JP4309630B2 - 原料気化器及び成膜処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原料気化器及び成膜処理装置に係り、特に、原料気化器の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化に応じてメモリなどに用いられるキャパシタの容量を増大させるために、高い誘電率を有する高誘電率材料を薄膜として成膜する技術が検討されている。一方、不揮発性メモリの一種として強誘電体メモリが注目されている。この強誘電体メモリを形成するには、強誘電体の薄膜を成膜する技術が必要とされる。
【0003】
通常、薄膜を成膜する方法としては、量産性を有するCVD(化学気相成長)法がもっとも有利であるとされる。そして、上記のキャパシタや強誘電体メモリに必要な薄膜をCVD法で成膜する際の高誘電率材料や強誘電体材料としては、酸化タンタル、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸ストロンチウム(STO)、チタン酸バリウム(BTO)、チタン酸バリウム(BST)・ストロンチウム、タンタル酸ビスマス(SBT)・ストロンチウム等の酸化物系誘電体が検討されている。
【0004】
上記のような高誘電率材料や強誘電体材料の薄膜をCVD法で成膜するには、固体若しくは液体の原料を気化させて原料ガスを調製し、この原料ガスをCVD装置のチャンバー内に他の反応性ガスとともに導入して、所定の温度・圧力の環境下にて分解反応等により基板上に堆積させる。このように高誘電率材料や強誘電体材料の薄膜を形成するための成膜処理装置は、たとえば、以下の特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−284335号公報
【0006】
上記の原料ガスは、液体材料を原料気化器にて気化させることによって生成される場合がある。原料気化器は、気化容器と、原料を噴霧する噴霧ノズルと、気化容器内にて気化された原料ガスを排出する排出口とを有し、上記気化容器は、ヒータ等によって所定温度に加熱される。噴霧ノズルからはキャリアガスとともに原料が噴霧され、ミストとして気化容器内に放出される。このミストは、気化容器内における飛翔中に一部が気化されるとともに、気化容器の内面に当たることによって加熱され、急激に気化される。このような原料気化器の構造は、たとえば、以下の特許文献2に開示されている。
【0007】
【特許文献2】
特開2000−273639号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の成膜処理装置においては、原料ガスの内部にパーティクル(未気化残渣)が混入することによって、成膜不良を招いて成膜の再現性を悪化させるとともに、薄膜の品位を低下させるという問題点がある。これは、原料気化器において、噴霧ノズルから噴霧された原料ミストの気化率が必ずしも十分に高くなく、気化されなかった原料ミストがそのまま原料気化器から排出され、チャンバー内基板上に到達したり、一部気化されないミストが気化容器の内部や排出口下流側の配管内に一旦付着し、これがパーティクルとなって成膜処理装置のチャンバー内にまで到達したりするのが原因と考えられる。成膜の再現性や薄膜の品位は、キャパシタや不揮発性メモリの性能や歩留まりに大きく影響する。
【0009】
また、噴霧ノズルから噴霧された原料のミストは、気化容器の内面に当たって飛沫として飛散し、その飛沫が直接排出口に到達して排出されてしまう可能性があり、このような飛沫が配管途中などに付着してパーティクルの原因になることもある。
【0010】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、噴霧ノズルから噴霧されたミストの気化率を高めることにより、パーティクルの発生を低減し、高品位の成膜を行うことのできる原料気化器及びこれを用いた成膜処理装置を提供することにある。また、排出口に直接排出されるミストの飛沫などを低減することにより、パーティクルの発生を低減し、高品位の成膜を行うことのできる原料気化器及び成膜処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の原料気化器は、成膜処理に用いる原料を気化するための気化容器と、前記原料のミストを前記気化容器内に噴霧する噴霧ノズルと、前記気化容器内の気化された原料ガスが排出される排出口とを有する原料気化器において、前記噴霧ノズルから噴出した前記ミストに対し、前記噴霧方向の斜め前方に向かう吹き付け方向にキャリアガスを吹き付けるガス吹き付け手段を有し、前記ガス吹き付け手段は複数の吹き付けノズルを備え、前記吹き付け方向は、前記噴霧ノズルの噴霧方向と交差する方向に対し、前記噴霧方向の先から見た平面視で前記噴霧ノズルに向かう方向を基準とし、当該方向から共に、前記噴霧方向に平行な軸周りの同じ回転方向にずれた方位に向かうように設定され、これにより前記噴霧ノズルから噴霧された前記ミストは前記吹き付けノズルから吹き付けられる前記キャリアガスによって渦巻くように攪拌され、その結果、前記噴霧方向を軸線とする旋回流が発生するとともに前記噴霧ノズルから噴出した前記ミストが周囲に広げられるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、噴霧ノズルから噴出したミストに対して、ガス吹き付け手段により噴霧方向と交差する吹き付け方向にキャリアガスが吹き付けられるので、ミストが拡散するとともにミストの飛翔方向も広範囲になるので、ミストの気化率を向上させることができる。また、前記吹き付け方向は、前記噴霧方向の斜め前方に向かう方向であることにより、ミストをいたずらに乱すことなく、ミストの噴霧方向を拡大させることができ、気化率を向上させることができる。特に、ミストを大きく攪乱し過ぎると、ミストが直接排出口から排出されて下流側の配管内における付着量が増大することが考えられるが、噴霧方向の斜め前方に向かう方向にキャリアガスを吹き付けることにより、ミストを穏やかに拡散させることができるので、排出口に直接向かうミストの発生を抑制でき、きわめて効果的である。
【0013】
さらに、前記ガス吹き付け手段は複数の吹き付けノズルを備え、前記吹き付け方向は、前記噴霧ノズルの噴霧方向と交差する方向に対し、前記噴霧方向の先から見た平面視で前記噴霧ノズルに向かう方向を基準とし、当該方向から共に、前記噴霧方向に平行な軸周りの同じ回転方向にずれた方位に向かうように設定されていることにより、噴霧ノズルから噴霧されたミストは、吹き付けノズルから吹き付けられるキャリアガスによって渦巻くように攪拌され、その結果、噴霧方向を軸線とする旋回流(渦巻流)が発生する。これによって、気化器内部における原料ガスの滞留時間を長くすることが可能になるため、結果としてミストの気化率を高めることができる。また、吹き付けノズルの数を増やさなくても、ミストを噴霧ノズル周りの全方位に亘り広げることができるという利点もある。
【0014】
本発明においては特に、前記ガス吹き付け手段は前記噴霧ノズルの両側に配置された一対の前記吹き付けノズルよりなり、前記噴霧ノズル及びその噴霧方向並びに前記吹き付けノズルが含まれる平面と直交する方向に排出口が設けられている。これによれば、一対の吹き付けノズルを設けることで原料ミストは吹き付けノズルが設けられている両側に主として大きく広がる傾向にあるから、排出口を噴霧ノズル及びその噴霧方向並びに吹き付けノズルを含む平面と直交する方向に設けることにより、当該排出口が当該平面から離れた位置に配置されることとなるので、パーティクルをさらに低減することができる。
【0015】
【0016】
本発明において、前記吹き付けノズルには加熱器を通過して加熱されたキャリアガスが供給されることが好ましい。これによれば、キャリアガスを所定の温度に加熱して吹き付けることにより、キャリアガスを吹き付けられたミストは熱を与えられ、その結果、さらにミストの気化率を向上させることができる。したがって、原料気化器の内部や下流側の配管内に気化しないミストが付着することを低減させることができるので、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0017】
本発明において、前記気化容器の内面のうち前記噴霧ノズルの噴霧方向にある正面領域に円錐状あるいは角錐状の突起からなる表面凹凸構造が設けられていることが好ましい。噴霧方向にある正面領域に表面凹凸構造を設けることにより、噴霧ノズルから噴出したミストが正面領域に到達したとき、表面凹凸構造によりミストの飛散高さ(正面領域の表面からミストの飛沫が跳ね上がる高さ)を低下させることができる。すなわち、従来構造の気化容器であれば、ミストが気化容器の内面に当たって飛散したとき、その飛沫が高く飛散するため、飛散したミスト飛沫の一部が排出口から直接排出されてしまう可能性があったが、本発明においては、ミストが表面凹凸構造に当たることによりその飛散高さが低くなるので、飛散したミストの一部が排出口から直接排出されてしまう可能性を低減することができる。また、上記表面凹凸構造を設けることによって正面領域の表面積を増大させることができるので、ミストに対する熱交換効率を高くすることができ、噴霧ノズルの噴霧範囲を広げた場合と同様の効果、すなわちミストの気化率の向上を図ることもできる。
【0018】
この場合、上記表面凹凸構造は、傾斜面で構成されることが好ましい。傾斜面で構成された表面凹凸構造とすることによって、跳ね上がり角度を小さくすることができるため、上記飛沫の高さをさらに低減できる。
【0019】
本発明において、前記噴霧ノズルは、所定の立体角範囲内において分散した方向を指向する複数のノズル口を有することが好ましい。これにより、噴霧ノズルから所定の立体角範囲内において広範囲にミストを噴出させることができるため、ミストを分散させて噴霧することができるから、気化率をさらに向上させることができる。
【0020】
本発明において、前記排出口は、前記気化容器の内面のうち、前記噴霧方向とは反対寄りにある内面部分において開口していることが好ましい。これにより、噴霧方向にある内面部分(正面領域)から離れた位置に排出口が開口していることとなるので、噴霧ノズルから噴出したミストや気化容器の内面に当たったミストから生ずる飛沫が直接排出口から排出されることをさらに低減することができる。
【0021】
本発明において、前記排出口から前記原料ガスが排出される方向は、前記噴霧方向のほぼ反対方向であることが好ましい。噴霧方向のほぼ反対方向に向けて排出口から原料ガスが排出されることにより、噴霧ノズルから噴出したミストが直接排出口から排出される可能性を低減できる。
【0022】
次に、本発明の成膜処理装置は、成膜処理に用いる原料を供給する原料供給系と、該原料供給系により供給された原料を気化するための上記いずれかに記載の原料気化器と、前記原料気化器の前記排出口から排出された前記原料ガスを導入して成膜処理を行う成膜手段とを有することを特徴とする。上記の原料気化器を用いることにより、成膜手段においてパーティクルを原因とする成膜不良による成膜の再現性の低下や薄膜品位の低下を抑制することができるので、再現性が高く、高品質の薄膜を形成可能な成膜処理を実現することができる。
【0023】
上記各発明は、特に、酸化タンタル、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸バリウム・ストロンチウム、タンタル酸ビスマス・ストロンチウム等の酸化物系誘電体の薄膜を形成する場合に好適である。また、原料としては、有機金属原料を用いることが好ましい。有機金属材料としては、一般的には、アルキル金属化合物、アルコキシ金属化合物、アルキルアルコキシ金属化合物、β−ジケトン化合物、シクロペンタジエニル化合物、ハロゲン化合物などが用いられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る原料気化器及び成膜処理装置の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
(成膜処理装置)
最初に、本実施形態に係る原料気化器を用いる成膜処理装置の全体構成について説明する。図8は本実施形態の成膜処理装置100の全体構成を模式的に示す概略構成図である。この成膜処理装置100は、原料供給系110と、原料気化器120と、成膜処理部130と、排気系140とを有する。
【0026】
原料供給系110は、N2、He、Ar等の不活性ガス等のキャリアガスを供給するキャリアガス供給部111と、原料を供給する原料供給部112,113,114とを有する。原料供給部112,113,114から供給される原料は、原料供給ライン115を通して供給される。また、この原料供給ライン115とは別に、キャリアガス供給部111からキャリアガス供給ライン116を通してキャリアガスが供給される。ここで、上記原料供給ライン115においては、必要に応じて、キャリアガス供給部111から供給されるキャリアガスとともに原料が供給される。
【0027】
原料供給系110によって供給される原料は通常、室温で固体又は液体であり、原料が室温で固体である場合には適宜の有機溶媒(たとえば酢酸ブチル)を加えることなどによって液状原料として供給される。
【0028】
原料気化器120は、気化容器121と、噴霧ノズル122と、排出口123とを有する。気化容器121は後に詳述するように内面が所定温度となるように加熱される。噴霧ノズル122は、上記原料供給ライン115から原料の供給を受け、所定の圧力で原料を噴霧する。通常、原料供給ライン115に供給されたキャリアガスの圧力によって噴霧ノズル122において原料がミスト化され、気化容器121の内部に噴出される。気化容器121の内部に噴出されたミストは、その飛翔中に一部気化するとともに、気化容器121の内面に当たって加熱され、急速に気化し、原料ガスとなる。上記のように生成された原料ガスは、排出口123から排出され、成膜処理部130の原料ガス供給ライン131に導入される。
【0029】
成膜処理部130は、上記の原料ガス供給ライン131と、この原料ガス供給ライン131に接続された成膜処理容器132と、原料ガス供給ライン131により送られた原料ガスを成膜処理容器132の内部に均一に導入するシャワーヘッド133と、このシャワーヘッド133に対向配置され、ウエハホルダ等で構成される基板支持部134とを有する。基板支持部134上には基板(ウエハ)Wが保持固定される。また、上記の原料ガスと反応させるべき処理ガス(例えば酸素ガス、ハロゲン系ガスなど)が必要である場合には、成膜処理容器132内に上記処理ガスを導入する処理ガス供給系135が設けられる。また、通常、成膜処理容器132内に供給されたガスの分解反応や合成反応を発生させたり促進させたりするために、加熱を行う加熱手段や紫外線等を照射する光照射手段などが設けられる。
【0030】
成膜処理部130の成膜処理容器132は排気系140に接続されている。この排気系140は、排気ライン141と、排気ライン141に排出された固形分などを捕捉する排気トラップ142と、その先に接続された排気ポンプ(真空ポンプ)143とを有する。
【0031】
上記成膜処理装置100において、原料気化器120から供給された原料ガスは、成膜処理容器132内にて分解・合成反応等を生じ、基板134上に堆積し、薄膜が形成される。
【0032】
本発明の好適な製造対象となる薄膜素材としては、上述の酸化物系誘電体が挙げられるがその代表例としてPZTについて述べると、その一般式はPb(Zr,Ti)Oである。また、このPZTにおけるPbの一部がLa、Nb、Caなどで置換されたものもあり、これらも広義にはPZT系材料と呼ばれる。
【0033】
このPZTを製造する場合の原料としては、((CHCCO)CH−を「thd」で表すと、Pb原料としては、Pb(C、Pb(thd)、(CPbOCHC(CH、Pb(C(t−OC)、Pb(CH、PbCl、Pb(n−C、Pb(i−C、Pb(C、PbClなどが挙げられる。また、Zr原料としては、Zr(i−OC(thd)、Zr(i−OC)(thd)、Zr(t−OC、Zr(i−OC、Zr(thd)、ZrCl、Zr(CCl、Zr(OCH、Zr(OC、Zr(Cなどが挙げられる。さらに、Ti原料としては、Ti(i−OC、Ti(thd)(i−OC、Ti(OC、Ti(OCH、Ti(OCH、Ti(CH11)などを挙げることができる。これらの原料は上記原料気化器120において気化されて原料ガスとなり、酸素などの処理ガスと基板W上において反応し、PZT薄膜が生成される。
【0034】
[原料気化器]
次に、上記成膜処理装置100に適用可能な本発明に係る原料気化器120について、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。図1は、原料気化器120の基本構成を模式的に示す概略構成図である。この原料気化器120は、気化容器121の一部を貫通するように噴霧ノズル122が設けられている。気化容器121の外側には複数のヒータ124が配設され、これらのヒータ124は断熱材125に覆われている。これらのヒータ124は、温度制御手段129によって制御される。温度制御手段129は、温度制御回路129Aと、気化容器121の壁面の温度を測定し、その検出温度を温度制御回路129Aに出力する熱
電対等の温度センサ129Bとを備えている。温度センサ129Bの測定点は、噴霧ノズル122によるミストの噴霧方向122a側に配置された内面(後述する正面領域)を有する壁面に配置されていることが好ましい。温度制御手段129による気化容器121の加熱温度は、一般には、噴霧ノズル122により噴霧されたミストの気化温度以上で、ミストを構成する原料の分解温度未満であり、原料によって異なり適宜に調節される。例えば、典型的な温度範囲としては約180〜260℃である。
【0035】
気化容器121は、図示例では箱型形状を有するが、円筒形状、球形状などの種々の形状に構成できる。気化容器121の内面は、たとえばステンレス鋼やアルミニウムなどで構成できる。内面は電解研磨法などによって平滑(たとえば鏡面状)に構成されていることが好ましい。排出口123は、基本的に、気化容器121のうち噴霧方向122aとほぼ直交する方向の側の内面部位において開口している。ただし、図1に示す容器形状は排出口123の配置をも含めて模式的に示しているものに過ぎず、実際の装置構造を正確に反映しているものではない。
【0036】
噴霧ノズル122は、気化容器121に対して適宜の断熱手段により断熱されていることが好ましい。また、噴霧ノズル122が強制冷却手段126(たとえば、冷媒による冷却、熱電効果を用いた電子冷却など)により冷却されることが望ましい。これは、噴霧ノズル122が上記のように加熱された気化容器121からの熱伝導によって加熱されると、ノズル内部を通過する原料ガスの一部が分解してしまったり、多量体が形成されてしまったりする恐れがあるからである。このような原料の熱分解や多量体の生成もパーティクルの発生原因になる。
【0037】
この原料気化器120には、上記噴霧ノズル122の傍らに、キャリアガス吹き付け手段である吹き付けノズル127が設けられている。この吹き付けノズル127は、噴霧ノズル122の周囲において複数分散した位置に設けられていることが好ましい。吹き付けノズル127は、キャリアガスを図示の吹き付け方向127aに向けて吹き付けるように構成されている。この吹き付け方向127aは、基本的には、上記の噴霧方向122aと交差する方向であればよいが、特に、図示のように、噴霧方向122aに対して斜め前方に向いた方向であることが好ましい。より具体的には、吹き付け方向127aは、噴霧方向122aに対して約10〜30度の範囲内の交差角を有する方向であることが望ましい。この範囲を下回るとキャリアガスの吹き付け効果が小さくなるとともに、逆に上記範囲を上回ると、噴霧されたミストが攪乱され過ぎ、ミストが直接排出口123から排出される可能性が増大する。
【0038】
図9は、上記噴霧ノズル122及び吹き付けノズル127を噴霧方向122aの先にある気化器内面側から見た様子を示す説明図である。この基本構成では、一対の吹き付けノズル127は噴霧ノズル122の左右両側にあり、それらの吹き付け方向127aは、共に噴霧ノズル122及びその噴霧方向122a並びに吹き付けノズル127が含まれる平面上の方向であって噴霧ノズル122側に斜めに向かう方向となっている。この場合、噴霧ノズル122から噴霧される原料ミストは主として図示左右両側に広がるので、噴霧ノズル122及びその噴霧方向122a並びに吹き付けノズル127を含む平面上から離れた位置(図示例では上記平面と直交する方向にある内面部位)に排出口123を形成することが好ましい。
【0039】
【0040】
図10は、上記基本構成とは異なる実施形態の構成態様を、図9と同じ視線方向から見た状態を示す説明図である。この場合、吹き付けノズル127′の吹き付け方向127a′は、噴霧ノズル122に向かう方向を基準とし、当該方向から共に、噴霧方向122a(図1参照)に平行な軸周りの同じ回転方向に(図示例は反時計周り)にずれた方位に向かうように設定されている。これによって、噴霧ノズル122から噴霧されたミストは、吹き付けノズル127′から吹き付けられるキャリアガスによって渦巻くように攪拌され、その結果、噴霧方向122aを軸線とする旋回流(渦巻流)が発生する。図示例では、図示時計回りの気流及びミストの流れが形成される。これによって、気化器内部における原料ガスの滞留時間を長くすることが可能になるため、結果としてミストの気化率を高めることができる。また、上記実施形態では図9に示すように主として図示左右方向にミストが広がるが、この場合には、吹き付けノズルの数を増やさなくても、ミストを噴霧ノズル周りの全方位に亘り広げることができるという利点もある。ただし、この例では、吹き付けノズル127′が噴霧ノズル122の図示左右両側にしか配置されていないため、原料ミストは図示上下方向よりも図示左右方向へより大きく広がる傾向にあるから、排出口123を、噴霧ノズル122及びその噴霧方向122a並びに吹き付けノズル127′を含む平面から離れた位置に配置することが好ましい点は、上記基本構成と同じである。
【0041】
また、この場合においても、噴霧ノズル122の周囲に3以上の吹き付けノズル127′を分散配置し、いずれの吹き付けノズルも、その吹き付け方向が全て噴霧ノズル122側に向かう方向を基準として当該方向から噴霧方向と平行な軸周りに同じ回転方向(時計周り若しくは反時計周り)にずれた方位へ斜めに向かう方向となるように構成することができる。
【0042】
上記の吹き付けノズル127には、上記の原料供給系110から供給されるキャリアガスを加熱する加熱器128を通過したキャリアガスが供給される。加熱器128によるキャリアガスの加熱温度は、気化容器121内に吹き付けられるキャリアガスの流量にも依存するが、一般的には気化容器の加熱温度と同じ程度か、それ以下の温度である。キャリアガスの加熱温度は、上記気化容器の場合と同様に原料によって異なるが、典型的には80〜260℃である。
【0043】
本実施形態の原料気化器120では、吹き付けノズル127から吹き付けられるキャリアガスの流量は、噴霧ノズル122から噴霧される原料(原料とキャリアガスの総量)の約0.2〜2倍の範囲内であることが好ましい。この範囲を下回ると後述する吹き付け効果が得られにくくなり、逆に範囲を上回ると噴霧ノズル122から噴霧されたミストの擾乱度合が過大となり、ミストが気化されずにそのまま排出口123から排出されてしまう可能性が増大する。ここで、噴霧ノズル122の一般的な流量は200〜400SCCM(標準cc/min、標準状態は1 atm(1,013hPa)、0 ℃)、2重管構造の場合には、内管が170〜300SCCM程度、外管が30〜100SCCM程度である。なお、本実施形態においては、吹き付けノズル127からのキャリアガスによりミストは十分攪乱されるので、噴霧ノズルは単管構造であってもよい。
【0044】
吹き付けノズル127から吹き付けられたキャリアガスは噴霧ノズル122から噴霧されたミストに当たり、ミストを撹乱し、分散させるので、ミストの飛翔中における気化を促進する効果を有する。また、吹き付けられたキャリアガスは、ミストの飛翔方向をも分散させる。したがって、ミストは気化容器121の内面上のより広範囲の領域に分散して当たるので、気化容器121の内面上における気化も促進される。
【0045】
また、吹き付けノズル127により吹き付けられるキャリアガスが上述のように加熱されていることにより、キャリアガスの吹き付けによる気化容器121の内部温度の低下が発生しにくくなるとともに、キャリアガスとの接触により、ミストに熱を与えることができるので、ミストの気化を促進させる効果も得られ、噴霧ノズル122から噴霧されたミストの気化率をさらに向上させることができる。
【0046】
以上のように、本実施形態では、ミストの気化率を高めることができるので、パーティクルの発生を抑制することができ、成膜不良を低減できる。
【0047】
[第1実施例]
次に、図2を参照して本発明に係る第1実施について説明する。この第1実施例の原料気化器220においては、上記実施形態と同様の、噴霧ノズル222、排出口223、ヒータ224、断熱材225、強制冷却手段226、吹き付けノズル227及び加熱器228を備えているので、これらの説明は省略する。
【0048】
上記基本構成の温度制御手段129が気化容器121の全体を一体に温度制御していたのに対して、この第1実施例では、気化容器221の壁の内面のうち、噴霧ノズル222の噴霧方向222aに配置された正面領域221sを独立した温度制御手段229sによって制御し、その他の内面を温度制御手段229によって温度制御している。
【0049】
温度制御手段229sは、温度制御回路229Asと、温度センサ229Bs−1,229Bs−2とを有する。温度センサ229Bs−1は正面領域221sの中央部(すなわち、噴霧方向222aの近傍)に配置され、他の温度センサ229Bs−2は、上記中央部の周囲(周縁部)に配置されている。温度センサ229Bs−2は複数設置されていてもよい。温度制御回路229Asは、温度センサ229Bs−1の検出温度に基づいて正面領域221sの中央部にあるヒータ224Aを制御し、温度センサ229Bs−2の検出温度に基づいて正面領域221sの周縁部にあるヒータ224Bを制御する。
【0050】
一方、他の壁面の温度制御を行う温度制御手段229については、基本構成と同様に、温度制御回路229Aと温度センサ229Bを備えている。温度制御回路229Aは、温度センサ229Bの検出温度に基づいて、上記正面領域221s以外の内面領域を加熱するヒータ224Cを制御する。
【0051】
上記の正面領域221sを構成する壁部は、気化容器221の他の壁部に対して断熱部221tを介して接続され、断熱されている。断熱部221tは、図示例では、部分的に壁厚を薄く形成した構造を有する。ここで、この壁厚を薄く形成した断熱部221tの内部に断熱材225が入り込んでいてもよい。この断熱部221tとしては、気化容器221の壁よりも熱伝導性の低い素材を正面領域221sと他の壁面との間に介挿したり、真空断熱構造を設けたりしてもよい。
【0052】
この実施では、噴霧ノズル222の噴霧方向222aに配置された正面領域221sが気化容器221の他の壁面とは独立した温度制御手段229sによって制御されることから、ミストが正面領域221sに集中的に当たっても、内面温度をより正確に制御することができる。すなわち、正面領域の加熱面は、ミストにより、より多くの気化熱を奪われるが、本実施においては、より設定温度に近い温度に制御することができ、しかも、より早い応答速度で制御することができる。その結果、ミストの気化率を高めることができ、パーティクルの発生を抑制して成膜不良を低減できる。ここで、正面領域221sの温度を他の内面部分とは異なる設定温度で制御してもよい。
【0053】
また、気化容器221の内面のうち、正面領域221sと、その他の壁面との間が断熱部221tにより断熱されていることにより、正面領域221sの温度制御性をさらに向上させることができる。
【0054】
さらに、正面領域221sの温度制御手段229sによる温度制御は、噴霧方向222aの近傍である中心部と、その周囲の周縁部とに分けて行われるため、噴霧方向222aと、その周囲方向とでミストの噴出密度に相違がある場合でも、正面領域全体に亘って均一な温度分布を維持したり、あるいは、所望する温度勾配をもたせたりすることができる。
【0055】
[第2実施例]
次に、図3乃至図5を参照して本発明に係る第2実施例について説明する。この第2実施形態の原料気化器320においては、上記第1実施と同様の、気化容器321(正面領域321s及び断熱部321tを含む。)、排出口323、ヒータ324A,324B,324C、断熱材325、強制冷却手段326、温度制御手段329及び329sを備えているので、これらの説明は省略する。
【0056】
図3に示すように、この実施における原料気化器320の噴霧ノズル322は、ノズル本体322Aと、このノズル本体322Aの先端に装着された噴霧キャップ322Bとを有する。噴霧キャップ322Bは、螺合、圧入、接着、係合などの種々の公知の取り付け手段によってノズル本体322Aに保持固定される。ノズル本体322Aの内部には、図4に示すように、原料供給ライン115に接続された内管322aと、キャリアガス供給ライン116に接続された外管322bとが配置されている。ここで、内管322aをキャリアガス供給ライン116に接続し、外管322bを原料供給ライン115に接続してもよい。ノズル本体322Aの先端には、内管322aと外管322bとが互いに連通した空間が設けられている。
【0057】
また、図5に示すように、噴霧キャップ322Bには、上記空間に連通する小さ目のノズル口322cと、大き目の322dが設けられている。すなわち、中央のノズル口322cよりも周囲のノズル口322dの方が大きな開口面積を有する。ノズル口322cは、噴霧ノズル322の先端中央において噴霧ノズル322の軸線方向に向けて開口し、ノズル口322dは、ノズル口322cの周囲を取り囲むように複数設けられ、上記軸線方向に対して斜め前方に傾斜する方向に向けて、全体として放射状に開口している。あるいは、上記の噴霧キャップにおいて、軸線方向に向けたノズル口322cを省略し、ノズル口322dだけを形成してもよい。また、ノズル口322cと322dの孔径はミストが広角かつ均等に分散するよう適宜定められる。
【0058】
以上のように、本実施の噴霧ノズル322は、その先端に所定の立体角範囲内において分散した方向を指向する複数のノズル口が設けられているので、図3に示すように、噴霧ノズル322から噴出したミストは広角に噴出し、気化容器321の内面上の広い領域に分散して当たる。図示例では、噴霧ノズル322から噴出するミストは、正面領域321sのほぼ全体に亘って当たるように構成される。したがって、ミストの飛翔中の気化を促進させることができるとともに、気化容器321の内面上における気化をも促進させることができ、全体として気化率を高めることができる。
【0059】
[第3実施例]
次に、図6を参照して、本発明に係る第3実施例の原料気化器420について説明する。この原料気化器420は、第2実施例と同様の、噴霧ノズル422、ヒータ424A,424B,424C、断熱材425、強制冷却手段426、温度制御手段429及び429sを備えているので、これらの説明は省略する。
【0060】
気化容器421は、第2実施例と同様に正面領域421s及び断熱部421tを有するが、排出口423の形成位置が先に説明した各実施とは異なる。上記基本構成、実施形態、第1及び第2実施では、排出口は、噴霧ノズルと、その噴霧方向の内面(正面領域)との間の中間位置に配置され、噴霧方向とほぼ直交する方向に開口しているが、この実施では、排出口423が噴霧ノズル422の噴霧方向422aとは反対寄り(すなわち図示上方寄り)に配置されている。また、先に説明した基本構成、実施形態及び各実施では、排出口の排出方向が噴霧方向とほぼ直交する方向に設定されているが、この実施では、排出口423の排出方向(原料ガスが気化容器421の内部から排出される方向)423aが噴霧方向に対してほぼ反対になるように構成されている。
【0061】
この実施では、排出口423が噴霧方向423の反対寄りに配置(開口)されていることにより、排出口の開口位置が噴霧方向423にある内面部分(すなわち正面領域421s)から離れていることとなるため、噴霧ノズル422から噴霧されたミストが直接排出口423から排出される可能性、及び、正面領域421sに当たって飛散したミスト飛沫が直接排出口423から排出される可能性を共に低減することができる。
【0062】
また、排出口423の排出方向423aが噴霧方向422aの反対方向となっているため、噴霧ノズル422から噴霧されたミストが直接排出口423から排出されることをさらに低減できる。
【0063】
[第4実施例]
最後に、図7を参照して、本発明に係る第4実施例の原料気化器520について説明する。この原料気化器520は、第2実施例と同様の、噴霧ノズル522、排出口523、ヒータ524A,524B,524C、断熱材525、強制冷却手段526、温度制御手段529及び529sを備えているので、これらの説明は省略する。
【0064】
この実施例では、正面領域521sの内面上に傾斜面521ta,521tbを備えた表面凹凸構造521tが形成されている。この表面凹凸構造521tは、例えば、円錐状若しくは角錐状の突起又は凹穴、あるいは、背中合わせに設けられた一対の傾斜面で構成された断面山形の環状リブなどで構成できる。この表面凹凸構造521tは、その少なくとも一部にのみ傾斜面を有する構造であってもよいが、図示例のように、表面凹凸構造が全て傾斜面で形成されていることがより望ましい。表面凹凸構造521tは、例えば、図示中央の傾斜面521taを備えたもののような単一の突起又は凹穴のみで構成されていてもよいが、図示例のように複数の突起又は凹穴によって構成されることが好ましい。また、表面凹凸構造521tは、正面領域521sの中央部に限定されて設けられていてもよいが、好ましくはミストが主として当たる領域全体に形成されていることが好ましい。たとえば、図示例では正面領域521sの中央部のみに表面凹凸構造521tが形成されているが、正面領域521s全体に形成されていることが好ましい。なお、上記の傾斜面521ta,521tbは、正面領域521sが或る仮想面にほぼ沿って形成されている場合には、その仮想面(図示例では水平面)に対して傾斜していればよい。また、上記仮想面が曲面である場合には、傾斜面は、その接平面に対して傾斜して設けられていればよい。
【0065】
本実施例では、噴霧ノズル522から噴霧されたミストが表面凹凸構造521tの傾斜面521ta,521tbに当たったとき、ミストの飛沫の飛散方向が横方向に逸れるため、正面領域521sの表面からの飛沫の高さが低減され、これによって排出口523から直接ミストが排出される可能性を低減できる。したがって、パーティクルの発生を抑制し、成膜不良を低減することができる。また、表面凹凸構造521tによって正面領域521sの表面積が増大するため、噴霧ノズル522により噴霧されるミストの噴霧方向を広げる場合と同様の効果が得られ、気化率を向上させることができる。
【0066】
なお、上記の表面凹凸構造521tは傾斜面521ta,521tbを備えているが、傾斜面を有しない段差状の表面凹凸構造であっても、噴霧ノズルから噴霧されたミストの跳ね上がりを低減する効果は得られるとともに、表面凹凸構造を設けることによって表面積も増大するため、程度の差こそあれ、上記と同質の効果が得られる。
【0067】
尚、本発明の原料気化器及び成膜処理装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、第4実施例の表面凹凸構造521tを、実施形態、第1実施例乃至第3実施例に設けてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、気化容器内に噴霧されたミストの気化率を高めることができるため、パーティクルの発生を抑制し、成膜不良を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る原料気化器の基本構成を模式的に示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る原料気化器の第1実施例の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図3】 本発明に係る原料気化器の第2実施例の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図4】 第2実施例の噴霧ノズルを噴霧方向に切断した状態を模式的に示す概略断面図である。
【図5】 第2実施例の噴霧ノズルを先端側から見た様子を示す概略正面図である。
【図6】 本発明に係る原料気化器の第3実施の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図7】 本発明に係る原料気化器の第4実施の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図8】 本発明に係る原料気化器を有する成膜処理装置の全体構成を示す概略構成図である。
【図9】 基本構成の原料気化器において、噴霧ノズル及び吹き付けノズルを噴霧方向の先の気化器内面側から見た様子を示す説明図である。
【図10】 実施形態の原料気化器において、噴霧ノズル及び吹き付けノズルを噴霧方向の先の気化器内面側から見た様子を示す説明図である。
【符号の説明】
100…成膜処理装置、110…原料供給系、115…原料供給ライン、116…キャリアガス供給ライン、120…原料気化器、121…気化容器、122…噴霧ノズル、123…排出口、124,224A,224B,224C…ヒータ、125…断熱材、126…強制冷却手段、127…吹き付けノズル、128…加熱手段、129…温度制御手段

Claims (5)

  1. 成膜処理に用いる原料を気化するための気化容器と、前記原料のミストを前記気化容器内に噴霧する噴霧ノズルと、前記気化容器内の気化された原料ガスが排出される排出口とを有する原料気化器において、
    前記噴霧ノズルから噴出した前記ミストに対し、前記噴霧方向の斜め前方に向かう吹き付け方向にキャリアガスを吹き付けるガス吹き付け手段を有し、
    前記ガス吹き付け手段は前記噴霧ノズルの両側に配置された一対の吹き付けノズルよりなり、前記吹き付け方向は、前記噴霧ノズルの噴霧方向と交差する方向に対し、前記噴霧方向の先から見た平面視で前記噴霧ノズルに向かう方向を基準とし、当該方向から共に、前記噴霧方向に平行な軸周りの同じ回転方向にずれた方位に向かうように設定され、これにより前記噴霧ノズルから噴霧された前記ミストは前記吹き付けノズルから吹き付けられる前記キャリアガスによって渦巻くように攪拌され、その結果、前記噴霧方向を軸線とする旋回流が発生するとともに前記噴霧ノズルから噴出した前記ミストが周囲に広げられるように構成され、
    前記噴霧ノズル及びその噴霧方向並びに前記一対の吹き付けノズルが含まれる平面と直交する方向に排出口が設けられていることを特徴とする原料気化器。
  2. 前記吹き付けノズルには加熱器を通過して加熱されたキャリアガスが供給されることを特徴とする請求項1に記載の原料気化器。
  3. 前記気化容器の内面のうち前記噴霧ノズルの噴霧方向にある正面領域に円錐状あるいは角錐状の突起からなる表面凹凸構造が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の原料気化器。
  4. 前記噴霧ノズルは、所定の立体角範囲内において分散した方向を指向する複数のノズル口を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の原料気化器。
  5. 成膜処理に用いる原料を供給する原料供給系と、該原料供給系により供給された原料を気化するための請求項1乃至のいずれか一項に記載の原料気化器と、前記原料気化器の前記排出口から排出された前記原料ガスを導入して成膜処理を行う成膜手段とを有することを特徴とする成膜処理装置。
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