JP2000013032A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JP2000013032A
JP2000013032A JP17231598A JP17231598A JP2000013032A JP 2000013032 A JP2000013032 A JP 2000013032A JP 17231598 A JP17231598 A JP 17231598A JP 17231598 A JP17231598 A JP 17231598A JP 2000013032 A JP2000013032 A JP 2000013032A
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epoxy resin
copper
printed wiring
wiring board
copper foil
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JP17231598A
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Hiroshi Shimizu
浩 清水
Takeshi Madarame
健 斑目
Katsuji Shibata
勝司 柴田
Ayako Matsuo
亜矢子 松尾
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】量産性、持続信頼性、電気特性に優れたバイア
ホールを有し、且つ薄型化が可能で、強度に優れ、表面
実装に優れた多層プリント配線板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】高分子量エポキシ重合体と、架橋剤と、多
官能エポキシ樹脂と、硬化剤と、必要な場合に硬化促進
剤と、無機充填材とを構成成分とする熱硬化性エポキシ
樹脂組成物による接着層を銅箔上に形成した、銅張熱硬
化性樹脂接着フィルムを内層回路板と重ね合せ、加熱・
加圧により接着し、銅箔にバイアホールとなる開口部を
形成し、開口部に露出した熱硬化性エポキシ樹脂組成物
を、アミド系溶媒、アルカリ金属化合物、アルコール系
溶媒よりなるエッチング液で、内層回路が露出するまで
エッチング除去し、バイアホールとなる穴を形成し、め
っきを行い、外層回路を形成する多層プリント配線板の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、通常、銅張積層
板に回路を形成した内層回路板と片面銅張積層板または
銅箔との間に、ガラスクロスを基材とする樹脂含浸プリ
プレグを介し、加熱・加圧することにより加熱硬化さ
せ、接着一体化した内層回路入り、銅張積層板の外層表
面に回路を形成して得られる。近年の電子機器の小型
化、高性能化、多機能化に伴い、多層プリント配線板は
より高密度化され、層間の薄型化、配線の微細化、層間
接続穴の小径化が進み、さらには隣接する配線層間のみ
を接続するインターステイシャルバイアホール(以下、
バイアホールという。)が用いられるようになった。最
近では、さらに配線の高密度化のため、このバイアホー
ルの小径化が求められる状況である。
【0003】従来の、バイアホールを有する多層プリン
ト配線板の製造方法は、図2(a)に示すように、銅張
積層板に回路を形成した内層回路板1と、銅箔3との間
に複数枚のプリプレグ9を重ね、図2(b)に示すよう
に、加熱・加圧することにより積層接着し、この一体化
した内層回路入り銅張積層板4に、図2(c)に示すよ
うに、所定の位置にドリルにより内層回路に到達するよ
うに穴加工を行い、バイアホール用穴5を形成し、図2
(d)に示すように、スルーホール6の穴加工を行い、
図2(e)に示すように、無電解銅めっきまたは無電解
銅めっきと電解銅めっき7を形成し、内層回路と銅箔の
電気的接続を行い、図2(f)に示すように、外層銅箔
上にエッチングレジスト8を形成し、不要な銅を選択的
にエッチング除去し(図2(g)に示す。)、エッチン
グレジストを除去する(図2(h)に示す。)というも
のである。このときに、銅箔3に代えて、片面銅張積層
板を用いることができ、また、図2(d)に示すような
スルーホール6を設けないこともある。
【0004】また、従来、ケミカルエッチングが可能な
材料としてポリイミドフィルムを用い、ヒドラジン等で
エッチングする方法が、特開昭50−4577号公報、
特開昭51−27464号公報、特開昭53−4906
8号公報等により知られている。また、プリント配線板
に用いられるエポキシ樹脂硬化物を、濃硫酸、クロム
酸、過マンガン酸などでエッチング(表面粗化、デスミ
ア処理)する方法が、特開昭54−144968号公
報、特開昭62−104197号公報により知られてい
る。
【0005】さらに、最近では、導体層間の絶縁層に、
従来のようなガラス布などの基材を使用しない方法が提
案され、開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のバイアホール用
穴の加工方法では、ドリルによって内層回路に達する位
置まで穴明けを行うので、スルーホールの穴あけとは違
い、複数枚で重ね合せて加工はできず、一枚づつの加工
となり非常に時間を要し、生産性が低いという課題があ
った。
【0007】また、ドリル先端の深さは、内層回路に達
していなければ内層回路と外層銅箔の接続が行えず、内
層回路を貫いてしまうと、接続箇所が内層回路の断面の
みになり信頼性が低くなるので、内層回路に達するちょ
うどの位置でドリルの先端の移動を止めなければなら
ず、そのためには、表面から内層回路までの厚さのばら
つきを小さくしなければならないが、多層プリント配線
板の厚みのばらつきがかなり大きく、導通不良の原因と
なっている。更に、0.3mm以下の小径をあける場
合、ドリルの芯ぶれやガラスクロス基材を含む樹脂層の
加工のため、ドリルの寿命が著しく低下するという課題
がある。
【0008】また、従来のケミカルエッチングを行う方
法では、ヒドラジンは毒性が強く、濃硫酸、クロム酸、
過マンガン酸は特定化学物質に指定されており、安全面
に注意が必要であった。
【0009】更に、絶縁樹脂層に基材を用いない多層プ
リント配線板は、強度が低くなることがあった。この強
度がないことは、単に多層プリント配線板としての機能
のみに着目すれば、強度を必要としない箇所に用いると
か、あるいは、別途補強板を付けるとかすればよいので
あるが、高密度が要求される多層プリント配線板には、
端子間隔の狭い半導体装置を実装したり、あるいは、半
導体そのものを多層プリント配線板に実装することが多
々あり、直接実装する場合に用いるはんだ付けやワイヤ
ボンディングを確実に行える土台が必要であった。
【0010】本発明は、量産性、持続信頼性、電気特性
に優れたバイアホールを有し、且つ薄型化が可能で、強
度に優れ、表面実装に優れた多層プリント配線板の製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の多層プリント配
線板の製造方法は、 a.二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール
類とを、エポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜
1/1.1となるように配合し、触媒の存在下、加熱し
て重合させた、フィルム形成能を有する重量平均分子量
100,000以上の高分子量エポキシ重合体と、架橋
剤と、多官能エポキシ樹脂と、硬化剤と、必要な場合に
硬化促進剤と、無機充填材とを構成成分とする熱硬化性
エポキシ樹脂組成物による接着層を銅箔上に形成した、
銅張熱硬化性樹脂接着フィルムを準備し、予め内層回路
を形成した内層回路板と、銅張熱硬化性樹脂接着フィル
ムの樹脂面を重ね合せ、加熱・加圧により接着して積層
板とする工程。 b.前記銅張熱硬化性樹脂接着フィルムの銅箔上に、エ
ッチングレジストを形成し、不要な銅箔の部分を選択的
にエッチング除去することにより、バイアホールとなる
微細開口部を形成し、エッチングレジストを除去する工
程。 c.前記バイアホールとなる微細開口部に露出した熱硬
化性エポキシ樹脂組成物を、アミド系溶媒、アルカリ金
属化合物、アルコール系溶媒よりなるエッチング液で、
内層回路が露出するまでエッチング除去し、バイアホー
ルとなる穴を形成する工程。 d.少なくとも前記のバイアホール内壁を金属化して内
層回路と銅箔とを電気的に接続するための、めっきを行
う工程。 e.めっきを行った積層板の銅箔上にエッチングレジス
トを形成し、不要な銅を選択的にエッチング除去するこ
とにより、外層回路を形成し、エッチングレジストを除
去する工程。 からなることを特徴とする。
【0012】無機充填材が,熱硬化性エポキシ樹脂組成
物の10〜60体積%となるように配合することができ
る。
【0013】無機充填材に、電気絶縁性を有する水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、アルミ
ナ、マグネシア、Eガラス、二酸化チタン、チタン酸カ
リウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、クレ
イ、窒化けい素、炭化けい素、硼酸アルミニウム、合成
雲母の粉末状またはこれらの組合せから成る群から選ば
れたものを用いることができる。
【0014】無機充填材に、電気絶縁性を有する水酸化
アルミニウム、タルク、クレイ、合成雲母の粉末状また
はこれらの組合せから成る群から選ばれたものを用いる
ことができる。
【0015】硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエ
ッチング液中のアミド系溶媒に、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
−2−ピロリドンまたはこれらの組合せから成る群から
選ばれたものを用い、30〜95重量%の濃度で溶液中
に存在するエッチング液を用いることができる。
【0016】硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエ
ッチング液中のアルカリ金属化合物に、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれたも
のを用い、0.5〜15重量%の濃度で溶液中に存在す
るエッチング液を用いることができる。
【0017】硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエ
ッチング液中のアルコール系溶媒に、エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコールまたは、これらの組
み合わせから成る群から選ばれたものを用い、4.5〜
35重量%の濃度で溶液中に存在するエッチング液を用
いることができる。
【0018】工程dのめっきに代えて、導電性ペースト
を塗布・乾燥・硬化させて、内層回路と銅箔を電気的に
接続することができる。
【0019】本発明者らは、薄型化が可能でバイアホー
ル用穴をケミカルエッチングで一括加工できる材料とし
て、ガラスクロス基材を含まない樹脂組成物を得るべく
種々検討した結果、ケミカルエッチングが可能な熱硬化
性エポキシ樹脂組成物およびそのエッチング液を見出し
たので、本発明を成すことができた。
【0020】
【発明の実施の形態】(熱硬化性エポキシ樹脂組成物)
本発明で使用する熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、フィ
ルム形成能を有するエポキシ重合体および架橋剤、多官
能エポキシ樹脂および硬化剤、無機充填材を構成成分と
する。
【0021】(フィルム形成能を有する高分子量エポキ
シ重合体)フィルム形成能を有する高分子量エポキシ重
合体は、重量平均分子量が100,000以上の、いわ
ゆる高分子量エポキシ重合体であり、二官能エポキシ樹
脂とハロゲン化二官能フェノール類を二官能エポキシ樹
脂とハロゲン化二官能フェノール類の配合当量比を、エ
ポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1と
し、触媒の存在下、沸点が130℃以上のアミド系また
はケトン系溶媒中、反応固形分濃度50重量%以下で、
加熱して重合させて得られる。
【0022】(二官能エポキシ樹脂)二官能エポキシ樹
脂は、分子内に二個のエポキシ基を有する化合物であれ
ばどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹
脂などがある。これらの化合物の分子量はどのようなも
のでもよい。これらの化合物は何種類かを併用すること
ができる。また、二官能エポキシ樹脂以外の成分が、不
純物として含まれていても構わない。
【0023】(ハロゲン化二官能フェノール類)ハロゲ
ン化二官能フェノール類は、ハロゲン原子が置換し、し
かも二個のフェノール性水酸基をもつ化合物であればど
のようなものでもよく、例えば、単環二官能フェノール
であるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多
環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類およ
びこれらのアルキル基置換体などのハロゲン化物などが
ある。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよ
い。これらの化合物は何種類かを併用することができ
る。また、ハロゲン化二官能フェノール類以外の成分
が、不純物として含まれていても構わない。
【0024】(触媒)触媒は、エポキシ基とフェノール
性水酸基のエーテル化反応を促進させるような触媒能を
もつ化合物であればどのようなものでもよく、例えば、
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、イミダ
ゾール類、有機りん化合物、第二級アミン、第三級アミ
ン、第四級アンモニウム塩などがある。なかでもアルカ
リ金属化合物が最も好ましい触媒であり、アルカリ金属
化合物の例としては、ナトリウム、リチウム、カリウム
の水酸化物、ハロゲン化物、有機酸塩、アルコラート、
フェノラート、水素化物、ホウ水素化物、アミドなどが
ある。これらの触媒は併用することができる。触媒の配
合量は、一般に、エポキシ樹脂1モルに対し、0.00
01〜0.2モル程度である。0.0001モル未満で
は、高分子量化反応が著しく遅く、0.2モルを超える
と、直鎖状に高分子量化しない。
【0025】(反応溶媒)反応溶媒としては、アミド系
またはケトン系溶媒が好ましく、アミド系溶媒として
は、沸点が130℃以上で、原料となるエポキシ樹脂と
フェノール類を溶解すれば、特に制限はないが、例え
ば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,
N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピロリドン、カルバミド酸エステル等があ
る。これらの溶媒は、併用することがもできる。また、
ケトン系溶媒、エーテル系溶媒などに代表されるその他
の溶媒と併用しても構わない。またケトン系溶媒として
は、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジイソブチ
ルケトン、ホロン、イソホロン、メチルシクロヘキサノ
ン、アセトフェノン等がある。
【0026】(合成条件)重合体の合成条件としては、
二官能重エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類
の配合当量比は、エポキシ基/フェノール性水酸基=1
/0.9〜1/1.1であることが望ましい。エポキシ
基1当量に対して、フェノール性水酸基が0.9当量の
未満の場合には、直鎖状に高分子量化せず、副反応が起
きて架橋し、溶媒に溶けにくくなり、1.1当量を超え
ると、高分子量化が進まない。重合反応温度は、60〜
150℃であることが望ましい。60℃より低いと高分
子量化反応が著しく遅く、150℃より高いと副反応が
多くなり、直鎖状に高分子量化としない。溶媒を用いた
重合反応の際の固形分濃度は、50重量%以下であれば
良いが、更には、40重量%以下にすることが望まし
い。50重量%を超えると、副反応が多くなり直鎖状に
高分子量化しにくくなり、好ましくない。このようにし
て、フィルム形成能を有する重量平均分子量が100,
000以上の、いわゆるハロゲン化高分子量エポキシ重
合体を得られる。
【0027】(架橋剤)このハロゲン化高分子量エポキ
シ重合体の架橋剤して、架橋剤の反応性制御が容易でワ
ニスの保存安定性が確保し易い、イソシアネート類を他
の活性水素を持つ化合物でマスク(ブロック)したマス
クイソシアネート類を用いる。イソシアネート類は、分
子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであれ
ばどのようなものでもよく、例えばフェノール類、オキ
シム類、アルコール類などのマスク剤でマスクされたヘ
キサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネートなどが挙げられる。特に硬化物の耐熱
性の向上のため、フェノール類でマスクされたイソホロ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが好ま
しい。この架橋剤の量は、高分子量エポキシ重合体のア
ルコール性水酸基1.0当量に対し、イソシアネート基
が0.1〜1.0当量にすることが好ましく、0.1当
量未満であると、架橋しにくく、1.0当量を超える
と、フィルム中にイソシアネートが残り、耐熱性、耐薬
品性を低下させ、好ましくない。
【0028】(多官能エポキシ樹脂)多官能エポキシ樹
脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を持つ化合
物であればどのようなものでもよく、例えば、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂などのフェノール類のグリシジルエー
テルであるエポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂、、エポ
キシ化ポリブタジエン、グリシジルエステル型エポキシ
樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアヌレ
ート型エポキシ樹脂、可とう性エポキシ樹脂などであ
り、エポキシ樹脂ならば何を用いても構わないが、特に
フェノール型エポキシ樹脂、またはフェノール型エポキ
シ樹脂と多官能エポキシ樹脂との混合物が、耐熱性の向
上のために好ましい。この多官能エポキシ樹脂の量は、
高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、20〜1
00重量部にすることが好ましく、20重量部未満であ
ると、接着性が低下し、100重量部を超えると、Bス
テージの銅張熱硬化性樹脂接着フィルムに割れが発生し
やすくなり、取り扱い性が低下し、好ましくない。ま
た、この多官能エポキシ樹脂は、接着成分および成形時
の樹脂流れとして働くため、内層銅箔の厚みやその回路
の密度によって適正な量に調整することができる。これ
らの多官能エポキシ樹脂は、単独または二種類以上混合
して用いても構わない。
【0029】(硬化剤)さらに、多官能エポキシ樹脂の
硬化剤および必要な場合に硬化促進剤を用いる。エポキ
シ樹脂の硬化剤および硬化促進剤としては、ノボラック
型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、酸無水物、アミ
ン類、イミダゾール類、フォスフィン類などが挙げられ
る。また、これらを組合せて用いても構わない。
【0030】(添加剤)さらに、シランカップリング剤
を添加することは、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の接着
力、特に銅箔との接着力を向上させるので好ましい。添
加するシランカップリング剤としては、エポキシシラ
ン、アミノシラン、尿素シラン等が好ましい。
【0031】(無機充填材)無機充填材は、通常の樹脂
に用いられ、なお且つ樹脂よりも弾性率が高く、電気絶
縁性のものであれば使用することができ、例えば、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、アルミ
ナ、マグネシア、Eガラス、シリカ、二酸化チタン、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、クレイ、窒化けい素、炭化けい素、硼酸アルミニウ
ム、合成雲母等の粉末状の充填材や、ガラス、アスベス
ト、ロックウール、アラミド等の短繊維状の充填材や、
炭化けい素、アルミナ、硼酸アルミニウム等のウィスカ
等が使用できる。また、これらを二種類以上組合せても
構わないが、特に水酸化アルミニウム、タルク、クレ
イ、合成雲母がワニスへの分散性や保存安定性、耐熱
性、接着性が低下しないので好ましい。無機充填材の配
合量は、充填材入り樹脂中の10〜60体積%使用す
る。さらに、好ましくは無機充填材が20〜60体積%
で使用する。無機充填材が10体積%以下では、フィル
ムの強度への効果が小さく、また、60体積%以上で
は、フィルムの取り扱い性低下や接着力を低下させるた
め好ましくない。さらに、無機充填材のワニスとの混練
方法は、らいかい機、ホモミキサー、ビーズミル、パー
ルミル、ボールミル等の機器のいずれを用いてもよい。
混練温度は、溶媒凝固せず、且つ沸騰しない温度範囲で
あれば、いずれの温度でも良い。また、無機充填材は、
いずれかの材料に予め混合分散させておいてもよい。
【0032】(難燃剤)さらに、必要に応じて、難燃剤
を配合することもでき、難燃剤には、テトラブロモビス
フェノールA、デカブロモジフェニルエーテル、臭素化
エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂等の臭素化合物が
使用できる。
【0033】(工程a)以上の各構成成分を配合したワ
ニスを銅箔上に塗布し、加熱乾燥して、Bステージの銅
張熱硬化性樹脂接着フィルムを得ることができる。この
樹脂層の厚さは内層回路の銅箔厚みにもよるが、25〜
100μmが好ましい。このBステージの銅張熱硬化性
樹脂接着フィルムを、予め作製した内層回路板と銅張熱
硬化性樹脂接着フィルムの樹脂面が接するように重ね合
せ、加熱・加圧により、内層回路入り銅張積層板を得
る。
【0034】(工程b)得られた銅張熱硬化性樹脂接着
フィルムを積層された内層回路入り銅張積層板の銅箔上
に、エッチングレジストを形成し、一般的に用いられる
フォトグラフィー法により、現象・選択エッチングを行
い、銅箔にバイアホールとなる微細開口部を形成する。
この微細開口部は、バイアホール用穴の開口部となる。
そして、エッチングレジストを除去する。
【0035】(工程c)微細開口部に露出した熱硬化性
樹脂接着フィルムをアミド系溶媒、アルカリ金属化合
物、アルコール系溶媒を構成成分としたエッチング液
で、内層回路が露出するまで、エッチング除去する。銅
張熱硬化性樹脂接着フィルムの構成成分である高分子量
エポキシ重合体は、アルカリで分解される。樹脂層のエ
ッチング作用は、アミド系溶媒・アルコール系溶媒に伴
って、硬化フィルム層に浸透したアルカリによって、高
分子量エポキシ重合体の骨格が切断分解し、低分子量化
したものからアミド系溶媒に溶解し、エッチングされ
る。
【0036】アミド系溶媒は何でも構わないが、例えば
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,
N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル
−2−ピロリドン、カルバミド酸エステルなどがある。
特に、低分子量化した硬化物を溶解させる作用が大きい
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。ま
た、これらの混合液でも良い。また、ケトン系溶媒、エ
ーテル系溶媒などに代表されるその他の溶媒と併用して
も構わない。水溶液でも構わない。ここで併用できるケ
トン系溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メ
チルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノ
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等がある。
【0037】ここで併用できるエーテル系溶媒は、例え
ばジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル等がある。特に濃度は限定されな
いが、アミド系溶媒が30〜95重量%の濃度で溶液中
に存在すれば、硬化物の分解速度や溶解速度が速くな
る。アルカリ金属化合物は、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属化合物
でアルコール系溶媒に溶解するものであればどのような
ものでもよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム等の金属、水素化物、水酸化
物などがある。特に水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが取り扱い性および硬化物の分解速
度が速く好ましい。特に濃度は限定されないが、0.5
〜15重量%の濃度で溶液中に存在すれば、硬化物の分
解速度が速くなり好ましい。
【0038】アルコール系溶媒は、例えばメタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、
tertブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノ
ール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノー
ル、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチル
アルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチ
ルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペ
ンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチ
ル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノ
ール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メ
チルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノー
ル、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロ
ヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、グリセリン、ジプロピレングリコール等がある。特
にアルカリ金属化合物の溶解性が高い、エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコールが好ましく、これ
らの混合液でも良い。濃度は、特に限定されないが、
4.5〜35重量%の濃度で溶解中に存在すれば、硬化
物の分解速度が速くなり好ましい。以上の各構成成分に
より成るエッチング液は、熱硬化性樹脂接着フィルムと
溶液との接触時間および溶液の温度は、望まれるエッチ
ング速度および程度に相互依存するため、バイアホール
径や厚さにより適切な条件にする必要がある。また、エ
ッチング方法はスプレー方式やディップ方式などが使用
でき、特に限定されるものではない。
【0039】(工程d)次に、露出した内層回路と外層
銅箔とを電気的に接続するめっき方法は、一般的に用い
られる電気めっきが良く、小径バイアホールには無電解
銅めっきでもよい。また、電気的な接続は導電性ペース
トを塗布乾燥硬化させて接続してもよい。
【0040】(工程e)更に、外層銅箔上にエッチング
レジストを形成し、一般的に用いられるフォトグラフィ
ー法により、現像・選択エッチングを行い、外層銅箔面
に配線回路を形成し、エッチングレジストを除去し、内
層回路と外層回路がバイアホールで接続された多層プリ
ント配線板が得られる。
【0041】上記のように得られた多層プリント配線板
を内層回路板とし、更に銅張熱硬化性樹脂接着フィルム
を重ね合わせ、これを繰り返すことにより、6層以上の
バイアホールで接続された多層プリント配線板も得るこ
とができる。
【0042】
【実施例】実施例1 二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:172)を用い、ハロゲン化二
官能フェノール類として、テトラブロモビスフェノール
A(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノ
ール性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒
として水素化リチウムを二官能エポキシ樹脂1モルに対
して0.065モルの存在下に、溶媒としてN,N−ジ
メチルアセトアミドを用い、溶液の固形分濃度が30重
量%となるように配合を調整し、120℃で10時間、
その溶媒中で加熱して重合させて得たフィルム形成能を
有するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法による
スチレン換算重量平均分子量が、300,000の臭素
化高分子量エポキシ重合体を得た。この臭素化高分子量
エポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート基を有す
るイソシアネート類として、イソホロンジイソシアネー
トを用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、マ
スク剤として、フェノールノボラック樹脂を活性化水素
が2.5当量となるように用い、高分子量エポキシ重合
体のアルコール性水酸基1当量に対し、イソシアネート
基0.5当量となるように配合した。臭素化高分子量エ
ポキシ重合体100重量部に対し、多官能エポキシ樹脂
として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量:195)を60重量部、硬化剤としてフェノー
ルノボラック樹脂(水酸基当量:106)を20重量部
配合した。さらに、無機充填材として、平均粒径2.5
μmのクレイを30体積%になるように配合し、室温で
らいかい機を用い60分混練し、ワニスを得た。このワ
ニスを、厚さ18μmの銅箔3の粗化面に塗布し、乾燥
器中で、140℃、0.1hrの条件で乾燥し、接着フ
ィルム2の厚さが55μmのBステージ状の銅張熱硬化
性樹脂接着フィルムを得た。この銅張熱硬化性樹脂接着
フィルム21を、予め作製した内層回路板1に重ね合わ
せ(図1(a)に示す。)、温度170℃、圧力2MP
aで30分の真空プレス成形を行い、内層回路入り銅張
積層板4を得た(図1(b)に示す。)。上記内層回路
入り銅張積層板4の外層銅箔の表面に、エッチングレジ
スト用ドライフルムをラミネートし(図1(c)に示
す。)、フォトマスクを介して紫外線を露光し、現像し
てエッチングレジスト8を形成し、バイアホールを形成
させる箇所に、直径100μmの大きさにレジストを除
去した開口部51を形成し(図1(d)に示す。)、さ
らに、その開口部から露出した銅箔3を、エッチング除
去した(図1(e)に示す。)。次に、エッチングレジ
スト8を剥離・除去した(図1(f)に示す。)。引き
続き、60℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン8
0重量%、水酸化カリウム3重量%、ポリエチレングリ
コール17重量%よりなるエッチング液を30分間接触
させ、硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物をエッチン
グ除去し、内層回路を露出させ、バイアホール用穴5を
形成した。ここで、分解物の除去が不安全な場合のため
に、超音波を連続的にかけて、穴中を水洗した(図1
(g)に示す。)。次に、スルーホール6をドリル加工
によって形成した(図1(h)に示す。)。引き続き、
内層回路と外層銅箔を電気的に接続するため、バイアホ
ール用穴5の内壁とスルーホール6の内壁を金属化する
ために、15〜20μmの銅めっき7を行った(図1
(i)に示す。)。次に、外層面にエッチングレジスト
7を形成し(図1(j)に示す。)、選択エッチングに
より配線回路を形成し(図1(k)、図1(l)に示
す。)、エッチングレジストを除去し(図1(m)に示
す。)、4層の多層プリント配線板が得られた。
【0043】実施例2 実施例1の無機充填材に代えて、平均粒径2.0μmの
水酸化アルミニウムを30体積%用いた。また、エッチ
ング液に、60℃に加熱したN−メチル−2−ピロリド
ン85重量%、水酸化カリウム2.25重量%、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル12.75重量%よ
りなるエッチング液を用い、このエッチング液を35分
間接触させて接着フィルムをエッチングし、内層回路を
露出させ、バイアホール用穴を形成し、同様の4層多層
プリント配線板を得ることができた。
【0044】実施例3 実施例1の無機充填材に代えて、平均粒径2.0μmの
合成雲母を30体積%を用いた。また、エッチング液
に、50℃に加熱したN,N−ジメチルアセトアミド9
0重量%、水酸化カリウム1重量%、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル9重量%よりなるエッチング液
を用い、このエッチング液を35分間接触させて接着フ
ィルムをエッチングし、内層回路を露出させ、バイアホ
ール用穴を形成し、同様の4層の多層プリント配線板を
得ることができた。
【0045】実施例4 実施例1の無機充填材に代えて、平均粒径2.5μmの
クレイ15体積%、平均粒径2.0μmの水酸化アルミ
ニウム15体積%を用いた。エッチング液に、50℃に
加熱したN,N−ジメチルホルムアミド80重量%、水
酸化ナトリウム4重量%、ポリエチレングリコール16
重量%よりなるエッチング液を用い、このエッチング液
を40分間接触させて接着フィルムをエッチングし、内
層回路を露出させ、バイアホール用穴を形成し、同様の
4層の多層プリント配線板を得ることができた。
【0046】実施例5 実施例1の無機充填材に代えて、平均粒径2.5μmの
クレイ25体積%を用いた。エッチング液に、60℃に
加熱したN,N−ジメチルホルムアミド80重量%、水
酸化リチウム0.5重量%、ポリエチレングリコール1
9.5重量%よりなるエッチング液を用い、このエッチ
ング液を40分間接触させて接着フィルムをエッチング
し、内層回路を露出させ、バイアホール用穴を形成し、
同様の4層の多層プリント配線板を得ることができた。
【0047】実施例6 実施例1の高分子量エポキシ重合体100重量部に対
し、多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量
部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:
172)を30重量部、硬化剤としてフェノールノボラ
ック樹脂(水酸基当量:106)を20重量部配合し
た。他は実施例1と同じ方法で、エッチング液を30分
間接触させて接着フィルムをエッチングし、内層回路を
露出させ、バイアホール用穴を形成し、同様の4層の多
層プリント配線板を得ることができた。
【0048】実施例7 実施例1の2個以上のイソシアネート基を有するイソシ
アネート類に、イソホロンジイソシアネートを用い、そ
のイソシアネート基1.0当量に対し、マスク剤とし
て、フェノールノボラック樹脂を活性化水素が2.5当
量となるように用い、高分子量エポキシ重合体のアルコ
ール性水酸基1当量に対し、イソシアネート基0.3当
量となるように配合した。また、高分子量エポキシ重合
体100重量部に対し、多官能エポキシ樹脂として、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1
95)を20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ当量:172)を40重量部、硬化剤として
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:106)を2
0重量部配合した。さらに、無機充填材として、平均粒
径2.5μmのクレイを30体積%になるように配合
し、室温で機械的に60分混練し、ワニスを得た。他は
実施例1と同じ方法で、エッチング液を40分間接触さ
せて接着フィルムをエッチングし、内層回路を露出さ
せ、バイアホール用穴を形成し、同様の4層の多層プリ
ント配線板を得ることができた。
【0049】比較例1 実施例1のエッチング液に代えて、60℃に加熱したN
−メチル−2−ピロリドンをエッチング液を用い、他は
実施例1と同じ方法で4層の多層プリント配線板を作製
したが、このエッチング液では、接着フィルムは白濁膨
潤したが、エッチングされず、バイアホール用穴を形成
することができなかった。
【0050】比較例2 実施例1の高分子量エポキシ重合体に、フェノキシ樹脂
であるYP50(東都化成株式会社製,商品名,平均分
子量:68,000)を用い、2個以上のイソシアネー
ト基を有するイソシアネート類として、イソホロンジイ
ソシアネートを用い、そのイソシアネート基1.0当量
に対し、マスク剤として、フェノールノボラック樹脂を
活性化水素が2.5当量となるように用い、高分子量エ
ポキシ重合体のアルコール性水酸基1当量に対し、イソ
シアネート基0.5当量となるように配合した。高分子
量エポキシ重合体100重量部に対し、多官能エポキシ
樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量:195)を60重量部、硬化剤としてフェ
ノールノボラック樹脂(水酸基当量:106)を20重
量部配合した。このワニスを、厚さ18μmの銅箔の粗
化面に塗布し、乾燥器中で、140℃、0.1hrの条
件で乾燥し、接着フィルムの厚さが52μmのBステー
ジ状の銅張熱硬化性樹脂接着フィルムを得た。他は実施
例1と同じ方法で4層の多層プリント配線板を作製した
が、エッチング液で接着フィルムがエッチングされず、
バイアホール用穴を形成することができなかった。
【0051】比較例3 プリプレグ用のエポキシ樹脂である臭素化ビスフェノー
ルA型(エポキシ当量:470)100重量部と、硬化
剤であるジシアンジアミドを5重量部と、硬化促進剤で
あるベンジルメチルアミンを0.2重量部とを、メチル
エチルケトンに溶解したエポキシ樹脂ワニスに、無機充
填材として平均粒径2μmのクレイを30体積%になる
ように配合し、室温で機械的に90分攪拌したワニス
を、予め回路加工した内層回路板の上に直接、スクリー
ン印刷法によって塗布し、160℃、0.1hrの条件
で乾燥した後、銅箔を重ね合わせて、加熱・加圧して積
層一体化した。他は実施例1と同じ方法で4層の多層プ
リント配線板を作製したが、エッチング液で樹脂層がエ
ッチングされず、バイアホール穴を形成することができ
なかった。
【0052】比較例4 実施例1の銅張熱硬化性樹脂接着フィルムに代えて、
0.05mmガラス布基材を用いたエポキシ樹脂プレプ
レグを、予め回路加工した内層回路板の上に重ね、銅箔
を重ね合わせて、加熱・加圧して積層一体化した。他は
実施例1と同じ方法で4層の多層プリント配線板を作製
したが、エッチング液で樹脂層がエッチングされず、バ
イアホール穴を形成することができなかった。
【0053】(試験方法)実施例、比較例の中での4層
の多層プリント配線板の特性を、以下の方法で試験を行
った。試験のサンプル数はいずれも、100枚とした。 ・銅箔引き剥がし強さ 多層プリント配線板の作製工程中の内層回路入り銅張積
層板の外層銅を10mm幅で90゜方向に引っ張り、引
き剥がし強さを測定した。 ・はんだ耐熱性 多層プリント配線板の作製工程中の内層回路入り銅張積
層板を、25mm×25mmに切断し、260℃のはん
だ浴に浮べ、ふくれなどの異常が無い時間を測定した。 ・高温耐加圧 先端2.0×2.0mmはんだごてを300℃に加熱
し、多層プリント配線板の外層回路を、このはんだごて
で1,000gfの一定荷重で10秒間加圧し、外層回
路と内層回路とがショートするサンプルがあるものを
×、ないものを○と判定した。 ・ワイヤボンディング性 作製した多層プリント配線板に、ダイボンド材によって
ICチップを固定し、このICチップと作製した多層プ
リント配線板を接続するために、直径28μmの金線を
用い、ワイヤボンダであるHW22U−H(九州松下電
器株式会社製、商品名)を用い、加熱温度150℃と2
00℃の条件でワイヤボンディングし、ワイヤボンディ
ングした金線の引張り強度を、プルテスターPTR−0
1(株式会社レスカ製、商品名)を用いて測定し、4g
f以上あるものを○、4gf未満のものを×と判定し
た。
【0054】
【表1】
【0055】本発明によれば、ケミカルエッチングによ
りバイアホールの形成が一括してでき、100μm以下
の小径加工が可能であるため、従来のドリル加工に比べ
生産性が大幅に向上し、ドリルで加工が困難な径も可能
となった。また、銅張熱硬化性樹脂接着フィルムを用い
るため、プレス時の構成が簡略化でき、従来のプリプレ
グ構成に比べ、更に生産性が向上する。銅張熱硬化性樹
脂接着フィルムに用いる樹脂組成物は、多層プリント配
線板に用いられるFR−4グレードと同等の一般特性を
有し、且つ強度が向上する。従って、各種の電子機器で
高密度実装に使用される多層プリント配線板の製造方法
としては、極めて有用である。
【0056】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によっ
て、量産性、持続信頼性、電気特性に優れたバイアホー
ルを有し、且つ薄型化が可能で、強度に優れ、表面実装
に優れた多層プリント配線板の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(m)は、それぞれ、本発明の一実施
例を説明するための各工程における概略断面図である。
【図2】(a)〜(h)は、従来例を説明するための概
略断面図である。
【符号の説明】 1.内層回路版 2.接着フィルム 21.銅張熱硬化性樹脂接着フィルム 3.銅箔 4.内層回路入り銅張積層板 5.バイアホール用穴 51.開口部 6.スルーホール 7.銅めっき 8.エッチングレジスト 9.プリプレグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 勝司 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 松尾 亜矢子 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 5E346 AA06 AA12 AA15 AA16 AA32 AA43 BB01 CC09 CC41 CC43 CC58 DD02 DD03 DD12 DD32 DD48 EE02 EE07 EE33 EE38 FF04 FF18 GG02 GG15 GG17 GG19 GG22 GG23 GG28 HH07 HH24 HH33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官
    能フェノール類とを、エポキシ基/フェノール水酸基=
    1/0.9〜1/1.1となるように配合し、触媒の存
    在下、加熱して重合させた、フィルム形成能を有する重
    量平均分子量100,000以上の高分子量エポキシ重
    合体と、架橋剤と、多官能エポキシ樹脂と、硬化剤と、
    必要な場合に硬化促進剤と、無機充填材とを構成成分と
    する熱硬化性エポキシ樹脂組成物による接着層を銅箔上
    に形成した、銅張熱硬化性樹脂接着フィルムを準備し、
    予め内層回路を形成した内層回路板と、銅張熱硬化性樹
    脂接着フィルムの樹脂面を重ね合せ、加熱・加圧により
    接着して積層板とする工程。 b.前記銅張熱硬化性樹脂接着フィルムの銅箔上に、エ
    ッチングレジストを形成し、不要な銅箔の部分を選択的
    にエッチング除去することにより、バイアホールとなる
    微細開口部を形成し、エッチングレジストを除去する工
    程。 c.前記バイアホールとなる微細開口部に露出した熱硬
    化性エポキシ樹脂組成物を、アミド系溶媒、アルカリ金
    属化合物、アルコール系溶媒よりなるエッチング液で、
    内層回路が露出するまでエッチング除去し、バイアホー
    ルとなる穴を形成する工程。 d.少なくとも前記のバイアホール内壁を金属化して内
    層回路と銅箔とを電気的に接続するための、めっきを行
    う工程。 e.めっきを行った積層板の銅箔上にエッチングレジス
    トを形成し、不要な銅を選択的にエッチング除去するこ
    とにより、外層回路を形成し、エッチングレジストを除
    去する工程。 からなることを特徴とする多層プリント配線板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】無機充填材が,熱硬化性エポキシ樹脂組成
    物の10〜60体積%となるように配合することを特徴
    とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】無機充填材に、電気絶縁性を有する水酸化
    アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、アルミ
    ナ、マグネシア、Eガラス、二酸化チタン、チタン酸カ
    リウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、クレ
    イ、窒化けい素、炭化けい素、硼酸アルミニウム、合成
    雲母の粉末状またはこれらの組合せから成る群から選ば
    れたものを用いることを特徴とする請求項1または2に
    記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】無機充填材に、電気絶縁性を有する水酸化
    アルミニウム、タルク、クレイ、合成雲母の粉末状また
    はこれらの組合せから成る群から選ばれたものを用いる
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の
    多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエ
    ッチング液中のアミド系溶媒に、N,N−ジメチルアセ
    トアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
    −2−ピロリドンまたはこれらの組合せから成る群から
    選ばれたものを用い、30〜95重量%の濃度で溶液中
    に存在するエッチング液を用いることを特徴とする請求
    項1〜4のうちいずれかに記載の多層プリント配線板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエ
    ッチング液中のアルカリ金属化合物に、水酸化リチウ
    ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれたも
    のを用い、0.5〜15重量%の濃度で溶液中に存在す
    るエッチング液を用いることを特徴とする請求項1〜5
    のうちいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】硬化した熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエ
    ッチング液中のアルコール系溶媒に、エチレングリコー
    ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
    グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
    ノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレン
    グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
    モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
    エーテル、トリエチレングリコール、テトラエチレング
    リコール、ポリエチレングリコールまたは、これらの組
    み合わせから成る群から選ばれたものを用い、4.5〜
    35重量%の濃度で溶液中に存在するエッチング液を用
    いることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれかに記
    載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】工程dのめっきに代えて、導電性ペースト
    を塗布・乾燥・硬化させて、内層回路と銅箔を電気的に
    接続することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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