WO2024135689A1 - 乗り物用シート - Google Patents

Abstract

容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる乗り物用シートを提供する。　乗り物用シートは、着座者の生体信号を検出する検出センサ（４）と、検出センサ（４）を第二パッド材（１２）に取り付けるための取付部材（５）と、を備える。第二パッド材（１２）の表面（１２ａ）には、パッド材（１０）の厚さ方向に窪むように設けられ、取付部材（５）を介して検出センサ（４）を収容するための収容部（２０）が形成される。取付部材（５）は、検出センサ（４）を収容する凹部（５０）と、凹部（５０）から外側へ向かって延び、第二パッド材（１２）の表面（１２ａ）に配置される外周部（５１）と、外周部（５１）に設けられ、収容部（２０）に形成された被係止部（２６）に係止する係止部（５２）と、を有する。

Description

乗り物用シート

　本発明は、乗り物用シートに係り、特に、パッド材を備えた乗り物用シートに関する。

　従来、パッド材と、パッド材の下方に配置される検出センサを備える乗り物用シートが知られている。例えば、特許文献１には、検出センサが、乗り物用シートのフレームに張り渡される複数のＳばねのうち、隣接する一対のＳばねに取り付けられる台座（取付部材）に載置されることで、乗り物用シートに取り付けられることが記載されている。台座は、検出センサが載置される載置部から外側に延びるフック部によって、Ｓばねに取り付けられる。

特開２０１８－０５８５８６号公報

　一般に、乗り物用シートは、パッド材をＳばねで支持する構造のほか、表面のパッド材を硬度の異なるパッド材で支持する構造が用いられている。したがって、検出センサをＳばね以外の部材にも、容易に取り付け可能な構造が求められている。

　本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる乗り物用シートを提供することにある。

　前記課題は、パッド材を備えた乗り物用シートであって、着座者の生体信号を検出する検出センサと、前記検出センサを前記パッド材に取り付けるための取付部材と、を備え、前記パッド材の表面には、前記パッド材の厚さ方向に窪むように設けられ、前記取付部材を介して前記検出センサを収容するための収容部が形成され、前記取付部材は、前記検出センサを収容する凹部と、前記凹部から外側へ向かって延び、前記パッド材の前記表面に配置される外周部と、前記外周部に設けられ、前記収容部に形成された被係止部に係止する係止部と、を有することにより解決される。
　上記構成により、取付部材の外周部がパッド材の表面に配置されることで、パッド材に検出センサを容易に取り付けることができる。また、取付部材をパッド材の表面を基準として取り付けることで、パッド材の公差の影響を低減することができる。さらに、係止部がパッド材の被係止部に引っ掛かって取り付けられるため、取付部材がパッド材から脱落してしまうことを抑制できる。
　したがって、取付部材によって容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる。

　このとき、前記被係止部は、前記収容部の内壁に形成され、前記パッド材の前記厚さ方向と交差する方向に貫通する貫通孔であって、前記係止部は、前記外周部から前記パッド材の前記厚さ方向に延びて外側へ屈曲し、前記貫通孔に係止するとよい。
　上記構成により、係止部が貫通孔に係止されるため、一層容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる。

　このとき、前記取付部材は、前記外周部の裏面から延びて前記パッド材の前記表面に当接し、前記パッド材の前記厚さ方向における前記検出センサの取り付け位置を決める位置決めリブを有するとよい。
　上記構成により、取付部材をパッド材の厚さ方向から取り付けるだけで、精度良く容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる。

　このとき、前記検出センサは、前記着座者の着座状態を検知する着座センサであって、前記着座者の着座圧に応じてオン又はオフするとよい。
　上記構成により、取付部材によって検出センサを安定してパッド材に取り付けることができため、着座者の荷重に応じて回路が導通するプッシュ式の着座センサであっても、着座者の着座状態を精度良く検出することができる。

　このとき、前記収容部は、シート幅方向に間隔をあけて複数形成されているとよい。
　上記構成により、複数の収容部が設けられることにより、検出センサを取り付けない位置における着座フィーリングを向上させることができる。

　このとき、前記パッド材は、第一パッド材と、前記第一パッド材よりも硬く形成され、前記第一パッド材の裏面に重ねて配置される第二パッド材と、を有し、前記収容部は、前記第一パッド材の裏面又は前記第二パッド材の前記第一パッド材に対向する対向面に設けられるとよい。
　上記構成により、着座フィーリングを向上させつつ、検出センサを好適に保持することができる。

　このとき、前記第二パッド材は、発泡ポリプロピレンからなるとよい。
　上記構成により、第二パッド材の剛性を高め、検出センサを好適に保持することができる。

　このとき、前記取付部材は、前記凹部の底部に設けられ、前記底部から前記凹部が窪む方向に延びる爪部を有するとよい。
　上記構成により、外周部から延びる係止部とは異なる位置に形成された爪部によって、被係止部以外の位置で、取付部材をパッド材に取り付けることができる。また、爪部によってパッド材以外の部材（例えばパンフレーム等の板状部材）にも、取付部材を取り付けることができる。そのため、取付部材の汎用性を高めることができる。

　本発明によれば、容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる。
　また本発明によれば、一層容易に検出センサをパッド材に取り付けることができる。
　また本発明によれば、取付部材を容易にパッド材へ係止させることができる。
　また本発明によれば、着座者の着座状態を精度良く検出することができる。
　また本発明によれば、着座フィーリングを向上させることができる。
　また本発明によれば、着座フィーリングを向上させつつ、検出センサを好適に保持することができる。
　また本発明によれば、第二パッド材の剛性を高め、検出センサを好適に保持することができる。
　また本発明によれば、取付部材の汎用性を高めることができる。

本実施形態の乗り物用シートの外観斜視図である。 シートクッションの断面図である。 シートクッションのパッド材（第一パッド材、第二パッド材）の分解斜視図である。 第二パッド材の要部拡大図である。 図４のＶ－Ｖ断面図であって、取付部材がパッド材に係止された状態を示す図である。 取付部材及び検出センサの斜視図である。 取付部材の斜視図である。

　以下、本発明に係る実施形態について図１～図７を参照して説明する。なお、以下の説明中、「前後方向」とは、乗り物用シートの前後方向であり、車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、乗り物用シートの横幅方向（換言すると、シート本体の幅方向）であり、乗り物用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、乗り物用シートの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。

　本実施形態の乗り物用シートＳは、図１に示すように、車両用シートであって、例えば、車体フロアの上に載置され、３人の乗員が着座可能な自動車の後部座席である。ただし、これに限定されるものではなく、乗り物用シートＳは車両の前側に配置されるフロントシートであってもよく、また、前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシート又は三列目のリアシートとしても利用可能である。

　乗り物用シートＳは、図１～図３に示すように、シートクッション１と、シートバック２と、ヘッドレスト３とを有するシート本体と、シート本体の内部にそれぞれ取り付けられ、着座者の生体信号を検出する検出センサ４と、検出センサ４をシートクッション１に取り付けるための取付部材５と、から主に構成されている。

　シートクッション１は、図１に示すように、着座者を下方から支持する着座部であって、シートクッション１の本体部分となるパッド材１０を表皮材１ａによって被覆することで構成されている。
　シートバック２は、図１に示すように、着座者の背中を後方から支持する背もたれ部であって、パッド材２ａを表皮材２ｂによって被覆することで構成されている。
　ヘッドレスト３は、図１に示すように、着座者の頭部を方向から支持する頭部支持部であって、不図示のパッド材を表皮材によって被覆することで構成されている。

　検出センサ４は、図２に示すように、パッド材１０の内部（具体的には、第二パッド材１２の収容部２０）に取付部材５を介して取り付けられる。検出センサ４は、図３に示すように、シート幅方向に間隔を空けて複数設けられ、着座者のヒップポイントの位置又はヒップポイント近辺に相当する位置にそれぞれ配置されている。また、それぞれ独立して着座圧を検出し、当該着座圧の検出結果に基づく検出信号を出力する。

　＜パッド材＞
　パッド材１０は、図２、図３に示すように、複数のパッド材が上下に積層されて形成されるパッド積層体であって、上側（着座者側）に配置される第一パッド材１１と、第一パッド材１１よりも硬く形成され、下側（車体側）に配置される第二パッド材１２と、を備えている。
　第一パッド材１１は、第二パッド材１２の上面に配置され、第二パッド材１２を上方から覆うように取り付けられている。
　詳しく述べると、第一パッド材１１及び第二パッド材１２が組み付けられたときに、第一パッド材１１が、第二パッド材１２の上面、前面及び両側面の略全面にわたって当接し、また第二パッド材１２の後面の一部に当接している。
　また、第一パッド材１１及び第二パッド材１２が組み付けられたときに、第二パッド材１２の後方部分の一部（アンカー通し部１２ｃ）が上方に露出している。

　＜第一パッド材＞
　第一パッド材１１は、例えばウレタンフォーム等の樹脂材料から形成されている。図３に示すように、第一パッド材１１の表面には、表皮材１ａを吊り込むための第１表皮吊り込み溝１１ａ、第２表皮吊り込み溝１１ｂが形成されている。

　第１表皮吊り込み溝１１ａは、シート幅方向に間隔を空けて複数形成され、シート前後方向に延びている縦吊り込み溝である。
　第２表皮吊り込み溝１１ｂは、第一パッド材１１の表面上においてシート前後方向の略中央部分に形成され、シート幅方向に延びている横吊り込み溝である。第２表皮吊り込み溝１１ｂは、隣り合う第１表皮吊り込み溝１１ａを連結している。

　第一パッド材１１の後端部には、シート幅方向に間隔を空けて複数設けられ、第二パッド材１２に設けられた被取り付け部１２ｂに取り付けるためのフック状の取り付け部１１ｃと、隣り合う取り付け部１１ｃの間に配置される開口部１１ｄと、が形成されている。開口部１１ｄを通じて、第二パッド材１２のアンカー通し部１２ｃが上方に露出している。

　上記構成において、第１表皮吊り込み溝１１ａ及び第２表皮吊り込み溝１１ｂと、検出センサ４とが、上面視において異なる位置（上下方向に重ならない位置）に配置されている。具体的には、図３において、検出センサ４は、隣り合う第１表皮吊り込み溝１１ａの間且つ第２表皮吊り込み溝１１ｂの前方の領域と、上下方向に重なる位置に配置される。
　このように第１表皮吊り込み溝１１ａ及び第２表皮吊り込み溝１１ｂの真下位置を避けて検出センサ４を配置することで、着座圧に対する検出センサ４の検出性能を高めることができる。

　＜第二パッド材＞
　第二パッド材１２は、例えば発泡ポリプロピレン等の樹脂材料から形成されている。図２、図３に示すように、第二パッド材１２は、第一パッド材１１よりも硬く形成され、第二パッド材１２は、第一パッド材１１の裏面に重ねて配置される。言い換えると、第二パッド材１２は、第一パッド材１１の裏面側に設けられ、第一パッド材１１と上下方向で重なるように配置されている。

　図３に示すように、第二パッド材１２の後端部には、シート幅方向に間隔を空けて複数設けられ、第一パッド材１１の取り付け部１１ｃに取り付けるための凸状の被取り付け部１２ｂと、隣り合う取り付け部１１ｃの間に配置されるアンカー通し部１２ｃと、が形成されている。
　アンカー通し部１２ｃは、不図示のアンカー部材（延出部材）を通すための通し穴であって、具体的には、チャイルドシートを連結するためのアンカー部材を通すための通し穴である。
　なお、アンカー部材は、車体に取り付けられ、車体からアンカー通し部１２ｃを通過してシート本体から前方に突出した状態で組み付けられる。

　図４、図５に示すように、第二パッド材１２の表面１２ａには、パッド材１０の厚さ方向に窪むように設けられ、取付部材５を介して検出センサ４を収容するための収容部２０が形成される。
　図４は、第二パッド材１２における隣り合う二つの収容部２０を示している。図４における右側の収容部２０は、検出センサ４及び取付部材５が配置された状態である。また、図４における左側の収容部２０は、検出センサ４及び取付部材５が取り外された状態である。
　なお、第二パッド材１２の表面１２ａには、収容部２０に連続して設けられ、導電線が束ねられて形成されるワイヤーハーネスを収容するための収容溝（不図示）が形成されてもよい。

　＜収容部＞
　収容部２０は、図２に示すように、検出センサ４を収容するための収納凹部であって、第二パッド材１２の表面１２ａに形成され、第一パッド材１１の裏面に対向するように設けられている。収容部２０は、図３に示すように、シート幅方向に間隔をあけて複数形成されている。具体的には、収容部２０は、シート幅方向における第二パッド材１２の中央部分に一つ設けられ、第二パッド材１２の両側部分に二つずつ設けられる。
　なお、収容部２０は、第二パッド材１２の表面１２ａ（第一パッド材１１に対向する対向面）に形成されているが、特に限定されず、第二パッド材１２の裏面に形成されてもよい。あるいは、第一パッド材１１の裏面に形成されてもよいし、第一パッド材１１の表面に形成されてもよい。

　収容部２０は、図４、図５に示すように、内壁２１と、シート幅方向の両側部分に設けられる第一底壁２２と、第一底壁２２よりもシート幅方向の内側に設けられ、第一底壁２２から上方へ突出する突出部２３と、シート幅方向の中央部分に設けられる第二底壁２４と、第二底壁２４からパッド材１０の厚さ方向へさらに下方へ窪むように設けられる窪み部２５と、を有する。また、収容部２０の内壁２１には、取付部材５が係止するための被係止部２６が形成される。

　第一底壁２２は、収容部２０においてシート幅方向の両側部分に設けられ、内壁２１に近接した位置に形成される平坦部である。第一底壁２２には、係止部５２が配置される。
　突出部２３は、収容部２０において内壁２１よりもシート幅方向の内側に設けられ、第一底壁２２の内側端部から上方へ突出する。突出部２３の上面は、平坦であり、パッド材１０の厚さ方向において、第一底壁２２及び第二底壁２４よりも上方に位置し、第二パッド材１２の表面１２ａよりも下方に位置する。検出センサ４及び取付部材５が収容部２０に配置されたとき、突出部２３は、取付部材５の凹部５０の底部５０ａを支持する。

　第二底壁２４は、収容部２０のシート幅方向における中央位置に形成される平坦部である。第二底壁２４は、パッド材１０の厚さ方向において、第一底壁２２よりも上方に位置する。検出センサ４及び取付部材５が収容部２０に配置されたとき、第二底壁２４は、検出センサ４のコネクタ部４１を支持する。

　窪み部２５は、収容部２０においてシート幅方向における突出部２３と第二底壁２４との間に設けられ、第二底壁２４の外側端部からパッド材１０の厚さ方向へさらに窪むように設けられる。言い換えると、窪み部２５は、収容部２０において取付部材５の爪部５３に対応する位置に設けられる。
　窪み部２５の底面は、平坦であり、パッド材１０の厚さ方向において、第一底壁２２及び第二底壁２４よりも下方に位置する。検出センサ４及び取付部材５が収容部２０に配置されたとき、窪み部２５には、取付部材５の爪部５３が配置される。

　被係止部２６は、内壁２１に形成され、パッド材１０の厚さ方向と交差する方向（シート幅方向）に貫通する貫通孔である。具体的には、被係止部２６は、収容部２０においてシート幅方向における両端部に設けられ、内壁２１の下端部に形成される。被係止部２６は、シート前後方向に延びる長孔であって、係止部５２の係止爪５２ｂを引っ掛けることができる形状となっている。
　なお、被係止部２６は、シート幅方向において外側へ延び、屈曲して下方へ延びるように貫通している。言い換えると、第二パッド材１２は、被係止部２６を介して、表面１２ａから裏面まで連続して貫通している。

　＜検出センサ＞
　検出センサ４は、図４～図６に示すように、着座者がシートに着座した際にシートクッション１の着座面に加わる着座圧を検出するシート状の圧力センサであって、パッド材１０の表面に取り付けられている。具体的には、検出センサ４は、第二パッド材１２の表面１２ａに形成された収容部２０に、取付部材５を介して取り付けられる。
　ここで「着座圧」とは、着座者がシートクッション１上に着座した状態において当該着座者の生理的活動、具体的には呼吸に応じて周期に変化する値であり、圧力センサによって検出される対象値である。なお、検出センサ４は、着座者の着座状態を検知する着座センサであるとよい。好ましくは、着座者の着座圧に応じてオン又はオフするプッシュスイッチ式の着座センサであるとよい。

　検出センサ４は、図４、図６に示すように、着座者による着座圧を検出するセンサ本体部４０と、センサ本体部４０が着座圧を検出した際に検出信号を出力するためのコネクタ部４１と、を有している。
　センサ本体部４０は、内部にセンサを収容したハウジング４０ａと、着座者によって押圧される押圧部４０ｂと、を有する。ハウジング４０ａは、取付部材５の第一係合部５０ｃ及び第二係合部５０ｄに係合されることで、取付部材５に取り付けられる。センサ本体部４０は、第一パッド材１１を介して着座者によって押圧部４０ｂが押圧されると、検出信号を出力する。
　コネクタ部４１は、センサ本体部４０のセンサを車両の制御装置（不図示）に電気的に接続する。コネクタ部４１は、センサ本体部４０からシート前方へ延びてワイヤーハーネスと電気的に接続される。

　＜取付部材＞
　取付部材５は、図４～図７に示すように、検出センサ４をパッド材１０に取り付けるためのアタッチメントである。詳しく述べると、取付部材５は、検出センサ４を取り付けた状態で、第二パッド材１２の収容部２０に配置される。
　取付部材５は、検出センサ４を収容する凹部５０と、凹部５０から外側へ向かって延び、パッド材１０の表面に配置される外周部５１と、外周部５１に設けられ、収容部２０に形成された被係止部２６に係止する係止部５２と、凹部５０の底部５０ａに設けられ、底部５０ａから凹部５０が窪む方向に延びる爪部５３と、検出センサ４の取り付け位置を決める位置決めリブ５４と、を有する。

　凹部５０は、図５、図６に示すように、取付部材５における中心部分に設けられ、検出センサ４を収容する。凹部５０は、図７に示すように、検出センサ４のセンサ本体部４０を下方から支持する底部５０ａと、センサ本体部４０を側方から支持する側壁部５０ｂと、底部５０ａに設けられた第一係合部５０ｃと、側壁部５０ｂに設けられた第二係合部５０ｄと、を有する。

　底部５０ａは、下方からセンサ本体部４０を支持する平坦部である。底部５０ａの後端部には、ハウジング４０ａに係合する第一係合部５０ｃが形成される。
　側壁部５０ｂは、側方からセンサ本体部４０を支持する壁部である。側壁部５０ｂのシート幅方向における両端部には、ハウジング４０ａに係合する第二係合部５０ｄが形成される。

　外周部５１は、図５～図７に示すように、上面視において逆Ｕ字状を有し、検出センサ４を取り囲むように配置される。外周部５１は、凹部５０の側壁部５０ｂに連続して形成され、凹部５０の開口端部から外側へ向かって延びるベース部５１ａと、ベース部５１ａの外縁部から外側に延びる傾斜部５１ｂと、ベース部５１ａに形成された孔部５１ｃと、を有する。

　ベース部５１ａは、収容部２０及び第二パッド材１２の上方に配置される。ベース部５１ａの裏面には、位置決めリブ５４が形成される。また、ベース部５１ａのシート幅方向における両側部には、孔部５１ｃが形成される。
　取付部材５が係止部５２によって収容部２０に取り付けられたとき、ベース部５１ａは、第二パッド材１２の表面１２ａを覆うように配置される。

　傾斜部５１ｂは、ベース部５１ａに連続して形成され、ベース部５１ａの外縁部から外側に向かって下方へ延びるように設けられる。傾斜部５１ｂの外側端部は、第二パッド材１２の表面１２ａに当接する。
　孔部５１ｃは、上下方向に貫通する孔であって、ベース部５１ａのシート幅方向における両側部に形成される。孔部５１ｃには、例えば第二パッド材１２の上方に配置された電子機器等のハーネスが挿通されてもよい。具体的には、上方から孔部５１ｃに挿通されたハーネスは、下方へ延びて被係止部２６（貫通孔）を通り、第二パッド材１２の裏面へ延びるように配置される。

　係止部５２は、図５～図７に示すように、前後方向に長尺であって、外周部５１からパッド材１０の厚さ方向に延びて外側へ屈曲し、被係止部２６に係止する。
　係止部５２は、外周部５１からパッド材１０の厚さ方向に延びる延在部５２ａと、延在部５２ａから外側へ屈曲する係止爪５２ｂと、を有する。

　延在部５２ａは、孔部５１ｃの近傍におけるベース部５１ａから、下方に向かって延びる。延在部５２ａには、シート幅方向に貫通する開口５２ｃが形成される。
　係止爪５２ｂは、被係止部２６に係止する部分であって、延在部５２ａの下端部からシート幅方向における外側へ突出する。

　爪部５３は、図５～図７に示すように、凹部５０の底部５０ａに設けられ、底部５０ａから凹部５０が窪む方向に延びる部分である。爪部５３は、底部５０ａから下方へ延びる延出部５３ａと、延出部５３ａからシート幅方向における外側へ突出する係合爪５３ｂと、を有する。
　延出部５３ａは、底部５０ａから下方に向かって延びる。延出部５３ａの下端部は、外側へ屈曲する。
　係合爪５３ｂは、延出部５３ａの下端部からシート幅方向における外側へ突出する。係合爪５３ｂの外側端部には、外側へ向かって突出する複数の突起が形成される。

　爪部５３は、収容部２０の窪み部２５に収納される。係合爪５３ｂは、第二パッド材１２の収容部２０に配置されるときには、第二パッド材１２には係合しないように構成される。すなわち、係合爪５３ｂは、本実施形態以外の他の収容部や、パッド材、又はパッド材以外の部材に、取付部材５を取り付けるために用いられる。
　例えば、取付部材５をパンフレームのような板状部材に取り付ける場合に、パンフレームに形成された被係合部に、係合爪５３ｂを係合させることで、検出センサ４及び取付部材５を、乗り物用シートＳに取り付けることができる。

　このように、係止部５２とは異なる位置に爪部５３を設けることによって、収容部２０の被係止部２６以外の位置で、取付部材５をパッド材１０に取り付けることができる。また、爪部５３によってパッド材１０以外の部材等にも、取付部材５を取り付けることができる。そのため、取付部材５の汎用性を高めることができる。
　なお、係合爪５３ｂは、窪み部２５の内壁部に当接していてもよい。係合爪５３ｂが窪み部２５に係合することで、取付部材５の第二パッド材１２に対する係合力を向上させてもよい。この場合に、係合爪５３ｂに設けられた複数の突起を第二パッド材１２に食い込ませることで、係合爪５３ｂが第二パッド材１２に係合されてもよい。

　位置決めリブ５４は、図５～図７に示すように、ベース部５１ａの外縁部における裏面（下面）に設けられ、外周部５１の裏面から延びて第二パッド材１２の表面１２ａに当接し、第二パッド材１２の厚さ方向における検出センサ４の取り付け位置を決める。
　位置決めリブ５４の下端部は、第二パッド材１２の表面１２ａに当接する。このように、取付部材５を第二パッド材１２の表面１２ａに対して上方から取り付けるだけで、取付部材５の第二パッド材１２に対する位置を決めることができる。したがって、精度良く容易に検出センサ４をパッド材１０に取り付けることができる。

　上記構成により、例えば、第二パッド材１２が発泡形成されたときに、収容部２０の深さの設計値に誤差が生じてしまった場合でも、第二パッド材１２の表面１２ａに外周部５１を載置するだけで、着座面（パッド材１０の位置）に対する検出センサ４の上下位置を、精度良く容易に合わせることができる。
　また、検出センサ４を収容する凹部５０から外側へ向かって延びるように形成される外周部５１によって、第二パッド材１２に取付部材５を安定して取り付けることができる。さらに、外周部５１に設けられた係止部５２によって、第二パッド材１２に対する取付部材５の係止力を高めることができる。

　　＜その他の別実施形態＞
　上記実施形態では、図２に示すように、パッド材１０が、第一パッド材１１と第二パッド材１２が積層されて構成されるものであったが、特に限定されるものではない。
　例えば、パッド材１０が、３つ以上のパッド材が積層されて構成されるものであっても良い。その場合には、パッド材１０のうち、最も着座者側に位置する第一パッド材が比較的柔らかく、第二パッド材以降のパッド材が第一パッド材よりも硬くなっていると良い。またその場合には、検出センサ４が、比較的硬い第二パッド材や第三パッド材の表面又は裏面に取り付けられていると良い。

　上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる乗り物用シートについて説明したが、特に限定されることなく、二輪車用の二輪シート、電車やバス等の車両用シート、飛行機や船等の乗り物用シートのほか、作業用の事務イス、車イス、ショッピングカートの子供用イス等の種々のシートに対して利用することができる。

　本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用シートに関して説明した。
　ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。

Ｓ　　乗り物用シート
１　シートクッション
　１ａ　表皮材
２　シートバック
　２ａ　パッド材
　２ｂ　表皮材
３　ヘッドレスト
４　検出センサ
５　取付部材
１０　パッド材
１１　第一パッド材
　１１ａ　第１表皮吊り込み溝
　１１ｂ　第２表皮吊り込み溝
　１１ｃ　取り付け部
　１１ｄ　開口部
１２　第二パッド材
　１２ａ　表面
　１２ｂ　被取り付け部
　１２ｃ　アンカー通し部
２０　収容部
２１　内壁
２２　第一底壁
２３　突出部
２４　第二底壁
２５　窪み部
２６　被係止部
４０　センサ本体部
　４０ａ　ハウジング
　４０ｂ　押圧部
４１　コネクタ部
５０　凹部
　５０ａ　底部
　５０ｂ　側壁部
　５０ｃ　第一係合部
　５０ｄ　第二係合部
５１　外周部
　５１ａ　ベース部
　５１ｂ　傾斜部
　５１ｃ　孔部
５２　係止部
　５２ａ　延在部
　５２ｂ　係止爪
　５２ｃ　開口
５３　爪部
　５３ａ　延出部
　５３ｂ　係合爪
５４　位置決めリブ

Claims (8)

1. 　パッド材を備えた乗り物用シートであって、
   　着座者の生体信号を検出する検出センサと、
   　前記検出センサを前記パッド材に取り付けるための取付部材と、を備え、
   　前記パッド材の表面には、前記パッド材の厚さ方向に窪むように設けられ、前記取付部材を介して前記検出センサを収容するための収容部が形成され、
   　前記取付部材は、
   　前記検出センサを収容する凹部と、
   　前記凹部から外側へ向かって延び、前記パッド材の前記表面に配置される外周部と、
   　前記外周部に設けられ、前記収容部に形成された被係止部に係止する係止部と、を有することを特徴とする乗り物用シート。
2. 　前記被係止部は、前記収容部の内壁に形成され、前記パッド材の前記厚さ方向と交差する方向に貫通する貫通孔であって、
   　前記係止部は、前記外周部から前記パッド材の前記厚さ方向に延びて外側へ屈曲し、前記貫通孔に係止することを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
3. 　前記取付部材は、前記外周部の裏面から延びて前記パッド材の前記表面に当接し、前記パッド材の前記厚さ方向における前記検出センサの取り付け位置を決める位置決めリブを有することを特徴とする請求項１又は２に記載の乗り物用シート。
4. 　前記検出センサは、前記着座者の着座状態を検知する着座センサであって、前記着座者の着座圧に応じてオン又はオフすることを特徴とする請求項１又は２に記載の乗り物用シート。
5. 　前記収容部は、シート幅方向に間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の乗り物用シート。
6. 　前記パッド材は、第一パッド材と、前記第一パッド材よりも硬く形成され、前記第一パッド材の裏面に重ねて配置される第二パッド材と、を有し、
   　前記収容部は、前記第一パッド材の裏面又は前記第二パッド材の前記第一パッド材に対向する対向面に設けられることを特徴とする請求項１又は２に記載の乗り物用シート。
7. 　前記第二パッド材は、発泡ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項６に記載の乗り物用シート。
8. 　前記取付部材は、前記凹部の底部に設けられ、前記底部から前記凹部が窪む方向に延びる爪部を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の乗り物用シート。

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