
/R)が0.5以上でかつ2.0以下のものが好まし
い。気化容器の大きさは気化ガスの供給量によっても異
なり一概には特定できないが、通常は球形に換算した場
合の内直径として70〜250mm、好ましくは100
〜150mm程度である。
【0016】また、本発明の気化器における気化容器
は、最上部に原料供給口を、上部にキャリヤーガス導入
口を、下部に気化ガス出口を有しており、好ましくは原
料供給口が、気化容器の最上部でかつ中央部に設けら
れ、向きが気化容器中心部の方向になるように設定され
る。ここで上部とは気化容器の高さの中間より上の部分
を意味し、下部とは気化容器の高さの中間より下の部分
を意味する。なお、気化容器は複数個の原料供給口を有
していてもよく、このような場合は、好ましくは複数個
の原料供給口の中心となる位置が気化容器の最上部でか
つ中央部になるように設けられ、かつ各々の原料供給口
の向きが、気化容器中心部の方向になるように設定され
る。
【0017】キャリヤーガス導入口の向きは、原料供給
口を気化容器の最上部に設け、気化ガス出口を気化容器
の下部になるように固定した時に、キャリヤーガス導入
口の設置位置の水平面における向きが、気化容器内壁水
平面の接線方向に対して75度以上105度以下の角度
を成し、かつ該キャリヤーガス導入口の設置位置の水平
面に対する向きが、下向きに0度以上15度以下または
上向きに0度以上5度以下の角度を成すような向きに設
定される。しかし、気化効率が向上するように、キャリ
ヤーガス導入口の設置位置の水平面における向きが、内
壁水平面の接線方向に対して直角を成し、かつ該キャリ
ヤーガス導入口の設置位置の水平面に対する向きが、下
向きに0度以上10度以下の角度を成すように設定され
ることが好ましい。なお、以上のような構成の気化容器
は、単に任意の方向に回転させて設置することも可能で
あり、このような場合も本発明に含まれるものである。
【0018】また、気化容器の外部には該気化容器を加
熱するための手段が設けられ、液体原料の種類、供給
量、気化ガス濃度、その他の操作条件等に応じて、所望
の温度に加熱保温できるように構成される。加熱手段と
しては、気化容器の外側にリボンヒーターを巻き付ける
方法、気化容器の形状にあわせたブロックヒーターで覆
う方法、あるいは熱風循環や液体熱媒循環させる方法等
がある。いずれの場合においても気化容器を精度良く加
熱保温できる方法であれば特に限定されない。気化容器
の加熱温度はCVD装置の操作条件、液体原料の蒸気
圧、及び供給量によっても異なるが通常は40〜250
℃程度である。
【0019】本発明の気化器においては、気化容器の原
料供給口に液体原料を霧化するための超音波振動子を設
けることができる。超音波振動子の設置方式については
特に制限はなく、例えば原料の流路の中央部あるいは側
面に設置される。超音波振動子の形状、大きさ等にも特
に制限はなく、液体原料が効率よく霧化されるように、
液体原料の種類、供給量、温度等の条件により、超音波
振動の出力、周波数が適宜設定される。例えば、通常は
40〜120kHzの周波数と0.5〜5Wの出力を有
する超音波発振器が使用され、液体原料は粒径0.1〜
20μm程度の粒状に霧化される。
【0020】本発明の気化供給方法においては、霧化さ
れた原料を気化する装置として、前述の本発明の気化器
が使用される。キャリヤーガスは気化容器に供給される
前に加熱する必要がある。その加熱温度はCVD装置の
操作条件、液体原料の蒸気圧及び供給量等によっても異
なるが、通常は40〜250℃程度である。キャリヤー
ガスの流量についても同様にCVD装置の操作条件、液
体原料の蒸気圧及び供給量等により適宜設定される。加
熱されたキャリヤーガスは、気化容器のキャリヤーガス
導入口より供給され、気化容器の対面に向かって進行
し、対面に達した後は滞留することなく内壁面に沿って
滑らかに旋回し気化ガス出口より排出される。このよう
なキャリヤーガスの流れにより、気化容器の外部からの
熱伝達が容易になるとともに気化容器内の温度の均一化
をはかることができる。
【0021】また、液体原料を霧化する方法については
特に制限はないが、気化容器の原料供給口で超音波振動
を与えて液体原料を霧化することが好ましい。固体原料
を有機溶媒に溶解させた原料は、霧化された状態では不
安定なものが多いが、霧化した後すぐに気化すること
で、気化効率を向上させることができる。霧化された原
料は、気化容器の最上部、好ましくは気化容器の最上部
の中央部から供給され、キャリヤーガスと接触すること
により瞬時に加熱気化される。
【0022】以下本発明を図により具体的に説明する
が、本発明はこれらにより限定されるものではない。図
1は、本発明における気化容器の例の縦断面図である。
図1の(1)〜(3)は形状が各々、球形、楕球形、樽
形の気化容器である。図1においてこれらの気化容器
は、原料供給口(符号2)が気化容器の最上部に、気化
ガス出口(符号3)が気化容器の下部に設けられている
が、これらの気化容器は任意の方向に回転させて使用す
ることも可能である。図2は、本発明における気化容器
内のキャリヤーガスの水平方向の流れ(符号6)の例を
示す図である。
【0023】図3の(1)及び(2)は、各々本発明に
おける気化容器のキャリヤーガス導入口の設置位置にお
ける横断面図及び縦断面図である。符号7は水平面にお
けるキャリヤーガス導入口の向きの一例であり、気化容
器内壁の接線(符号8)に対して75度以上105度以
下の角度となるように設定される。また、符号9、符号
10は水平面(符号11)に対するキャリヤーガス導入
口の向きの例であり、該水平面(符号11)に対する角
度が下向きに0度以上15度以下または上向きに0度以
上5度以下の角度となるように設定される。しかし、キ
ャリヤーガス導入口の水平面における向き(符号7)は
気化容器内壁の接線(符号8)に対して直角で、かつキ
ャリヤーガス導入口の水平面(符号11)対する向きは
下向きに0度以上10度以下の角度となるように設定さ
れることが好ましい。
【0024】図4は、本発明における気化容器におい
て、原料供給口に液体原料を霧化するための超音波振動
子を設けた例の縦断面図である。超音波振動によって液
体原料を霧化する霧化器は一般的に超音波発振器と超音
波振動子で構成されるが、本発明においては、超音波振
動子(符号13)は気化容器に直結または近接して設置
されることが好ましい。図4において、液体原料は符号
12の流路を通過する時点で超音波振動子13から超音
波振動を受けて霧化される。その後、霧化された原料は
符号2の原料供給口より気化容器に供給されて、キャリ
ヤーガスと接触し加熱気化される。なお、超音波振動子
の設置位置については原料供給口であれば特に制限はな
く、例えば図4のように原料の流路の中央部に設置でき
るほか、原料の流路の壁面に設置することも可能であ
る。
【0025】図5は、本発明の気化器、気化供給方法を
適用した気化供給システムの一例を示す構成図である。
本発明は、液体原料をその品質を低下させることなく、
所望の濃度及び流量で効率よく気化供給することを目的
としているが、そのためには気化器に原料が供給される
前に既に原料が劣化していたり濃度及び流量が不均一で
あってはならない。液体原料容器(符号15)は液体原
料を供給するための容器であり、液体原料を変質するこ
となく保有することができるものであれば大きさ、形状
等には特に限定はない。また液体原料容器を加圧下に保
持し、液体流量制御部に加圧供給する場合には5kgf
/cm2 程度の加圧に耐え得る構造とすることが好まし
い。
【0026】液体流量制御部(符号16)は液体原料を
高い精度で定量的に霧化器、気化器に供給するものであ
り、流量可変可能なポンプと制御弁、あるいはポンプと
流量制御器等で構成される。ポンプは液体原料を脈流な
しに供給するために通常は2連あるいは多連の耐食性べ
ローズポンプなどが用いられる。またポンプの2次側に
はCVD装置が減圧で操作される場合であっても流量制
御ができるように、逆止弁(符号17)を設けることも
できる。このように液体流量制御部を構成することによ
って液体原料を脈流の少ない条件で、かつCVD系が減
圧状態であっても高い精度で気化器に供給することがで
きる。なお、ポンプに変えて液体原料容器を加圧に保持
し、液体流量制御器などを使用することによって精度良
く供給することもできる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらにより限定されるものではない。 (実施例1)図5のように球状の気化容器を有する気化
器、超音波振動子を有する霧化器を用いて、気化供給装
置を作製した。気化容器は内径110mmの球形であ
り、原料供給口が気化容器の最上部に、気化ガス出口が
気化容器の下部に、キャリヤーガス導入口が気化容器の
上部に設けられている。キャリヤーガス導入口の設置位
置の水平面における向きは、気化容器内壁水平面の接線
方向に対して直角を成し、かつキャリヤーガス導入口の
設置位置の水平面に対する向きが、下向きに5度の角度
を成すように設定されている。また、原料供給口には、
液体原料を霧化するための超音波振動子が設けられてい
る。なお、気化供給試験のため、気化容器の下部にはミ
ストを捕取するための多孔板を設け、気化ガスが該多孔
板を通過して気化ガス出口に達するように、ミストが気
化容器の最下部より捕取されるように設定した。さらに
気化ガス出口には、気化ガス中の原料を捕取するための
液体窒素冷却トラップを設けた。
【0028】上記のような装置を用いて、以下のように
液体原料の気化供給試験を行なった。 ガス加熱器及び気化器、キャリヤーガス供給ライン
のブロックヒーターを80±0.1℃に加熱保温し、キ
ャリヤーガス導入口から80℃に加熱したヘリウムキャ
リヤーガスを500ml/minの流量で気化容器に供
給した。 ヘキサフルオロアセチルアセトン銅アリルトリメチ
ルシランを、液体原料容器から0.1ml/minの流
量で液体流量制御部を経由させて送液し、原料供給口に
おいて周波数60kHz、出力1Wの超音波振動を与え
て霧化して気化容器に供給した。
【0029】 気化ガス出口において、気化ガスを5
分間冷却捕取して、気化供給を終了した。 冷却捕取した気化ガスの捕取量を電子天秤により測
定するとともにFT−IRにより分析して気化効率を調
べた。その結果、液体原料供給量の95.1%に相当す
るヘキサフルオロアセチルアセトン銅アリルトリメチル
シランが冷却捕取されていることが確認された。また、
FT−IRの分析では冷却捕取された原料の変質は認め
られなかった。
【0030】(実施例2)実施例1と同じ装置を用い
て、以下のように液体原料の気化供給試験を行なった。 ガス加熱器及び気化器、キャリヤーガス供給ライン
のブロックヒーターを160±0.1℃に加熱保温し、
キャリヤーガス導入口から160℃に加熱した窒素キャ
リヤーガスを3000ml/minの流量で気化容器に
供給した。 テトラiso-プロポキシチタンを、液体原料容器から
1.0ml/minの流量で液体流量制御部を経由させ
て送液し、原料供給口において周波数60kHz、出力
1Wの超音波振動を与えて霧化して気化容器に供給し
た。
【0031】 気化ガス出口において、気化ガスを所
定の時間毎に冷却捕取して、120分経過後気化供給を
終了した。 冷却捕取した気化ガスの捕取量を電子天秤により測
定するとともにFT−IRにより分析して気化効率を調
べた。また、気化容器内壁の付着物の堆積状態を調べ
た。 その結果、気化ガスの冷却捕取開始から10分後までの
捕取量、10分後から30分後までの捕取量、30分後
から60分後までの捕取量、60分後から120分後ま
での捕取量は、各々液体原料供給量の91%、93%、
95%、94%に相当するものであることが確認され
た。また、FT−IRによる分析では、いずれも冷却捕
取された原料の変質は認められなかった。また、気化容
器内壁の付着物の堆積はほとんど認められなかった。
【0032】(比較例1)実施例1,2における球状の
気化容器を有する気化器に替えて、内壁の一辺が100
mmの立方体である気化容器を有する気化器を用いたほ
かは実施例1,2と同じ装置を用いて、実施例2と同様
の気化供給試験を行なった。該気化容器は、原料供給口
が気化容器の上面中央部に、気化ガス出口が気化容器の
側面最下部に、キャリヤーガス導入口が気化容器の側面
最上部に設けられている。キャリヤーガス導入口の向き
は、水平面に平行で気化容器の中心軸方向に設定されて
いる。なお、実施例1,2の場合と同様に気化容器の下
部にはミストを捕取するための多孔板を設け、気化ガス
が該多孔板を通過して気化ガス出口に達するように、ミ
ストが気化容器の最下部より捕取されるように設定し
た。さらに気化ガス出口には、気化ガス中の原料を捕取
するための液体窒素冷却トラップを設けた。
【0033】その結果、気化ガスの冷却捕取開始から1
0分後までの捕取量、10分後から30分後までの捕取
量は、各々液体原料供給量の82%、75%に相当する
ものであることが確認されたが、30分後から60分後
までの捕取量は液体原料供給量の65%となったため実
験を中止した。また、FT−IRによる分析では、いず
れも原料であるテトラiso-プロポキシチタンの変質は認
められなかった。また、気化容器内壁の端部には付着物
が堆積しており、これを捕取しFT−IRにより分析し
た結果、原料のテトラiso-プロポキシチタンが変質した
ものであることが確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明の気化器及び気化供給方法により
以下のことが可能となった。 (1)原料に過剰な加熱を与えず、しかも原料を所望の
濃度及び流量で効率よく気化させることにより高品質の
気化ガスを供給することができる。 (2)気化容器の内壁面への付着物の堆積が極めて少な
いため、気化通路等の配管が閉塞する恐れがなく、気化
器のメンテナンスを容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における気化容器の例の縦断面図
【図2】本発明における気化容器内のキャリヤーガスの
水平方向の流れの例を示す図
【図3】本発明における気化容器のキャリヤーガス導入
口の設置位置における横断面図及び縦断面図
【図4】本発明における気化容器において、原料供給口
に液体原料を霧化するための超音波振動子を設けた例の
縦断面図
【図5】本発明の気化器、気化供給方法を適用した気化
供給システムの一例を示す構成図
【符号の説明】 1 気化容器 2 原料供給口 3 気化ガス出口 4 キャリヤーガス導入口 5 ブロックヒーター 6 キャリヤーガスの流れ 7 水平面におけるキャリヤーガス導入口の向き 8 キャリヤーガス導入口の設置位置における気化容器
内壁水平面の接線 9 垂直面におけるキャリヤーガス導入口の向き(下向
きの場合) 10 垂直面におけるキャリヤーガス導入口の向き(上
向きの場合) 11 キャリヤーガス導入口の設置位置における水平面 12 液体原料の流路 13 超音波振動子 14 液体原料 15 液体原料容器 16 液体流量制御部 17 逆止弁 18 霧化器 19 気化器 20 バルブ 21 ガス加熱器 22 ガス流量制御器 23 ブロックヒーター 24 キャリヤーガス供給ライン 25 ブロックヒーター 26 CVD装置
フロントページの続き Fターム(参考) 4G068 DA04 DB03 DB04 DB24 DC04 DD01 DD15 4K030 AA11 AA16 AA18 EA01 JA04 KA25 KA45 4M104 DD44 DD45

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化容器の形状が、球形、楕球形、樽
    形、またはこれらに類似する形状であり、該気化容器の
    外部には該気化容器を加熱するための手段が設けられ、
    該気化容器は最上部に原料供給口を、下部に気化ガス出
    口を、上部にキャリヤーガス導入口を有しており、該キ
    ャリヤーガス導入口の設置位置の水平面における向き
    が、気化容器内壁水平面の接線方向に対して75度以上
    105度以下の角度を成し、かつ該キャリヤーガス導入
    口の設置位置の水平面に対する向きが、下向きに0度以
    上15度以下または上向きに0度以上5度以下の角度を
    成すように設定されたことを特徴とする気化器。
  2. 【請求項2】 原料供給口が、気化容器の最上部でかつ
    中央部に設けられ、かつ該原料供給口の向きが、気化容
    器中心部の方向に設定された請求項1に記載の気化器。
  3. 【請求項3】 原料供給口に液体原料を霧化するための
    超音波振動子が設けられた請求項1に記載の気化器。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の気化器を任意の方向へ
    回転して得られる気化器。
  5. 【請求項5】 液体原料を霧化した後、形状が、球形、
    楕球形、樽形、またはこれらに類似する形状である気化
    容器の最上部に設定された原料供給口より該気化容器の
    中心部に向かって噴出させるとともに、加熱されたキャ
    リヤーガスを、水平面における向きが該キャリヤーガス
    導入口の設置位置の気化容器内壁水平面の接線方向に対
    して75度以上105度以下の角度を成し、かつ水平面
    に対する向きが下向きに0度以上15度以下または上向
    きに0度以上5度以下の角度を成すようにして該気化容
    器に噴出させ、前記霧化した原料を、該キャリヤーガス
    と接触させることにより加熱気化させて、半導体製造装
    置へ供給することを特徴とする気化供給方法。
  6. 【請求項6】 液体原料を、気化容器の原料供給口おい
    て超音波振動を与えることにより霧化する請求項5に記
    載の気化供給方法。
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