JP2000003813A - 積層インダクタ - Google Patents

積層インダクタ

Info

Publication number
JP2000003813A
JP2000003813A JP10166526A JP16652698A JP2000003813A JP 2000003813 A JP2000003813 A JP 2000003813A JP 10166526 A JP10166526 A JP 10166526A JP 16652698 A JP16652698 A JP 16652698A JP 2000003813 A JP2000003813 A JP 2000003813A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
inductor
external electrode
multilayer inductor
lead conductors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10166526A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Suzuki
靖生 鈴木
Noboru Kojima
暢 小島
Yoshinari Noyori
佳成 野寄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FDK Corp filed Critical FDK Corp
Priority to JP10166526A priority Critical patent/JP2000003813A/ja
Publication of JP2000003813A publication Critical patent/JP2000003813A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体通信機器などの高周波回路基板に実装
する積層インダクタにおいて、L値の置き方によるバラ
ツキを回避し、Q値の低下を抑制する。 【解決手段】 各引き出し導体5aが、外部電極方向か
らみたインダクタ断面においてほぼ中央に位置し、コイ
ル5がその位置を周回するようにする。これにより、積
層インダクタ1の実装状態が変わっても(90°回転し
ても)、引き出し導体5aの基板に対する位置関係は変
わらない。また、磁束が引き出し導体5aを貫くことが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機器な
どの高周波回路基板に実装するに好適な開磁路型の積層
インダクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の積層インダクタの一例を示
す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその実装状
態の一例を示す模式図、(c)はその実装状態の別の例
を示す模式図である。
【0003】従来この種の積層インダクタとしては、図
9(a)に示すように、直方体状の電気絶縁体2の両端
に外部電極3をそれぞれ装着し、電気絶縁体2内にコイ
ル5を埋設し、そのコイル5の両端をそれぞれ各外部電
極3に導通させた積層インダクタ1がある。
【0004】ところが、この積層インダクタ1ではコイ
ル5の軸方向(矢印A、B方向)が外部電極方向(矢印
C、D方向)に直交するため、図9(b)、(c)に示
すように、積層インダクタ1の基板9への実装状態によ
って磁界の発生位置が異なり、基板9上の周辺部品等の
環境によってはコイル5のインダクタンス(以下、L値
という。)が変化してしまう。
【0005】そこで、こうした不具合を避けるべく、内
容は異なるがコイルの構造は、特開平9−129447
号公報に開示されているように、コイル5の軸方向を外
部電極方向に一致させることにより、積層インダクタ1
の実装状態の如何に拘わらず磁界の発生位置を1通りに
定めて、L値の変化を抑えようとする手法が考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
にも次のような不都合があった。
【0007】第1に、L値はコイル5の引き出し導体と
基板9との位置関係によっても変化するので、この引き
出し導体を積層インダクタ1の一側面に片寄せて配設し
た場合には、依然として積層インダクタ1の実装状態に
よってL値にバラツキが生じる危険性がある。
【0008】第2に、L値の変化の抑制を狙って、引き
出し導体を単に外部電極3の中心に位置決めしただけで
は、引き出し導体とコイル5を結ぶ導体が磁束を貫くの
で、コイル5のQ値が低下してしまう。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、L値の
置き方によるバラツキを回避し、Q値の低下を抑制しう
る積層インダクタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る本発明は、非磁性体セラミックスを用いた電気絶縁層
に導体パターン(34、36、38、40、42)が交
互に積層され、前記各導体パターンの端部が順次接続さ
れることで積層方向に重畳したコイル(5)が形成され
て前記電気絶縁層からなる電気絶縁体(2)中に埋没さ
れた状態となっており、前記電気絶縁体の表面に前記コ
イルから引き出された2つの引き出し導体(5a)にそ
れぞれ接続される外部電極(3)が設けられ、前記コイ
ルの積層方向が外部電極方向である積層インダクタ
(1)において、前記各引き出し導体が、外部電極方向
からみたインダクタ断面においてほぼ中央に位置し、前
記コイルがその位置を周回するようにして構成される。
コイルが、引き出し導体のあるインダクタ断面中央部を
周回することによって、コイルと引き出し導体をつなぐ
導体が必要ではないので、コイル内に発生する磁束を横
切る導体がなくなり、コイルのQ値が低下しない。
【0011】ここで、非磁性体セラミックスとしては、
ガラスを添加して低温焼結化した誘電体セラミックスを
使用することができる。この場合、ホウケイ酸ガラスを
アルミナに体積で70:30の比率に混合した誘電体材
料を使用し、これにビヒクルとしてエチルセルロースと
テレピネールと分散剤、可塑剤を混合したものを配合し
混合して、印刷用のペーストを作製する。一方、導体パ
ターンとしては、銀、銀パラジウム等の導体ペーストに
上記ビヒクルを混合したものを用いることができる。な
お、バインダーはエチルセルロース以外でPVB、メチ
ルセルロースやアクリル樹脂でもよい。また、分散剤や
可塑剤は印刷性の向上や生産時の取扱い性を考慮して入
れる必要がある。
【0012】また、請求項2に係る本発明は、上記各引
き出し導体(5a)の位置が、外部電極方向からみたイ
ンダクタ断面の中央から半径0.05mm以下であるよ
うにして構成される。0.05mmを越えると、積層イ
ンダクタの置く位置によってL値が大きく変化するが、
0.05mm以下であれば、L値の変化が10%以下で
ある。
【0013】また、請求項3に係る本発明は、上記コイ
ル(5)の巻き始め部と巻き終わり部がインダクタ断面
のほぼ中央から互いに反対側の半分の位置にあり、前記
コイルが、その巻き始め部から巻き終わり部に向かうに
従って徐々に反対側に移動するように配置されているよ
うにして構成される。コイルの位置が徐々に変化するこ
とによって、それぞれの導***置がずれ、コイル間に発
生する浮遊容量が減少し、共振周波数が高くなり、高周
波特性が向上する。
【0014】また、請求項4に係る本発明は、上記コイ
ル(5)が、その積層方向において同一の形状であるよ
うにして構成される。コイルパターンが、すべて引き出
し導体のある中央部を周回する同一形状にすることによ
り、使用するスクリーンが少なくなり、コストダウンに
なる。
【0015】また、請求項5に係る本発明は、上記コイ
ル(5)が、その巻き始め部および巻き終わり部から積
層方向の中央部に向かうに従って徐々に変形して、その
積層方向の中央部において断面全面を有効に利用する形
状であるようにして構成される。これにより、引き出し
導体と接続する部分のコイルのみインダクタ断面中央部
を周回し、中央部に行くに従って外周を周回するコイル
形状にすることにより、磁束を横切る導体がないまま、
高いL値を得ることができる。
【0016】また、請求項6に係る本発明は、非磁性体
セラミックスを用いた電気絶縁層に導体パターン(1
4、16、18、20、22)が交互に積層され、前記
各導体パターンの端部が順次接続されることで積層方向
に重畳したコイル(5)が形成されて前記電気絶縁層か
らなる電気絶縁体(2)中に埋没された状態となってお
り、前記電気絶縁体の表面に前記コイルから引き出され
た2つの引き出し導体(5a)にそれぞれ接続される外
部電極(3)が設けられ、前記コイルの積層方向が外部
電極方向である積層インダクタ(1)において、前記各
引き出し導体が前記コイルの角から引き出されており、
この2つの引き出し導体の前記コイルに対する接続位置
がそれぞれ反対の角であり、L値が5nH以上であるよ
うにして構成される。これにより、引き出し導体をコイ
ルの対角する角からそれぞれの外部電極に接続すること
により、5nH以上の積層インダクタにおいてバラツキ
が10%以下になる。5nH未満では、引き出し導体の
この位置におけるバラツキは10%を越え、大きくな
る。
【0017】また、請求項7に係る本発明は、非磁性体
セラミックスを用いた電気絶縁層に導体パターンが交互
に積層され、前記各導体パターンの端部が順次接続され
ることで積層方向に重畳した2つのコイル(5、6)が
互いに平行に形成されて前記電気絶縁層からなる電気絶
縁体(2)中に埋没された状態となっており、前記電気
絶縁体の表面に前記各コイルから引き出された2つの引
き出し導体(5a、6a)にそれぞれ接続される外部電
極(3)が設けられ、前記各コイルの積層方向が外部電
極方向である積層インダクタ(1)において、前記各引
き出し導体が前記各コイルの角から引き出されており、
L値が20nH以下であるようにして構成される。この
ように、2つのコイルを形成し、コイルの対角位置から
引き出し導体を出すことによって、積層インダクタを置
く位置によるL値のバラツキが小さくなる。ただし、コ
イルは等価回路的には並列接続したものとなるため、1
つのコイル時より2倍の巻き数が必要となり、20nH
を越えるコイルを形成することが困難であるため、これ
以下とした。
【0018】さらに、請求項8に係る本発明は、非磁性
体セラミックスを用いた電気絶縁層に導体パターンが交
互に積層され、前記各導体パターンの端部が順次接続さ
れることで積層方向に重畳した4つのコイル(5、6、
7、8)が互いに平行に形成されて前記電気絶縁層から
なる電気絶縁体(2)中に埋没された状態となってお
り、前記電気絶縁体の表面に前記各コイルから引き出さ
れた2つの引き出し導体(5a、6a、7a、8a)に
それぞれ接続される外部電極(3)が設けられ、前記各
コイルの積層方向が外部電極方向である積層インダクタ
(1)において、前記各引き出し導体が前記各コイルの
角から引き出されており、L値が10nH以下であるよ
うにして構成される。これにより、4つのコイルを内部
に形成し、コイルの対角から引き出し導体を出すことに
より、コイルにある4つの角すべてから引き出し導体を
出すことになり、L値のバラツキが極端に減少する。た
だし、コイルは等価回路的には並列接続したものとなる
ため、1つのコイル時より4倍の巻き数が必要となり、
10nHを越えるコイルを形成することが困難であるた
め、これ以下とした。
【0019】なお、括弧内の番号等は図面において対応
する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本発明
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。このこ
とは「特許請求の範囲」の欄についても同様である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0021】図1は本発明に係る積層インダクタの第1
の実施形態を示す図であり、(a)はその左側面図、
(b)はその正面図、図2は図1に示す積層インダクタ
の製造方法を示す工程図、図3は本発明に係る積層イン
ダクタの第2の実施形態を示す図であり、(a)はその
左側面図、(b)はその正面図、図4は本発明に係る積
層インダクタの第3の実施形態を示す図であり、(a)
はその左側面図、(b)はその正面図、図5は本発明に
係る積層インダクタの第4の実施形態を示す図であり、
(a)はその斜視図、(b)はその実装状態の一例を示
す模式図、(c)はその実装状態の別の例を示す模式
図、図6は図5に示す積層インダクタの製造方法を示す
工程図、図7は本発明に係る積層インダクタの第5の実
施形態を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は
その実装状態の一例を示す模式図、(c)はその実装状
態の別の例を示す模式図、図8は本発明に係る積層イン
ダクタの第6の実施形態を示す図であり、(a)はその
斜視図、(b)はその実装状態の一例を示す模式図、
(c)はその実装状態の別の例を示す模式図である。
【0022】本発明に係る積層インダクタ1は、図1に
示すように、直方体状の電気絶縁体2を有しており、電
気絶縁体2中には、非磁性体セラミックスを用いた電気
絶縁層に複数の導体パターンが交互に積層され、各導体
パターンの端部が順次接続されることで積層方向に重畳
したコイル5が埋設されている。また、電気絶縁体2の
両端表面には外部電極3がそれぞれ冠着されており、各
外部電極3には、コイル5から引き出された2つの引き
出し導体5aが接続されて導通している。さらに、コイ
ル5の軸方向は外部電極方向に一致している。
【0023】ところで、各引き出し導体5aは、図1
(a)に示すように、外部電極方向からみたインダクタ
断面においてほぼ中央(中央から半径0.05mm以
下)に位置しており、コイル5はその位置を周回してい
る。ここで、コイル5は、図1(b)に示すように、そ
の巻き始め部と巻き終わり部がインダクタ断面のほぼ中
央から互いに反対側の半分の位置にあり、巻き始め部か
ら巻き終わり部に向かうに従って徐々に反対側に移動す
るように配置されている。
【0024】本発明に係る積層インダクタ1は以上のよ
うな構成を有するので、積層インダクタ1の実装状態に
よってL値にバラツキが生じることはない。すなわち、
コイル5の軸方向が外部電極方向に一致しているため、
磁界の発生位置は積層インダクタ1の基板(図示せず)
への実装状態の如何に拘わらず1通りに定まることに加
えて、各引き出し導体5aがインダクタ断面のほぼ中央
に位置するので、積層インダクタ1の実装状態が変わっ
ても(90°回転しても)、引き出し導体5aの基板に
対する位置関係は変わらない。その結果、積層インダク
タ1の実装状態によってL値にバラツキが生じることは
ない。ここで、各引き出し導体5aの位置はインダクタ
断面の中央から半径0.05mm以下であるため、例え
ば6nHの積層インダクタ1の場合、L値の変化は0.
035nHとなり、十分に小さい。
【0025】また、コイル5は引き出し導体5aの位置
を周回しているので、コイル5と引き出し導体5aをつ
なぐための導体がなく、コイル5に発生する磁束を横切
る導体がなく、従ってQ値の低下を惹起することもな
い。
【0026】しかも、コイル5はその巻き始め部と巻き
終わり部がインダクタ断面のほぼ中央から互いに反対側
の半分の位置にあり、巻き始め部から巻き終わり部に向
かうに従って徐々に反対側に移動するように配置されて
いるので、コイル導体の重なりが減少し、コイル5によ
る浮遊容量が減少し、共振周波数が高くなるため、高い
周波数まで使用可能となる。
【0027】なお、この積層インダクタ1を製造するに
は印刷積層法を用いることができる。以下、その方法を
説明する。
【0028】まず、図2(a)に示すように、引き出し
導体用の丸孔32を残して誘電体パターン31を印刷し
た後、図2(b)に示すように、この丸孔32を埋める
ように電極33を印刷する。そして、これを必要な回数
だけ繰り返す。
【0029】次に、図2(c)に示すように、電極33
に接続するように導体パターン34を印刷し、図2
(d)に示すように、導体パターン34の一部を隠す形
で誘電体パターン35を印刷する。その後、図2(e)
に示すように、誘電体パターン35上に導体パターン3
6を導体パターン34に繋げて印刷し、図2(f)に示
すように、導体パターン34を隠す形で誘電体パターン
37を印刷する。次いで、図2(g)に示すように、誘
電体パターン37上に導体パターン38を導体パターン
36に繋げて印刷し、図2(h)に示すように、導体パ
ターン36を隠す形で誘電体パターン39を印刷する。
次に、図2(i)に示すように、誘電体パターン39上
に導体パターン40を導体パターン38に繋げて印刷
し、図2(j)に示すように、導体パターン38を隠す
形で誘電体パターン41を印刷する。さらに、図2
(k)に示すように、誘電体パターン41上に導体パタ
ーン42を導体パターン40に繋げて印刷する。コイル
の形成は、図2においてコイルを積層インダクタ1の右
側から左側にずらすように印刷する。
【0030】最後に、図2(l)に示すように、引き出
し導体用の丸孔44を残して誘電体パターン43を印刷
した後、図2(m)に示すように、この丸孔44を埋め
るように電極45を印刷する。そして、これを必要な回
数だけ繰り返す。
【0031】ここで、印刷積層法による積層インダクタ
1の製造が終了する。この構造により、コイル5による
浮遊容量が減少し、共振周波数が高くなり、高い周波数
まで良好な特性を有することとなる。
【0032】なお、上述の実施形態においては、巻き始
め部と巻き終わり部がインダクタ断面のほぼ中央から互
いに反対側の半分の位置にあって、巻き始め部から巻き
終わり部に向かうに従って徐々に反対側に移動するよう
に配置されているコイル5を採用した場合について説明
したが、コイル5の配置については、これ以外にも様々
な配置とすることができる。例えば、図3に示すよう
に、積層方向において同一の形状(図3においては凹五
角形)を有するコイル5を使ってもよい。この場合、同
じ導体パターンの繰り返しで、工程を簡略化することが
できる上、図2よりコイルで囲まれる面積が大きく高い
L値の積層インダクタ1が得られる。
【0033】或いはまた、図4に示すように、巻き始め
部および巻き終わり部から積層方向の中央部に向かうに
従って徐々に変形して、その積層方向の中央部において
断面全面を有効に利用する形状を有するコイル5を採用
しても構わない。これにより、L値が大きく、磁束を横
切る導体のない構造が得られる。
【0034】さらに、上述の実施形態においては、各引
き出し導体5aがインダクタ断面のほぼ中央に位置する
場合について説明したが、この引き出し導体5aをコイ
ル5の角から引き出すこともできる。以下、コイル5の
角から引き出し導体5aを引き出した積層インダクタ1
について説明する。
【0035】すなわち、この積層インダクタ1は、図5
(a)に示すように、直方体状の電気絶縁体2を有して
おり、電気絶縁体2中には、非磁性体セラミックスを用
いた電気絶縁層に複数の導体パターンが交互に積層さ
れ、各導体パターンの端部が順次接続されることで積層
方向に重畳したコイル5が埋設されている。また、電気
絶縁体2の両端表面には外部電極3がそれぞれ冠着され
ており、各外部電極3には、コイル5から引き出された
2つの引き出し導体5aが接続されて導通している。さ
らに、コイル5の軸方向は外部電極方向に一致してい
る。
【0036】ところで、各引き出し導体5aはコイル5
の角から引き出されており、コイル5に対する接続位置
はそれぞれ反対の角となっている。
【0037】そのため、コイル5の軸方向が外部電極方
向に一致しているので、磁界の発生位置は積層インダク
タ1の基板9への実装状態の如何に拘わらず1通りに定
まることに加えて、各引き出し導体5aのコイル5に対
する接続位置がそれぞれ反対の角であるため、コイル5
の両端の引き出し導体5aは、図5(b)、(c)に示
すように、積層インダクタ1の実装状態が変わっても
(90°回転しても)、一方の引き出し導体5aが基板
9のすぐ近くに、他方の引き出し導体5aが基板9から
やや離れて位置するという位置関係は変わらないので、
積層インダクタ1の実装状態によって起こるL値のバラ
ツキは小さい。特に、L値のバラツキは引き出し電極の
位置からくるので、L値が低いものより、5nH以上の
高いものの方が相対的な公差は小さくなる。勿論、L値
が低いものでも、変化が必要でない場合には使用可能で
ある。
【0038】なお、この積層インダクタ1を製造するに
は印刷積層法を用いることができる。以下、その方法を
説明する。
【0039】まず、図6(a)に示すように、引き出し
導体用の丸孔12を残して誘電体パターン11を印刷し
た後、図6(b)に示すように、この丸孔12を埋める
ように電極13を印刷する。そして、これを必要な回数
だけ繰り返す。
【0040】次に、図6(c)に示すように、電極13
に接続するように導体パターン14を印刷し、図6
(d)に示すように、導体パターン14の一部を隠す形
で誘電体パターン15を印刷する。その後、図6(e)
に示すように、誘電体パターン15上に導体パターン1
6を導体パターン14に繋げて印刷し、図6(f)に示
すように、導体パターン14を隠す形で誘電体パターン
17を印刷する。次いで、図6(g)に示すように、誘
電体パターン17上に導体パターン18を導体パターン
16に繋げて印刷し、図6(h)に示すように、導体パ
ターン16を隠す形で誘電体パターン19を印刷する。
次に、図6(i)に示すように、誘電体パターン19上
に導体パターン20を導体パターン18に繋げて印刷
し、図6(j)に示すように、導体パターン18を隠す
形で誘電体パターン21を印刷する。さらに、図6
(k)に示すように、誘電体パターン21上に導体パタ
ーン22を導体パターン20に繋げて印刷する。
【0041】最後に、図6(l)に示すように、引き出
し導体用の丸孔24を残して誘電体パターン23を印刷
した後、図6(m)に示すように、この丸孔24を埋め
るように電極25を印刷する。そして、これを必要な回
数だけ繰り返す。
【0042】ここで、印刷積層法による積層インダクタ
1の製造が終了する。
【0043】なお、上述の実施形態においては1個のコ
イル5を備えた積層インダクタ1について説明したが、
本発明ではコイル5の個数は1個に限られない。例え
ば、図7(a)に示すように、2個のコイル5、6を電
気絶縁体2中に互いに平行に埋設して並列接続すること
も可能である。この場合、各引き出し導体5a、6aの
コイル5、6に対する接続位置がそれぞれ反対の角であ
るので、図7(b)、(c)に示すように、積層インダ
クタ1の実装状態が変わっても、各コイル5、6の引き
出し導体5a、6aの基板9に対する位置関係は変わら
ないので、積層インダクタ1の実装状態によって起こる
L値のバラツキはさらに小さい。また、コイル5、6が
2個であるため、特にL値が20nH以下と低い場合に
好適である。さらに、2個のコイル5、6は互いに平行
であるので、Q値も向上する。
【0044】また、図8に示すように、4個のコイル
5、6、7、8を電気絶縁体2中に互いに平行に埋設し
て並列接続することも可能である。この場合、各引き出
し導体5a、6a、7a、8aのコイル5、6、7、8
に対する接続位置がそれぞれ反対の角であるので、図8
(b)、(c)に示すように、積層インダクタ1の実装
状態が変わっても、各コイル5、6、7、8の引き出し
導体5a、6a、7a、8aの基板9に対する位置関係
は変わらないので、積層インダクタ1の実装状態によっ
てL値にバラツキが生じることはない。また、コイル
5、6、7、8が4個であるため、特にL値が10nH
以下と低い場合に好適である。さらに、4個のコイル
5、6、7、8は互いに平行であるので、Q値も向上す
る。
【0045】また、上述の実施形態においては印刷積層
法を用いて積層インダクタ1を製造する場合について説
明したが、積層インダクタ1を製造するのに他の方法、
例えばシート積層法を用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本
発明によれば、コイル5の軸方向が外部電極方向に一致
しているとともに、各引き出し導体5aがインダクタ断
面のほぼ中央に位置するので、積層インダクタ1の実装
状態が変わっても(90°回転しても)、引き出し導体
5aの基板に対する位置関係は変わらないことから、積
層インダクタ1の置き方によってL値にバラツキが生じ
る事態を回避することができる。その上、コイル5と引
き出し導体5aをつなぐための導体がなく、コイル5に
発生する磁束を横切る導体がないので、Q値の低下を抑
制することが可能となる。
【0047】また、請求項2に係る本発明によれば、各
引き出し導体5aの位置はインダクタ断面の中央から半
径0.05mm以下であるため、例えば6nHの積層イ
ンダクタ1の場合、L値の変化は0.035nHとなっ
て十分に小さいことから、積層インダクタ1としての実
用性を確保しつつ、L値の置き方によるバラツキを回避
し、Q値の低下を抑制することができる。
【0048】また、請求項3に係る本発明によれば、コ
イル5はその巻き始め部と巻き終わり部がインダクタ断
面のほぼ中央から互いに反対側の半分の位置にあり、巻
き始め部から巻き終わり部に向かうに従って徐々に反対
側に移動するように配置されているので、高い周波数ま
で使用することができると同時に、L値の置き方による
バラツキを回避し、Q値の低下を抑制することが可能と
なる。
【0049】また、請求項4に係る本発明によれば、同
じ導体パターンの繰り返しとなるので、工程を簡略化す
ることができると同時に、L値の置き方によるバラツキ
を回避し、Q値の低下を抑制することが可能となる。
【0050】また、請求項5に係る本発明によれば、コ
イル5は、その巻き始め部および巻き終わり部から積層
方向の中央部に向かうに従って徐々に変形して、その積
層方向の中央部において断面全面を有効に利用する形状
を有するので、高いL値に使用することができると同時
に、L値の置き方によるバラツキを回避し、Q値の低下
を抑制することが可能となる。
【0051】また、請求項6に係る本発明によれば、コ
イル5の軸方向が外部電極方向に一致しているととも
に、各引き出し導体5aがコイル5のそれぞれ反対の角
から引き出されているので、積層インダクタ1の実装状
態が変わっても(90°回転しても)、引き出し導体5
aの基板に対する位置関係は変わらないことから、積層
インダクタ1の置き方によってL値にバラツキが生じる
事態を回避することができる。
【0052】また、請求項7に係る本発明によれば、2
個のコイル5、6の軸方向が外部電極方向に一致してい
るとともに、各引き出し導体5a、6aがコイル5、6
の角から引き出されているので、積層インダクタ1の実
装状態が変わっても(90°回転しても)、コイル5、
6の引き出し導体5a、6aの基板に対する位置関係は
変わらないことから、積層インダクタ1の置き方によっ
てL値にバラツキが生じる事態を回避することができ
る。その上、各コイル5、6は互いに平行であるので、
高いQ値を得ることが可能となる。
【0053】さらに、請求項8に係る本発明によれば、
4個のコイル5、6、7、8の軸方向が外部電極方向に
一致しているとともに、各引き出し導体5a、6a、7
a、8aがコイル5、6、7、8の角から引き出されて
いるので、積層インダクタ1の実装状態が変わっても
(90°回転しても)、コイル5、6、7、8の引き出
し導体5a、6a、7a、8aの基板に対する位置関係
は変わらないことから、積層インダクタ1の置き方によ
ってL値にバラツキが生じる事態を回避することができ
る。その上、各コイル5、6、7、8は互いに平行であ
るので、高いQ値を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層インダクタの第1の実施形態
を示す図であり、(a)はその左側面図、(b)はその
正面図である。
【図2】図1に示す積層インダクタの製造方法を示す工
程図である。
【図3】本発明に係る積層インダクタの第2の実施形態
を示す図であり、(a)はその左側面図、(b)はその
正面図である。
【図4】本発明に係る積層インダクタの第3の実施形態
を示す図であり、(a)はその左側面図、(b)はその
正面図である。
【図5】本発明に係る積層インダクタの第4の実施形態
を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその実
装状態の一例を示す模式図、(c)はその実装状態の別
の例を示す模式図である。
【図6】図5に示す積層インダクタの製造方法を示す工
程図である。
【図7】本発明に係る積層インダクタの第5の実施形態
を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその実
装状態の一例を示す模式図、(c)はその実装状態の別
の例を示す模式図である。
【図8】本発明に係る積層インダクタの第6の実施形態
を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその実
装状態の一例を示す模式図、(c)はその実装状態の別
の例を示す模式図である。
【図9】従来の積層インダクタの一例を示す図であり、
(a)はその斜視図、(b)はその実装状態の一例を示
す模式図、(c)はその実装状態の別の例を示す模式図
である。
【符号の説明】
1……積層インダクタ 2……電気絶縁体 3……外部電極 5、6、7、8……コイル 5a、6a、7a、8a……引き出し導体 14、16、18、20、22……導体パターン 34、36、38、40、42……導体パターン
フロントページの続き (72)発明者 野寄 佳成 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 5E043 AA08 EB01 5E070 AA01 AB04 AB06 BA01 CB03 CB13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体セラミックスを用いた電気絶縁
    層に導体パターン(34、36、38、40、42)が
    交互に積層され、 前記各導体パターンの端部が順次接続されることで積層
    方向に重畳したコイル(5)が形成されて前記電気絶縁
    層からなる電気絶縁体(2)中に埋没された状態となっ
    ており、 前記電気絶縁体の表面に前記コイルから引き出された2
    つの引き出し導体(5a)にそれぞれ接続される外部電
    極(3)が設けられ、 前記コイルの積層方向が外部電極方向である積層インダ
    クタ(1)において、前記各引き出し導体が、外部電極
    方向からみたインダクタ断面においてほぼ中央に位置
    し、 前記コイルがその位置を周回することを特徴とする積層
    インダクタ。
  2. 【請求項2】 各引き出し導体(5a)の位置が、外部
    電極方向からみたインダクタ断面の中央から半径0.0
    5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積
    層インダクタ。
  3. 【請求項3】 コイル(5)の巻き始め部と巻き終わり
    部がインダクタ断面のほぼ中央から互いに反対側の半分
    の位置にあり、 前記コイルが、その巻き始め部から巻き終わり部に向か
    うに従って徐々に反対側に移動するように配置されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
  4. 【請求項4】 コイル(5)が、その積層方向において
    同一の形状であることを特徴とする請求項1に記載の積
    層インダクタ。
  5. 【請求項5】 コイル(5)が、その巻き始め部および
    巻き終わり部から積層方向の中央部に向かうに従って徐
    々に変形して、その積層方向の中央部において断面全面
    を有効に利用する形状であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層インダクタ。
  6. 【請求項6】 非磁性体セラミックスを用いた電気絶縁
    層に導体パターン(14、16、18、20、22)が
    交互に積層され、 前記各導体パターンの端部が順次接続されることで積層
    方向に重畳したコイル(5)が形成されて前記電気絶縁
    層からなる電気絶縁体(2)中に埋没された状態となっ
    ており、 前記電気絶縁体の表面に前記コイルから引き出された2
    つの引き出し導体(5a)にそれぞれ接続される外部電
    極(3)が設けられ、 前記コイルの積層方向が外部電極方向である積層インダ
    クタ(1)において、 前記各引き出し導体が前記コイルの角から引き出されて
    おり、 この2つの引き出し導体の前記コイルに対する接続位置
    がそれぞれ反対の角であり、 L値が5nH以上であることを特徴とする積層インダク
    タ。
  7. 【請求項7】 非磁性体セラミックスを用いた電気絶縁
    層に導体パターンが交互に積層され、 前記各導体パターンの端部が順次接続されることで積層
    方向に重畳した2つのコイル(5、6)が互いに平行に
    形成されて前記電気絶縁層からなる電気絶縁体(2)中
    に埋没された状態となっており、 前記電気絶縁体の表面に前記各コイルから引き出された
    2つの引き出し導体(5a、6a)にそれぞれ接続され
    る外部電極(3)が設けられ、 前記各コイルの積層方向が外部電極方向である積層イン
    ダクタ(1)において、 前記各引き出し導体が前記各コイルの角から引き出され
    ており、 L値が20nH以下であることを特徴とする積層インダ
    クタ。
  8. 【請求項8】 非磁性体セラミックスを用いた電気絶縁
    層に導体パターンが交互に積層され、 前記各導体パターンの端部が順次接続されることで積層
    方向に重畳した4つのコイル(5、6、7、8)が互い
    に平行に形成されて前記電気絶縁層からなる電気絶縁体
    (2)中に埋没された状態となっており、 前記電気絶縁体の表面に前記各コイルから引き出された
    2つの引き出し導体(5a、6a、7a、8a)にそれ
    ぞれ接続される外部電極(3)が設けられ、 前記各コイルの積層方向が外部電極方向である積層イン
    ダクタ(1)において、 前記各引き出し導体が前記各コイルの角から引き出され
    ており、 L値が10nH以下であることを特徴とする積層インダ
    クタ。
JP10166526A 1998-06-15 1998-06-15 積層インダクタ Pending JP2000003813A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10166526A JP2000003813A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 積層インダクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10166526A JP2000003813A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 積層インダクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000003813A true JP2000003813A (ja) 2000-01-07

Family

ID=15832953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10166526A Pending JP2000003813A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 積層インダクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000003813A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150031954A (ko) * 2013-09-17 2015-03-25 삼성전기주식회사 인덕터 소자
JP2020145220A (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 株式会社村田製作所 積層型コイル部品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150031954A (ko) * 2013-09-17 2015-03-25 삼성전기주식회사 인덕터 소자
JP2020145220A (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 株式会社村田製作所 積層型コイル部品
JP7107250B2 (ja) 2019-03-04 2022-07-27 株式会社村田製作所 積層型コイル部品
US11430593B2 (en) 2019-03-04 2022-08-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer coil component

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100297584B1 (ko) 코일부품및그생산방법
JP3039538B1 (ja) 積層型インダクタ
KR100370670B1 (ko) 인덕터 소자 및 그 제조방법
JP2001155938A (ja) 積層インダクタおよびその製造方法
JP2002270428A (ja) 積層チップインダクタ
JP2002305111A (ja) 積層インダクタ
JP2002260925A (ja) 積層チップインダクタ
JPH09129447A (ja) 積層型インダクタ
JP2002093623A (ja) 積層インダクタ
JPH11265823A (ja) 積層型インダクタ及びその製造方法
JP2000003825A (ja) 積層チップ部品の製造方法
JP2002064016A (ja) 積層インダクタ
JP2000003813A (ja) 積層インダクタ
KR100279729B1 (ko) 적층형 칩 인덕터
JPH11186040A (ja) 積層型ノイズフィルタ
JP2001102218A (ja) 積層チップインダクタ及びその製造方法
JP2000223315A (ja) 積層チップコイル部品
JP3427007B2 (ja) 積層チップコイル
JP2001210522A (ja) 積層インダクタ
JPH02256214A (ja) チップインダクタおよびその製造方法
JPH07320939A (ja) インダクタンス部品およびその製造方法
JPH0969715A (ja) チップアンテナ
JP2000049014A (ja) 非磁性積層インダクタ
JP2000021666A (ja) 積層チップインダクタの製造方法
JPH0411709A (ja) コモンモードチョークコイル